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人材アセスメント

認知的不協和とは?具体例やビジネス上の弊害、おすすめツールまで紹介

認知的不協和とは、矛盾する認知によって生じる心理的ストレスのことです。たとえば「ダイエットが必要なのに運動ができない・カロリーが高いものを食べ過ぎてしまう」といったときに生じるストレスが認知的不協和の例として挙げられます。

認知的不協和を放置すると心理的に良くないだけでなく、意思決定の質が低下しやすくビジネスにも悪影響が発生しやすいです。

そこで本記事では認知的不協和の概要や代表例を紹介しております。記事の後半ではビジネスにおける弊害の具体例や認知的不協和の対処法にも言及していますので、ぜひ最後までお読みください。

なお認知的不協和の対処法の1つとしておすすめなのが、人材アセスメントツール「ミイダス」が提供しているバイアス診断ゲームです。

バイアス診断ゲームを受けてみることで、自分が持っている思い込み(バイアス)の傾向や対策がわかります。認知的不協和に気づいたり対処方法を考えるキッカケになったりするかと思われますので、ぜひチェックしてみてください。

自分の思い込みを可視化できる「バイアス診断ゲーム」

認知的不協和とは?わかりやすく解説

顔を隠して落ち込む男性
認知的不協和とは、自分が持っている相反する感情によって生じる心理的ストレスや不快感のことです。認知的不協和はアメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガー氏が提唱した理論です。

矛盾した気持ちを正当化しようとしたり辻褄合わせを行ったりすることが、認知的不協和に陥っている人の特徴といえます。認知的不協和を放置すると、私生活はもちろんビジネスにおいても大きな弊害が発生しかねません。

具体的にどのような弊害が発生するのか紹介します。まずは日常生活の例を見てみましょう。

日常生活での認知的不協和の具体例

ビールとたばこの前で頭を抱える男性
日常生活における認知的不協和の具体例を3つご紹介します。
  • 身体に悪いと知りながらタバコを吸ってしまう
  • 不満があるのに恋人やパートナーと別れられない
  • 体重を減らしたいと思っているのにダイエットに失敗する
詳細を見ていきましょう。

身体に悪いと知りながらタバコを吸ってしまう

身体に悪いと知りながらタバコを吸ってしまうのは、認知的不協和の典型的な事例といえます。

人間は本来、認知(タバコは身体に悪い)と行動(だからタバコは辞めた)が一致している状態を好むものです。しかし上記の例では「タバコは身体に悪い」という認知と「タバコを吸ってしまう」という行動が一致していないため、心理的なストレスが生じます。

この場合の対処法としては、行動(タバコを吸ってしまう)を変えるのがおすすめです。たとえばタバコの代わりにガムを噛む、禁煙外来で医師の診察を受けることなどが挙げられます。

しかし多くの場合「タバコはそれほど身体に悪くない」「タバコはストレス発散にもなるから」と自分に言い聞かせて行動を正当化してしまうものです。

不満があるのに恋人やパートナーと別れられない

「いつも恋人やパートナーの愚痴ばかり言っているのに何も行動を起こさない人」も、認知的不協和に陥っている状態といえます。恋人やパートナーに不満がある(認知)のに今の関係を続けている(行動)のは、認知と行動が一致しているとはいえません。

認知と行動を一致させるには、相手と別れたり話し合って不満点を直すよう伝えたり、相手の良い点にも目を向けてみたりすることが挙げられます。

しかし中には何か行動を起こしたり認知を改めたりすることなく、ダラダラと今の関係を続けている人が一定数います。

体重を減らしたいと思っているのにダイエットに失敗する

「体重を減らしたい」という認知と「ダイエットに失敗してしまう」という行動が一致していない状態も、認知的不協和に陥っているケースといえます。

この場合の認知と行動を一致させるには、「ダイエットを継続できるよう生活習慣を見直す」「達成できる具体的な目標を設定する」ことなどが挙げられます。生活習慣を見直せばダイエットに失敗するリスクを減らせますし、無理のない目標を設定すれば「ダイエットに失敗した」と認知するリスクも低くなるためです。

しかし達成が困難な目標を設定してしまったり生活習慣の改善ができなかったりすることで、認知的不協和に陥る人が存在します。

ビジネスでの認知的不協和の具体例

怒っている男性と謝る女性
ビジネスシーンにおける認知的不協和の具体例を見てみましょう。
  • 社内の人間関係が悪化する
  • 正しい人事評価を行えない
  • 適材適所の人材配置を実践できない
認知的不協和を放置すると、組織にとって上記のようなデメリットが発生する恐れがあります。どういうことか、詳しく解説します。

社内の人間関係が悪化する

認知的不協和な状態を放置すると、社内の人間関係が悪化する恐れがあります。

社員は自分が所属している組織やチームに対してポジティブな感情を持ち、仕事にコミットすることが求められます。しかし認知的不協和な状態に陥ると、上司や同僚との軋轢が発生しやすくなったり不信感を覚えたりしやすくなるものです。

本来であれば社員にとっても会社にとっても、お互い良好な人間関係のもとで仕事を行いたいはずです。しかし実際に社内の風通しが良くない場合もあります。このような状態に陥ったとき「良好な人間関係の中で働きたい」という認知と「実際には仲が悪い」という結果のギャップにストレスを覚えてしまうでしょう。

正しい人事評価を行えない

管理職や人事担当者が認知的不協和な状態に陥ると、社員に対して正しい人事評価を行いにくくなります。

管理職や人事担当者は本来、部下や社員を客観的に評価することが求められます。しかし認知的不協和に陥ると、自分の好みや偏見、断片的で誤った情報から社員を判断してしまいやすくなってしまうのです。

その結果、不適当な人事評価を受けた社員はモチベーションを下げてしまったり転職を考えるキッカケになったりしてしまいます。その結果、会社全体の生産性も下がってしまいかねません。

管理職や人事担当者が認知的不協和に陥るのを防ぐためには、正しく社員を評価(アセスメント)することが大切です。

【関連記事:「アセスメント」の使い方をわかりやすく解説します【例文あり・分野別】

適材適所の人材配置を実践できない

人事担当者が認知的不協和に陥ると、社員を適材適所なポジションに配置しにくくなります。適材適所の人材配置を実現するには、社員の能力や適性を見極めて適切な部署に配置することが大切です。

しかし人事担当者が認知的不協和に陥ると、社員一人ひとりに適切な評価を行いにくくなり、適切ではない人材配置を行ってしまいかねません。たとえば人事担当者が「あの人は客観的に見て優秀(認知)だけど、人柄が気に食わないから評価しない(行動)」といった認知的不協和に陥ると、さまざまなデメリットが発生します。

たとえば社員のモチベーション低下や離職率の増加、生産性の低下などが挙げられます。これらの弊害を防ぐには、人事担当者が認知的不協和から抜け出して客観的な評価を行うことが大切です。

なお認知的不協和から抜け出しても、適材適所の人材配置を実現するのは簡単ではありません。うまく適材適所の人材配置を実現するにはどうしたら良いのか、下記からダウンロードできる資料にまとめています。資料は無料でダウンロードできるので、ぜひ参考にしてください。

【無料ダウンロード】適切な人事異動・配置をするための方法とは

ビジネスにおける認知的不協和の弊害

ソファの上で落ち込む女性
認知的不協和の状態に陥るとビジネスにどのような弊害が発生するのかご紹介します。
  • 意思決定の質の低下
  • 社員の生産性・モチベーション低下
  • 成長や変化に対する柔軟性の低下
各デメリットについて詳しく見てみましょう。

意思決定の質の低下

認知的不協和に陥ると、意思決定の質が低下してしまいやすいと考えられます。なぜなら事実(認知)に対して適切な行動を実行しにくくなるからです。
  • 昇進させるべき人を過小評価してしまう。昇進させるべきでない人を個人の好みで出世させてしまう。
  • 明らかに失敗した事業投資を行ったのに「意味があることだった」と盲信し、失敗した原因の分析を行わない。その結果、同じ失敗を繰り返しやすくなる。
  • 自社製品やサービスの欠点を直視できず、良い面を過大評価してしまう。その結果、新製品でも欠点が改善できておらず顧客から選ばれにくくなってしまう。
このように、社内が認知的不協和に陥ると適切な意思決定を行いにくくなり、ビジネスに大きな悪影響を与えてしまいかねません。

社員の生産性・モチベーション低下

社員の生産性やモチベーションの低下も、認知的不協和の主な弊害の1つです。
  • 部署内で一番売上をあげている(認知)のに、自分だけ出世できない(事実)
  • 別部署への異動を約束してもらった(認知)のに、いつまでたっても異動が実現しない(事実)
  • 得意ではない仕事(認知)なのに、異動も転職もできない(事実)
このように認知と事実・行動が一致していない状態が発生すると、従業員の生産性・モチベーションが低下しやすくなります。
上記の例だと、人事担当者が適材適所の人材配置を実現できていれば発生しにくい不満です。しかし実際には認知的不協和な状態に陥った人の判断によって、非合理的な意思決定が行われてしまうこともあります。

成長や変化に対する柔軟性の低下

認知的不協和の弊害として、成長や変化に対して柔軟に対応するのが難しくなることが挙げられます。

認知的不協和に陥ると、たとえば売上が大きく下がったのに「景気が悪いだけ」「いずれ売上は回復するはずだ」と決めつけてしまいがちです。売上が下がったのであれば対策を打つのが本来すべきことなのに事実を直視できず、認知と行動が歪んでしまいやすくなります。

その結果、状況の変化に対してうまく適応できず、会社の売上が傾いてしまいかねません。状況を打開しようと成長を試みる社員が現れても「大丈夫だから」と制止してしまうことも考えられます。その結果、生産性やモチベーションの低下といった悪循環に入ってしまう恐れがあります。

認知的不協和への対処法

タブレットを見ながら談笑するビジネスパーソンたち
認知的不協和への対処法を2つご紹介します。
  • 社内のコミュニケーションを促す
  • ツールを活用して認知的不協和を自覚する
どういうことか、詳しく解説します。

社内のコミュニケーションを促す

認知的不協和への対処法の1つとして、社内コミュニケーションを活性化させることが挙げられます。

そもそも認知的不協和は、自分が持っている認知と行動の歪みによって生じるものです。これは自分では気づきにくいものですが、他人とコミュニケーションを取ることで認知的不協和に気づき、改善に向けた行動を起こしやすくなります。

また社員同士で交流を深めることにより、社内の風通しが良くなったり誤解を解きやすくなったりするなど、副次的なメリットも多いです。交流を通じて他の社員と話しやすくなれば、心理的安全性の向上も期待できます。

【関連記事:心理的安全性とは?意味や組織へのメリット・高め方を解説【人事必見】

ツールを活用して認知的不協和を自覚する

認知的不協和に気づくには、ツールを活用するのもおすすめです。

近年のITサービスの発展により、認知的不協和の原因となる「思考の偏り(バイアス)」を明らかにするサービスが登場しています。ITツールであれば機械的に診断を行えるため、客観的に自分の現状を分析可能です。

たとえば人材アセスメントツール「ミイダス」では、自分が持っているバイアスを客観的に診断してコントロールするためのアドバイスを受けられる「バイアス診断ゲーム」を提供しています。どのようなサービスか、詳しく解説します。

認知的不協和をはじめとした「思い込み」への対策ならミイダス!

認知的不協和に気づくキッカケとしておすすめなのが、人材アセスメントツール「ミイダス」のユーザーが無料で利用できる「バイアス診断ゲーム」です。

バイアス診断ゲームとは、意思決定の質を低下させる「思い込み(バイアス)」を測定し、どのバイアスが強いか診断したり、コントロールするにはどうしたら良いのかアドバイスを受けたりできるツールです。

バイアス診断ゲームを活用することで、認知的不協和の原因となる「思い込み(バイアス)」に気づきやすくなり、認知的不協和の発生を防ぐ効果が期待できます。バイアス診断ゲームについて、詳しくは下記をご一読ください。

自分の思い込みを可視化できる「バイアス診断ゲーム」

認知的不協和を対処して非合理的な意思決定を防ごう

雰囲気の良い社内のイメージ
本記事では認知的不協和について解説しました。認知的不協和な状態に陥ると、日常生活はもちろんビジネスにおいても弊害が発生する恐れがあります。生産性が高く従業員に高いモチベーションを維持して働いてもらうためにも、認知的不協和になるのは避けたいところです。

認知的不協和への対処法としては、1on1や定期面談など社内のコミュニケーションを促したり、ツールを活用して症状を自覚したりすることが挙げられます。まずは実践しやすいところから着手し、認知的不協和への対策を行いましょう。

ミイダスの「バイアス診断ゲーム」は、個人の思い込みや偏見(バイアス)を明らかにするだけでなく、バイアスをうまくコントロールするにはどうしたら良いかアドバイスも受けられるツールです。認知的不協和への対策にも活用できるかと思われますので、ぜひ下記からサービス詳細をご確認ください。

自分の思い込みを可視化できる「バイアス診断ゲーム」

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