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ツァイガルニク効果とは?具体例や仕事効率を高める対策を解説

ツァイガルニク効果とは、達成・完了した事柄よりも、未達成・未完了のことのほうが記憶に残りやすい心理現象です。

あまり馴染みのない用語のため「具体的にどのような効果があるの?」「仕事やビジネスに活かせるの?」と思う方もいるのではないでしょうか。

本記事では、ツァイガルニク効果の概要やビジネス・仕事での具体例などを解説します。ツァイガルニク効果への対策も紹介しているので、従業員の作業効率やモチベーションを維持していきたい方は、ぜひご一読ください。

なお、従業員のモチベーション向上に課題を抱える方に、無料のお役立ち資料をご用意しています。ストレスがもたらす影響を知り、従業員のモチベーションを適切に把握したい方は、あわせてご活用ください。

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ツァイガルニク効果とは?

人間の脳がはたらくイメージ
ツァイガルニク効果とは、達成・完了した事柄よりも、未達成・未完了のことのほうが記憶に残りやすい心理現象です。達成・完了していない欲求や事柄に対して、強い意識がはたらいてしまう状態を指します。

たとえばビジネスの場では、下記のようなシーンでツァイガルニク効果による現象が起こっていると言えます。
  • 至急やらなければならない仕事を上司から頼まれたが、それまで着手していたタスクのほうが気になって集中できない
  • 達成できた仕事よりも、未達成のまま終わりを迎えてしまった仕事のほうが記憶に残っている
  • 他社が開催する無料セミナーに参加し、興味深く話を聞いた。最後に少しだけ紹介された同社の商品が気になって頭から離れない
このように、身近なビジネスの場でもツァイガルニク効果は起きているのです。

ツァイガルニク効果は、1920年代にロシア(旧ソビエト連邦)の女性心理学者ブルーマ・ツァイガルニク氏が発見しました。彼女の名前から「ツァイガルニク効果」という名称になっています。

場合によって、ツァイガルニック効果やゼイガルニク効果、ゼイガルニック効果とも呼ばれることがあります。

ツァイガルニク効果の由来

ツァイガルニク効果は、ツァイガルニク氏が訪れた飲食店での体験がきっかけで研究に発展しました。飲食店のウェイターは、料理を提供するまでは注文内容をしっかり覚えていたのにもかかわらず、提供後には忘れてしまっていたのです。

ウェイターにとって、お客さんに料理を提供するまではタスクが未完了の状態です。提供し終わるとタスクが完了になるため、少し前まで覚えていたはずの注文内容をすっかり忘れてしまいます。

現代においても飲食店で働いた経験のある方は、同様のケースに出くわしたことがあるかもしれません。お客さんから「同じものを追加したい」と注文を受けても、料理を提供するタスクはすでに達成しているので、空の食器だけ見ても「同じもの」のメニューが思い出せない……。これがツァイガルニク効果によるものです。

この心理を活用し、あえて作業を完了させない状態で物事を中断すれば、記憶力やモチベーション向上への効果が期待できると言われています。

ツァイガルニク効果が起こる理由

物事が完了・達成していない状況は、未来に起こる結果を不確実にします。終わっていない状況が緊張感や不快感、不安な気持ちを起こすため、人間は未完了・未達成の物事のほうを記憶に残しやすいのです。

物事が終わっていない不快な現状を解消しようと脳がはたらき、「もっと内容を知りたい」「早く終わらせたい」という感情から次の行動につながります。

また人間には、ゴールや目標を達成したいと思う欲求があり、物事を完了することで満足感を得ます。与えられたタスクが中途半端なままでは満足感は得られません。そのため、タスクに最後まで取り組もうとする意識がはたらくのです。

これらが組み合わさることで、物事の完了・達成に向けての行動を起こせるようになります。

ツァイガルニク効果のビジネス・仕事における具体例

効率よく仕事するイメージ
ビジネスや仕事における、ツァイガルニク効果の具体例を紹介します。ここでは下記5つについて見ていきましょう。
  • 仕事の効率化
  • リスキリング
  • マーケティング戦略
  • 営業活動
  • 人材育成

仕事の効率化

着手しているタスクを中断すると、ツァイガルニク効果によって未完了のタスクに対する意識が高まります。

長時間にわたって一気に作業をするのではなく、あえて中途半端なところで手を止めて休憩を挟みながら進めてみましょう。すると、タスクを完了させるほうへ意識が向きやすくなり、集中力を持続させた効率的な仕事が可能です。

リスキリング

リスキリングの際にもツァイガルニク効果が有効です。

勉強の終了時間を決め、定時になったら学習の途中だったとしても終わりにしてください。まだ勉強する箇所が残っているため「続きも取り組みたい」「やり残しを解消したい」という気持ちが湧きやすくなります。

あえて中途半端なところで終わらせ、また途中から再開する進め方にすると、効率的なリスキリングにつながります。

リスキリングの重要性やメリットは下記にて解説しているので、あわせてご一読ください。

【関連記事:リスキリングとは?用語の意味や必要とされる背景、企業事例などを解説

マーケティング戦略

ツァイガルニク効果を活用したマーケティングも可能です。ユーザーにすべての情報を与えず、興味を引きつけたうえで中断します。

たとえば、テレビ広告の15秒間で興味を引きつけておいて「続きはWebで検索」といったように誘導するCMを見たことがあるのではないでしょうか。「続きが気になる」という心理を起こし、Web上でより深い情報を与える戦略です。

またSNSでは、ユーザーが興味を持つ情報をショート動画などで小出しにして印象に残しつつ、最終的にセミナーやイベントの集客につなげることもできます。

営業活動

初めての商談の際には、自社の商品・サービスの概要を伝え、興味を持ってもらいます。より詳しい情報は伝えず、興味を持ってもらった状態で中断すると「なんだかあの会社の商品が気になる」という心理にしやすくなります。

ツァイガルニク効果の活用で、営業活動を有利に進めることも可能です。

人材育成

新人育成の一環としてOJTを取り入れる際には、具体的なゴールを設定し、育成期間中に何を学び、どのスキルを習得すべきか明確にします。

指導をする先輩社員と新人社員の間で育成プログラムを共有すれば、ゴールを達成するまでタスクは未完了の状態です。未完了の状態を持続させることで、積極的な指導や自発的な学習などにつなげられます。

ツァイガルニク効果から得られるメリット

パソコンで仕事をする女性
ツァイガルニク効果をビジネスや仕事に取り入れることで、下記のメリットが得られます。
  • 生産性の向上
  • モチベーション向上

生産性の向上

未完成のタスクが記憶に強く残るというツァイガルニク効果の性質を利用することで、生産性向上が期待できます。

タスクを途中で中断すると、その仕事が気になる状態になります。それが仕事に取り組む意欲を高め、あとから再開したときに高い集中力を発揮した業務進行が可能です。

モチベーション向上

タスクを完了・達成したあとの満足感を得るために、仕事を最後までやり遂げようとする効果もあります。自ら仕事に取り組んだり、積極的に行動を起こしたりと、モチベーション向上が期待できるのです。

ツァイガルニク効果の心理をうまく活用し、モチベーションの高い従業員を増やすこともできるでしょう。

しかし、従業員のモチベーションの高低を把握するのは難しいものです。従業員の内面を可視化するには、ミイダスが提供する「組織サーベイ」がおすすめです。

毎月、簡単なアンケートを実施するだけで、従業員やチームのコンディションが把握でき、今とるべきアクションもわかります。心理的な変化から起こる離職などの兆候を察知し、個別の対応へつなげることも可能です。

ミイダスの組織サーベイについて詳しく知りたい方は、下記のページもあわせてご覧ください。

ミイダスの組織サーベイの特徴を詳しく見る

ツァイガルニク効果によって起こりうるデメリット

タスクに追われるビジネスパーソン
ビジネス・仕事にツァイガルニク効果を取り入れることで得られるメリットがある一方、デメリットになる部分も知っておかなくてはなりません。
  • ストレスへの負荷が高まる可能性がある
  • モチベーション低下の可能性がある
それぞれ解説します。

ストレスへの負荷が高まる可能性がある

ツァイガルニク効果を実践するには、仕事を中途半端な状態で中断させる必要があります。すると、仕事が終わっていない緊張感が残り、プライベートな時間を過ごす際にも頭の中で気になる状態が続きやすくなります。

休息を取ってリフレッシュが大切になるにもかかわらず、帰宅後も中断した仕事のことを考えてしまう可能性があるのです。

休まらない状況が続くとストレスが増加する場合もあります。特にストレスを感じやすい人は注意しましょう。

このようなストレスに対処する方法の例には下記があります。
  • タスクの優先順位を決めて行動する
  • 完璧主義な考え方を手放す
  • 休むときは休むと決める
過度なストレスを抱えないように、自分にあう対処法を取り入れることが大切です。

モチベーション低下の可能性がある

ツァイガルニク効果のメリットに「モチベーション向上」がありますが、相反するモチベーション低下のリスクも潜んでいます。

中途半端なタスクが増え、仕事が何も完了しない状況にモチベーションが下がってしまう可能性があるのです。

未完了のタスクを抱えすぎないように、優先順位の高いものから仕事を終わらせていくことが大切です。タスクが完了状態になれば、脳に余裕が生まれ、達成感を得ることもできます。

しかし、完了したタスクは忘れてしまう傾向があり、達成感を得たあとに仕事へのモチベーションが燃え尽きてしまう可能性も否定できません。

完了と未完了のタスクを上手に組み合わせてスケジューリングするなどのタスク管理が重要です。

ツァイガルニク効果で仕事効率を高める対策

仕事効率が高まっているイメージ
ツァイガルニク効果の活用で仕事の効率を高めるには、下記の対策が有効です。
  • キリの悪いところで作業を中断する
  • 仕事のタスクや時間を適切に管理する
  • 定期的なフィードバックを実施する
ひとつずつ解説します。

キリの悪いところで作業を中断する

キリが良いところまで仕事を進めるのではなく、キリが悪いところであえて作業を中断します。ツァイガルニク効果では、タスクを中断させたほうが記憶に残りやすく、仕事に取り組む意欲を保てるようになるのです。

作業途中で休憩を入れると、脳内の情報が整理され、リフレッシュの効果も期待できます。

キリの悪いところで作業を中断し、適度な休憩を入れるには、ポモドーロ・テクニックがおすすめです。25分作業したら5分休憩するターンを繰り返すことで、集中力と効率を高めた状態で仕事を進められます。

仕事のタスクや時間を適切に管理する

中途半端な状態のタスクが増えすぎると、モチベーション低下やストレス増加につながる可能性があります。このリスクを回避するには、タスクや時間の適切な管理が重要です。
  • 大きなタスクを細分化する
  • 優先的に着手する仕事を可視化する
  • タスク全体の進捗率を把握する
  • 仕事をやめる時間を決める
未完了のタスクをリストアップし、大きなタスクは小さな単位まで細分化します。そのうえで着手する優先順位を決めていきましょう。

全体の進捗状況を可視化すると視覚情報として入ってきやすく、最終ゴールは達成していないことを意識できるため、次のタスクに着手する行動へつなげられます。

定期的なフィードバックを実施する

ツァイガルニク効果をビジネスや仕事に取り入れるなら、定期的なフィードバック実施も効果的です。

上司と部下で時間を設けてフィードバックすることで、目標に対する自身の立ち位置や改善点などが把握でき、PDCAをまわす助けとなります。

「モチベーションが下がっていないか」「タスクの抱えすぎで過度なストレスになっていないか」といったことに気付くきっかけにもなるでしょう。

フィードバックの実践方法は、下記の記事を参考にご覧ください。

【関連記事:フィードバックとは?意味や重要性、効果的に実践するためのテクニックを紹介

ツァイガルニク効果に関するよくある質問

疑問を持つビジネスパーソンのイメージ
ツァイガルニク効果に関する質問に回答します。ここで取り上げるのは下記の2つです。
  • 日常生活でのツァイガルニク効果の例は?
  • ツァイガルニク効果以外のビジネスで役立つ心理学用語は?

日常生活でのツァイガルニク効果の例は?

日常生活の中でも、ツァイガルニク効果を利用したシーンが多くあります。

たとえば、連続ドラマをテレビで見ていて「いいところだったのに!」と思うことがあるのではないでしょうか。ストーリーがどうなるのか結論を出さないことで続きが気になる心理を作り出すため、また来週も見てしまうのです。

また、恋愛の場面でもツァイガルニク効果がはたらくシーンがあります。

付き合っていたカップルに突然、別れが訪れたとき、彼女のほうは恋愛関係の終了を心に決めているのでスッパリと新しい未来へ歩みを進めます。しかし、彼氏のほうは突然別れを告げられ、恋愛が中断している状況です。ツァイガルニク効果により相手のことを忘れられないという心理になってしまいます。

このように、意外と身近なところにもツァイガルニク効果を体験する場面が存在しているのです。

ツァイガルニク効果以外のビジネスで役立つ心理学用語は?

ツァイガルニク効果以外にもビジネスシーンで役立つ心理学用語があります。さまざまなものがありますが、その一例を見ていきましょう。

認知的不協和 

自分が持つ相反する感情によって生じる心理的ストレスや不快感のことです。

たとえば「身体に悪いとわかっていながらタバコを吸ってしまう、ジャンクフードばかり食べてしまう」などが認知的不協和にあたります。

ビジネスの場で認知的不協和への対処をしないと、人間関係が悪化したり生産性が低下したりするかもしれません。具体的な対処法は下記の記事をご一読ください。

【関連記事:認知的不協和とは?具体例やビジネス上の弊害、おすすめツールまで紹介

ハロー効果

ハロー効果は、人やモノ・状況などの「対象」を評価する際、ある一点の際立つ印象や特徴に影響を受けて全体を評価してしまうことです。ハロー効果の例を下記に挙げました。
  • 「好きな芸能人がCMしている商品は良いものだ」と評価する
  • 企業の不祥事が起きた際に、業界全体のイメージが悪いように感じる
ハロー効果は、採用や人事評価にも影響を及ぼします。過去の職歴や保有資格などに左右されない評価が重要です。詳しくは、下記の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:ハロー効果とは?人事・採用における意味や事例・対策をわかりやすく解説

ツァイガルニク効果をうまく活用して仕事の生産性を高めよう

スーツを着てこぶしを高く上げるビジネスパーソンの後ろ姿
ツァイガルニク効果の概要やビジネス・仕事・日常での具体例、ツァイガルニク効果を活用して業務効率を高める方法などを解説しました。

ツァイガルニク効果は、さまざまなシーンで活用できる心理です。達成・完了した事柄よりも、未達成・未完了のことのほうが記憶に残りやすい特性を活かし、作業の効率化や顧客への効果的なアプローチにつなげられます。

しかし、未達成・未完了のタスクが増大するとモチベーションが低下し、ストレスになる可能性も否めません。ツァイガルニク効果をうまく活用するには、従業員のモチベーション管理も重要になります。

目には見えない従業員のモチベーションを適切に把握するには、ミイダスの「組織サーベイ」がおすすめです。毎月、簡単なアンケートの実施でデータを収集し、従業員の変化をいち早く察知できます。

従業員やチームのコンディション把握だけではなく、どのようなアクションをとるべきか可視化も可能です。

組織サーベイの詳しい説明は、下記ページをご覧ください。

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