会社組織のなかで「稟議にかける」「稟議をあげる」など、稟議について耳にすることは少なくありません。しかし、いざ稟議をあげる立場になったとき、制度のあらましやどのような手続きを行うのが正しいあり方なのかは案外知られていないものです。
本記事では、稟議制度について、その定義や目的、種類、流れ、メリット・デメリットから、承認・決裁をスムーズに進めるコツまで、網羅的に解説します。
稟議書の作成に苦労している方や稟議制度の導入を検討している方はもちろんのこと、承認・決裁のスピードアップを目指している方やコンプライアンスに関心のある方はぜひ最後までご覧ください。
稟議をあげる際には根拠資料を用意することも重要です。さまざまな切り口から人事に関するお役立ち資料をご用意しているページもあわせてご活用ください。
本記事では、稟議制度について、その定義や目的、種類、流れ、メリット・デメリットから、承認・決裁をスムーズに進めるコツまで、網羅的に解説します。
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▼この記事でわかること
稟議制度とは稟議制度とは、組織における意思決定の方法の一つで、複数の上司の承認を得て、重要な案件を進めるための仕組みです。一般的に、下位の担当者が起案した稟議書を上司が順に承認していくという流れで行われます。
稟議制度の定義
稟議制度は、組織における意思決定の際に関係者全員の合意形成を図り、責任の所在を明確にすることを目的とした制度です。単なる承認プロセスではなく、関係者間での情報共有や議論の場としての役割も担っています。
稟議書を作成することで、案件の背景や目的、内容などを明確化し、関係者間で共通認識を持つことができます。
稟議制度の目的
目的 説明 責任の明確化 誰がどのような決定に関与したかを明確にし、責任の所在を明らかにする 透明性の確保 意思決定のプロセスを可視化し、不正や不透明さを排除する 組織全体の意思決定の迅速化 関係者間の合意形成をスムーズに進め、意思決定を迅速化する リスクの軽減 複数の上司の承認を得ることで、リスクを事前に洗い出し軽減できる コンプライアンスの遵守 社内規定や法令に則った意思決定を行うための仕組みを提供する
経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を新しく取り入れたり、動かしたり、変更を加えたり、取りやめたりする場合の判断を正しく行い、経営を維持・向上させるために稟議制度があると考えられるでしょう。稟議が必要となる場合の例
稟議が必要となる場面は、企業の規模や業種によって異なりますが、一般的には以下のような場合が挙げられます。- 一定金額以上の支出(設備投資、備品購入、交際費など)
- 新規事業の立ち上げ
- 契約の締結・変更・解除(取引先との契約、雇用契約など)
- 社内規程の変更
- 人事異動(昇進、降格、転勤など)
- 情報システムの導入・変更
- 助成金・補助金の活用に伴う対応
- 経営計画・人事計画や予算案の立案 など
これらの例以外にも会社の重要な意思決定を伴う場合は、稟議が必要となるケースがあります。
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稟議制度の種類稟議制度には、大きく分けて以下の3つの種類があります。- 紙稟議
- Web稟議
- ワークフローシステム
それぞれ解説します。紙稟議
紙稟議は伝統的な稟議方式です。紙の稟議書を作成し、関係部署に回覧して承認を得る方法です。
導入コストが低いというメリットがある一方、稟議書の保管や管理に手間がかかったり、紛失のリスクがあったり、承認プロセスに時間がかかったりするデメリットがあります。
Web稟議
Web稟議は、電子化された稟議書をWebシステム上で回覧・承認する方法です。
ペーパーレス化によるコスト削減、承認プロセスの迅速化、進捗状況の可視化などのメリットがあり手間の削減や円滑化ができる方法です。一方で、システム導入コストやセキュリティ対策が必要となります。
ワークフローシステム
ワークフローシステムは、Web稟議システムの機能に加えてさまざまな業務プロセスを自動化できるシステムです。稟議プロセスだけではなく経費精算や勤怠管理など、複数の業務プロセスを統合管理することで、業務効率の向上や内部統制の強化を実現できます。
ワークフローシステムを導入することで、業務プロセスの標準化や業務効率の向上、人的ミスの削減、コンプライアンスの強化などの効果が期待できます。ただし、導入には一定のコストと時間が必要となるため、導入前に十分な検討が必要です。
Web稟議システムやワークフローシステムの導入を検討する際には、自社の業務規模やニーズに合った機能を備えているシステムを選ぶことだけではなく、システムがもたらす効果や成果に着目することが重要です。稟議の究極の目的である「経営の維持・向上」に最大限役立つシステムを選び、組織内によりよい成果を残すシステムを選びましょう。
【関連記事:採用DXとは?導入するメリットやミイダスの事例を紹介】
以下が稟議制度の種類別のメリット・デメリットをまとめたものです。
種類 説明 メリット デメリット 紙稟議 紙の稟議書を用いて、承認者間で回覧する方法 導入が容易で、特別なシステムや設備を必要としない ・稟議書の保管や管理に手間がかかる
・紛失のリスクがある
・承認者の所在によっては、回覧に時間がかかる場合もある Web稟議 電子化された稟議書をWebシステム上で回覧・承認する方法 ・紙稟議に比べて、稟議書の回覧・承認にかかる時間と手間を大幅に削減可能
・稟議書の保管場所が不要
・検索が容易
・進捗状況の確認がしやすい ・システムの導入・運用コストがかかる
・システムにアクセスできる環境が必要 ワークフローシステム ・Web稟議システムの一種
・稟議だけではなくその他の業務プロセスもシステム上で管理できるもの ・稟議だけではなく、関連する業務プロセス全体を効率化できる
・データの一元管理が可能となり、業務の可視化にもつながる
・柔軟な設定が可能で、企業のニーズに合わせてカスタマイズできる ・導入・運用コストがかかる
・システムの操作に習熟する必要がある
人事関連の稟議に人材アセスメントができるツールを活用しよう人事関連の稟議において、人材アセスメントツールを活用するケースもあります。
人材アセスメントツールは、従業員の能力や適性などを客観的に評価することで、適材適所の人事配置や人材育成に役立ちます。たとえば、昇進や異動の稟議においてアセスメント結果を活用することで、稟議の妥当性を高められます。
【関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリットと選び方・具体例を解説】
【関連記事:アセスメントでできることとは?採用・人事評価・人材配置での活用について解説】ミイダスは、人材アセスメント機能をもち人事業務を一気通貫で支えるシステムです。
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稟議の流れ稟議書の作成から最終決裁までの流れを、段階ごとにくわしく解説します。稟議書の構成
稟議書は一般的に以下の項目が含まれます。各項目に必要な情報を漏れなく記載し稟議の目的や内容を明確に伝えることで、スムーズな承認・決裁につながります。項目 説明 件名 稟議の内容を簡潔に示す 起案者 稟議を起案した部署・氏名 起案日 稟議を起案した日付 稟議内容 稟議の目的、背景、具体的な内容 理由 稟議が必要な理由 費用 稟議に関連する費用 効果 稟議による効果(期待される成果) リスク 稟議に伴うリスク(懸念事項) 添付資料 参考資料など
新規顧客を獲得するために広告を出したいと考え、稟議書を作成すると仮定した場合の記載例を見てみましょう。項目 記載例 件名 新規顧客獲得のための広告掲載費申請 起案者 営業部 田中太郎 起案日 2024年8月29日 稟議内容 稟議の目的、背景、具体的な内容 理由 市場シェア拡大のため、新規顧客獲得を強化する必要があるため。 詳細 〇〇媒体に広告掲載。期間は3ヶ月。 費用 100万円 効果 新規顧客獲得数100件、売上増加500万円 リスク 初めて利用する媒体であり、社内での活用事例がなく効果予測が難しい点。 添付資料 別紙1:見積書、別紙2:企画書 承認ルート 課長 → 部長 → 役員
上記は一般的な例であり、企業や稟議内容によって項目は異なります。自社の規定に沿って作成することが重要です。一度自社のフォーマットを作成しておけば、フォーマットに沿った稟議書を簡単に作成できます。起案
起案とは稟議を申請することです。稟議内容を明確に記載した稟議書を作成し、必要な資料を添付します。Web稟議システムを利用する場合は、システム上で必要事項を入力し、電子ファイルを添付します。
起案時には関係者への事前説明を行い、稟議内容への理解と協力を得ることが重要です。起案時にとくに注意したい点は以下のとおりです。- 稟議内容を分かりやすく、具体的に記載する
- 必要な資料を漏れなく添付する
- 関係部署との調整が必要な場合は事前に済ませておく
「根回し不要」という企業も増えていますが、稟議書をわかりやすく記載し、添付資料を過不足なく揃えることはスムーズな承認に欠かせないと言えるでしょう。承認
承認とは稟議内容を上位者が確認し承認することです。承認者は稟議内容が適切であるか、法令や社内規定に準拠しているか、リスクはないかなどを確認します。
承認ルートは事前に設定されており、通常は直属の上司から順に承認を得ていきます。Web稟議システムでは、システム上で承認作業が行われます。承認時に不明点や修正点がある場合は、起案者に差し戻し、修正を依頼します。
承認時の注意点は以下のとおりです。
- 稟議内容を十分に理解してから承認する
- 不明点があれば起案者に確認する
- 必要に応じて関係部署に確認する
Web稟議やワークフローシステムを採用している場合、システム上で質疑応答を行ったり、次の承認者に申し送りを行ったりすることができるのも、実務上便利な機能です。決裁
決裁とは最終的な承認を得て稟議内容を実行に移すことです。通常、最終決裁者は経営層が行います。決裁が下りると、稟議内容は正式に決定され、実行に移されます。Web稟議システムでは、決裁後、関係者に通知が送られます。
決裁後の流れは以下のとおりです。
- 稟議内容に基づき、業務を実行する
- 必要に応じて、関係部署に情報を共有する
- 結果を報告する
承認と決裁の違いや円滑に進めるコツについてはくわしく後述します。
これらの流れを理解し適切に稟議を進めることで、組織全体の意思決定をスムーズに行い、生産性を高められます。稟議プロセスを効率化するために、ワークフローシステムやRPAツールを導入する企業も増えています。
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稟議制度のメリット稟議制度を導入することで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。ここでは、以下の3つの主なメリットを中心に解説します。- 透明性の確保
- 責任の明確化
- 組織全体の意思決定の迅速化
透明性の確保
稟議制度では、関係者全員が稟議の内容を把握できるため、意思決定のプロセスが透明化されます。誰がどのような理由で承認・却下したかが記録されるため、不正や不透明な取引を防止する効果も期待できます。
また、情報共有が促進されることで、組織全体の連携強化にもつながります。
責任の明確化
稟議書には起案者から決裁者まで、各担当者の氏名と承認・却下の履歴が記録されます。誰がどのような判断を下したかが明確になるため、責任の所在が明確になり、担当者の責任感の向上につながります。
責任の所在が明らかであれば、問題が発生した場合にも、迅速な原因究明と対応が可能になります。たとえば、あるプロジェクトの予算超過が発生した場合、稟議書を確認することで、誰が予算超過を承認したのか、なぜ承認したのかを特定できます。
組織全体の意思決定の迅速化
一見、稟議制度は承認プロセスが増えるため、意思決定が遅くなるように思われがちです。しかし、適切に運用することで、意思決定を迅速化できます。
たとえば、Web稟議システムを導入することで、紙の稟議書を各担当者に回覧する手間が省け、承認プロセスが大幅に短縮されます。また、承認ルートを明確にすることで、無駄な手続きを省き、スムーズな意思決定を実現できます。過去の稟議内容をデータベース化することで、類似案件の稟議をスムーズに進めることにもつながるでしょう。
その他
ほかにも、稟議制度には以下のようなメリットがあります。メリット 詳細 コンプライアンスの強化 稟議制度によって、社内規定に基づいた意思決定が行われるため、コンプライアンス意識の向上につながる 業務効率の向上 稟議プロセスをシステム化することで、業務の効率化を図ることが可能
例:承認ルートの自動設定や電子署名の活用 内部統制の強化 稟議制度は、企業の内部統制システムの一部として機能する
適切な承認プロセスを経ることで、不正リスクを低減し、企業の信頼性を高められる PDCAサイクルの確立 稟議書には、計画の内容だけではなく、実績や反省点も記録される
PDCAサイクルを回しやすくなり、継続的な業務改善につながる
稟議制度のデメリット稟議制度は、組織における意思決定の透明性や責任の明確化といったメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。- 時間と手間がかかる場合がある
- 形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
- 責任の所在があいまいになる場合がある
- 担当者の負担が増加する
- 現場のモチベーションが低下する可能性がある
- 情報漏洩のリスクがある
稟議制度の導入を検討する際には、これらのデメリットも理解したうえで、自社にとって適切かどうかを判断することが重要です。時間と手間がかかる場合がある
稟議制度では関係者による承認作業が必要となるため、どうしても時間と手間がかかってしまう場合があります。とくに、承認者が多岐にわたる場合や各承認者のスケジュール調整が難しい場合には、稟議が滞ってしまう可能性があります。迅速な意思決定が必要な場面では、稟議制度がボトルネックとなる可能性があるため注意が必要です。
緊急性の高い案件で迅速な対応が必要な場合、稟議の承認プロセスに時間がかかるとビジネスチャンスを逃したり、損失を拡大させてしまったりする可能性があります。また、承認者が不在の場合や多忙な時期には稟議が滞りやすくなるため、あらかじめ対応策を検討しておくことが重要です。
形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
稟議制度は、組織におけるルールや手続きを明確にすることで、公正な意思決定を促進する役割を果たします。しかし、過度に形式化された稟議制度は柔軟性を欠き、状況変化への対応が遅れる原因となる可能性があります。
たとえば、市場環境の急激な変化や予期せぬトラブル発生時など、迅速な対応が必要な場合には形式的な稟議手続きが足かせとなる可能性があります。また、形式にこだわりすぎるあまり、本来の目的である適切な意思決定がおろそかになってしまうケースも考えられます。何のために稟議を行うのかについて、承認者に教育を行うことも必要でしょう。
責任の所在があいまいになる場合がある
責任の所在を明確にできることは稟議制度のメリットですが、関係者が多い場合や承認プロセスが複雑な場合、逆に責任の所在があいまいになることがあります。
たとえば、複数部署が関わるプロジェクトで問題が発生した場合、どの部署の誰に責任があるのかが不明確になってしまう可能性があります。また、承認者が多すぎる場合、責任の所在が分散し、「自分の責任ではない」という意識が蔓延してしまうリスクもあります。承認ルートを一本化し、単なる情報目的で承認者を増やしすぎないようにしましょう。
担当者の負担が増加する
稟議制度を運用するにあたっては稟議書の作成、関係者への説明、承認状況の確認など、担当者の負担が増加する可能性があります。Web稟議システムなどを導入していない場合、紙ベースでの書類作成や押印、各承認者への書類の配布・回収などに多くの時間と手間を要することになります。
また、稟議の内容に関する問い合わせ対応や修正依頼への対応なども担当者の負担となります。稟議そのものの工数を減らし、効率化できる方法を用いることで負担軽減を図ると良いでしょう。
現場のモチベーションが低下する可能性がある
煩雑な稟議手続きは、現場のモチベーション低下につながる可能性があります。迅速な対応が必要な場面で稟議手続きが遅延すると、現場の担当者はフラストレーションを感じ、モチベーションが低下する可能性があります。
また、承認プロセスが不透明な場合や承認基準が不明確な場合も、現場の不信感を招き、モチベーション低下につながる可能性があります。稟議だけで疲弊してしまわないように期間に余裕を持つなどの配慮が必要です。
情報漏洩のリスクがある
稟議書には企業の重要な情報が含まれていることが多いため、情報漏洩のリスクも考慮する必要があります。とくに紙ベースでの稟議の場合、紛失や盗難のリスクが高く、情報漏洩につながる可能性があります。
Web稟議システムを利用する場合でも、システムのセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩のリスクがあります。稟議書の内容によっては個人情報や機密情報が含まれている場合もあるため、適切な情報管理体制を構築することが重要です。
これらのデメリットを踏まえ、自社に最適な稟議制度を構築することが重要です。
【関連記事:費用対効果とは?注目される理由や人事・採用業務を効率化する方法を紹介】
稟議制度における承認と決裁の違い稟議制度において「承認」と「決裁」は混同されがちですが、それぞれ異なる意味を持ちます。稟議の最終的な決定権限の有無が大きな違いです。正しく理解することで、稟議プロセスをスムーズに進められるでしょう。承認とは
承認とは上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えることです。承認者は提案内容の妥当性、実現可能性、リスクなどを評価し、承認することで責任を共有します。ただし、最終的な決定権限は持ちません。
承認には、複数段階の承認が必要となる場合があります。たとえば、部署内での承認後、関連部署の承認を得て、最終的に経営層の承認を得るといった流れです。各段階の承認者はそれぞれの立場から提案内容を審査します。
決裁とは
決裁とは稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すことです。決裁権限を持つのは、通常、経営層や役員など、組織において高い権限を持つ者です。決裁によって、提案内容が正式に決定され、実行に移されます。
決裁には、さまざまな種類があります。たとえば、予算の執行に関する決裁、新規事業の立ち上げに関する決裁、人事異動に関する決裁などです。決裁の種類によって、必要な手続きや承認ルートが異なります。
承認と決裁の違いをまとめると以下のようになります。
項目 承認 決裁 意味 上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えること 稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すこと 決定権限 なし あり 責任 承認した内容に対する責任を共有 最終的な決定に対する責任を持つ 権限者 上司、部署責任者など 経営層、役員など
稟議制度における承認と決裁の違いを理解することで、稟議プロセスをスムーズに進め、組織全体の意思決定を効率化することができます。承認と決裁の役割分担を明確にすることで、責任の所在も明確になり、組織運営の透明性向上にもつながります。承認・決裁をスムーズにするコツ稟議の承認・決裁をスムーズに進めるためには、稟議書の作成から承認ルートの設定、システム活用までさまざまなポイントがあります。以下でくわしく解説します。稟議書をわかりやすく書く
稟議書は関係者が内容を理解しやすく、迅速に判断できるようわかりやすく書くことが重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。- 簡潔で正確な表現を用いる
- 専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明する
- 箇条書きや図表を活用して、視覚的に分かりやすくする
- 稟議の目的、背景、必要性を明確に記述する
- 期待される効果やリスクについても言及する
- 関連資料があれば添付する
添付資料は自社だけで用意するのではなく、たとえば市場についてわかるような報道資料、行政の統計資料、導入を検討しているサービスに関する資料やホワイトペーパーなども利用できます。
関係者への事前説明
稟議書を提出する前に、関係者へ事前に内容を説明しておくことで、スムーズな承認・決裁につながります。とくに影響範囲が広い稟議や反対意見が出そうな稟議の場合は、事前に関係部署と調整を行い、合意形成を図ることが重要です。
口頭での説明に加え、メールやチャットツールなどを活用して記録を残しておくことや、説明動画を作成することも有効です。
適切な承認ルートの設定
稟議の承認ルートは、社内規定に基づき適切に設定する必要があります。承認ルートが複雑すぎると承認に時間がかかり、業務の効率を低下させる可能性があります。
稟議内容に応じて承認者を最小限にする、決裁権限を明確化するなど、承認ルートを最適化することで、承認・決裁をスムーズに進められます。 システムによっては、代理承認機能や条件付き承認ルート設定機能などを活用することで、さらなる効率化が期待できるでしょう。
システムの活用
稟議書の作成、回覧、承認、決裁といった一連のプロセスを電子化するWeb稟議システムやワークフローシステムを導入することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
それだけではなく、システムの選び方次第でDXが推進され、システムを通じて得られたデータや知見から働きやすい環境づくりができたり、新たな事業開発が可能となったりすることもあるでしょう。
【関連記事:【人事必読】採用プロセスの改善・効率化方法を解説!新卒と中途採用のどちらにも効果的】人事関連の稟議に人材アセスメントができるツールを活用しよう人事関連の稟議は、昇進・昇格、異動、採用など、従業員のキャリアに大きく関わる重要な意思決定を伴います。そのため、稟議内容の精査には客観的なデータに基づいた公平な評価が不可欠です。近年、この人事関連の稟議をスムーズかつ効果的に行うために人材アセスメントツールが注目を集めています。人材アセスメントツールとは
人材アセスメントツールとは、従業員のスキル、能力、特性などを客観的に評価するためのツールです。アセスメントツールを活用することで、従業員の強みや弱み、潜在能力などを可視化。人事配置や育成計画に役立ちます。人材アセスメントツールは、従来の主観的な評価に頼っていた人事評価をより客観的でデータに基づいたものへと変革していくための重要なツールと言えるでしょう。
人材アセスメントツールを活用するメリット
人材アセスメントツールを人事関連の稟議に活用することで、以下のようなメリットが期待できます。- 客観的な評価の実現:感情や個人的なバイアスに左右されず、公平な評価ができます。
- 評価基準の明確化:評価基準を明確にすることで、評価の透明性を高め、納得感のある人事を実現できます。
- 稟議の迅速化:必要なデータが可視化されることで、稟議にかかる時間と手間を削減できます。
- 適切な人材配置:従業員の能力や適性を正確に把握することで、適材適所の人材配置を実現できます。
- 効果的な人材育成:従業員の強みや弱みを把握することで、個々に最適な育成プランを策定できます。
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採用・人材育成・健康経営など、人事やバックオフィスに関する稟議制度を整えるうえで重要なのが組織の正しい意思決定に役立つ客観的なデータを得られることです。人材アセスメント機能が充実し、人事業務をシームレスに支える「ミイダス」を用いるのがおすすめです。
43万7,342社(2024年1月現在)が導入するアセスメントリクルーティングサービス「ミイダス」には、「活躍要因診断」という診断機能があります。活躍要因診断はコンピテンシーを簡単に採用に取り入れられる機能です。自社でどのような社員が定着・活躍できるのかについて定量的な分析が可能です。
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採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、稟議の承認者に対しても説明がしやすいのが特長です。実務の面でも、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎ、質の高い採用活動や人事業務が可能となります。
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活躍ラーニングについてくわしく見る
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組織サーベイについてくわしく見る
はたらきがいサーベイについてくわしく見る
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稟議書を作成することで、案件の背景や目的、内容などを明確化し、関係者間で共通認識を持つことができます。
目的 | 説明 |
責任の明確化 | 誰がどのような決定に関与したかを明確にし、責任の所在を明らかにする |
透明性の確保 | 意思決定のプロセスを可視化し、不正や不透明さを排除する |
組織全体の意思決定の迅速化 | 関係者間の合意形成をスムーズに進め、意思決定を迅速化する |
リスクの軽減 | 複数の上司の承認を得ることで、リスクを事前に洗い出し軽減できる |
コンプライアンスの遵守 | 社内規定や法令に則った意思決定を行うための仕組みを提供する |
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稟議制度には、大きく分けて以下の3つの種類があります。
- 紙稟議
- Web稟議
- ワークフローシステム
それぞれ解説します。
紙稟議
紙稟議は伝統的な稟議方式です。紙の稟議書を作成し、関係部署に回覧して承認を得る方法です。
導入コストが低いというメリットがある一方、稟議書の保管や管理に手間がかかったり、紛失のリスクがあったり、承認プロセスに時間がかかったりするデメリットがあります。
導入コストが低いというメリットがある一方、稟議書の保管や管理に手間がかかったり、紛失のリスクがあったり、承認プロセスに時間がかかったりするデメリットがあります。
Web稟議
Web稟議は、電子化された稟議書をWebシステム上で回覧・承認する方法です。
ペーパーレス化によるコスト削減、承認プロセスの迅速化、進捗状況の可視化などのメリットがあり手間の削減や円滑化ができる方法です。一方で、システム導入コストやセキュリティ対策が必要となります。
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ワークフローシステム
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以下が稟議制度の種類別のメリット・デメリットをまとめたものです。
種類 | 説明 | メリット | デメリット |
紙稟議 | 紙の稟議書を用いて、承認者間で回覧する方法 | 導入が容易で、特別なシステムや設備を必要としない | ・稟議書の保管や管理に手間がかかる ・紛失のリスクがある ・承認者の所在によっては、回覧に時間がかかる場合もある |
Web稟議 | 電子化された稟議書をWebシステム上で回覧・承認する方法 | ・紙稟議に比べて、稟議書の回覧・承認にかかる時間と手間を大幅に削減可能 ・稟議書の保管場所が不要 ・検索が容易 ・進捗状況の確認がしやすい | ・システムの導入・運用コストがかかる ・システムにアクセスできる環境が必要 |
ワークフローシステム | ・Web稟議システムの一種 ・稟議だけではなくその他の業務プロセスもシステム上で管理できるもの | ・稟議だけではなく、関連する業務プロセス全体を効率化できる ・データの一元管理が可能となり、業務の可視化にもつながる ・柔軟な設定が可能で、企業のニーズに合わせてカスタマイズできる | ・導入・運用コストがかかる ・システムの操作に習熟する必要がある |
人事関連の稟議に人材アセスメントができるツールを活用しよう人事関連の稟議において、人材アセスメントツールを活用するケースもあります。
人材アセスメントツールは、従業員の能力や適性などを客観的に評価することで、適材適所の人事配置や人材育成に役立ちます。たとえば、昇進や異動の稟議においてアセスメント結果を活用することで、稟議の妥当性を高められます。
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稟議の流れ稟議書の作成から最終決裁までの流れを、段階ごとにくわしく解説します。稟議書の構成
稟議書は一般的に以下の項目が含まれます。各項目に必要な情報を漏れなく記載し稟議の目的や内容を明確に伝えることで、スムーズな承認・決裁につながります。項目 説明 件名 稟議の内容を簡潔に示す 起案者 稟議を起案した部署・氏名 起案日 稟議を起案した日付 稟議内容 稟議の目的、背景、具体的な内容 理由 稟議が必要な理由 費用 稟議に関連する費用 効果 稟議による効果(期待される成果) リスク 稟議に伴うリスク(懸念事項) 添付資料 参考資料など
新規顧客を獲得するために広告を出したいと考え、稟議書を作成すると仮定した場合の記載例を見てみましょう。項目 記載例 件名 新規顧客獲得のための広告掲載費申請 起案者 営業部 田中太郎 起案日 2024年8月29日 稟議内容 稟議の目的、背景、具体的な内容 理由 市場シェア拡大のため、新規顧客獲得を強化する必要があるため。 詳細 〇〇媒体に広告掲載。期間は3ヶ月。 費用 100万円 効果 新規顧客獲得数100件、売上増加500万円 リスク 初めて利用する媒体であり、社内での活用事例がなく効果予測が難しい点。 添付資料 別紙1:見積書、別紙2:企画書 承認ルート 課長 → 部長 → 役員
上記は一般的な例であり、企業や稟議内容によって項目は異なります。自社の規定に沿って作成することが重要です。一度自社のフォーマットを作成しておけば、フォーマットに沿った稟議書を簡単に作成できます。起案
起案とは稟議を申請することです。稟議内容を明確に記載した稟議書を作成し、必要な資料を添付します。Web稟議システムを利用する場合は、システム上で必要事項を入力し、電子ファイルを添付します。
起案時には関係者への事前説明を行い、稟議内容への理解と協力を得ることが重要です。起案時にとくに注意したい点は以下のとおりです。- 稟議内容を分かりやすく、具体的に記載する
- 必要な資料を漏れなく添付する
- 関係部署との調整が必要な場合は事前に済ませておく
「根回し不要」という企業も増えていますが、稟議書をわかりやすく記載し、添付資料を過不足なく揃えることはスムーズな承認に欠かせないと言えるでしょう。承認
承認とは稟議内容を上位者が確認し承認することです。承認者は稟議内容が適切であるか、法令や社内規定に準拠しているか、リスクはないかなどを確認します。
承認ルートは事前に設定されており、通常は直属の上司から順に承認を得ていきます。Web稟議システムでは、システム上で承認作業が行われます。承認時に不明点や修正点がある場合は、起案者に差し戻し、修正を依頼します。
承認時の注意点は以下のとおりです。
- 稟議内容を十分に理解してから承認する
- 不明点があれば起案者に確認する
- 必要に応じて関係部署に確認する
Web稟議やワークフローシステムを採用している場合、システム上で質疑応答を行ったり、次の承認者に申し送りを行ったりすることができるのも、実務上便利な機能です。決裁
決裁とは最終的な承認を得て稟議内容を実行に移すことです。通常、最終決裁者は経営層が行います。決裁が下りると、稟議内容は正式に決定され、実行に移されます。Web稟議システムでは、決裁後、関係者に通知が送られます。
決裁後の流れは以下のとおりです。
- 稟議内容に基づき、業務を実行する
- 必要に応じて、関係部署に情報を共有する
- 結果を報告する
承認と決裁の違いや円滑に進めるコツについてはくわしく後述します。
これらの流れを理解し適切に稟議を進めることで、組織全体の意思決定をスムーズに行い、生産性を高められます。稟議プロセスを効率化するために、ワークフローシステムやRPAツールを導入する企業も増えています。
【関連記事:生産性向上とは?必要とされる背景や具体的な取り組み施策を解説!】
【関連記事:働き方改革による管理職へのしわ寄せとは?「名ばかり管理職」増加の原因と対策を解説】
稟議制度のメリット稟議制度を導入することで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。ここでは、以下の3つの主なメリットを中心に解説します。- 透明性の確保
- 責任の明確化
- 組織全体の意思決定の迅速化
透明性の確保
稟議制度では、関係者全員が稟議の内容を把握できるため、意思決定のプロセスが透明化されます。誰がどのような理由で承認・却下したかが記録されるため、不正や不透明な取引を防止する効果も期待できます。
また、情報共有が促進されることで、組織全体の連携強化にもつながります。
責任の明確化
稟議書には起案者から決裁者まで、各担当者の氏名と承認・却下の履歴が記録されます。誰がどのような判断を下したかが明確になるため、責任の所在が明確になり、担当者の責任感の向上につながります。
責任の所在が明らかであれば、問題が発生した場合にも、迅速な原因究明と対応が可能になります。たとえば、あるプロジェクトの予算超過が発生した場合、稟議書を確認することで、誰が予算超過を承認したのか、なぜ承認したのかを特定できます。
組織全体の意思決定の迅速化
一見、稟議制度は承認プロセスが増えるため、意思決定が遅くなるように思われがちです。しかし、適切に運用することで、意思決定を迅速化できます。
たとえば、Web稟議システムを導入することで、紙の稟議書を各担当者に回覧する手間が省け、承認プロセスが大幅に短縮されます。また、承認ルートを明確にすることで、無駄な手続きを省き、スムーズな意思決定を実現できます。過去の稟議内容をデータベース化することで、類似案件の稟議をスムーズに進めることにもつながるでしょう。
その他
ほかにも、稟議制度には以下のようなメリットがあります。メリット 詳細 コンプライアンスの強化 稟議制度によって、社内規定に基づいた意思決定が行われるため、コンプライアンス意識の向上につながる 業務効率の向上 稟議プロセスをシステム化することで、業務の効率化を図ることが可能
例:承認ルートの自動設定や電子署名の活用 内部統制の強化 稟議制度は、企業の内部統制システムの一部として機能する
適切な承認プロセスを経ることで、不正リスクを低減し、企業の信頼性を高められる PDCAサイクルの確立 稟議書には、計画の内容だけではなく、実績や反省点も記録される
PDCAサイクルを回しやすくなり、継続的な業務改善につながる
稟議制度のデメリット稟議制度は、組織における意思決定の透明性や責任の明確化といったメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。- 時間と手間がかかる場合がある
- 形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
- 責任の所在があいまいになる場合がある
- 担当者の負担が増加する
- 現場のモチベーションが低下する可能性がある
- 情報漏洩のリスクがある
稟議制度の導入を検討する際には、これらのデメリットも理解したうえで、自社にとって適切かどうかを判断することが重要です。時間と手間がかかる場合がある
稟議制度では関係者による承認作業が必要となるため、どうしても時間と手間がかかってしまう場合があります。とくに、承認者が多岐にわたる場合や各承認者のスケジュール調整が難しい場合には、稟議が滞ってしまう可能性があります。迅速な意思決定が必要な場面では、稟議制度がボトルネックとなる可能性があるため注意が必要です。
緊急性の高い案件で迅速な対応が必要な場合、稟議の承認プロセスに時間がかかるとビジネスチャンスを逃したり、損失を拡大させてしまったりする可能性があります。また、承認者が不在の場合や多忙な時期には稟議が滞りやすくなるため、あらかじめ対応策を検討しておくことが重要です。
形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
稟議制度は、組織におけるルールや手続きを明確にすることで、公正な意思決定を促進する役割を果たします。しかし、過度に形式化された稟議制度は柔軟性を欠き、状況変化への対応が遅れる原因となる可能性があります。
たとえば、市場環境の急激な変化や予期せぬトラブル発生時など、迅速な対応が必要な場合には形式的な稟議手続きが足かせとなる可能性があります。また、形式にこだわりすぎるあまり、本来の目的である適切な意思決定がおろそかになってしまうケースも考えられます。何のために稟議を行うのかについて、承認者に教育を行うことも必要でしょう。
責任の所在があいまいになる場合がある
責任の所在を明確にできることは稟議制度のメリットですが、関係者が多い場合や承認プロセスが複雑な場合、逆に責任の所在があいまいになることがあります。
たとえば、複数部署が関わるプロジェクトで問題が発生した場合、どの部署の誰に責任があるのかが不明確になってしまう可能性があります。また、承認者が多すぎる場合、責任の所在が分散し、「自分の責任ではない」という意識が蔓延してしまうリスクもあります。承認ルートを一本化し、単なる情報目的で承認者を増やしすぎないようにしましょう。
担当者の負担が増加する
稟議制度を運用するにあたっては稟議書の作成、関係者への説明、承認状況の確認など、担当者の負担が増加する可能性があります。Web稟議システムなどを導入していない場合、紙ベースでの書類作成や押印、各承認者への書類の配布・回収などに多くの時間と手間を要することになります。
また、稟議の内容に関する問い合わせ対応や修正依頼への対応なども担当者の負担となります。稟議そのものの工数を減らし、効率化できる方法を用いることで負担軽減を図ると良いでしょう。
現場のモチベーションが低下する可能性がある
煩雑な稟議手続きは、現場のモチベーション低下につながる可能性があります。迅速な対応が必要な場面で稟議手続きが遅延すると、現場の担当者はフラストレーションを感じ、モチベーションが低下する可能性があります。
また、承認プロセスが不透明な場合や承認基準が不明確な場合も、現場の不信感を招き、モチベーション低下につながる可能性があります。稟議だけで疲弊してしまわないように期間に余裕を持つなどの配慮が必要です。
情報漏洩のリスクがある
稟議書には企業の重要な情報が含まれていることが多いため、情報漏洩のリスクも考慮する必要があります。とくに紙ベースでの稟議の場合、紛失や盗難のリスクが高く、情報漏洩につながる可能性があります。
Web稟議システムを利用する場合でも、システムのセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩のリスクがあります。稟議書の内容によっては個人情報や機密情報が含まれている場合もあるため、適切な情報管理体制を構築することが重要です。
これらのデメリットを踏まえ、自社に最適な稟議制度を構築することが重要です。
【関連記事:費用対効果とは?注目される理由や人事・採用業務を効率化する方法を紹介】
稟議制度における承認と決裁の違い稟議制度において「承認」と「決裁」は混同されがちですが、それぞれ異なる意味を持ちます。稟議の最終的な決定権限の有無が大きな違いです。正しく理解することで、稟議プロセスをスムーズに進められるでしょう。承認とは
承認とは上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えることです。承認者は提案内容の妥当性、実現可能性、リスクなどを評価し、承認することで責任を共有します。ただし、最終的な決定権限は持ちません。
承認には、複数段階の承認が必要となる場合があります。たとえば、部署内での承認後、関連部署の承認を得て、最終的に経営層の承認を得るといった流れです。各段階の承認者はそれぞれの立場から提案内容を審査します。
決裁とは
決裁とは稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すことです。決裁権限を持つのは、通常、経営層や役員など、組織において高い権限を持つ者です。決裁によって、提案内容が正式に決定され、実行に移されます。
決裁には、さまざまな種類があります。たとえば、予算の執行に関する決裁、新規事業の立ち上げに関する決裁、人事異動に関する決裁などです。決裁の種類によって、必要な手続きや承認ルートが異なります。
承認と決裁の違いをまとめると以下のようになります。
項目 承認 決裁 意味 上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えること 稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すこと 決定権限 なし あり 責任 承認した内容に対する責任を共有 最終的な決定に対する責任を持つ 権限者 上司、部署責任者など 経営層、役員など
稟議制度における承認と決裁の違いを理解することで、稟議プロセスをスムーズに進め、組織全体の意思決定を効率化することができます。承認と決裁の役割分担を明確にすることで、責任の所在も明確になり、組織運営の透明性向上にもつながります。承認・決裁をスムーズにするコツ稟議の承認・決裁をスムーズに進めるためには、稟議書の作成から承認ルートの設定、システム活用までさまざまなポイントがあります。以下でくわしく解説します。稟議書をわかりやすく書く
稟議書は関係者が内容を理解しやすく、迅速に判断できるようわかりやすく書くことが重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。- 簡潔で正確な表現を用いる
- 専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明する
- 箇条書きや図表を活用して、視覚的に分かりやすくする
- 稟議の目的、背景、必要性を明確に記述する
- 期待される効果やリスクについても言及する
- 関連資料があれば添付する
添付資料は自社だけで用意するのではなく、たとえば市場についてわかるような報道資料、行政の統計資料、導入を検討しているサービスに関する資料やホワイトペーパーなども利用できます。
関係者への事前説明
稟議書を提出する前に、関係者へ事前に内容を説明しておくことで、スムーズな承認・決裁につながります。とくに影響範囲が広い稟議や反対意見が出そうな稟議の場合は、事前に関係部署と調整を行い、合意形成を図ることが重要です。
口頭での説明に加え、メールやチャットツールなどを活用して記録を残しておくことや、説明動画を作成することも有効です。
適切な承認ルートの設定
稟議の承認ルートは、社内規定に基づき適切に設定する必要があります。承認ルートが複雑すぎると承認に時間がかかり、業務の効率を低下させる可能性があります。
稟議内容に応じて承認者を最小限にする、決裁権限を明確化するなど、承認ルートを最適化することで、承認・決裁をスムーズに進められます。 システムによっては、代理承認機能や条件付き承認ルート設定機能などを活用することで、さらなる効率化が期待できるでしょう。
システムの活用
稟議書の作成、回覧、承認、決裁といった一連のプロセスを電子化するWeb稟議システムやワークフローシステムを導入することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
それだけではなく、システムの選び方次第でDXが推進され、システムを通じて得られたデータや知見から働きやすい環境づくりができたり、新たな事業開発が可能となったりすることもあるでしょう。
【関連記事:【人事必読】採用プロセスの改善・効率化方法を解説!新卒と中途採用のどちらにも効果的】人事関連の稟議に人材アセスメントができるツールを活用しよう人事関連の稟議は、昇進・昇格、異動、採用など、従業員のキャリアに大きく関わる重要な意思決定を伴います。そのため、稟議内容の精査には客観的なデータに基づいた公平な評価が不可欠です。近年、この人事関連の稟議をスムーズかつ効果的に行うために人材アセスメントツールが注目を集めています。人材アセスメントツールとは
人材アセスメントツールとは、従業員のスキル、能力、特性などを客観的に評価するためのツールです。アセスメントツールを活用することで、従業員の強みや弱み、潜在能力などを可視化。人事配置や育成計画に役立ちます。人材アセスメントツールは、従来の主観的な評価に頼っていた人事評価をより客観的でデータに基づいたものへと変革していくための重要なツールと言えるでしょう。
人材アセスメントツールを活用するメリット
人材アセスメントツールを人事関連の稟議に活用することで、以下のようなメリットが期待できます。- 客観的な評価の実現:感情や個人的なバイアスに左右されず、公平な評価ができます。
- 評価基準の明確化:評価基準を明確にすることで、評価の透明性を高め、納得感のある人事を実現できます。
- 稟議の迅速化:必要なデータが可視化されることで、稟議にかかる時間と手間を削減できます。
- 適切な人材配置:従業員の能力や適性を正確に把握することで、適材適所の人材配置を実現できます。
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【関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリットと選び方・具体例を解説】
【関連記事:アセスメントでできることとは?採用・人事評価・人材配置での活用について解説】
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稟議書の作成から最終決裁までの流れを、段階ごとにくわしく解説します。
稟議書の構成
稟議書は一般的に以下の項目が含まれます。各項目に必要な情報を漏れなく記載し稟議の目的や内容を明確に伝えることで、スムーズな承認・決裁につながります。
項目 | 説明 |
件名 | 稟議の内容を簡潔に示す |
起案者 | 稟議を起案した部署・氏名 |
起案日 | 稟議を起案した日付 |
稟議内容 | 稟議の目的、背景、具体的な内容 |
理由 | 稟議が必要な理由 |
費用 | 稟議に関連する費用 |
効果 | 稟議による効果(期待される成果) |
リスク | 稟議に伴うリスク(懸念事項) |
添付資料 | 参考資料など |
新規顧客を獲得するために広告を出したいと考え、稟議書を作成すると仮定した場合の記載例を見てみましょう。
項目 | 記載例 |
件名 | 新規顧客獲得のための広告掲載費申請 |
起案者 | 営業部 田中太郎 |
起案日 | 2024年8月29日 |
稟議内容 | 稟議の目的、背景、具体的な内容 |
理由 | 市場シェア拡大のため、新規顧客獲得を強化する必要があるため。 |
詳細 | 〇〇媒体に広告掲載。期間は3ヶ月。 |
費用 | 100万円 |
効果 | 新規顧客獲得数100件、売上増加500万円 |
リスク | 初めて利用する媒体であり、社内での活用事例がなく効果予測が難しい点。 |
添付資料 | 別紙1:見積書、別紙2:企画書 |
承認ルート | 課長 → 部長 → 役員 |
上記は一般的な例であり、企業や稟議内容によって項目は異なります。自社の規定に沿って作成することが重要です。一度自社のフォーマットを作成しておけば、フォーマットに沿った稟議書を簡単に作成できます。
起案
起案とは稟議を申請することです。稟議内容を明確に記載した稟議書を作成し、必要な資料を添付します。Web稟議システムを利用する場合は、システム上で必要事項を入力し、電子ファイルを添付します。
起案時には関係者への事前説明を行い、稟議内容への理解と協力を得ることが重要です。起案時にとくに注意したい点は以下のとおりです。
起案時には関係者への事前説明を行い、稟議内容への理解と協力を得ることが重要です。起案時にとくに注意したい点は以下のとおりです。
- 稟議内容を分かりやすく、具体的に記載する
- 必要な資料を漏れなく添付する
- 関係部署との調整が必要な場合は事前に済ませておく
「根回し不要」という企業も増えていますが、稟議書をわかりやすく記載し、添付資料を過不足なく揃えることはスムーズな承認に欠かせないと言えるでしょう。
承認
承認とは稟議内容を上位者が確認し承認することです。承認者は稟議内容が適切であるか、法令や社内規定に準拠しているか、リスクはないかなどを確認します。
承認ルートは事前に設定されており、通常は直属の上司から順に承認を得ていきます。Web稟議システムでは、システム上で承認作業が行われます。承認時に不明点や修正点がある場合は、起案者に差し戻し、修正を依頼します。
承認時の注意点は以下のとおりです。
承認ルートは事前に設定されており、通常は直属の上司から順に承認を得ていきます。Web稟議システムでは、システム上で承認作業が行われます。承認時に不明点や修正点がある場合は、起案者に差し戻し、修正を依頼します。
承認時の注意点は以下のとおりです。
- 稟議内容を十分に理解してから承認する
- 不明点があれば起案者に確認する
- 必要に応じて関係部署に確認する
Web稟議やワークフローシステムを採用している場合、システム上で質疑応答を行ったり、次の承認者に申し送りを行ったりすることができるのも、実務上便利な機能です。
決裁
決裁とは最終的な承認を得て稟議内容を実行に移すことです。通常、最終決裁者は経営層が行います。決裁が下りると、稟議内容は正式に決定され、実行に移されます。Web稟議システムでは、決裁後、関係者に通知が送られます。
決裁後の流れは以下のとおりです。
決裁後の流れは以下のとおりです。
- 稟議内容に基づき、業務を実行する
- 必要に応じて、関係部署に情報を共有する
- 結果を報告する
承認と決裁の違いや円滑に進めるコツについてはくわしく後述します。
これらの流れを理解し適切に稟議を進めることで、組織全体の意思決定をスムーズに行い、生産性を高められます。稟議プロセスを効率化するために、ワークフローシステムやRPAツールを導入する企業も増えています。
【関連記事:生産性向上とは?必要とされる背景や具体的な取り組み施策を解説!】
【関連記事:働き方改革による管理職へのしわ寄せとは?「名ばかり管理職」増加の原因と対策を解説】
これらの流れを理解し適切に稟議を進めることで、組織全体の意思決定をスムーズに行い、生産性を高められます。稟議プロセスを効率化するために、ワークフローシステムやRPAツールを導入する企業も増えています。
【関連記事:生産性向上とは?必要とされる背景や具体的な取り組み施策を解説!】
【関連記事:働き方改革による管理職へのしわ寄せとは?「名ばかり管理職」増加の原因と対策を解説】
稟議制度のメリット稟議制度を導入することで、企業はさまざまなメリットを得ることができます。ここでは、以下の3つの主なメリットを中心に解説します。- 透明性の確保
- 責任の明確化
- 組織全体の意思決定の迅速化
透明性の確保
稟議制度では、関係者全員が稟議の内容を把握できるため、意思決定のプロセスが透明化されます。誰がどのような理由で承認・却下したかが記録されるため、不正や不透明な取引を防止する効果も期待できます。
また、情報共有が促進されることで、組織全体の連携強化にもつながります。
責任の明確化
稟議書には起案者から決裁者まで、各担当者の氏名と承認・却下の履歴が記録されます。誰がどのような判断を下したかが明確になるため、責任の所在が明確になり、担当者の責任感の向上につながります。
責任の所在が明らかであれば、問題が発生した場合にも、迅速な原因究明と対応が可能になります。たとえば、あるプロジェクトの予算超過が発生した場合、稟議書を確認することで、誰が予算超過を承認したのか、なぜ承認したのかを特定できます。
組織全体の意思決定の迅速化
一見、稟議制度は承認プロセスが増えるため、意思決定が遅くなるように思われがちです。しかし、適切に運用することで、意思決定を迅速化できます。
たとえば、Web稟議システムを導入することで、紙の稟議書を各担当者に回覧する手間が省け、承認プロセスが大幅に短縮されます。また、承認ルートを明確にすることで、無駄な手続きを省き、スムーズな意思決定を実現できます。過去の稟議内容をデータベース化することで、類似案件の稟議をスムーズに進めることにもつながるでしょう。
その他
ほかにも、稟議制度には以下のようなメリットがあります。メリット 詳細 コンプライアンスの強化 稟議制度によって、社内規定に基づいた意思決定が行われるため、コンプライアンス意識の向上につながる 業務効率の向上 稟議プロセスをシステム化することで、業務の効率化を図ることが可能
例:承認ルートの自動設定や電子署名の活用 内部統制の強化 稟議制度は、企業の内部統制システムの一部として機能する
適切な承認プロセスを経ることで、不正リスクを低減し、企業の信頼性を高められる PDCAサイクルの確立 稟議書には、計画の内容だけではなく、実績や反省点も記録される
PDCAサイクルを回しやすくなり、継続的な業務改善につながる
稟議制度のデメリット稟議制度は、組織における意思決定の透明性や責任の明確化といったメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。- 時間と手間がかかる場合がある
- 形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
- 責任の所在があいまいになる場合がある
- 担当者の負担が増加する
- 現場のモチベーションが低下する可能性がある
- 情報漏洩のリスクがある
稟議制度の導入を検討する際には、これらのデメリットも理解したうえで、自社にとって適切かどうかを判断することが重要です。時間と手間がかかる場合がある
稟議制度では関係者による承認作業が必要となるため、どうしても時間と手間がかかってしまう場合があります。とくに、承認者が多岐にわたる場合や各承認者のスケジュール調整が難しい場合には、稟議が滞ってしまう可能性があります。迅速な意思決定が必要な場面では、稟議制度がボトルネックとなる可能性があるため注意が必要です。
緊急性の高い案件で迅速な対応が必要な場合、稟議の承認プロセスに時間がかかるとビジネスチャンスを逃したり、損失を拡大させてしまったりする可能性があります。また、承認者が不在の場合や多忙な時期には稟議が滞りやすくなるため、あらかじめ対応策を検討しておくことが重要です。
形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
稟議制度は、組織におけるルールや手続きを明確にすることで、公正な意思決定を促進する役割を果たします。しかし、過度に形式化された稟議制度は柔軟性を欠き、状況変化への対応が遅れる原因となる可能性があります。
たとえば、市場環境の急激な変化や予期せぬトラブル発生時など、迅速な対応が必要な場合には形式的な稟議手続きが足かせとなる可能性があります。また、形式にこだわりすぎるあまり、本来の目的である適切な意思決定がおろそかになってしまうケースも考えられます。何のために稟議を行うのかについて、承認者に教育を行うことも必要でしょう。
責任の所在があいまいになる場合がある
責任の所在を明確にできることは稟議制度のメリットですが、関係者が多い場合や承認プロセスが複雑な場合、逆に責任の所在があいまいになることがあります。
たとえば、複数部署が関わるプロジェクトで問題が発生した場合、どの部署の誰に責任があるのかが不明確になってしまう可能性があります。また、承認者が多すぎる場合、責任の所在が分散し、「自分の責任ではない」という意識が蔓延してしまうリスクもあります。承認ルートを一本化し、単なる情報目的で承認者を増やしすぎないようにしましょう。
担当者の負担が増加する
稟議制度を運用するにあたっては稟議書の作成、関係者への説明、承認状況の確認など、担当者の負担が増加する可能性があります。Web稟議システムなどを導入していない場合、紙ベースでの書類作成や押印、各承認者への書類の配布・回収などに多くの時間と手間を要することになります。
また、稟議の内容に関する問い合わせ対応や修正依頼への対応なども担当者の負担となります。稟議そのものの工数を減らし、効率化できる方法を用いることで負担軽減を図ると良いでしょう。
現場のモチベーションが低下する可能性がある
煩雑な稟議手続きは、現場のモチベーション低下につながる可能性があります。迅速な対応が必要な場面で稟議手続きが遅延すると、現場の担当者はフラストレーションを感じ、モチベーションが低下する可能性があります。
また、承認プロセスが不透明な場合や承認基準が不明確な場合も、現場の不信感を招き、モチベーション低下につながる可能性があります。稟議だけで疲弊してしまわないように期間に余裕を持つなどの配慮が必要です。
情報漏洩のリスクがある
稟議書には企業の重要な情報が含まれていることが多いため、情報漏洩のリスクも考慮する必要があります。とくに紙ベースでの稟議の場合、紛失や盗難のリスクが高く、情報漏洩につながる可能性があります。
Web稟議システムを利用する場合でも、システムのセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩のリスクがあります。稟議書の内容によっては個人情報や機密情報が含まれている場合もあるため、適切な情報管理体制を構築することが重要です。
これらのデメリットを踏まえ、自社に最適な稟議制度を構築することが重要です。
【関連記事:費用対効果とは?注目される理由や人事・採用業務を効率化する方法を紹介】
稟議制度における承認と決裁の違い稟議制度において「承認」と「決裁」は混同されがちですが、それぞれ異なる意味を持ちます。稟議の最終的な決定権限の有無が大きな違いです。正しく理解することで、稟議プロセスをスムーズに進められるでしょう。承認とは
承認とは上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えることです。承認者は提案内容の妥当性、実現可能性、リスクなどを評価し、承認することで責任を共有します。ただし、最終的な決定権限は持ちません。
承認には、複数段階の承認が必要となる場合があります。たとえば、部署内での承認後、関連部署の承認を得て、最終的に経営層の承認を得るといった流れです。各段階の承認者はそれぞれの立場から提案内容を審査します。
決裁とは
決裁とは稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すことです。決裁権限を持つのは、通常、経営層や役員など、組織において高い権限を持つ者です。決裁によって、提案内容が正式に決定され、実行に移されます。
決裁には、さまざまな種類があります。たとえば、予算の執行に関する決裁、新規事業の立ち上げに関する決裁、人事異動に関する決裁などです。決裁の種類によって、必要な手続きや承認ルートが異なります。
承認と決裁の違いをまとめると以下のようになります。
項目 承認 決裁 意味 上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えること 稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すこと 決定権限 なし あり 責任 承認した内容に対する責任を共有 最終的な決定に対する責任を持つ 権限者 上司、部署責任者など 経営層、役員など
稟議制度における承認と決裁の違いを理解することで、稟議プロセスをスムーズに進め、組織全体の意思決定を効率化することができます。承認と決裁の役割分担を明確にすることで、責任の所在も明確になり、組織運営の透明性向上にもつながります。承認・決裁をスムーズにするコツ稟議の承認・決裁をスムーズに進めるためには、稟議書の作成から承認ルートの設定、システム活用までさまざまなポイントがあります。以下でくわしく解説します。稟議書をわかりやすく書く
稟議書は関係者が内容を理解しやすく、迅速に判断できるようわかりやすく書くことが重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。- 簡潔で正確な表現を用いる
- 専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明する
- 箇条書きや図表を活用して、視覚的に分かりやすくする
- 稟議の目的、背景、必要性を明確に記述する
- 期待される効果やリスクについても言及する
- 関連資料があれば添付する
添付資料は自社だけで用意するのではなく、たとえば市場についてわかるような報道資料、行政の統計資料、導入を検討しているサービスに関する資料やホワイトペーパーなども利用できます。
関係者への事前説明
稟議書を提出する前に、関係者へ事前に内容を説明しておくことで、スムーズな承認・決裁につながります。とくに影響範囲が広い稟議や反対意見が出そうな稟議の場合は、事前に関係部署と調整を行い、合意形成を図ることが重要です。
口頭での説明に加え、メールやチャットツールなどを活用して記録を残しておくことや、説明動画を作成することも有効です。
適切な承認ルートの設定
稟議の承認ルートは、社内規定に基づき適切に設定する必要があります。承認ルートが複雑すぎると承認に時間がかかり、業務の効率を低下させる可能性があります。
稟議内容に応じて承認者を最小限にする、決裁権限を明確化するなど、承認ルートを最適化することで、承認・決裁をスムーズに進められます。 システムによっては、代理承認機能や条件付き承認ルート設定機能などを活用することで、さらなる効率化が期待できるでしょう。
システムの活用
稟議書の作成、回覧、承認、決裁といった一連のプロセスを電子化するWeb稟議システムやワークフローシステムを導入することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
それだけではなく、システムの選び方次第でDXが推進され、システムを通じて得られたデータや知見から働きやすい環境づくりができたり、新たな事業開発が可能となったりすることもあるでしょう。
【関連記事:【人事必読】採用プロセスの改善・効率化方法を解説!新卒と中途採用のどちらにも効果的】人事関連の稟議に人材アセスメントができるツールを活用しよう人事関連の稟議は、昇進・昇格、異動、採用など、従業員のキャリアに大きく関わる重要な意思決定を伴います。そのため、稟議内容の精査には客観的なデータに基づいた公平な評価が不可欠です。近年、この人事関連の稟議をスムーズかつ効果的に行うために人材アセスメントツールが注目を集めています。人材アセスメントツールとは
人材アセスメントツールとは、従業員のスキル、能力、特性などを客観的に評価するためのツールです。アセスメントツールを活用することで、従業員の強みや弱み、潜在能力などを可視化。人事配置や育成計画に役立ちます。人材アセスメントツールは、従来の主観的な評価に頼っていた人事評価をより客観的でデータに基づいたものへと変革していくための重要なツールと言えるでしょう。
人材アセスメントツールを活用するメリット
人材アセスメントツールを人事関連の稟議に活用することで、以下のようなメリットが期待できます。- 客観的な評価の実現:感情や個人的なバイアスに左右されず、公平な評価ができます。
- 評価基準の明確化:評価基準を明確にすることで、評価の透明性を高め、納得感のある人事を実現できます。
- 稟議の迅速化:必要なデータが可視化されることで、稟議にかかる時間と手間を削減できます。
- 適切な人材配置:従業員の能力や適性を正確に把握することで、適材適所の人材配置を実現できます。
- 効果的な人材育成:従業員の強みや弱みを把握することで、個々に最適な育成プランを策定できます。
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採用・人材育成・健康経営など、人事やバックオフィスに関する稟議制度を整えるうえで重要なのが組織の正しい意思決定に役立つ客観的なデータを得られることです。人材アセスメント機能が充実し、人事業務をシームレスに支える「ミイダス」を用いるのがおすすめです。
43万7,342社(2024年1月現在)が導入するアセスメントリクルーティングサービス「ミイダス」には、「活躍要因診断」という診断機能があります。活躍要因診断はコンピテンシーを簡単に採用に取り入れられる機能です。自社でどのような社員が定着・活躍できるのかについて定量的な分析が可能です。
活躍要因診断のコア機能・コンピテンシー診断では、活躍する社員を41の項目から分析し、自社に必要な人材のコンピテンシーモデルを簡単に作成できます。
コンピテンシー診断の内容を用いて社風や現在のチームにフィットしやすい人材を分析し、可視化できる「フィッティング人材分析」の機能もあります。採用だけではなく、異動や配置転換を検討する場合のミスマッチ回避にも重要な機能です。
採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、稟議の承認者に対しても説明がしやすいのが特長です。実務の面でも、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎ、質の高い採用活動や人事業務が可能となります。
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各講座については以下の紹介動画もぜひご覧ください。
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また、情報共有が促進されることで、組織全体の連携強化にもつながります。
責任の所在が明らかであれば、問題が発生した場合にも、迅速な原因究明と対応が可能になります。たとえば、あるプロジェクトの予算超過が発生した場合、稟議書を確認することで、誰が予算超過を承認したのか、なぜ承認したのかを特定できます。
たとえば、Web稟議システムを導入することで、紙の稟議書を各担当者に回覧する手間が省け、承認プロセスが大幅に短縮されます。また、承認ルートを明確にすることで、無駄な手続きを省き、スムーズな意思決定を実現できます。過去の稟議内容をデータベース化することで、類似案件の稟議をスムーズに進めることにもつながるでしょう。
メリット | 詳細 |
コンプライアンスの強化 | 稟議制度によって、社内規定に基づいた意思決定が行われるため、コンプライアンス意識の向上につながる |
業務効率の向上 | 稟議プロセスをシステム化することで、業務の効率化を図ることが可能 例:承認ルートの自動設定や電子署名の活用 |
内部統制の強化 | 稟議制度は、企業の内部統制システムの一部として機能する 適切な承認プロセスを経ることで、不正リスクを低減し、企業の信頼性を高められる |
PDCAサイクルの確立 | 稟議書には、計画の内容だけではなく、実績や反省点も記録される PDCAサイクルを回しやすくなり、継続的な業務改善につながる |
稟議制度は、組織における意思決定の透明性や責任の明確化といったメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
- 時間と手間がかかる場合がある
- 形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
- 責任の所在があいまいになる場合がある
- 担当者の負担が増加する
- 現場のモチベーションが低下する可能性がある
- 情報漏洩のリスクがある
稟議制度の導入を検討する際には、これらのデメリットも理解したうえで、自社にとって適切かどうかを判断することが重要です。
時間と手間がかかる場合がある
稟議制度では関係者による承認作業が必要となるため、どうしても時間と手間がかかってしまう場合があります。とくに、承認者が多岐にわたる場合や各承認者のスケジュール調整が難しい場合には、稟議が滞ってしまう可能性があります。迅速な意思決定が必要な場面では、稟議制度がボトルネックとなる可能性があるため注意が必要です。
緊急性の高い案件で迅速な対応が必要な場合、稟議の承認プロセスに時間がかかるとビジネスチャンスを逃したり、損失を拡大させてしまったりする可能性があります。また、承認者が不在の場合や多忙な時期には稟議が滞りやすくなるため、あらかじめ対応策を検討しておくことが重要です。
緊急性の高い案件で迅速な対応が必要な場合、稟議の承認プロセスに時間がかかるとビジネスチャンスを逃したり、損失を拡大させてしまったりする可能性があります。また、承認者が不在の場合や多忙な時期には稟議が滞りやすくなるため、あらかじめ対応策を検討しておくことが重要です。
形式化しすぎると柔軟性を欠く場合がある
稟議制度は、組織におけるルールや手続きを明確にすることで、公正な意思決定を促進する役割を果たします。しかし、過度に形式化された稟議制度は柔軟性を欠き、状況変化への対応が遅れる原因となる可能性があります。
たとえば、市場環境の急激な変化や予期せぬトラブル発生時など、迅速な対応が必要な場合には形式的な稟議手続きが足かせとなる可能性があります。また、形式にこだわりすぎるあまり、本来の目的である適切な意思決定がおろそかになってしまうケースも考えられます。何のために稟議を行うのかについて、承認者に教育を行うことも必要でしょう。
たとえば、市場環境の急激な変化や予期せぬトラブル発生時など、迅速な対応が必要な場合には形式的な稟議手続きが足かせとなる可能性があります。また、形式にこだわりすぎるあまり、本来の目的である適切な意思決定がおろそかになってしまうケースも考えられます。何のために稟議を行うのかについて、承認者に教育を行うことも必要でしょう。
責任の所在があいまいになる場合がある
責任の所在を明確にできることは稟議制度のメリットですが、関係者が多い場合や承認プロセスが複雑な場合、逆に責任の所在があいまいになることがあります。
たとえば、複数部署が関わるプロジェクトで問題が発生した場合、どの部署の誰に責任があるのかが不明確になってしまう可能性があります。また、承認者が多すぎる場合、責任の所在が分散し、「自分の責任ではない」という意識が蔓延してしまうリスクもあります。承認ルートを一本化し、単なる情報目的で承認者を増やしすぎないようにしましょう。
たとえば、複数部署が関わるプロジェクトで問題が発生した場合、どの部署の誰に責任があるのかが不明確になってしまう可能性があります。また、承認者が多すぎる場合、責任の所在が分散し、「自分の責任ではない」という意識が蔓延してしまうリスクもあります。承認ルートを一本化し、単なる情報目的で承認者を増やしすぎないようにしましょう。
担当者の負担が増加する
稟議制度を運用するにあたっては稟議書の作成、関係者への説明、承認状況の確認など、担当者の負担が増加する可能性があります。Web稟議システムなどを導入していない場合、紙ベースでの書類作成や押印、各承認者への書類の配布・回収などに多くの時間と手間を要することになります。
また、稟議の内容に関する問い合わせ対応や修正依頼への対応なども担当者の負担となります。稟議そのものの工数を減らし、効率化できる方法を用いることで負担軽減を図ると良いでしょう。
また、稟議の内容に関する問い合わせ対応や修正依頼への対応なども担当者の負担となります。稟議そのものの工数を減らし、効率化できる方法を用いることで負担軽減を図ると良いでしょう。
現場のモチベーションが低下する可能性がある
煩雑な稟議手続きは、現場のモチベーション低下につながる可能性があります。迅速な対応が必要な場面で稟議手続きが遅延すると、現場の担当者はフラストレーションを感じ、モチベーションが低下する可能性があります。
また、承認プロセスが不透明な場合や承認基準が不明確な場合も、現場の不信感を招き、モチベーション低下につながる可能性があります。稟議だけで疲弊してしまわないように期間に余裕を持つなどの配慮が必要です。
また、承認プロセスが不透明な場合や承認基準が不明確な場合も、現場の不信感を招き、モチベーション低下につながる可能性があります。稟議だけで疲弊してしまわないように期間に余裕を持つなどの配慮が必要です。
情報漏洩のリスクがある
稟議書には企業の重要な情報が含まれていることが多いため、情報漏洩のリスクも考慮する必要があります。とくに紙ベースでの稟議の場合、紛失や盗難のリスクが高く、情報漏洩につながる可能性があります。
Web稟議システムを利用する場合でも、システムのセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩のリスクがあります。稟議書の内容によっては個人情報や機密情報が含まれている場合もあるため、適切な情報管理体制を構築することが重要です。
これらのデメリットを踏まえ、自社に最適な稟議制度を構築することが重要です。
【関連記事:費用対効果とは?注目される理由や人事・採用業務を効率化する方法を紹介】
Web稟議システムを利用する場合でも、システムのセキュリティ対策が不十分であれば、情報漏洩のリスクがあります。稟議書の内容によっては個人情報や機密情報が含まれている場合もあるため、適切な情報管理体制を構築することが重要です。
これらのデメリットを踏まえ、自社に最適な稟議制度を構築することが重要です。
【関連記事:費用対効果とは?注目される理由や人事・採用業務を効率化する方法を紹介】
稟議制度における承認と決裁の違い稟議制度において「承認」と「決裁」は混同されがちですが、それぞれ異なる意味を持ちます。稟議の最終的な決定権限の有無が大きな違いです。正しく理解することで、稟議プロセスをスムーズに進められるでしょう。承認とは
承認とは上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えることです。承認者は提案内容の妥当性、実現可能性、リスクなどを評価し、承認することで責任を共有します。ただし、最終的な決定権限は持ちません。
承認には、複数段階の承認が必要となる場合があります。たとえば、部署内での承認後、関連部署の承認を得て、最終的に経営層の承認を得るといった流れです。各段階の承認者はそれぞれの立場から提案内容を審査します。
決裁とは
決裁とは稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すことです。決裁権限を持つのは、通常、経営層や役員など、組織において高い権限を持つ者です。決裁によって、提案内容が正式に決定され、実行に移されます。
決裁には、さまざまな種類があります。たとえば、予算の執行に関する決裁、新規事業の立ち上げに関する決裁、人事異動に関する決裁などです。決裁の種類によって、必要な手続きや承認ルートが異なります。
承認と決裁の違いをまとめると以下のようになります。
項目 承認 決裁 意味 上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えること 稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すこと 決定権限 なし あり 責任 承認した内容に対する責任を共有 最終的な決定に対する責任を持つ 権限者 上司、部署責任者など 経営層、役員など
稟議制度における承認と決裁の違いを理解することで、稟議プロセスをスムーズに進め、組織全体の意思決定を効率化することができます。承認と決裁の役割分担を明確にすることで、責任の所在も明確になり、組織運営の透明性向上にもつながります。承認・決裁をスムーズにするコツ稟議の承認・決裁をスムーズに進めるためには、稟議書の作成から承認ルートの設定、システム活用までさまざまなポイントがあります。以下でくわしく解説します。稟議書をわかりやすく書く
稟議書は関係者が内容を理解しやすく、迅速に判断できるようわかりやすく書くことが重要です。具体的には、以下の点に注意しましょう。- 簡潔で正確な表現を用いる
- 専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明する
- 箇条書きや図表を活用して、視覚的に分かりやすくする
- 稟議の目的、背景、必要性を明確に記述する
- 期待される効果やリスクについても言及する
- 関連資料があれば添付する
添付資料は自社だけで用意するのではなく、たとえば市場についてわかるような報道資料、行政の統計資料、導入を検討しているサービスに関する資料やホワイトペーパーなども利用できます。
関係者への事前説明
稟議書を提出する前に、関係者へ事前に内容を説明しておくことで、スムーズな承認・決裁につながります。とくに影響範囲が広い稟議や反対意見が出そうな稟議の場合は、事前に関係部署と調整を行い、合意形成を図ることが重要です。
口頭での説明に加え、メールやチャットツールなどを活用して記録を残しておくことや、説明動画を作成することも有効です。
適切な承認ルートの設定
稟議の承認ルートは、社内規定に基づき適切に設定する必要があります。承認ルートが複雑すぎると承認に時間がかかり、業務の効率を低下させる可能性があります。
稟議内容に応じて承認者を最小限にする、決裁権限を明確化するなど、承認ルートを最適化することで、承認・決裁をスムーズに進められます。 システムによっては、代理承認機能や条件付き承認ルート設定機能などを活用することで、さらなる効率化が期待できるでしょう。
システムの活用
稟議書の作成、回覧、承認、決裁といった一連のプロセスを電子化するWeb稟議システムやワークフローシステムを導入することで、業務効率を大幅に向上させることができます。
それだけではなく、システムの選び方次第でDXが推進され、システムを通じて得られたデータや知見から働きやすい環境づくりができたり、新たな事業開発が可能となったりすることもあるでしょう。
【関連記事:【人事必読】採用プロセスの改善・効率化方法を解説!新卒と中途採用のどちらにも効果的】人事関連の稟議に人材アセスメントができるツールを活用しよう人事関連の稟議は、昇進・昇格、異動、採用など、従業員のキャリアに大きく関わる重要な意思決定を伴います。そのため、稟議内容の精査には客観的なデータに基づいた公平な評価が不可欠です。近年、この人事関連の稟議をスムーズかつ効果的に行うために人材アセスメントツールが注目を集めています。人材アセスメントツールとは
人材アセスメントツールとは、従業員のスキル、能力、特性などを客観的に評価するためのツールです。アセスメントツールを活用することで、従業員の強みや弱み、潜在能力などを可視化。人事配置や育成計画に役立ちます。人材アセスメントツールは、従来の主観的な評価に頼っていた人事評価をより客観的でデータに基づいたものへと変革していくための重要なツールと言えるでしょう。
人材アセスメントツールを活用するメリット
人材アセスメントツールを人事関連の稟議に活用することで、以下のようなメリットが期待できます。- 客観的な評価の実現:感情や個人的なバイアスに左右されず、公平な評価ができます。
- 評価基準の明確化:評価基準を明確にすることで、評価の透明性を高め、納得感のある人事を実現できます。
- 稟議の迅速化:必要なデータが可視化されることで、稟議にかかる時間と手間を削減できます。
- 適切な人材配置:従業員の能力や適性を正確に把握することで、適材適所の人材配置を実現できます。
- 効果的な人材育成:従業員の強みや弱みを把握することで、個々に最適な育成プランを策定できます。
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採用・人材育成・健康経営など、人事やバックオフィスに関する稟議制度を整えるうえで重要なのが組織の正しい意思決定に役立つ客観的なデータを得られることです。人材アセスメント機能が充実し、人事業務をシームレスに支える「ミイダス」を用いるのがおすすめです。
43万7,342社(2024年1月現在)が導入するアセスメントリクルーティングサービス「ミイダス」には、「活躍要因診断」という診断機能があります。活躍要因診断はコンピテンシーを簡単に採用に取り入れられる機能です。自社でどのような社員が定着・活躍できるのかについて定量的な分析が可能です。
活躍要因診断のコア機能・コンピテンシー診断では、活躍する社員を41の項目から分析し、自社に必要な人材のコンピテンシーモデルを簡単に作成できます。
コンピテンシー診断の内容を用いて社風や現在のチームにフィットしやすい人材を分析し、可視化できる「フィッティング人材分析」の機能もあります。採用だけではなく、異動や配置転換を検討する場合のミスマッチ回避にも重要な機能です。
採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、稟議の承認者に対しても説明がしやすいのが特長です。実務の面でも、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎ、質の高い採用活動や人事業務が可能となります。
ミイダスにはコンピテンシー診断を受験した求職者が20万人以上登録しています。1,733もの項目から重視する特徴を絞り込んで検索でき、応募者の獲得に頭を悩ませることもありません。フィットする人材に自動でアプローチすることも可能で、採用担当者の工数を削減できるのも魅力です。
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承認には、複数段階の承認が必要となる場合があります。たとえば、部署内での承認後、関連部署の承認を得て、最終的に経営層の承認を得るといった流れです。各段階の承認者はそれぞれの立場から提案内容を審査します。
決裁には、さまざまな種類があります。たとえば、予算の執行に関する決裁、新規事業の立ち上げに関する決裁、人事異動に関する決裁などです。決裁の種類によって、必要な手続きや承認ルートが異なります。
承認と決裁の違いをまとめると以下のようになります。
項目 | 承認 | 決裁 |
意味 | 上位者が部下の提案内容を審査し、問題がなければ承認を与えること | 稟議書の内容に基づいて最終的な決定を下すこと |
決定権限 | なし | あり |
責任 | 承認した内容に対する責任を共有 | 最終的な決定に対する責任を持つ |
権限者 | 上司、部署責任者など | 経営層、役員など |
稟議の承認・決裁をスムーズに進めるためには、稟議書の作成から承認ルートの設定、システム活用までさまざまなポイントがあります。以下でくわしく解説します。
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活躍要因診断のコア機能・コンピテンシー診断では、活躍する社員を41の項目から分析し、自社に必要な人材のコンピテンシーモデルを簡単に作成できます。
コンピテンシー診断の内容を用いて社風や現在のチームにフィットしやすい人材を分析し、可視化できる「フィッティング人材分析」の機能もあります。採用だけではなく、異動や配置転換を検討する場合のミスマッチ回避にも重要な機能です。
採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、稟議の承認者に対しても説明がしやすいのが特長です。実務の面でも、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎ、質の高い採用活動や人事業務が可能となります。
ミイダスにはコンピテンシー診断を受験した求職者が20万人以上登録しています。1,733もの項目から重視する特徴を絞り込んで検索でき、応募者の獲得に頭を悩ませることもありません。フィットする人材に自動でアプローチすることも可能で、採用担当者の工数を削減できるのも魅力です。
ミイダスは採用だけに用いるのではなく、人材育成や組織開発にも役立つのが嬉しいポイント。ミイダスご契約企業様のみお使いいただける、コンピテンシーを活用して人事の力を高める「活躍ラーニング」という学習コンテンツも用意しています。活躍ラーニングには「コンピテンシー活用講座」と「バイアス診断ゲーム研修講座」があります。
各講座については以下の紹介動画もぜひご覧ください。