
人材アセスメント 2022-08-10
人事異動の情報を内示する理由とは?
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なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?
社内での人事異動を伝える方法の一つに「内示」があります。
適切な内示を行うためには、人事異動情報を内示として伝える意味や理由を知ることが重要です。
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人事異動をスムーズかつ安全に完結させたいとお考えの方や、人事異動情報の伝え方を整理したいとお考えの方は、ぜひご一読ください。
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人事異動の情報を内示する理由とは?
たとえば入社3年目の一般社員の部署異動が決まった場合の内示のシチュエーションとして、一般的に想起されるのは次のような場面です。人事担当者や上司が本人を会議室に呼び出し、
「〇月、あなたには〇〇部に異動してもらいます。辞令は追って出されます。」
と口頭伝達する。イメージだけではなく、具体的な意味や同じような場面で用いられる言葉との違い、内示の目的と効果を正しく理解することで適切な内示ができます。
本項では、内示の定義や似ている言葉との違い、人事異動情報を内示する理由や目的を解説します。内示とは
そもそも「内示」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか?
内示とは「内々にしめすこと」や「非公式に通知すること」を表し、「口外禁止」と同じ意味をもちます。
ビジネスにおいては、企業側が人事異動を本人や関係者などの一部の人たちに秘密で伝える際に使用され、早めに本人に内示することで準備や心構えを促す役割があります。
内示による効果として、以下の3点が挙げられます。
- 口外しないよう要請する効果
- 人事異動への準備を促す効果
- 人事異動の意思確認をする効果
内示とは、後述する「辞令」や「発令」と異なり、正式な決定事項ではありません。したがって、会社によっては内示として伝達することで、本人へ事実上の異動の打診をする場合もあります。
いずれにしても、人事異動には内示だけでは足りず、正式な手続きを経て人事異動が確定します。
非公式にもたらされる情報であり、秘密にしておくものであるため、取り扱い方法やルールを定めておかなければ、個々人の解釈にばらつきが生じる危険性があるのです。辞令とは
内示と似たような言葉に「辞令」があります。内示は原則として秘密にしなければなりませんが、辞令は公に開示されるものです。開示される文書や内容のことを「辞令」、辞令を出す行為のことを「発令」と区別することもあります。
辞令は社員の転勤や昇給、昇進、新規採用などの人事異動が正式決定したことを知らせる公式文書ですから、一度発令された辞令の途中変更はできません。
内示の段階ではまだ決定事項ではないため、本人や関係者のみに任意で通達します。一方、辞令は決定事項なので公に通達するのです。
辞令と内示との関係をまとめると、以下のようになります。 順序 確定性 公式性 公開性 対象 内示 前 × × × 限定的 辞令 後 〇 〇 〇 会社全体
人事異動を秘密にしなければならない期間とは?
社員が人事異動を秘密にしなければならない期間は、一般的にはその事実を知ったときから、つまり「内示を受けた段階から辞令が出るまで」です。
多くの企業では辞令が出される1~2カ月前に内示が出されるので、その意味では秘密にしなければならない期間も1~2カ月間が多いといえるでしょう。
なぜ、内示の内容は辞令が出されるまで秘密にしなければならないのでしょうか。
たとえば、ある部下が上司をさしおいて昇進の内示を受けていた場合、上司に昇進の情報が伝わると辞令の発令前に会社内で不和が生じる可能性が考えられます。そうしたリスクを防ぐため、社員には辞令が出るまでは内示の内容は周りに秘密にするように伝える必要があるのです。
ただし、内示を受けた人が秘密を守らなければならない期間は、本人にとって不安を抱えることになります。そのため、必要以上に期間が長期化しないように配慮することが望ましいといえます。
内示する時点で秘密ができてしまうため、情報を伝えるタイミングにも細心の注意を払いましょう。人事異動の情報を秘密にする目的
人事異動情報を秘密にする目的は、主に次の2点です。- 事業戦略上の問題
- 社内の無用な混乱を防ぐため
一つずつ解説します。事業戦略上の問題
社員の就いているポジションが重要であればあるほど、事業における機密性は増します。そのような社員が内示を受けた段階で周りに情報を漏らしてしまうと、さまざまな悪影響が予想されます。
たとえば代表取締役の内示が出た際にうっかり周りに漏らしてしまうと、最悪の場合株価の暴落につながりかねません。なぜなら、投資家たちが「代表取締役変更によって企業が不安定になるのでは?」と考えるからです。
このように内示の情報漏洩が原因で、企業の存続に関わる重要な問題に発展することもあります。そのため、内示は原則として口外禁止となっています。社内の無用な混乱を防ぐため
内示が原則として口外禁止であるもう一つの理由は、辞令発令までの残りの期間の仕事に支障をきたす可能性があるからです。会社をよりよくするための人事異動であるにもかかわらず、内示の情報漏洩によって社員が悪影響を被っては意味がありません。
また辞令は公式な命令文書ですから、一度発令されると途中変更はできません。しかし内示の段階では確定事項とはいえず、変更の余地があります。内示の情報漏洩によって悪影響があった場合には、人事異動の変更や取り消しを考えざるを得ないこともあるでしょう。
いくら変更可能なものであるとはいえ、当事者にとっては立場が揺らぐことになり、内示が安易に変更されることは好ましくありません。混乱を防ぐためにも秘密を守ることが必要です。人事異動のパターンと内示
会社における人事異動には、主に以下の6つのパターンが考えられます。・昇進・昇格
・降格・降職
・転勤・転任
・部署異動・配置転換
・解雇・免職
・新規採用いずれの場合にも、社員に内示することが想定されます。
本項では、6つのパターンごとに、社内外で内示が強い影響を及ぼす相手や問題の起こりやすい事情、内示の例について説明します。昇進・昇格
昇進・昇格とは、現在のポジションより上の階層に立場が変わることを意味します。
昇進・昇格する本人だけでなく、新しい部下となる人にとっては「上司が変わる」ことになるため、一大事です。
また、一般的に昇進・昇格する本人にとっては喜ばしい事情ですが、昇進や昇格できるポストには限りがあり、厳しい昇進要件を満たすために社員同士で切磋琢磨していることも少なくありません。同期入社の人や同じ職位の人よりも先に昇進することになった場合、妬みを買うこともあり得ます。
その反面、『日本の人事部 人事白書2021』の調査によれば、専門職志向が強く、ビジネスリーダーを希望する社員が少ないという声もあります。昇進・昇格が必ずしも本人にとって望むものではなく、不満をもつ可能性もあるでしょう。
(参考:『日本の人事部 人事白書2021』112ページ)
このように、昇進・昇格は社員にとって一喜一憂する出来事であるため、社員や社内のモチベーションが変化しやすいリスクが考えられるのです。
そのため、昇進・昇格の内示をする場合は、本人だけでなく社内全体のモチベーションを維持し、士気を高める必要があります。
内示の段階では昇進・昇格後に期待する役割を伝え、どのような目標を立てて行動するのかをすり合わせ、正式に辞令が出た後にスムーズに動けるよう、するべきことをまとめて確認しあうとよいでしょう。
【 関連記事:昇格アセスメントを取り入れた人事評価が重要!従来の見極め方法の欠点は? 】降格・降職
降格とは人事制度上の等級を引き下げること、降職とは役職を解いたり引き下げたりすることです。
専ら会社側の判断や評価による場合だけでなく、本人の希望がくまれて役職を降りることもあります。
よほど近しい間柄の人でない限り、降格・降職の事情を打ち明けることは考えにくいものです。降格・降職に関してはネガティブなイメージがつきまとうため、内示情報が先走って漏れてしまうと、根拠のない噂が広まってしまう危険性もあります。
本人の意思によらない降格・降職であれば、本人から口外し、会社や人事担当者、上司などの悪口として情報が広がっていくこともあり得ます。受け取る人次第では、従業員エンゲージメントの低下を招くことにもつながるのです。
会社の規模にもよりますが、ポジティブなイメージの昇進・昇格に比べて、社内全体に与える印象の変化をもたらしやすいのが降格・降職人事です。
降格・降職は、辞令発令後も本人が会社に残って働くことが前提となります。
したがって、どのような理由による降格・降職であっても円滑に業務が続けられるように、本人だけでなく会社側も内示の秘密を守る旨を約束することが大切です。転勤・転任
転勤・転任の場合、現在と勤務地が変わります。転居することが多いため、内示する頻度が高い人事異動のパターンといえます。
転勤・転任の内示は、外部との癒着などの不正防止や予定外の自体への対応の余地を残す目的で直前に通達される会社もありますが、転居に関して家族やパートナーとの相談や調整が必要になることを踏まえて、内示から辞令発令までの期間が従来より長くなる傾向があります。
働く場所が変わるので、異動後にフォローしようと思っても簡単にできることばかりではありません。引き継ぎをより入念にしておく必要があります。現在の部署内、事業所内、社内、お客様、取引先など、多くのステークホルダーに影響が及ぶことに注意しましょう。
転勤・転任の内示をする場合は、内示から正式発令までの期間の長さに応じて段階的に内示の情報を共有する相手を変化させることも一案です。部署内でも特に引き継ぎ等で密な連携をしなければならない人に対しては、例外的に先立って共有する必要もあり得ます。
その場合の制限やルールを組み立て、あくまで「内示」であることを理解し、必要以上に情報が広まらないよう対策しておきましょう。
【 関連記事:転勤辞令とは?辞令の正しい書き方や人事トラブルの対処法を解説 】
【 関連記事:転勤の時期とは?企業にとってのメリットとデメリットを解説 】
【 関連記事:会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは? 】部署異動・配置転換
部署異動や配置転換は、頻度の高い人事異動の類型です。昨今は、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用して仕事の割り振りを最適化する企業も多くなってきました。
【 関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説 】
【 関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリット・選び方の3つのポイントなどを完全解説 】
ジョブローテーションを行う場合や本人のキャリアプラン、家庭の事情等による異動の希望だけではなく、会社の組織体制の変更や経営戦略による異動もあります。
異動により役割の変更が生じるため、転勤・転任の場合と同様に業務の引き継ぎが必要です。
同じ建物や空間で働くので、異動後に何らかの補足説明ができると思われるかもしれませんが、そうとは限りません。部署内でしか閲覧できない情報があり、取引の状況等も日々変化していくため、あくまでも異動時点で引き継ぎを終えておくことが原則です。
そこで問題となりやすいのが「業務の引き継ぎのタイミング」です。内示の段階で本人が先走り、普段は触ることのないマニュアルを更新しようとしたり、自身の担当業務を担当したことのない後輩に急に指導しようとしたりすると、同じ空間で働く社員は違和感や不信感を抱くことがあります。
一方で、辞令が出てから後任者を探すのでは、引き継ぎの時間が足りないことも想定できます。そのため、新たな体制で既存の業務を滞りなく行えるように、逆算して内示のタイミングを決める必要があるのです。
また、転勤・転任の場合にもいえることですが、異動後の業務についても内示の段階で調整したり、教育を開始したりする場合があります。思った以上に社員は普段と異なる動きを敏感に察知するものです。
内示はあくまで正式な発令がなされる前の段階であり、社内の混乱を避けるためにも目立つ動きは避け、「辞令が出てから動く」という前提を共有しましょう。
【 関連記事:組織変更に伴う人事異動を成功させるには?意味や手法を解説 】
解雇・免職
解雇や免職は懲戒措置の一つとして行われるだけではなく、体調不良など、やむを得ない事情でもあり得ます。
とはいえ、社員にとっては非常にインパクトの大きな事件です。降格・降職の場合と同様に、不用意に噂が広まるようなことは避けなければなりません。
解雇や免職は基本的には本人の希望と反する結果であり、本人が不満のあまり内示を口外してしまうリスクがあります。口外といっても社内で直接発言するだけではなく、SNSに書き込む、社外で口にするなど、会社のコントロールが及びにくい場面で情報が漏れる可能性もゼロではありません。
会社のルールに違反して解雇や免職となる場合など、本人の規範意識や倫理観に訴えるだけでは統制しきれないケースも散見されます。
したがって、内示の時点で厳重に約束することが必要です。顧問弁護士など法律の専門家を頼れる場合は、連携するのもよいでしょう。手続き上の手間や交渉のリスクを考えて内示に関するルールをあらかじめ整備することで、発令までの間、情報を保護しやすくなります。新規採用
新規採用の内示は、本人の入社前に行われるものであり、ほかのパターンの内示と決定的に異なります。
似たような言葉に「内定」があり、厳密な区別がなされているわけではありませんが、一定の拘束力をもつ「内定」に比べ「内示」はやや不確定要素の多い状態を指すケースがほとんどです。
たとえば、次のような使い分けをすることがあります。
- 内定:内定通知書等の文書で内定の事実を伝えている状態
- 内々定:口頭で内定の事実を伝え、文書通知を行っていない場合
- 内示:内定や入社の手続きを開始する旨、口頭で伝えること
入社前の人にとっては、会社の細かい事情はわかりにくく、社内にいれば伝えやすいニュアンスも伝わらないことが多いもの。伝える内容やタイミング、用語の定義などを明らかにするなど、少なくとも伝える人によっての誤差が生じないように注意しなければなりません。
新規採用の場合、内示によって不信感が生じれば、せっかくご縁あって入社予定となっても内定辞退されてしまいかねません。
人事担当者は説明後も、わからないことや不安はないか、逐一確認しながら丁寧に手続きを行いましょう。
また、採用段階で社風や企業文化とのマッチングを意識することで、入社前であってもスムーズに内示や入社手続きを行えます。採用する人物と会社との考え方や方向性が一致していると、内示や内定など、雇用契約を結ぶ前であってもトラブルが発生しにくいものです。ミイダスの「フィッティング人材分析」は
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人事異動の情報漏洩に関する5W1Hとは?
内示は口外禁止であるという共通認識があるにもかかわらず、人事異動情報が発令前に漏れてしまうことがあります。
こうした情報漏洩を防ぐため、情報漏洩のメカニズムや原因について、以下のように分けて説明します。・What:どのような情報が漏れるのか
・When:いつ漏洩するのか
・Where:どこで漏れるのか
・Who:誰が漏らしてしまうのか
・Why:なぜ漏洩するのか
・How:どのように漏洩するのかどのような情報が漏れるのか
内示の時点では、人事異動の情報も正式な決定事項ではありません。したがって、漏洩する情報も「非公式で不確定要素を含むもの」になってしまいます。
特に、異動の時期や後任者など調整段階にあることが、あたかも決定事項であるかのように伝わってしまう危険性があるのです。
情報を知った人がその内容に驚き、冷静に受け止めきれず事実と異なる内容を口走ってしまうこともあります。内示の時点で事実誤認かどうかを検証する術がないため、正しくない情報が広まってしまうことも考えられます。
情報が漏洩しないように策を講じることが大前提ですが、共有する情報を最小限にとどめ、不確定要素を憶測で伝えないことも重要です。
わからないことは「まだ決まっていない」と誠実に伝え、事実を正しく共有しましょう。いつ漏洩するのか
情報が漏れるタイミングとして想起されやすいのは、本人への内示の後です。本人が口外禁止を破り、他者に伝えてしまうケースです。
異動する本人への内示の後だけとは限りません。本人の上司に打診し、本人より先に上司の周りにいる別の人物に情報が伝わってしまうこともあります。
また、人事部門や役職者の会議等で情報共有された際、参加者以外に情報が流れてしまうリスクも。
印刷された会議資料に人事異動の情報が載っており、うっかり置き忘れてしまう、シュレッダーをかけ忘れて担当外の人物に知られてしまう、メールやチャットツールでメッセージを誤送信してしまうなど、情報の管理方法に依存する部分もあります。
情報管理の方法を整えるだけでなく、責任ある立場の人や人事担当者には、機密性の高い情報の取り扱いに関して教育し、人事情報に触れる人の意識を高めておく必要もあります。どこで漏れるのか
情報が漏洩する場所として、次の4点を考えておく必要があります。・社内
・社外で、業務上接点のある場所
・社外で、業務上接点のない場所
・オンライン社内の場合は、仮に情報が漏洩したとしても社内の規則等で取り締まることが可能です。しかし、一度会社の外に情報が漏れてしまうと、情報の回収や影響を食い止めるための措置がうまく行えないこともあります。
取引先やお客様には、人事異動の情報に敏感な人もいるものです。
特にオンラインで情報漏洩が起きた場合、会社の社会的信用を大きく損なう懸念があります。SNSの投稿で、投稿者本人は異動の情報を漏らしたつもりでなくても、読み手にそのような印象を与えたり、異動の事実がなくても「異動がある」ように誤認させたりしてしまう場合もあり、注意が必要です。
役員の異動など、会社の株価に影響しかねない人物の異動情報である場合、事実であっても誤認であっても大問題です。SNSやブログ等、インターネット上には安易な投稿をさせない仕組みが不可欠だといえます。
あわせて、家庭からの情報漏洩にも気をつけなければなりません。
本人の家族に内示があったことを伝え、家族自身が深く考えずに周囲に伝えてしまうことは典型的な漏洩パターンです。家族や友人などのインフォーマルな関係性で業務上の接点がないと思っても、巡り巡って会社の業務に関連する人に情報が渡る可能性も否定しきれません。
家族に情報共有する場合には、家族に対しても口外禁止を貫いてもらう必要があります。誰が漏らしてしまうのか
情報漏洩をする可能性がある人は、その人事異動の情報や内示を知ることができるすべての人です。内示を受けた本人はもちろん、人事担当者、上司、偶然情報を知ってしまった人、社外の第三者など、多岐にわたります。
典型的なパターンとして、内示を受けた本人や、情報を受け取った人が「異動の内容に納得がいかない」もしくは「異動に浮かれてしまう」ことによって、わざと情報を漏らす場合が想定できます。故意に情報を漏らすことがないように、慣例的に内示するのではなく、「口外禁止である」と伝えなければなりません。
重要なのは、情報漏洩は故意に行われるだけでなく、ヒューマンエラーで漏れてしまうケースがあると認識しておくことです。誰でも漏洩に加担してしまうリスクを理解したうえで、情報が漏れない仕組みを設けることが大切です。
また、情報の置き忘れやメッセージの誤送信のような視覚的情報の漏洩だけでなく、音声情報にも注意が必要です。口頭伝達をする場合に音が漏れてしまう、電話やWeb会議等のマイクが会話の音声を拾ってしまうなどのリスクは社内にあふれています。
細かいことにも気を配り、情報が漏れない工夫を行いましょう。なぜ漏洩するのか
人事異動情報漏洩の原因として、主に3つが挙げられます。
1.情報管理のルールがない、あるいは機能していないこと
2.情報管理の仕組みがない、あるいは不都合であること
3.情報の受け手の感情を刺激してしまうこと
一つずつ、解説します。情報管理のルールがない、あるいは機能していない
内示として伝えても、内示の定義が曖昧であったり、「口外禁止である」と伝えていなかったり、どのような行動をとるべきか不明確であったりすれば、情報が漏れやすくなります。何を守ればよいのかわからないからです。
社内の統一ルールとして、人事情報をどのように扱うべきなのか明文化することをおすすめします。情報管理の仕組みがない、あるいは不都合である
ルールがあっても機能しない場合もあります。実際にルールに従って行動する人にとって、使うツールや取り扱う情報の種類とルールが合っていないことが一つの理由です。
たとえば内示は口頭で伝えるというルールを設けたとします。遠隔地にいる社員に内示する場合、Web会議や通話のツールが必要です。あるいは、音が漏れない環境や設備、誰に伝えたのかを記録しておく工夫も欠かせません。
ルールを設ける段階で、使用するツール類や情報管理の媒体、会議のあり方、コミュニケーションスタイルなどを見直しておくことが肝心です。
情報管理の仕組みやツールを見直し、業務効率化を図りたいとお考えの方は、こちらの記事もご参照ください。
【採用DXとは?入社後の活躍につながる考え方】情報の受け手の感情を刺激してしまう
人事異動が決まって浮かれるあまり、情報を漏らしてしまう場合や、納得のいかない人事に対する不満から口外してしまう場合があります。その理由は、情報を受け取った人の感情が極端に刺激されているからです。
希望する異動が叶えば喜ばしいものですが、人事異動の目的は、異動する本人の自己実現だけではなく、会社の利益や成長のために必要な適材適所でもあります。
採用する段階や日頃の人事評価などで適切なアセスメントを受け、キャリアに対して本人と会社側とで話し合っておくことで、双方に見通しが立てられます。
キャリアプランや希望、適性などを普段から本人と評価者との間で共有しておけば、予定や目標に向けて取り組むことで必要以上に感情が刺激されることがなくなるでしょう。前向きに内示を受け入れるためにも、普段のアセスメントは重要なことです。
人材アセスメント、コンピテンシーについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
【 関連記事:人材アセスメントとは?メリットや活用方法について詳しく解説 】
【 関連記事:人材アセスメントと組織アセスメントの違いは?成功させるポイントも解説 】
【 関連記事:コンピテンシーとは?4つの活用シーンや分析ツールの導入事例を紹介 】どのように漏洩するのか
人事異動の情報の漏洩手段として最も多いのが日常会話です。口頭伝達であっても、テキストベースの情報であっても、何気ない会話の中で情報がもたらされることが多いものです。
したがって、発言したり会話に加わったりしている当人同士が「情報漏洩している」と自覚しにくい場合もあります。
特に内示は確定事項ではなく、調整中の段階でなされることも多いため「どの段階の情報が漏れたのか」により随時内容が変わり得るのです。
加えて、漏洩した情報自体も変化しやすいものです。日常会話や噂話のような形で口外された情報は、元の情報とはすっかり塗り替えられていることもあります。
内示された情報が一旦漏れてしまうと、会社側からの正式な発令以外には軌道修正が非常に難しいといわざるを得ません。人事異動情報を漏洩させないためのポイント
人事異動情報が発令される前に漏れてしまうと、正しくない内容が広まってしまうリスクや結果的に社員に不信感を抱かせ、エンゲージメントを下げるなどの問題があります。
情報漏洩を防ぎ、適切に人事異動情報を発令するために、以下の3点を意識するとよいでしょう。・ルールを設ける
・情報取り扱いの仕組み・環境を整える
・情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う本項では、これらについて解説します。内示から辞令発令までのルールを策定する
適切に内示や辞令を発令するために、人事異動の情報伝達に関するルールを作る必要があります。特に次の3点は、ルールの中に必ず盛り込みましょう。- 情報共有する関係者の範囲
- 口外禁止の期間
- 内示の方法
情報共有する関係者の範囲を決める
まず重要なことは、内示を知らせる人の範囲を決めることです。
内示の情報は基本的に口外禁止ですが、内示を受けた社員が「この人にならいいだろう」と勝手に判断して同僚に情報を伝えてしまうケースがあります。
そこであらかじめ内示を知らせる関係者の範囲を決めて伝えることで、情報の拡散や漏洩を防げます。
情報共有する関係者の範囲を定めることで、比較的高い頻度で内示を知る人と、必要なとき以外には知らない人とが明らかになります。
すると、機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて重点的に教育の機会を提供したり、例外的に内示を知らせるときに注意喚起したりすることが可能になるでしょう。内示を口外禁止とする期間を決める
辞令が出されるタイミングがわからなければ、いつまで内示の情報を隠しておけばよいのか、不安になる社員もいるでしょう。
そのため、内示を秘密にする期間を事前に伝え、社員に安心を与えることで情報の漏洩を防ぐ効果があります。
正式な発令までは口外禁止とすることが一般的ですが、担当業務の後任者や関係性の深い相手に対しての共有を必要な範囲で認めることもあります。辞令発令前の情報共有に関する規定は特に慎重に設計しましょう。
また、段階的に情報共有を行い、相手によって口外禁止期間を変える場合は特に注意が必要です。段階的に知らせる相手に対しても、秘密を守ってもらうよう、場合分けの目安や期間を制度に盛り込んでおきましょう。内示の方法を決める
内示の方法を決めることも重要です。内示の伝達ミスによる情報漏洩を防ぐことにつながります。
基本的には、内示には口頭による通達が適しています。メールや文書、チャットなどで伝えた場合、誤送信や置き忘れなどの業務ミスによって内示の情報が漏洩することがあるからです。
また、内示の方法を統一することも重要です。ある人には口頭で、ある人には文書でといったバラバラの内示通達をした場合、万が一情報が漏洩した際に情報元の特定ができず、さらに悪い状況を生んでしまうこともあります。
伝達方法を統一することで、定められた方法ではない不適切な情報共有を排除する効果も期待できます。情報取り扱いの仕組み・環境を整える
情報管理のルールを設けるのと同時に、ルールが守れる土壌を整備します。ルールを守るために必要な資源を揃え、ルートを作りましょう。
内示を共有する関係者を絞り、口外禁止の期間を設定したとしても、関係者全員に大きなタイムラグがなく、同じ情報を伝える仕組みがなければ、情報の正当性やルールの有効性が揺らぎかねません。
情報共有のタイミングを合わせる方法には、定例会議の活用や、チャットツールの音声通話機能を利用して短時間だけ集まることが挙げられます。内示の共有相手は責任ある立場の人物であることも多く、時間の確保は大きな課題です。デジタルツールもうまく活用して効率化するとよいでしょう。
関係者に連絡するルートを体系化することも有効な手段です。関係者をリストアップしてその都度人事担当者が一人ひとりに連絡することもできますが、部門ごとの連絡ルートを設け、担当者に部門内の連絡を委ねることもできます。組織の規模に合わせて設計しましょう。
内示以外の人事情報へのアクセスを制限しておくことも必要です。本来、人事・採用・労務管理に関する情報はプライバシーレベルの高い情報であり、担当者以外が触れられない場所に保管されているものです。
内示を知らせる際に共有に適さない情報へのアクセスを防ぐには、共有先のコントロールが容易であることが役立ちます。
たった一つの共有権限の設定ミスで情報が筒抜けになってしまうことのないよう、管理しやすいツールを用いましょう。情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う
情報取り扱いのルールや仕組みを整えた後は、ルールや仕組みを社員に教育し、適切に機能することが重要です。
内示の口外禁止を徹底しようとしても、噂好きな社員は情報を漏らしてしまうかもしれません。口外禁止を破ることはコンプライアンス違反になることを周知する必要があります。
多くの場合、個人情報保護や機密事項を守ることに関して、入社時に誓約書を取り交わしていますが、情報関連の法改正は頻度が高いため、情報リテラシーに関する教育は定期的に行う価値の高い内容です。
定期的な研修の機会にも、社内規定を今一度見直し、確認するとよいでしょう。
特に内示を共有される頻度の高い人に関しては、重点的に研修を行い、法令・規則の遵守を徹底する工夫もできます。機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて研修のレベルを変化させ、規則の意味合いや目的の理解度を高めることで、ルールを守りやすくなります。
口外禁止にした情報を漏らした社員が発生した場合や社内ルールの徹底に不安のある場合は、ルールの中に厳しい処罰を盛り込むことも検討しましょう。以降の情報漏洩を防ぐことにつながります。
その際、単に「処罰を受ける可能性がある」という危機感のみを植え付けるだけでは、ルールや仕組みが有効に機能しません。ルールや仕組みを整えた目的は、「安心・安全に業務を行えるようにすること」であると伝えましょう。
人事異動は本人だけでなく周囲の環境も変化させることであり、社内の誰もが多かれ少なかれストレスを感じるものです。
ストレスのある状況でも業務を円滑に続け、成果を出すために必要なのが安心感です。そのためのルールや仕組み、ツール導入であることを説明しましょう。適材適所を異動で実現させるために
本記事では、・内示の意味
・内示を行う理由
・人事異動情報の内示が行われるパターン
・人事異動情報が漏洩する原因
・人事異動情報を漏洩させないためのポイントについて解説しました。
内示の意味や必要性を理解し、正しく内示や辞令発令をするために、必要なルール設計、体制や環境の整備、社員の教育が大切です。
そもそも会社にとって人事異動とは、企業の適材適所実現のための施策です。
組織にとって最高な人材配置をするためには、まずその仕事のポジションに必要な知識・能力・適性を知ることが重要です。その上で、異動する本人がその知識・能力・適性を持ち合わせているかどうかを見極めた配置が適材適所実現への第一歩になります。
これは会社に対するメリットになるだけでなく、本人にとっても重要なことです。
自らの描くキャリアを実現できるかどうか見通しを立て、目標をもって業務を行ったり、スキルアップに取り組んだりすることにもつながるからです。会社に属する立場として自らの将来への予測や希望を持ち、前向きな気持ちでいられることは、従業員エンゲージメントを高めます。
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非公式にもたらされる情報であり、秘密にしておくものであるため、取り扱い方法やルールを定めておかなければ、個々人の解釈にばらつきが生じる危険性があるのです。
辞令は社員の転勤や昇給、昇進、新規採用などの人事異動が正式決定したことを知らせる公式文書ですから、一度発令された辞令の途中変更はできません。
内示の段階ではまだ決定事項ではないため、本人や関係者のみに任意で通達します。一方、辞令は決定事項なので公に通達するのです。
辞令と内示との関係をまとめると、以下のようになります。
順序 | 確定性 | 公式性 | 公開性 | 対象 | |
内示 | 前 | × | × | × | 限定的 |
辞令 | 後 | 〇 | 〇 | 〇 | 会社全体 |
多くの企業では辞令が出される1~2カ月前に内示が出されるので、その意味では秘密にしなければならない期間も1~2カ月間が多いといえるでしょう。
なぜ、内示の内容は辞令が出されるまで秘密にしなければならないのでしょうか。
たとえば、ある部下が上司をさしおいて昇進の内示を受けていた場合、上司に昇進の情報が伝わると辞令の発令前に会社内で不和が生じる可能性が考えられます。そうしたリスクを防ぐため、社員には辞令が出るまでは内示の内容は周りに秘密にするように伝える必要があるのです。
ただし、内示を受けた人が秘密を守らなければならない期間は、本人にとって不安を抱えることになります。そのため、必要以上に期間が長期化しないように配慮することが望ましいといえます。
内示する時点で秘密ができてしまうため、情報を伝えるタイミングにも細心の注意を払いましょう。
たとえば代表取締役の内示が出た際にうっかり周りに漏らしてしまうと、最悪の場合株価の暴落につながりかねません。なぜなら、投資家たちが「代表取締役変更によって企業が不安定になるのでは?」と考えるからです。
このように内示の情報漏洩が原因で、企業の存続に関わる重要な問題に発展することもあります。そのため、内示は原則として口外禁止となっています。
また辞令は公式な命令文書ですから、一度発令されると途中変更はできません。しかし内示の段階では確定事項とはいえず、変更の余地があります。内示の情報漏洩によって悪影響があった場合には、人事異動の変更や取り消しを考えざるを得ないこともあるでしょう。
いくら変更可能なものであるとはいえ、当事者にとっては立場が揺らぐことになり、内示が安易に変更されることは好ましくありません。混乱を防ぐためにも秘密を守ることが必要です。

会社における人事異動には、主に以下の6つのパターンが考えられます。
・昇進・昇格
・降格・降職
・転勤・転任
・部署異動・配置転換
・解雇・免職
・新規採用
・降格・降職
・転勤・転任
・部署異動・配置転換
・解雇・免職
・新規採用
いずれの場合にも、社員に内示することが想定されます。
本項では、6つのパターンごとに、社内外で内示が強い影響を及ぼす相手や問題の起こりやすい事情、内示の例について説明します。
本項では、6つのパターンごとに、社内外で内示が強い影響を及ぼす相手や問題の起こりやすい事情、内示の例について説明します。
昇進・昇格
昇進・昇格とは、現在のポジションより上の階層に立場が変わることを意味します。
昇進・昇格する本人だけでなく、新しい部下となる人にとっては「上司が変わる」ことになるため、一大事です。
また、一般的に昇進・昇格する本人にとっては喜ばしい事情ですが、昇進や昇格できるポストには限りがあり、厳しい昇進要件を満たすために社員同士で切磋琢磨していることも少なくありません。同期入社の人や同じ職位の人よりも先に昇進することになった場合、妬みを買うこともあり得ます。
その反面、『日本の人事部 人事白書2021』の調査によれば、専門職志向が強く、ビジネスリーダーを希望する社員が少ないという声もあります。昇進・昇格が必ずしも本人にとって望むものではなく、不満をもつ可能性もあるでしょう。
(参考:『日本の人事部 人事白書2021』112ページ)
このように、昇進・昇格は社員にとって一喜一憂する出来事であるため、社員や社内のモチベーションが変化しやすいリスクが考えられるのです。
そのため、昇進・昇格の内示をする場合は、本人だけでなく社内全体のモチベーションを維持し、士気を高める必要があります。
内示の段階では昇進・昇格後に期待する役割を伝え、どのような目標を立てて行動するのかをすり合わせ、正式に辞令が出た後にスムーズに動けるよう、するべきことをまとめて確認しあうとよいでしょう。
【 関連記事:昇格アセスメントを取り入れた人事評価が重要!従来の見極め方法の欠点は? 】
昇進・昇格する本人だけでなく、新しい部下となる人にとっては「上司が変わる」ことになるため、一大事です。
また、一般的に昇進・昇格する本人にとっては喜ばしい事情ですが、昇進や昇格できるポストには限りがあり、厳しい昇進要件を満たすために社員同士で切磋琢磨していることも少なくありません。同期入社の人や同じ職位の人よりも先に昇進することになった場合、妬みを買うこともあり得ます。
その反面、『日本の人事部 人事白書2021』の調査によれば、専門職志向が強く、ビジネスリーダーを希望する社員が少ないという声もあります。昇進・昇格が必ずしも本人にとって望むものではなく、不満をもつ可能性もあるでしょう。
(参考:『日本の人事部 人事白書2021』112ページ)
このように、昇進・昇格は社員にとって一喜一憂する出来事であるため、社員や社内のモチベーションが変化しやすいリスクが考えられるのです。
そのため、昇進・昇格の内示をする場合は、本人だけでなく社内全体のモチベーションを維持し、士気を高める必要があります。
内示の段階では昇進・昇格後に期待する役割を伝え、どのような目標を立てて行動するのかをすり合わせ、正式に辞令が出た後にスムーズに動けるよう、するべきことをまとめて確認しあうとよいでしょう。
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降格・降職
降格とは人事制度上の等級を引き下げること、降職とは役職を解いたり引き下げたりすることです。
専ら会社側の判断や評価による場合だけでなく、本人の希望がくまれて役職を降りることもあります。
よほど近しい間柄の人でない限り、降格・降職の事情を打ち明けることは考えにくいものです。降格・降職に関してはネガティブなイメージがつきまとうため、内示情報が先走って漏れてしまうと、根拠のない噂が広まってしまう危険性もあります。
本人の意思によらない降格・降職であれば、本人から口外し、会社や人事担当者、上司などの悪口として情報が広がっていくこともあり得ます。受け取る人次第では、従業員エンゲージメントの低下を招くことにもつながるのです。
会社の規模にもよりますが、ポジティブなイメージの昇進・昇格に比べて、社内全体に与える印象の変化をもたらしやすいのが降格・降職人事です。
降格・降職は、辞令発令後も本人が会社に残って働くことが前提となります。
したがって、どのような理由による降格・降職であっても円滑に業務が続けられるように、本人だけでなく会社側も内示の秘密を守る旨を約束することが大切です。
専ら会社側の判断や評価による場合だけでなく、本人の希望がくまれて役職を降りることもあります。
よほど近しい間柄の人でない限り、降格・降職の事情を打ち明けることは考えにくいものです。降格・降職に関してはネガティブなイメージがつきまとうため、内示情報が先走って漏れてしまうと、根拠のない噂が広まってしまう危険性もあります。
本人の意思によらない降格・降職であれば、本人から口外し、会社や人事担当者、上司などの悪口として情報が広がっていくこともあり得ます。受け取る人次第では、従業員エンゲージメントの低下を招くことにもつながるのです。
会社の規模にもよりますが、ポジティブなイメージの昇進・昇格に比べて、社内全体に与える印象の変化をもたらしやすいのが降格・降職人事です。
降格・降職は、辞令発令後も本人が会社に残って働くことが前提となります。
したがって、どのような理由による降格・降職であっても円滑に業務が続けられるように、本人だけでなく会社側も内示の秘密を守る旨を約束することが大切です。
転勤・転任
転勤・転任の場合、現在と勤務地が変わります。転居することが多いため、内示する頻度が高い人事異動のパターンといえます。
転勤・転任の内示は、外部との癒着などの不正防止や予定外の自体への対応の余地を残す目的で直前に通達される会社もありますが、転居に関して家族やパートナーとの相談や調整が必要になることを踏まえて、内示から辞令発令までの期間が従来より長くなる傾向があります。
働く場所が変わるので、異動後にフォローしようと思っても簡単にできることばかりではありません。引き継ぎをより入念にしておく必要があります。現在の部署内、事業所内、社内、お客様、取引先など、多くのステークホルダーに影響が及ぶことに注意しましょう。
転勤・転任の内示をする場合は、内示から正式発令までの期間の長さに応じて段階的に内示の情報を共有する相手を変化させることも一案です。部署内でも特に引き継ぎ等で密な連携をしなければならない人に対しては、例外的に先立って共有する必要もあり得ます。
その場合の制限やルールを組み立て、あくまで「内示」であることを理解し、必要以上に情報が広まらないよう対策しておきましょう。
【 関連記事:転勤辞令とは?辞令の正しい書き方や人事トラブルの対処法を解説 】
【 関連記事:転勤の時期とは?企業にとってのメリットとデメリットを解説 】
【 関連記事:会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは? 】
転勤・転任の内示は、外部との癒着などの不正防止や予定外の自体への対応の余地を残す目的で直前に通達される会社もありますが、転居に関して家族やパートナーとの相談や調整が必要になることを踏まえて、内示から辞令発令までの期間が従来より長くなる傾向があります。
働く場所が変わるので、異動後にフォローしようと思っても簡単にできることばかりではありません。引き継ぎをより入念にしておく必要があります。現在の部署内、事業所内、社内、お客様、取引先など、多くのステークホルダーに影響が及ぶことに注意しましょう。
転勤・転任の内示をする場合は、内示から正式発令までの期間の長さに応じて段階的に内示の情報を共有する相手を変化させることも一案です。部署内でも特に引き継ぎ等で密な連携をしなければならない人に対しては、例外的に先立って共有する必要もあり得ます。
その場合の制限やルールを組み立て、あくまで「内示」であることを理解し、必要以上に情報が広まらないよう対策しておきましょう。
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部署異動・配置転換
部署異動や配置転換は、頻度の高い人事異動の類型です。昨今は、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用して仕事の割り振りを最適化する企業も多くなってきました。
【 関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説 】
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ジョブローテーションを行う場合や本人のキャリアプラン、家庭の事情等による異動の希望だけではなく、会社の組織体制の変更や経営戦略による異動もあります。
異動により役割の変更が生じるため、転勤・転任の場合と同様に業務の引き継ぎが必要です。
同じ建物や空間で働くので、異動後に何らかの補足説明ができると思われるかもしれませんが、そうとは限りません。部署内でしか閲覧できない情報があり、取引の状況等も日々変化していくため、あくまでも異動時点で引き継ぎを終えておくことが原則です。
そこで問題となりやすいのが「業務の引き継ぎのタイミング」です。内示の段階で本人が先走り、普段は触ることのないマニュアルを更新しようとしたり、自身の担当業務を担当したことのない後輩に急に指導しようとしたりすると、同じ空間で働く社員は違和感や不信感を抱くことがあります。
一方で、辞令が出てから後任者を探すのでは、引き継ぎの時間が足りないことも想定できます。そのため、新たな体制で既存の業務を滞りなく行えるように、逆算して内示のタイミングを決める必要があるのです。
また、転勤・転任の場合にもいえることですが、異動後の業務についても内示の段階で調整したり、教育を開始したりする場合があります。思った以上に社員は普段と異なる動きを敏感に察知するものです。
内示はあくまで正式な発令がなされる前の段階であり、社内の混乱を避けるためにも目立つ動きは避け、「辞令が出てから動く」という前提を共有しましょう。
【 関連記事:組織変更に伴う人事異動を成功させるには?意味や手法を解説 】
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ジョブローテーションを行う場合や本人のキャリアプラン、家庭の事情等による異動の希望だけではなく、会社の組織体制の変更や経営戦略による異動もあります。
異動により役割の変更が生じるため、転勤・転任の場合と同様に業務の引き継ぎが必要です。
同じ建物や空間で働くので、異動後に何らかの補足説明ができると思われるかもしれませんが、そうとは限りません。部署内でしか閲覧できない情報があり、取引の状況等も日々変化していくため、あくまでも異動時点で引き継ぎを終えておくことが原則です。
そこで問題となりやすいのが「業務の引き継ぎのタイミング」です。内示の段階で本人が先走り、普段は触ることのないマニュアルを更新しようとしたり、自身の担当業務を担当したことのない後輩に急に指導しようとしたりすると、同じ空間で働く社員は違和感や不信感を抱くことがあります。
一方で、辞令が出てから後任者を探すのでは、引き継ぎの時間が足りないことも想定できます。そのため、新たな体制で既存の業務を滞りなく行えるように、逆算して内示のタイミングを決める必要があるのです。
また、転勤・転任の場合にもいえることですが、異動後の業務についても内示の段階で調整したり、教育を開始したりする場合があります。思った以上に社員は普段と異なる動きを敏感に察知するものです。
内示はあくまで正式な発令がなされる前の段階であり、社内の混乱を避けるためにも目立つ動きは避け、「辞令が出てから動く」という前提を共有しましょう。
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解雇・免職
解雇や免職は懲戒措置の一つとして行われるだけではなく、体調不良など、やむを得ない事情でもあり得ます。
とはいえ、社員にとっては非常にインパクトの大きな事件です。降格・降職の場合と同様に、不用意に噂が広まるようなことは避けなければなりません。
解雇や免職は基本的には本人の希望と反する結果であり、本人が不満のあまり内示を口外してしまうリスクがあります。口外といっても社内で直接発言するだけではなく、SNSに書き込む、社外で口にするなど、会社のコントロールが及びにくい場面で情報が漏れる可能性もゼロではありません。
会社のルールに違反して解雇や免職となる場合など、本人の規範意識や倫理観に訴えるだけでは統制しきれないケースも散見されます。
したがって、内示の時点で厳重に約束することが必要です。顧問弁護士など法律の専門家を頼れる場合は、連携するのもよいでしょう。手続き上の手間や交渉のリスクを考えて内示に関するルールをあらかじめ整備することで、発令までの間、情報を保護しやすくなります。
とはいえ、社員にとっては非常にインパクトの大きな事件です。降格・降職の場合と同様に、不用意に噂が広まるようなことは避けなければなりません。
解雇や免職は基本的には本人の希望と反する結果であり、本人が不満のあまり内示を口外してしまうリスクがあります。口外といっても社内で直接発言するだけではなく、SNSに書き込む、社外で口にするなど、会社のコントロールが及びにくい場面で情報が漏れる可能性もゼロではありません。
会社のルールに違反して解雇や免職となる場合など、本人の規範意識や倫理観に訴えるだけでは統制しきれないケースも散見されます。
したがって、内示の時点で厳重に約束することが必要です。顧問弁護士など法律の専門家を頼れる場合は、連携するのもよいでしょう。手続き上の手間や交渉のリスクを考えて内示に関するルールをあらかじめ整備することで、発令までの間、情報を保護しやすくなります。
新規採用
新規採用の内示は、本人の入社前に行われるものであり、ほかのパターンの内示と決定的に異なります。
似たような言葉に「内定」があり、厳密な区別がなされているわけではありませんが、一定の拘束力をもつ「内定」に比べ「内示」はやや不確定要素の多い状態を指すケースがほとんどです。
たとえば、次のような使い分けをすることがあります。
似たような言葉に「内定」があり、厳密な区別がなされているわけではありませんが、一定の拘束力をもつ「内定」に比べ「内示」はやや不確定要素の多い状態を指すケースがほとんどです。
たとえば、次のような使い分けをすることがあります。
- 内定:内定通知書等の文書で内定の事実を伝えている状態
- 内々定:口頭で内定の事実を伝え、文書通知を行っていない場合
- 内示:内定や入社の手続きを開始する旨、口頭で伝えること
入社前の人にとっては、会社の細かい事情はわかりにくく、社内にいれば伝えやすいニュアンスも伝わらないことが多いもの。伝える内容やタイミング、用語の定義などを明らかにするなど、少なくとも伝える人によっての誤差が生じないように注意しなければなりません。
新規採用の場合、内示によって不信感が生じれば、せっかくご縁あって入社予定となっても内定辞退されてしまいかねません。
人事担当者は説明後も、わからないことや不安はないか、逐一確認しながら丁寧に手続きを行いましょう。
また、採用段階で社風や企業文化とのマッチングを意識することで、入社前であってもスムーズに内示や入社手続きを行えます。採用する人物と会社との考え方や方向性が一致していると、内示や内定など、雇用契約を結ぶ前であってもトラブルが発生しにくいものです。
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人事異動の情報漏洩に関する5W1Hとは?
内示は口外禁止であるという共通認識があるにもかかわらず、人事異動情報が発令前に漏れてしまうことがあります。
こうした情報漏洩を防ぐため、情報漏洩のメカニズムや原因について、以下のように分けて説明します。・What:どのような情報が漏れるのか
・When:いつ漏洩するのか
・Where:どこで漏れるのか
・Who:誰が漏らしてしまうのか
・Why:なぜ漏洩するのか
・How:どのように漏洩するのかどのような情報が漏れるのか
内示の時点では、人事異動の情報も正式な決定事項ではありません。したがって、漏洩する情報も「非公式で不確定要素を含むもの」になってしまいます。
特に、異動の時期や後任者など調整段階にあることが、あたかも決定事項であるかのように伝わってしまう危険性があるのです。
情報を知った人がその内容に驚き、冷静に受け止めきれず事実と異なる内容を口走ってしまうこともあります。内示の時点で事実誤認かどうかを検証する術がないため、正しくない情報が広まってしまうことも考えられます。
情報が漏洩しないように策を講じることが大前提ですが、共有する情報を最小限にとどめ、不確定要素を憶測で伝えないことも重要です。
わからないことは「まだ決まっていない」と誠実に伝え、事実を正しく共有しましょう。いつ漏洩するのか
情報が漏れるタイミングとして想起されやすいのは、本人への内示の後です。本人が口外禁止を破り、他者に伝えてしまうケースです。
異動する本人への内示の後だけとは限りません。本人の上司に打診し、本人より先に上司の周りにいる別の人物に情報が伝わってしまうこともあります。
また、人事部門や役職者の会議等で情報共有された際、参加者以外に情報が流れてしまうリスクも。
印刷された会議資料に人事異動の情報が載っており、うっかり置き忘れてしまう、シュレッダーをかけ忘れて担当外の人物に知られてしまう、メールやチャットツールでメッセージを誤送信してしまうなど、情報の管理方法に依存する部分もあります。
情報管理の方法を整えるだけでなく、責任ある立場の人や人事担当者には、機密性の高い情報の取り扱いに関して教育し、人事情報に触れる人の意識を高めておく必要もあります。どこで漏れるのか
情報が漏洩する場所として、次の4点を考えておく必要があります。・社内
・社外で、業務上接点のある場所
・社外で、業務上接点のない場所
・オンライン社内の場合は、仮に情報が漏洩したとしても社内の規則等で取り締まることが可能です。しかし、一度会社の外に情報が漏れてしまうと、情報の回収や影響を食い止めるための措置がうまく行えないこともあります。
取引先やお客様には、人事異動の情報に敏感な人もいるものです。
特にオンラインで情報漏洩が起きた場合、会社の社会的信用を大きく損なう懸念があります。SNSの投稿で、投稿者本人は異動の情報を漏らしたつもりでなくても、読み手にそのような印象を与えたり、異動の事実がなくても「異動がある」ように誤認させたりしてしまう場合もあり、注意が必要です。
役員の異動など、会社の株価に影響しかねない人物の異動情報である場合、事実であっても誤認であっても大問題です。SNSやブログ等、インターネット上には安易な投稿をさせない仕組みが不可欠だといえます。
あわせて、家庭からの情報漏洩にも気をつけなければなりません。
本人の家族に内示があったことを伝え、家族自身が深く考えずに周囲に伝えてしまうことは典型的な漏洩パターンです。家族や友人などのインフォーマルな関係性で業務上の接点がないと思っても、巡り巡って会社の業務に関連する人に情報が渡る可能性も否定しきれません。
家族に情報共有する場合には、家族に対しても口外禁止を貫いてもらう必要があります。誰が漏らしてしまうのか
情報漏洩をする可能性がある人は、その人事異動の情報や内示を知ることができるすべての人です。内示を受けた本人はもちろん、人事担当者、上司、偶然情報を知ってしまった人、社外の第三者など、多岐にわたります。
典型的なパターンとして、内示を受けた本人や、情報を受け取った人が「異動の内容に納得がいかない」もしくは「異動に浮かれてしまう」ことによって、わざと情報を漏らす場合が想定できます。故意に情報を漏らすことがないように、慣例的に内示するのではなく、「口外禁止である」と伝えなければなりません。
重要なのは、情報漏洩は故意に行われるだけでなく、ヒューマンエラーで漏れてしまうケースがあると認識しておくことです。誰でも漏洩に加担してしまうリスクを理解したうえで、情報が漏れない仕組みを設けることが大切です。
また、情報の置き忘れやメッセージの誤送信のような視覚的情報の漏洩だけでなく、音声情報にも注意が必要です。口頭伝達をする場合に音が漏れてしまう、電話やWeb会議等のマイクが会話の音声を拾ってしまうなどのリスクは社内にあふれています。
細かいことにも気を配り、情報が漏れない工夫を行いましょう。なぜ漏洩するのか
人事異動情報漏洩の原因として、主に3つが挙げられます。
1.情報管理のルールがない、あるいは機能していないこと
2.情報管理の仕組みがない、あるいは不都合であること
3.情報の受け手の感情を刺激してしまうこと
一つずつ、解説します。情報管理のルールがない、あるいは機能していない
内示として伝えても、内示の定義が曖昧であったり、「口外禁止である」と伝えていなかったり、どのような行動をとるべきか不明確であったりすれば、情報が漏れやすくなります。何を守ればよいのかわからないからです。
社内の統一ルールとして、人事情報をどのように扱うべきなのか明文化することをおすすめします。情報管理の仕組みがない、あるいは不都合である
ルールがあっても機能しない場合もあります。実際にルールに従って行動する人にとって、使うツールや取り扱う情報の種類とルールが合っていないことが一つの理由です。
たとえば内示は口頭で伝えるというルールを設けたとします。遠隔地にいる社員に内示する場合、Web会議や通話のツールが必要です。あるいは、音が漏れない環境や設備、誰に伝えたのかを記録しておく工夫も欠かせません。
ルールを設ける段階で、使用するツール類や情報管理の媒体、会議のあり方、コミュニケーションスタイルなどを見直しておくことが肝心です。
情報管理の仕組みやツールを見直し、業務効率化を図りたいとお考えの方は、こちらの記事もご参照ください。
【採用DXとは?入社後の活躍につながる考え方】情報の受け手の感情を刺激してしまう
人事異動が決まって浮かれるあまり、情報を漏らしてしまう場合や、納得のいかない人事に対する不満から口外してしまう場合があります。その理由は、情報を受け取った人の感情が極端に刺激されているからです。
希望する異動が叶えば喜ばしいものですが、人事異動の目的は、異動する本人の自己実現だけではなく、会社の利益や成長のために必要な適材適所でもあります。
採用する段階や日頃の人事評価などで適切なアセスメントを受け、キャリアに対して本人と会社側とで話し合っておくことで、双方に見通しが立てられます。
キャリアプランや希望、適性などを普段から本人と評価者との間で共有しておけば、予定や目標に向けて取り組むことで必要以上に感情が刺激されることがなくなるでしょう。前向きに内示を受け入れるためにも、普段のアセスメントは重要なことです。
人材アセスメント、コンピテンシーについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
【 関連記事:人材アセスメントとは?メリットや活用方法について詳しく解説 】
【 関連記事:人材アセスメントと組織アセスメントの違いは?成功させるポイントも解説 】
【 関連記事:コンピテンシーとは?4つの活用シーンや分析ツールの導入事例を紹介 】どのように漏洩するのか
人事異動の情報の漏洩手段として最も多いのが日常会話です。口頭伝達であっても、テキストベースの情報であっても、何気ない会話の中で情報がもたらされることが多いものです。
したがって、発言したり会話に加わったりしている当人同士が「情報漏洩している」と自覚しにくい場合もあります。
特に内示は確定事項ではなく、調整中の段階でなされることも多いため「どの段階の情報が漏れたのか」により随時内容が変わり得るのです。
加えて、漏洩した情報自体も変化しやすいものです。日常会話や噂話のような形で口外された情報は、元の情報とはすっかり塗り替えられていることもあります。
内示された情報が一旦漏れてしまうと、会社側からの正式な発令以外には軌道修正が非常に難しいといわざるを得ません。人事異動情報を漏洩させないためのポイント
人事異動情報が発令される前に漏れてしまうと、正しくない内容が広まってしまうリスクや結果的に社員に不信感を抱かせ、エンゲージメントを下げるなどの問題があります。
情報漏洩を防ぎ、適切に人事異動情報を発令するために、以下の3点を意識するとよいでしょう。・ルールを設ける
・情報取り扱いの仕組み・環境を整える
・情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う本項では、これらについて解説します。内示から辞令発令までのルールを策定する
適切に内示や辞令を発令するために、人事異動の情報伝達に関するルールを作る必要があります。特に次の3点は、ルールの中に必ず盛り込みましょう。- 情報共有する関係者の範囲
- 口外禁止の期間
- 内示の方法
情報共有する関係者の範囲を決める
まず重要なことは、内示を知らせる人の範囲を決めることです。
内示の情報は基本的に口外禁止ですが、内示を受けた社員が「この人にならいいだろう」と勝手に判断して同僚に情報を伝えてしまうケースがあります。
そこであらかじめ内示を知らせる関係者の範囲を決めて伝えることで、情報の拡散や漏洩を防げます。
情報共有する関係者の範囲を定めることで、比較的高い頻度で内示を知る人と、必要なとき以外には知らない人とが明らかになります。
すると、機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて重点的に教育の機会を提供したり、例外的に内示を知らせるときに注意喚起したりすることが可能になるでしょう。内示を口外禁止とする期間を決める
辞令が出されるタイミングがわからなければ、いつまで内示の情報を隠しておけばよいのか、不安になる社員もいるでしょう。
そのため、内示を秘密にする期間を事前に伝え、社員に安心を与えることで情報の漏洩を防ぐ効果があります。
正式な発令までは口外禁止とすることが一般的ですが、担当業務の後任者や関係性の深い相手に対しての共有を必要な範囲で認めることもあります。辞令発令前の情報共有に関する規定は特に慎重に設計しましょう。
また、段階的に情報共有を行い、相手によって口外禁止期間を変える場合は特に注意が必要です。段階的に知らせる相手に対しても、秘密を守ってもらうよう、場合分けの目安や期間を制度に盛り込んでおきましょう。内示の方法を決める
内示の方法を決めることも重要です。内示の伝達ミスによる情報漏洩を防ぐことにつながります。
基本的には、内示には口頭による通達が適しています。メールや文書、チャットなどで伝えた場合、誤送信や置き忘れなどの業務ミスによって内示の情報が漏洩することがあるからです。
また、内示の方法を統一することも重要です。ある人には口頭で、ある人には文書でといったバラバラの内示通達をした場合、万が一情報が漏洩した際に情報元の特定ができず、さらに悪い状況を生んでしまうこともあります。
伝達方法を統一することで、定められた方法ではない不適切な情報共有を排除する効果も期待できます。情報取り扱いの仕組み・環境を整える
情報管理のルールを設けるのと同時に、ルールが守れる土壌を整備します。ルールを守るために必要な資源を揃え、ルートを作りましょう。
内示を共有する関係者を絞り、口外禁止の期間を設定したとしても、関係者全員に大きなタイムラグがなく、同じ情報を伝える仕組みがなければ、情報の正当性やルールの有効性が揺らぎかねません。
情報共有のタイミングを合わせる方法には、定例会議の活用や、チャットツールの音声通話機能を利用して短時間だけ集まることが挙げられます。内示の共有相手は責任ある立場の人物であることも多く、時間の確保は大きな課題です。デジタルツールもうまく活用して効率化するとよいでしょう。
関係者に連絡するルートを体系化することも有効な手段です。関係者をリストアップしてその都度人事担当者が一人ひとりに連絡することもできますが、部門ごとの連絡ルートを設け、担当者に部門内の連絡を委ねることもできます。組織の規模に合わせて設計しましょう。
内示以外の人事情報へのアクセスを制限しておくことも必要です。本来、人事・採用・労務管理に関する情報はプライバシーレベルの高い情報であり、担当者以外が触れられない場所に保管されているものです。
内示を知らせる際に共有に適さない情報へのアクセスを防ぐには、共有先のコントロールが容易であることが役立ちます。
たった一つの共有権限の設定ミスで情報が筒抜けになってしまうことのないよう、管理しやすいツールを用いましょう。情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う
情報取り扱いのルールや仕組みを整えた後は、ルールや仕組みを社員に教育し、適切に機能することが重要です。
内示の口外禁止を徹底しようとしても、噂好きな社員は情報を漏らしてしまうかもしれません。口外禁止を破ることはコンプライアンス違反になることを周知する必要があります。
多くの場合、個人情報保護や機密事項を守ることに関して、入社時に誓約書を取り交わしていますが、情報関連の法改正は頻度が高いため、情報リテラシーに関する教育は定期的に行う価値の高い内容です。
定期的な研修の機会にも、社内規定を今一度見直し、確認するとよいでしょう。
特に内示を共有される頻度の高い人に関しては、重点的に研修を行い、法令・規則の遵守を徹底する工夫もできます。機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて研修のレベルを変化させ、規則の意味合いや目的の理解度を高めることで、ルールを守りやすくなります。
口外禁止にした情報を漏らした社員が発生した場合や社内ルールの徹底に不安のある場合は、ルールの中に厳しい処罰を盛り込むことも検討しましょう。以降の情報漏洩を防ぐことにつながります。
その際、単に「処罰を受ける可能性がある」という危機感のみを植え付けるだけでは、ルールや仕組みが有効に機能しません。ルールや仕組みを整えた目的は、「安心・安全に業務を行えるようにすること」であると伝えましょう。
人事異動は本人だけでなく周囲の環境も変化させることであり、社内の誰もが多かれ少なかれストレスを感じるものです。
ストレスのある状況でも業務を円滑に続け、成果を出すために必要なのが安心感です。そのためのルールや仕組み、ツール導入であることを説明しましょう。適材適所を異動で実現させるために
本記事では、・内示の意味
・内示を行う理由
・人事異動情報の内示が行われるパターン
・人事異動情報が漏洩する原因
・人事異動情報を漏洩させないためのポイントについて解説しました。
内示の意味や必要性を理解し、正しく内示や辞令発令をするために、必要なルール設計、体制や環境の整備、社員の教育が大切です。
そもそも会社にとって人事異動とは、企業の適材適所実現のための施策です。
組織にとって最高な人材配置をするためには、まずその仕事のポジションに必要な知識・能力・適性を知ることが重要です。その上で、異動する本人がその知識・能力・適性を持ち合わせているかどうかを見極めた配置が適材適所実現への第一歩になります。
これは会社に対するメリットになるだけでなく、本人にとっても重要なことです。
自らの描くキャリアを実現できるかどうか見通しを立て、目標をもって業務を行ったり、スキルアップに取り組んだりすることにもつながるからです。会社に属する立場として自らの将来への予測や希望を持ち、前向きな気持ちでいられることは、従業員エンゲージメントを高めます。
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こうした情報漏洩を防ぐため、情報漏洩のメカニズムや原因について、以下のように分けて説明します。
・When:いつ漏洩するのか
・Where:どこで漏れるのか
・Who:誰が漏らしてしまうのか
・Why:なぜ漏洩するのか
・How:どのように漏洩するのか
特に、異動の時期や後任者など調整段階にあることが、あたかも決定事項であるかのように伝わってしまう危険性があるのです。
情報を知った人がその内容に驚き、冷静に受け止めきれず事実と異なる内容を口走ってしまうこともあります。内示の時点で事実誤認かどうかを検証する術がないため、正しくない情報が広まってしまうことも考えられます。
情報が漏洩しないように策を講じることが大前提ですが、共有する情報を最小限にとどめ、不確定要素を憶測で伝えないことも重要です。
わからないことは「まだ決まっていない」と誠実に伝え、事実を正しく共有しましょう。
異動する本人への内示の後だけとは限りません。本人の上司に打診し、本人より先に上司の周りにいる別の人物に情報が伝わってしまうこともあります。
また、人事部門や役職者の会議等で情報共有された際、参加者以外に情報が流れてしまうリスクも。
印刷された会議資料に人事異動の情報が載っており、うっかり置き忘れてしまう、シュレッダーをかけ忘れて担当外の人物に知られてしまう、メールやチャットツールでメッセージを誤送信してしまうなど、情報の管理方法に依存する部分もあります。
情報管理の方法を整えるだけでなく、責任ある立場の人や人事担当者には、機密性の高い情報の取り扱いに関して教育し、人事情報に触れる人の意識を高めておく必要もあります。
・社外で、業務上接点のある場所
・社外で、業務上接点のない場所
・オンライン
取引先やお客様には、人事異動の情報に敏感な人もいるものです。
特にオンラインで情報漏洩が起きた場合、会社の社会的信用を大きく損なう懸念があります。SNSの投稿で、投稿者本人は異動の情報を漏らしたつもりでなくても、読み手にそのような印象を与えたり、異動の事実がなくても「異動がある」ように誤認させたりしてしまう場合もあり、注意が必要です。
役員の異動など、会社の株価に影響しかねない人物の異動情報である場合、事実であっても誤認であっても大問題です。SNSやブログ等、インターネット上には安易な投稿をさせない仕組みが不可欠だといえます。
あわせて、家庭からの情報漏洩にも気をつけなければなりません。
本人の家族に内示があったことを伝え、家族自身が深く考えずに周囲に伝えてしまうことは典型的な漏洩パターンです。家族や友人などのインフォーマルな関係性で業務上の接点がないと思っても、巡り巡って会社の業務に関連する人に情報が渡る可能性も否定しきれません。
家族に情報共有する場合には、家族に対しても口外禁止を貫いてもらう必要があります。
典型的なパターンとして、内示を受けた本人や、情報を受け取った人が「異動の内容に納得がいかない」もしくは「異動に浮かれてしまう」ことによって、わざと情報を漏らす場合が想定できます。故意に情報を漏らすことがないように、慣例的に内示するのではなく、「口外禁止である」と伝えなければなりません。
重要なのは、情報漏洩は故意に行われるだけでなく、ヒューマンエラーで漏れてしまうケースがあると認識しておくことです。誰でも漏洩に加担してしまうリスクを理解したうえで、情報が漏れない仕組みを設けることが大切です。
また、情報の置き忘れやメッセージの誤送信のような視覚的情報の漏洩だけでなく、音声情報にも注意が必要です。口頭伝達をする場合に音が漏れてしまう、電話やWeb会議等のマイクが会話の音声を拾ってしまうなどのリスクは社内にあふれています。
細かいことにも気を配り、情報が漏れない工夫を行いましょう。
1.情報管理のルールがない、あるいは機能していないこと
2.情報管理の仕組みがない、あるいは不都合であること
3.情報の受け手の感情を刺激してしまうこと
一つずつ、解説します。
社内の統一ルールとして、人事情報をどのように扱うべきなのか明文化することをおすすめします。
たとえば内示は口頭で伝えるというルールを設けたとします。遠隔地にいる社員に内示する場合、Web会議や通話のツールが必要です。あるいは、音が漏れない環境や設備、誰に伝えたのかを記録しておく工夫も欠かせません。
ルールを設ける段階で、使用するツール類や情報管理の媒体、会議のあり方、コミュニケーションスタイルなどを見直しておくことが肝心です。
情報管理の仕組みやツールを見直し、業務効率化を図りたいとお考えの方は、こちらの記事もご参照ください。
【採用DXとは?入社後の活躍につながる考え方】
希望する異動が叶えば喜ばしいものですが、人事異動の目的は、異動する本人の自己実現だけではなく、会社の利益や成長のために必要な適材適所でもあります。
採用する段階や日頃の人事評価などで適切なアセスメントを受け、キャリアに対して本人と会社側とで話し合っておくことで、双方に見通しが立てられます。
キャリアプランや希望、適性などを普段から本人と評価者との間で共有しておけば、予定や目標に向けて取り組むことで必要以上に感情が刺激されることがなくなるでしょう。前向きに内示を受け入れるためにも、普段のアセスメントは重要なことです。
人材アセスメント、コンピテンシーについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
【 関連記事:人材アセスメントとは?メリットや活用方法について詳しく解説 】
【 関連記事:人材アセスメントと組織アセスメントの違いは?成功させるポイントも解説 】
【 関連記事:コンピテンシーとは?4つの活用シーンや分析ツールの導入事例を紹介 】
したがって、発言したり会話に加わったりしている当人同士が「情報漏洩している」と自覚しにくい場合もあります。
特に内示は確定事項ではなく、調整中の段階でなされることも多いため「どの段階の情報が漏れたのか」により随時内容が変わり得るのです。
加えて、漏洩した情報自体も変化しやすいものです。日常会話や噂話のような形で口外された情報は、元の情報とはすっかり塗り替えられていることもあります。
内示された情報が一旦漏れてしまうと、会社側からの正式な発令以外には軌道修正が非常に難しいといわざるを得ません。

人事異動情報が発令される前に漏れてしまうと、正しくない内容が広まってしまうリスクや結果的に社員に不信感を抱かせ、エンゲージメントを下げるなどの問題があります。
情報漏洩を防ぎ、適切に人事異動情報を発令するために、以下の3点を意識するとよいでしょう。
情報漏洩を防ぎ、適切に人事異動情報を発令するために、以下の3点を意識するとよいでしょう。
・ルールを設ける
・情報取り扱いの仕組み・環境を整える
・情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う
・情報取り扱いの仕組み・環境を整える
・情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う
本項では、これらについて解説します。
内示から辞令発令までのルールを策定する
適切に内示や辞令を発令するために、人事異動の情報伝達に関するルールを作る必要があります。特に次の3点は、ルールの中に必ず盛り込みましょう。
- 情報共有する関係者の範囲
- 口外禁止の期間
- 内示の方法
情報共有する関係者の範囲を決める
まず重要なことは、内示を知らせる人の範囲を決めることです。
内示の情報は基本的に口外禁止ですが、内示を受けた社員が「この人にならいいだろう」と勝手に判断して同僚に情報を伝えてしまうケースがあります。
そこであらかじめ内示を知らせる関係者の範囲を決めて伝えることで、情報の拡散や漏洩を防げます。
情報共有する関係者の範囲を定めることで、比較的高い頻度で内示を知る人と、必要なとき以外には知らない人とが明らかになります。
すると、機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて重点的に教育の機会を提供したり、例外的に内示を知らせるときに注意喚起したりすることが可能になるでしょう。
内示の情報は基本的に口外禁止ですが、内示を受けた社員が「この人にならいいだろう」と勝手に判断して同僚に情報を伝えてしまうケースがあります。
そこであらかじめ内示を知らせる関係者の範囲を決めて伝えることで、情報の拡散や漏洩を防げます。
情報共有する関係者の範囲を定めることで、比較的高い頻度で内示を知る人と、必要なとき以外には知らない人とが明らかになります。
すると、機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて重点的に教育の機会を提供したり、例外的に内示を知らせるときに注意喚起したりすることが可能になるでしょう。
内示を口外禁止とする期間を決める
辞令が出されるタイミングがわからなければ、いつまで内示の情報を隠しておけばよいのか、不安になる社員もいるでしょう。
そのため、内示を秘密にする期間を事前に伝え、社員に安心を与えることで情報の漏洩を防ぐ効果があります。
正式な発令までは口外禁止とすることが一般的ですが、担当業務の後任者や関係性の深い相手に対しての共有を必要な範囲で認めることもあります。辞令発令前の情報共有に関する規定は特に慎重に設計しましょう。
また、段階的に情報共有を行い、相手によって口外禁止期間を変える場合は特に注意が必要です。段階的に知らせる相手に対しても、秘密を守ってもらうよう、場合分けの目安や期間を制度に盛り込んでおきましょう。
そのため、内示を秘密にする期間を事前に伝え、社員に安心を与えることで情報の漏洩を防ぐ効果があります。
正式な発令までは口外禁止とすることが一般的ですが、担当業務の後任者や関係性の深い相手に対しての共有を必要な範囲で認めることもあります。辞令発令前の情報共有に関する規定は特に慎重に設計しましょう。
また、段階的に情報共有を行い、相手によって口外禁止期間を変える場合は特に注意が必要です。段階的に知らせる相手に対しても、秘密を守ってもらうよう、場合分けの目安や期間を制度に盛り込んでおきましょう。
内示の方法を決める
内示の方法を決めることも重要です。内示の伝達ミスによる情報漏洩を防ぐことにつながります。
基本的には、内示には口頭による通達が適しています。メールや文書、チャットなどで伝えた場合、誤送信や置き忘れなどの業務ミスによって内示の情報が漏洩することがあるからです。
また、内示の方法を統一することも重要です。ある人には口頭で、ある人には文書でといったバラバラの内示通達をした場合、万が一情報が漏洩した際に情報元の特定ができず、さらに悪い状況を生んでしまうこともあります。
伝達方法を統一することで、定められた方法ではない不適切な情報共有を排除する効果も期待できます。
基本的には、内示には口頭による通達が適しています。メールや文書、チャットなどで伝えた場合、誤送信や置き忘れなどの業務ミスによって内示の情報が漏洩することがあるからです。
また、内示の方法を統一することも重要です。ある人には口頭で、ある人には文書でといったバラバラの内示通達をした場合、万が一情報が漏洩した際に情報元の特定ができず、さらに悪い状況を生んでしまうこともあります。
伝達方法を統一することで、定められた方法ではない不適切な情報共有を排除する効果も期待できます。
情報取り扱いの仕組み・環境を整える
情報管理のルールを設けるのと同時に、ルールが守れる土壌を整備します。ルールを守るために必要な資源を揃え、ルートを作りましょう。
内示を共有する関係者を絞り、口外禁止の期間を設定したとしても、関係者全員に大きなタイムラグがなく、同じ情報を伝える仕組みがなければ、情報の正当性やルールの有効性が揺らぎかねません。
情報共有のタイミングを合わせる方法には、定例会議の活用や、チャットツールの音声通話機能を利用して短時間だけ集まることが挙げられます。内示の共有相手は責任ある立場の人物であることも多く、時間の確保は大きな課題です。デジタルツールもうまく活用して効率化するとよいでしょう。
関係者に連絡するルートを体系化することも有効な手段です。関係者をリストアップしてその都度人事担当者が一人ひとりに連絡することもできますが、部門ごとの連絡ルートを設け、担当者に部門内の連絡を委ねることもできます。組織の規模に合わせて設計しましょう。
内示以外の人事情報へのアクセスを制限しておくことも必要です。本来、人事・採用・労務管理に関する情報はプライバシーレベルの高い情報であり、担当者以外が触れられない場所に保管されているものです。
内示を知らせる際に共有に適さない情報へのアクセスを防ぐには、共有先のコントロールが容易であることが役立ちます。
たった一つの共有権限の設定ミスで情報が筒抜けになってしまうことのないよう、管理しやすいツールを用いましょう。
内示を共有する関係者を絞り、口外禁止の期間を設定したとしても、関係者全員に大きなタイムラグがなく、同じ情報を伝える仕組みがなければ、情報の正当性やルールの有効性が揺らぎかねません。
情報共有のタイミングを合わせる方法には、定例会議の活用や、チャットツールの音声通話機能を利用して短時間だけ集まることが挙げられます。内示の共有相手は責任ある立場の人物であることも多く、時間の確保は大きな課題です。デジタルツールもうまく活用して効率化するとよいでしょう。
関係者に連絡するルートを体系化することも有効な手段です。関係者をリストアップしてその都度人事担当者が一人ひとりに連絡することもできますが、部門ごとの連絡ルートを設け、担当者に部門内の連絡を委ねることもできます。組織の規模に合わせて設計しましょう。
内示以外の人事情報へのアクセスを制限しておくことも必要です。本来、人事・採用・労務管理に関する情報はプライバシーレベルの高い情報であり、担当者以外が触れられない場所に保管されているものです。
内示を知らせる際に共有に適さない情報へのアクセスを防ぐには、共有先のコントロールが容易であることが役立ちます。
たった一つの共有権限の設定ミスで情報が筒抜けになってしまうことのないよう、管理しやすいツールを用いましょう。
情報取り扱いに関し、社員の意識づけを行う
情報取り扱いのルールや仕組みを整えた後は、ルールや仕組みを社員に教育し、適切に機能することが重要です。
内示の口外禁止を徹底しようとしても、噂好きな社員は情報を漏らしてしまうかもしれません。口外禁止を破ることはコンプライアンス違反になることを周知する必要があります。
多くの場合、個人情報保護や機密事項を守ることに関して、入社時に誓約書を取り交わしていますが、情報関連の法改正は頻度が高いため、情報リテラシーに関する教育は定期的に行う価値の高い内容です。
定期的な研修の機会にも、社内規定を今一度見直し、確認するとよいでしょう。
特に内示を共有される頻度の高い人に関しては、重点的に研修を行い、法令・規則の遵守を徹底する工夫もできます。機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて研修のレベルを変化させ、規則の意味合いや目的の理解度を高めることで、ルールを守りやすくなります。
口外禁止にした情報を漏らした社員が発生した場合や社内ルールの徹底に不安のある場合は、ルールの中に厳しい処罰を盛り込むことも検討しましょう。以降の情報漏洩を防ぐことにつながります。
その際、単に「処罰を受ける可能性がある」という危機感のみを植え付けるだけでは、ルールや仕組みが有効に機能しません。ルールや仕組みを整えた目的は、「安心・安全に業務を行えるようにすること」であると伝えましょう。
人事異動は本人だけでなく周囲の環境も変化させることであり、社内の誰もが多かれ少なかれストレスを感じるものです。
ストレスのある状況でも業務を円滑に続け、成果を出すために必要なのが安心感です。そのためのルールや仕組み、ツール導入であることを説明しましょう。
内示の口外禁止を徹底しようとしても、噂好きな社員は情報を漏らしてしまうかもしれません。口外禁止を破ることはコンプライアンス違反になることを周知する必要があります。
多くの場合、個人情報保護や機密事項を守ることに関して、入社時に誓約書を取り交わしていますが、情報関連の法改正は頻度が高いため、情報リテラシーに関する教育は定期的に行う価値の高い内容です。
定期的な研修の機会にも、社内規定を今一度見直し、確認するとよいでしょう。
特に内示を共有される頻度の高い人に関しては、重点的に研修を行い、法令・規則の遵守を徹底する工夫もできます。機密性の高い情報に触れる頻度に合わせて研修のレベルを変化させ、規則の意味合いや目的の理解度を高めることで、ルールを守りやすくなります。
口外禁止にした情報を漏らした社員が発生した場合や社内ルールの徹底に不安のある場合は、ルールの中に厳しい処罰を盛り込むことも検討しましょう。以降の情報漏洩を防ぐことにつながります。
その際、単に「処罰を受ける可能性がある」という危機感のみを植え付けるだけでは、ルールや仕組みが有効に機能しません。ルールや仕組みを整えた目的は、「安心・安全に業務を行えるようにすること」であると伝えましょう。
人事異動は本人だけでなく周囲の環境も変化させることであり、社内の誰もが多かれ少なかれストレスを感じるものです。
ストレスのある状況でも業務を円滑に続け、成果を出すために必要なのが安心感です。そのためのルールや仕組み、ツール導入であることを説明しましょう。
適材適所を異動で実現させるために
本記事では、・内示の意味
・内示を行う理由
・人事異動情報の内示が行われるパターン
・人事異動情報が漏洩する原因
・人事異動情報を漏洩させないためのポイントについて解説しました。
内示の意味や必要性を理解し、正しく内示や辞令発令をするために、必要なルール設計、体制や環境の整備、社員の教育が大切です。
そもそも会社にとって人事異動とは、企業の適材適所実現のための施策です。
組織にとって最高な人材配置をするためには、まずその仕事のポジションに必要な知識・能力・適性を知ることが重要です。その上で、異動する本人がその知識・能力・適性を持ち合わせているかどうかを見極めた配置が適材適所実現への第一歩になります。
これは会社に対するメリットになるだけでなく、本人にとっても重要なことです。
自らの描くキャリアを実現できるかどうか見通しを立て、目標をもって業務を行ったり、スキルアップに取り組んだりすることにもつながるからです。会社に属する立場として自らの将来への予測や希望を持ち、前向きな気持ちでいられることは、従業員エンゲージメントを高めます。
「ミイダス」の活躍要因診断では、会社風土や活躍する社員の特性を可視化する「フィッティング人材分析」が行えます。適切なアセスメントを行い、人事異動を成功させるためにも有効です。
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「適材適所の人材配置を実現したい」「社員のキャリア実現を会社も後押ししたい」「採用時のマッチング精度を高めたい」とお考えの方は、ぜひミイダスをご活用ください。
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・内示を行う理由
・人事異動情報の内示が行われるパターン
・人事異動情報が漏洩する原因
・人事異動情報を漏洩させないためのポイント
内示の意味や必要性を理解し、正しく内示や辞令発令をするために、必要なルール設計、体制や環境の整備、社員の教育が大切です。
そもそも会社にとって人事異動とは、企業の適材適所実現のための施策です。
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