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採用

面接での採用基準とは?採用したい人材を見極める評価項目を解説

求職者の特性や性格を把握し、自社が求める人材か否かを見極める「採用判断」は、企業の成長と求職者の人生に大きくかかわるため、慎重かつ適切に実施しなければなりません。

そこで今回は、採用判断の質を左右する採用基準の決め方や、基準をもとに面接で人材を見極める方法を解説します。

面接での採用判断の質を向上させ、自社にマッチする人材を獲得したいとお考えの方は是非参考にしてください。

なお、社風にあった人材を採用したい方に向けたお役立ち資料も用意しています。無料でダウンロードできますので、本記事とあわせてご活用ください。

【無料ダウンロード可】社風にあった定着人材の採用を成功させる方法

また、業界別に採用のポイントをまとめた記事も用意しています。

【関連記事:コンサルティング業界における採用のポイント
【関連記事:電機業界における採用のポイント
【関連記事:サービス業における採用のポイント

記事を動画で解説

面接で適切に採用判断するには、基準の明確化が必須

基準に達しているかチェックしている様子
面接における採用判断の質は、明確化された採用基準の有無に左右されます。

採用基準とは「自社に適した人材を採用するために、必要な評価基準」です。履歴書から読み取れるハードスキルのほかに、コミュニケーション能力やリーダーシップなどのソフトスキルも基準に組み込まれます。

もし採用基準が不明瞭だと、面接官ごとに重視する項目が変化するため、求める人材像とは異なる求職者を採用してしまう可能性があります。

また、役員や人事、面接官で重視する基準が異なると選考通過率にも影響し、最悪の場合は母集団形成の段階から採用をやり直す必要があるでしょう。

こうした早期離職や採用工数増加によるコストの増加を防ぐためにも、明確な採用基準の設定が必須なのです。

採用基準が必須な理由は次項で詳しく解説します。

採用基準が必須である4つの理由

AとBで迷う人形
書類選考や面接で採用基準が必須である理由は以下のとおりです。
  • 求める人材像と合致するか見極めるため
  • 公正かつ公平な選考を実施するため
  • 早期離職の防止
  • 採用活動の効率化
具体的に解説していきます。

求める人材像と合致するか見極めるため

募集ポジションに求められる特性を有しているかを判断し、最適な人材を確保するためにも、明確な採用基準が必須となります。

もし採用基準が不明瞭だと、人事と現場の管理職で求める人材像にギャップが生じるため、面接官の主観が重視されてしまいます。すると、募集ポジションが求める特性を持たない人材が採用され、早期離職や定着の遅れにつながるのです。

こうしたミスマッチは企業と人材の双方がデメリットを被るため、採用活動を始める前に役員・人事・現場それぞれの立場ですり合わせておかなければなりません。

公正かつ公平な選考を実施するため

採用した根拠を明確にし、人材を適切な部署に配置するためにも採用基準が重要です。

もし面接を複数回実施する場合、一次面接を人事・二次面接を現場の管理職・三次面接を役員が担うケースが多いでしょう。その際、各々が個人的な価値観や判断基準で評価すると採用基準がバラバラになり、内定者の間でも不公平感が生まれてしまいます。

なお、厚生労働省が公表している「公正な採用選考の基本」では、
  • 応募者の基本的人権を尊重すること
  • 応募者の適性・能力に基づいて行うこと
の2点を基本的な考えとして挙げています。

面接官の主観による偏った選考を排除するためにも、採用基準の明確化が求められるのです。

引用:厚生労働省「公正な採用選考の基本

早期離職の防止

募集ポジションでの採用には不適格、またはオーバースペックの人材を適切に見極める際も、採用基準がなければ正確な判断ができません。

もし採用基準を設けないと、業務内容が給与に見合わない・ついていけないなどの理由で早期離職する人材が増加してしまうでしょう。

人材の定着を促し、かつ採用活動の工数削減を実現するためにも、採用基準はしっかりと作成する必要があります。

採用活動の効率化

採用基準を明確化しておくことで、選考プロセスごとに異なる面接官が担当したり、担当者が離職したりしても評価を統一させやすくなり、選考の属人化を防止できます。

新しい面接官への引き継ぎが容易になるほか、担当者が複数人になっても採用基準を確認すれば、業務に支障がでなくなり採用活動効率化につながります。

ここまでで、採用基準の明確化は企業・求職者双方にとって大きなメリットがあると分かりました。次項では採用基準をどのように決めるべきかを解説します。

採用基準の決め方

RECRUITと書かれた付箋
採用基準を決めるには、以下3つの工程を実施する必要があります。
  • 採用市場のトレンドを把握する
  • 求める人材像を決める
  • 評価項目を設定する
詳しく見ていきましょう。

採用市場のトレンドを把握する

最初に取り組みたいのは、採用市場のトレンドを把握し、採用基準として妥当な基準がどの程度かを確認しておくことです。

厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」や人材関連の民間企業が定期的に公表する採用市場のレポートを参考に、市場動向や転職者の傾向について押さえておきましょう。

これにより、競合他社よりも採用基準が高すぎる、または低すぎる事態を防ぎ、採用予定人数の確保が容易になります。

求める人材像を決める

新卒や中途採用いずれの場合も、求める人材像は役員・人事・現場の声を聞いたうえで作成するのがポイントです。これにより、事業計画の達成や現場に必要となる特徴を持った人材の採用が可能となります。

人物像を決めるときは、可能な限り具体的に設定するのが重要です。たとえば人事担当者と現場が「コミュニケーション能力に優れた人材」が必要といっても、以下のように解釈が異なるケースがあります。
  • 人事担当者の考え:誰にでも明るく接し、場の調和を保てる
  • 現場の考え:積極的に意見を出し、新たなイノベーションを生み出せる
どちらの考えがより求める人材像に近いのか、十分にすり合わせていきましょう。

しかし、人物像を具体化させるにはかなりの工数がかかるほか、意見が一致せず難航する可能性もあるでしょう。そこで、自社で活躍する人材の行動特性(コンピテンシー)を洗い出し、求める人材像づくりに役立てられる「ミイダス」のアセスメントツールをおすすめします。

人材が持つコンピテンシーを可視化する「コンピテンシー診断」を自社社員に受験させることで、活躍人材の特性を客観的に分析可能。募集ポジションに適した人材像の設定に役立ちます。

【関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説

コンピテンシー診断は15名までなら無料で実施できますので、ぜひ一度お試しになってください。

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まずは無料トライアルをお試しください。

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評価項目を設定する

採用市場のトレンド把握と求める人材像の設定が完了したら、書類選考や面接で必要な評価項目を作成します。求める人材像に合う項目を思いつくかぎりピックアップし、その中から優先順位を決めていきましょう。

評価項目は多すぎると面接官の負担になるため、20個前後にとどめておきましょう。なお、評価項目も定量・定性の両方を意識するのがポイントです。

定量的な評価項目は営業成績や業績など数値で表せるため設定が容易ですが、定性的な評価項目は定義が曖昧になりがちであり、面接官の主観が入る可能性があります。

そこで取り組みたいのが「ルーブリック評価」です。評価の段階に応じてどのような条件を満たしていればよいかを明確化することで、定性的な評価項目を明確化できます。

【ルーブリック評価の一例】

<主体性>

1. これまでの取り組んできたことを語れる
2. これまでの取り組みについて、独自の解釈や判断を持っている
3. 培った経験を元に、入社後も主体性を発揮しようとする意欲がある

<協調性>

1. 誠実な態度でコミュニケーションがとれる
2. 傾聴の姿勢で相手の話に共感できる
3. 自身や他社の意見を取り入れ、共通の目標に向かって邁進する力がある

<自社の理念への共感>

1. 志望動機や入社後のビジョンについて語れる
2. 自らの価値観に基づいた志望動機と入社後のビジョンを語れる
3. 自社のビジョンを深く理解したうえで、志望動機と入社後のビジョンを具体的に語れる

評価項目に入れておきたいポイント

評価項目に入れておきたい非常に重要な項目を3点お伝えします。

人間性・価値観

求職者の人間性や価値観を見ることは、企業風土にマッチするかを判断するうえで欠かせない要素です。仮に高いスキルを持っていても、企業風土とミスマッチが起きていると組織の雰囲気が悪くなりかねません。

こうした「カルチャーフィット」の考え方は、早期離職の防止や生産性向上に期待できるとして近年注目を集めています。

【関連記事:カルチャーフィットとは?企業と人材の相性を見極める採用基準を解説

もしスキルを重視(スキルフィット)した採用に注力すると、経験年数やハイレベルな資格ばかりに目がいき、ソフトスキルを軽視した採用となってしまいます。

「目立つ経験や資格を持つ = 活躍してくれる」というバイアスを取り払う意味でも、人間性と価値観は必ず評価項目に入れておきましょう。

経験・スキル

人間性や価値観に加えて、募集ポジションに必須となる経験やスキルも評価項目に入れておきましょう。特に中途採用や専門職の募集では欠かせない要素です。

人間性や価値観が企業風土とマッチしていても、必要な経験やスキルがなければ、入社後の活躍は難しいでしょう。

採用後のミスマッチを防止するためにも募集ポジションに最低限必須な経験やスキルは、必ず評価項目に入れておくのがポイントです。

社風とのマッチング度

中途採用の場合、経験した企業の社風に染まっていたり、従来の方法で業務を遂行しようとしたりする人材が一定数います。そのため、新しい企業の社風に溶け込める柔軟性があるかも評価項目に入れておきましょう。

たとえば、社長の意思決定が経営を左右する中小企業の場合、トップの意見に賛同・共感できる人が社風に合っているといえます。

他にも、企業独自のローカルルールや、指示系統・決定権の違いを理解し、適切に対応できるかを判断していきましょう。

ここで紹介した4点以外の評価項目の作り方については、経済産業省が公表する「人生100年時代の社会人基礎力について」の「社会人基礎力(=3の能力/12の能力要素)」が参考になります。

新卒採用で重視したい採用基準

新卒者を面接する3人の面接官
前項では採用基準の決め方を解説しました。ここからは、新卒と中途採用ごとに重視したい採用基準について解説します。

まず、新卒採用で特に重視したい採用基準を3点紹介します。
  • コミュニケーション能力
  • チャレンジ精神
  • 誠実さ
詳しく見ていきましょう。

コミュニケーション能力

これから業務スキルを身につけている新卒の採用では、先輩や上司と円滑にやり取りできるコミュニケーション能力の有無を重視しましょう。

ちなみにコミュニケーション能力とは、下記に挙げる能力を兼ね備えたものになります。
  • 傾聴力:目・耳・心を傾けて相手の話を熱心に聴く能力
  • 論理的思考力:物事を筋道立て考え、相手に伝わりやすいように伝える能力
  • 提案力:相手の課題を見抜き、的確な提案や意見を発信する能力
  • 洞察力:自身や周囲の状況を把握し、適切な行動を取れる能力
  • 共感力:相手の気持ちや考えに寄り添い、感情を共有できる能力
すなわち、他者の発言に意見せず、ただ賛同や共感をする人材はコミュニケーション能力が高いとは言えません。

面接でコミュニケーション能力を見極めて採用判断するには、学生時代に取り組んだものについて質問し、どんな役割を担ったか・どう解決したかを深堀すると良いでしょう。

【関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方

チャレンジ精神

意欲的に知識やスキルを吸収するチャレンジ精神の有無も、新卒採用の評価基準に入れておきましょう。

新卒で入社する人材は、入社後にさまざまな課題に直面します。そんなときでも能動的に行動し、時に先輩や上司から教えを請う姿勢が重要になります。

チャレンジ精神の有無について採用判断するには、これまでの生活で積極的に取り組んだものを質問し、具体的に掘り下げていきましょう。

【関連記事:協調性とは?ビジネスで必要な理由やある人の特徴、面接で見抜く方法を解説

誠実さ

コンプライアンスや法令を遵守したり、失敗を素直に認めたりできる誠実さの有無も、評価基準に入れておきたいポイントです。

こうしたフェアな姿勢を学生時代に身につけられている人材は、入社後も安心して業務を任せられる貴重な存在と言えます。

誠実さを採用判断するには、これまで失敗した経験について質問してみるのが効果的です。一見単純な質問ですが、失敗を認めて第三者に相談し解決策を模索した、というような回答があれば、嫌なことから逃げない誠実な人材だと判断できます。

中途採用で重視したい採用基準

中途採用希望者を面接する面接官
次に、中途採用で重視したい採用基準を2点紹介します。
  • 即戦力となるスキル
  • 求める人材像との適合性
それぞれ見ていきましょう。

即戦力となるスキル

募集ポジションに必須となるスキルの有無は必ずチェックしましょう。

必要資格やスキルの有無はもちろんですが、保有スキルを実践レベルで活用できるかも採用判断で見極める必要があります。もし必要資格を保有していても、自分本意な思考を持つ人材であれば、入社後のミスマッチは避けられません。

こうした思考のクセ(バイアス)を面接だけで見抜くのは容易ではありません。しかし「ミイダス」のアセスメントツールの一つ「バイアス診断ゲーム」を活用すれば、社風や価値観に合致する応募者を見極めることが可能です。

診断にかかる時間は約30分×2回の計60分なので、応募者にも無理なく受験していただけるものになっています。以下のリンクからぜひお試しください。

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また、即戦力人材の採用に失敗しないための記事も以下に用意してあります。ぜひ一度ご覧ください。

【関連記事:即戦力人材の採用は失敗しやすい!課題解決にはアセスメント採用がおすすめ

求める人材像との適合性

企業風土に適応できる人材か否かも重要な採用基準です。たとえば責任感・忍耐力・社内規定を遵守する姿勢・協調性などの特性が当てはまるでしょう。

これらは業務上のスキルだけでは評価できないことが多く、慎重に基準を作っていかなければなりません。

求める人材像と適合するのは、どういった特性やスキルを持った人材なのかを事前にすり合わせ、面接官全員に共有しておくと、採用判断を行う際にブレのない評価をつけられます。

採用基準をもとに適切な採用判断を行う3つの方法

CHECKと書かれたボックス
作成した採用基準をもとに採用判断を行うには、以下の方法を1〜3の順に実践するのが効果的です。
1. 書類選考で候補者を絞り込む
2. 人物像の見極めに適した適性検査を導入する
3. 評価基準に沿った面接を行う
候補者を絞り込みながら採用基準に照らし合わせることで、あらかじめ設定した採用基準にマッチする人材を見極められます。

具体的な内容について見ていきましょう。

1. 書類選考で候補者を絞り込む

書類選考の段階から採用基準に則って選考することで、効率よく次の工程に進めます。あらかじめ採用基準に基づいたフォーマットを作成しておけば、候補者の絞り込みを効率的に行えます。

ただし、書類選考の通過率が悪い場合は、採用基準が高すぎる可能性があります。以下の記事で書類選考の適正な通過率について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【関連記事:書類選考の通過率は?選考時のポイントを解説

2. 人物像の見極めに適した適性検査を導入する

面接の前に適性検査を実施しておくと、応募者の人物像を把握する材料として活用できます。

適性検査といっても活躍人材のコンピテンシーをもとに基準を設定できるものや、低コストで実施できるものまでさまざまな種類があります。

まずは情報収集を行い、自社に最適な適性検査はどのようなものかチェックしてみてください。

こちらの記事も参考になります。

【関連記事:【適性検査とは?】30種類の検査の特徴と選び方を一挙解説

3. 評価基準に沿った面接を行う

あらかじめ設定した評価基準の項目に沿って質問していくことで、公正な採用判断が可能となるほか、面接時間の短縮につながります。

もし面接を段階的に行う場合でも、人事・現場の管理職・役員ごとに評価基準を作成し周知しておくと良いでしょう。もし面接官が変更になった場合でも、評価基準をもとに質問すれば良いので引き継ぎが容易です。

採用面接で質問したい内容や面接官の心得については、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:【面接官必見】採用面接の質問内容とは?人材を見抜く質問集80選
【関連記事:コンピテンシー面接とは?やり方や質問例も紹介

採用基準を作るときの注意点

注意マークを指差す様子
採用基準を作成する際に気をつけたいポイントが4つあります。
  • 就職差別につながる基準は厳格に排除する
  • 現場や上層部の意見を取り入れる
  • 明確な言語化・定義づけを行う
  • 定期的に採用基準を見直す
いくら時間をかけて採用基準を作成しても、この4つが守られていないと一から作り直しになる可能性もあります。

非常に重要なポイントなので、一つずつ確認していきましょう。

就職差別につながる基準は厳格に排除する

厚生労働省が定めるとおり、応募者の基本的人権を尊重し、適性・能力に基づいた選考を実施することが大前提となります。つまり「本人が回避しようのない事項」や「個人の自由であるべき事項」を書類や面接で提示させようとするのは就職差別に該当するおそれがあります。

厚生労働省が公表している「採用選考時に配慮すべき事項」では、以下14項目が就職差別につながる可能性があるとしています。

【就職差別につながるおそれがある14事項】

(a)本人に責任のない事項の把握
●本籍・出生地に関すること(注1)
●家族に関すること
●住宅状況に関すること
●生活環境・家庭環境などに関すること

(b)本来自由であるべき事項の把握(思想・信条にかかわること)
●宗教に関すること
●支持政党に関することの把握
●人生観・生活信条などに関すること
●尊敬する人物に関すること
●思想に関すること
●労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
●購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

(c)採用選考の方法
●身元調査など(注2)の実施
●本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
●合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

※これらに限られるわけではありません。
(注1)「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します。
(注2)「現住所の略図等」は、生活環境などを把握したり、身元調査につながる可能性があります。
引用:厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項

上記に該当する採用基準を作成しないよう、くれぐれもご注意ください。

現場や上層部の意見を取り入れる

採用基準は人事担当者だけで判断せず、現場や上層部の意見も積極的に取り入れるのが重要です。

たとえば中途採用の場合、採用担当者が決めた評価基準が現場レベルに見合っていないケースは少なくありません。どのような人材が活躍するかは現場の社員が把握しているので、意見を聞きながら採用基準を決めていきましょう。

また新卒採用の場合は、上層部が思い描く企業のビジョンに沿った人材が求められるケースがあります。今後の事業計画ともすり合わせながら採用基準を作っていきましょう。

明確な言語化・定義づけを行う

採用基準を言語化する際は、抽象的な表現になっていないか注意しましょう。

採用基準の文章が曖昧だと面接官同士の認識にズレが生じ、不適切な評価につながってしまいます。明確な言語化・定義づけは「評価項目を設定する」の項目で紹介したルーブリック評価を参考にしてください。

採用基準を作成する目的は、主観を排除して公正な選考を行い、自社が求める人材を採用することだと忘れないようにしましょう。

定期的に採用基準を見直す

採用基準は一度作って終わりではありません。採用活動において不具合が発生したときは、その都度見直していく必要があります。

採用基準の見直し方については、以下3点を参考にしてください。

現状の課題と募集背景のズレをチェックする

現場が抱える問題は都度変化します。現場の要望と採用基準にミスマッチがないかどうか、定期的なヒアリングを実施しましょう。

ただし、現場の要望を鵜呑みにしてしまうと選考ハードルが高くなり、書類選考の通過率が悪くなる可能性があります。最も優先すべき基準を絞り込んだり、入社後に習得できるスキルは条件から除外したりするなどの工夫が必要です。

転職市場の相場と合っているか確認する

定期的に転職市場の相場を確認し、競合他社の動向を分析しておくことも大切です。「採用市場のトレンドを把握する」で解説したとおり、厚生労働省や民間企業が発表しているデータをチェックしておきましょう。

たとえば、2023年現在は有効求人倍率が高く、人材の獲得競争は激化しています。この場合は採用基準が高すぎないかどうか検討し、適宜見直していくのが最適です。

転職市場の動向に合わせて採用基準を見直すことで、母集団の絞り込みを効率的に実施できます。

採用したい人物像を見直す

現場の課題を見直し、転職市場の動向をチェックすることで、おのずと採用したい人物像も変化していくでしょう。自社の状況や現場の動向も加味したうえで、人物像の見直しを図ります。

また、現場で活躍する人材のコンピテンシー(行動特性)も、企業や組織の動向にしたがって都度変化します。活躍人材の特徴を素早くとらえ、採用したい人物像のデータとして活用できるコンピテンシーモデルの作成には、ミイダスのアセスメントツールがおすすめです。

適切な採用判断で人材を見極めるには「ミイダス」

ミイダス使用画面イメージ
ミイダスのコンピテンシー診断は、41項目におよぶコンピテンシーを診断し、ストレス耐性・リーダーシップ・協調性・適応力などを分析・可視化します。

具体的な診断項目は以下のとおりです。
コンピテンシー定義(5以上)コンピテンシー診断(5以上)
ヴァイタリティ活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。


競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。
体力・気力に優れている。強い競争心を持ち、課題を与えられたときに、必ず達成しようと決意する。
人あたり社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。

面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。
人に対して良い印象を与え、過度の防衛心を相手に抱かせない。思いやりと節度を持った態度を取り、他人の意見を尊重することができる。
チームワーク社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。

協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。
チームにうまく溶け込める。人と摩擦を起こさずに物事を処理することができる。
創造的思考力創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。

概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。
新しいコンセプトを作り出すことを好む。問題にぶつかったときに柔軟に問題をとらえ、色々な角度から発想して解決策を案出するのが得意である。
問題解決力データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。

概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。
やさしい問題よりも難しい問題、複雑な問題にぶつかるほど意欲が出る。問題にぶつかったときに、解決に向けて合理的な推論を行う。
状況適応力社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。

人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。
自分が取った行動が客観的に見て適切かどうか距離を置いて自分を眺めることができる。多様な仕事への適応力をもっている。
プレッシャーへの耐力余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。

タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。
感情的にならず、プレッシャーやストレスが強い状況でも平静を保つことができる。楽観的な人だと言われる一面を持っている。
オーガナイズ能力先見性
長期的な見方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。

緻密
物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。
仕事を進める上で、計画を立てるのがうまい。問題を予見する能力があり、その問題に対して緻密な対策を用意することができる。
統率力指導性
リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。

協議性
広く相談し、他の人に意思決定への参加を求める。自分一人で決定を下すことは少ない。
メンバーの動きに注意を払い、自分からコミットしてメンバーにやる気を起こさせる事ができる。メンバーひとりひとりをよく観察しており、把握している。
自社社員のコンピテンシーを分析してコンピテンシーモデル作成に役立てられるほか、応募者にも受けてもらうことでコンピテンシーモデルに近い特性を持っているかが分かります。

また、可視化したコンピテンシーをもとに、自社にフィットする人材の傾向・特徴を把握し、ミイダスに登録している求職者へ直接アプローチできる「フィッティング人材分析(活躍要因診断)」もご利用いただけます。

さらに、人間の認知バイアス(思考のクセ)を測定できる「バイアス診断ゲーム」を活用すれば、組織運営をさまたげる思考の有無を解析可能です。

なお、ミイダスはご契約いただいた法人様に限り、コンピテンシー診断やバイアス診断ゲームの結果を業務に反映させる方法を学べる研修コンテンツを用意しています。

以下にコンピテンシー診断の概要と、バイアス診断ゲームを1本無料で学べる動画を用意しましたので、ぜひ一度ご覧ください。
ミイダスは定額制サービスなので、多くの人材を採用したいと考える法人様でも契約しやすい料金体系です。まずは無料登録からミイダスの機能をお試しください。

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