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育成

CHROとは?役割や求められる資質・導入事例を人事担当者向けに解説

CHROとは「最高人事責任者」を指す役職名で、組織内で人事を経営戦略に結びつけるキーパーソンです。変化の激しい社会情勢の中、スピード感のある経営判断を行うためにCHROを導入する企業が増えています。とはいえ、どのような人材が適任なのか、疑問に思う方もいるでしょう。

本記事では、CHROの意味や必要とされる背景、求められる資質や導入事例を人事担当者向けに解説します。CHROを育成・確保する方法まで紹介しますので、導入を検討されている方や、社内の人事体制を見直したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なお、自社に合った人材を見極める具体的な方法を紹介したホワイトペーパーをご用意しています。CHRO候補者を確保するヒントにもなるため、ぜひ以下よりダウンロードしてご活用ください。

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CHROとは?意味と似た言葉との違い

笑顔で腕を組むCHRO
ここでは、CHROの意味や似た用語との違いを解説します。

CHRO(CHO)の意味と必要とされる背景

CHROとは、英語の「Chief Human Resource Officer」の略語で「最高人事責任者」を意味する役職名です。「CHO(Chief Human Officer)」とも同義で、人事戦略を経営と直結させる役割を担う、重要なポジションです。

CHROが必要とされている背景には、近年の「労働力人口の減少」や「社会情勢の急激な変化(VUCA)」があります。

【関連記事:VUCAとは?求められる能力や生き抜くための組織づくりのポイントを紹介

少子高齢化が進み、人材確保がますます困難になる中、企業は変化の激しい市場やニーズに対して、迅速かつ的確に対応することが求められています。そのため、人事を経営視点で捉えて、人材確保や市場への変化に戦略的に意思決定し、素早く対処できるCHROの存在が求められているのです。

なお、日本経済新聞社の「人的資本経営調査(2025年度版)」によると、CHROを設置している企業は「約35%」で、上場企業や大手企業を中心に導入が進んでいます(調査対象:東証プライム上場または従業員1,000人以上、回答数は608社)。

参考:人的資本経営調査~CHRO設置率35%に上昇、次世代リーダー育成が大きな悩み| 株式会社 日本経済新聞社のプレスリリース

人事部の役割については以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事:人事部の役割とは?人事担当者の業務内容から課題・解決策まで徹底解説

CHROと人事部長・CEO・HRBPとの違い

CHROと似た言葉に「人事部長」や「CEO」、「HRBP」があります。以下にそれぞれの役割の意味と違いを表でまとめました。
役職名主な役割関与する領域
CHRO(Chief Human Resource Officer)・最高人事責任者
・経営陣の一員として、経営戦略と人事戦略を一体化させ実行する
・経営に深く関わる
経営全体・人事
人事部長・人事部門の責任者
・採用や人事評価・労務管理などの実務を統括し、人事施策を実行する
・経営には直接関わらない
人事部門
CEO(Chief Executive Officer)・最高経営責任者
・会社全体の方針を決定し、最終的な経営判断を行う
経営全体
HRBP(Human Resources Business Partner)・HR(人事部門)ビジネスパートナー
・戦略人事を牽引し、経営戦略を実現するために戦略の立案や人材マネジメントなどを行う
事業部・人事部門
CHROと人事部長は混同されがちですが、CHROは「経営陣の一員」として人事戦略を捉えるのに対し、人事部長は人事部門の実務をマネジメントする立場で「経営に関わらない」点が大きく異なります。

また、HRBPは「戦略人事」を率いる存在であり、経営陣や事業部のリーダーを人事面からサポートする実務寄りのポジションです。戦略人事の意味や役割は、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事:戦略人事とは?意味や成功への5つのポイントを解説

企業における役職の一覧は以下の記事で解説していますので、役職の理解を深めたい方は、ぜひご確認ください。

【関連記事:役職とは?民間・公務員・外資系など一覧でまとめて紹介

組織におけるCHROの役割とは?

腕を組むビジネスマンの後ろ姿
ここでは、組織におけるCHROの主な役割を3つ解説します。CHROの導入によって得られる効果が知りたい方は、ぜひご確認ください。

人事を経営戦略へ参画させる

CHROは、会社の経営戦略と一体となって人事戦略を円滑に進める役割を担っています。経営陣と密に連携しながら、人材の採用や育成方針を経営計画に基づいて設計・実行していきます。

例えば、人事の現状と経営目標の差を明確化し、「今後どのようなスキルを持つ人材が必要か」「その人材をどのように育てるか」といった具体策を提案するのもCHROの業務です。また、人材を「資本」として捉え、人事への投資効果や将来的なリターンを経営陣へ理解してもらえるよう、説明することも求められます。

CHROは経営と人事の橋渡し役として、企業の成長と組織力の強化を支える重要な存在と言えます。

人事施策の方針・進捗を管理する

CHROは、組織におけるあらゆる人事施策の進捗状況や効果を可視化し、管理する役割も担います。人事施策が経営目標にどの程度貢献しているかを正確に把握し、次の意思決定につなげるのです。

例えば、人事評価制度を見直した後に、従業員のモチベーションや離職率がどのように変化したのかをKPIで測定し、経営層に報告することが挙げられます。また、研修制度やキャリアパスの設計が従業員の定着にどのように影響しているのか、適材適所を実現できているのかなど、人事課題を把握し改善していくこともCHROの役割です。

人材の育成・教育方針を策定する

CHROは、自社の中長期的な成長を支えるために、必要な人材育成や教育方針を策定する役割もあります。経営戦略を実現するためには、優秀な人材を採用するだけでなく、現在の従業員をいかに育てて、活躍させるかも重要です。

例えば、次世代の管理職候補を育てるためのリーダーシップ研修や、専門スキルを伸ばすための研修制度を、部門をまたいで設計・運用していく取り組みが挙げられます。また、CHROが経営視点から自社に必要な人物像や評価制度を定義し、教育方針に反映させることで、組織全体の人材育成の質を高めることが可能になります。

CHROを担う人材に必要な資質は?

グッドサインをするビジネスマン
CHROは、経営に関する知識と人事の専門知識に加えて、求められる資質があります。ここでは、CHRO候補者を選定・育成する際に重視すべき5つの資質を紹介します。

多様な部署と連携し、組織をまとめる「マネジメント力」

CHROには、社内のさまざまな部門と連携しながら人事施策を設計・管理する高いマネジメント力が求められます。経営戦略を実行するには、人事部に加えて各部署が抱える課題や人材ニーズを把握し、組織全体の方向性を整える必要があるからです。

例えば、営業部が「提案力のある人材」を求めていれば、その背景や業務の実態を的確にヒアリングし、採用基準や研修制度に反映させることが重要です。人材戦略と現場の実態をつなぐ柔軟なマネジメント力は、CHROに欠かせない資質と言えるでしょう。

なお、マネジメントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

【関連記事:マネジメントとは?意味や種類、求められるスキル、選考方法を紹介

経営に沿った施策を講じる「経営戦略の立案力」

CHROは、経営戦略に基づいた人事施策を立案する力も求められます。企業の成長は人材の質と配置に大きく影響するため、人事施策の具体的な取り組みやフローを的確に設計することが不可欠です。

例えば、新市場に参入するタイミングで、「どの地域の支店にどの職種を配置するか」「どのような人材を育成すべきか」といった判断を経営層と話し合いながら経営戦略を提案する場面が挙げられます。

人事部門の枠を超えて経営に関与できる視点と戦略の構想力が、CHROの資質として求められます。

従業員の行動を促し、指揮をとる「リーダーシップ」

CHROには、経営戦略を社内に浸透させ、従業員が自ら行動できるよう導くリーダーシップが求められます。人事施策を整備するだけでは不十分で、現場が納得し、従業員一人ひとりの協力を得ながら組織全体を動かす力が必要なのです。

例えば、等級制度や評価制度を新たに導入・変更する際には、従業員が制度の意義を理解し、前向きに受け入れられるようにビジョンを伝えることが欠かせません。現場が納得しなければ、制度が形だけのものになり、適切に機能せず効果が出にくくなってしまうからです。

経営の目標を達成しつつ、現場の納得と協力を得られるリーダーシップがCHROには必要なのです。

ビジネスで求められる具体的なリーダーシップの内容や、リーダー育成については以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事:リーダーシップとは?マネジメントとの違いや求められる資質、見極めに使えるツールも紹介
【関連記事:リーダー育成を成功させるには?難しいと言われる理由やポイントを解説

人事課題を明確化し、解決に導く「問題解決力」

CHROは、日々発生する人事関連の課題を分析し、適切な改善策を導き出す問題解決力が求められます。人材配置や制度設計、定着率などの人事課題は、経営にも大きく影響するためです。

例えば、自社の離職率が高い場合、原因を分析し、待遇の改善や残業の削減など必要な改善策を講じることで、人手不足による業務の停滞や事業への損失を防げます。人事課題の本質を見極め、組織とって最適な打ち手を講じられるCHROは、経営の長期的な存続に不可欠と言えるでしょう。

経営層と現場を円滑に連携する「コミュニケーション能力」

CHROには、経営層と現場の橋渡し役として、双方向の信頼関係を築ける高いコミュニケーション能力が欠かせません。現場の課題や声を正しく吸い上げ、経営陣に的確に伝えることや、経営方針を現場にわかりやすく説明し、納得感のある形で浸透させることが必要です。経営層と現場の連携がスムーズになることで、組織は一体感を持って動き出せます。

例えば、新たな人事施策を導入する際、現場の懸念を受け止めながら、制度の目的や背景を具体的かつ説得力のある形で説明し、伝えることが求められます。

コミュニケーション能力の高い人の特徴や採用時の見極め方は、以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

【関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方

なお、ミイダスの「コンピテンシー診断(特性診断)」を活用すれば、上記で解説したCHROに求められる「マネジメントスタイル」や「リーダーシップ」などの資質を持つ人材かを客観的に数値で把握できます。

CHRO候補を採用したい方や、従業員の資質を見極めたい方は、ぜひ以下よりミイダスを活用してみてはいかがでしょうか。何人でも無料で受験可能です(※受験にはミイダスの法人アカウントが必要です。また利用状況により一定の条件がございます)。

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CHROを導入している企業の事例

青空とビル
ここでは、国内でCHROを導入している企業を2社紹介します。自社への導入時の参考にしてみてください。

株式会社メルカリ

フリマアプリ「メルカリ」を提供する株式会社メルカリでは、CHROを導入し、さまざまな人事施策を実施しています。

例えば、2021年9月に導入された「YOUR CHOICE制度」は、従業員がオフィス出社かリモートワークかを選択できる制度です。働く場所や勤務スタイルを選べるこの制度は、IT人材の確保において競争力を高め、さらに従業員の生産性やエンゲージメントの向上にもつながっています。

また、新入社員が組織文化を理解しやすいよう、メルカリの組織文化をわかりやすく明文化した「Culture Doc(カルチャードック)」を公開。経営陣と現場の情報格差をなくすなど、透明性の高い環境づくりにも注力しており、従業員が自律的に考え、行動できる組織風土を構築しています。

参考:株式会社メルカリ

東京海上ホールディングス株式会社

損害保険・生命保険などの金融サービスを展開する東京海上ホールディングス株式会社では、CHROを導入し、「人」の力を最大限に引き出すための人事戦略を推進しています。

同社は、社員一人ひとりの可能性を尊重し、国内外から専門性の高い人材を採用・育成。さらに、適材適所の配置を通じて、組織全体での課題を解決に導いています。

また、従業員の「働きがい」「モチベーション」「組織風土」を重要な経営指標として捉え、定期的な社員の意識調査の結果をもとに課題を特定し、改善に向けてPDCAサイクルを回しています。こうした取り組みによって、従業員のエンゲージメント向上と、企業全体の一体感を向上させています。

参考:「健康憲章・DE&Iの推進・人材育成|サステナビリティ」|東京海上ホールディングス
参考:「Human Capital Report 2023」|東京海上ホールディングス
参考:「Human Capital Report 2024」|東京海上ホールディングス

CHROとなる人材を確保する方法は?

人材採用のイメージ
自社でCHRO候補となる人材を確保するにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、その3つの方法を紹介します。

多様な部署・部門で経験を積ませる

CHROには、経営視点と人事視点の両方を持った多様な経験が求められます。そのため、候補者に対しては人事異動やジョブローテーションを通じて、複数の部門を経験させることが効果的です。

例えば、営業の現場でチームを統率しながら課題解決に取り組んだ経験や、人事制度や評価制度の見直しに携わった経験などは、CHROとしての戦略的判断力や現場理解を養う貴重な機会になるでしょう。社内の多面的な業務経験を積ませることで、組織全体で活躍できるCHRO人材を育成できます。

人事異動の決め方やジョブローテーションについては、以下で解説しています。

【関連記事:人事異動の決め方は?適材適所を実現するポイント、やってはいけないことを解説
【関連記事:ジョブローテーションとは?ビジネスでの意味やメリットデメリット、ストレス軽減の方法も解説

変化に強い「アジャイル思考」の取得を促進させる

CHROの育成には、環境の変化に柔軟に対応できる思考法である「アジャイル思考」の取得も効果的です。CHROの業務では、突発的な組織再編や採用計画の変更など、スピーディに対応できる判断力や行動力が求められるからです。

また、CHROの業務に役立つその他の思考法やビジネススキルを身につけるには、従業員が自主的に学べるオンライン研修や、現場との対話を重視した実践型の研修などもよいでしょう。

【関連記事:ビジネススキルとは?一覧や具体例・身につける方法を解説

なお、ミイダスのオンライン講座「活躍ラーニング」では、基本的なビジネススキルやリーダーシップなど、CHROに必要なスキルを空き時間に効率的に学ぶことが可能です。従業員の教育に思うように時間が割けないと悩む企業には、こうしたオンライン講座の活用も役立つでしょう。

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適性検査や人材アセスメントツールを活用しCHROに適した人材を見極める

CHROには、リーダーシップや問題解決力、戦略的な思考といった資質が求められます。こうした資質は、履歴書や面談だけでは見抜きにくいため、適性検査や人材アセスメントツールの活用が効果的です。

【関連記事:適性検査とは?活用シーンや導入するメリット、弱点を解説
【関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリットと選び方・具体例を解説

例えば、ミイダスが提供する「コンピテンシー診断(特性診断)」では、候補者のマネジメントスタイルやストレス要因などが数値化して可視化できます。診断を通じて、CHRO候補者の見極めや育成の判断材料として活用できるでしょう。

ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、何人でも無料で受験可能です。まずは気軽に、以下より診断を受けてみてはいかがでしょうか(※受験にはミイダスの法人アカウントが必要です。また利用状況により一定の条件がございます)。

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CHROを自社で確保・育成するならミイダスが役立つ

ミイダス活用マップ
本記事ではCHROをテーマに、意味や似た役職との違い、求められる資質や企業の導入事例、自社で候補者を育成・確保する方法を解説しました。

CHROとは「最高人事責任者」を指す役職名です。組織内で人事と経営戦略をつなぐ役割を担い、組織全体の成長を支えるキーパーソンと言えます。こうした重要なCHROを担う人材を見極めて育成するには、候補者の資質を客観的に把握し、必要なスキルや経験、思考法を効率よく身につけさせる仕組みが欠かせません。

ミイダスでは、CHROに必要な資質であるマネジメントスタイルやリーダーシップなどを数値で可視化する「コンピテンシー診断(特性診断)」を提供しています。また、ビジネススキルを自主的に学べる「活躍ラーニング」など、CHROの育成に役立つさまざまな機能が利用できます。

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