
人材アセスメント 2023-03-09
バイアスとは?ビジネスでの意味を簡単に解説
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バイアスとは?ビジネスでの意味や種類・企業に与える影響について解説【図解あり】
私たち人間は、これまでの経験や知識によって合理的な判断を下しているように思えますが、実際は思考の偏り、すなわち「バイアス」によって不合理な判断を下すことがあります。
バイアスは誰もが持ち得る「脳のクセ」ですが、企業や組織の運営にそぐわない判断をしてしまうと大きな影響をもたらす要因となるのです。
そこで今回は、バイアスの意味や種類について掘り下げるとともに、企業にもたらす影響や改善策について詳しく解説します。
なお、自社にあった人材採用にお悩みの方向けに、無料のお役立ち資料を用意しています。人材要件の見直しや早期離職防止にお役立てください。
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バイアスは誰もが持ち得る「脳のクセ」ですが、企業や組織の運営にそぐわない判断をしてしまうと大きな影響をもたらす要因となるのです。
そこで今回は、バイアスの意味や種類について掘り下げるとともに、企業にもたらす影響や改善策について詳しく解説します。
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▼この記事でわかること
バイアスとは?ビジネスでの意味を簡単に解説
ビジネスシーンで用いるバイアスは「先入観」や「偏見」を意味しています。
アンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)とも呼ばれ、無意識のうちに見方やとらえ方が偏り、なにげない普段の言動に現れます。
これまでの生活習慣や経験で培われたバイアスを取り除くのは難しいものの、悪いバイアスがかかった言動を見過ごせば、ハラスメントの横行やモチベーション低下などの弊害が生まれるのです。
そのためマネジメントの現場では、バイアスに関する知識や対処法を社員に定着させ、企業や組織の運営に適した判断力の育成が必須といえます。
次項では、ビジネスに影響するアンコンシャス・バイアスの種類を紹介します。バイアスの種類一口にバイアスと言っても、その種類は多岐にわたります。今回はビジネスの現場で影響を及ぼすバイアスを10種類紹介します。正常性バイアス

予想外の事態や、明らかに問題がある出来事に遭遇しても、自身にとって都合の悪い情報を無視してしまい、「自分は大丈夫」と認識する状態を「正常性バイアス」と言います。
例えば同業他社が経営不振に陥って倒産したとの情報を耳にした際、「うちの会社は他社と違って倒産しないだろう」と根拠もなく思い込むのも正常性バイアスの効果です。
物事を客観的に判断する能力が乏しくなることから、事業や組織運営に多大な影響を及ぼします。同調性バイアス

従来の方法や多数派が取る行動に同調し行動しようとする状態を「同調性バイアス」と呼びます。多数派同調バイアス・集団同調性バイアスとも呼ばれます。
同調性バイアスの強い社員が集まると、会議で多数派の意見ばかりが採用され、意見交換しにくい雰囲気になり、結果としてイノベーションが生まれなくなる懸念が。
他にもハラスメントや不正の現場を目撃した際、多くの社員が見てみぬ振りをしていれば、自分もそのように振る舞おうとする傾向があります。重大なコンプライアンス違反を招くバイアスと言えるでしょう。生存者バイアス

企業や個人の成功例ばかりに注目し、その他多くの失敗例を顧みない状態を「生存者バイアス」と呼びます。
例えば、急成長した同業他社のマネジメント手法を見て「自社に取り入れれば成功できる!」と考えるのも生存者バイアスです。しかし失敗事例を無視したまま戦略を練ることになるため、結果的に失敗する可能性が高くなります。後知恵バイアス

物事の結果を見て、結果を予測していたかのように判断し、自身の経験や知識を過大評価する状態を「後知恵バイアス」と呼びます。
後知恵バイアスを持つ社員が多いと失敗を責める風潮が蔓延し、新たな挑戦をしようとする空気が生まれなくなります。企業の成長に著しい影響を及ぼすでしょう。確証バイアス

自身の偏った考え方や思い込みを正当化する根拠となる情報だけを収集し、不都合な情報を無視してしまう状態を「確証バイアス」と呼びます。
採用面接の質疑応答で不安材料になる回答をした候補者に対し、「当社は一流大学出身者が多く活躍しているから問題ない」と偏った判断で採用した結果、ミスマッチが発覚して早期離職を引き起こす可能性があります。
都合の悪い情報に目を瞑れば、結果的に企業も社員も不利益を被るのです。自己奉仕バイアス

物事が成功したときは自身の能力によるものと考え、失敗したときは外的要因に責任転嫁する状態を「自己奉仕バイアス」と呼びます。
自尊心を保つ際に自己奉仕バイアスは現れやすく、例えばチームで優れた成果を出した時は「優秀な自分のおかげ」と過信し、反対に成果が思わしくないときは「チームメンバーの能力が不十分なせいだ」と責任逃れをします。
自己奉仕バイアスが強すぎる社員がいると組織内のコミュニケーションに影響を及ぼし、軋轢が生まれる原因となるでしょう。内集団バイアス

自身が所属する集団を、他の集団よりも高く評価する状態を「内集団バイアス」と呼びます。
いわゆる「身内贔屓」がこれに当たり、自身が所属する集団のためならコンプライアンスに抵触する行動をいとわなくなったり、格下とみなした集団を差別したりする可能性があります。
内集団バイアスが強いと、たとえ社内の人同士であっても自部署以外の人に対する差別的思考が形成され、公正な人事評価を阻害するおそれがあるのです。ダニング=クルーガー効果

自己評価と実際の評価の差を正確に認識できず、自身の能力を過大評価する場外を「ダニング=クルーガー効果」と呼びます。
自身の能力を正しく認識する「メタ認知能力」の不足が原因で起こり、自身の能力では解決できない業務を引き受けたり、慢心による学習意欲の低下を招いたりするおそれがあります。
周囲にとってはパフォーマンスの低い社員が問題行動を起こしているように見えるため、組織内の人間関係が悪化する原因になるでしょう。ハロー効果

目立った特徴に気を取られ、他の特徴に関する評価も歪められてしまう状態を「ハロー効果」と呼び、2つの種類に分けられます。- ポジティブ・ハロー効果:一部の能力や肩書きの評価が高いと感じた際、関係のない部分についても高く評価してしまう状態。
- ネガティブ・ハロー効果:ポジティブ・ハロー効果とは真逆の現象で、一部の能力や肩書きの評価が低いと感じた際、それ以外の部分にも低評価をくだす状態。
例えば営業職の中途採用面接で、体育会系で明朗な話し方をする求職者を営業に向いていると判断するのはポジティブ・ハロー効果。一方で、大人しく落ち着いた話し方をする求職者は営業に不向きだと判断するのはネガティブ・ハロー効果です。
このように、目立つ印象だけに気をとられて全体を評価すると、採用ミスマッチや不公平な人事評価につながる可能性があります。コンコルド効果

これまでに費やしてきたお金や労力が無駄になるのを惜しみ、損をすると分かっていても投資や事業の継続をやめられなくなる状態を「コンコルド効果」と呼びます。
収益が見込めないと分かっている事業やプロジェクトに対し、これまで費やしたコストを惜しんで撤退できなくなるのがこれに当たります。
経営者がコンコルド効果で冷静な判断を欠けば、最終的に企業へ多大な損害を与えるのは明白です。バイアスの使い方と例文
バイアスにはさまざまな意味がありますが、ビジネスシーンにおける使い方は以下の例文のようになります。「バイアスがかかる」の使い方と例文
主観的な思い込みにより、特定の物事や人物を偏った見方で判断するのを「バイアスがかかる」と表現します。使い方は以下のとおりです。・うちの上司は女性に対するバイアスがかかっており、業務を平等に割り振ってくれない。
・「中高年の社員はPCが使えない」というバイアスがかかっているこの例文のように、ネガティブなイメージで使われるケースがほとんどです。「バイアスをかける」の使い方と例文
「バイアスがかかる」とは反対の意味で、先入観や偏見を意図的に植え付けることを指します。使い方を見てみましょう。・社長は社員にバイアスをかけるような言動をすべきではない。
・あなたの意見には主観が多く含まれており、多くの人にバイアスをかけるおそれがあるので公言は控えたほうがいい。「バイアスをかける」行動を指摘・否定するような使い方をしています。バイアスが企業にもたらす4つの弊害
バイアスを放置すると企業内外の評判が著しく低下し、業務運営に大きな弊害をもたらします。- ハラスメント
- 人事評価エラー
- 偏った採用評価
- 組織全体のモチベーション低下
上記4つの弊害について、以下で詳しく解説します。ハラスメント
バイアスがかかった社員がさまざまなハラスメントを引き起こす可能性があります。例えば以下のような価値観はハラスメントの原因になると考えられるでしょう。- お茶出しや電話応対は女性の仕事だから、男性はやらなくていい。
- 残業している上司をおいて帰宅する部下は不真面目だ。
- 前例がない提案はリスクがあるので採用しない方針だ。
- 今どきの若者は飲み会に参加しない人が多く、コミュニケーションに問題がある。
上記のような固定観念や偏見を放置すると、特定の人物や集団に対するハラスメントが横行し、組織全体の士気や評判が損なわれます。
【関連記事:ハラスメントとは?パワハラ防止法や種類、アセスメントツールによる対策も紹介】人事評価エラー
人事評価にバイアスがかかると、業務適性がある社員の活躍を阻害したり、成長や挑戦の機会が失われたりする懸念があります。
具体的には、以下のような偏った思考で決めつけるケースが当てはまります。- スポーツが得意な人こそ営業職に向いている。
- 今年の新卒は高学歴揃いだから、将来とても優秀な社員になるだろう。
- 女性社員は結婚や出産で仕事に穴をあけるから、管理職には向いていない。
- この社員は長年経理部だったから、今後も経理部にいてもらうのが一番だ。
「スポーツが得意 = 営業職」「高学歴 = 優秀」のように、特定のポジティブな一面のみを切り取って評価すると、業務でギャップが表れた時に著しく評価が下がります。
また、本来は適性があるにもかかわらず「女性だから」「長年経理部だから」と決めつけると、活躍の機会を奪ってしまうでしょう。
結果的に、人事評価エラーは適材適所の人材配置を阻害し、組織の生産性を低下させるのです。偏った採用評価
面接官にバイアスがかかっていると、重大な評価ミスを引き起こす可能性があります。
例えば特定の大学出身者を優遇したり、会話の印象だけで採否を判断したりするのは、求職者本人を正しく評価しているとは言い難いでしょう。
色眼鏡だけで求職者を判断すれば、人材ミスマッチの頻発や優秀な人材を逃してしまいます。
面接の質問内容や見るべきポイントについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事:良い人材を採用するために面接で判断すること】
【関連記事:初めての面接官!やり方や注意点、質問例を解説】
【関連記事:【面接官必見】面接の質問内容は?流れ別・状況別の質問80選】組織全体のモチベーション低下
バイアスがかかった言動が蔓延すると組織全体のモチベーションが低下し、人間関係の悪化・成長の阻害・離職率の増加・イノベーション創出の機会を失うといった悪影響が出てきます。
バイアスは日常的に存在するものですが、企業風土や時代の流れにそぐわないバイアスを持っていると、ハラスメントや歪んだ人事・採用評価につながるでしょう。
一人ひとりが持ちうるバイアスを適切に改善することは、企業の健全な経営を存続させるのに不可欠な要素と言っても過言ではありません。
次項では、そんなバイアスの改善方法を6つ紹介します。バイアスを改善する6つの対処法
バイアスがかかった状態を改善し、事実や客観的な根拠に基づく判断を下すには、以下6つの対処法を試してみるのが効果的です。- 第三者の意見を冷静に聞き入れる
- 客観的事実と意見を分ける
- 直感や前提を疑う
- 明確な判断基準を作る
- 公正な人事評価制度を構築する
- 社内研修でバイアスを正しく認識する
具体的な内容を見ていきましょう。第三者の意見を冷静に聞き入れる
自身がバイアスにかかっていないかを判断するには、第三者の意見を聞いたうえで客観的に考えるのが効果的です。
自分自身の考えに頼りすぎると、弊害をもたらすバイアスに気が付きにくいでしょう。しかし、自分とは反対の意見にも耳を傾けることにより、自分では気が付かなかった視点を取り入れられます。
その際、反対意見でも冷静に傾聴するのを心がけましょう。感情的に反論してしまうと、活発な意見の交換が妨げられます。
複数の意見を取り入れたうえで自身の考えを調整する習慣が身につけば、おのずと反対の意見は少なくなるでしょう。客観的事実と意見を分ける
バイアスによって偏った結論を出さないためにも、人の意見を鵜呑みにせず、客観的事実に基づくデータや過去の実績を分析したうえで結論を出しましょう。
日本人はしばしばグレーな判断を下すため、曖昧になった事実を正しく判断しようと一人ひとりが異なる結論を導き出すため、自然とバイアスにかかりやすくなります。
そのため、人の意見と客観的事実は別物であると認識し、事実に基づく情報を収集する習慣を身につけましょう。直感や前提を疑う
人間の脳は、すべての情報を長時間かけて処理する訳ではなく、脳の負担を軽減させるために「これまでの経験に基づく直感的判断」を行いますが、こうした脳のクセがバイアスを引き起こします。
すなわち直感や前提で導き出された結論を疑い、多くの情報から因果関係を分析したうえで、なにが正しいのかを判断するのが大切なのです。
自身や第三者の考えに先入観が混じっていないか、常に検討する習慣を身につけましょう。明確な判断基準を作る
バイアスがかかった判断を回避するには、組織や個人で明確な判断基準を設けるのがポイントです。
客観的事実の分析はバイアスを取り除く有効な手段ですが、時に外的要因の影響を受けるため、やってみないと結果が分からないケースも多くあります。
こうした事態に備えて、組織全体で判断基準を共有することが必要です。組織の理念や方針にしたがって、例えば、以下のような判断基準を設けます。- 迷ったら「まじめ」な意見を選ぶ。
- 迷ったら「顧客第一」を選ぶ。
- 迷ったら「効率」を重視する。
決して曲げない判断基準を持つことで、意思決定のスピードや企業の評判を高めることにつながるでしょう。公正な人事評価制度を構築する
公正な人事評価制度の構築も、組織的なバイアスの偏りを防ぐのに効果的です。ここで、人事評価を適切に行う「3つの人事評価制度」と運用のポイントを解説します。成果評価
成果評価は一定期間の職務遂行で達成した実績を評価する項目です。営業職のように数値目標が明確な職種には導入しやすいと言えます。
【成果評価の例】- 業務目標の達成率
- 課題目標の達成率
- 契約件数
- 売上 など
数値は客観的に見ても明確な指標なので、公正な人事評価を構築しやすくなります。加えて社員が主体的に行動しモチベーションを高めるきっかけにつながるでしょう。
一方で、評価項目のみを重視した個人プレーの誘発や、成果が上がらない社員のモチベーション低下につながる可能性もあります。目標は組織全体で達成するものであると周知徹底したうえで部下との関係構築による悩みの解決を図り、成果評価の適切な運用を目指しましょう。能力評価
能力評価は、業務運営に必要なスキルや経験を評価する項目です。
【能力評価の例】- 企画力
- 交渉力
- リーダーシップ・指導力
- 専門スキルの習熟度 など
個人の能力についてはバイアスがかかりやすいため、いかに公正な評価を行うかが重要です。なおかつ経営状況や戦略の変化に応じて、評価項目を適宜見直す必要も出てくるでしょう。
しかし評価項目を見直す際は、現場で働く社員からヒアリングを行い、現在必要な能力がなにか、どの程度のレベルが望ましいのかを判断しなければなりません。それには莫大な時間と人的コストがかかり、コア業務の遂行に影響を及ぼします。
評価項目の見直しに必要な情報収集には、アセスメントツールの活用がおすすめです。例えばミイダスでは、ハイパフォーマーに共通する行動特性(コンピテンシー)を分析する「コンピテンシー診断」が利用可能です。
分析したコンピテンシーは、能力評価の基準となるコンピテンシーモデルの作成に役立てられます。15名まで無料でご利用いただけますので、まずは1分でできるアカウント登録をご検討ください。
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なお、コンピテンシーやアセスメントツールについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
【関連記事:アセスメントツールとは?導入方法や注意点をまとめて解説】情意評価
情意評価は「態度評価」とも呼ばれ、仕事に対する心構え・勤務態度といった人間性を評価する項目です。社員がいかに意欲を持って業務に取り組んでいるかを判断するため、評価者の主観が入りやすい項目といえます。
【情意評価の例】- 積極性
- 協調性
- 責任感
- 規律性
- コミュニケーション能力 など
目に見えない特徴を評価するには、より客観的に社員の特徴を把握できる制度を整えたり、どの点を改善してほしいかを具体的に言語化できるスキルを身につけたりする必要があるでしょう。
評価項目を策定する際は、コンピテンシー評価に加えてバリュー評価も併用すると、より公正な評価基準を設定できます。バリュー評価とは、企業のバリュー(価値観・行動基準)が実践できているかを評価するものです。
バリュー評価では、上司・同僚・部下も含めて、一人を多角的な視点で評価します。それぞれの課題・役割・優れている点をフィードバックすることで、客観的に課題や長所を把握し成長機会につなげられます。
ただし、評価者に偏ったバイアスがかかっていると、適切な評価結果となりません。主観で評価をする人に対する指摘が必要な場面もあるものと覚えておきましょう。社内研修でバイアスを正しく認識する
組織全体でバイアスの種類や対処法を認識させる方法として「アンコンシャス・バイアス研修」の導入が検討できます。
株式会社リスキル・株式会社クオリア・ダイヤモンド社などの企業がアンコンシャス・バイアス研修のサービス提供を実施しているほか、株式会社メルカリが無料公開したバイアス研修資料もあります。
【メルカリ無料公開資料】
Unconscious Bias Workshop 無意識バイアスワークショップ
無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ・ファシリテーターガイド
バイアスは誰もが持ち得るものなので、一人ひとりが自身のバイアスと向き合い調整する必要があります。こうした自制心を醸成するためにも、バイアス研修の導入を前向きに検討していきましょう。バイアスを学びたい方向けのビジネス本2選バイアスについて理解を深めたい方は、以下で紹介する2つの書籍を参考にしてみてください。- 「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
- 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
いずれも分かりやすく、初心者にも優しい内容になっています。「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
守屋 智敬 著・かんき出版(2019年)
人事や管理職向けに書かれた本書ですが、非常に分かりやすく「アンコンシャス・バイアス」とはなにか、どう対処すれば良いかが掲載されているため、誰が読んでも納得ができる内容になっています。
バイアスについての基礎知識から始まり、自分自身のバイアスに気づく方法と対処が網羅されており、偏ったバイアスに振り回されない組織や個人になるきっかけになるでしょう。
文字の分量も多すぎず、仕事の合間に読むのにも適しています。
「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない丨Amazon情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
情報文化研究所(米田 紘康・竹村 祐亮・石井 慶子)著・高橋 昌一郎監修・フォレスト出版(2022年)
計60のバイアスを「行動経済学」「統計学」「情報学」の分野からアプローチした本書は、大ボリュームにもかかわらず、豊富な図解とイラストで非常に読みやすい内容となっています。
バイアスがかかる場面は仕事だけでなく、日常生活でも大きな影響を与えます。マスコミ・差別・誹謗中傷といった物事が、どのバイアスの組み合わせで成り立っているのかも平易に解説されています。
本書を熟読すればバイアスがいかなるものかを正しく認識し、人生のさまざまな場面で適切な判断ができるようになるでしょう。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編丨Amazon組織や個人のバイアスを把握・改善するには「ミイダス」
「組織や個人のバイアスを把握・改善したい」とお考えの方には、アセスメントリクルーティングサービスの「ミイダス」をおすすめします。
社員の行動特性(コンピテンシー)や業務適性の分析・可視化に加えて、組織内の問題点を洗い出すことも可能です。
具体的な診断項目や内容について見ていきましょう。バイアス診断ゲーム
NTTデータ研究所とミイダスが共同開発した「バイアス診断ゲーム」は、認知バイアスを測定できるアセスメントツールです。
診断にかかる時間は約30分×2回の計60分で、社員と求職者のバイアスを次の診断項目に当てはめていきます。
【バイアス診断ゲーム診断項目】フレーミング効果 表現方法によって判断が変わりにくいか。 現状維持 未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い、現状維持をしたいか。 サンクコスト効果 一度リソースを投資したものの回収できないとわかった場合に、投資し続けてしまうか。 現在志向 将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くか。 衝動制御 自分の衝動をコントロールし、集中力を持続させるか。 予測態度 不確かで見通しの悪い状況でも、冷静に規則性や法則性を判断しようとするか。 リスク許容度 リスクを取ることに対する許容度。 協力行動 集団内で行動するときの利益の考え方。 全体注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、俯瞰的に考えて意思決定するか。 焦点注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するか。 否定的感情 物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ。
診断結果をマネジメントの現場で活用したり、社風や価値観に合致する求職者の採用に役立てたりと、バイアス診断ゲームの結果を活かせるシーンは多岐に渡ります。
【関連記事:採用面接を補うバイアス診断ゲームとは?面接だけで決めない中途採用が重要に!】コンピテンシー診断
組織で活躍できる人材の特徴・組織体質・社風などを診断可能なミイダスの「コンピテンシー診断」は、次のコンピテンシー項目と定義によって細かく分析します。
【コンピテンシー診断項目】コンピテンシー項目 コンピテンシー定義 ヴァイタリティ 活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。
競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 人あたり 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 チームワーク 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。 創造的思考力 創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 問題解決力 データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 状況適応力 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 プレッシャーへの耐力 余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。
タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 オーガナイズ能力 先見性
長期的な味方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。
緻密
物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 統率力 指導性
リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。
コンピテンシー診断の活用により、一人ひとりの「見えない特性」が詳細に可視化されるため、情意評価などで偏ったバイアスがかかる事態を防ぐことが可能です。
【関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説】フィッティング人材分析
コンピテンシー診断の結果を元に、自社に適した人材の傾向を分析するツールが「フィッテング人材分析」です。
主に採用時の見極めの精度を高めるのに使用します。採用時のスキルや能力だけでは判断ができない「本来持つ個人の特性」を分析し、より自社にフィットする人材を抽出可能です。
あらかじめコンピテンシー診断でバイアスの有無を分析してからフィッティング人材分析を実施するため、高い精度で活躍人材の洗い出しが可能となるのです。
自社にフィットする人材が採用できれば、以下のメリットが得られます。- 企業風土や人間関係のミスマッチ防止
- 業務内容や雇用条件とのミスマッチ防止
- 採用コストの削減
- 採用活動の効率化
- 早期離職の防止
- 組織全体の生産性向上
気になるミイダスの料金体系ですが、定額・追加料金なしで導入しやすいのが大きなメリットです。既存社員や求職者のバイアスを把握し、改善や採用に役立てたい方はぜひミイダスをご利用ください。
【簡単1分!ミイダスの無料アカウント登録はこちら】ちなみに、ミイダスをご契約いただいた法人様限定コンテンツ「バイアス診断ゲーム研修講座」もご利用いただけます。バイアス診断ゲームの結果をリーダー育成に活かす方法を、短時間で閲覧できる動画教材として提供しています。
この中からバイアス診断ゲームを学べる研修動画がまるごと1本無料で視聴できます。
ぜひご覧ください。

アンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)とも呼ばれ、無意識のうちに見方やとらえ方が偏り、なにげない普段の言動に現れます。
これまでの生活習慣や経験で培われたバイアスを取り除くのは難しいものの、悪いバイアスがかかった言動を見過ごせば、ハラスメントの横行やモチベーション低下などの弊害が生まれるのです。
そのためマネジメントの現場では、バイアスに関する知識や対処法を社員に定着させ、企業や組織の運営に適した判断力の育成が必須といえます。
次項では、ビジネスに影響するアンコンシャス・バイアスの種類を紹介します。
一口にバイアスと言っても、その種類は多岐にわたります。今回はビジネスの現場で影響を及ぼすバイアスを10種類紹介します。
正常性バイアス

予想外の事態や、明らかに問題がある出来事に遭遇しても、自身にとって都合の悪い情報を無視してしまい、「自分は大丈夫」と認識する状態を「正常性バイアス」と言います。
例えば同業他社が経営不振に陥って倒産したとの情報を耳にした際、「うちの会社は他社と違って倒産しないだろう」と根拠もなく思い込むのも正常性バイアスの効果です。
物事を客観的に判断する能力が乏しくなることから、事業や組織運営に多大な影響を及ぼします。
例えば同業他社が経営不振に陥って倒産したとの情報を耳にした際、「うちの会社は他社と違って倒産しないだろう」と根拠もなく思い込むのも正常性バイアスの効果です。
物事を客観的に判断する能力が乏しくなることから、事業や組織運営に多大な影響を及ぼします。
同調性バイアス

従来の方法や多数派が取る行動に同調し行動しようとする状態を「同調性バイアス」と呼びます。多数派同調バイアス・集団同調性バイアスとも呼ばれます。
同調性バイアスの強い社員が集まると、会議で多数派の意見ばかりが採用され、意見交換しにくい雰囲気になり、結果としてイノベーションが生まれなくなる懸念が。
他にもハラスメントや不正の現場を目撃した際、多くの社員が見てみぬ振りをしていれば、自分もそのように振る舞おうとする傾向があります。重大なコンプライアンス違反を招くバイアスと言えるでしょう。
同調性バイアスの強い社員が集まると、会議で多数派の意見ばかりが採用され、意見交換しにくい雰囲気になり、結果としてイノベーションが生まれなくなる懸念が。
他にもハラスメントや不正の現場を目撃した際、多くの社員が見てみぬ振りをしていれば、自分もそのように振る舞おうとする傾向があります。重大なコンプライアンス違反を招くバイアスと言えるでしょう。
生存者バイアス

企業や個人の成功例ばかりに注目し、その他多くの失敗例を顧みない状態を「生存者バイアス」と呼びます。
例えば、急成長した同業他社のマネジメント手法を見て「自社に取り入れれば成功できる!」と考えるのも生存者バイアスです。しかし失敗事例を無視したまま戦略を練ることになるため、結果的に失敗する可能性が高くなります。
例えば、急成長した同業他社のマネジメント手法を見て「自社に取り入れれば成功できる!」と考えるのも生存者バイアスです。しかし失敗事例を無視したまま戦略を練ることになるため、結果的に失敗する可能性が高くなります。
後知恵バイアス

物事の結果を見て、結果を予測していたかのように判断し、自身の経験や知識を過大評価する状態を「後知恵バイアス」と呼びます。
後知恵バイアスを持つ社員が多いと失敗を責める風潮が蔓延し、新たな挑戦をしようとする空気が生まれなくなります。企業の成長に著しい影響を及ぼすでしょう。
後知恵バイアスを持つ社員が多いと失敗を責める風潮が蔓延し、新たな挑戦をしようとする空気が生まれなくなります。企業の成長に著しい影響を及ぼすでしょう。
確証バイアス

自身の偏った考え方や思い込みを正当化する根拠となる情報だけを収集し、不都合な情報を無視してしまう状態を「確証バイアス」と呼びます。
採用面接の質疑応答で不安材料になる回答をした候補者に対し、「当社は一流大学出身者が多く活躍しているから問題ない」と偏った判断で採用した結果、ミスマッチが発覚して早期離職を引き起こす可能性があります。
都合の悪い情報に目を瞑れば、結果的に企業も社員も不利益を被るのです。
採用面接の質疑応答で不安材料になる回答をした候補者に対し、「当社は一流大学出身者が多く活躍しているから問題ない」と偏った判断で採用した結果、ミスマッチが発覚して早期離職を引き起こす可能性があります。
都合の悪い情報に目を瞑れば、結果的に企業も社員も不利益を被るのです。
自己奉仕バイアス

物事が成功したときは自身の能力によるものと考え、失敗したときは外的要因に責任転嫁する状態を「自己奉仕バイアス」と呼びます。
自尊心を保つ際に自己奉仕バイアスは現れやすく、例えばチームで優れた成果を出した時は「優秀な自分のおかげ」と過信し、反対に成果が思わしくないときは「チームメンバーの能力が不十分なせいだ」と責任逃れをします。
自己奉仕バイアスが強すぎる社員がいると組織内のコミュニケーションに影響を及ぼし、軋轢が生まれる原因となるでしょう。
自尊心を保つ際に自己奉仕バイアスは現れやすく、例えばチームで優れた成果を出した時は「優秀な自分のおかげ」と過信し、反対に成果が思わしくないときは「チームメンバーの能力が不十分なせいだ」と責任逃れをします。
自己奉仕バイアスが強すぎる社員がいると組織内のコミュニケーションに影響を及ぼし、軋轢が生まれる原因となるでしょう。
内集団バイアス

自身が所属する集団を、他の集団よりも高く評価する状態を「内集団バイアス」と呼びます。
いわゆる「身内贔屓」がこれに当たり、自身が所属する集団のためならコンプライアンスに抵触する行動をいとわなくなったり、格下とみなした集団を差別したりする可能性があります。
内集団バイアスが強いと、たとえ社内の人同士であっても自部署以外の人に対する差別的思考が形成され、公正な人事評価を阻害するおそれがあるのです。
いわゆる「身内贔屓」がこれに当たり、自身が所属する集団のためならコンプライアンスに抵触する行動をいとわなくなったり、格下とみなした集団を差別したりする可能性があります。
内集団バイアスが強いと、たとえ社内の人同士であっても自部署以外の人に対する差別的思考が形成され、公正な人事評価を阻害するおそれがあるのです。
ダニング=クルーガー効果

自己評価と実際の評価の差を正確に認識できず、自身の能力を過大評価する場外を「ダニング=クルーガー効果」と呼びます。
自身の能力を正しく認識する「メタ認知能力」の不足が原因で起こり、自身の能力では解決できない業務を引き受けたり、慢心による学習意欲の低下を招いたりするおそれがあります。
周囲にとってはパフォーマンスの低い社員が問題行動を起こしているように見えるため、組織内の人間関係が悪化する原因になるでしょう。
自身の能力を正しく認識する「メタ認知能力」の不足が原因で起こり、自身の能力では解決できない業務を引き受けたり、慢心による学習意欲の低下を招いたりするおそれがあります。
周囲にとってはパフォーマンスの低い社員が問題行動を起こしているように見えるため、組織内の人間関係が悪化する原因になるでしょう。
ハロー効果

目立った特徴に気を取られ、他の特徴に関する評価も歪められてしまう状態を「ハロー効果」と呼び、2つの種類に分けられます。
- ポジティブ・ハロー効果:一部の能力や肩書きの評価が高いと感じた際、関係のない部分についても高く評価してしまう状態。
- ネガティブ・ハロー効果:ポジティブ・ハロー効果とは真逆の現象で、一部の能力や肩書きの評価が低いと感じた際、それ以外の部分にも低評価をくだす状態。
例えば営業職の中途採用面接で、体育会系で明朗な話し方をする求職者を営業に向いていると判断するのはポジティブ・ハロー効果。一方で、大人しく落ち着いた話し方をする求職者は営業に不向きだと判断するのはネガティブ・ハロー効果です。
このように、目立つ印象だけに気をとられて全体を評価すると、採用ミスマッチや不公平な人事評価につながる可能性があります。
このように、目立つ印象だけに気をとられて全体を評価すると、採用ミスマッチや不公平な人事評価につながる可能性があります。
コンコルド効果

これまでに費やしてきたお金や労力が無駄になるのを惜しみ、損をすると分かっていても投資や事業の継続をやめられなくなる状態を「コンコルド効果」と呼びます。
収益が見込めないと分かっている事業やプロジェクトに対し、これまで費やしたコストを惜しんで撤退できなくなるのがこれに当たります。
経営者がコンコルド効果で冷静な判断を欠けば、最終的に企業へ多大な損害を与えるのは明白です。
収益が見込めないと分かっている事業やプロジェクトに対し、これまで費やしたコストを惜しんで撤退できなくなるのがこれに当たります。
経営者がコンコルド効果で冷静な判断を欠けば、最終的に企業へ多大な損害を与えるのは明白です。
バイアスの使い方と例文
バイアスにはさまざまな意味がありますが、ビジネスシーンにおける使い方は以下の例文のようになります。「バイアスがかかる」の使い方と例文
主観的な思い込みにより、特定の物事や人物を偏った見方で判断するのを「バイアスがかかる」と表現します。使い方は以下のとおりです。・うちの上司は女性に対するバイアスがかかっており、業務を平等に割り振ってくれない。
・「中高年の社員はPCが使えない」というバイアスがかかっているこの例文のように、ネガティブなイメージで使われるケースがほとんどです。「バイアスをかける」の使い方と例文
「バイアスがかかる」とは反対の意味で、先入観や偏見を意図的に植え付けることを指します。使い方を見てみましょう。・社長は社員にバイアスをかけるような言動をすべきではない。
・あなたの意見には主観が多く含まれており、多くの人にバイアスをかけるおそれがあるので公言は控えたほうがいい。「バイアスをかける」行動を指摘・否定するような使い方をしています。バイアスが企業にもたらす4つの弊害
バイアスを放置すると企業内外の評判が著しく低下し、業務運営に大きな弊害をもたらします。- ハラスメント
- 人事評価エラー
- 偏った採用評価
- 組織全体のモチベーション低下
上記4つの弊害について、以下で詳しく解説します。ハラスメント
バイアスがかかった社員がさまざまなハラスメントを引き起こす可能性があります。例えば以下のような価値観はハラスメントの原因になると考えられるでしょう。- お茶出しや電話応対は女性の仕事だから、男性はやらなくていい。
- 残業している上司をおいて帰宅する部下は不真面目だ。
- 前例がない提案はリスクがあるので採用しない方針だ。
- 今どきの若者は飲み会に参加しない人が多く、コミュニケーションに問題がある。
上記のような固定観念や偏見を放置すると、特定の人物や集団に対するハラスメントが横行し、組織全体の士気や評判が損なわれます。
【関連記事:ハラスメントとは?パワハラ防止法や種類、アセスメントツールによる対策も紹介】人事評価エラー
人事評価にバイアスがかかると、業務適性がある社員の活躍を阻害したり、成長や挑戦の機会が失われたりする懸念があります。
具体的には、以下のような偏った思考で決めつけるケースが当てはまります。- スポーツが得意な人こそ営業職に向いている。
- 今年の新卒は高学歴揃いだから、将来とても優秀な社員になるだろう。
- 女性社員は結婚や出産で仕事に穴をあけるから、管理職には向いていない。
- この社員は長年経理部だったから、今後も経理部にいてもらうのが一番だ。
「スポーツが得意 = 営業職」「高学歴 = 優秀」のように、特定のポジティブな一面のみを切り取って評価すると、業務でギャップが表れた時に著しく評価が下がります。
また、本来は適性があるにもかかわらず「女性だから」「長年経理部だから」と決めつけると、活躍の機会を奪ってしまうでしょう。
結果的に、人事評価エラーは適材適所の人材配置を阻害し、組織の生産性を低下させるのです。偏った採用評価
面接官にバイアスがかかっていると、重大な評価ミスを引き起こす可能性があります。
例えば特定の大学出身者を優遇したり、会話の印象だけで採否を判断したりするのは、求職者本人を正しく評価しているとは言い難いでしょう。
色眼鏡だけで求職者を判断すれば、人材ミスマッチの頻発や優秀な人材を逃してしまいます。
面接の質問内容や見るべきポイントについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事:良い人材を採用するために面接で判断すること】
【関連記事:初めての面接官!やり方や注意点、質問例を解説】
【関連記事:【面接官必見】面接の質問内容は?流れ別・状況別の質問80選】組織全体のモチベーション低下
バイアスがかかった言動が蔓延すると組織全体のモチベーションが低下し、人間関係の悪化・成長の阻害・離職率の増加・イノベーション創出の機会を失うといった悪影響が出てきます。
バイアスは日常的に存在するものですが、企業風土や時代の流れにそぐわないバイアスを持っていると、ハラスメントや歪んだ人事・採用評価につながるでしょう。
一人ひとりが持ちうるバイアスを適切に改善することは、企業の健全な経営を存続させるのに不可欠な要素と言っても過言ではありません。
次項では、そんなバイアスの改善方法を6つ紹介します。バイアスを改善する6つの対処法
バイアスがかかった状態を改善し、事実や客観的な根拠に基づく判断を下すには、以下6つの対処法を試してみるのが効果的です。- 第三者の意見を冷静に聞き入れる
- 客観的事実と意見を分ける
- 直感や前提を疑う
- 明確な判断基準を作る
- 公正な人事評価制度を構築する
- 社内研修でバイアスを正しく認識する
具体的な内容を見ていきましょう。第三者の意見を冷静に聞き入れる
自身がバイアスにかかっていないかを判断するには、第三者の意見を聞いたうえで客観的に考えるのが効果的です。
自分自身の考えに頼りすぎると、弊害をもたらすバイアスに気が付きにくいでしょう。しかし、自分とは反対の意見にも耳を傾けることにより、自分では気が付かなかった視点を取り入れられます。
その際、反対意見でも冷静に傾聴するのを心がけましょう。感情的に反論してしまうと、活発な意見の交換が妨げられます。
複数の意見を取り入れたうえで自身の考えを調整する習慣が身につけば、おのずと反対の意見は少なくなるでしょう。客観的事実と意見を分ける
バイアスによって偏った結論を出さないためにも、人の意見を鵜呑みにせず、客観的事実に基づくデータや過去の実績を分析したうえで結論を出しましょう。
日本人はしばしばグレーな判断を下すため、曖昧になった事実を正しく判断しようと一人ひとりが異なる結論を導き出すため、自然とバイアスにかかりやすくなります。
そのため、人の意見と客観的事実は別物であると認識し、事実に基づく情報を収集する習慣を身につけましょう。直感や前提を疑う
人間の脳は、すべての情報を長時間かけて処理する訳ではなく、脳の負担を軽減させるために「これまでの経験に基づく直感的判断」を行いますが、こうした脳のクセがバイアスを引き起こします。
すなわち直感や前提で導き出された結論を疑い、多くの情報から因果関係を分析したうえで、なにが正しいのかを判断するのが大切なのです。
自身や第三者の考えに先入観が混じっていないか、常に検討する習慣を身につけましょう。明確な判断基準を作る
バイアスがかかった判断を回避するには、組織や個人で明確な判断基準を設けるのがポイントです。
客観的事実の分析はバイアスを取り除く有効な手段ですが、時に外的要因の影響を受けるため、やってみないと結果が分からないケースも多くあります。
こうした事態に備えて、組織全体で判断基準を共有することが必要です。組織の理念や方針にしたがって、例えば、以下のような判断基準を設けます。- 迷ったら「まじめ」な意見を選ぶ。
- 迷ったら「顧客第一」を選ぶ。
- 迷ったら「効率」を重視する。
決して曲げない判断基準を持つことで、意思決定のスピードや企業の評判を高めることにつながるでしょう。公正な人事評価制度を構築する
公正な人事評価制度の構築も、組織的なバイアスの偏りを防ぐのに効果的です。ここで、人事評価を適切に行う「3つの人事評価制度」と運用のポイントを解説します。成果評価
成果評価は一定期間の職務遂行で達成した実績を評価する項目です。営業職のように数値目標が明確な職種には導入しやすいと言えます。
【成果評価の例】- 業務目標の達成率
- 課題目標の達成率
- 契約件数
- 売上 など
数値は客観的に見ても明確な指標なので、公正な人事評価を構築しやすくなります。加えて社員が主体的に行動しモチベーションを高めるきっかけにつながるでしょう。
一方で、評価項目のみを重視した個人プレーの誘発や、成果が上がらない社員のモチベーション低下につながる可能性もあります。目標は組織全体で達成するものであると周知徹底したうえで部下との関係構築による悩みの解決を図り、成果評価の適切な運用を目指しましょう。能力評価
能力評価は、業務運営に必要なスキルや経験を評価する項目です。
【能力評価の例】- 企画力
- 交渉力
- リーダーシップ・指導力
- 専門スキルの習熟度 など
個人の能力についてはバイアスがかかりやすいため、いかに公正な評価を行うかが重要です。なおかつ経営状況や戦略の変化に応じて、評価項目を適宜見直す必要も出てくるでしょう。
しかし評価項目を見直す際は、現場で働く社員からヒアリングを行い、現在必要な能力がなにか、どの程度のレベルが望ましいのかを判断しなければなりません。それには莫大な時間と人的コストがかかり、コア業務の遂行に影響を及ぼします。
評価項目の見直しに必要な情報収集には、アセスメントツールの活用がおすすめです。例えばミイダスでは、ハイパフォーマーに共通する行動特性(コンピテンシー)を分析する「コンピテンシー診断」が利用可能です。
分析したコンピテンシーは、能力評価の基準となるコンピテンシーモデルの作成に役立てられます。15名まで無料でご利用いただけますので、まずは1分でできるアカウント登録をご検討ください。
【簡単1分!ミイダスの無料アカウント登録はこちら】
なお、コンピテンシーやアセスメントツールについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
【関連記事:アセスメントツールとは?導入方法や注意点をまとめて解説】情意評価
情意評価は「態度評価」とも呼ばれ、仕事に対する心構え・勤務態度といった人間性を評価する項目です。社員がいかに意欲を持って業務に取り組んでいるかを判断するため、評価者の主観が入りやすい項目といえます。
【情意評価の例】- 積極性
- 協調性
- 責任感
- 規律性
- コミュニケーション能力 など
目に見えない特徴を評価するには、より客観的に社員の特徴を把握できる制度を整えたり、どの点を改善してほしいかを具体的に言語化できるスキルを身につけたりする必要があるでしょう。
評価項目を策定する際は、コンピテンシー評価に加えてバリュー評価も併用すると、より公正な評価基準を設定できます。バリュー評価とは、企業のバリュー(価値観・行動基準)が実践できているかを評価するものです。
バリュー評価では、上司・同僚・部下も含めて、一人を多角的な視点で評価します。それぞれの課題・役割・優れている点をフィードバックすることで、客観的に課題や長所を把握し成長機会につなげられます。
ただし、評価者に偏ったバイアスがかかっていると、適切な評価結果となりません。主観で評価をする人に対する指摘が必要な場面もあるものと覚えておきましょう。社内研修でバイアスを正しく認識する
組織全体でバイアスの種類や対処法を認識させる方法として「アンコンシャス・バイアス研修」の導入が検討できます。
株式会社リスキル・株式会社クオリア・ダイヤモンド社などの企業がアンコンシャス・バイアス研修のサービス提供を実施しているほか、株式会社メルカリが無料公開したバイアス研修資料もあります。
【メルカリ無料公開資料】
Unconscious Bias Workshop 無意識バイアスワークショップ
無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ・ファシリテーターガイド
バイアスは誰もが持ち得るものなので、一人ひとりが自身のバイアスと向き合い調整する必要があります。こうした自制心を醸成するためにも、バイアス研修の導入を前向きに検討していきましょう。バイアスを学びたい方向けのビジネス本2選バイアスについて理解を深めたい方は、以下で紹介する2つの書籍を参考にしてみてください。- 「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
- 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
いずれも分かりやすく、初心者にも優しい内容になっています。「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
守屋 智敬 著・かんき出版(2019年)
人事や管理職向けに書かれた本書ですが、非常に分かりやすく「アンコンシャス・バイアス」とはなにか、どう対処すれば良いかが掲載されているため、誰が読んでも納得ができる内容になっています。
バイアスについての基礎知識から始まり、自分自身のバイアスに気づく方法と対処が網羅されており、偏ったバイアスに振り回されない組織や個人になるきっかけになるでしょう。
文字の分量も多すぎず、仕事の合間に読むのにも適しています。
「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない丨Amazon情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
情報文化研究所(米田 紘康・竹村 祐亮・石井 慶子)著・高橋 昌一郎監修・フォレスト出版(2022年)
計60のバイアスを「行動経済学」「統計学」「情報学」の分野からアプローチした本書は、大ボリュームにもかかわらず、豊富な図解とイラストで非常に読みやすい内容となっています。
バイアスがかかる場面は仕事だけでなく、日常生活でも大きな影響を与えます。マスコミ・差別・誹謗中傷といった物事が、どのバイアスの組み合わせで成り立っているのかも平易に解説されています。
本書を熟読すればバイアスがいかなるものかを正しく認識し、人生のさまざまな場面で適切な判断ができるようになるでしょう。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編丨Amazon組織や個人のバイアスを把握・改善するには「ミイダス」
「組織や個人のバイアスを把握・改善したい」とお考えの方には、アセスメントリクルーティングサービスの「ミイダス」をおすすめします。
社員の行動特性(コンピテンシー)や業務適性の分析・可視化に加えて、組織内の問題点を洗い出すことも可能です。
具体的な診断項目や内容について見ていきましょう。バイアス診断ゲーム
NTTデータ研究所とミイダスが共同開発した「バイアス診断ゲーム」は、認知バイアスを測定できるアセスメントツールです。
診断にかかる時間は約30分×2回の計60分で、社員と求職者のバイアスを次の診断項目に当てはめていきます。
【バイアス診断ゲーム診断項目】フレーミング効果 表現方法によって判断が変わりにくいか。 現状維持 未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い、現状維持をしたいか。 サンクコスト効果 一度リソースを投資したものの回収できないとわかった場合に、投資し続けてしまうか。 現在志向 将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くか。 衝動制御 自分の衝動をコントロールし、集中力を持続させるか。 予測態度 不確かで見通しの悪い状況でも、冷静に規則性や法則性を判断しようとするか。 リスク許容度 リスクを取ることに対する許容度。 協力行動 集団内で行動するときの利益の考え方。 全体注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、俯瞰的に考えて意思決定するか。 焦点注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するか。 否定的感情 物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ。
診断結果をマネジメントの現場で活用したり、社風や価値観に合致する求職者の採用に役立てたりと、バイアス診断ゲームの結果を活かせるシーンは多岐に渡ります。
【関連記事:採用面接を補うバイアス診断ゲームとは?面接だけで決めない中途採用が重要に!】コンピテンシー診断
組織で活躍できる人材の特徴・組織体質・社風などを診断可能なミイダスの「コンピテンシー診断」は、次のコンピテンシー項目と定義によって細かく分析します。
【コンピテンシー診断項目】コンピテンシー項目 コンピテンシー定義 ヴァイタリティ 活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。
競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 人あたり 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 チームワーク 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。 創造的思考力 創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 問題解決力 データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 状況適応力 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 プレッシャーへの耐力 余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。
タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 オーガナイズ能力 先見性
長期的な味方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。
緻密
物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 統率力 指導性
リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。
コンピテンシー診断の活用により、一人ひとりの「見えない特性」が詳細に可視化されるため、情意評価などで偏ったバイアスがかかる事態を防ぐことが可能です。
【関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説】フィッティング人材分析
コンピテンシー診断の結果を元に、自社に適した人材の傾向を分析するツールが「フィッテング人材分析」です。
主に採用時の見極めの精度を高めるのに使用します。採用時のスキルや能力だけでは判断ができない「本来持つ個人の特性」を分析し、より自社にフィットする人材を抽出可能です。
あらかじめコンピテンシー診断でバイアスの有無を分析してからフィッティング人材分析を実施するため、高い精度で活躍人材の洗い出しが可能となるのです。
自社にフィットする人材が採用できれば、以下のメリットが得られます。- 企業風土や人間関係のミスマッチ防止
- 業務内容や雇用条件とのミスマッチ防止
- 採用コストの削減
- 採用活動の効率化
- 早期離職の防止
- 組織全体の生産性向上
気になるミイダスの料金体系ですが、定額・追加料金なしで導入しやすいのが大きなメリットです。既存社員や求職者のバイアスを把握し、改善や採用に役立てたい方はぜひミイダスをご利用ください。
【簡単1分!ミイダスの無料アカウント登録はこちら】ちなみに、ミイダスをご契約いただいた法人様限定コンテンツ「バイアス診断ゲーム研修講座」もご利用いただけます。バイアス診断ゲームの結果をリーダー育成に活かす方法を、短時間で閲覧できる動画教材として提供しています。
この中からバイアス診断ゲームを学べる研修動画がまるごと1本無料で視聴できます。
ぜひご覧ください。

・「中高年の社員はPCが使えない」というバイアスがかかっている
・あなたの意見には主観が多く含まれており、多くの人にバイアスをかけるおそれがあるので公言は控えたほうがいい。

バイアスを放置すると企業内外の評判が著しく低下し、業務運営に大きな弊害をもたらします。
- ハラスメント
- 人事評価エラー
- 偏った採用評価
- 組織全体のモチベーション低下
上記4つの弊害について、以下で詳しく解説します。
ハラスメント
バイアスがかかった社員がさまざまなハラスメントを引き起こす可能性があります。例えば以下のような価値観はハラスメントの原因になると考えられるでしょう。
- お茶出しや電話応対は女性の仕事だから、男性はやらなくていい。
- 残業している上司をおいて帰宅する部下は不真面目だ。
- 前例がない提案はリスクがあるので採用しない方針だ。
- 今どきの若者は飲み会に参加しない人が多く、コミュニケーションに問題がある。
上記のような固定観念や偏見を放置すると、特定の人物や集団に対するハラスメントが横行し、組織全体の士気や評判が損なわれます。
【関連記事:ハラスメントとは?パワハラ防止法や種類、アセスメントツールによる対策も紹介】
【関連記事:ハラスメントとは?パワハラ防止法や種類、アセスメントツールによる対策も紹介】
人事評価エラー
人事評価にバイアスがかかると、業務適性がある社員の活躍を阻害したり、成長や挑戦の機会が失われたりする懸念があります。
具体的には、以下のような偏った思考で決めつけるケースが当てはまります。
具体的には、以下のような偏った思考で決めつけるケースが当てはまります。
- スポーツが得意な人こそ営業職に向いている。
- 今年の新卒は高学歴揃いだから、将来とても優秀な社員になるだろう。
- 女性社員は結婚や出産で仕事に穴をあけるから、管理職には向いていない。
- この社員は長年経理部だったから、今後も経理部にいてもらうのが一番だ。
「スポーツが得意 = 営業職」「高学歴 = 優秀」のように、特定のポジティブな一面のみを切り取って評価すると、業務でギャップが表れた時に著しく評価が下がります。
また、本来は適性があるにもかかわらず「女性だから」「長年経理部だから」と決めつけると、活躍の機会を奪ってしまうでしょう。
結果的に、人事評価エラーは適材適所の人材配置を阻害し、組織の生産性を低下させるのです。
また、本来は適性があるにもかかわらず「女性だから」「長年経理部だから」と決めつけると、活躍の機会を奪ってしまうでしょう。
結果的に、人事評価エラーは適材適所の人材配置を阻害し、組織の生産性を低下させるのです。
偏った採用評価
面接官にバイアスがかかっていると、重大な評価ミスを引き起こす可能性があります。
例えば特定の大学出身者を優遇したり、会話の印象だけで採否を判断したりするのは、求職者本人を正しく評価しているとは言い難いでしょう。
色眼鏡だけで求職者を判断すれば、人材ミスマッチの頻発や優秀な人材を逃してしまいます。
面接の質問内容や見るべきポイントについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事:良い人材を採用するために面接で判断すること】
【関連記事:初めての面接官!やり方や注意点、質問例を解説】
【関連記事:【面接官必見】面接の質問内容は?流れ別・状況別の質問80選】
例えば特定の大学出身者を優遇したり、会話の印象だけで採否を判断したりするのは、求職者本人を正しく評価しているとは言い難いでしょう。
色眼鏡だけで求職者を判断すれば、人材ミスマッチの頻発や優秀な人材を逃してしまいます。
面接の質問内容や見るべきポイントについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事:良い人材を採用するために面接で判断すること】
【関連記事:初めての面接官!やり方や注意点、質問例を解説】
【関連記事:【面接官必見】面接の質問内容は?流れ別・状況別の質問80選】
組織全体のモチベーション低下
バイアスがかかった言動が蔓延すると組織全体のモチベーションが低下し、人間関係の悪化・成長の阻害・離職率の増加・イノベーション創出の機会を失うといった悪影響が出てきます。
バイアスは日常的に存在するものですが、企業風土や時代の流れにそぐわないバイアスを持っていると、ハラスメントや歪んだ人事・採用評価につながるでしょう。
一人ひとりが持ちうるバイアスを適切に改善することは、企業の健全な経営を存続させるのに不可欠な要素と言っても過言ではありません。
次項では、そんなバイアスの改善方法を6つ紹介します。
バイアスは日常的に存在するものですが、企業風土や時代の流れにそぐわないバイアスを持っていると、ハラスメントや歪んだ人事・採用評価につながるでしょう。
一人ひとりが持ちうるバイアスを適切に改善することは、企業の健全な経営を存続させるのに不可欠な要素と言っても過言ではありません。
次項では、そんなバイアスの改善方法を6つ紹介します。
バイアスを改善する6つの対処法
バイアスがかかった状態を改善し、事実や客観的な根拠に基づく判断を下すには、以下6つの対処法を試してみるのが効果的です。- 第三者の意見を冷静に聞き入れる
- 客観的事実と意見を分ける
- 直感や前提を疑う
- 明確な判断基準を作る
- 公正な人事評価制度を構築する
- 社内研修でバイアスを正しく認識する
具体的な内容を見ていきましょう。第三者の意見を冷静に聞き入れる
自身がバイアスにかかっていないかを判断するには、第三者の意見を聞いたうえで客観的に考えるのが効果的です。
自分自身の考えに頼りすぎると、弊害をもたらすバイアスに気が付きにくいでしょう。しかし、自分とは反対の意見にも耳を傾けることにより、自分では気が付かなかった視点を取り入れられます。
その際、反対意見でも冷静に傾聴するのを心がけましょう。感情的に反論してしまうと、活発な意見の交換が妨げられます。
複数の意見を取り入れたうえで自身の考えを調整する習慣が身につけば、おのずと反対の意見は少なくなるでしょう。客観的事実と意見を分ける
バイアスによって偏った結論を出さないためにも、人の意見を鵜呑みにせず、客観的事実に基づくデータや過去の実績を分析したうえで結論を出しましょう。
日本人はしばしばグレーな判断を下すため、曖昧になった事実を正しく判断しようと一人ひとりが異なる結論を導き出すため、自然とバイアスにかかりやすくなります。
そのため、人の意見と客観的事実は別物であると認識し、事実に基づく情報を収集する習慣を身につけましょう。直感や前提を疑う
人間の脳は、すべての情報を長時間かけて処理する訳ではなく、脳の負担を軽減させるために「これまでの経験に基づく直感的判断」を行いますが、こうした脳のクセがバイアスを引き起こします。
すなわち直感や前提で導き出された結論を疑い、多くの情報から因果関係を分析したうえで、なにが正しいのかを判断するのが大切なのです。
自身や第三者の考えに先入観が混じっていないか、常に検討する習慣を身につけましょう。明確な判断基準を作る
バイアスがかかった判断を回避するには、組織や個人で明確な判断基準を設けるのがポイントです。
客観的事実の分析はバイアスを取り除く有効な手段ですが、時に外的要因の影響を受けるため、やってみないと結果が分からないケースも多くあります。
こうした事態に備えて、組織全体で判断基準を共有することが必要です。組織の理念や方針にしたがって、例えば、以下のような判断基準を設けます。- 迷ったら「まじめ」な意見を選ぶ。
- 迷ったら「顧客第一」を選ぶ。
- 迷ったら「効率」を重視する。
決して曲げない判断基準を持つことで、意思決定のスピードや企業の評判を高めることにつながるでしょう。公正な人事評価制度を構築する
公正な人事評価制度の構築も、組織的なバイアスの偏りを防ぐのに効果的です。ここで、人事評価を適切に行う「3つの人事評価制度」と運用のポイントを解説します。成果評価
成果評価は一定期間の職務遂行で達成した実績を評価する項目です。営業職のように数値目標が明確な職種には導入しやすいと言えます。
【成果評価の例】- 業務目標の達成率
- 課題目標の達成率
- 契約件数
- 売上 など
数値は客観的に見ても明確な指標なので、公正な人事評価を構築しやすくなります。加えて社員が主体的に行動しモチベーションを高めるきっかけにつながるでしょう。
一方で、評価項目のみを重視した個人プレーの誘発や、成果が上がらない社員のモチベーション低下につながる可能性もあります。目標は組織全体で達成するものであると周知徹底したうえで部下との関係構築による悩みの解決を図り、成果評価の適切な運用を目指しましょう。能力評価
能力評価は、業務運営に必要なスキルや経験を評価する項目です。
【能力評価の例】- 企画力
- 交渉力
- リーダーシップ・指導力
- 専門スキルの習熟度 など
個人の能力についてはバイアスがかかりやすいため、いかに公正な評価を行うかが重要です。なおかつ経営状況や戦略の変化に応じて、評価項目を適宜見直す必要も出てくるでしょう。
しかし評価項目を見直す際は、現場で働く社員からヒアリングを行い、現在必要な能力がなにか、どの程度のレベルが望ましいのかを判断しなければなりません。それには莫大な時間と人的コストがかかり、コア業務の遂行に影響を及ぼします。
評価項目の見直しに必要な情報収集には、アセスメントツールの活用がおすすめです。例えばミイダスでは、ハイパフォーマーに共通する行動特性(コンピテンシー)を分析する「コンピテンシー診断」が利用可能です。
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なお、コンピテンシーやアセスメントツールについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
【関連記事:アセスメントツールとは?導入方法や注意点をまとめて解説】情意評価
情意評価は「態度評価」とも呼ばれ、仕事に対する心構え・勤務態度といった人間性を評価する項目です。社員がいかに意欲を持って業務に取り組んでいるかを判断するため、評価者の主観が入りやすい項目といえます。
【情意評価の例】- 積極性
- 協調性
- 責任感
- 規律性
- コミュニケーション能力 など
目に見えない特徴を評価するには、より客観的に社員の特徴を把握できる制度を整えたり、どの点を改善してほしいかを具体的に言語化できるスキルを身につけたりする必要があるでしょう。
評価項目を策定する際は、コンピテンシー評価に加えてバリュー評価も併用すると、より公正な評価基準を設定できます。バリュー評価とは、企業のバリュー(価値観・行動基準)が実践できているかを評価するものです。
バリュー評価では、上司・同僚・部下も含めて、一人を多角的な視点で評価します。それぞれの課題・役割・優れている点をフィードバックすることで、客観的に課題や長所を把握し成長機会につなげられます。
ただし、評価者に偏ったバイアスがかかっていると、適切な評価結果となりません。主観で評価をする人に対する指摘が必要な場面もあるものと覚えておきましょう。社内研修でバイアスを正しく認識する
組織全体でバイアスの種類や対処法を認識させる方法として「アンコンシャス・バイアス研修」の導入が検討できます。
株式会社リスキル・株式会社クオリア・ダイヤモンド社などの企業がアンコンシャス・バイアス研修のサービス提供を実施しているほか、株式会社メルカリが無料公開したバイアス研修資料もあります。
【メルカリ無料公開資料】
Unconscious Bias Workshop 無意識バイアスワークショップ
無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ・ファシリテーターガイド
バイアスは誰もが持ち得るものなので、一人ひとりが自身のバイアスと向き合い調整する必要があります。こうした自制心を醸成するためにも、バイアス研修の導入を前向きに検討していきましょう。バイアスを学びたい方向けのビジネス本2選バイアスについて理解を深めたい方は、以下で紹介する2つの書籍を参考にしてみてください。- 「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
- 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
いずれも分かりやすく、初心者にも優しい内容になっています。「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
守屋 智敬 著・かんき出版(2019年)
人事や管理職向けに書かれた本書ですが、非常に分かりやすく「アンコンシャス・バイアス」とはなにか、どう対処すれば良いかが掲載されているため、誰が読んでも納得ができる内容になっています。
バイアスについての基礎知識から始まり、自分自身のバイアスに気づく方法と対処が網羅されており、偏ったバイアスに振り回されない組織や個人になるきっかけになるでしょう。
文字の分量も多すぎず、仕事の合間に読むのにも適しています。
「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない丨Amazon情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
情報文化研究所(米田 紘康・竹村 祐亮・石井 慶子)著・高橋 昌一郎監修・フォレスト出版(2022年)
計60のバイアスを「行動経済学」「統計学」「情報学」の分野からアプローチした本書は、大ボリュームにもかかわらず、豊富な図解とイラストで非常に読みやすい内容となっています。
バイアスがかかる場面は仕事だけでなく、日常生活でも大きな影響を与えます。マスコミ・差別・誹謗中傷といった物事が、どのバイアスの組み合わせで成り立っているのかも平易に解説されています。
本書を熟読すればバイアスがいかなるものかを正しく認識し、人生のさまざまな場面で適切な判断ができるようになるでしょう。
情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編丨Amazon組織や個人のバイアスを把握・改善するには「ミイダス」
「組織や個人のバイアスを把握・改善したい」とお考えの方には、アセスメントリクルーティングサービスの「ミイダス」をおすすめします。
社員の行動特性(コンピテンシー)や業務適性の分析・可視化に加えて、組織内の問題点を洗い出すことも可能です。
具体的な診断項目や内容について見ていきましょう。バイアス診断ゲーム
NTTデータ研究所とミイダスが共同開発した「バイアス診断ゲーム」は、認知バイアスを測定できるアセスメントツールです。
診断にかかる時間は約30分×2回の計60分で、社員と求職者のバイアスを次の診断項目に当てはめていきます。
【バイアス診断ゲーム診断項目】フレーミング効果 表現方法によって判断が変わりにくいか。 現状維持 未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い、現状維持をしたいか。 サンクコスト効果 一度リソースを投資したものの回収できないとわかった場合に、投資し続けてしまうか。 現在志向 将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くか。 衝動制御 自分の衝動をコントロールし、集中力を持続させるか。 予測態度 不確かで見通しの悪い状況でも、冷静に規則性や法則性を判断しようとするか。 リスク許容度 リスクを取ることに対する許容度。 協力行動 集団内で行動するときの利益の考え方。 全体注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、俯瞰的に考えて意思決定するか。 焦点注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するか。 否定的感情 物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ。
診断結果をマネジメントの現場で活用したり、社風や価値観に合致する求職者の採用に役立てたりと、バイアス診断ゲームの結果を活かせるシーンは多岐に渡ります。
【関連記事:採用面接を補うバイアス診断ゲームとは?面接だけで決めない中途採用が重要に!】コンピテンシー診断
組織で活躍できる人材の特徴・組織体質・社風などを診断可能なミイダスの「コンピテンシー診断」は、次のコンピテンシー項目と定義によって細かく分析します。
【コンピテンシー診断項目】コンピテンシー項目 コンピテンシー定義 ヴァイタリティ 活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。
競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 人あたり 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 チームワーク 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。 創造的思考力 創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 問題解決力 データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 状況適応力 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 プレッシャーへの耐力 余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。
タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 オーガナイズ能力 先見性
長期的な味方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。
緻密
物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 統率力 指導性
リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。
コンピテンシー診断の活用により、一人ひとりの「見えない特性」が詳細に可視化されるため、情意評価などで偏ったバイアスがかかる事態を防ぐことが可能です。
【関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説】フィッティング人材分析
コンピテンシー診断の結果を元に、自社に適した人材の傾向を分析するツールが「フィッテング人材分析」です。
主に採用時の見極めの精度を高めるのに使用します。採用時のスキルや能力だけでは判断ができない「本来持つ個人の特性」を分析し、より自社にフィットする人材を抽出可能です。
あらかじめコンピテンシー診断でバイアスの有無を分析してからフィッティング人材分析を実施するため、高い精度で活躍人材の洗い出しが可能となるのです。
自社にフィットする人材が採用できれば、以下のメリットが得られます。- 企業風土や人間関係のミスマッチ防止
- 業務内容や雇用条件とのミスマッチ防止
- 採用コストの削減
- 採用活動の効率化
- 早期離職の防止
- 組織全体の生産性向上
気になるミイダスの料金体系ですが、定額・追加料金なしで導入しやすいのが大きなメリットです。既存社員や求職者のバイアスを把握し、改善や採用に役立てたい方はぜひミイダスをご利用ください。
【簡単1分!ミイダスの無料アカウント登録はこちら】ちなみに、ミイダスをご契約いただいた法人様限定コンテンツ「バイアス診断ゲーム研修講座」もご利用いただけます。バイアス診断ゲームの結果をリーダー育成に活かす方法を、短時間で閲覧できる動画教材として提供しています。
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ぜひご覧ください。

自分自身の考えに頼りすぎると、弊害をもたらすバイアスに気が付きにくいでしょう。しかし、自分とは反対の意見にも耳を傾けることにより、自分では気が付かなかった視点を取り入れられます。
その際、反対意見でも冷静に傾聴するのを心がけましょう。感情的に反論してしまうと、活発な意見の交換が妨げられます。
複数の意見を取り入れたうえで自身の考えを調整する習慣が身につけば、おのずと反対の意見は少なくなるでしょう。
日本人はしばしばグレーな判断を下すため、曖昧になった事実を正しく判断しようと一人ひとりが異なる結論を導き出すため、自然とバイアスにかかりやすくなります。
そのため、人の意見と客観的事実は別物であると認識し、事実に基づく情報を収集する習慣を身につけましょう。
すなわち直感や前提で導き出された結論を疑い、多くの情報から因果関係を分析したうえで、なにが正しいのかを判断するのが大切なのです。
自身や第三者の考えに先入観が混じっていないか、常に検討する習慣を身につけましょう。
客観的事実の分析はバイアスを取り除く有効な手段ですが、時に外的要因の影響を受けるため、やってみないと結果が分からないケースも多くあります。
こうした事態に備えて、組織全体で判断基準を共有することが必要です。組織の理念や方針にしたがって、例えば、以下のような判断基準を設けます。
【成果評価の例】
一方で、評価項目のみを重視した個人プレーの誘発や、成果が上がらない社員のモチベーション低下につながる可能性もあります。目標は組織全体で達成するものであると周知徹底したうえで部下との関係構築による悩みの解決を図り、成果評価の適切な運用を目指しましょう。
【能力評価の例】
しかし評価項目を見直す際は、現場で働く社員からヒアリングを行い、現在必要な能力がなにか、どの程度のレベルが望ましいのかを判断しなければなりません。それには莫大な時間と人的コストがかかり、コア業務の遂行に影響を及ぼします。
評価項目の見直しに必要な情報収集には、アセスメントツールの活用がおすすめです。例えばミイダスでは、ハイパフォーマーに共通する行動特性(コンピテンシー)を分析する「コンピテンシー診断」が利用可能です。
分析したコンピテンシーは、能力評価の基準となるコンピテンシーモデルの作成に役立てられます。15名まで無料でご利用いただけますので、まずは1分でできるアカウント登録をご検討ください。
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なお、コンピテンシーやアセスメントツールについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
【関連記事:アセスメントツールとは?導入方法や注意点をまとめて解説】
【情意評価の例】
評価項目を策定する際は、コンピテンシー評価に加えてバリュー評価も併用すると、より公正な評価基準を設定できます。バリュー評価とは、企業のバリュー(価値観・行動基準)が実践できているかを評価するものです。
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ただし、評価者に偏ったバイアスがかかっていると、適切な評価結果となりません。主観で評価をする人に対する指摘が必要な場面もあるものと覚えておきましょう。
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無意識(アンコンシャス)バイアス ワークショップ・ファシリテーターガイド
バイアスは誰もが持ち得るものなので、一人ひとりが自身のバイアスと向き合い調整する必要があります。こうした自制心を醸成するためにも、バイアス研修の導入を前向きに検討していきましょう。
バイアスについて理解を深めたい方は、以下で紹介する2つの書籍を参考にしてみてください。
- 「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
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いずれも分かりやすく、初心者にも優しい内容になっています。
「アンコンシャス・バイアス」マネジメント 最高のリーダーは自分を信じない
守屋 智敬 著・かんき出版(2019年)
人事や管理職向けに書かれた本書ですが、非常に分かりやすく「アンコンシャス・バイアス」とはなにか、どう対処すれば良いかが掲載されているため、誰が読んでも納得ができる内容になっています。
バイアスについての基礎知識から始まり、自分自身のバイアスに気づく方法と対処が網羅されており、偏ったバイアスに振り回されない組織や個人になるきっかけになるでしょう。
文字の分量も多すぎず、仕事の合間に読むのにも適しています。
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人事や管理職向けに書かれた本書ですが、非常に分かりやすく「アンコンシャス・バイアス」とはなにか、どう対処すれば良いかが掲載されているため、誰が読んでも納得ができる内容になっています。
バイアスについての基礎知識から始まり、自分自身のバイアスに気づく方法と対処が網羅されており、偏ったバイアスに振り回されない組織や個人になるきっかけになるでしょう。
文字の分量も多すぎず、仕事の合間に読むのにも適しています。
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情報を正しく選択するための認知バイアス事典 行動経済学・統計学・情報学 編
情報文化研究所(米田 紘康・竹村 祐亮・石井 慶子)著・高橋 昌一郎監修・フォレスト出版(2022年)
計60のバイアスを「行動経済学」「統計学」「情報学」の分野からアプローチした本書は、大ボリュームにもかかわらず、豊富な図解とイラストで非常に読みやすい内容となっています。
バイアスがかかる場面は仕事だけでなく、日常生活でも大きな影響を与えます。マスコミ・差別・誹謗中傷といった物事が、どのバイアスの組み合わせで成り立っているのかも平易に解説されています。
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計60のバイアスを「行動経済学」「統計学」「情報学」の分野からアプローチした本書は、大ボリュームにもかかわらず、豊富な図解とイラストで非常に読みやすい内容となっています。
バイアスがかかる場面は仕事だけでなく、日常生活でも大きな影響を与えます。マスコミ・差別・誹謗中傷といった物事が、どのバイアスの組み合わせで成り立っているのかも平易に解説されています。
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組織や個人のバイアスを把握・改善するには「ミイダス」
「組織や個人のバイアスを把握・改善したい」とお考えの方には、アセスメントリクルーティングサービスの「ミイダス」をおすすめします。
社員の行動特性(コンピテンシー)や業務適性の分析・可視化に加えて、組織内の問題点を洗い出すことも可能です。
具体的な診断項目や内容について見ていきましょう。バイアス診断ゲーム
NTTデータ研究所とミイダスが共同開発した「バイアス診断ゲーム」は、認知バイアスを測定できるアセスメントツールです。
診断にかかる時間は約30分×2回の計60分で、社員と求職者のバイアスを次の診断項目に当てはめていきます。
【バイアス診断ゲーム診断項目】フレーミング効果 表現方法によって判断が変わりにくいか。 現状維持 未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い、現状維持をしたいか。 サンクコスト効果 一度リソースを投資したものの回収できないとわかった場合に、投資し続けてしまうか。 現在志向 将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くか。 衝動制御 自分の衝動をコントロールし、集中力を持続させるか。 予測態度 不確かで見通しの悪い状況でも、冷静に規則性や法則性を判断しようとするか。 リスク許容度 リスクを取ることに対する許容度。 協力行動 集団内で行動するときの利益の考え方。 全体注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、俯瞰的に考えて意思決定するか。 焦点注意 多くの情報から必要な情報を選択するときに、全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するか。 否定的感情 物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ。
診断結果をマネジメントの現場で活用したり、社風や価値観に合致する求職者の採用に役立てたりと、バイアス診断ゲームの結果を活かせるシーンは多岐に渡ります。
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組織で活躍できる人材の特徴・組織体質・社風などを診断可能なミイダスの「コンピテンシー診断」は、次のコンピテンシー項目と定義によって細かく分析します。
【コンピテンシー診断項目】コンピテンシー項目 コンピテンシー定義 ヴァイタリティ 活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。
競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 人あたり 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 チームワーク 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。 創造的思考力 創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 問題解決力 データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。
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理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 状況適応力 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 プレッシャーへの耐力 余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。
タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 オーガナイズ能力 先見性
長期的な味方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。
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コンピテンシー診断の結果を元に、自社に適した人材の傾向を分析するツールが「フィッテング人材分析」です。
主に採用時の見極めの精度を高めるのに使用します。採用時のスキルや能力だけでは判断ができない「本来持つ個人の特性」を分析し、より自社にフィットする人材を抽出可能です。
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具体的な診断項目や内容について見ていきましょう。
診断にかかる時間は約30分×2回の計60分で、社員と求職者のバイアスを次の診断項目に当てはめていきます。
【バイアス診断ゲーム診断項目】
フレーミング効果 | 表現方法によって判断が変わりにくいか。 |
現状維持 | 未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い、現状維持をしたいか。 |
サンクコスト効果 | 一度リソースを投資したものの回収できないとわかった場合に、投資し続けてしまうか。 |
現在志向 | 将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くか。 |
衝動制御 | 自分の衝動をコントロールし、集中力を持続させるか。 |
予測態度 | 不確かで見通しの悪い状況でも、冷静に規則性や法則性を判断しようとするか。 |
リスク許容度 | リスクを取ることに対する許容度。 |
協力行動 | 集団内で行動するときの利益の考え方。 |
全体注意 | 多くの情報から必要な情報を選択するときに、俯瞰的に考えて意思決定するか。 |
焦点注意 | 多くの情報から必要な情報を選択するときに、全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するか。 |
否定的感情 | 物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ。 |
【関連記事:採用面接を補うバイアス診断ゲームとは?面接だけで決めない中途採用が重要に!】
【コンピテンシー診断項目】
コンピテンシー項目 | コンピテンシー定義 |
ヴァイタリティ | 活動的 行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。 やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。 競争性 勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 |
人あたり | 社会性 初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。 面倒み 他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 |
チームワーク | 社会性 初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。 協議性 広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。 |
創造的思考力 | 創造的 新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。 概念性 理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 |
問題解決力 | データへの関心 数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。 概念性 理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 |
状況適応力 | 社会性 初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。 人間への関心 人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 |
プレッシャーへの耐力 | 余裕 リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。 タフ あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 |
オーガナイズ能力 | 先見性 長期的な味方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。 緻密 物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 |
統率力 | 指導性 リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。 協議性 広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。 |
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