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採用

リファラル採用とは?導入のメリット・デメリットや報酬の注意点

労働者人口の減少が進む近年、人材確保や採用ミスマッチの防止はどの企業でも大きな課題です。従業員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」は、人材に関する会社の課題解決方法の1つです。採用コストの削減や自社にフィットした人材を集めやすいなどのメリットを持つ採用手法として、導入されています。

入社に至った場合、紹介してくれた従業員に報酬(ロイヤリティ)を支払うこともありますが、正しい対応をしなければ違法につながるケースもあるのです。

本記事では、リファラル採用のメリットやデメリット、報酬設定時の注意点などを詳しく解説します。新しい採用手法を検討されている方や、適切なリファラル採用を実施したい方は最後までご覧ください。

なおミイダスでは、自社にフィットした人材を採用する方法をまとめた資料を提供しています。以下よりダウンロードできますので、採用に課題を抱えている方は、この機会にどうぞご活用ください。

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リファラル採用とは?特徴を紹介

虫眼鏡で求人を探すイメージ
まずは、リファラル採用の定義や特徴、似た語句との違いを解説します。

リファラル採用の定義

英単語「Referral(リファラル)」の意味は「紹介」「推薦」です。よってリファラル採用とは「既存の従業員から知人を紹介・推薦してもらう形式の採用」を指します。欧米では主流となっている採用手法の1つです。通常の採用工程と同様に、面接や筆記試験などの選考を経て合否を決定します。

そのほか、自社の文化や雰囲気を熟知した従業員による紹介であるリファラル採用には、以下の特徴があります。

【リファラル採用の特徴】
  • 人材のスキルや能力、性格などを把握しやすい
  • 人材紹介会社による紹介費や求人広告費などの削減につながる
  • 紹介された人材は入社後のギャップを感じにくい(紹介者を通じて情報収集ができるため
なるべく採用コストを抑えたい企業や、即戦力となる人材を求める傾向にあるベンチャー企業・中小企業などに向いている採用手法と言えるでしょう。

リファラル採用と縁故採用(コネ採用)の違いは?

ここで「リファラル採用と縁故採用(コネ採用)は何が違うのか?」と疑問を抱く方もいるでしょう。どちらも従業員のネットワークを経由した採用手法ですが、両者には違いがあります。

縁故採用とは「経営者や役員などの親族や知人を採用すること」を指します。

リファラル採用と縁故採用の違いを以下の表にまとめました。
リファラル採用縁故採用
定義従業員やその関係者が自社にフィットする人材を紹介する採用方法のこと経営層の親族や、個人的なつながりから採用する方法のこと
目的・採用コストの削減
・従業員のネットワークから、採用基準にフィットする人材の採用
経営層の人間関係や個人的な利害関係を保つため
採用基準・職務に必要なスキルや経験、適性などを持つことが基準
・通常の採用選考を経るため、公平性が保たれている
・採用基準はなく、経営層の親族や知人であることが優遇される
・通常の採用選考がないことが多く、公平性に欠けている
社内への影響・自社にフィットする人材の紹介で、円滑な採用ができる
・紹介による報酬や人材紹介の貢献が、従業員のモチベーション向上にもつながる
・経営層の親族が社内に多いことがあり、組織に緊張感や不公平感を招く可能性がある
・不公平感や待遇の不満から、従業員のモチベーション低下を招く可能性がある
上記のように、リファラル採用と縁故採用は目的や採用基準が大きく異なります。リファラル採用は「採用基準に満たした人材の採用」であることに対して、縁故採用は「経営層の個人的な利害関係や、つながりによる採用」です。

公平性という面で両者は大きな違いがあるため、縁故採用が従業員に知れ渡ると、不公平感や不満を生じさせ、自社への信頼低下につながるリスクがあります。

よって、リファラル採用を「縁故採用」と思われてしまうと、従業員にネガティブな印象を与える可能性があるため、両者の違いを社内へ周知することは重要と言えます。

リファラル採用が着目されている背景と理由

リクルートと書かれた積木
近年、リファラル採用が着目されている大きな要因として「少子高齢化に伴う労働人口の減少」が挙げられます。

総務省統計局の調査によると、主な働き手である「生産年齢人口(15~64歳人口)」は、2023年5月現在では「7,395万3千人」で前年同月に比べて「24万7千人減少」と発表しています。

総人口の推移は下記の通り年々下降傾向で、今後も働き手となる人材の減少が考えられるでしょう。つまり、人材確保の競争率が年々高まっているのです。
総務省統計局の人口推計グラフ
※出典:「人口推計(令和5年(2023年)5月確定値、令和5年(2023年)10月概算値)(2023年10月20日公表)」(総務省統計局)

そのため近年では、「採用ミスマッチを防止して、採用の精度を高めること」を求めるケースが増える変化がみられます。しかし、大手企業のように知名度のないベンチャー企業や中小企業は、従来の採用手法のみでは人材確保が困難になっていると言えます。

その対策として、企業から積極的に人材へアプローチする「スカウト型採用」や「ダイレクトリクルーティング」が導入されています。

【関連記事:スカウト型採用とは?注目されている理由やサービスの選ぶポイントを解説

それらに加えて、即戦力となる人材に出会いやすいリファラル採用が着目されるようになっています。特に高い専門性を重視する業界においては、リファラル採用の大きな効果が期待できるでしょう。

リファラル採用を導入するメリット

上を指さすビジネスウーマン
ここでは、リファラル採用の主なメリットを4つ解説します。
  • 自社にフィットする人材を確保しやすくなる
  • 早期離職の防止が期待できる
  • 採用コストや採用工数の削減につながる
  • 転職潜在層へのアプローチになり、採用の幅が広がる
特に2つ目の「早期離職の防止が期待できる」は、人材確保が難しい近年においては大きなメリットと言えます。

自社にフィットする人材を確保しやすくなる

リファラル採用は、自社にフィットする価値観やスキル、適性を持った人材との出会いが期待できます。

株式会社MyReferがリファラル採用を実施する企業500社に対して行った、新卒のリファラル採用実態調査によると「応募者の5人に1人が内定(20.0%)」という結果でした。通常の採用手法による新卒採用の平均内定率は「約1.4%」のため、リファラル採用は「約14倍内定率が高い」とも発表しています(調査期間は、2018年4月1日~2019 年3月31日)。

※出典:株式会社MyRefer「イマドキの若者は先輩・知人の声で就職先を決めたい 新卒リファラル採用、応募からの内定率が通常の14倍に」|PR TIMES

この結果から、通常よりも自社にフィットする人材を確保しやすいことがうかがえます。

自社を理解した従業員による紹介・推薦のため「うちの会社に合いそうだな」と感じた人材を紹介してもらえる可能性が高く、自社にフィットした人材が確保しやすいのです。また、自社で活躍する従業員のまわりには、自然に似た価値観やスキルを持った人も多いため、やみくもに求人を出すよりは見つけやすいと言えます。

採用の質と効率性の向上が期待できる点は、人手不足で忙しい企業や従来の手法では集まりにくい専門職を求める企業では、大きなメリットと言えます。

早期離職の防止が期待できる

リファラル採用は早期離職を防ぎ、定着率を高める効果が期待できます。

人は転職するとなると、新しい環境に1人で飛び込むことになるため、不安やストレスを感じる場面が多いものです。しかしリファラル採用の場合は、知人が社内にいるため、入社後に不安や疑問点があっても相談できます。

気軽にコミュニケーションを取れる人がいるため、ミスマッチや孤独感を防げると言えます。紹介した従業員も、紹介した人が慣れるまでフォローすることも多いものです。社風や業務にも早く適応し、社内に溶け込みやすくなります。

結果として、従業員の定着率向上が期待でき、早期離職防止につながりやすいと言えるのです。企業にとって早期離職率防止は、新たに人を探す手間や費用の削減にもつながります。

なお、従業員が離職する主な理由が知りたい方は、以下の記事がヒントになるでしょう。従業員の早期離職を防ぎたい方は、あわせてご覧ください。

【関連記事:社員が仕事を辞める理由とは?離職する人の特徴や前兆、対策を紹介

採用コストや採用工数の削減につながる

リファラル採用は、採用コストや採用工数の削減につながります。

先述した通り、近年は少子高齢化の影響から、人材獲得に苦戦する企業が多いものです。少ない人材の中から、自社にフィットする優秀な人材を獲得するためには多くの採用費用や採用工数が発生します。

例えば、人材紹介会社の利用や求人広告の出稿、採用システムの導入となると高額なコストが発生します。また、人材紹介会社からの採用時は、一人あたりの採用に高額な成果報酬がかかることも珍しくありません。しかし、早期離職してしまった場合は無駄になってしまいます。

リファラル採用の場合は従業員のネットワークを利用するため、このような高額なコストの削減につながります。紹介された人材は、自社にフィットする可能性が高いとみなされるため、求人票の作成や面接の回数などの採用工数を減らせるでしょう。

このような採用コストや採用工数の削減は、事業の経営や生産性にも大きく影響するため重要です。

採用時に発生する費用に関しては、以下の記事もご覧ください。

【関連記事:採用コストの削減方法とは?コストが増えてしまう原因や減らすコツを紹介
【関連記事:採用単価とは?1人当たりの費用削減には離職防止がポイント

転職潜在層へのアプローチになり、採用の幅が広がる

リファラル採用は、転職潜在層へのアプローチにつながり、採用の幅を広げられます。

転職潜在層とは「現在は積極的に転職活動をしていないが、よい職場があればいずれ転職したいと考える人」を指します。近年では終身雇用の概念が少なくなり、転職潜在層が採用市場の多くを占めているのです。

2023年9月に大学生・大学院生へ実施した株式会社Scale Managementのアンケート調査によると、「新卒で就職する会社で働き続ける年数」に対して、以下の回答結果が出ています。
【新卒で就職する会社で働き続ける年数のイメージを教えてください】
※株式会社Scale Managementの大学生専門コーチングサービス「スケマネ」に登録する大学生・大学院生114名がアンケートに回答

3年未満:約5%
3~5年未満:約39%
5年~10年未満:約28%

※出典:株式会社Scale Management「”新卒で就職する会社で働き続ける年数イメージ”は7割以上が『10年未満』と回答 就活に関する相談相手のトップ2は『友人』と『キャリアコーチ』」|PR TIMES
全体で約7割以上が、10年未満に転職やキャリアチェンジを視野に入れて新卒入社することがうかがえます。この調査結果から、新卒入社後10年内に転職を考える人材は今後も多いと言えます。

このような人材に声をかけるリファラル採用は、自社を認知してもらうきっかけとなり、自社で採用する可能性のある人材を集める「母集団形成」ができるのです。母集団形成の具体的な方法は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事:母集団形成とは?採用の質を高める実践8ステップと13の形成手法

声をかけたときには応募につながらなくても、その後転職活動を考えたときに「以前、あの会社に声をかけられたな」と自社を入社候補の会社として思い出してもらえる可能性が高まります。

採用の競争率が激化している現在、転職潜在層にアプローチして採用の幅を広げることは、長期的に人材獲得への効果を発揮するでしょう。

リファラル採用の導入は難しい?デメリット・注意点

リファラル採用の問題点について話し合う人事担当者
採用コストの削減や質の高い人材とのマッチングが期待できるリファラル採用ですが、注意点やデメリットも存在します。具体的には以下の4つです。
  • 不採用の場合、従業員の人間関係に配慮する必要がある
  • 紹介者に似たスキルや経験を持つ人材に偏りやすい
  • 採用までに時間がかかる可能性がある
  • 適切な制度を設ける必要がある
これらのデメリットを正しく把握すれば、事業への悪影響やトラブル発生を防止できるはずです。1つずつ見ていきましょう。

不採用の場合、従業員の人間関係に配慮する必要がある

リファラル採用は採用を確定するものではありません。選考の結果、採用基準を満たさないと判断した場合は、不採用になるケースもあります。その際、紹介した従業員と紹介された人材の人間関係を損なわないよう、企業側は配慮が必要です。

例えば、「採用前提」で双方がコミュニケーションを取っていた場合、不採用となるとその後のやり取りは気まずくなってしまいます。「採用されると思ったのに落ちた」「思っていた結果と違う」など、思わぬトラブルに発展する可能性にも注意が必要です。

企業側の対応次第では、従業員から「不採用だと知人と気まずくなってしまうから、紹介したくない」と、リファラル採用に協力してもらえない原因にもつながるでしょう。

企業側は従業員や紹介した人材に対して、リファラル採用の目的や不採用の可能性があることを説明し、十分に理解してもらったうえで選考を進めることが重要です。

紹介者に似たスキルや経験を持つ人材に偏りやすい

リファラル採用は、紹介者のネットワークから人材を探すため、従業員に似たスキルや価値観を持つ人材を集めやすいと言えます。言い換えると、同じようなスキルや経験を持つ人材に偏りやすいというデメリットがあります。

現在の従業員と似た人材を求めている場合は有効ですが、違うスキルやポテンシャルを持つ人材を集めたい場合は、リファラル採用では集まりにくいかもしれません。

採用までに時間がかかる可能性がある

リファラル採用は採用効率を高める反面、実際に人材が入社するまでには時間がかかる可能性があります。

多くの場合、紹介された人材は他社に所属して活躍している可能性があります。特に優秀な人材は、他社で重要なプロジェクトやポジションを任されている可能性もあるため、引き継ぎ期間も長くなりがちです。求める人材の特徴や引き継ぎ期間などを考慮すると、今すぐの入社が難しいことも考えられます。

そのため、リファラル採用の場合は即座の採用は難しいと思い、長期的な視点で行うとよいでしょう。

適切な制度を設ける必要がある

リファラル採用を実施する場合、公平で適切な制度を設ける必要があります。

リファラル採用時の求人条件や制度に一貫性がない場合、他の従業員から不公平感や不満を生じさせる可能性があります。例えば、明確なルールがなく紹介の報酬額が一貫していない場合、不公平と思われてしまうかもしれません。また、縁故採用と同様に思われてしまうと、ネガティブな印象を持たれて事業へ悪影響を与える可能性もあるでしょう。

トラブル防止のためにも、納得感のある採用評価や制度は欠かせません。しかし、人手不足で忙しい場合、納得できるリファラル採用の基準や報酬設定などは手間がかかるため負担に感じるでしょう。

リファラル採用にかかるコスト

コストと書かれた積木
リファラル採用には、どのくらい費用がかかるのか気になる方もいるでしょう。企業によって異なりますが、リファラル採用で発生するコストは以下の通りです。
  • リファラル採用の紹介者に支払う報酬(インセンティブ)
  • 専用のツール・プラットフォームの導入費

リファラル採用の紹介者に支払う報酬(インセンティブ)

リファラル採用でかかる費用の多くは、紹介者である従業員に支払う報酬(インセンティブ)です。

リファラル採用を導入する場合、企業では報酬を設定することが多くあります。報酬があることで、従業員の動機やモチベーションにつながり、人材を紹介してもらえる可能性が高まります。

しかし、高額な報酬の設定や報酬の内容によっては違法につながるため、注意が必要です。報酬の相場や決め方、注意点などは後述します。

専用のツール・プラットフォームの導入費

リファラル採用を効率よく行うために、リファラル採用専用のツールや専用のプラットフォームを導入することがあります。その場合、導入費やランニングコストが発生することがあるのです。

リファラル採用専用ツールには、求人情報を従業員へ共有する機能や、リファラル採用の進行状態が把握できる管理機能などが搭載されています。特に従業員数が多い企業の場合「どの従業員が誰を紹介したのか?」「報酬や進行状況はどうなっているか?」などの管理が煩雑になると考えられるでしょう。そのような場合、リファラル採用のツール導入は大きな業務効率化につながります。

また、リファラル採用以外でも母集団形成にも進めたい場合は、他のシステムを導入することも採用力の強化に効果的です。例えば「ミイダス」では、ミイダスに登録した求職者の中から、自社の求める条件に絞ってスカウトを自動送信する機能があります。

また、面接では見極めが難しい人材の資質や適性を可視化する「コンピテンシー診断」も提供しています。以下よりミイダスの人材検索機能や、コンピテンシー診断(15名まで無料)を試せますので、この機会に試してみてはいかがでしょうか。

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リファラル採用の報酬は違法?注意点を解説

注意する弁護士のイメージ
リファラル採用で報酬を支払う場合、注意しなければ違法になるケースがあります。ここでは、企業がリファラル採用を実施する際に必ず知っておくべきポイントを解説します。
  • リファラル採用で知っておくべき法律
  • リファラル採用の報酬設定で違法を防ぐポイント
  • リファラル採用の報酬の相場と決め方

リファラル採用で知っておくべき法律

「そもそも、リファラル採用で報酬を支払うこと自体は問題ないのか?」と気になる方もいるでしょう。

結論として、リファラル採用の報酬設定時には以下の法律の定めに注意する必要があります。
  • リファラル採用で報酬を与える際は厚生労働大臣の許可を得なければならない(職業安定法第三十条)
  • 賃金や給与としてリファラル採用の報酬を与えるのは違法ではない(職業安定法第四十条)
  • リファラル採用の報酬を賃金で支払う場合、就業規則や雇用契約などに明記(労働基準法第十五条)
それぞれの法律とその内容を見ていきましょう。

職業安定法第三十条

「職業安定法第三十条」では、以下の通り定められています。
有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

※出典:「職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十条(有料職業紹介事業の許可)」|e-Gov 法令検索
リファラル採用において紹介者に報酬を与えることは「有料の職業紹介事業」に該当するため、原則として厚生労働大臣の許可を得なければならないことになっています。

職業安定法第四十条

リファラル採用で報酬を与えるのは禁止されているため、違法に該当しますが「職業安定法第四十条」では、以下の通り定められています。
労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

※出典:「職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第四十条(報酬の供与の禁止)」|e-Gov 法令検索
つまり、リファラル採用を実施する際は、報酬を「賃金や給料として支払う」ことは認められており、違法にはならないのです。

労働基準法第十五条

以下の「労働基準法第十五条」の規定にも注意が必要です。
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

※出典:「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条(労働条件の明示)」|e-Gov 法令検索
リファラル採用の報酬を賃金として支払う場合は、その旨を条件とともに就業規則や雇用契約などに明示する必要があります。

ただし、リファラル採用で高額な報酬を支払う場合は違法に該当するケースがあるため、注意しましょう。

リファラル採用の報酬設定で違法を防ぐポイント

先述した内容に加えて「入社後のお祝い金」にも注意が必要です。

厚生労働省によると、令和3年4月1日より職業安定法に基づく指針が一部改正され、入社後に「お祝い金」などを支払う名目で応募を促す行為は禁止と発表しています。

※参考:厚生労働省「『就職お祝い金』などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止しました」

従業員にはその旨を十分に説明しましょう。

まとめると、リファラル採用の報酬で違法を防ぐポイントは以下の通りです。
  • リファラル採用の報酬は「賃金や給料」として支払う
  • 就業規則や雇用契約にリファラル採用の報酬を賃金や給料で支払う旨や条件を明記する
  • リファラル採用の紹介者(従業員)に、高額な報酬は支払わない
  • 「入社後にお祝い金を支払う」と伝えて、応募を促さない
リファラル採用を導入する際は、この4点に注意しましょう。

リファラル採用の報酬の相場と決め方

高額なリファラル採用の報酬には違法リスクがあるとはいえ「相場はどのくらい?」「報酬額はどう決めたらいいのか?」と気になる方もいるでしょう。

企業によってさまざまですが、リファラル採用の相場は「1万円から30万円程度」です。

もし、それ以上の報酬額を支払いたい場合は、違法リスクに注意しましょう。一般的には、有料職業紹介事業の紹介手数料の相場が「年収の約20%〜35%」のため、それ以下になるように設定するとよいかもしれません。

リファラル採用の報酬を支払わない企業もありますが、多くは紹介報酬制度を設けていると言えます。

2019年12月に行われた、パーソルキャリア株式会社が運営する「d’s JOURNAL」の調査によると、以下の調査結果が発表されています(20代・30代の「doda」会員288名が回答)。
【質問:あなたのお勤め先の会社には社員紹介やリファラル採用といった制度がありますか?】
ある:約4割(38.9%)
ない:約6割(61.1%)

【質問:社員紹介やリファラル採用について、どのような制度がありますか?】
紹介者に何かしらインセンティブがある:約7割(69.7%)
紹介はできるがインセンティブはない:約3割(29.5%)

※出典:パーソルキャリア株式会社「20代・30代の「リファラル採用」意識調査を実施 ~勤務先に友人・知人を紹介したことがある人は約3割という結果に~」|PR TIMES
全体の約4割が「社員紹介やリファラル採用がある」と答え、そのうち約7割が「紹介者に報酬が発生している」と回答していることから、大半が報酬を支払っていると言えるでしょう。

相場を参考に、報酬の決め方は採用する人材の特徴や専門性、目的を考慮して決定するとよいでしょう。また、報酬は社員に協力を促すために設ける一方で、従業員が「報酬目的の紹介」となってしまうと、求める人材の確保や定着率向上につながらないため注意が必要です。

リファラル採用のトラブルを防ぎ、成功させる6つのポイント

リファラル採用の面接を実施する人事担当者たち
リファラル採用のトラブルを防ぎ、採用を成功させるポイントは以下の6つです。
1. 適切な報酬や制度(ルール)を設定し、社内に周知する
2. 自社の求める人物像や活躍人材を明確にし、従業員に説明する
3. 個別の声かけや定期的な社内周知など、従業員へ積極的に呼びかける
4. 不採用時を想定した説明や対応など、従業員へ適切にフォローする
5. 人材の偏りの防止に、他の採用手法も併用する
6. 自社の報酬や働きやすさなどの環境を見直す

1. 適切な報酬や制度(ルール)を設定し、社内に周知する

リファラル採用の報酬や採用制度(ルール)を決めて、社内に周知しましょう。リファラル採用の制度があっても、従業員に知ってもらえなければ紹介に至りません。また、紹介につながる動機付けも重要です。

まずは、適切な報酬や、納得感のある公平なリファラル採用のルールを設定し、具体的に求める人物像を社内メールや掲示板などで周知しましょう。

例えば、リファラル採用で採用に至った場合、紹介者に対して報酬を支払った旨を、都度全社員に社内メールや掲示板などで周知するとよいでしょう。リファラル採用の実施をアピールすることで「リファラル採用が実施されている」「採用に至ると報酬がもらえる」と認知され、紹介が期待できます。

また、リファラル採用で採用に至った紹介者を表彰する制度を設けるのもおすすめです。表彰で感謝を伝えることで、認知に加えて従業員のモチベーションの向上にもつながるでしょう。

2. 自社の求める人物像や活躍人材を明確にし、従業員に説明する

リファラル採用の際、求める人物像や活躍人材の特徴などの「採用要件」を明確にして、従業員に詳しく説明することも重要です。

「どのような経験やスキル、人柄がよいのか?」などを明確にして、従業員に共有することで、採用ミスマッチが防げます。まずは、求める人物像や活躍人材(ハイパフォーマー)を分析し、明確にしましょう。採用要件の作り方は以下をご覧ください。

【関連記事:採用要件・人材要件の作り方とは?定義方法からペルソナの設計例まで解説

採用要件を作る際は、客観的に人材の資質を可視化する適性検査やアセスメントツールなどを使うのもおすすめです。適性検査やアセスメントツールの概要や選び方については、以下をご覧ください。

【関連記事:【適性検査とは?】30種類の検査の特徴と選び方を一挙解説
【関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリットと選び方・具体例を解説

例えば「ミイダス」の人材アセスメントツール「コンピテンシー診断」は、従業員の「コンピテンシー(行動特性)」の度合いを数値で表します。その結果をもとに、社内で活躍している人材「ハイパフォーマー」を自動で抽出することも可能です。
ミイダスのコンピテンシー診断のイメージ
活躍する可能性の高い人材を明確にするため、評価者の主観や感覚によるブレを防げ、求める人物像を具体的に従業員へ伝えられるでしょう。

【関連記事:ハイパフォーマーとは?特徴や分析方法、離職を防ぐ方法を徹底解説

また、これらの特徴を採用選考の面接官にも伝えることで、面接で精度の高い見極めが実施できるでしょう。面接官の育成やトレーニングの具体的な方法は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事:面接官トレーニングのメリットと強化したいスキルは?具体的な方法も紹介
【関連記事:初めての面接官!やり方や注意点、質問例を徹底解説

3. 個別の声かけや定期的な社内周知など、従業員へ積極的に呼びかける

リファラル採用の制度があっても、なかなか紹介につながらないケースもあります。

リファラル採用の制度を作った直後のみの告知では、忘れられてしまいます。また従業員からすれば「不採用だと気まずい」という懸念から、なかなか声かけができないかもしれません。そのため、企業から積極的に声かけや、定期的に社内へ周知して従業員に協力を呼びかけましょう。

「まわりによい人はいないか?」と個別に声をかけることで、従業員も「本気で人材を探しているのだな」と伝わり、協力してくれるかもしれません。また、定期的に社内報や社内メールなどでリファラル採用制度について周知することで思い出してもらえ、紹介につながるでしょう。

4. 不採用時を想定した説明や対応などを準備し、従業員へ適切にフォローする

リファラル採用の際、紹介者側で懸念することは「紹介した人材の不採用」です。

せっかく紹介したのに採用されなかったとなると、落ち込んだり紹介した人材との人間関係が気まずくなってしまったりする可能性があります。「紹介しなければよかった」と感じてしまうと、業務のモチベーションの低下につながる可能性もあるため、避けなければなりません。

そのため、企業側は紹介してくれた従業員に対して、適切にフォローすることが重要です。例えば、不採用時には理由や詳細を紹介者に説明したり、感謝を伝えたりするとよいでしょう。フォローが適切であれば「次にいい人がいたら紹介しよう」と前向きに捉えてもらえて、次回につながるかもしれません。

また、事前に紹介者や紹介される人材に対して、選考で不採用になる可能性もあると伝えることで心の準備もできるでしょう。

5. 人材の偏りの防止に、他の採用手法も併用する

リファラル採用では似たような人材が集まりやすいため、他の採用手法も併用しましょう。

複数の採用手法を取り入れることで人材の偏りを防ぎ、多様な経験やスキルを持つ人材の獲得が実現するでしょう。

近年ではダイバーシティ(多様性)も重視されており、幅広い経験や価値観を持つ人材がいる組織は、業績の向上やイノベーションの創出などのメリットがあります。事業の成長のため、さまざまな人材を集めたい場合、他の採用手法と併用して人材を探す努力は欠かせません。

ダイバーシティやイノベーションに取り組む方法やポイントは、以下の記事をご覧ください。

【関連記事:ダイバーシティとは?企業が取り組むメリットや注意点、推進ポイントを解説
【関連記事:イノベーションとは?種類や成功事例をもとにわかりやすく解説


以下の記事では、リファラル採用以外の採用手法の選び方を詳しく紹介しています。採用手法のメリットやデメリットを考慮して、バランスよく導入するとよいでしょう。

【関連記事:採用方法別のメリット・デメリットは?自社に最適な手法を選ぶコツ

6. 自社の報酬や働きやすさなどの環境を見直す

そもそも、従業員に「ぜひ知人に自社を紹介したい!」と心から思ってもらえなければ、紹介につながりません。自社が紹介したいと思ってもらえる環境かどうか?を見直すとよいでしょう。例えば「労働環境や待遇などが競合他社と比べてどうか?」「従業員が働きやすいか?」などを確認します。

従業員が「働きやすい環境」「ここで働けてよかった」と思ってもらうことで、自然と紹介への大きな動機につながり、質の高い採用が期待できます。そのためには「従業員エンゲージメント」の向上を目指すとよいでしょう。従業員エンゲージメントとは「従業員が会社の理念を理解し、共感している状態」です。

従業員エンゲージメントが事業に与える影響や具体的な高め方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介
【関連記事:エンゲージメント向上にはアセスメントツールが効果大!活用方法や事例を紹介

とはいえ、従業員の働きやすさや改善点を見つけるのは難しいものです。その際は、専用ツールなどを利用して社内の状況を客観的に把握するのもおすすめです。

例えば「ミイダス」が提供する「はたらきがいサーベイ」は、従業員の働きやすさを可視化できます。働きがいにつながる要素として、ミイダスでは以下13つの要素で構成していると定義しています。
ミイダスの13の働きがい要素
これらの要素の傾向をグラフ化して客観的に示されるため、従業員の本音や自社に対して重要視している要素などの把握が可能です。そのため、働きやすさへの改善点が見つかりやすく、解決すべき課題の優先順位が明確にわかるのです。

このようなツールを利用するのも働きやすい環境づくりにつながり、結果的に採用を成功に導くでしょう。詳細は以下よりご覧ください。

はたらきがいサーベイを見てみる

自社にフィットする人材の獲得にはミイダスが便利!

ミイダスのサービス資料
リファラル採用にはメリットもある一方、必ずしも従業員が紹介してくれるわけではありません。自社でコントロールしにくい採用手法であることは事実です。戦略的に採用活動を成功させるには、複数の採用手法を併用することが欠かせません。

その際は、本記事でも紹介している「ミイダス」の活用がおすすめです。リファラル採用では出会えない、自社にフィットした人材獲得をサポートする機能が充実しています。

実際に、リファラル採用では思うよう人材を獲得できずに苦戦した企業さまが、ミイダスを導入したことで毎月1名のペースで採用を成功させた事例もあります。詳細は以下の記事をご覧ください。

【関連記事:ミイダス導入でターゲットとの接点が激増!毎月1名入社の仕組を構築。

また、入社後の育成や組織づくり(人材配置、採用要件定義など)にも役立つ機能が充実しているのもミイダスの特徴です。例えば、以下の機能が搭載されています。
【ミイダスのおすすめ機能】
コンピテンシー診断:人材の資質や適性を客観的に可視化できるため、自社で活躍する人材の傾向が把握できる
バイアス診断ゲーム:認知バイアス(思考のクセ)の傾向を可視化できるため、精度高く人材の見極めができる
人材の詳細検索機能:コンピテンシー診断の結果をもとに、条件にフィットする人材の細かく指定して検索できる
組織サーベイ:従業員のコンディションを定期的に確認できるため、適切なタイミングで面談やフォローができる(離職率防止に役立つ)
はたらきがいサーベイ:従業員の「働きがい」「会社に求める要素」が把握できるため、組織の課題発見や改善が実現できる(紹介につながる企業に変化)
利用料は定額制:何人採用しても定額制のため、コストパフォーマンスがよい
その他にも、ミイダスには採用力を強化し人事業務を効率化する機能が充実しています。
詳細が気になる方は、以下の機能一覧をご覧ください。

ミイダスの機能一覧を見る

ミイダスの機能について、動画で確認したい方は以下をご覧ください。

▼【2分で解説】ミイダスの解説動画

リファラル採用の成功は明確な採用要件と魅力的な組織づくりが重要

笑顔で見上げる人事担当者たち
本記事では、リファラル採用の定義やメリット・デメリット、違法を防ぐ報酬設定のポイントなどを解説しました。

リファラル採用の成功には、自社の求める人材の明確化と、魅力的な組織づくりが重要です。採用ミスマッチを防ぐには、自社の求める人物像を明確にして、従業員に共有することが欠かせません。また、リファラル採用は従業員の人間関係に影響するため、従業員へのフォローも大切です。適切な声掛けや制度があれば、安心して紹介できます。

あわせて、紹介したくなる魅力的な組織であることも重要です。従業員エンゲージメントを高めて、リファラル採用を成功させましょう。

なお、明確な採用要件の設定や魅力的な組織づくりには「ミイダス」が役立ちます。自社で活躍する人材の適性や資質を可視化する「コンピテンシー診断」を提供しているため、どのような人材を採用すればよいのかが客観的に把握できるでしょう。採用後も、効果的な育成やマネジメントをサポートする機能も充実しています。

現在、15名までは無料でコンピテンシー診断を試せます。効果的なリファラル採用を実施するためにも、まずは自社の従業員の特徴を把握してみてはいかがでしょうか。以下より気軽にお試しください。

【無料で利用可能】ミイダスのコンピテンシー診断を試す

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

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