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認知バイアスとは?身近にある認知バイアスの種類や対策について解説

認知バイアスとは、私たちが意思決定をするときに、先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のことです。

認知バイアスは多かれ少なかれ誰にでも発生するものですが、ときには仕事で取り返しのつかない判断ミスを引き起こす原因にもなります。

本記事では、認知バイアスの概要と種類、認知バイアスの対策についてわかりやすく解説します。認知バイアスを診断できるツールについても紹介しますので、ぜひご一読ください。

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認知バイアスとは?

認知バイアスのある人のイメージ
「認知バイアス」とは、人間が物事の意思決定をするときに、これまでの経験や先入観によって合理性を欠いた判断を下してしまう心理傾向を指します。おもに心理学の分野で使われる用語であり、「アンコンシャスバイアス」や「偏見」と言い換えられることもあります。

こちらの関連記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

【関連記事:アンコンシャスバイアスとは?職場での例や企業ができる対処法を解説

認知バイアスが発生する背景には、人間が進化の過程で獲得した脳の省エネ機能が関係しています。

人間の脳は日々膨大な情報を判断する必要があり、すべてをゼロから検討していては疲弊してしまいます。そこで、判断に使うエネルギーを節約するために、過去の経験が参照できそうな問題については経験則で結論を出す癖を身につけたのです。

この脳の癖によって、最善と思われる意思決定をスピーディーに行えるようになった一方で、思い込みによる誤った判断をしやすくもなりました。

認知バイアスは脳の機能によるものなので、完全には無くせません。認知の歪みは誰にでも発生し得るものだと認識することが大切です。

認知バイアスの例

認知バイアスは日常生活のさまざまなシーンで発生しています。
<例>
「日用品はいつも使っているものを選ぶ」→現状維持バイアス
「商品の良い口コミを見ると、間違いない買い物だったと安心する」→確証バイアス
「好きなインフルエンサーがPRしていた商品だから間違いないはずだ」→ハロー効果
「商品の効果を実感できないが、せっかく使い出したのだから続けてみよう」→サンクコスト効果

認知バイアスの注意点

上記のようなちょっとした買い物であれば、認知バイアスに引っ張られた判断をしたからといって大きな影響はありません。むしろ、逐一商品の成分表示や機能表示を見比べて選ぶ人のほうが少ないでしょう。

しかし、認知バイアスはビジネスにおける重要な決定でも発生します。

たとえば採用活動において、

「この大学出身者はうちで活躍している人が多いから採用しよう」
「この業界出身者は前回すぐ離職してしまったから、採用を見送ろう」

といった非合理的な判断軸で合否を決めていてはどうでしょうか。本当に自社にあった人材の採用はできないはずです。むしろ、自社に合わない人材を採用してしまう恐れもあります。

仕事における重大な判断ミスを避けるため、認知バイアスの存在を知り、影響を軽減する方法を知っておくことが重要です。

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身近にある認知バイアスの種類

さまざまな認知バイアスを持つ人たち
認知バイアスにはさまざまな種類があります。ここでは、とくに身近にある認知バイアスについて、例を交えて紹介します。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分の思考や願望の確証となりそうな情報ばかり探してしまい、反対意見となる情報は軽視してしまう心理傾向を指します。

たとえばSNSで自分と同意見の人を探してしまったり、反対意見を聞くと「この人は考えが浅い」と感じたりする場合は、確証バイアスに陥っていると言えるでしょう。

近年はSNSの普及によって確証バイアスが強まりやすい状況だと言われています。意識して反対意見に耳を傾ける癖をつけることが大切です。

現状維持バイアス

現状を「安定」と捉え、その状態が崩れることを嫌う心理状態を指します。

新しいやり方に拒否感を持ったり、環境変化に強いストレスを感じたりした経験はないでしょうか。現状維持バイアスが強い人は、新しい情報や未経験の物事にマイナスのイメージを抱きやすい傾向にあります。

組織全体で現状維持バイアスが強くなりすぎると、市況の変化に鈍感になったり、新しいツールの導入が進まなかったりといった問題につながってしまいます。

フレーミング効果

まったく同じ情報を見ていながら、焦点の当て方や表現を変えただけで、判断の方向性まで変えてしまう心理傾向を指します。

たとえば「2人に1人が効果を実感」と「50%の人は何も効果がなかった」は、数字の意味は一緒ですが、文章から受けるイメージは異なるはずです。

フレーミング効果は広告などでとくによく利用される認知バイアスです。数字を見て「なんとなく良さそうだ」と思っても、あえて別の見方で考える癖をつけることが対策になります。

サンクコスト効果

費やしたコストや時間にこだわり、損する可能性が高い状況でも投資や事業を止められなくなる心理傾向を指します。コンコルド効果とも呼ばれます。

たとえば事業を撤退すべきかどうかの判断において「ここまで投資したなら、続けないともったいない」と感じるような場合は、サンクコスト効果に引っ張られていると言えるでしょう。

経営層がサンクコスト効果に陥ると、大きな損失につながる判断ミスをしてしまう恐れがあります。

現在志向バイアス

将来の利益よりも現在の利益を優先してしまう心理傾向を指します。

たとえば「いま投資すれば、5年後には大きな利益を得る可能性が高い」と頭でわかっていても、目の前に欲しい物があるとついお金を使ってしまうような人は、現在志向バイアスが強いと言えるでしょう。

現在志向バイアスが強すぎると、投資判断や人材の配置転換といった将来を見据えて検討すべきシーンで、適切な判断ができなくなる恐れがあります。

正常性バイアス

都合の悪い情報を軽視して、自分は大丈夫だと思い込む心理傾向です。

正常性バイアスが強いと、災害や事故といったトラブルが発生したときに「きっとこの場所は安全だろう」「避難する必要はない」と思い込みやすくなります。

万が一のときに避難の遅れにつながるため、部下を抱える方はとくに注意が必要な認知バイアスと言えるでしょう。

正常性バイアスについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。

【関連記事:正常性バイアスとは?ビジネスシーンでの具体例や対処法を解説

生存者バイアス

生存者バイアスとは、成功者の意見を重視して、それ以外の敗者の意見を軽視することを指します。

運の要素が強い他社の成功事例を参考にしようとしたり、「自分ができたのだから、他の人もできるだろう」と考えたりするときは生存者バイアスが働いていると言えるでしょう。

失敗の可能性を甘く見積もりすぎる傾向があるため、とくに仕事において注意したい認知バイアスの1つです。

内集団バイアス

自分が所属する集団のメンバーのほうが、別の集団のメンバーよりも人格・能力ともに優れていると思い込むことを「内集団バイアス」または「内集団びいき」と呼びます。

自身が所属している集団への帰属意識が強まっている状態とも言い換えられるでしょう。

内集団バイアスが強くなりすぎると、外集団への低評価や差別意識を誘発し、職場環境を悪化させる恐れがあります。

ハロー効果

対象や集団を見るときに、一部の特徴に引っ張られて全体的な評価を下してしまうことを指します。

好きなタレントがCMをしている商品に好印象を抱くときなどは、ハロー効果が働いていると言えるでしょう。

ハロー効果はビジネスや対人関係などさまざまなシーンで活用できます。しかし、採用活動のように人材を見極める必要があるときは、本人の実力と関係のない特徴に引っ張られていないか注意すべきでしょう。

認知バイアスの対策方法

認知バイアスの対策について話し合う人たち
認知バイアスは私たちが意思決定をするシーンのほとんどで発生するものです。「認知バイアスに注意しよう」と頭でわかっていても、認知バイアスを避けて情報収集と判断を下すことは非常に困難です。

では、認知バイアスに振り回されずに意思決定を行うには、どうすればよいのでしょうか。対策を3つ紹介します。
・客観的データに基づいて判断する
・異なる意見に耳を傾ける
・自分の認知バイアスの傾向を把握する

客観的データに基づいて判断する

認知バイアスに意思決定が左右されるとき、私たちの判断軸は先入観や経験則、直感などに支配されています。

採用シーンでいえば「有名大学卒だから優秀だろう」「運動部経験者だから体力があるだろう」のように、実際の本人の能力から遠い部分で合理的とは言えない判断をしているわけです。

したがって、客観的な事実やデータを分析できる状態を作り、データに基づいて判断する癖をつけることが対策になります。

人事領域では、適性検査やアセスメントの導入が具体策となるでしょう。詳しくはこちらの関連記事をご覧ください。

【関連記事:【適性検査とは?】30種類の検査の特徴と選び方を一挙解説
【関連記事:アセスメントでできることとは?採用・人事評価・人材配置での活用について解説

また、人材のパーソナリティを見極める必要がある場合は、人材の行動特性や思考性を客観的データに基づいて診断する「コンピテンシー診断」もおすすめです。

【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説

異なる意見に耳を傾ける

あえて自分の意見とは異なる意見を重視することも、認知バイアスの回避につながります。

先述したとおり、人間には確証バイアスがあり、無意識に自分の意見を補強する情報を探そうとします。そこで、意識して反対意見を持つ人と議論を交わし、視野を広げられる状況を作るのです。

少数派の意見にも耳を傾ける土壌は、近年注目されるダイバーシティ経営においても重要です。組織として多角的な視点で物事を検討することにもつながります。

【関連記事:ダイバーシティとは?企業が取り組むメリットや注意点、推進ポイントを解説

自分の認知バイアスの傾向を把握する

自分の思考の癖を知ることも認知バイアスの回避につながります。自分の認知バイアスの傾向を把握できると、認知バイアスに左右されそうなシーンで、一歩引いて自分の意思決定を見つめ直せるようになるためです。

とはいえ、認知バイアスはこれまでの経験、育った文化、受けてきた教育などが大きく影響します。基本的に無意識下で発生するため、自分の認知バイアスの把握は簡単ではありません。

診断テストやワークショップなどの方法を利用するとよいでしょう。

「バイアス診断ゲーム」で認知バイアスを測定しよう

自分や社員の認知バイアスを測定するなら、「ミイダス」の「バイアス診断ゲーム」もぜひご検討ください。

バイアス診断ゲームとは、NTTデータ研究所とミイダスが共同開発したツールで、約30分×2回、計60分で求職者や社員の認知バイアス(意思決定の癖)を診断します。

下図のようなクイズに近い問題が出題されるため、診断というよりゲームをしているような感覚で回答できます。
バイアス診断ゲームの画面
バイアス診断ゲームで把握できる認知バイアスは、全22項目です。その一部を紹介します。
認知バイアスの種類診断内容
フレーミング効果表現方法によって判断が変わりにくいかどうか
現状維持未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い、現状維持をしたいかどうか
サンクコスト効果一度リソースを投資したもののが回収できないとわかったとしても、投資し続けてしまうかどうか
現在志向将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くかどうか
衝動制御自分の衝動をコントロールし、集中力を持続させるかどうか
予測態度不確かで見通しが悪い状態でも、冷静に規則性や法則性を判断しようとするかどうか
リスク許容度リスクを取ることに対する許容度
協力行動集団内で行動するときの利益の考え方
全体注意多くの情報から必要な情報を選択するときに、俯瞰的に考えて意思決定するかどうか
否定的感情物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ
診断後は、自分の認知バイアスの傾向を把握できるだけでなく、各項目が強い・弱い場合にどう行動や判断をしたらいいのかアドバイスも得られます。

アンケートでは、バイアス診断ゲームを試した75.3%が「自分のバイアスを理解することで仕事に活かせそう」と回答しています。
バイアス診断ゲームのアンケート結果
なお、ミイダスにご契約された方に向けて、認知バイアスについてより詳しく動画で学べる「バイアス診断ゲーム研修講座」も提供中です。バイアス診断ゲームの結果に応じた講座動画を計14本ご用意しています。難しい認知バイアスについて、わかりやすく解説しているため、従業員はバイアス診断ゲームの結果をしっかりと有効活用できるでしょう。

現在、実際にバイアス診断ゲーム研修講座にて提供している動画を1本無料で公開しております。以下より、ぜひご確認ください。
バイアス診断ゲームに興味のある方は、ぜひこちらから「ミイダス」にご登録ください。

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