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ビジネスシーンにおける協調性とは?重視される理由や面接で見抜く方法を解説

企業が求める人材像で重視される「協調性」。変化の激しいVUCA時代の到来や、さまざまな価値観の人材が集まるダイバーシティ経営の広がりに従い、注目を集め続けています。

しかし、協調性という言葉の意味を誤って解釈すると、企業が求める協調性の定義が変化し、イノベーションが生まれにくい組織を形成する原因にもなります。

そこで本記事では、協調性の正しい意味やビジネスで必要な理由に加え、協調性のある人材の特徴、面接で見抜く方法まで網羅的に解説します。

「仲の良い組織なのに生産性が上がらない…」と悩む方は、ぜひ最後まで御覧ください。

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ビジネスシーンにおける協調性とは?意味を簡単に説明

手を重ねる様子
ビジネスシーンで求められる協調性とは、立場、意見、性格、考え方の異なる人々と調和しながら、共通の目標達成に向けて共に働く力です。
ビジネスでは一人の力で完結する仕事はほとんどなく、上司・部下・同僚・取引先と社内外にわたって関わりを持ち、異なる価値観をすり合わせていく必要があります。しかし近年は、時代の変化に伴い協調性の重要性が高まっているのです。

理由については次の章で詳しく説明します。

協性調への注目が高まる背景

近年の日本で協調性が注目される背景には、以下3つの要因が挙げられます。
  • VUCA(ブーカ)時代の到来
  • ダイバーシティー経営
  • ジョブ型雇用

VUCA(ブーカ)時代の到来

VUCA(ブーカ)とは、以下の頭文字から取った造語です。
  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)
社会やビジネスは不確実性が高く、将来の予測が困難であることを指しています。すなわち、VUCA時代が到来した現代で企業のあり方・既存のやり方を貫くのは難しく、時代の流れに沿った変革が求められるのです。

そんなVUCA時代に必要なスキルが「オーセンティック・リーダーシップ」です。メドトロニック社のCEOであったビル・ジョージ氏が提唱した理論で、倫理観を保ちつつ、価値観や自身の考えをもとにリーダーシップを発揮していく能力を指します。

オーセンティック・リーダーシップを発揮するには、以下5つの特性が必要です。
  • 【目的】自らの目的を理解する(夢・目標など)
  • 【価値観】しっかりした倫理観に基づいて行動する(自分が正しいと感じる価値観や倫理観を信じる)
  • 【真心】真心を込めてリードする(自分の想いを本音で伝え、相手を尊重する姿勢を見せる)
  • 【人間関係】永続する関係を築く(相手を支援したり、共感したりする姿勢を見せる)
  • 【自己規律】自己規律を保つ(常にセルフマネジメントを心がける)
いわゆる「一般的なリーダー像」に自身を当てはめず、自分らしさと相手への尊重を両立させた「高度な協調性」がVUCA時代に求められるのです。

VUCAやオーセンティックリーダーシップについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:VUCAとは?求められる能力や生き抜くための組織づくりのポイントを紹介
【関連記事:

ダイバーシティー経営

近年ではダイバーシティー経営の推進により、多様な思考・バックボーンを持った人材が企業に集まるようになりました。

さまざまな価値観を経営に活かすには、相互理解を深める組織づくりや双方の意見の調整を可能とする協調性が重要です。

【関連記事:ダイバーシティとは?企業が取り組むメリットや注意点、推進ポイントを解説

ジョブ型雇用

ジョブ型雇用は、職務内容にマッチしたスキルや経験を持つ人材を採用する方法で、コロナショック後のテレワーク需要の増加をきっかけに注目が集まりました。

ジョブ型雇用は職務の成果によって報酬が決まるため、個人プレーを誘発するおそれもあります。そのため、チームとしての協働・共創ができる協調性が重要です。

また、テレワークはチャットでやり取りするため、真意が相手に伝わらずチームワークを乱す可能性があります。見えない相手に対しても、思いやりや協力意識が持てる協調性が必須なのです。

【関連記事:ジョブ型雇用の特徴とは?メリット・デメリット、導入の注意点を解説

企業が考える協調性

企業が考える協調性とはどんなものなのでしょうか。実際に、採用活動を行う企業の多くが協調性を重視しています。

内閣府が令和2年に公表した「企業の採用活動に関する実態調査」では、企業が採用したい学生の属性について「協調性がある」と回答した割合は72.4%にのぼりました。

出典:内閣府「企業の採用活動に関する実態調査(概要)」

新卒採用のアンケートですが、第二新卒や中途採用の現場でも協調性の有無を確認するケースは多々あるでしょう。ただし、ひとくちに協調性と言っても、企業のタイプによって合う・合わない協調性があるのはご存じでしょうか。

ケース別に詳しく解説します。今回は以下に挙げる3タイプの企業を例に解説します。
  • 昔ながらの日本企業
  • ベンチャー企業・部署横断的業務が多い企業
  • 従業員の専門性が高い企業

昔ながらの日本企業

昔ながらの日本企業は長い歴史を持ち、独自の習慣・文化の浸透によって今日まで発展を遂げてきました。

そんな日本企業の多くが求める協調性は、以下の態度・言動にあらわれます。
  • 組織の利益を優先する
  • 組織の和を乱す言動を控える
  • 与えられた立場の業務を全うし、他のチームとも協力できる
「突出した行動や意見を控え、自身の立場を守りつつ周囲と協調する」姿勢が重視されるのです。

ただし、上記のケースでは馴れ合いや事なかれ主義の蔓延が懸念されることから、後述するVUCA時代を生き抜く組織の形成は難しいでしょう。

ベンチャー企業・部署横断的業務が多い企業

ベンチャー企業や部署横断的業務が多い企業では、縦よりも「横」のつながりを重視していることから、より能動的な言動が求められます。

これら2つのタイプの企業に必要な協調性は、以下3点で表現されます。
  • 自ら考え発信する姿勢
  • 組織全体で生産性を高めようとする姿勢
  • 一緒に働く仲間を積極的にフォローする姿勢
「協調性と主体性のバランスを保ちつつ、調和しながら全員で目標に向かっていける」姿勢が重要です。

従業員の専門性が高い企業

従業員一人ひとりが強い専門性を有し、成果主義の環境で業務にあたる企業は、これまで解説した企業よりも求められる協調性は低くなります。

具体的には、以下の態度で示されます。
  • 異なる価値観や利害関係を持つ人と調和が保てる
「個人の能力発揮を第一に考えつつ、目標達成のために最低限の調和を保てる」ことが重要です。

求職者や従業員が考える協調性

一方、求職者や従業員が考えがちな協調性には、以下の2点が多く挙げられます。
  • どんな人とも同調し、仲良くできること
  • 何事も穏便に進めるコミュニケーション能力
確かに相手に合わせた同調は信頼関係構築に役立つ能力ですが、ただ周囲に同調するだけでは馴れ合いの空気を生み、緊張感に欠けた組織になるでしょう。

また、意見のぶつかり合いが起きたときにその場を収めることだけに終始した行動を取れば、新たなイノベーションが生まれにくくなってしまいます。

「協調性」という言葉は、受け取る側の解釈によっていかようにも変化するものです。そのため、企業側から求職者や従業員に対して「自社が求める協調性」を具体的に説明し、理解を深めてもらう必要があるでしょう。

ビジネスシーンにおける協調性のメリット

輪に入れない男性
協調性のある人材が増えると、組織や企業にとって大きなメリットが生まれます。
  • 業務がスムーズに進行する
  • イノベーションが生まれやすい環境になる
  • 柔軟性のあるタフな組織になる
  • 企業理念やビジョンが浸透しやすくなる
  • 取引先と良好な関係を築ける
  • 問題解決のスピードが上がる
  • 職場の雰囲気がよくなる
それぞれのメリットについて見ていきましょう。

業務がスムーズに進行する

ほとんどの業務は、立場や意見の異なる人達と力を合わせて進めていきます。協調性の高い人材が集まる組織では、目標達成に向けた円滑なコミュニケーションが活発に交わされるため、業務がスムーズに進行します。

滞りなく業務が進行すれば、おのずと組織内に明るい雰囲気がただよい、従業員のモチベーション向上にもつながります。お互いに良い影響を与え合う環境づくりに協調性は欠かせないのです。

イノベーションが生まれやすい環境になる

協調性のある人材が集まると、活発な意見交換を推進する環境が構築され、これまでにないイノベーションが生まれるきっかけになります。

このような環境は、従業員同士がフラットな関係性を築いている企業によく見られます。

【関連記事:イノベーションとは?種類や成功事例をもとにわかりやすく解説
【関連記事:イノベーション人材とは?意味や採用・育成方法を解説

柔軟性のあるタフな組織になる

協調性のある人材が集まると、アクシデントや予期せぬ出来事に遭遇しても、互いに協力して乗り越えるタフな組織が形成されます。

どんなトラブルやクレームでも臨機応変に対応できるため、社内外で企業イメージ向上につながるでしょう。

企業理念やビジョンが浸透しやすくなる

協調性のある人材は共感や理解に優れており、企業理念やビジョンをすぐに受け入れられます。

企業の方針に沿いつつ、最大限の能力を発揮して組織に貢献できるため、企業戦略の円滑な運営に欠かせません。

取引先と良好な関係を築ける

同調だけでなく、時に自身の意見も交えつつ不用意に波風を立てずに調整できることから、協調性のある人材が集まる組織はどんな取引先とも良好な関係を築けます。

組織内でも本音で意見を言い合えるようになると解説しましたが、それは取引先との関係でも同様です。時に相手を立て、時に本音を伝える人間性は、企業内外で重宝されるのです。

問題解決のスピードが上がる

協調性のあるチームでは、異なる考えや専門性を持つメンバーが互いに意見を出し合い、それを尊重し合える環境が整っています。このような環境では、1人では解決が難しい複雑な課題に対しても、全員が協力して迅速に取り組むことが可能です。

多角的な視点が集まることで、問題の本質をより正確に把握し、最適な解決策を導き出すスピードが格段に向上します。その結果、業務の停滞を防ぎ、スムーズなプロジェクト推進が実現するのです。

職場の雰囲気がよくなる

職場の雰囲気がよくなることで、従業員同士の信頼関係が深まり、互いに助け合える環境が整います。協調性のあるチームでは、人間関係がスムーズになり、職場全体にポジティブなエネルギーが広がるでしょう。

このような雰囲気の職場では、従業員がリラックスして働けるため、ストレスが軽減され、個々のパフォーマンスも向上しやすいです。

また、明るく協力的な職場環境は新しいアイデアが生まれやすく、イノベーションを促進する効果も期待できます。結果的に、離職率の低下や採用時の魅力向上という組織全体のメリットにもつながります。

協調性がないと生じるデメリット

協調性を持っていないと生じるデメリットは、以下のとおりです。
  • 従業員の間で対立や衝突が増える
  • 離職率が上がる
  • モチベーションが低下する
それぞれのデメリットを見ていきましょう。

従業員の間で対立や衝突が増える

対立や不和の発生は、職場やチーム内の協調性が欠けている場合に発生しやすい問題です。意見の衝突や価値観の違いを互いに尊重できない環境では、メンバー同士の関係がぎくしゃくし、連携が取りづらくなります。

その結果、業務の効率が低下し、チーム全体の士気が下がる要因となるでしょう。

また、対立がエスカレートすると、プロジェクトの進行に遅れが生じたり、職場全体の雰囲気が悪化したりするリスクも高まります。このような状況を回避するために、メンバー間のコミュニケーションを円滑にし、意見の違いを建設的な議論に変える努力が必要です。

離職率が上がる

協調性が欠けた職場環境では、従業員が孤立感を覚えたり、働きにくさを感じたりするため、従業員のモチベーションが低下しやすいです。結果として、職場に対する不満が蓄積し、離職を選択する従業員が増える可能性が高まります。

また、チーム内の対立や不和が頻発すると、仕事の進行が円滑でなくなりストレスが増大するため、従業員の定着率が低下します。このような状況が続くと優秀な人材の流出にもつながり、組織全体の競争力が低下する恐れがあるでしょう。

そのため、協調性を育み、職場環境を改善する取り組みが重要です。

【関連記事:離職率が高い会社・業界の特徴は?要因・デメリットと離職率を下げる対策を解説

モチベーションが低下する

モチベーションの低下は、職場における協調性が欠けている場合に生じやすい重要な課題です。従業員が孤立感を抱いたり、意見を軽視されたりする環境では、働きがいや達成感を感じにくくなります。

その結果、仕事への意欲が薄れ、生産性の低下や業務遂行に対する責任感の減少につながりやすくなるでしょう。

また、このような状況が続くと、職場に対する不満が蓄積し、離職率の上昇という組織全体への悪影響を引き起こす可能性があります。そのため、メンバー間の信頼関係を築き、協力し合える環境の整備が重要です。

【関連記事:モチベーションとは?低下する要因やマネジメントを成功させる方法を解説

協調性がある人材の特徴

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環境への適用やチームワークの発揮、本音で話し合える関係性を構築できる「協調性のある人材」には、以下8つの特徴があります。
  • 傾聴力がある
  • 気配り上手
  • 洞察力に優れる
  • バランス感覚に優れる
  • チームをまとめて和を作るのが得意
  • ルールを遵守する
  • ポジティブな発言が多い
  • 改善策を提案できる
具体的な内容を見ていきましょう。

傾聴力がある

傾聴とは、目・耳・心を傾けて熱心に相手の話を聴くコミュニケーション方法です。身振り手振りや表情、声のトーンに気を配り、相手の気持ちに寄り添って話を聴く必要があります。

アメリカの心理学者カール・ロジャーズは「積極的傾聴(アクティブリスニング)」と呼び、話を聴く側は以下の要素が必要と語っています。
1.共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。

2.無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。

3.自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
引用:厚生労働省こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

傾聴力が高い人が相手だと、話し手は「自分の意見を理解してくれる」「私を受け入れてくれる」と感じます。取引先と組織のメンバーどちらにも活用できる能力なので、良好な人間関係の構築には欠かせない能力と言えるでしょう。

人に合わせた気遣いができる

周囲の状況をつぶさに観察し、先読みでフォローする力に長けています。

どの従業員がどのような状況を苦手としているかを把握するだけでなく、各従業員の性格に合わせて接し方を変えられるため、頼るのが苦手な人にも自然体でフォローができるのです。

洞察力に優れる

新たな現場や初めて会った人でも瞬時に環境や人間関係を見抜き、その場に適した対応を取れます。

どう対応すればスムーズに進行するか、誰が決定権を持っているかを一瞬で判断し、あっという間にその場に適応できるため、とどこおりなく業務を遂行できるのが強みです。

バランス感覚に優れる

自身の意見を一方的に押し付けず、相手の意見に耳を傾けながら双方納得のいく方法を模索する力があります。

組織内で意見のぶつかり合いが起きた時や顧客折衝など、バランス感覚を発揮できる機会は多いため、協調性のある人材は大いに活躍できるでしょう。

チームのまとめ役になれる

人に合った丁寧な気遣いや優れた洞察力は、チームのまとめ役として大いに役立ちます。

誰に対してもフラットな姿勢で接するため敵を作りにくく、組織全体から協力を得やすくなります。リーダーシップを発揮して先頭に立つタイプではありませんが、組織を一つにまとめて協力し合う関係性を構築し、一丸となって目標に向かっていけるでしょう。

ルールを遵守する

協調性のある人材は、どんな些細なことでも人に迷惑をかけまいとするため、社内規則やコンプライアンスを遵守します。

しかし、ただ画一的にルールを守るだけでなく、臨機応変に対応できるのも協調性のある人材の特徴です。

ポジティブな発言が多い

協調性のある人材は前向きで明るい性格が多く、常にポジティブな言動で周囲を和ませる力があります。

自然と周囲に人が集まるだけでなく、この人に協力したいと思わせる魅力があるため、業務がスムーズに進行するようになります。

改善策を提案できる

協調性のある人材は周囲と協調するだけでなく、現状のフローに改善点を見つけ、積極的に提案していく行動力があります。

自身の業務だけでなく、組織全体の効率化を常に考え、組織や企業を良い方向に導ける人材は、あらゆる企業において重宝されるのです。

協調性がない人材の特徴

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以下に該当する特徴を持つ人材は、協調性がないと考えられます。
  • 単独行動が多い
  • 自己主張が強い
  • 相手の立場や意見を考慮しない
  • トラブルメーカーになりやすい
  • プライドが高い
詳しく見ていきましょう。

単独行動が多い

協調性がない人材は、基本的に誰かを頼ることを良しとしません。判断軸は常に自分自身の考えに基づいているため、指示どおりに動くケースは少ないのです。

従業員一人ひとりの専門性が高い企業ならそこまで問題にはならないでしょう。ただし、組織や他部署と連携するような業務が多いと、チームの和を乱す原因となります。

自己主張が強い

協調性がない人の特徴として、自己主張が強い点が挙げられるでしょう。自己主張が強い人は、意見が対立するシーンで他者の意見には耳を貸さず、自身の主張を押し通そうとします。

場合によっては相手の考えを否定することもあるため、人間関係の不和にもつながります。

相手の立場や意見を考慮しない

常に自身の気持ちを優先させるため、相手の立場や意見を考慮しません。

例えば、上司の命令を無視すれば上司の立場が危うくなったり、人の意見を無視すれば嫌な気分にさせたりする状況になると想像できず、自分本位の主張をしてしまうのです。

トラブルメーカーになりやすい

意見が合わないと怒りをあらわにしたり、協力が必要な場面でも単独行動をしたりと自分本位な行動が目立つため、組織のトラブルメーカーになりやすいのが難点です。

顧客対応でもこうした態度が現れるため、顧客トラブルを引き起こすケースも少なくありません。

プライドが高い

自身の意見や行動に自信があり、他の従業員の言動には興味を持たないのも協調性がない人材の特徴です。

自身が承認されるのは当然と考えるため、他者の意見や業務内容が評価されると「なぜ自分ではないのか」と不機嫌になることも。

プライドが高すぎる人材は、組織全体のモチベーションを低下させるおそれがあります。

協調性と勘違いされやすい特徴

意見に同意する男性
ここまで協調性のある人材・ない人材の特徴をお伝えしましたが、ここからは「協調性があると勘違いされやすい特徴」を紹介します。
  • イエスマン
  • 断れない人
  • ことなかれ主義
これら3つは日本人によく見られる特徴であり、協調性の一つと考えるケースもあります。しかし、こうした特徴を持つ人材が集まると、企業や組織に悪影響を及ぼすのです。

詳しく見ていきましょう。

イエスマン

自身より立場が上の人物に一切逆らわず、賛同意見ばかり口にするイエスマンは「媚を売っている」「信念がない」と周囲に評価されがちです。

仕事においては長いものに巻かれておくべき場面もありますが、自己の利益の追求や責任逃れのためにイエスマンを貫くのは協調性に欠けた行動といえます。

断れない人

無理難題や急な業務を振られた際、人間関係を壊したくない一心で引き受けてしまう人も協調性に欠けていると言えます。

一人で業務を抱え込むことで過剰なストレスから病気になったり、甚大なミスを引き起こしたりする可能性があるため、かえって組織の足手まといになってしまうのです。

ことなかれ主義

ことなかれ主義とは、波風を立てるのを極端に嫌うあまり、目の前の問題や面倒ごとから逃げ出す性質を指します。
  • 部下のミスが大事になる前にもみ消す
  • 反論してその場が荒れるのを避けるため何も言わない
  • 矛先がこちらに向くのが嫌でハラスメントを見て見ぬ振りをする
こうした行動を取る人物がいる場合、著しく企業や組織が弱体化してしまうのです。

とはいえ、既存従業員一人ひとりにどのような協調性が備わっているかを分析するのは骨が折れる作業です。

当社が提供しているアセスメントツール「ミイダス」では、人材一人ひとりが持つ特性を数値化・可視化し、企業や組織の運営に欠かせない協調性の有無をチェックできます。

ミイダスは協調性はもちろん、
人材の特性を客観的に分析できるツールです。

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協調性を身につけるための施策

アイデア→プラン→アクションの流れ
組織全体を取りまとめ、企業内外に良い影響をもたらす協調性を正しく身につけるには、以下に取り上げる施策を根気強く実施していく必要があります。
  • チームビルディング研修の実施
  • チーミングを取り入れた組織づくりを目指す
具体的な方法を以下で紹介していきます。

チームビルディング研修の実施

チームワークを高めて、組織全体のパフォーマンス向上を目指す取り組みをチームビルディングと呼びます。このチームビルディング実現を目指し、チーム一丸となって連帯感を高めるための研修がチームビルディング研修です。

チームビルディングには5つのステージ(タックマンモデル)があり、具体的には以下の要素で構成されています。
1. 形成期:チームメンバーを集めたばかりの段階。
2. 混乱期:意見の食い違いや価値観の相違が起こる段階。
3. 統一期:組織のビジョンを共有し、個別の役割を理解した段階。
4. 機能期:目標に向かってチーム一丸となっている段階。
5. 散会期:一定の成果や結果を出し、解散する段階。
チーム全体が共通のゴールを目指して高い成果を発揮するには、第一段階の形成期でメンバー同士が相互理解を深め、主体性を持って業務にあたる意識を育まなければなりません。

一口にチームビルディング研修といっても、その種類は下記4つに分類されます。

【アクティビティ形式】

チーム全体で身体を動かしながらアクティビティに取り組み、チームの活発化を目指す形式です。

【ゲーム形式】

謎解きやボードゲームなどのゲームに取り組む形式です。アクティビティとは形式とは異なり、頭を動かすものが多くなっています。

【ノウハウ形式】

チームビルディングやコミュニケーションを座学で学ぶ形式です。ロールプレイングなどの実施で知識定着を図ります。

【合宿形式】

共同生活を通して相互理解を深める形式で、新人研修に多く取り入れられています。合宿の合間にアクティビティやゲーム形式も実施するケースもあります。

チームビルディング研修はさまざまな企業がサービス提供をしています。自社組織のチームワーク改善を図りたいとお考えの方は、まず自社の従業員にどの形式の研修が向いているかを検討してから導入するようにしましょう。

【関連記事:チームビルディングとは?目的・メリット、目的別の実施方法を紹介

チーミングを取り入れた組織づくりを目指す

チーミングとは、最も効果的なチームワークを目指して、チームそのものの在り方を模索し、最適化を実践し続けることを指す言葉です。

VUCA時代の到来に伴い「チームとはこうあるべき」と固執せず、時代や企業運営の流れを汲んで、チームの形を柔軟に変化させていく必要があります。

実際にチーミングを行うには、以下2点を意識するのが効果的です。

【心理的安全性の確保】

より高い成果を収められるチームを構築するには、チームメンバーが萎縮したり恐怖を感じたりせずに、積極的に意見交換できる環境づくりが重要となります。

心理的安全性は、チームリーダーの行動ひとつで大きく変化します。雑談で気楽なコミュニケーションができる関係を築く、メンバー同士の協力を促すといった行動が最適です。

【関連記事:心理的安全性とは?意味や組織へのメリット・高め方を解説【人事必見】

【失敗を共有し改善する】

現状の方法をより効率化し精度を高めていくには、失敗経験を全体に共有し学ぶことが求められます。

同じ間違いを繰り返さないよう、失敗した内容や要因を分析し、改善策をチーム全体で模索・実践していくのが大切です。

このときも、チーム内で心理的安全性が確保されているか否かでチーミングの質が大きく左右されます。

面接官が協調性を見抜く方法

面接官の女性達
ここまでは、企業が従業員に協調性を身につけてもらうための施策をお伝えしました。ここからは新卒採用や中途採用の面接で、求職者の協調性を見抜く方法を3つ解説します。
  • 構造化面接を実施する
  • グループ面談を実施する
  • アセスメントツールを活用する
優れた協調性で組織を牽引する人材を求める方は、ぜひ参考にしてください。

構造化面接を実施する

構造化面接とは、事前に決めておいた評価基準・質問項目に沿って進めていく面接のことです。面接官の経験や価値観に左右されず、一定の基準で求職者を評価できるメリットがあります。

構造化面接で協調性を見抜くには、チームワークに関する質問を設けるのも一つの方法です。この時、一つの質問を掘り下げていき、具体的な経験について聞き出すのがポイントです。

【質問例】
■職場でのチームワークについて、どのように考えていますか。

■なぜそのように考えているのでしょうか。

■これまでにチームワークを発揮してきたエピソードがあれば教えてください。

■チームで活動する時に工夫したこと、気をつけたことはありますか。
より具体的に構造化面接を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

【関連記事:構造化面接は採用に有効?導入される理由やメリット、質問例をまとめて解説

グループ面談を実施する

協調性を見極めるには、複数の求職者を集めてグループ面談を実施するのも効果的です。

チェック項目の例は以下のとおりです。
  • 他の人の意見を否定しないか
  • 自己主張だけに終始していないか
  • 話を聴く姿勢であるか(話している人の方を見る・相槌を打つ など)
  • 簡潔な返答を心がけているか など
グループ面談では「ほかの求職者より良い印象を残したい」心理が働きますが、これに負けて一方的なコミュニケーションを図っていないかを確認していきます。

ほかの人の意見を交えて主張を展開する、聴く側に配慮した簡潔かつ適切な言葉使いができるといった特徴がある人は、一定レベルの協調性があると判断できるでしょう。

アセスメントツールを活用する

面接だけで協調性のある人材を採用できるか不安な場合は、人材アセスメントの考え方を取り入れてみるのがおすすめです。

人材アセスメントとは、人材の適性・スキル・能力などを第三者が客観的に評価し、人材育成や採用に役立てる手法です。

しかし、評価する第三者も人間であるため、評価基準にバイアスが生じる可能性もあるでしょう。公正に協調性の有無を評価するには「ミイダス」のフィッティング人材分析(活躍要因診断)がおすすめです。

たとえばフィッティング人材分析機能の「コンピテンシー診断」では、全41の評価項目から協調性にまつわる以下のことがわかります。
  • チームワーク:初対面の人とすぐに打ち解けられる社会性・他者に意思決定への参加を求められる協議性
  • 状況適応力:人の行動や思考に関心を持ち、理解しようとするか
  • オーガナイズ能力:物事の細部に気を配り、順序立てて系統的に処理できる緻密さ


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コンピテンシー診断は求職者に実施してもらうだけでなく、既存従業員の適材適所実現にも高い効果を発揮します。詳しくは次項で解説します。

協調性を見抜き適材適所を実現するには「ミイダス」

ミイダス訴求画像
ミイダスは協調性の度合いを数値化・可視化するだけでなく、なかなか結果が出せない「くすぶり人材」の適正を発掘し、適材適所の人材配置につなげられる強みがあります。

当社ミイダスの事例をご紹介しましょう。
新規開拓営業メンバーとして入社した従業員が、思うように実力を発揮できていなかったためコンピテンシー診断を実施。
すると、合理的思考力や冷静な状況判断に優れており、この適性を持った人材を求めていた経営企画に異動させたところ、責任者にステップアップいたしました。

より具体的な内容は以下の記事でご覧いただけます。
【関連記事:アセスメント導入事例を紹介 「コンピテンシー診断」と「フィッティング人材分析」は、このように活かされる!

また、コンピテンシー診断はチームリーダーがメンバーの個性や特徴を知る際にも活用できます。行動特性やストレス要因を事前に把握しておくことで、一人ひとりに適したコミュニケーションの実現や業務効率化の実現が期待できるでしょう。

加えてマネジメント層の方は、自身が持つ思考の偏り(認知バイアス)を測定できる「バイアス診断ゲーム」もご活用いただけます。

バイアス診断ゲームで分析できるバイアスの一例は以下のとおりです。
認知バイアス評価
フレーミング効果表現方法によって判断が変わりにくいかどうか
現状維持未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い現状維持をしたいかどうか
サンクコスト効果一度リソースを投資したものの回収できないと分かったとしても投資し続けてしまうかどうか
現在志向将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くかどうか
衝動制御自分の衝動をコントロールし集中力を持続させるかどうか
予測態度不確かで見通しが悪い状態でも冷静に規則性や法則性を判断しようとするかどうか
リスク許容度リスクを取ることに対する許容度
協力行動集団内で行動する時の利益の考え方
全体注意多くの情報から必要な情報を選択するときに俯瞰的に考えて意思決定するかどうか
焦点注意多くの情報から必要な情報を選択するときに全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するかどうか
否定的感情物事に対するネガティヴな感情の抱きやすさ
上記の項目を含めて全22種類のバイアスを分析できます。

企業や組織の運営をさまたげる認知バイアスがないか確認するとともに、マネジメントの意思決定の質を向上させる効果も期待できます。

認知バイアスについては、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事:バイアスとは?ビジネスでの意味や種類・企業に与える影響について解説【図解あり】

なお、ミイダスではご契約いただいた法人様に対し、コンピテンシー診断やバイアス診断ゲームの診断結果を活用する方法を学べる動画教材をリリースいたしました。

たとえばこちらの動画は、コンピテンシー診断について学べる動画教材の概要になっています。
そしてこちらは、バイアス診断ゲームを学べる動画教材が一本まるごと無料で試聴できます。
気になるミイダスの料金体系ですが、定額制サービスのため採用人数ごとに費用が発生することはありません。採用から教育まで一貫してサポートできるミイダスをぜひご活用ください。

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