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育成

人材アセスメントを企業研修に活かすには?

限られた時間の中で効果的な研修を実施するには、人材アセスメントで得た結果から最適な研修テーマを導き出すことが重要です。人事担当の勘や経験で研修テーマを決めると、社員にとって的外れな内容になりかねません。

この記事では、人材アセスメントを活用した研修の設計方法について解説します。

人材アセスメントを活用するメリットや研修を成功させるポイントも解説するので、ぜひ最後までお読みください。

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人材アセスメントを研修設計に活かす5ステップ

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人材アセスメントを研修設計に活かす手順は、下記の5ステップです。
【Step1】社員に適性検査を実施する
【Step2】理想の社員像を定義する
【Step3】現状の課題を洗い出す
【Step4】研修プログラムを構築する
【Step5】研修の効果を検証する
それぞれ見ていきましょう。

【Step1】社員に適性検査を実施する

まず、社員に適性検査を受検させましょう。適性検査を通して、社員の「行動特性」「知識・スキル」「思考性」などを客観的に分析します。

検査後のデータを階層別・職種別・部署別などに分けて分析すると、属性の傾向が見えてくるでしょう。主観を排除した分析ができるため、課題の本質をより見極めやすくなります。

【Step2】理想の社員像を定義する

適性検査の結果から、自社で活躍する社員の特徴を明確にしましょう。成果を上げている社員をモデルとして研修内容を逆算・決定すると、効率良く人材育成を進められます。

階層や職種ごとに求められる姿や能力は違うものです。そのため、階層別・職種別にハイパフォーマーの特徴を定義しましょう。ハイパフォーマーの特徴とともに、会社が社員に求めることも反映させ、自社における理想の社員像を言語化していきます。

理想の社員像の設計方法については、下記の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

関連記事】コンピテンシーモデルとは?5つのモデル化手順と注意点を徹底解説!

【Step3】現状の課題を洗い出す

理想の人材像に対する現状の課題を洗い出していきます。この層の社員には何が足りなくて、どうすればそれを埋められるのかという視点で分析しましょう。

また、現場の社員へのヒアリングも大切です。現場のニーズを掴まず、人事部の判断だけで研修を実施しても、受講者に当事者意識が生まれにくくなってしまいます。

ヒアリング結果が反映された研修なら、受講する社員のモチベーションも高まるでしょう。

【Step4】研修プログラムを構築する

解決したい課題の本質を見極め、研修のゴールを明確にできたら、研修計画を策定します。
具体的に下記の項目について検討しましょう。
  • 研修のテーマ
  • 受講対象
  • 研修の種類
  • 実施形態
  • 内製か外注か
  • 実施する時期
  • 研修講師・研修スタッフの人選
  • 研修後のフォロー内容
  • 実施場所 など
研修計画と実施方法との間にミスマッチがあると、研修の効果を損なってしまいます。研修のゴールに適した実施方法を検討しましょう。

例えば、新入社員向けに名刺交換の作法や接客を想定したロールプレイングなどをする場合は、オンラインより対面形式がおすすめです。

動く場面がほとんどない知識付与型の研修の場合には、むしろオンラインでの実施が適していると言えるでしょう。ロジカルシンキングのフレームワークを基礎から学ぶ、時間管理やPDCAの効果的な実施方法を知識として身につける研修なら、オンラインが最適です。画面の向こう側で自分の学びに集中できますし、移動のロスタイムも少ない点でオンラインのメリットを活かせるでしょう。

受講生の目線に立って考えることで最適な実施方法が見えてきます。

【Step5】研修の効果を検証する

どのように受講者の行動が変化したのかを中心に、一定期間検証しましょう。研修の目的に対して、その達成度を把握することが測定のポイントです。

受講者の態度・行動の変容が目的なら、研修前後での変化を測定しましょう。業績の向上が目的なら、売上や利益、コストに影響を与える先行指標を測定しましょう。

測定結果は経営者に報告するだけではなく、受講者や受講者の上司にもフィードバックすると、研修のPDCAサイクルが好循環で回ります。

研修効果を測定する方法の例として、以下の4つが挙げられます。
・パルスサーベイ
・理解度テスト
・研修受講者アンケート
・職場での行動観察
それぞれ簡単に解説します。

パルスサーベイ
パルスサーベイとは、短期間のうちに社員へ簡易的な質問を繰り返し実施する意識調査方法の一つです。研修実施後、メンバー自身の行動、考え方がどのように変化したかを定期的に見ると、研修の効果を把握できるでしょう。

理解度テスト
研修前・研修受講後に知識・スキルレベルのテストを実施し、結果を比較検証します。研修受講から1ヶ月後もしくは3ヶ月後の実施が一般的です。

研修受講者アンケート
受講者に研修での気づきや学びがあったかをヒアリングします。基本的に良いことしか言わない可能性もあるため、匿名での実施がおすすめです。

職場での行動観察
職場の上司や部下に受講者の行動を評価してもらう方法です。研修終了から一定期間後に受講者の変化を聞いてみましょう。業務に差し支えないよう、質問事項は10項目以内に絞ります。反応の温度感も把握できるため、できれば直接聞くとより効果的です。

人材アセスメントを研修設計以外に活かす方法

適性検査の結果を自己開示ツールとして活用するのもおすすめです。研修時のアイスブレイクに効果を発揮します。
  • 診断結果をもとに自分の取扱説明書を作成してプレゼンする
  • レクリエーションとして他己紹介を行う など
特に新入社員研修ではメンバー同士の関係が浅く、お互いにうまく馴染めていないため、議論の場が盛り上がりにくい面もあるでしょう。

アイスブレイクとして診断結果を活用したレクリエーションを取り入れると、互いに心を開きやすくなり、場を和ませる効果が期待できます。新入社員研修だけではなく、チームビルディングの一環として、顔合わせの場面で取り入れるのもおすすめです。

人材アセスメントを活用した人材育成のメリット

オフィスにいるビジネスウーマン
人材アセスメントを企業研修に導入すれば、社員側・企業側双方に以下のメリットをもたらします。

社員側にとってのメリット

・自分でも知らなかった潜在的な性格や能力に気づける
・能力開発やキャリア形成を考える材料として活用できる
・学ぶ意欲が醸成される
人材アセスメントは、自身の強みや弱みに気づく機会になります。補強すべきポイントが明確に分かるため、学ぶ動機づけに効果を発揮するでしょう。

また、第三者による客観的な評価であるため、公平性が担保される点もメリットの一つと言えます。上司の主観が入らないため、評価される社員としても受け入れやすい特徴があります。

企業側にとってのメリット

・社員の特性に合わせた教育・研修プランを作成しやすくなる
・普段は見えづらい特徴や能力も客観的に評価できる
人材それぞれに適性や個性があるため、同じ方法で一律に育成しようとしても全員がレベルアップするとは限りません。それぞれに合った働きかけが必要です。

人材アセスメントを活用すれば、社員一人一人の得手不得手がデータで明らかになるため、個々に合わせた教育プランを検討しやすくなります。また、社員の潜在的な能力に気づけるため、伸ばすべきポイントをより多角的に見られる点もメリットの一つです。

人材アセスメントのメリット・デメリットに関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
こちらもあわせてお読みください。

関連記事】人材アセスメントとは?メリットや活用方法について詳しく解説
関連記事】人材アセスメントと組織アセスメントのメリット・デメリットをまとめて解説

企業研修を成功させるポイントは?

ビジネスマンがコミュニケーションを取っているイメージ
研修の効果を最大限に引き出すには、下記のポイントをおさえた研修設計が欠かせません。
  • 研修の目的を明確にする
  • 課題の本質を客観的に見極める
  • 「行動の習慣化」まで設計する
一つひとつ解説していきます。

研修の目的を明確にする

何のために研修を実施するのか、目的を明確にしましょう。

「他社もやっているからうちもやろう」
「去年もやったから、今年も同じ内容でいいだろう」

このような思考で研修を企画してはいけません。研修の実施自体が目的となっては失敗に終わってしまいます。

そもそも他社と自社は全くの別物です。同じ業界であっても、社員の階層や年次、扱う商品や仕事内容などは全く異なります。他社でうまくいった事例でも、自社で同様の成果を発揮するとは限りません。

また、受講者の特徴も年々変化しています。新型コロナウイルス流行前と現在では、働き方や価値観が大きく変化しているでしょう。

社員に欠けるスキルは何か、スキルをどのように補うかを明確にして、研修内容を決める必要があります。

外部講師に研修を依頼する際にも、目的や内容の設計を丸投げしてはいけません。適切な研修内容を提案してもらうためにも、こちらの研修意図をはっきりさせることが重要です。

課題の本質を客観的に見極める

客観的な事実に基づき、課題の本質を掴む姿勢が大切です。課題を見極めるピントがズレると、研修内容が的外れなものになってしまいます。

例えば、プレゼンがうまくいかないと悩む社員に最適な研修を考えるとしましょう。ひと口に「プレゼンがうまくいかない」と言っても様々な原因が考えられます。

論理的思考力に問題があったり、顧客のニーズを掴むリサーチ力に欠けていたりする場合もあるでしょう。また、論理的に考えた結果を伝える力が足りないために、プレゼンがうまくいかないとも考えられます。

真の課題はリサーチ力だったのに、論理的思考力が足りないと判断して研修を企画してしまうと、課題解決には繋がりません。こうした失敗は、研修を企画する担当者が「自分の場合はこうだった」と過去の経験や勘から判断した場合に起こりがちです。

課題の本質を見極めるには、先入観を排除した視点が重要です。そこで役立つのが「人材アセスメント」なのです。

「行動の習慣化」まで設計する

研修の企画段階で行動の習慣化まで設計すると、社員の成長を促す効果的な内容にできるでしょう。行動の習慣化ができなければ、研修で学んだ知識・スキルが定着せず、元の自分に戻ってしまいます。

習慣化を実現するには、社員自身に強いマインドが求められます。しかし、強いマインドは誰しも持ち合わせているわけではありません。

忙しさに流されて実践を怠ったり、研修時の理解不足によって行動に繋げられなかったりして自信を失うこともあるでしょう。そのため、行動の習慣化に繋げるフォロー体制も構築しておく必要があります。

例えば、上司が部下のメンターとなって適切なアドバイスを続けるのも効果的です。アセスメントの診断結果を上司と部下で共有し、成長イメージと現実のギャップを埋める取り組みを日々続けると研修の効果を最大限に高められるでしょう。

企業研修に役立つアセスメントツール3選

ビジネスマンとチェックリスト
ここでは企業研修に役立つアセスメントツールを3つご紹介します。ご紹介するのは以下3つのツールです。
  • GPS-Business
  • TAS診断
  • コンピテンシー診断

GPS-Business

GPS-Businessは、ベネッセiキャリアが提供するアセスメントツールです。問題解決に必要な思考力と態度を測定します。

具体的な測定内容は下記の通りです。

【思考力】
・批判的思考力…情報を抽出し吟味する
・創造的思考力…情報を関連づける・類推する
・批判的思考力…他者との共通点・違いを理解する

【基礎能力】
・言語処理能力
・数理処理能力
・語句や文の関係理解、グラフの読み取りなど

【パーソナリティ(姿勢・態度)】
・レジリエンス…情緒安定性。立ち直りの早さ
・リーダーシップ…自ら先頭に立って進める力
・コラボレーション…相手の立場に立とうとする姿勢

採用や内定者フォローをはじめ、若手社員研修でも活用可能です。

診断結果として個人結果レポートと総合レポートが提供されます。個人結果レポートは研修でのリフレクションに、総合レポートはフィードバック面談の補助資料として役立つでしょう。

TAS診断

TAS診断は、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が提供する適性診断です。対人関係面での特性を明らかにし、自己理解を深める際に役立ちます。

部下や後輩の指導・顧客対応など、1対1でのコミュニケーションについて意識を高めたい場面で効果的です。診断の所要時間は30分。中堅〜管理職研修やコミュニケーション研修など、部下育成に役立てられるでしょう。

下記の記事ではアセスメントツールについて詳しく解説しています。こちらもあわせてお読みください。

関連記事】アセスメントツールとは?5つの導入メリット・選び方の3つのポイントなどを完全解説

コンピテンシー診断

ミイダスのコンピテンシー診断は、人材の思考性や行動特性を可視化するツールです。診断項目は下記の6つで構成されています。
  • マネジメント資質
  • パーソナリティの特徴
  • 仕事をしていく上でのあなたの特徴
  • 職務適性
  • 上下関係適性
  • ストレス要因
これらの要素をもとに、組織で活躍できる人材の傾向や組織体質などを客観的に分析します。同じ「営業」でも、会社が違うと活躍する人材のタイプも違うのです。

人当たりよりも自己主張をはっきりできるタイプが活躍するA社と、はっきり言うよりも相手に寄り添うタイプが活躍するB社のように、活躍人材の傾向は会社によって違います。

自社で活躍する社員の特徴を具体的に示すことで、社員自身が目指す方向性も明確になるでしょう。

ミイダスのコンピテンシー診断は15名まで無料です。ぜひお試しください。

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人材アセスメントを研修や教育に活かそう

人材アセスメントを研修に活かす方法について解説しました。採用や人材育成において、期待する効果を得る秘訣は「客観的なデータを根拠とした人事活動」にあります。

データを理論的に活用することで、人材のパフォーマンスを最大化する最適解を導き出せるのです。

研修設計における大切なポイントは下記4点に集約されます。
  • 目標(理想の社員像)を明確にする
  • 目標に対する課題を洗い出す
  • 課題を効果的に解消する研修テーマを検討する
  • 習慣化に繋げる施策を講じる
人材アセスメントを活用して、社員の成長を最大限に促す研修を企画しましょう。

それぞれの特性に合った講座を受講してビジネススキルを高めよう

ミイダスでは、ご契約中の企業様限定で、無料で学べる研修コンテンツを多数ご用意しております。「コンピテンシー活用講座」では、先にご紹介した「コンピテンシー診断」をはじめ、受検者が持つ認知バイアスの傾向を測定する「バイアス診断ゲーム」などの結果項目別に、自身の特性を活かす方法を詳しく解説。

例として下記の内容を取り上げています。
  • ビジネスに役立つパーソナリティの理解
  • 上下関係適性を理解して仕事に活かすには
  • 職場環境のストレス要因を理解し上手に付き合う方法とは
  • 仕事・人間関係のストレス要因を理解し上手に付き合う方法とは など
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