労働者人口が減少し、働き方が多様化して人材確保が課題となる近年、仕事に対する従業員の満足度である「ES(従業員満足度)」を高めることが重視されています。
ESを向上させれば、人材の確保や離職防止、顧客満足度の向上といった効果が期待できるからです。
しかし、ESは目に見えるものではないため「どのように調査すればいいのか」「ESの向上には何をすればいいのか」など戸惑う方もいるのではないでしょうか。ESを高めるには、自社のESを明確に把握し、改善が見込める適切な施策を行わなければなりません。
そこで本記事では、ESの調査方法やESを向上させる方法などを解説します。記事の後半では、ESを向上させた企業事例やESを効率的に調査できるおすすめのツールも紹介していますので、ぜひ最後までご一読ください。
なお、企業の人事担当者の方に向けて、自社に定着する人材を採用するための方法やESと関係の深い「モチベーション」を高めるための方法をくわしく紹介したお役立ち記事も用意しています。
下記より無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
▼無料ダウンロード可
お役立ち資料【社風にあった定着人材の採用を成功させる方法】
お役立ち資料【部下のモチベーションを把握する、その方法とは】
ESを向上させれば、人材の確保や離職防止、顧客満足度の向上といった効果が期待できるからです。
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なお、企業の人事担当者の方に向けて、自社に定着する人材を採用するための方法やESと関係の深い「モチベーション」を高めるための方法をくわしく紹介したお役立ち記事も用意しています。
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▼この記事でわかること
ES(従業員満足度)とは?意味や重視されている理由
そもそもES(従業員満足度)とは、何を指すのでしょうか。
ESを理解するため、概要や注目されている理由などをくわしく見ていきましょう。ES(従業員満足度)とは
ESとは「Employee Satisfaction」の略称で、従業員の「やる気」や「士気」「会社への愛着心」といった満足度を表すものです。
給与や福利厚生、業務内容など物質的な面はもちろん「この会社にいると充実感がある・楽しい・高いモチベーションを保てる」など、精神的な充実感も含まれます。
近年では、人事施策に効果的であるとESに注目する企業が増えています。ES(従業員満足度)が重視される背景
なぜ、近年ES(従業員満足度)が重視されているのでしょうか?
背景として- 労働者人口の減少
- 働き方の多様化による人材の流動化
などの影響から「人材の確保が課題となっていること」が挙げられます。
雇用対象となる人材が不足していることに加え、国はさまざまなライフスタイルに応じた働き方を促進する「働き方改革」を行っています。
そのため、従来の1つの企業に長く勤める終身雇用制度が崩壊しつつあるのです。人材は「より良い職場があれば転職しよう」「職場に不満があれば、退職しよう」と思うことが、当たり前になっています。
よって企業は「いかに離職を防ぎ、自社で働いてもらうか」という課題の対策として、ESの向上を求められているのです。
なお、人材の流動化のメリットやデメリットを知り、自社の採用率を高める方法については、以下の記事をご覧ください。
関連記事【人材の流動化とは?雇用市場の活性化によるメリット・デメリット】経営利益にはES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の両方が重要
ここで「ESの向上って、人材確保以外に得や利益はあるの?企業が損するのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。
実は、ES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の両方を重視することは、利益向上にも有効です。ESを高めることで質の高いサービスの提供につながり、CSも向上します。結果として、業績も向上するという仕組みです。
厚生労働省の調査でも、顧客満足度のみを重視する企業に比べて、ESとCSの両方を重視する企業のほうが、業績が伸びて人材も確保できている傾向にあります。
参考:厚生労働省「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」(平成27年)の報告
また、ハーバード・ビジネス・スクールのジェームス・L・ヘスケット教授は、独自の研究からES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の関係性を以下のように報告しています。- ESとCSとの間には99%の因果関係が認められた
- CSが平均水準以上の店舗の78%が、ESでも平均水準以上だった
- ESが1%増加すると、CSが0.22%増加する
参考:ジェームス・L・ヘスケット著『カスタマー・ロイヤルティの経営 企業利益を高めるCS戦略』出版社:日経BPマーケティング(日本経済新聞出版)、発行年:1998年
つまり、ESとCSの増加率はイコールではないものの、CSを高める一要因としてES向上がある、というわけです。よって企業利益を向上させるには、ESの向上が欠かせないといえます。ES(従業員満足度)に関わる2つの要因
ES(従業員満足度)を高める施策を考える前に「従業員の満足度には、何が関係するのか」を知る必要があります。
アメリカの臨床心理学者ハーズバーグによる「ハーズバーグの二要因理論」では、従業員満足度には主に以下の2つの要因が関係していることが示されています。- 衛生要因:不足すると仕事への「不満足」につながる要因
- 動機づけ要因:満たされると仕事への「満足」につながる要因
衛生要因が不足すると、仕事へのモチベーションが低下して不満につながり、逆に動機づけ要因が充足するとモチベーションが高まる、と提唱しています。
具体的には、以下のイメージです。
【衛生要因(不足すると不満)の例】- 給与
- 福利厚生
- 労働条件、環境
- 社内の人間関係
【動機付け要因(充足すると満足)の例】- 承認される(承認欲求が満たされる)
- 達成感
- 仕事への興味
- 自身の成長
- 責任
- 昇進
上記のような衛生要因の不足を防ぎ、動機付け要因を充足させることが、従業員のモチベーションを高めます。結果として、ESの向上にもつながるのです。
ただし、注意点としては、- 衛生要因の充足:必ずしも「仕事の満足」につながるわけではない
- 動機付け要因の不足:必ずしも「仕事への不満」につながるわけではない
ということです。
よってESの向上を目指すときは、2つの要因と関係性を参考に、自社のESの現状から効果的な施策を考える必要があります。
ESの向上に深く影響する、従業員のモチベーションや承認欲求については、以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事【モチベーションとは?従業員のモチベーションを上げるメリットや効果、方法も解説】
関連記事【承認欲求の診断(評価)方法とは?社員の意欲を高める施策とポイント】ES(従業員満足度)を高める4つのメリット
ES(従業員満足度)の向上には、以下の4つのメリットがあります。1.生産性の向上
2.業務の質が向上し、顧客満足度が高まる
3.人材の確保
4.従業員のモチベーションアップ1つずつ解説していきます。1.生産性の向上
1つ目のメリットは、生産性が向上することです。
ES(従業員満足度)を高めると、事業の利益アップにもつながります。
以下は「CSのみを重視する企業」と、「ESとCSを重視する企業」の業績状況です。
CSのみ重視
ES+CSを重視
売上高営業利益が増加傾向(10年前~5年前) 21.3 %
26.9 %
売上高営業利益が増加傾向(5年前~現在) 25.0 %
31.1 %
売上高が増加(10年前~5年前) 39.9 %
46.5 %
売上高が増加(5年前~現在) 48.2 %
57.1 %

ESを理解するため、概要や注目されている理由などをくわしく見ていきましょう。
給与や福利厚生、業務内容など物質的な面はもちろん「この会社にいると充実感がある・楽しい・高いモチベーションを保てる」など、精神的な充実感も含まれます。
近年では、人事施策に効果的であるとESに注目する企業が増えています。
背景として
雇用対象となる人材が不足していることに加え、国はさまざまなライフスタイルに応じた働き方を促進する「働き方改革」を行っています。
そのため、従来の1つの企業に長く勤める終身雇用制度が崩壊しつつあるのです。人材は「より良い職場があれば転職しよう」「職場に不満があれば、退職しよう」と思うことが、当たり前になっています。
よって企業は「いかに離職を防ぎ、自社で働いてもらうか」という課題の対策として、ESの向上を求められているのです。
なお、人材の流動化のメリットやデメリットを知り、自社の採用率を高める方法については、以下の記事をご覧ください。
関連記事【人材の流動化とは?雇用市場の活性化によるメリット・デメリット】

ここで「ESの向上って、人材確保以外に得や利益はあるの?企業が損するのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。
実は、ES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の両方を重視することは、利益向上にも有効です。ESを高めることで質の高いサービスの提供につながり、CSも向上します。結果として、業績も向上するという仕組みです。
厚生労働省の調査でも、顧客満足度のみを重視する企業に比べて、ESとCSの両方を重視する企業のほうが、業績が伸びて人材も確保できている傾向にあります。
参考:厚生労働省「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」(平成27年)の報告
また、ハーバード・ビジネス・スクールのジェームス・L・ヘスケット教授は、独自の研究からES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の関係性を以下のように報告しています。
実は、ES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の両方を重視することは、利益向上にも有効です。ESを高めることで質の高いサービスの提供につながり、CSも向上します。結果として、業績も向上するという仕組みです。
厚生労働省の調査でも、顧客満足度のみを重視する企業に比べて、ESとCSの両方を重視する企業のほうが、業績が伸びて人材も確保できている傾向にあります。
参考:厚生労働省「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」(平成27年)の報告
また、ハーバード・ビジネス・スクールのジェームス・L・ヘスケット教授は、独自の研究からES(従業員満足度)とCS(顧客満足度)の関係性を以下のように報告しています。
- ESとCSとの間には99%の因果関係が認められた
- CSが平均水準以上の店舗の78%が、ESでも平均水準以上だった
- ESが1%増加すると、CSが0.22%増加する
参考:ジェームス・L・ヘスケット著『カスタマー・ロイヤルティの経営 企業利益を高めるCS戦略』出版社:日経BPマーケティング(日本経済新聞出版)、発行年:1998年
つまり、ESとCSの増加率はイコールではないものの、CSを高める一要因としてES向上がある、というわけです。よって企業利益を向上させるには、ESの向上が欠かせないといえます。
つまり、ESとCSの増加率はイコールではないものの、CSを高める一要因としてES向上がある、というわけです。よって企業利益を向上させるには、ESの向上が欠かせないといえます。
ES(従業員満足度)に関わる2つの要因
ES(従業員満足度)を高める施策を考える前に「従業員の満足度には、何が関係するのか」を知る必要があります。
アメリカの臨床心理学者ハーズバーグによる「ハーズバーグの二要因理論」では、従業員満足度には主に以下の2つの要因が関係していることが示されています。- 衛生要因:不足すると仕事への「不満足」につながる要因
- 動機づけ要因:満たされると仕事への「満足」につながる要因
衛生要因が不足すると、仕事へのモチベーションが低下して不満につながり、逆に動機づけ要因が充足するとモチベーションが高まる、と提唱しています。
具体的には、以下のイメージです。
【衛生要因(不足すると不満)の例】- 給与
- 福利厚生
- 労働条件、環境
- 社内の人間関係
【動機付け要因(充足すると満足)の例】- 承認される(承認欲求が満たされる)
- 達成感
- 仕事への興味
- 自身の成長
- 責任
- 昇進
上記のような衛生要因の不足を防ぎ、動機付け要因を充足させることが、従業員のモチベーションを高めます。結果として、ESの向上にもつながるのです。
ただし、注意点としては、- 衛生要因の充足:必ずしも「仕事の満足」につながるわけではない
- 動機付け要因の不足:必ずしも「仕事への不満」につながるわけではない
ということです。
よってESの向上を目指すときは、2つの要因と関係性を参考に、自社のESの現状から効果的な施策を考える必要があります。
ESの向上に深く影響する、従業員のモチベーションや承認欲求については、以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事【モチベーションとは?従業員のモチベーションを上げるメリットや効果、方法も解説】
関連記事【承認欲求の診断(評価)方法とは?社員の意欲を高める施策とポイント】ES(従業員満足度)を高める4つのメリット
ES(従業員満足度)の向上には、以下の4つのメリットがあります。1.生産性の向上
2.業務の質が向上し、顧客満足度が高まる
3.人材の確保
4.従業員のモチベーションアップ1つずつ解説していきます。1.生産性の向上
1つ目のメリットは、生産性が向上することです。
ES(従業員満足度)を高めると、事業の利益アップにもつながります。
以下は「CSのみを重視する企業」と、「ESとCSを重視する企業」の業績状況です。
CSのみ重視
ES+CSを重視
売上高営業利益が増加傾向(10年前~5年前) 21.3 %
26.9 %
売上高営業利益が増加傾向(5年前~現在) 25.0 %
31.1 %
売上高が増加(10年前~5年前) 39.9 %
46.5 %
売上高が増加(5年前~現在) 48.2 %
57.1 %

アメリカの臨床心理学者ハーズバーグによる「ハーズバーグの二要因理論」では、従業員満足度には主に以下の2つの要因が関係していることが示されています。
具体的には、以下のイメージです。
【衛生要因(不足すると不満)の例】
ただし、注意点としては、
よってESの向上を目指すときは、2つの要因と関係性を参考に、自社のESの現状から効果的な施策を考える必要があります。
ESの向上に深く影響する、従業員のモチベーションや承認欲求については、以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事【モチベーションとは?従業員のモチベーションを上げるメリットや効果、方法も解説】
関連記事【承認欲求の診断(評価)方法とは?社員の意欲を高める施策とポイント】

ES(従業員満足度)の向上には、以下の4つのメリットがあります。
1.生産性の向上
2.業務の質が向上し、顧客満足度が高まる
3.人材の確保
4.従業員のモチベーションアップ
2.業務の質が向上し、顧客満足度が高まる
3.人材の確保
4.従業員のモチベーションアップ
1つずつ解説していきます。
1.生産性の向上
1つ目のメリットは、生産性が向上することです。
ES(従業員満足度)を高めると、事業の利益アップにもつながります。
以下は「CSのみを重視する企業」と、「ESとCSを重視する企業」の業績状況です。
ES(従業員満足度)を高めると、事業の利益アップにもつながります。
以下は「CSのみを重視する企業」と、「ESとCSを重視する企業」の業績状況です。
CSのみ重視 | ES+CSを重視 | |
売上高営業利益が増加傾向(10年前~5年前) | 21.3 % | 26.9 % |
売上高営業利益が増加傾向(5年前~現在) | 25.0 % | 31.1 % |
売上高が増加(10年前~5年前) | 39.9 % | 46.5 % |
売上高が増加(5年前~現在) | 48.2 % | 57.1 % |