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アドラー心理学をわかりやすく解説|5つの理論と活かし方とは

「アドラー心理学って、どのような内容なんだろう?」
「若手社員を励ますのに使えるだろうか?」

このようにお悩みではありませんか?

2013年に発刊された『嫌われる勇気』はドラマチックにアドラー心理学を伝える自己啓発書です。同作の大ヒットをきっかけに、アドラー心理学は広く世に知られるようになりました。ポジティブに生きるヒントが多く語られているため、企業向けの研修にアドラー心理学を活用する例も多く見られます。

本記事では、アドラー心理学の内容について噛み砕いて解説します。重要な部分に絞って解説しますので、アドラー心理学の全体像を掴むのに役立つでしょう。

より知識を深めるために、おすすめの書籍も紹介します。ぜひ最後までご一読ください。

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アドラー心理学とは

アドラー心理学とは、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー(1870〜1937)が提唱した心理学のことです。「アドラー心理学」は通称で「個人心理学」が正式な呼び方ですが、この呼び方は、日本ではあまり知られていません。

アドラーはフロイトやユングに並ぶ心理学三代巨頭の一人です。現代の自己啓発に影響を与えたため「自己啓発の父」とも呼ばれます。

アドラー心理学では「誰もが幸せになれる」という前提のもと、人が幸福になるために大切な5つの理論(自己決定性・目的論・全体論・認知論・対人関係論)を展開しています。理論に裏打ちされた具体的な技法も論じているため、非常に実用的な心理学と言えるでしょう。

アドラー心理学を学べば、より協力的なコミュニケーションをいかに実践していくかが分かります。部下指導や子育て、人間関係に悩む方はアドラーの考え方に学ぶとポジティブな効果を得られるでしょう。

アドラー心理学の全体像

アドラー心理学の全体像の図
アドラー心理学は技法・理論・価値観の3つの柱で構成されています。

アドラー心理学が最終的に目指すのは「共同体感覚」を養うことです。共同体感覚を養うために必要な「理論」を5つの基本前提にまとめ、理論に沿って人を援助する具体的なテクニックとして「勇気づけ」という技法を提唱しています。

共同体感覚や5つの基本前提、勇気づけについては後ほどくわしく解説します。

アドラー心理学が広まった理由

アドラー心理学が広く知られたきっかけは、岸見一郎と古賀史健共著の『嫌われる勇気』の大ヒットにあります。『嫌われる勇気』がベストセラーとなった理由について、精神科医の樺沢紫苑氏は次のように言及しています。

「ベストセラーは時代の空気感とマッチして生まれるもの。時代の空気感とアドラーの思想がマッチしたため大ベストセラーとなったと考えられる」

『嫌われる勇気』が発刊されたのは、2011年の東日本大震災からおよそ2年後のことです。過去を過去として受け入れ、未来に向かう方向性を示すアドラー心理学は、未曾有の大災害から立ち上がる日本人の希望となったのかもしれません。

また現代はSNSの発展に伴い、対人関係がさらに難しくなっています。「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの洞察は、悩みが深いからこそ、より現代人の心を掴んだのでしょう。

参考:なぜ今、アドラー心理学がブームなのか?【精神科医・樺沢紫苑】|YouTube

アドラー心理学・人生観を変える5つの考え方とは?

親指を立てるビジネスマン
アドラー心理学には「5つの基本前提」があります。
・自己決定性
・目的論
・全体論
・認知論
・対人関係論
アドラー心理学はこれら5つの理論を前提に話が進んでいきます。

それぞれの内容を見ていきましょう。

自己決定性|人生の主役は自分

自己決定性とは「人生の責任は自分の手に委ねられている」という考え方です。置かれた環境をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかを決めるのは自分自身だと、アドラーは主張しています。

人は環境や過去の出来事のせいにして、未来を悲観してしまうことがあります。たとえば下記のように考える人もいるでしょう。
  • 「親に虐待されて育ったから、どうしても自分の子にも手を上げてしまう」
  • 「身体的なハンデがあるから、健常者のような幸福を望めない」
しかしアドラーは、環境や過去の出来事のせいにして、自分を犠牲にすることを真っ向から否定しています。

育ってきた環境やハンデなどが性格に影響を与えることは認めていますが、先の未来に過去がどうだったかは関係ないと言います。
  • 「いまこれから自分がどうしていきたいかで人生は変えられる」
  • 「自分で選択できる」
このような感覚が幸福度につながるというのが「自己決定性」の理論です。

主体性を高める方法について、下記の記事で詳しく解説しています。
【関連記事:仕事における主体性とは?重要視される理由や高める方法を解説
【関連記事:プロアクティブ行動とは?意味や具体例、促進のコツと注意点

目的論|人の行動には目的がある

「人の行動には、かならず目的がある」という考え方が目的論です。人が何かしようと行動を決めるときは、必ず未来に向けての意思が働いているとアドラーは言います。

たとえば、いじめをきっかけに引きこもりになった子どもがいたとしましょう。フロイトの原因論では「行動の原因は過去にある」と考えるため「いじめられたせいで引きこもっている」と捉えます。

目的論で目を向けるのは、行動の原因でなく「目的」です。引きこもる目的は「外に出ないこと」であり突き詰めると、
  • 「人目を避けたい」
  • 「親の側で安心したい」
  • 「周囲の同情を得たい」
などと捉えられるでしょう。非常に厳しい見方ですが、つまりは本人の内部の問題というわけです。

別の例を挙げれば、失敗したときに「なぜこんなことになったんだ」と考えるのはフロイトが説く原因論。「どうすれば理想に近づくだろう」と考え行動するのが、目的論に従ったアプローチです。

人間は目的に向かって生きているため、過去がどうあれ、目的次第で人生は変えられるとアドラーは主張しています。そのため、アドラー心理学は「未来志向の心理学」とも言われます。

全体論|心と身体はすべてつながったひとつのもの

「頭ではわかっているけどできない」
と、悩む人は少なくありません。
  • お酒をやめたいけどやめられない
  • 勉強しなきゃいけないのはわかるけど、できない
人はときに、下記のように分割して考える癖があります。
  • 心と体 
  • 理性と感情
  • 意識と無意識
しかしアドラーは人間の心と体を分けて考えるのは不可能であり、全体の立場から捉えるべきだと主張しています。これが「全体論」です。

全体論では、理性と感情、心と身体はすべてつながったひとつのものと捉えます。「わかっているけどやめられない」のは「やめられないのではなく、やめたくないだけ」。

人の心に矛盾はないと言っています。自分で矛盾を作り出すのでなく、言葉と行動を一致させようと主張しているのです。

認知論|誰もが主観的に物事を見ている

「誰もが自分だけのメガネを通してものを見ている」という考え方を「認知論」と言います。客観的な事実を把握するのでなく、自分の受け取りたいように主観的に意味付けてしまうため、ときに間違った思いこみを起こすこともあります。

たとえば、仕事でミスをしたとき「自分なんていくら頑張ったところでうまくいかない」とあきらめるのは、間違った思いこみと言えるでしょう。

努力すればミスはなくなるかもしれませんし、失敗したからこそ、仕事への理解を深められるかもしれません。ミスしたからと言って「頑張ってもうまくいかない」と決めつけるのは早計でしょう。

誤った思いこみを防ぐには「共通感覚」を身につけることが大切です。共通感覚とは客観的に物事を見る力のことで、自分の物差しでなく、他の人の目で見たり考えたりすることが共通感覚です。

共通感覚はなんでも疑ってかかることで身につきます。
「いくら頑張ってもうまくいかないってほんと?」
「どうしてそう断言できるのか?」などと疑うのです。誤った思いこみに気づいたら、建設的に物事を捉え直しましょう。

思いこみの心理に関しては下記の記事でくわしく解説しています。
【関連記事:ハロー効果とは?人事・採用における意味や事例・対策をわかりやすく解説
【関連記事:認知バイアスとは?身近にある認知バイアスの種類や対策について解説
【関連記事:根拠のない「見る眼」は危険、面接に潜むバイアスとは?具体例と対策を解説

自分や社員の認知バイアスを測定するなら、ミイダスの「バイアス診断ゲーム」をご活用ください。バイアス診断ゲームを活用すると、認知バイアスの傾向や強さを客観的に分析できます。

認知バイアスとは、先入観や直感に頼って非合理な判断をしてしまう心理傾向のこと。認知バイアスの傾向を把握できれば、認知バイアスに左右されそうなシーンにおいても、冷静に自分の意思決定を見つめ直せるようになるでしょう。

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対人関係論|すべての行動には必ず相手がいる

対人関係論とは「人間のあらゆる行動には相手役がいる」とする考え方です。人は特定の状況・相手・目的によって行動や感情を使い分けます。

たとえば、
  • 職場での顔
  • 家庭での顔
  • 地域社会の中での顔 など
それぞれの場で見せる顔は誰しも異なるものでしょう。職場では気難しい上司が、家庭では奥さんに頭が上がらないといったケースもあります。

アドラー心理学では、その人が他人とどう接しているかを見て相手を理解しようとします。
相手が何を考えているかわからないときは、その人が「どのような場面でどんな行動をする人物か」を観察することでその人自身が見えてくると主張しているのです。

アドラー心理学の価値観|最終的に目指すのは「共同体感覚」

家族の後ろ姿
アドラー心理学が最終的に目指すのは、共同体感覚を培うことです。共同体感覚とは、家族・地域・職場などの中で「自分はその一員なんだ」という感覚を持っている状態を指します。

共同体感覚が欠けていると、他者に関心が持てなくなるため、誰かに貢献しようとする気持ちを持てません。そのため集団から徐々に孤立していきます。自分のことしか考えられず、視野が狭くなってしまうのです。 

共同体感覚は、下記3つを身につけることが重要です。
  • ありのままの自分を受け入れる(自己受容)
  • 他者が自分を支えてくれている(他者信頼)
  • 自分は他者に貢献できている(他者貢献)
共同体感覚を持っている人は、関わる人を尊敬し、積極的に「貢献しよう」「協力しよう」という意識で動けます。アドラーは共同体感覚の重要性を以下のように強く訴えています。
どんな完全な人間でも、共同体感覚を養い育て、それを十分に働かせることなしには成長できないのである』 

アドラー心理学の技法

アドラー心理学には、特有の技法がいくつかあります。代表的なのは、下記2つの技法です。
  • 勇気づけ
  • 課題の分離
それぞれ解説します。

勇気づけ

勇気づけとは「困難を克服する活力を与えること」です。「褒める」「叱る」といった上下関係ではなく、対等な横の立場から感謝や気持ちを伝えるのがポイントです。

人を勇気づけるコミュニケーションには下記7つのポイントがあります。

【人を勇気づける7つのコミュニケーション】
・貢献や協力に注目する
・過程・個人の成長・できていることに注目する
・失敗しても受け入れる
・相手に決断や選択をゆだねる
・肯定的な表現で伝える
・わたし言葉+意見言葉を使う

引用:『自分もみんなも幸せにするアドラー心理学の教科書』田山夢人(著) (P83) Kindle 版
勇気づけには、相互に尊敬・信頼する関係が欠かせません。相手の存在や行動をまず受け入れ、相手がいま貢献していることに注目して声をかけましょう。

たとえば部下と顧客の商談が成立しなかったとしても、下記のように声をかけるのです。
「どれだけ努力してきたかちゃんと見てたよ」
「悔しいよね」など
対等な横の立場から気持ちを伝えることで、相手を勇気づけられるでしょう。

自分も相手も大切にしたコミュニケーションに関しては下記の記事でくわしく解説しています。
【関連記事:アサーションとは?|自己表現の3つのタイプとトレーニング方法を解説

課題の分離

「課題の分離」とは、自分でコントロールしようがない他者の課題には介入せず、自分ができることに注力する思考法です。

たとえば、言うことを聞かない部下に上司が不満を感じている場合。上司の課題は、部下に仕事のやり方を指導したり、どうしたら成長できるかを考えたりすることです。一方、部下の課題は与えられた職務をまっとうすることです。

上司は部下の感情までコントロールできません。部下の感情は部下のものです。コントロールできるのは、上司自身の振る舞いにあると言えます。

私たちは境界を越えて相手をコントロールしようとしてしまうから人間関係のトラブルを生じさせてしまうのです。自分のコントロール下にあるものと、コントロールできないものを立て分けることで、より健全な人間関係を築けるでしょう。

アドラー心理学を取り入れるメリット

相談し合う男女会社員
アドラー心理学を取り入れるメリットは2点あります。
  • ポジティブになれる
  • モチベーションが向上する
それぞれ見ていきましょう。

ポジティブになれる

アドラー心理学には気持ちをポジティブにする要素がたくさんあります。
  • どんなことにも目的があるとする「目的論」
  • どんなことも自分で決められる「自己決定性」
  • 困難を克服する「勇気づけ」 
  • 自分の課題と他人の課題に立て分ける「課題の分離」 など
環境や不幸な過去のせいにするのではなく、自分の責任で未来を切り開く心理学がアドラー心理学なのです。アドラー心理学を活用して困り事に対応すれば、ネガティブな出来事もポジティブに乗り越えていけるでしょう。

モチベーションが向上する

アドラー心理学を活用すれば、職場全体のモチベーションを高められるでしょう。「叱る」「褒める」といった上下の関係が透けて見えるコミュニケーションは、相手を操作する意図が見えてしまい、やる気を奪いかねません。

勇気づけでは、対等な横の関係から気持ちを伝えます。結果だけでなく過程を見たり、存在や行動を受け入れたり。上司が自分と同じ目線で話してくれていると感じられるだけで、励みになるものです。

勇気づけるコミュニケーションの結果、人は安心感を覚え、仕事へのモチベーションを維持できるのです。

また、互いに受け入れ合う関係が定着すれば、自発的に自分で自分を勇気づけられるようになります。自分自身で困難を乗り越える術を身につけられるため、職場全体のモチベーションが向上すると言えるのです。

【お悩み別】職場でアドラー心理学を活かすには

会議中の会社員5名
学問としてアドラーの教えを学ぶだけでなく、現実の場面で活かしたいものです。ここでは職場でのお悩み別に、アドラー心理学を活かした解決策を具体例として解説します。

【悩み①】上司の機嫌が悪い

「上司が何だか不機嫌だ」
「私が何かしたかな」
このように悩む方もいるでしょう。

上司との関係に悩む方は「課題の分離」を意識しましょう。課題の分離とは、自分の課題と他者の課題を明確に分離して、他者の課題には踏み込まないようにすることです。

機嫌が悪いのは上司の課題であって、あなたの課題ではありません。自分の課題が何かと言えば、この場合「上司からの評価を気にしすぎる自分」が課題でしょう。つまり評価を気にしすぎてしまう自分を手放すことが必要です。

上司の顔色を伺うのは、相手の課題にあなたが踏み込むことになります。自分がコントロールできる課題か否かを判断して、コントロールできるものに対して注力するのです。

仮にあなたのミスで上司を怒らせたとしても、あなたはミスに対して真摯に対応するのみ。上司の感情まで求めることはできないでしょう。

上司との関係にお悩みの方は下記の記事も参考になるでしょう。あわせてお読みください。
【関連記事:マネジメントができない・下手な上司の特徴とは?弊害や対処法を紹介
【関連記事:部下を潰すクラッシャー上司とは?特徴や企業ができる対策を解説

【悩み②】頑張っているのに評価されない

頑張っているのに評価されないと悩む方もいるでしょう。「課題の分離」に即して見ると、頑張って成果を出すのは、自分の課題としてできることです。一方、上司が評価するかどうかは、上司の課題であり自分にはどうしようもない問題です。

「私はやるだけのことをやった。さあどう評価する?」といった気構えで、上司の評価を受け止めましょう。どうしても評価に納得できない場合は、転職するのも一手です。相手を変えられない前提で、自分がどう変わるのかに注力しましょう。

【悩み③】叱られると凹む

上司に叱られて落ち込む若手社員もいるでしょう。落ち込む気持ちを立て直す際に活用したいのが「目的論」です。目的論とは人の言動にはすべて目的があるという考え方のことです。

上司は何を目的に叱ったのかを考えましょう。

「やり方を変えないとお客様に迷惑をかけてしまうから」
「あなたの成長を促すために叱っている」
さまざま目的があるはずです。

叱った目的に納得できれば、上司のアドバイスを真摯に受け止め、自分の行動を変えれば良いでしょう。明らかに八つ当たりのようだったり、納得できなかったりする場合は、気にしなければ良いのです。

アドラー心理学を学べる本5選

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アドラー心理学を楽しく学べる本を5冊ピックアップしました。ストーリー形式で展開するものや事例を多く取り入れた本を中心に取り上げています。
  • 『嫌われる勇気』
  • 『幸せになる勇気』
  • 『もしアドラーが上司だったら』
  • 『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』
  • 『アドラー心理学を職場に取り入れてみた』
それぞれの要旨を簡単に紹介します。

岸見一郎・古賀史健(著)『嫌われる勇気』

『嫌われる勇気』はアドラー心理学をわかりやすく解説した大ベストセラーです。著者はアドラー心理学の第一人者・岸見一郎氏とビジネス書やノンフィクションの分野で数多くのベストセラーを手がけるライターの古賀史健氏。

翻訳による海外進出も果たし、いまや40以上の国・地域で読まれています。世界累計部数は960万部を突破(2022年時点)

本書はアドラー心理学を教える哲学者と自分に自信がない青年の対話形式でストーリーが展開されます。そのため、アドラー心理学に知見がない人でも読みやすい内容となっています。

人生を変えた本として『嫌われる勇気』を挙げる人は少なくありません。考え方を学んで人間関係が楽になったといった声も見られます。人間関係に悩む方におすすめの本です。

嫌われる勇気

岸見一郎・古賀史健(著)『幸せになる勇気』

『幸せになる勇気』は『嫌われる勇気』の続編です。前作「嫌われる勇気」でアドラーの教えを知り、新たな生き方を決意した青年。

その彼が3年ぶりに哲人の元に訪れるところから、ストーリーが始まります。アドラーの教えは机上の空論であり、現実はもっと複雑なのだと言い放つ青年に、哲人は穏やかに答えます。
  • アドラーの思想の根幹にある真の自立とは何か
  • 本当の愛とは何か
こういった問いの答えが見つかるでしょう。前作がアドラー心理学の全貌を語るものだったのに対し、今作はアドラー心理学の活用方法を具体的に解説する内容となっています。

幸せになる勇気

小倉広(著)『もしアドラーが上司だったら』

『もしアドラーが上司だったら』は、アドラー心理学の教えを仕事の場面でどう活かせるのかを学べる自己啓発書です。ストーリー形式で話が進むため、非常に読みやすい内容となっています。

主人公は30歳のサラリーマンのリョウ。仕事がうまくいかず毎日モヤモヤしていたある日、アメリカの大学院でアドラー心理学を学んだどらさんが、課長としてやってきました。
愛嬌と茶目っ気たっぷりのドラさんと主人公のやりとりが面白く、口コミにはあっという間に読み切ったといった声も。

著者の小倉広氏は、アドラー派の心理カウンセラーとして組織人事コンサルタントも担うと同時に、数多くの企業で講演、研修を行っています。

人と比べたり競争することに疲れている人や対人関係におけるモヤモヤを抱えた人におすすめです。

もしアドラーが上司だったら

岩井俊憲(著)『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』

活字で学ぶのに抵抗がある方におすすめするのは『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』著者はアドラー心理学カウンセリング指導者・岩井俊憲氏。

漫画と解説が交互に展開されるため、ストーリーを楽しみながらアドラー心理学を学べます。「理論的にわかったけど、実生活にどう生かしたらいいかわからない」という人におすすめです。

洋菓子チェーン店に勤務する由香里は、エリアマネージャーに抜擢されたものの思うようにならない日々を過ごす。各店舗の店長の離反や売上がうまく上がらないなど、悩みは尽きない。そんなとき出会ったのは、アドラーの幽霊。いかにして人間関係を改善して実績を上げるか、幽霊のアドラーに指南されながら成長していくストーリーです。

マンガでやさしくわかるアドラー心理学

小泉健一(著)『アドラー心理学を職場に取り入れてみた』

アドラー心理学マニアの著者が、職場にアドラー心理学を取り入れることで得られた変化をリアルに伝える作品です。

下記3つの観点・48のシチュエーションごとに、アドラー心理学を活かし乗り越える方法が書かれています。
  • 職場の人間関係
  • 仕事のやりがい
  • 部下へのマネジメント
「会社の雰囲気に馴染めない」「自分に自信がない」といった、職場でよくある悩みを一つ一つ解決していくため、より実務的にアドラー心理学を学べるでしょう。
職場の人間関係に悩む人にぴったりの本です。

アドラー心理学を職場に取り入れてみた

アドラー心理学|ポジティブな気持ちを取り戻す名言集

ドアを開く手
アドラーが残した言葉を5つ紹介します。落ち込んでも立ち上がる活力となる言葉ばかりです。
甘やかされた精神からは勇気など生まれない。しかしそんな臆病な人でも成功することがある。それは失敗を真正面から見つめたときだ。』

出典:こころを軽くする言葉―対人関係の不安を消す
『人生が困難なのではない。あなたが人生を困難にしているのだ。人生はきわめてシンプルである。』
出典:アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉
『お金を稼ぐとか、他者を助けるとか、そういった「行為」に着目するのではなく、今ここに「存在すること」そのものに価値がある』

出典:アドラー心理学を職場に取り入れてみた アドラー心理学を実践で学ぶ|位置611
『人は失敗を通じてしか学ばない』
『失敗は決して勇気をくじくものではなく、新しい課題として取り組むべきものである』

出典:アドラー心理学を職場に取り入れてみた アドラー心理学を実践で学ぶ|位置808
『やる気がなくなった』のではない。『やる気をなくす』という決断を自分でしただけだ。『変われない』のではない。『変わらない』という決断を自分でしているだけだ。

出典:アドラー心理学を職場に取り入れてみた アドラー心理学を実践で学ぶ|位置1062

アドラー心理学には人生を生きやすくするヒントが詰まっっている

両手でイイネのビジネスマン
アドラー心理学について解説しました。

職場においても家庭においても、生きづらさの根本には必ず対人関係があると言われています。アドラー心理学をベースに、距離感のとり方や気持ちの伝え方を学び実践すると、人間関係をより良好に保てるでしょう。

具体的には、上司は部下を尊重し、対等な立場で気持ちを伝えるのです。部下に共感し、受け入れようとする姿勢が部下を勇気づけ、仕事のモチベーションを引き出します。また、「課題の分離」を取り入れ、正しい判断基準を持つことも大切です。無用なストレスを減らす効果も期待できるでしょう。

アドラー心理学への理解を深めることが、自分の生き方や考え方を見直すきっかけになるかもしれません。教えにしたがって「今、ここ」に注力すれば、ポジティブに目の前の課題を乗り越えていけるようになるでしょう。

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