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副業禁止を解禁するには?メリット・デメリットや解禁方法、企業の実例を解説

2018年1月から「モデル就業規則」が改定され、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」の規定を削除し、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を新設しました。

このガイドラインの導入により、副業を解禁する企業が増えています。しかし、情報漏洩生産性低下のリスクを憂慮し、副業解禁に至らない企業も少なくありません。

そこで今回は、副業禁止を解禁するメリットとデメリットに加え、問題点を解消しつつ副業を解禁する方法、さらに企業の実例について詳しく解説します。

社員が副業で得た知見やスキルを活かし、自社の発展を目指したいと考えている方はぜひ参考にしてください。

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副業が解禁された背景

副業する女性
政府が副業解禁を推奨する理由として、少子高齢化にともなう労働力人口の減少が挙げられます。

内閣府の「令和4年版高齢社会白書(全体版)」によると、日本の総人口は以下のように推移するとの推計が出ています。
  • 2021年時点:約1億2,550万人
  • 2053年時点:約1憶9,924万人
  • 2065年時点:約8,808万人
さらに、総務省統計局のデータによると、2022年の労働力人口は平均6,902万人であり、前年比マイナス5万人となっています。
引用:総務省統計局「労働力調査(基本集計) 2022年(令和4年)平均結果
総人口と労働力人口の減少は、企業にとって深刻な問題です。

そのため、副業を解禁して多様な働き方を実現させることで、人材の流動化が活発化し、優れた人材に業務を任せられるようになるのです。

【関連記事:人材の流動化とは?雇用市場の活性化によるメリット・デメリット
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兼業との違い

兼業は「本業以外に事業を営む」行為を指します。

一般的に「副業」は収入・労働時間・労力・責任が本業よりも少なく、「兼業」は本業の会社に勤めながら自分自身でもビジネスを行っている点が副業と兼業の大きな違いです。

複業との違い


複業は「複数の本業を持つ」状態を指します。

一見すると「副業」とほとんど変わらない印象ですが、収入・労働時間・労力・責任が本業と遜色ないのが「複業」の特徴です。

副業解禁後の政府の動き

2018年1月のモデル就業規則改定以降も、政府主導による副業解禁の推進が活発化しています。

2020年9月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定され、副業・兼業の労働時間管理や健康管理に関するルールが明確化されました。

また、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」改定にともない、「モデル就業規則」も副業や兼業に関する記述を改定。各企業は新しい「モデル就業規則」を参考にして自社の就業規則を改定し、副業を解禁するようになっています。

副業解禁後の企業の動き

政府の施策に応じる形で副業を解禁する企業は少しずつ増えていますが、いまだ副業を容認していない企業も多いのが現状です。

株式会社リクルートの「兼業・副業に関する動向調査データ集2022」では、従業員の兼業・副業を認める人事制度の有無について「ない」と回答した割合が48,2%となっています。

2021年に実施した同調査の結果(「ない」が49.5%)よりわずかに下回っていますが、依然として約5割もの企業が副業を認める人事制度を設けていないのが現状です。

さらに、「ない」と答えた企業に対して従業員の兼業・副業を認める人事制度の導入予定について質問し、「制度導入の検討はしていない」と回答した割合は63.1%にのぼりました。

なお、同調査で「兼業・副業を禁止する理由」について聞き取り調査した結果は以下のとおりです。
1.従業員の長時間労働・過重労働を助長するため:51.0%
2.従業員には本業に集中してもらいたいため:46.8%
3.労働時間の管理・把握が困難なため:43.0%
4.情報漏えいのリスクがあるため:36.9%
5.労働災害の場合の本業との区別が困難なため:21.9%
6.人手不足や人材の流出につながるため:20.7%
7.競業となるリスクがあるため、利益相反につながるため:19.3%
8.社内に反対者がいるため:6.8%
9.風評リスクがあるため:3.4%
10.その他:1.6%
引用:株式会社リクルート「兼業・副業に関する動向調査データ集2022」47ページ

特に1〜7の回答は、副業の解禁においてハードルとなるデメリットといえます。しかし、適切な範囲で副業を解禁することで、生産性やモチベーションの向上など、さまざまなメリットがあるのです。

【関連記事:生産性向上とは?企業ができる具体的な取り組みを解説!
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副業解禁による企業のメリット6選

MERITと書かれた木製パーツ
副業解禁はハードルが高いものの、既存の企業経営だけでは得られない知見やスキルを自社に取り入れられたり、企業の知名度向上につながったりするメリットがあります。
  • 新たな知見や人脈を自社に還元できる
  • 社員の成長やスキルアップにつながる
  • 社員の定着率が向上する
  • 人材不足の解消につながる
  • 企業のブランディングになる
  • 事業拡大やイノベーションの創出につながる

新たな知見や人脈を自社に還元できる

社員が副業に取り組むことで、自社の業務だけでは得られない知見や人脈を獲得できます。

こうした知見を自社に還元できれば、ビジネスチャンスの拡大や業務効率化に期待できるでしょう。

社員からの積極的な情報共有を促すには、組織内で積極的な意見交換ができる風土を醸成しておくのがポイントです。

社員の成長やスキルアップにつながる

副業でさまざまなスキルを身につけることにより、社員の成長やスキルアップにつながり、自主性・自律性・競争力の醸成が期待できます。

社内の人材育成制度だけだと、リソース不足で教育が行き届かないケースもありますが、一人ひとりが副業に取り組むことで、自発的な成長につながるでしょう。

社員の定着率が向上する

副業を解禁すると、本業に取り組みながらやりたいことに挑戦できるため、やりがいを求めて離職する社員が減少し、定着率向上につながります。

また、副業の導入によって、社員のモチベーション維持に必要な自己成長の場の提供にもなります。これにより、社員は自社に所属しながら幅広いスキル習得を目指せるため、自然と離職率も低下していくのです。

人材不足の解消につながる

副業によって、多種多様な知見やスキルを身につけた人材が社内に増えていくことで、優秀な人材が育ち、慢性的な人材不足の解消につながります。

また、副業に取り組んでいない社員に対しても知見やスキルを共有すれば、多様な能力を備えた人材がおのずと増えていくため、企業経営の安定性にも貢献できるでしょう。

企業のブランディングになる

昨今では、自分らしく働ける環境を希望する求職者が増えています。

多様な働き方を容認する自由な風土の会社は、少子高齢化で不足している20〜30代の若い人材から注目されやすいため、効率的な母集団形成にも効果が期待できるでしょう。

事業拡大やイノベーションの創出につながる

副業に取り組むことで得られる人脈や知見を自社に還元すれば、事業拡大やイノベーションの創出につながる可能性があります。

日頃から組織内でスムーズな意見交換ができる環境を構築できていると、催促せずとも人脈の紹介や知見の共有が可能となり、企業経営の円滑化に貢献できるでしょう。

【関連記事:イノベーションとは?種類や成功事例をもとにわかりやすく解説

副業解禁による企業のデメリット5選

DEMERITと書かれた木製パーツ
副業の解禁は、企業や人材の成長が期待できる一方で、以下のようなデメリットも存在します。
  • 情報漏洩リスクがある
  • 本業の生産性が低下するおそれがある
  • 優秀な社員が独立・離職する可能性がある
  • 企業の信用失墜や労災責任を負う可能性がある
  • 労働時間の把握が困難になる

情報漏洩リスクがある

副業でさまざまな企業にかかわることとなるため、会社の機密事項が外部に漏れてしまう可能性があります。

特に副業の業種や業態が競合である場合、自社の財産とも呼べる重要な情報を無償で提供してしまうことになってしまうのです。

そのため、社員にはあらかじめ副業を希望する旨を届け出てもらったうえで、情報の取り扱い方法を指導したり、秘密保持契約を締結したりしておく必要があります。

本業の生産性が低下するおそれがある

勤務時間後や休日を副業の時間に充てる必要があるため、必然的に疲労が蓄積し、本業の生産性が低下するおそれがあります。

改正された「副業・兼業の促進に関するガイドライン」には、使用者が労働者に対して健康に配慮する以下の記述がされています。
(3) 健康管理
使用者は、労働者が副業・兼業をしているかにかかわらず、労働安全衛生法第66 条等に基づき、健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックやこれらの結果に基づく事後措置等(以下「健康確保措置」という。)を実施しなければならない。

また、健康確保の観点からも他の事業場における労働時間と通算して適用される労基法の時間外労働の上限規制を遵守すること、また、それを超えない範囲内で自らの事業場及び他の使用者の事業場のそれぞれにおける労働時間の上限を設定する形で副業・兼業を認めている場合においては、自らの事業場における上限を超えて労働させないこと。
引用:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン
副業の有無にかかわらず実施しなければならない取り組みに加えて、副業をしている社員には定期的に副業の労働時間をヒアリングするなど、可能な限り副業の状況を把握して健康管理をしていく必要があるでしょう。

優秀な社員が独立・離職する可能性がある

副業解禁によって自社に定着する人材がいる一方で、副業で独立したり副業先に転職したりする社員も一定数でてきます。

副業解禁前に就業規則に「競合禁止」を加えたり、副業希望の社員と面談を行ったりして、企業の不利益となる行為を禁ずる旨をしっかり伝えましょう。

企業の信用失墜や労災責任を負う可能性がある

副業先で不祥事や事故が起きた場合、本業の信用失墜や労災責任を負う可能性があります。

副業先に迷惑をかけてしまうと、本業企業の信用失墜につながり、ビジネスチャンスの喪失など大きなデメリットが発生するでしょう。

また、社員が副業先で事故に遭った場合、本業と副業のどちらに労災認定が必要なのか調査しなければなりません。もし本業に労災の原因があると見なされると、労災認定の責任を負うことになります。

労働時間の把握が困難になる

労働基準法第三十八条には「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と記載されています。つまり、本業と副業をあわせたものが総労働時間となります。

引用:e-GOV 法令検索「昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法 第三十八条

そのため、以下の点に留意しなければなりません。

1.本業・副業あわせて法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超過した場合は割増賃金を支払う
2.36協定で定められた時間外労働の条件も適用される

1については、契約締結が暦日で後になった企業に支払義務があるため、ほとんどの場合は副業先が割増賃金を支払うことになります。

しかし、社員の労働時間を厳密に管理するのは難しく、企業によって管理方法も異なることから、副業解禁を阻む大きな原因になっているのです。

【関連記事:36協定とは?メリット・デメリットや書式について解説

副業になる業務のボーダーライン

線をつまむ手
実際のところ、「副業」に明確な定義はありません。法律用語に「副業」は存在せず、法令で規制されているものでもないためです。

そこで本項では、一般的に就業規則の副業禁止規定に抵触する範囲について解説します。

結論として、本業に何らかの影響を与える「労務提供型」の業務が副業に該当するとされています。ただし労務提供型の業務すべてが禁止とはされていません。

【就業規則で禁止される労務提供型業務の例】
・本業後の夜間・長時間勤務のアルバイトや契約社員
・本業と競合する業種での起業 
【就業規則で禁止されない労務提供型業務の例】
・地元の少年サッカーチームのボランティアコーチ(非営利目的)
・知り合いのお宅のエアコン修理をしてお礼をいただいた(継続性のない労働)
上記の例から、労務提供型・営利目的・継続性のある業務だと、副業として定義されると考えられます。

なお、株やFX、アフィリエイトなどの「不労所得」についても、労務提供型・営利目的・継続性の3点を満たしていると副業に認定されます。

【不労所得が副業認定される事例】
・広告収入を目的にホームページを開設し、定期的にブログを投稿している
・投資マンションの管理事務を管理会社に任せず自分で行う
このように、不労所得を継続的に得るのを目的としたり、投資にかかわる業務に対して労務提供をしたりする場合は副業認定されると考えてよいでしょう。

今後企業で副業を解禁していく流れになった際は、副業に該当する業務かどうかを見極めていく必要があります。

労働時間の通算が必要となる業務のボーダーライン

BORDERと書かれたブロック
副業・兼業の促進に関するガイドライン」によると、労働基準法に定められた労働時間規制に該当しない業務は以下の「 ・ 労基法が適用されない場合」に記載されています。
ア 労働時間の通算が必要となる場合 

(ア) 労働時間が通算される場合 労働者が、事業主を異にする複数の事業場において、「労基法に定められ た労働時間規制が適用される労働者」に該当する場合に、労基法第 38 条第 1項の規定により、それらの複数の事業場における労働時間が通算される。 次のいずれかに該当する場合は、その時間は通算されない。

 ・ 労基法が適用されない場合(例 フリーランス、独立、起業、共同経営、 アドバイザー、コンサルタント、顧問、理事、監事等)

 ・ 労基法は適用されるが労働時間規制が適用されない場合(農業・畜産業・ 養蚕業・水産業、管理監督者・機密事務取扱者、監視・断続的労働者、高 度プロフェッショナル制度) なお、これらの場合においても、過労等により業務に支障を来さないよう にする観点から、その者からの申告等により就業時間を把握すること等を通 じて、就業時間が長時間にならないよう配慮することが望ましい。
引用:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン
フリーランスやコンサルタントなどの業務は、労働時間を本業と合算する必要はありません。しかし、労働時間の増加による本業のモチベーション低下は懸念すべき事項だと言えます。

そのため、労働基準法が適用されない業務で副業をしている社員に対しても、定期的な組織サーベイでモチベーションを把握しておくのが良いでしょう。

なお、ミイダスでも「組織サーベイ機能」を提供しております。
組織サーベイの画面
以下の記事では、組織サーベイを利用された企業様の事例を紹介しています。あわせてご一読ください。

【事例紹介:ミイダス「組織サーベイ」なら、離職防止から生産性向上まで。組織改善が可能に!
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副業解禁に向けた4つの準備

副業解禁に向けた準備
副業のデメリットよりもメリットの重要度が上回ったら、以下の準備を進めて副業解禁を目指しましょう。
  • 総労働時間の把握に向けた施策の導入
  • 就業規則の確認と変更
  • 評価項目や罰則の見直し
  • 副業に関するリテラシーの周知徹底
具体的な内容を解説していきます。

総労働時間の把握に向けた施策の導入

「労働時間の通算が必要となる業務のボーダーライン」でも解説したとおり、副業を解禁した企業は労働時間の管理や把握を一層強める必要があります。

厚生労働省は、副業における労働時間管理を簡便にする方法として「管理モデル」の導入を推奨しています。
原則的な労働時間通算の考え方
管理モデルの考え方
引用:厚生労働省「副業・兼業の場合における簡便な労働時間管理のポイント 労使双方の負担を軽減する「管理モデル」
管理モデルでは、本業先の法定外労働時間と副業先の労働時間(所定労働時間および所定外労働時間)を合計した時間数が、時間外労働の上限(月100時間未満・複数月平均80時間以内)となるよう調整します。

これにより、時間外労働の上限内であれば、副業先の実労働時間を把握しなくても労働基準法を遵守できるようになります。

具体的な導入方法や労働時間の上限設定については、以下の厚生労働省ホームページをご確認ください。

副業・兼業の場合における簡便な労働時間管理のポイント 労使双方の負担を軽減する「管理モデル」

他にも、パソコンの使用時間などから労働時間を正確に算出できる勤怠管理システムも、副業の労働時間管理に役立ちます。

就業規則の確認と変更

就業規則は単に「副業禁止規定」の部分を削除するだけでなく、副業解禁によって生じるデメリットを回避するためのルールも記載する必要があります。

厚生労働省が公開している「モデル就業規則」には、副業の可否に関するルールが掲載されています。就業規則を変更する際は下記も参考にしてください。
(副業・兼業)
第67条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事すること
 ができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の
届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合

引用:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン
上記のモデル就業規則はあくまで基本的なものなので、自社の環境なども考慮して適宜内容を変更しましょう。

評価項目や罰則の見直し

副業で得た知見や人脈を自社に還元し、自社の利益に貢献した社員を評価する項目を設けましょう。

たとえば以下のように評価項目をレベル順に設定し、自社への貢献度を測定できるようにします。

【副業に取り組む社員の評価項目例】
1.本業と副業の労働時間を管理し、適切に健康管理を行っている
2.自主性・自律性・競争力を醸成し、能動的に業務に取り組んでいる
3.副業で得た知見や人脈を組織内に還元し、課題解決に貢献している
4.副業で得た知見や人脈を有効に活用し、企業全体の利益に貢献している
一定の評価項目を満たした社員には、臨時ボーナスや新規プロジェクトのリーダーに抜擢するなど、モチベーションやエンゲージメント向上につながる報酬を用意するのも効果的です。

一方、副業の疲れで本業に支障が出たり、情報漏洩など企業に損害を与える行為をしたりした場合を想定して、罰則の見直しも検討しましょう。

ただし、本業に支障をきたしているか否かは判断が難しいため、定期的な組織サーベイの実施などでモチベーションをチェックするのが効果的です。

【関連記事:エンゲージメント向上にはアセスメントツールが効果大!活用方法や事例を紹介
【関連記事:ES(従業員満足度)を向上させるには?調査方法や企業事例を紹介

副業に関するリテラシーの周知徹底

副業の解禁にともない、社員一人ひとりに秘密保持義務・競業避止義務・職務専念義務などの決まりを周知徹底する必要があります。

就業規則の変更が終わったタイミングで説明会を開催し、新しい就業規則の内容を伝えるのと同時に周知するのが良いでしょう。

社員に新しい規則や厳守する決まりを再確認してもらうことで、社員のリテラシー強化につながります。

副業を解禁した企業の実例を3つ紹介

ここからは、副業を解禁して自社の成長につなげた企業を3社紹介いたします。

1.ロート製薬株式会社
2.ユニ・チャーム株式会社
3.サイボウズ株式会社

1.ロート製薬株式会社

ロート製薬株式会社は、2016年2月から「社外チャレンジワーク」という副業制度をスタートさせました。

社外チャレンジワークとは、社会貢献や能力開発をしたい社員を後押しする制度で、土日祝や就業後に他の業務に取り組むことを許可しています。

入社3年以上の社員を対象に、副業の条件を「本業に支障をきたさないもの(就業時間外・休日のみ可能)」のみと定め、自走力や自立心を育む人材の誕生を目的としています。

ロートの複業・兼務・社内起業 実践者レポート2022」によると、現在も社外チャレンジワークに挑戦している社員は52名にのぼり、業務内容も「行政の戦略顧問・市政アドバイザー」や「大学講師」など内容はさまざま。

実際に社外チャレンジワークで、木工品の加工販売会社の取締役に就任した社員は「何もないところから自分で道を切り拓いていく0→1の経験が自信となっています」と語っています。

社員の自立やスキルアップの機会を自社に限定しない試みにより、同社では多角的な視点やスキルを持つ人材が活躍しているのです。

引用:ロート製薬株式会社「ロートの複業・兼務実践者リアルレポート2021 実践者の声
参考:ロート製薬株式会社「ロート製薬は新しい働き方に挑戦しています

2.ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社は2018年4月より「副業制度」を導入しました。

同社の「Sustainability Report 2023」によると、副業制度の導入は「当社とは異なる環境に身を置き、新たなスキルの獲得や専門性の習得、人脈の拡張などによって、活躍の場をげ、社員のさらなる成長を支援すること」を目的としています。

2022年時点で副業制度を利用している社員は56名にのぼり、多くの社員が新しいスキルの獲得などの成果が得られたと制度を評価しています。

引用・参考:ユニ・チャーム株式会社「Sustainability Report 2023 副業制度

3.サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、働き方の多様化へのチャレンジとして16の項目を定めており、その中に「副業(複業)の自由化(誰でも会社に断りなく副業可)」と記載されています。

(サイボウズの資産を使用する場合のみ、専用アプリによる申請が必要)

同社では、社内の誰もが見られる予定表に本業と副業の予定が記載されています。労働時間などを嘘偽り無く公明正大に公表することで、社内での信頼関係構築に一役買っています。

副業解禁後、同社では「複業家(2つの企業に属する社員)」が登場し、サイボウズ・SIer・農業の3業種を股にかけて活躍。

当該社員の取り組みは「IoT x 農業:地域情報化大賞2015 地域サービス創生部門賞」を受賞しています。

引用・参考:サイボウズ株式会社「サイボウズにおける副業(複業)の推進事例

副業社員のモチベーション管理や行動特性の分析なら「ミイダス」

副業に取り組む社員のモチベーションやスキルアップの状況を把握する方法として、ミイダスの「組織サーベイ」と「コンピテンシー診断」の活用をおすすめします。

ミイダスの組織サーベイは、毎月5分程度の簡単なアンケートによって、社員の状態を可視化できます。高頻度のアンケート調査により、社員のモチベーションの変化をつぶさに把握可能です。

社員のモチベーションやエンゲージメントは、主観的な視点では把握が困難であるため、客観的なデータを参考にすることで効果的な施策を打ち出せます。

また、「コンピテンシー診断」は「ヴァイタリティ」や「問題解決力」など41項目のコンピテンシー項目で人材の特性を細かく洗い出し、目に見えにくいスキルの成長度合いを把握できます。

【コンピテンシー項目の例】
コンピテンシー定義(5以上)コンピテンシー診断(5以上)
ヴァイタリティ活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。

競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。
体力・気力に優れている。強い競争心を持ち、課題を与えられた時に、必ず達成しようと決意する。
問題解決力データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。

概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。
やさしい問題よりも難しい問題、複雑な問題にぶつかるほど意欲が出る。問題にぶつかったときに、解決に向けて合理的な推論を行う。
プレッシャーへの耐力余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている

タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である
感情的にならず、プレッシャーやストレスが強い状況でも平静を保つことができる。楽観的な人だと言われる一面を持っている。
副業開始前・開始後でそれぞれコンピテンシー診断を行い、行動特性にどのような変化が見られるかを数値で可視化することで、適正な評価や人事考課につなげられます。

【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説

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