保育士不足が深刻化する中、「保育士が足りない」「採用活動がうまくいかない」と悩んでいる保育施設は少なくありません。
本記事では、保育士不足の現状や転職理由、採用活動の成功につながる求人媒体の選び方・求人情報の書き方から、採用基準・選考方法、内定承諾後のフォロー、そして定着率アップのための施策まで、具体的な方法を解説します。最適な保育士人材を見つけ、採用・定着につなげましょう。
職場に定着し、活躍する人材を採用したいとお考えの方は、以下のお役立ち資料もあわせてご活用ください。
本記事では、保育士不足の現状や転職理由、採用活動の成功につながる求人媒体の選び方・求人情報の書き方から、採用基準・選考方法、内定承諾後のフォロー、そして定着率アップのための施策まで、具体的な方法を解説します。最適な保育士人材を見つけ、採用・定着につなげましょう。
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目次
保育士不足の現状

「保育士不足が起きている」と言われて久しい世の中ですが、具体的にどのような不都合が起きているのかを見てみましょう。
待機児童問題と保育士不足の関係性
これまで国は待機児童を減らすためにさまざまな施策を講じてきました。その結果、待機児童数が100人以上の自治体はなくなっています。
(参考:保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)及び「新子育て安心プラン」集計結果を公表|こども家庭庁)
しかしながら、保育士の有効求人倍率(全国)は3倍を上回る月が多く、全職種平均に比べてかなり高い状態にあると言えます。その一因に若年層の保育士の離職があります。35歳以上の平均勤続年数は全産業合計を下回っており、35歳以上の保育士の職場定着率は低水準にあります。
(参考:保育士の有効求人倍率の推移(全国)|こども家庭庁)
(参考:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省 第1部第1章p.57)
また、療育や夜間保育など多様な保育ニーズに応える必要が増しており、これまでよりも保育ニーズが高まっているとも言えます。そのため、待機児童数が減っても保育士不足は続いているのです。
(参考:保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)及び「新子育て安心プラン」集計結果を公表|こども家庭庁)
しかしながら、保育士の有効求人倍率(全国)は3倍を上回る月が多く、全職種平均に比べてかなり高い状態にあると言えます。その一因に若年層の保育士の離職があります。35歳以上の平均勤続年数は全産業合計を下回っており、35歳以上の保育士の職場定着率は低水準にあります。
(参考:保育士の有効求人倍率の推移(全国)|こども家庭庁)
(参考:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省 第1部第1章p.57)
また、療育や夜間保育など多様な保育ニーズに応える必要が増しており、これまでよりも保育ニーズが高まっているとも言えます。そのため、待機児童数が減っても保育士不足は続いているのです。
保育士不足がもたらす影響
保育士不足は、子どもたちや保護者、そして保育現場にさまざまな影響を及ぼします。以下の3点から見てみましょう。
- 子どもへの影響
- 保護者とその職場への影響
- 保育現場への影響
【子どもへの影響】
保育士が不足すると、子ども一人ひとりに寄り添った保育を提供することやきめ細やかな目配りが難しくなります。
そのため、保育の質低下が起きやすく、安全面でのリスクも高まります。
そのため、保育の質低下が起きやすく、安全面でのリスクも高まります。
【保護者とその職場への影響】
保育士の不足により希望する保育が受けられず、仕事との両立が困難になるケースが考えられます。子どもの預け先が見つからないことで経済的な困窮をきたしたり、精神的に追い詰められたりする保護者もいるでしょう。
子育て中の従業員がいる職場にとっても、保育士不足は深刻な問題です。近年では職場内に保育所を作ったり、子連れ出勤を許可したりするケースも見られますが、浸透している職場ばかりではありません。
保育園探し、いわゆる「保活」が難航した保護者と子どもは不安に駆られていることも多いものです。保育施設側には慣らし保育や保護者のメンタルケア等の面でとくに手厚い対応が求められます。
子育て中の従業員がいる職場にとっても、保育士不足は深刻な問題です。近年では職場内に保育所を作ったり、子連れ出勤を許可したりするケースも見られますが、浸透している職場ばかりではありません。
保育園探し、いわゆる「保活」が難航した保護者と子どもは不安に駆られていることも多いものです。保育施設側には慣らし保育や保護者のメンタルケア等の面でとくに手厚い対応が求められます。
【保育現場への影響】
慢性的な保育士不足は、既存の保育士の負担を増加させ、過重労働につながる可能性があります。心身の疲労から、離職を選択せざるを得ない保育士も少なくありません。
保育士不足は、経験豊富なベテラン保育士が育成しにくい環境にもつながります。人材不足の中で、質の高い保育を提供し続けることは容易ではありません。また、保育士不足により、研修やスキルアップの機会が減ってしまうことも、保育の質の向上を阻害する要因となります。
保育士不足は、経験豊富なベテラン保育士が育成しにくい環境にもつながります。人材不足の中で、質の高い保育を提供し続けることは容易ではありません。また、保育士不足により、研修やスキルアップの機会が減ってしまうことも、保育の質の向上を阻害する要因となります。
保育士が転職する理由

保育士不足が深刻化する一方で、せっかく保育士になったにもかかわらず、職場を転々とする人が後を絶ちません。保育士が転職を考える理由は、一体どこにあるのでしょうか。
ここでは、統計データに基づきながら、保育士の転職理由についてくわしく解説していきます。
ここでは、統計データに基づきながら、保育士の転職理由についてくわしく解説していきます。
統計データから見えるもの
厚生労働白書によれば、保育士の退職理由には「職場の人間関係」「給料が安い」「仕事量が多い」など、労働環境によるものが目立ちます。加えてライフステージやキャリアに関するもの、保護者対応等の負担が並びます。
(参考:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省 第1部第1章p.57)
そこで、以下5点から保育士の転職理由をくわしく考察します。
(参考:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-|厚生労働省 第1部第1章p.57)
そこで、以下5点から保育士の転職理由をくわしく考察します。
- 給与・待遇面での不満
- 労働時間の長さ・休日の少なさ
- 仕事内容の負担感・責任の重さ
- 人間関係の悩み
- キャリアアップの難しさ
給与・待遇面での不満
保育士の給与は正社員の場合平均で396.9万円となっています。
(参考:保育士 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
全産業平均と比べて極端に低いわけではありませんが、あくまでも平均です。若年層の離職が目立つことを考えると、実際はこれよりも少ない給与である人も多いでしょう。また、実際に感じている負担が重ければ割が合わないと感じるなど、待遇面での不満を抱えている保育士もいると考えられます。
(参考:保育士 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
全産業平均と比べて極端に低いわけではありませんが、あくまでも平均です。若年層の離職が目立つことを考えると、実際はこれよりも少ない給与である人も多いでしょう。また、実際に感じている負担が重ければ割が合わないと感じるなど、待遇面での不満を抱えている保育士もいると考えられます。
労働時間の長さ・休日の少なさ
保育士は、子どもの預かり時間に合わせて早朝や夕方に勤務するケースが多く、残業時間も長くなりがちです。さらに、行事の準備や書類作成などで休日出勤を余儀なくされることもあり、プライベートの時間を確保しづらいという現状があります。このような労働時間の長さや休日の少なさが、転職理由の上位に挙げられるのも頷けます。
仕事内容の負担感・責任の重さ
保育士は、子どもの命を預かるという責任重大な役割を担っています。子どもの安全確保はもちろんのこと、発達段階に合わせた保育計画の作成や実施、保護者とのコミュニケーションなど、幅広い業務をこなさなければなりません。
とくに、近年は共働き家庭の増加に伴い、保育ニーズが多様化しており、保育士一人ひとりの負担は増加傾向にあります。
とくに、近年は共働き家庭の増加に伴い、保育ニーズが多様化しており、保育士一人ひとりの負担は増加傾向にあります。
人間関係の悩み
保育士は、子どもたちだけでなく、保護者や同僚など、多くの人と関わりながら仕事を進めていく必要があります。しかし、保護者との意見の相違や同僚との連携不足などが原因で、人間関係に悩みを抱えてしまうケースも少なくありません。
とくに、新卒で保育士になったばかりの若手保育士にとっては、人間関係の構築が大きな課題となるでしょう。
とくに、新卒で保育士になったばかりの若手保育士にとっては、人間関係の構築が大きな課題となるでしょう。
キャリアアップの難しさ
従来の保育業界では、経験年数に比例して給与が上がる仕組みが一般的でしたが、近年では、保育士のキャリアパスが多様化しています。主任や園長といった管理職を目指す以外にも、専門性を活かして保育コーディネーターやベビーシッターなどの道を選ぶことも可能です。
しかし、キャリアアップのための研修制度や資格取得支援制度が充実していない職場も多く、自身のキャリアプランを実現するのが難しいと感じる保育士もいるようです。
【関連記事:退職防止とは?要因と対策、企業事例もあわせて紹介】
しかし、キャリアアップのための研修制度や資格取得支援制度が充実していない職場も多く、自身のキャリアプランを実現するのが難しいと感じる保育士もいるようです。
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保育士の採用方法・求人媒体の選び方

保育士の採用方法は多岐にわたります。ここでは以下の一般的に用いられる採用方法の特徴を解説します。
- 自法人のWebサイト
- ハローワーク
- 福祉人材センター
- 学校からの紹介(新卒)
- リファラル採用
- アルムナイ採用
- 求人検索エンジン(Indeedなど)
- 求人掲載媒体・求人広告
- 人材エージェント
自法人に合った採用方法を見つけましょう。
自法人のWebサイト
自法人のWebサイト内に求人情報を公開し、募集するケースがあります。似たものとしてSNSで求人を行う企業もあります。
| メリット | デメリット |
| ・自法人の魅力を詳細に伝えられる ・採用コストを抑えられる | ・周知に時間がかかる場合がある ・応募者が集まりにくい場合がある ・管理の手間が大きい |
自由に求人情報や自法人アピールを掲載できるところは強みですが、手間のわりに効果が見込めない場合もあります。
ハローワーク
保育士の求人はもちろんハローワークでも行えます。
| メリット | デメリット |
| ・広い範囲の求職者にアプローチできる ・利用料が無料 | ・他の求人に埋もれてしまう可能性がある ・詳細な条件提示が難しい場合がある ・候補者を絞り込みにくい ・管理の手間が大きい |
福祉人材センター
福祉人材センターとは、社会福祉協議会におかれた無料の職業紹介事業所です。
| メリット | デメリット |
| ・保育分野に精通したアドバイザーのサポートを受けられる ・利用料が無料 | ・利用者が少ない ・候補者を絞り込みにくい ・管理の手間が大きい |
福祉系求人に特化されていることが強みですが、ハローワーク同様に手間がかかりやすく候補者を絞り込みにくい媒体です。
学校からの紹介(新卒)
新卒採用を行う場合は、保育士養成課程のある学校から紹介を受けることもあります。
| メリット | デメリット |
| ・即戦力となる人材を採用できる可能性がある ・採用コストを抑えられる | ・新卒採用に限定される ・実習受け入れの必要がある |
学生が積極的に応募してくる可能性が高まりますが、採用試験だけでなく通常時に実習受け入れを行うなど、別の負担が増す場合があります。
リファラル採用
従業員からの紹介で保育士を採用するケースもあります。
| メリット | デメリット |
| ・ミスマッチが少ない ・採用コストを抑えられる | ・採用人数が限られる場合がある ・管理の手間が大きい |
従業員が紹介してくれるため、社風や保育方針などは共有されやすい反面、候補者が出るかどうかは定かではなく、応募者管理の手間が増大しやすいでしょう。
【関連記事:リファラル採用とは?導入のメリット・デメリットや報酬の注意点】
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アルムナイ採用
なんらかの事情で退職した方を出戻り採用するケースもあります。保育士の場合、家族の転勤などやむを得ない事情で退職する場合もあるため、検討してもよいでしょう。
| メリット | デメリット |
| ・企業理念や事業内容を理解している人材を採用できる ・育成コストを抑えられる | ・対象者が限られる ・管理の手間が大きい |
求人検索エンジン(Indeedなど)
求職者自身が希望条件で検索をして求人情報にたどり着きます。インターネットの検索エンジンから直接求人情報を表示させる場合もあります。
| メリット | デメリット |
| ・広範囲の求職者にアプローチできる | ・掲載費用が高い場合がある ・他の求人に埋もれてしまう可能性がある |
通常の検索エンジンの中でも求人情報に出会いやすい媒体です。しかし実際に採用を成功させるには費用がかかる場合がほとんどで、単価などのコントロールが難しいのも事実です。
求人掲載媒体・求人広告
いわゆる「転職サイト」などがこれにあたります。求人情報を掲載し、スカウトを行ったり、応募を受け付けたりします。
| メリット | デメリット |
| ・ターゲット層に合わせた媒体選択が可能 ・短期間で多くの応募を集められる | ・掲載費用が高い場合がある ・管理の手間が大きい場合がある |
媒体によって特徴や手間が大きく異なります。保育士求人・福祉系求人に特化したものとそうでないものとでも差があります。
人材エージェント
人材紹介会社に紹介してもらう場合です。
| メリット | デメリット |
| ・プロのコンサルタントによるサポートを受けられる ・質の高い応募者を集められる | ・成功報酬が発生する場合がある ・必ずしもマッチするわけではない |
人材紹介というと一見「合う人を紹介してもらえる」と思いがちですが、タイミングや職種によっても事情は異なります。求人掲載媒体・求人広告と同様に保育士求人・福祉系求人に特化したものとそうでないものとでも差があります。
保育士専門のメディア・エージェントを選ぶべきか
保育士・福祉専門の求人メディアやエージェントを選ぶことで、業界にくわしいコンサルタントの支援を受けられることはメリットです。
しかし、必ずしもマッチする候補者が応募してくる場合だけではありません。担当コンサルタントに自法人のニーズを細かく伝え、理解してもらい、価値観や方向性がマッチするかどうかは企業ごとの事情やタイミング等で異なります。
総合的にあらゆる職種を取り扱うメディアを選ぶことで、事務職員やその他の職種の求人などとツールを一本化でき、費用や手間の面で効率化できるかもしれません。
しかし、必ずしもマッチする候補者が応募してくる場合だけではありません。担当コンサルタントに自法人のニーズを細かく伝え、理解してもらい、価値観や方向性がマッチするかどうかは企業ごとの事情やタイミング等で異なります。
総合的にあらゆる職種を取り扱うメディアを選ぶことで、事務職員やその他の職種の求人などとツールを一本化でき、費用や手間の面で効率化できるかもしれません。
求人情報の書き方

自法人に合う保育士を採用するには、魅力や求める人物像が求職者に伝わる求人情報を書くことが重要です。効果的な求人情報の書き方を解説します。
魅力的な求人票(募集要項)を作成するポイント
保育士不足の現状において、他の法人との差別化を図り、優秀な人材を確保するためには、求職者の目線に立った分かりやすく魅力的な求人票を作成することが重要です。具体的な内容や書き方としては、以下のポイントを踏まえると効果的です。
- 園・法人の雰囲気や魅力が伝わる求人票を作成する
- 具体的な仕事内容を記載する
- 給与・待遇面を明確にする
- 応募方法を分かりやすく記載する
- 誤字脱字がないか確認してから掲載する
求職者は数多くの求人情報に触れているため、何よりも「わかりやすさ」が重要です。
数値や写真で示せるものは数値化し、誤解のないように過不足なく記載していきましょう。最新情報がある場合は更新も欠かさないことが大切です。
【関連記事:求人票の書き方とは?効果的な作成方法や必須項目などを解説】
数値や写真で示せるものは数値化し、誤解のないように過不足なく記載していきましょう。最新情報がある場合は更新も欠かさないことが大切です。
【関連記事:求人票の書き方とは?効果的な作成方法や必須項目などを解説】
ターゲットに合わせた求人内容
ターゲットを明確化し、そのターゲットに合わせた求人内容にすることも重要です。ターゲット層によって、求める条件や重視する点は異なります。そのため、誰にでも響くような一般的な求人情報ではなく、ターゲット層が魅力を感じるような求人情報を発信する必要があります。
ターゲット層とは、未経験者なのか経験豊富な方なのかということだけでなく、「求める人物像」にあてはまります。どのような人物に来てほしいのかを求人前に整理しておき、求める人物像を伝えられるような求人情報を書きましょう。後述する採用基準や選考方法とも関係しますので、続けてご覧ください。
【関連記事:【記入例あり】募集要項の書き方とは?必須項目や注意点など解説】
ターゲット層とは、未経験者なのか経験豊富な方なのかということだけでなく、「求める人物像」にあてはまります。どのような人物に来てほしいのかを求人前に整理しておき、求める人物像を伝えられるような求人情報を書きましょう。後述する採用基準や選考方法とも関係しますので、続けてご覧ください。
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保育士の採用基準

保育士の採用基準は、保育の質に直結する重要な要素です。しかし、保育士不足の現状から「少しでも経験があれば採用」という基準で選考を進めているケースも多いのではないでしょうか。
しかし、経験だけで採用を決めてしまうと、保育理念や職場環境とのミスマッチが生じ、早期退職や採用コストの増加につながる可能性があります。そこで、ここでは、保育士の採用基準の組み立て方について解説します。
しかし、経験だけで採用を決めてしまうと、保育理念や職場環境とのミスマッチが生じ、早期退職や採用コストの増加につながる可能性があります。そこで、ここでは、保育士の採用基準の組み立て方について解説します。
採用基準の組み立て方
採用基準を検討する前に、まずは「どのような保育士を採用したいのか」「どのような保育士が自法人に合うのか」を明確にする必要があります。そのうえで、以下の3つのポイントを参考に採用基準を組み立てていきましょう。
- 自法人で活躍している保育士をモデルにする
- 保育理念とリンクさせる
- 経営方針・計画とリンクさせる
活躍している保育士のスキル、経験、人物像などを分析し、共通項を抽出することで、自法人にとって最適な保育士像を明確化できます。どのような人が活躍できる職場環境なのかを把握することも可能です。
保育理念は、保育方針や保育内容、保育士の行動指針となる重要な要素です。くわしくは後述します。
採用基準は、今後の経営方針や計画とも連動している必要があります。たとえば園児数を増やす計画がある場合は、複数担任を円滑に進められる協調性やコミュニケーション能力の高い保育士を採用する必要があるでしょう。
【関連記事:人材採用の注意点とは?採用基準の決め方・面接での見極め方を解説】
保育理念は、保育方針や保育内容、保育士の行動指針となる重要な要素です。くわしくは後述します。
採用基準は、今後の経営方針や計画とも連動している必要があります。たとえば園児数を増やす計画がある場合は、複数担任を円滑に進められる協調性やコミュニケーション能力の高い保育士を採用する必要があるでしょう。
【関連記事:人材採用の注意点とは?採用基準の決め方・面接での見極め方を解説】
経験よりも意欲を重視する
保育士不足の現状では、経験の有無だけで判断するのではなく、保育に対する意欲や熱意を重視することが大切です。未経験者やブランクのある応募者についても、経験よりも人柄や潜在能力を評価して積極的に選考してみるとマッチする保育士と出会える可能性が高まります。
保育理念との価値観の共通点
保育士の仕事は、子どもの成長に深くかかわり責任ある仕事です。そのため、保育士自身の価値観や保育に対する考え方が自法人の保育理念と一致し、責任を持って働けることが重要です。
選考では、保育士としての経験やスキルだけでなく、保育に対する考え方や価値観について深く掘り下げるように心がけましょう。面接で保育に関する考えを問うこともできますが、科学的知見に基づくコンピテンシー診断を活用することも一案です。
選考では、保育士としての経験やスキルだけでなく、保育に対する考え方や価値観について深く掘り下げるように心がけましょう。面接で保育に関する考えを問うこともできますが、科学的知見に基づくコンピテンシー診断を活用することも一案です。
選考方法

保育士の選考は、書類選考、面接、職場見学など、さまざまな方法を組み合わせて行われます。ここでは、それぞれの選考方法についてくわしく解説します。
書類選考
応募書類は、応募者の第一印象を決める重要な要素です。誤字脱字はもちろんのこと、志望動機や自己PRの内容が自法人の保育理念や求める人物像と合致しているかを確認しましょう。また、職務経歴書では、これまでの経験やスキルが具体的に記載されているかをチェックします。
【応募書類チェックポイント】
- 誤字脱字はないか
- 保育に対する熱意が伝わってくるか
- 自法人の保育理念や方針と合致しているか
- 経験やスキルが具体的に記載されているか
面接
面接は、応募者の性格や適性を見極めるための重要なプロセスです。面接では、志望動機や自己PRの内容を深掘りするだけでなく、保育に対する考え方や子どもへの接し方などを具体的に質問し、応募者の人物像を理解することが大切です。また、逆質問を通して、応募者の疑問や不安を解消する機会も設けましょう。
【面接で聞くべき質問事項】
以下を参考に、自法人の求める人物像に合致しているかを見極めましょう。
| 質問項目 | 質問例 | 確認ポイント |
| 志望動機 | ・なぜ保育士になりたいと思ったのですか? ・数ある園の中から、なぜ当法人を選んだのですか? ・当法人でどのような保育をしたいですか? | ・保育に対する熱意や明確な目的意識を持っているか ・自法人の保育理念や方針への理解があるか ・具体的な保育のイメージを持っているか |
| 保育観・子ども観 | ・どのような保育を大切にしていますか? ・子どもにとって、保育園はどのような場所だと思いますか? ・保育士として、子どもたちにどのようなことを伝えたいですか? | ・自法人の保育理念と合致する保育観を持っているか ・子どもへの愛情と敬意を持っているか ・保育士としての使命感や責任感を持っているか |
| 経験・スキル | ・これまでに、どのような経験を積んできましたか? ・得意な保育内容や活動はありますか? ・ピアノや歌、工作などのスキルはありますか? | ・必要な経験やスキルを持っているか ・自法人で活躍できる強みや得意分野を持っているか ・スキルアップへの意欲があるか |
| 適応力・協調性 | ・新しい環境や変化にどのように対応しますか? ・チームで働く上で、大切にしていることは何ですか? ・他の保育士と意見が衝突した時、どのように対応しますか? | ・柔軟性や適応力を持っているか ・協調性やコミュニケーション能力を持っているか ・問題解決能力やストレス耐性を持っているか |
| 保護者対応 | ・保護者とのコミュニケーションで、大切にしていることは何ですか? ・保護者から要望があった場合、どのように対応しますか? | ・保護者と良好な関係を築けるコミュニケーション能力を持っているか ・保護者の立場に立って、丁寧かつ適切な対応ができるか |
| 自己成長 | ・今後、どのような保育士を目指したいですか? ・スキルアップのために、どのようなことをしていますか? | ・向上心や成長意欲を持っているか ・自己研鑽を継続できるか |
職場見学
職場見学を通して、応募者はより具体的なイメージを持って入職後の自分を想像することができます。また、採用する側も、応募者と直接コミュニケーションを取ることで、より深く人物像を理解することができます。
可能であれば職場見学を設定しましょう。
可能であれば職場見学を設定しましょう。
実技試験
保育士として必要なスキルや技術を評価するために実技試験を行う場合があります。ピアノ、歌、絵本の読み聞かせ、工作、体操など、法人によって内容はさまざまです。実技試験を通して、応募者の実務能力や子どもへの接し方などを具体的に確認することができます。
適性検査・コンピテンシー診断
応募者の性格や行動特性、潜在能力などから、自法人の保育理念やチームに合致する人物かどうか客観的に評価するために適性試験などが用いられます。また、応募者自身の強みや弱みを理解することで、より適切なキャリアプランを検討することができます。
適性試験に比べ、コンピテンシー診断は回答者の「行動」に焦点をあてるため、恣意的な回答が難しく、応募者についてより実情に即した情報が得られるのが特徴です。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
適性試験に比べ、コンピテンシー診断は回答者の「行動」に焦点をあてるため、恣意的な回答が難しく、応募者についてより実情に即した情報が得られるのが特徴です。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
内定承諾後のフォロー

内定承諾を得てから、採用した保育士が実際に働き始めるまでには、まだ時間があります。せっかく採用を決めた人材が、他の園・法人に決めてしまったり、就職自体をやめてしまったりする可能性もゼロではありません。また、入職前に不安を抱えたまま放置してしまうと、早期退職につながる可能性もあります。
そのため、内定承諾後も、定期的に連絡を取り、入職に向けて不安なく準備を進められるよう、フォローアップすることが大切です。
そのため、内定承諾後も、定期的に連絡を取り、入職に向けて不安なく準備を進められるよう、フォローアップすることが大切です。
採用決定から入職までのフォロー体制
採用決定から入職までの期間は、保育士と園・法人との信頼関係を築くための重要な期間です。密なコミュニケーションを心がけ、不安や疑問を解消する機会を設けることが大切です。フォロー体制の例として以下のようなものが挙げられます。
定期的な連絡
電話やメールなどで定期的に連絡を取り、近況報告や入職準備の状況などを確認しましょう。とくに、入職前に不安に感じやすい点や、必要な持ち物などを丁寧に説明することで、安心して入職日を迎えられるようにサポートします。現職の勤務が続いている場合は準備に時間をかけづらい可能性もあります。法人規定や手続き書類・準備物などを早めに送り、十分に準備できる期間を確保しましょう。
園・法人のイベントへの招待
園・法人のイベントがあれば、積極的に招待しましょう。他の職員と交流する機会を設けることで、園・法人の雰囲気に馴染みやすくなります。また、子どもたちと触れ合う機会を設けることで、仕事のイメージを具体的に持ってもらうこともできます。
懇親会の実施
歓迎会など、親睦を深めるための懇親会を開催するのも良いでしょう。他の職員と交流する機会を設けることで、不安や緊張を和らげることができます。その際、費用負担や参加の強制がないことを明確に伝えることが大切です。
保育士の採用では定着率アップの観点が重要

保育士を採用するうえで、採用活動を終えて終わりではなく、その後の定着までを見据えることが重要です。せっかく採用した保育士がすぐに辞めてしまっては、採用コストが無駄になるだけでなく、残りの保育士の負担が増加し、新たな離職を生む可能性もあります。
保育士の定着率を高めるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な方法について解説していきます。
保育士の定着率を高めるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な方法について解説していきます。
働きやすいしくみづくりを行う
保育士が長く働き続けられる環境を作るためには、労働時間や休暇制度、福利厚生など、働きやすい環境を整えることが重要です。たとえば、以下の取り組みが考えられます。
- 残業時間の削減
- 有給休暇の取得促進
- 産休・育休制度の充実
- 借り上げ社宅制度や住宅手当の支給
これらの取り組みによって、保育士が仕事とプライベートを両立しやすく、長く働き続けられる環境を作ることにつながります。
また、業務負担を軽減することも重要です。業務効率化のためのツールを導入したり、事務作業をサポートするスタッフを配置したりするなど、保育士が本来の業務である「子どもと向き合う時間」を最大限に確保できるような体制作りを目指しましょう。
また、業務負担を軽減することも重要です。業務効率化のためのツールを導入したり、事務作業をサポートするスタッフを配置したりするなど、保育士が本来の業務である「子どもと向き合う時間」を最大限に確保できるような体制作りを目指しましょう。
職場の魅力や風土を十分に伝える
求職者に対して、給与や待遇面だけでなく、職場環境や保育理念、職場の雰囲気といった「目に見えない魅力」を積極的にアピールすることで、ミスマッチを減らし、定着率向上につなげることができます。たとえば、以下の内容を積極的に伝えましょう。
- 法人の保育理念や方針
- 保育士同士のチームワークの良さ
- 行事やイベント
- 研修制度やキャリアアップ支援
これらの情報を求人票やホームページ、面接などで積極的に発信していくことが大切です。また、実際に職場を見学できる職場見学や体験入職の機会を設けることも有効です。
さらに、職員インタビューなどを掲載し、実際に働いている保育士の声を届けることも、求職者にとって働くイメージをつかみやすくなるため、効果的です。
さらに、職員インタビューなどを掲載し、実際に働いている保育士の声を届けることも、求職者にとって働くイメージをつかみやすくなるため、効果的です。
他の職員や職場風土・理念とマッチする保育士を採用する
採用活動においては、スキルや経験だけでなく、応募者の性格や価値観が、職場環境や他の職員とマッチするかどうかを見極めることが重要です。そのためには、選考の際に以下の点に着目しましょう。
- 保育に対する熱意や考え方
- 子どもとのコミュニケーションの仕方
- チームワークを重視する姿勢
- 法人の保育理念への共感
面接だけでなくコンピテンシー診断を使い、応募者が園・法人の雰囲気に馴染めるか、他の職員と協力して仕事に取り組めるかを判断することが大切です。
また、職場体験やインターンシップなどを実施し、実際の業務を通してミスマッチを防ぐ取り組みも有効です。応募者にとっても、働くイメージを具体的に持てるため、入職後のギャップを減らすことができます。
これらの取り組みを通じて、保育士が長く安心して働き続けられる職場環境を作ることで、結果として、質の高い保育サービスの提供、ひいては子どもたちの健やかな成長につながるのではないでしょうか。
また、職場体験やインターンシップなどを実施し、実際の業務を通してミスマッチを防ぐ取り組みも有効です。応募者にとっても、働くイメージを具体的に持てるため、入職後のギャップを減らすことができます。
これらの取り組みを通じて、保育士が長く安心して働き続けられる職場環境を作ることで、結果として、質の高い保育サービスの提供、ひいては子どもたちの健やかな成長につながるのではないでしょうか。
活躍・定着する保育士採用をミイダスで

自法人に合った保育士の応募を集め、採用を実現するには「ミイダス」を用いるのがおすすめです。
人事業務を一貫してサポートする「ミイダス」には、「可能性診断」という診断機能があります。自法人でどのような人物が定着・活躍できるのかについて定量的な分析が可能です。
可能性診断のコア機能・コンピテンシー診断(特性診断)では、自法人で活躍する人物を52の項目から分析し、求める人物像のモデルを簡単に作成できます。
コンピテンシー診断(特性診断)の内容を用いて自法人にフィットしやすい人材を分析し、可視化できる「ミイダス人材・カルチャー分析」の機能もあります。採用だけでなく、異動や配置転換を検討する場合のミスマッチ回避にも重要な機能です。
採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎます。
1,733もの項目から自法人が重視する特徴を絞り込んで人材を検索でき、応募者の獲得に頭を悩ませることもありません。フィットする人材に自動でアプローチすることも可能で、採用担当者の工数を削減できるのも嬉しいポイントです。
また、ミイダスご契約企業様のみお使いいただける、コンピテンシーを活用して人事の力を高める「活躍ラーニング」という学習コンテンツも用意しています。活躍ラーニングには「コンピテンシー診断(特性診断)活用講座」と「バイアス診断ゲーム研修講座」があります。
活躍ラーニングについてくわしく見る人事業務を一貫してサポートする「ミイダス」には、「可能性診断」という診断機能があります。自法人でどのような人物が定着・活躍できるのかについて定量的な分析が可能です。
可能性診断のコア機能・コンピテンシー診断(特性診断)では、自法人で活躍する人物を52の項目から分析し、求める人物像のモデルを簡単に作成できます。
コンピテンシー診断(特性診断)の内容を用いて自法人にフィットしやすい人材を分析し、可視化できる「ミイダス人材・カルチャー分析」の機能もあります。採用だけでなく、異動や配置転換を検討する場合のミスマッチ回避にも重要な機能です。
採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎます。
1,733もの項目から自法人が重視する特徴を絞り込んで人材を検索でき、応募者の獲得に頭を悩ませることもありません。フィットする人材に自動でアプローチすることも可能で、採用担当者の工数を削減できるのも嬉しいポイントです。
また、ミイダスご契約企業様のみお使いいただける、コンピテンシーを活用して人事の力を高める「活躍ラーニング」という学習コンテンツも用意しています。活躍ラーニングには「コンピテンシー診断(特性診断)活用講座」と「バイアス診断ゲーム研修講座」があります。
ミイダスでは、採用後のマネジメントに役立つ機能「ミイダス組織サーベイ」「はたらきがいサーベイ」も有しています。組織サーベイでは従業員に定期的なアンケートを実施し、組織の現状把握とタイミングを逃さないフォローアップが行えます。どなたでも利用できるはたらきがいサーベイを活用すれば、従業員のエンゲージメントの状態をアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。職場の「はたらきがい」を正確に算定できます。
応募者を集めることはもちろん重要ですが、自法人にフィットしない人物を採用してしまうリスクを抱えるよりも、長期的に活躍できる人を採用できる方法を取り入れ、「ミスマッチ採用の負のループ」を断ち切ることも必要ではないでしょうか。
自法人に合う人物像が明らかになり、採用のみならず日頃のマネジメントに至るまでシームレスに人事の活動を支え、適材適所で組織のパフォーマンスを最大化するミイダスを利用してみませんか?
ぜひこの機会にコンピテンシーを取り入れた採用を体感してみてください。
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