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構造化面接は採用に有効?効果やメリット、質問例をまとめて解説
「面接官による評価のバラつきを抑え、公平に人材を評価するにはどうしたら良いのだろう」
このようにお悩みではありませんか。
面接手法を見直すなら「構造化面接」の導入を検討してみてはいかがでしょう?
構造化面接とは、自社の採用要件を明確にしたうえで、あらかじめ決めておいた質問項目や評価基準に沿って進める面接手法です。マニュアル通りに進めるため、誰が面接官でも同じ視点で評価を導けるメリットがあります。
また構造化面接は、Googleなどの採用面接で実践されていることでも知られる面接手法です。
そこで当記事では、面接手法の一つである「構造化面接」の目的や効果、メリット・デメリット、具体的な質問例などを解説します。採用プロセスに構造化面接を取り入れ、選考の効率化を図りたいとお考えの方は、ご一読ください。
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構造化面接とは?目的や重要になる理由、得られる効果は?
構造化面接とは、自社の採用要件を明確にしたうえで、採用候補者に対し、事前に用意した質問を投げかけて評価する面接手法です。面接後の評価も、あらかじめ明確な基準を設けて実施します。
決められた質問と基準をもとに面接を実施するため、誰が面接官になっても安定した評価になるのが特徴です。
構造化面接は、臨床心理学の分野で古くから活用されてきた面接手法の1つです。その手法を採用の現場にも取り入れたことで広がりを見せています。
それでは、構造化面接について詳しく見ていきましょう。- 構造化面接の目的
- 構造化面接が重要になる理由
- 構造化面接を実施すると得られる効果
それぞれ解説していきます。構造化面接の目的
構造化面接を導入する一番の目的は、採用のミスマッチを防ぎ、自社に最適な人材を見極めることにあります。採用のミスマッチは、面接官の先入観や思い込みによる評価が原因で起きるものです。
「前職ではイメージの良い企業で働いているし、実績も残しているから自社でも活躍できるはずだ」
「好印象で人当たりが良く、営業に向いていそうだ」
などと判断しても、入社後の活躍と面接での印象が結びつかないことは多々あります。
しかし、いくら主観を取り除こうと面接官が意識しても、完全になくすのは難しいとされています。そのため、無意識のバイアスを起こさせない工夫が求められるのです。
構造化面接では、あらかじめ見極めるべき特徴や見極めるための質問、統一された回答基準、評価基準を定めるため、面接官の主観が入る余地がありません。
評価のバラつきが少ない一貫性のある採用を実現できるため、活躍する可能性が高い人材の獲得に効果的な手法だと言えます。構造化面接が重要になる理由
構造化面接が重要視される背景には、深刻な人手不足により、生産性向上がこれまで以上に求められるようになったことが挙げられます。
パーソル総合研究所の推計によると、労働人口減少や少子高齢化等の労働市場の変化により、2030年には644万人の人手不足になるそうです。644万の人手不足を解決するには、今ある労働力の生産性を高めることが必要不可欠になります。
採用活動においても、採用ミスマッチと機会損失(本来採用すべき人材の取りこぼし)を防ぐことで生産性向上につなげていくことが重要です。構造化面接は、的確に人材を見極めるだけではなく、生産性向上にもつながる面接手法として、導入する企業も増えてきています。
構造化面接が導入されていくようになったのはなぜでしょう構造化面接が重要視される理由には、新型コロナウイルス感染拡大の影響により選考方法を変更せざるを得ず、適切な評価がしづらくなっている点にあります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により選考方法を変更せざるを得ず、適切な評価がしづらくなっている点もあります。
『日本の人事部 人事白書2021』によると、約5割の企業で「面接などの選考方法を変更した」と回答しています。
出典:『日本の人事部 人事白書2021』90ページ また、日本経済団体連合会による『2021年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果』では、オンラインでの面接を実施した企業は9割以上となりました。
対面での面接が制限される状況のなか、多くの企業がオンラインでの面接実施に移行したことがうかがえます。
出典:2021年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果 しかし、オンライン面接を実施した企業の中で「対面より評価が難しい」とする回答が6割を超える結果に。画面越しでは、候補者の細かな表情や熱意が把握しにくいところが課題になっているようです。
オンライン面接への移行で面接の難易度が高まる中、面接官の主観や思い込み、直感によって候補者を判断してしまっては、より一層、的確な評価に基づいた選考からは遠のいてしまいます。
そこで、適切な評価をして入社後の採用ミスマッチを防ぐために、一定のルール(基準)に基づいて選考を行う構造化面接に注目が集まっているのです。構造化面接を実施すると得られる効果
構造化面接を実施する効果は以下の通りです。構造化面接では、評価基準が明確に定められています。そのため誰が面接を担当しても、的確に候補者の見極めが可能です。
また面接時には、すべての候補者に同じ質問を投げかけます。面接官の主観が入らないことで、質問内容や評価のバラつきを抑えることも可能です。そうすることで、採用ミスマッチや本来採用すべき人材の取りこぼしを防ぐ効果も期待できます。
構造化面接を実施しているGoogleを例に挙げると、1回にかかる面接の所要時間が平均40分ほど短縮できているそうです。
さらに面白いところが、面接後に採用となった場合だけでなく、不採用になった場合でも満足度が高い結果になっている点。構造化面接ではない面接を実施して不採用になった候補者よりも、35%も面接の満足度が高いという結果が出ています。
採用面接の課題を抱える企業にとって、構造化面接の導入は数々の効果をもたらすことが期待できます。
ここまで、構造化面接の概要や目的、環境の変化により構造化面接が重要になる理由、導入後に得られる効果をお伝えしました。
続いて、構造化面接をより理解するため、ほかの面接手法との違いを見てみましょう。面接手法の種類は3つ!構造化面接との違いは?
面接手法の種類は以下の3つです。- 構造化面接
- 非構造化面接
- 半構造化面接
一つ目の構造化面接については、前述した通りです。ここでは「非構造化面接」と「半構造化面接」との違いについて見ていきましょう。非構造化面接とは
面接官が自由に質問を投げかけ、評価をする方法です。質問項目や評価基準といったルールは設けられていません。
面接官が聞きたいことをざっくばらんに質問する、一般的な面接をイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。
非構造化面接では、面接官と候補者が会話をする中で、自由なやり取りが可能です。履歴書や職務経歴書などの書類からはわからない、候補者の一面を知るチャンスにもなります。
しかし、構造化面接と比べて自由な分、面接官の主観が評価に含まれてしまう可能性が高い点には気を付けなくてはなりません。候補者を公平かつ客観的に評価するには、限界がある手法です。
また、非構造化面接は決められた質問がないため、候補者の回答や反応に合わせた臨機応変な対応が求められます。面接官としての経験が豊富な人のほうが適しているでしょう。
非構造化面接のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【非構造化面接(自由面接)のメリット・デメリットとは?】半構造化面接とは
構造化面接と非構造化面接の良いところを取り入れた面接手法です。候補者に投げかける始めの質問は用意しておいて、そのあとに自由な質問ができます。
構造化面接よりルールに縛られず、また非構造化面接より評価のばらつきが起こりにくい点が半構造化面接の特徴です。あらかじめ決めておいた質問で自社が求める人物なのかを見極めつつ、自由な質問をすることで候補者の一面も確認できます。構造化面接・非構造化面接・半構造化面接の違い
面接手法3種の特徴を一覧表にまとめました。それぞれの特徴は下記の通りです。 面接方法
メリット
構造化面接
事前に決めた質問をマニュアル通りに投げかける
誰が面接官を請け負っても、公平に評価できる。評価のバラつきが起こりにくい。
非構造化面接
面接官の裁量に任せて自由に質問を投げかける
自由なやり取りができる分、候補者の人間性を引き出しやすい。
半構造化面接
事前に決めた質問を終えたら、自由に質問できる
構造化面接のメリットを保ちつつ、柔軟に候補者の一面を探ることができる。
3つのうち、どれが正解というものではないので、自社に合うスタイルで面接を実施していきましょう。
ここまで読んで「構造化面接のメリットは何?デメリットになる部分はないの?」と思う方もいるのではないでしょうか。まずはメリットから確認していきましょう。構造化面接を実施する4つのメリット
構造化面接をするメリットは、おもに以下の4つが挙げられます。
1.一定の基準で候補者の評価ができる
2.採用のミスマッチを抑えられる
3.複数人の採用でも、それぞれに客観的評価ができる
4.面接時間を短縮できる
それぞれ見ていきましょう。1.一定の基準で候補者の評価ができる
構造化面接では、面接官の経験やスキル、主観による評価のブレが少なくなります。つまり、誰が面接官になっても一定の基準で評価が可能です。
あらかじめ基準を定めた上で面接を実施するので、誰が自社に合う人材であるのかを見極めて、内定を出すまでの判断も短縮できます。候補者の雰囲気や熱意などが伝わりにくいオンライン面接でも、評価がしやすいとされています。
また候補者にとっても公平な視点で採用の合否を判断してもらえるため、面接後に不満が出にくい点もメリットです。2.採用のミスマッチを抑えられる
構造化面接を実施すると「せっかく採用したのに、思ったようなパフォーマンスを出せる人ではなかった」といったミスマッチを抑えられます。
求める人物像や必要としているスキルなどを基準として用意し、それに沿った質問をしながら面接をしていくため、自社にフィットする人材を見抜きやすくなるためです。
また、候補者の特性や能力の予測がしやすくなる点もポイントです。3.複数人の採用でも、それぞれに客観的評価ができる
募集定員を複数人に設定して、採用活動をすることもあるでしょう。そのような場面でも、構造化面接は有効です。
面接をする人数が増えたとしても、定めた質問項目と評価基準は変わりません。明確な基準に沿って、それぞれの候補者に対して一律の面接を実施できます。
客観的かつ公平な評価のもと、点数の高い人から採用できるため、「この人とあの人、どっちを採用しようか……」と迷うことがありません。4.面接の時間を短縮できる
先にも述べた通り、構造化面接を採用すると、面接の時間短縮を実現できます。事前に決めた質問項目をガイドラインに沿って進める面接手法であるため、本来の話題から脱線する心配がありません。
候補者に投げかける質問は熟慮を重ねて厳選されたものばかりです。時間を短縮しつつも幅広いエピソードが聞ける、充実度の高い面接にできるでしょう。
続いて構造化面接のデメリットについても見ていきましょう。構造化面接を実施するときに起こりうる4つのデメリット
構造化面接のデメリットは以下の4つです。
1.質問への回答が偏りがちになる
2.質問の設計が難しく労力がかかる
3.面接の雰囲気が固くなってしまう
4.候補者が潜在的に持つ能力や特性まで完全に見極めるのは難しい
一つずつ解説していきます。1.質問への回答が偏る可能性がある
準備しておいた質問の範囲を超えた回答が得られにくい点は、構造化面接のデメリットです。
どの候補者にも同じ質問を投げかけるため、回答もありきたりで似たような回答ばかりになる可能性もあります。
また候補者の中には、質問される内容を予測して返答する言葉を事前に練習してくる人や、自分のことをよく見せようと本音を隠して回答する人もいます。
候補者の内面を深く知れるような質問を用意し、また本質とは異なる回答をしていないか見極めが大切です。2.質問の設計が難しく労力がかかる
構造化面接を実施するには入念な事前準備が必要です。あらゆる手順を踏んで質問を設計しなければならず、非常に手間がかかります。
候補者の適性を見極める質問の設計は、採用基準や評価基準を決めるところから始まります。決める内容は多岐にわたるうえ、配属先の社員や人事部、上層部の社員と、採用する人材要件について意識をすり合わせる一手間も必要です。
また、苦労して質問を作成しても、同じ質問を毎年使い回せるわけではありません。なぜなら、候補者同士で情報共有が行われる可能性があるからです。面接内容の情報が共有されるのを防ぐには、定期的に質問内容をアップデートする必要があります。
事前に質問内容を知り、回答を用意する候補者が現れると、構造化面接でも本来の資質を見極めることはできません。特に大勢の候補者を相手に採用活動を行う場合には、SNSやQ&Aサイトから情報漏洩をさせないよう、候補者に注意喚起することも重要です。3.面接の雰囲気が固くなってしまう
自由に会話のキャッチボールをしながら実施する非構造化面接と比べて、構造化面接では雰囲気が固くなりがちです。次々に決められた質問を投げかけてしまうと、冷たい印象を受けたり、圧迫面接のように感じて必要以上の緊張をしたりする候補者もいるかもしれません。
固い雰囲気の面接は、候補者の内面まで引き出せない可能性があります。固くなりすぎない雰囲気作りをして、リラックスした状態で面接を実施していきましょう。4.候補者が潜在的に持つ能力や特性まで完全に見極めるのは難しい
企業として本当に知りたいのは、候補者が持っている能力や特性、長所などです。これらを把握できるように質問を設計していくわけですが、面接だけで完全に見抜くのは難しいと言われています。
構造化面接は、候補者の能力や特性を客観的に見極めるための方法の一つです。完全に候補者の内面を把握しきれないと知った上で、ほかの手法も取り入れることが鍵となります。- 面接を複数回に分けて、別の面接手法でもアプローチしてみる
- 業務の適性やストレス耐性を測るアセスメントツールを活用する
- 前職での勤務態度や性格などを確認するリファレンスチェックを実施する
- グループワークを取り入れる など
いくつかの方法を組み合わせ、自社に最適な採用活動を模索する必要があります。
ここまで、構造化面接のメリットとデメリットを解説しました。構造化面接の実施で大きなメリットを得られますが、デメリットがあることも知った上で導入していきましょう。
次の項目では、構造化面接の進め方や導入の流れを解説します。
なお構造化面接の欠点を補うアセスメントツールをお探しなら「ミイダス」をご検討ください。ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
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【計7ステップ】構造化面接を導入する流れ構造化面接を導入する流れは、7つのステップに分けられます。1.どのような人材を採用したいのか基準を決定する
2.評価項目と評価基準を検討・決定する
3.面接での質問を決定する
4.作成した質問をテストする
5.面接官のトレーニングで面接本番の対策をする
6.候補者に面接を実施する
7.採用する人を評価し、決定するそれぞれ見ていきましょう。1.どのような人材を採用したいのか基準を決定する
面接の質問や評価基準を決める前に、自社が必要とする人材を定義します。
たとえば、リーダーシップやマネジメントのスキルがある人、高い専門知識を持った人など、求める人物像を具体的に決めていきます。
求人募集をする職種が複数ある場合は、業務によって求めることも異なりますので、それぞれ採用基準を決めておきましょう。
採用基準はコンピテンシーを参考に決めることをおすすめします。コンピテンシーとは、自社で活躍する人材に共通する行動特性や思考特性のことです。
自社で活躍する人材に近い候補者を採用すれば、採用ミスマッチを防ぐ効果を期待できます。
具体的な方法としては、優秀な社員数名にアセスメントツールによる診断を受けてもらい、その結果からそれぞれに共通する行動特性を分析。洗い出した行動特性をもとに採用基準を設定していきます。
面接では採用基準と照らし合わせながら、候補者が将来的に活躍する可能性を探っていきましょう。
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コンピテンシーを分析したい方は、ミイダスのフィッティング人材分析機能をぜひご活用ください。
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次に評価の項目を定めた上で、評価基準を設定していきます。
評価項目では、候補者の何を評価するのかを決めましょう。たとえば、- コミュニケーション力
- 思考力
- 業務推進力
- 主体性
- 協調性
などが挙げられます。評価項目はこれだけではありませんので、自社で求める人物像に合わせて設定してみてください。
一方の評価基準は、どの尺度で評価するのか明確にしたものです。
仮に「コミュニケーション力」の高さを判断したい場合、評価する尺度を「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」などの段階に分けて具体的に決定していきます。評価基準は最低でも3つ(良い・普通・悪い)、多くても7つ程度のレベル分けが最適です。
何をどのように評価していくのかを明確にし、基準に取り入れていきましょう。3.面接での質問を決定する
評価に必要な回答を得るための質問を、検討・決定します。評価項目や評価基準に基づいた質問内容の設計が重要です。
まずは、起点となる質問を決めましょう。ここでの起点となる質問とは、「あなたがこれまで一番難しいと感じた仕事は何ですか?」のような、話の糸口になる質問です。
しかし、起点の質問ばかりでは、候補者が質問攻めにあっているような感覚になるかもしれません。そのため、起点の質問のあとには、得られた回答をさらに掘り下げる質問もいくつか用意します。
質問をしながら候補者のことを深掘りしていくと、表面的には見えていない価値観や行動パターンなどがわかる可能性があります。どんどん深掘りして、候補者の回答を引き出すことが大切です。
具体的な質問例は後述していますので、あわせてご覧ください。4.作成した質問をテストする
質問内容がある程度決まったら社員に協力してもらい、シミュレーションをするのもおすすめです。決めた質問によって、構造化面接が成り立つか確認するテストにもなります。
このとき、評価方法や評価基準が書かれた「評価基準表」や質問への回答をメモできる「面接シート」を作成しておくのも有効です。評価項目や基準が多くなればなるほど、内容を忘れてしまったり、面接時に抜け漏れが起こってしまったりする可能性もあります。
評価基準表や面接シートを活用しながらシミュレーションを実施し、改善点が出てきた場合は、この段階で質問内容を再検討しましょう。5.面接官のトレーニングで面接本番の対策をする
構造化面接を実施するにあたり、面接官には十分なトレーニングが必要です。評価項目や基準を定めていても、いきなり面接の場で実践できない恐れがあります。
たとえば、質問が棒読みになったり、リラックスした雰囲気を作れなかったりといったことが起こるかもしれません。
スムーズな構造化面接を実施するには、以下の取り組みが有効です。- 構造化面接を実施することへの理解を深める
- 面接官に質問内容や評価基準を周知し、徹底してもらうように促す
- 本番の環境に近い状態でロールプレイングをして練習する
本番を迎える前にロールプレイングなどをすることで、気付きが得られ、問題点の改善につなげられます。構造化面接の精度を上げるためにも、面接官へのトレーニングを実施してみてください。6.候補者に面接を実施する
ここまで来てようやく構造化面接の本番です。トレーニングしてきたことを活かして、本番に臨みましょう。
面接担当者は、質問に対する回答と評価を面接シートに記録しましょう。面接中に記録したメモは、面接後に評価を再検討する際に役立つことはもちろん、配属先を決める判断材料にもなります。
また、回答と評価の実例を文書化して残しておけば、今後の採用活動にも活かせるでしょう。質問に対する良い回答、悪い回答がどのようなものだったかを詳細に記録し、面接におけるノウハウを蓄積していくことをおすすめします。7.採用する人を評価し、決定する
候補者に投げかけた質問から得た回答をもとに、評価をしていきます。主観を入れることなく、すでに定めてある評価基準に沿った判断が重要です。
もし、評価基準に合わない回答があった場合は、プラスにもマイナスにもなりません。その回答は評価の対象外にしましょう。
面接のときに「面接シート」に回答を記入しているなら、面接官ではない人事担当者や該当部署の上司なども評価に加わることもできます。評価基準に沿った判断ができているか確認する意味でも有効です。
構造化面接を導入する流れをステップごとに解説しました。ここまで読んで「どのような質問を用意したらいいのかわからない」と不安になる方もいるのではないでしょうか。続いて、構造化面接で使える質問例を紹介します。構造化面接で使える具体的な質問例
構造化面接での質問パターンは2つに分けられます。- 過去の行動に基づく質問(STAR面接)
- 仮説に基づく質問
それぞれ見ていきましょう。過去の行動に基づく質問(STAR面接)
過去の業務において、どのように行動し、対処してきたのかを問う質問です。「◯◯したときのことを教えてください」といった質問が起点となります。
起点の質問と深掘りする質問の例を紹介しますので、参考にご覧ください。・あなたのチームが抱えていた課題は何でしたか?
・あなたの行動がチームに与えた良い影響はありますか?
・プロジェクトの目標がある中で、あなたが設定した1番の目標は何でしたか?
・なぜ、それを目標としたのですか?
・目標達成に向けて、どのような行動をしましたか?
・目標の達成度はどれくらいでしたか?また、行動して良かったことは何ですか?
・今後はどのような目標を立てて実行していきますか?上記は、目標達成力を評価する質問例です。実際は、主体性・チームワーク・ストレス耐性など、何を評価したいのかによって質問内容は異なります。自社の基準に合わせた質問を考えることが重要です。
なお、過去の行動に基づく質問は「STAR面接」という手法がベースになっています。アルファベットの頭文字を取って「STAR」です。Situation:状況質問
Task:課題質問
Action:行動質問
Result:結果質問候補者が持っている価値観や思考パターンの把握につながる方法です。候補者の内面を理解し、自社に合う人材なのか見極めるために、活用していきましょう。仮説に基づく質問(状況設定型面接)
質問内容で仮定の状況を作り、その状況が起こったときに、どう対処していくのか回答を得る方法です。仮説に基づいた質問をすることで、問題解決力や自己管理力などの評価に役立ちます。
質問の多くは「もし◯◯だったら、どうしますか?」といった聞き方になります。自社で実際に起こりうる状況を設定して、質問してみると効果的です。今後、社内において問題や課題が起こったときの対処の仕方を見極められます。
次の項目では、構造化面接を進めていくときの注意点を見てみましょう。知っておきたい構造化面接の注意点4つ
構造化面接の注意点は以下の4つです。
1.面接官によって評価を変えない
2.想定質問への評価を適切に見極める
3.誘導質問は避ける
4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
それぞれ解説していきます。1.面接官によって評価を変えない
構造化面接を実施するときの基本です。面接官の主観や好みなどを評価に反映させないために実施する面接方法ですので、決められた質問と評価基準は守らなくてはなりません。
ベテランの面接官が、従来の面接方法から抜け出せないといったときは、構造化面接の重要性を理解してもらうところから始めることをおすすめします。2.想定質問への回答を適切に見極める
候補者が面接対策をして、事前に回答を用意できる質問を「想定質問」と言います。たとえば「志望理由は何ですか?」「あなたの長所は何ですか?」など、面接で聞かれそうな質問は、あらかじめ回答を準備している可能性があります。
想定質問の場合は、候補者が本音で話しているのか見極めなくてはなりません。なかには、自分をよく見せようと取り繕った回答をして、乗り切ろうとする人もいるでしょう。
本音ではない可能性も踏まえて、その回答を深掘りしてみたり、違う視点から質問を投げかけてみたりといった工夫が必要です。3.誘導質問は避ける
誘導質問とは、企業や面接官が欲しい回答が得られるように質問を投げかけることです。▼誘導質問の例
・残業は問題ありませんか?
・地方への異動は許容できますか?
・◯◯部への配属で成果は出せそうですか? など「長時間の残業ができる」「転勤ができる」などの観点は、企業の都合で聞いている質問です。候補者の特性や内面を知る質問ではありません。どう回答すると評価が高くなるか候補者がわかってしまう質問は、候補者を公平に評価するための構造化面接の目的からは外れてしまいます。
もし、誘導質問に近いものを取り入れなくてはならない場合は「採用のミスマッチを避けるため」などの目的を持って行いましょう。4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
一度、質問内容を決めて評価基準を定めたからと言って、それをずっと使い続けるわけにはいきません。なぜなら、自社で求める人物像が変われば、それに伴って評価すべき項目や基準が変わるからです。
採用の目的が変わったときは、評価項目と基準、質問内容を再検討しましょう。
また、同じ質問を使い続けていくと、面接を受けた候補者同士で情報が共有されることも。どのような質問で面接が行われたのか事前にわかってしまうと「構造化面接をしているのに想定質問の回答ばかりになった」といったことも起こり得ます。
採用の目的が変わったときはもちろん、長らく目的が同じであった場合にも定期的な見直しを実施して構造化面接の内容を改善していくことが重要です。
それでは最後に、構造化面接を導入するときによくある疑問を見ていきましょう。「構造化面接を導入する企業に基準はある?」「まわりの企業では、構造化面接を実施していないのですが……」といった疑問を解消します。構造化面接を導入するときによくある4つの疑問
ここでは、以下4つの疑問について解説します。- どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
- 構造化面接が合わない企業は?
- 構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
- 採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
それぞれ見ていきましょう。どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
構造化面接は、ある一定の条件を満たした企業が導入すべきといった基準はありません。しかし、採用面接を実施している中で以下の傾向がある場合は、構造化面接の導入を検討したほうがよいかもしれません。・複数の面接官が採用に関わっていて、人によって評価にばらつきがある
・採用しても早いタイミングで離職してしまい、人材が定着しない
・候補者1人にかかる面接の時間が長くなっている
・面接をしても誰を採用するのか悩んでしまう
・とにかく人手が足りていないので、応募があったら採用しているこれらは、評価項目や基準が曖昧なことによって起こっています。今後、コストをかけて採用活動をしても、自社で優秀な人材が育たない可能性も考えられます。
上記の傾向にあてはまる場合は、社内での体制を整え、構造化面接導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。構造化面接が合わない企業は?
事業方針や企業理念がよく変わる企業に構造化面接は向きません。会社の方針が変わるたびに面接の設計を見直さなければならず、かえって非効率な採用活動にしてしまう可能性が高いからです。
会社の方針が変われば、求める人材像も変わります。求める人材像が変われば、それに合わせて評価項目や質問内容を調整する必要に迫られます。
事業方針が頻繁に変わる会社は時間的コストがかかりすぎるため、構造化面接以外の面接手法を検討しましょう。
また、早期退職者がいない企業は、あえて構造化面接を採用する必要はありません。構造化面接は早期退職者が多い企業にこそ、効果的にその利点を発揮します。
早期退職者がいないということは、社員の適性を的確に見極められていると考えられるため、今の採用方法のまま進めても差し支えないでしょう。構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
構造化面接を実施するには、事前に質問を作成したり、面接官への指導をしたりと導入の工数がかかります。そもそも人手が足りていない中で、構造化面接を実施するのは厳しいと感じる企業もいるでしょう。
確かに導入時の工数はかかります。しかし、面接官の主観や直感が含まれた評価を続ければ、採用ミスマッチは防ぎきれません。コストをかけて候補者を探して採用し、丁寧な教育をしても、ミスマッチを理由に離職されてしまっては損失が増えていく一方です。
一時的に工数はかかるものの、構造化面接を実施する体制が整えば、長期的な視点で見てもコストを抑えられます。これまでの面接手法より評価の効率化も期待できるので、導入の工数以上の効果は得られるのではないでしょうか。採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
採用の課題として、入社後のミスマッチを挙げている企業も少なくありません。とはいえ、課題とわかっていても「どんな対策が効果的なのかわからない」といったケースもあります。
採用ミスマッチが起こる原因と対策は以下の記事にてまとめています。採用ミスマッチの課題を抱えていながらも、具体的な対策を打てていない方は、あわせてご一読ください。
【採用ミスマッチはなぜ起こる?原因と対策を詳しく解説します】構造化面接について学べる本の紹介構造化面接について、体系的に学びたい方におすすめの2冊を紹介します。ご紹介するのは下記の2冊です。- 『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』(ラズロ・ボック著、東洋経済新報社)
- 『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 』(人事と心理編集部著、人事と心理出版)
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』

Googleの人事担当副社長を担うラズロ・ボックが、Googleの採用・育成・評価のすベてを語った本です。毎年200万人もの就職希望者がいる中で、Googleはどのようにして「最高の人材」を見極めているのか、本書を読めば、その秘訣がわかります。
ラズロ・ボックが入社した当時、Googleの社員数は6,000人。その後、6,000人から6万人に従業員を増やす過程でGoogleの人事システムの見直しを図り、人事の指揮をとってきたのが著者本人です。
構造化面接に関しては「5章 直感を信じてはいけない」で触れられています。1998年に公開された論文に基づき、構造化面接が職務能力の予測にいかに長けているかが解説されています。
構造化面接に特化した内容ではありませんが、世界最強の会社と名高いGoogleの人事制度をあらゆる観点から学べるため、人事制度を強化したい担当者におすすめの本です。
ラズロ・ボックが導き出した人事ルールは、大量の実験と検証に裏打ちされているため、優秀な人材の採用方法に関して、深い納得感を得られるでしょう。
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 (人事と心理シリーズ)

構造化面接について、より実践的な内容を知りたい方におすすめの一冊です。構造化面接の設計に際して、教科書のように紐解ける内容となっています。
この本からわかる内容は下記の通りです。- 構造化面接が非構造化面接よりもいかに優れているか
- 構造化面接の開発手順と方法
- 評価尺度の決め方
- 面接の運用方法 など
行動面接や状況面接で使える質問例や面接の評価フォームも掲載されており、そのまま自社の採用活動に活かせるでしょう。わずか64ページの解説本ですが、非常に濃い内容となっています。
『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接』(人事と心理シリーズ) Kindle版評価のばらつきを抑えるなら構造化面接が有効構造化面接の目的や効果、メリット・デメリット、具体的な質問例などを解説しました。
これまで面接官の主観が含まれた判断をすると、一貫性のない評価になってしまう点が課題でした。構造化面接では、あらかじめ決められた質問をすべての候補者に対して投げかけます。そして、評価項目と評価基準も定めた上で実施するため、ばらつきを抑えた評価が実現できるのです。
構造化面接の導入は、採用のミスマッチを抑え、面接評価の効率化が期待できるといったメリットをもたらします。しかし、構造化面接では候補者の潜在的な特性を把握しきれないといった欠点も。
構造化面接の欠点を補うには、アセスメントリクルーティングが可能な「ミイダス」の活用がおすすめです。無料登録後にすぐできる「フィッティング人材分析」を使うと、自社が求める人物像をデータに基づいて分析できるだけでなく、社風や価値観にフィットする求職者をミイダスのデータベースの中から探し出すことも可能です。
さらに、誰でも簡単に構造化面接を実施できる面接質問集(ミイダス質問集)もご提供しています。
構造化面接で把握しきれなかった、採用候補者が潜在的に持つ能力や特性も踏まえて採用ができるため、入社後に起こりうるミスマッチを抑える効果が期待できます。構造化面接のサポートとして「フィッティング人材分析」も、ぜひご活用ください。
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決められた質問と基準をもとに面接を実施するため、誰が面接官になっても安定した評価になるのが特徴です。
構造化面接は、臨床心理学の分野で古くから活用されてきた面接手法の1つです。その手法を採用の現場にも取り入れたことで広がりを見せています。
それでは、構造化面接について詳しく見ていきましょう。
「前職ではイメージの良い企業で働いているし、実績も残しているから自社でも活躍できるはずだ」
「好印象で人当たりが良く、営業に向いていそうだ」
などと判断しても、入社後の活躍と面接での印象が結びつかないことは多々あります。
しかし、いくら主観を取り除こうと面接官が意識しても、完全になくすのは難しいとされています。そのため、無意識のバイアスを起こさせない工夫が求められるのです。
構造化面接では、あらかじめ見極めるべき特徴や見極めるための質問、統一された回答基準、評価基準を定めるため、面接官の主観が入る余地がありません。
評価のバラつきが少ない一貫性のある採用を実現できるため、活躍する可能性が高い人材の獲得に効果的な手法だと言えます。
パーソル総合研究所の推計によると、労働人口減少や少子高齢化等の労働市場の変化により、2030年には644万人の人手不足になるそうです。644万の人手不足を解決するには、今ある労働力の生産性を高めることが必要不可欠になります。
採用活動においても、採用ミスマッチと機会損失(本来採用すべき人材の取りこぼし)を防ぐことで生産性向上につなげていくことが重要です。構造化面接は、的確に人材を見極めるだけではなく、生産性向上にもつながる面接手法として、導入する企業も増えてきています。
構造化面接が導入されていくようになったのはなぜでしょう構造化面接が重要視される理由には、新型コロナウイルス感染拡大の影響により選考方法を変更せざるを得ず、適切な評価がしづらくなっている点にあります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により選考方法を変更せざるを得ず、適切な評価がしづらくなっている点もあります。
『日本の人事部 人事白書2021』によると、約5割の企業で「面接などの選考方法を変更した」と回答しています。

対面での面接が制限される状況のなか、多くの企業がオンラインでの面接実施に移行したことがうかがえます。

オンライン面接への移行で面接の難易度が高まる中、面接官の主観や思い込み、直感によって候補者を判断してしまっては、より一層、的確な評価に基づいた選考からは遠のいてしまいます。
そこで、適切な評価をして入社後の採用ミスマッチを防ぐために、一定のルール(基準)に基づいて選考を行う構造化面接に注目が集まっているのです。
また面接時には、すべての候補者に同じ質問を投げかけます。面接官の主観が入らないことで、質問内容や評価のバラつきを抑えることも可能です。そうすることで、採用ミスマッチや本来採用すべき人材の取りこぼしを防ぐ効果も期待できます。
構造化面接を実施しているGoogleを例に挙げると、1回にかかる面接の所要時間が平均40分ほど短縮できているそうです。
さらに面白いところが、面接後に採用となった場合だけでなく、不採用になった場合でも満足度が高い結果になっている点。構造化面接ではない面接を実施して不採用になった候補者よりも、35%も面接の満足度が高いという結果が出ています。
採用面接の課題を抱える企業にとって、構造化面接の導入は数々の効果をもたらすことが期待できます。
ここまで、構造化面接の概要や目的、環境の変化により構造化面接が重要になる理由、導入後に得られる効果をお伝えしました。
続いて、構造化面接をより理解するため、ほかの面接手法との違いを見てみましょう。

- 構造化面接
- 非構造化面接
- 半構造化面接
非構造化面接とは
面接官が聞きたいことをざっくばらんに質問する、一般的な面接をイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。
非構造化面接では、面接官と候補者が会話をする中で、自由なやり取りが可能です。履歴書や職務経歴書などの書類からはわからない、候補者の一面を知るチャンスにもなります。
しかし、構造化面接と比べて自由な分、面接官の主観が評価に含まれてしまう可能性が高い点には気を付けなくてはなりません。候補者を公平かつ客観的に評価するには、限界がある手法です。
また、非構造化面接は決められた質問がないため、候補者の回答や反応に合わせた臨機応変な対応が求められます。面接官としての経験が豊富な人のほうが適しているでしょう。
非構造化面接のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【非構造化面接(自由面接)のメリット・デメリットとは?】
半構造化面接とは
構造化面接よりルールに縛られず、また非構造化面接より評価のばらつきが起こりにくい点が半構造化面接の特徴です。あらかじめ決めておいた質問で自社が求める人物なのかを見極めつつ、自由な質問をすることで候補者の一面も確認できます。
構造化面接・非構造化面接・半構造化面接の違い
面接方法 | メリット | |
構造化面接 | 事前に決めた質問をマニュアル通りに投げかける | 誰が面接官を請け負っても、公平に評価できる。評価のバラつきが起こりにくい。 |
非構造化面接 | 面接官の裁量に任せて自由に質問を投げかける | 自由なやり取りができる分、候補者の人間性を引き出しやすい。 |
半構造化面接 | 事前に決めた質問を終えたら、自由に質問できる | 構造化面接のメリットを保ちつつ、柔軟に候補者の一面を探ることができる。 |
ここまで読んで「構造化面接のメリットは何?デメリットになる部分はないの?」と思う方もいるのではないでしょうか。まずはメリットから確認していきましょう。
構造化面接を実施する4つのメリット
構造化面接をするメリットは、おもに以下の4つが挙げられます。
1.一定の基準で候補者の評価ができる
2.採用のミスマッチを抑えられる
3.複数人の採用でも、それぞれに客観的評価ができる
4.面接時間を短縮できる
それぞれ見ていきましょう。1.一定の基準で候補者の評価ができる
構造化面接では、面接官の経験やスキル、主観による評価のブレが少なくなります。つまり、誰が面接官になっても一定の基準で評価が可能です。
あらかじめ基準を定めた上で面接を実施するので、誰が自社に合う人材であるのかを見極めて、内定を出すまでの判断も短縮できます。候補者の雰囲気や熱意などが伝わりにくいオンライン面接でも、評価がしやすいとされています。
また候補者にとっても公平な視点で採用の合否を判断してもらえるため、面接後に不満が出にくい点もメリットです。2.採用のミスマッチを抑えられる
構造化面接を実施すると「せっかく採用したのに、思ったようなパフォーマンスを出せる人ではなかった」といったミスマッチを抑えられます。
求める人物像や必要としているスキルなどを基準として用意し、それに沿った質問をしながら面接をしていくため、自社にフィットする人材を見抜きやすくなるためです。
また、候補者の特性や能力の予測がしやすくなる点もポイントです。3.複数人の採用でも、それぞれに客観的評価ができる
募集定員を複数人に設定して、採用活動をすることもあるでしょう。そのような場面でも、構造化面接は有効です。
面接をする人数が増えたとしても、定めた質問項目と評価基準は変わりません。明確な基準に沿って、それぞれの候補者に対して一律の面接を実施できます。
客観的かつ公平な評価のもと、点数の高い人から採用できるため、「この人とあの人、どっちを採用しようか……」と迷うことがありません。4.面接の時間を短縮できる
先にも述べた通り、構造化面接を採用すると、面接の時間短縮を実現できます。事前に決めた質問項目をガイドラインに沿って進める面接手法であるため、本来の話題から脱線する心配がありません。
候補者に投げかける質問は熟慮を重ねて厳選されたものばかりです。時間を短縮しつつも幅広いエピソードが聞ける、充実度の高い面接にできるでしょう。
続いて構造化面接のデメリットについても見ていきましょう。構造化面接を実施するときに起こりうる4つのデメリット
構造化面接のデメリットは以下の4つです。
1.質問への回答が偏りがちになる
2.質問の設計が難しく労力がかかる
3.面接の雰囲気が固くなってしまう
4.候補者が潜在的に持つ能力や特性まで完全に見極めるのは難しい
一つずつ解説していきます。1.質問への回答が偏る可能性がある
準備しておいた質問の範囲を超えた回答が得られにくい点は、構造化面接のデメリットです。
どの候補者にも同じ質問を投げかけるため、回答もありきたりで似たような回答ばかりになる可能性もあります。
また候補者の中には、質問される内容を予測して返答する言葉を事前に練習してくる人や、自分のことをよく見せようと本音を隠して回答する人もいます。
候補者の内面を深く知れるような質問を用意し、また本質とは異なる回答をしていないか見極めが大切です。2.質問の設計が難しく労力がかかる
構造化面接を実施するには入念な事前準備が必要です。あらゆる手順を踏んで質問を設計しなければならず、非常に手間がかかります。
候補者の適性を見極める質問の設計は、採用基準や評価基準を決めるところから始まります。決める内容は多岐にわたるうえ、配属先の社員や人事部、上層部の社員と、採用する人材要件について意識をすり合わせる一手間も必要です。
また、苦労して質問を作成しても、同じ質問を毎年使い回せるわけではありません。なぜなら、候補者同士で情報共有が行われる可能性があるからです。面接内容の情報が共有されるのを防ぐには、定期的に質問内容をアップデートする必要があります。
事前に質問内容を知り、回答を用意する候補者が現れると、構造化面接でも本来の資質を見極めることはできません。特に大勢の候補者を相手に採用活動を行う場合には、SNSやQ&Aサイトから情報漏洩をさせないよう、候補者に注意喚起することも重要です。3.面接の雰囲気が固くなってしまう
自由に会話のキャッチボールをしながら実施する非構造化面接と比べて、構造化面接では雰囲気が固くなりがちです。次々に決められた質問を投げかけてしまうと、冷たい印象を受けたり、圧迫面接のように感じて必要以上の緊張をしたりする候補者もいるかもしれません。
固い雰囲気の面接は、候補者の内面まで引き出せない可能性があります。固くなりすぎない雰囲気作りをして、リラックスした状態で面接を実施していきましょう。4.候補者が潜在的に持つ能力や特性まで完全に見極めるのは難しい
企業として本当に知りたいのは、候補者が持っている能力や特性、長所などです。これらを把握できるように質問を設計していくわけですが、面接だけで完全に見抜くのは難しいと言われています。
構造化面接は、候補者の能力や特性を客観的に見極めるための方法の一つです。完全に候補者の内面を把握しきれないと知った上で、ほかの手法も取り入れることが鍵となります。- 面接を複数回に分けて、別の面接手法でもアプローチしてみる
- 業務の適性やストレス耐性を測るアセスメントツールを活用する
- 前職での勤務態度や性格などを確認するリファレンスチェックを実施する
- グループワークを取り入れる など
いくつかの方法を組み合わせ、自社に最適な採用活動を模索する必要があります。
ここまで、構造化面接のメリットとデメリットを解説しました。構造化面接の実施で大きなメリットを得られますが、デメリットがあることも知った上で導入していきましょう。
次の項目では、構造化面接の進め方や導入の流れを解説します。
なお構造化面接の欠点を補うアセスメントツールをお探しなら「ミイダス」をご検討ください。ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
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【計7ステップ】構造化面接を導入する流れ構造化面接を導入する流れは、7つのステップに分けられます。1.どのような人材を採用したいのか基準を決定する
2.評価項目と評価基準を検討・決定する
3.面接での質問を決定する
4.作成した質問をテストする
5.面接官のトレーニングで面接本番の対策をする
6.候補者に面接を実施する
7.採用する人を評価し、決定するそれぞれ見ていきましょう。1.どのような人材を採用したいのか基準を決定する
面接の質問や評価基準を決める前に、自社が必要とする人材を定義します。
たとえば、リーダーシップやマネジメントのスキルがある人、高い専門知識を持った人など、求める人物像を具体的に決めていきます。
求人募集をする職種が複数ある場合は、業務によって求めることも異なりますので、それぞれ採用基準を決めておきましょう。
採用基準はコンピテンシーを参考に決めることをおすすめします。コンピテンシーとは、自社で活躍する人材に共通する行動特性や思考特性のことです。
自社で活躍する人材に近い候補者を採用すれば、採用ミスマッチを防ぐ効果を期待できます。
具体的な方法としては、優秀な社員数名にアセスメントツールによる診断を受けてもらい、その結果からそれぞれに共通する行動特性を分析。洗い出した行動特性をもとに採用基準を設定していきます。
面接では採用基準と照らし合わせながら、候補者が将来的に活躍する可能性を探っていきましょう。
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コンピテンシーを分析したい方は、ミイダスのフィッティング人材分析機能をぜひご活用ください。
【フィッティング人材分析機能を無料で試したい方はコチラ】2.評価項目と評価基準を検討・決定する
次に評価の項目を定めた上で、評価基準を設定していきます。
評価項目では、候補者の何を評価するのかを決めましょう。たとえば、- コミュニケーション力
- 思考力
- 業務推進力
- 主体性
- 協調性
などが挙げられます。評価項目はこれだけではありませんので、自社で求める人物像に合わせて設定してみてください。
一方の評価基準は、どの尺度で評価するのか明確にしたものです。
仮に「コミュニケーション力」の高さを判断したい場合、評価する尺度を「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」などの段階に分けて具体的に決定していきます。評価基準は最低でも3つ(良い・普通・悪い)、多くても7つ程度のレベル分けが最適です。
何をどのように評価していくのかを明確にし、基準に取り入れていきましょう。3.面接での質問を決定する
評価に必要な回答を得るための質問を、検討・決定します。評価項目や評価基準に基づいた質問内容の設計が重要です。
まずは、起点となる質問を決めましょう。ここでの起点となる質問とは、「あなたがこれまで一番難しいと感じた仕事は何ですか?」のような、話の糸口になる質問です。
しかし、起点の質問ばかりでは、候補者が質問攻めにあっているような感覚になるかもしれません。そのため、起点の質問のあとには、得られた回答をさらに掘り下げる質問もいくつか用意します。
質問をしながら候補者のことを深掘りしていくと、表面的には見えていない価値観や行動パターンなどがわかる可能性があります。どんどん深掘りして、候補者の回答を引き出すことが大切です。
具体的な質問例は後述していますので、あわせてご覧ください。4.作成した質問をテストする
質問内容がある程度決まったら社員に協力してもらい、シミュレーションをするのもおすすめです。決めた質問によって、構造化面接が成り立つか確認するテストにもなります。
このとき、評価方法や評価基準が書かれた「評価基準表」や質問への回答をメモできる「面接シート」を作成しておくのも有効です。評価項目や基準が多くなればなるほど、内容を忘れてしまったり、面接時に抜け漏れが起こってしまったりする可能性もあります。
評価基準表や面接シートを活用しながらシミュレーションを実施し、改善点が出てきた場合は、この段階で質問内容を再検討しましょう。5.面接官のトレーニングで面接本番の対策をする
構造化面接を実施するにあたり、面接官には十分なトレーニングが必要です。評価項目や基準を定めていても、いきなり面接の場で実践できない恐れがあります。
たとえば、質問が棒読みになったり、リラックスした雰囲気を作れなかったりといったことが起こるかもしれません。
スムーズな構造化面接を実施するには、以下の取り組みが有効です。- 構造化面接を実施することへの理解を深める
- 面接官に質問内容や評価基準を周知し、徹底してもらうように促す
- 本番の環境に近い状態でロールプレイングをして練習する
本番を迎える前にロールプレイングなどをすることで、気付きが得られ、問題点の改善につなげられます。構造化面接の精度を上げるためにも、面接官へのトレーニングを実施してみてください。6.候補者に面接を実施する
ここまで来てようやく構造化面接の本番です。トレーニングしてきたことを活かして、本番に臨みましょう。
面接担当者は、質問に対する回答と評価を面接シートに記録しましょう。面接中に記録したメモは、面接後に評価を再検討する際に役立つことはもちろん、配属先を決める判断材料にもなります。
また、回答と評価の実例を文書化して残しておけば、今後の採用活動にも活かせるでしょう。質問に対する良い回答、悪い回答がどのようなものだったかを詳細に記録し、面接におけるノウハウを蓄積していくことをおすすめします。7.採用する人を評価し、決定する
候補者に投げかけた質問から得た回答をもとに、評価をしていきます。主観を入れることなく、すでに定めてある評価基準に沿った判断が重要です。
もし、評価基準に合わない回答があった場合は、プラスにもマイナスにもなりません。その回答は評価の対象外にしましょう。
面接のときに「面接シート」に回答を記入しているなら、面接官ではない人事担当者や該当部署の上司なども評価に加わることもできます。評価基準に沿った判断ができているか確認する意味でも有効です。
構造化面接を導入する流れをステップごとに解説しました。ここまで読んで「どのような質問を用意したらいいのかわからない」と不安になる方もいるのではないでしょうか。続いて、構造化面接で使える質問例を紹介します。構造化面接で使える具体的な質問例
構造化面接での質問パターンは2つに分けられます。- 過去の行動に基づく質問(STAR面接)
- 仮説に基づく質問
それぞれ見ていきましょう。過去の行動に基づく質問(STAR面接)
過去の業務において、どのように行動し、対処してきたのかを問う質問です。「◯◯したときのことを教えてください」といった質問が起点となります。
起点の質問と深掘りする質問の例を紹介しますので、参考にご覧ください。・あなたのチームが抱えていた課題は何でしたか?
・あなたの行動がチームに与えた良い影響はありますか?
・プロジェクトの目標がある中で、あなたが設定した1番の目標は何でしたか?
・なぜ、それを目標としたのですか?
・目標達成に向けて、どのような行動をしましたか?
・目標の達成度はどれくらいでしたか?また、行動して良かったことは何ですか?
・今後はどのような目標を立てて実行していきますか?上記は、目標達成力を評価する質問例です。実際は、主体性・チームワーク・ストレス耐性など、何を評価したいのかによって質問内容は異なります。自社の基準に合わせた質問を考えることが重要です。
なお、過去の行動に基づく質問は「STAR面接」という手法がベースになっています。アルファベットの頭文字を取って「STAR」です。Situation:状況質問
Task:課題質問
Action:行動質問
Result:結果質問候補者が持っている価値観や思考パターンの把握につながる方法です。候補者の内面を理解し、自社に合う人材なのか見極めるために、活用していきましょう。仮説に基づく質問(状況設定型面接)
質問内容で仮定の状況を作り、その状況が起こったときに、どう対処していくのか回答を得る方法です。仮説に基づいた質問をすることで、問題解決力や自己管理力などの評価に役立ちます。
質問の多くは「もし◯◯だったら、どうしますか?」といった聞き方になります。自社で実際に起こりうる状況を設定して、質問してみると効果的です。今後、社内において問題や課題が起こったときの対処の仕方を見極められます。
次の項目では、構造化面接を進めていくときの注意点を見てみましょう。知っておきたい構造化面接の注意点4つ
構造化面接の注意点は以下の4つです。
1.面接官によって評価を変えない
2.想定質問への評価を適切に見極める
3.誘導質問は避ける
4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
それぞれ解説していきます。1.面接官によって評価を変えない
構造化面接を実施するときの基本です。面接官の主観や好みなどを評価に反映させないために実施する面接方法ですので、決められた質問と評価基準は守らなくてはなりません。
ベテランの面接官が、従来の面接方法から抜け出せないといったときは、構造化面接の重要性を理解してもらうところから始めることをおすすめします。2.想定質問への回答を適切に見極める
候補者が面接対策をして、事前に回答を用意できる質問を「想定質問」と言います。たとえば「志望理由は何ですか?」「あなたの長所は何ですか?」など、面接で聞かれそうな質問は、あらかじめ回答を準備している可能性があります。
想定質問の場合は、候補者が本音で話しているのか見極めなくてはなりません。なかには、自分をよく見せようと取り繕った回答をして、乗り切ろうとする人もいるでしょう。
本音ではない可能性も踏まえて、その回答を深掘りしてみたり、違う視点から質問を投げかけてみたりといった工夫が必要です。3.誘導質問は避ける
誘導質問とは、企業や面接官が欲しい回答が得られるように質問を投げかけることです。▼誘導質問の例
・残業は問題ありませんか?
・地方への異動は許容できますか?
・◯◯部への配属で成果は出せそうですか? など「長時間の残業ができる」「転勤ができる」などの観点は、企業の都合で聞いている質問です。候補者の特性や内面を知る質問ではありません。どう回答すると評価が高くなるか候補者がわかってしまう質問は、候補者を公平に評価するための構造化面接の目的からは外れてしまいます。
もし、誘導質問に近いものを取り入れなくてはならない場合は「採用のミスマッチを避けるため」などの目的を持って行いましょう。4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
一度、質問内容を決めて評価基準を定めたからと言って、それをずっと使い続けるわけにはいきません。なぜなら、自社で求める人物像が変われば、それに伴って評価すべき項目や基準が変わるからです。
採用の目的が変わったときは、評価項目と基準、質問内容を再検討しましょう。
また、同じ質問を使い続けていくと、面接を受けた候補者同士で情報が共有されることも。どのような質問で面接が行われたのか事前にわかってしまうと「構造化面接をしているのに想定質問の回答ばかりになった」といったことも起こり得ます。
採用の目的が変わったときはもちろん、長らく目的が同じであった場合にも定期的な見直しを実施して構造化面接の内容を改善していくことが重要です。
それでは最後に、構造化面接を導入するときによくある疑問を見ていきましょう。「構造化面接を導入する企業に基準はある?」「まわりの企業では、構造化面接を実施していないのですが……」といった疑問を解消します。構造化面接を導入するときによくある4つの疑問
ここでは、以下4つの疑問について解説します。- どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
- 構造化面接が合わない企業は?
- 構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
- 採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
それぞれ見ていきましょう。どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
構造化面接は、ある一定の条件を満たした企業が導入すべきといった基準はありません。しかし、採用面接を実施している中で以下の傾向がある場合は、構造化面接の導入を検討したほうがよいかもしれません。・複数の面接官が採用に関わっていて、人によって評価にばらつきがある
・採用しても早いタイミングで離職してしまい、人材が定着しない
・候補者1人にかかる面接の時間が長くなっている
・面接をしても誰を採用するのか悩んでしまう
・とにかく人手が足りていないので、応募があったら採用しているこれらは、評価項目や基準が曖昧なことによって起こっています。今後、コストをかけて採用活動をしても、自社で優秀な人材が育たない可能性も考えられます。
上記の傾向にあてはまる場合は、社内での体制を整え、構造化面接導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。構造化面接が合わない企業は?
事業方針や企業理念がよく変わる企業に構造化面接は向きません。会社の方針が変わるたびに面接の設計を見直さなければならず、かえって非効率な採用活動にしてしまう可能性が高いからです。
会社の方針が変われば、求める人材像も変わります。求める人材像が変われば、それに合わせて評価項目や質問内容を調整する必要に迫られます。
事業方針が頻繁に変わる会社は時間的コストがかかりすぎるため、構造化面接以外の面接手法を検討しましょう。
また、早期退職者がいない企業は、あえて構造化面接を採用する必要はありません。構造化面接は早期退職者が多い企業にこそ、効果的にその利点を発揮します。
早期退職者がいないということは、社員の適性を的確に見極められていると考えられるため、今の採用方法のまま進めても差し支えないでしょう。構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
構造化面接を実施するには、事前に質問を作成したり、面接官への指導をしたりと導入の工数がかかります。そもそも人手が足りていない中で、構造化面接を実施するのは厳しいと感じる企業もいるでしょう。
確かに導入時の工数はかかります。しかし、面接官の主観や直感が含まれた評価を続ければ、採用ミスマッチは防ぎきれません。コストをかけて候補者を探して採用し、丁寧な教育をしても、ミスマッチを理由に離職されてしまっては損失が増えていく一方です。
一時的に工数はかかるものの、構造化面接を実施する体制が整えば、長期的な視点で見てもコストを抑えられます。これまでの面接手法より評価の効率化も期待できるので、導入の工数以上の効果は得られるのではないでしょうか。採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
採用の課題として、入社後のミスマッチを挙げている企業も少なくありません。とはいえ、課題とわかっていても「どんな対策が効果的なのかわからない」といったケースもあります。
採用ミスマッチが起こる原因と対策は以下の記事にてまとめています。採用ミスマッチの課題を抱えていながらも、具体的な対策を打てていない方は、あわせてご一読ください。
【採用ミスマッチはなぜ起こる?原因と対策を詳しく解説します】構造化面接について学べる本の紹介構造化面接について、体系的に学びたい方におすすめの2冊を紹介します。ご紹介するのは下記の2冊です。- 『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』(ラズロ・ボック著、東洋経済新報社)
- 『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 』(人事と心理編集部著、人事と心理出版)
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』

Googleの人事担当副社長を担うラズロ・ボックが、Googleの採用・育成・評価のすベてを語った本です。毎年200万人もの就職希望者がいる中で、Googleはどのようにして「最高の人材」を見極めているのか、本書を読めば、その秘訣がわかります。
ラズロ・ボックが入社した当時、Googleの社員数は6,000人。その後、6,000人から6万人に従業員を増やす過程でGoogleの人事システムの見直しを図り、人事の指揮をとってきたのが著者本人です。
構造化面接に関しては「5章 直感を信じてはいけない」で触れられています。1998年に公開された論文に基づき、構造化面接が職務能力の予測にいかに長けているかが解説されています。
構造化面接に特化した内容ではありませんが、世界最強の会社と名高いGoogleの人事制度をあらゆる観点から学べるため、人事制度を強化したい担当者におすすめの本です。
ラズロ・ボックが導き出した人事ルールは、大量の実験と検証に裏打ちされているため、優秀な人材の採用方法に関して、深い納得感を得られるでしょう。
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 (人事と心理シリーズ)

構造化面接について、より実践的な内容を知りたい方におすすめの一冊です。構造化面接の設計に際して、教科書のように紐解ける内容となっています。
この本からわかる内容は下記の通りです。- 構造化面接が非構造化面接よりもいかに優れているか
- 構造化面接の開発手順と方法
- 評価尺度の決め方
- 面接の運用方法 など
行動面接や状況面接で使える質問例や面接の評価フォームも掲載されており、そのまま自社の採用活動に活かせるでしょう。わずか64ページの解説本ですが、非常に濃い内容となっています。
『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接』(人事と心理シリーズ) Kindle版評価のばらつきを抑えるなら構造化面接が有効構造化面接の目的や効果、メリット・デメリット、具体的な質問例などを解説しました。
これまで面接官の主観が含まれた判断をすると、一貫性のない評価になってしまう点が課題でした。構造化面接では、あらかじめ決められた質問をすべての候補者に対して投げかけます。そして、評価項目と評価基準も定めた上で実施するため、ばらつきを抑えた評価が実現できるのです。
構造化面接の導入は、採用のミスマッチを抑え、面接評価の効率化が期待できるといったメリットをもたらします。しかし、構造化面接では候補者の潜在的な特性を把握しきれないといった欠点も。
構造化面接の欠点を補うには、アセスメントリクルーティングが可能な「ミイダス」の活用がおすすめです。無料登録後にすぐできる「フィッティング人材分析」を使うと、自社が求める人物像をデータに基づいて分析できるだけでなく、社風や価値観にフィットする求職者をミイダスのデータベースの中から探し出すことも可能です。
さらに、誰でも簡単に構造化面接を実施できる面接質問集(ミイダス質問集)もご提供しています。
構造化面接で把握しきれなかった、採用候補者が潜在的に持つ能力や特性も踏まえて採用ができるため、入社後に起こりうるミスマッチを抑える効果が期待できます。構造化面接のサポートとして「フィッティング人材分析」も、ぜひご活用ください。
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1.一定の基準で候補者の評価ができる
2.採用のミスマッチを抑えられる
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候補者に投げかける質問は熟慮を重ねて厳選されたものばかりです。時間を短縮しつつも幅広いエピソードが聞ける、充実度の高い面接にできるでしょう。
続いて構造化面接のデメリットについても見ていきましょう。

1.質問への回答が偏りがちになる
2.質問の設計が難しく労力がかかる
3.面接の雰囲気が固くなってしまう
4.候補者が潜在的に持つ能力や特性まで完全に見極めるのは難しい
一つずつ解説していきます。
1.質問への回答が偏る可能性がある
どの候補者にも同じ質問を投げかけるため、回答もありきたりで似たような回答ばかりになる可能性もあります。
また候補者の中には、質問される内容を予測して返答する言葉を事前に練習してくる人や、自分のことをよく見せようと本音を隠して回答する人もいます。
候補者の内面を深く知れるような質問を用意し、また本質とは異なる回答をしていないか見極めが大切です。
2.質問の設計が難しく労力がかかる
候補者の適性を見極める質問の設計は、採用基準や評価基準を決めるところから始まります。決める内容は多岐にわたるうえ、配属先の社員や人事部、上層部の社員と、採用する人材要件について意識をすり合わせる一手間も必要です。
また、苦労して質問を作成しても、同じ質問を毎年使い回せるわけではありません。なぜなら、候補者同士で情報共有が行われる可能性があるからです。面接内容の情報が共有されるのを防ぐには、定期的に質問内容をアップデートする必要があります。
事前に質問内容を知り、回答を用意する候補者が現れると、構造化面接でも本来の資質を見極めることはできません。特に大勢の候補者を相手に採用活動を行う場合には、SNSやQ&Aサイトから情報漏洩をさせないよう、候補者に注意喚起することも重要です。
3.面接の雰囲気が固くなってしまう
固い雰囲気の面接は、候補者の内面まで引き出せない可能性があります。固くなりすぎない雰囲気作りをして、リラックスした状態で面接を実施していきましょう。
4.候補者が潜在的に持つ能力や特性まで完全に見極めるのは難しい
構造化面接は、候補者の能力や特性を客観的に見極めるための方法の一つです。完全に候補者の内面を把握しきれないと知った上で、ほかの手法も取り入れることが鍵となります。
- 面接を複数回に分けて、別の面接手法でもアプローチしてみる
- 業務の適性やストレス耐性を測るアセスメントツールを活用する
- 前職での勤務態度や性格などを確認するリファレンスチェックを実施する
- グループワークを取り入れる など
ここまで、構造化面接のメリットとデメリットを解説しました。構造化面接の実施で大きなメリットを得られますが、デメリットがあることも知った上で導入していきましょう。
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【計7ステップ】構造化面接を導入する流れ構造化面接を導入する流れは、7つのステップに分けられます。1.どのような人材を採用したいのか基準を決定する
2.評価項目と評価基準を検討・決定する
3.面接での質問を決定する
4.作成した質問をテストする
5.面接官のトレーニングで面接本番の対策をする
6.候補者に面接を実施する
7.採用する人を評価し、決定するそれぞれ見ていきましょう。1.どのような人材を採用したいのか基準を決定する
面接の質問や評価基準を決める前に、自社が必要とする人材を定義します。
たとえば、リーダーシップやマネジメントのスキルがある人、高い専門知識を持った人など、求める人物像を具体的に決めていきます。
求人募集をする職種が複数ある場合は、業務によって求めることも異なりますので、それぞれ採用基準を決めておきましょう。
採用基準はコンピテンシーを参考に決めることをおすすめします。コンピテンシーとは、自社で活躍する人材に共通する行動特性や思考特性のことです。
自社で活躍する人材に近い候補者を採用すれば、採用ミスマッチを防ぐ効果を期待できます。
具体的な方法としては、優秀な社員数名にアセスメントツールによる診断を受けてもらい、その結果からそれぞれに共通する行動特性を分析。洗い出した行動特性をもとに採用基準を設定していきます。
面接では採用基準と照らし合わせながら、候補者が将来的に活躍する可能性を探っていきましょう。
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【フィッティング人材分析機能を無料で試したい方はコチラ】2.評価項目と評価基準を検討・決定する
次に評価の項目を定めた上で、評価基準を設定していきます。
評価項目では、候補者の何を評価するのかを決めましょう。たとえば、- コミュニケーション力
- 思考力
- 業務推進力
- 主体性
- 協調性
などが挙げられます。評価項目はこれだけではありませんので、自社で求める人物像に合わせて設定してみてください。
一方の評価基準は、どの尺度で評価するのか明確にしたものです。
仮に「コミュニケーション力」の高さを判断したい場合、評価する尺度を「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」などの段階に分けて具体的に決定していきます。評価基準は最低でも3つ(良い・普通・悪い)、多くても7つ程度のレベル分けが最適です。
何をどのように評価していくのかを明確にし、基準に取り入れていきましょう。3.面接での質問を決定する
評価に必要な回答を得るための質問を、検討・決定します。評価項目や評価基準に基づいた質問内容の設計が重要です。
まずは、起点となる質問を決めましょう。ここでの起点となる質問とは、「あなたがこれまで一番難しいと感じた仕事は何ですか?」のような、話の糸口になる質問です。
しかし、起点の質問ばかりでは、候補者が質問攻めにあっているような感覚になるかもしれません。そのため、起点の質問のあとには、得られた回答をさらに掘り下げる質問もいくつか用意します。
質問をしながら候補者のことを深掘りしていくと、表面的には見えていない価値観や行動パターンなどがわかる可能性があります。どんどん深掘りして、候補者の回答を引き出すことが大切です。
具体的な質問例は後述していますので、あわせてご覧ください。4.作成した質問をテストする
質問内容がある程度決まったら社員に協力してもらい、シミュレーションをするのもおすすめです。決めた質問によって、構造化面接が成り立つか確認するテストにもなります。
このとき、評価方法や評価基準が書かれた「評価基準表」や質問への回答をメモできる「面接シート」を作成しておくのも有効です。評価項目や基準が多くなればなるほど、内容を忘れてしまったり、面接時に抜け漏れが起こってしまったりする可能性もあります。
評価基準表や面接シートを活用しながらシミュレーションを実施し、改善点が出てきた場合は、この段階で質問内容を再検討しましょう。5.面接官のトレーニングで面接本番の対策をする
構造化面接を実施するにあたり、面接官には十分なトレーニングが必要です。評価項目や基準を定めていても、いきなり面接の場で実践できない恐れがあります。
たとえば、質問が棒読みになったり、リラックスした雰囲気を作れなかったりといったことが起こるかもしれません。
スムーズな構造化面接を実施するには、以下の取り組みが有効です。- 構造化面接を実施することへの理解を深める
- 面接官に質問内容や評価基準を周知し、徹底してもらうように促す
- 本番の環境に近い状態でロールプレイングをして練習する
本番を迎える前にロールプレイングなどをすることで、気付きが得られ、問題点の改善につなげられます。構造化面接の精度を上げるためにも、面接官へのトレーニングを実施してみてください。6.候補者に面接を実施する
ここまで来てようやく構造化面接の本番です。トレーニングしてきたことを活かして、本番に臨みましょう。
面接担当者は、質問に対する回答と評価を面接シートに記録しましょう。面接中に記録したメモは、面接後に評価を再検討する際に役立つことはもちろん、配属先を決める判断材料にもなります。
また、回答と評価の実例を文書化して残しておけば、今後の採用活動にも活かせるでしょう。質問に対する良い回答、悪い回答がどのようなものだったかを詳細に記録し、面接におけるノウハウを蓄積していくことをおすすめします。7.採用する人を評価し、決定する
候補者に投げかけた質問から得た回答をもとに、評価をしていきます。主観を入れることなく、すでに定めてある評価基準に沿った判断が重要です。
もし、評価基準に合わない回答があった場合は、プラスにもマイナスにもなりません。その回答は評価の対象外にしましょう。
面接のときに「面接シート」に回答を記入しているなら、面接官ではない人事担当者や該当部署の上司なども評価に加わることもできます。評価基準に沿った判断ができているか確認する意味でも有効です。
構造化面接を導入する流れをステップごとに解説しました。ここまで読んで「どのような質問を用意したらいいのかわからない」と不安になる方もいるのではないでしょうか。続いて、構造化面接で使える質問例を紹介します。構造化面接で使える具体的な質問例
構造化面接での質問パターンは2つに分けられます。- 過去の行動に基づく質問(STAR面接)
- 仮説に基づく質問
それぞれ見ていきましょう。過去の行動に基づく質問(STAR面接)
過去の業務において、どのように行動し、対処してきたのかを問う質問です。「◯◯したときのことを教えてください」といった質問が起点となります。
起点の質問と深掘りする質問の例を紹介しますので、参考にご覧ください。・あなたのチームが抱えていた課題は何でしたか?
・あなたの行動がチームに与えた良い影響はありますか?
・プロジェクトの目標がある中で、あなたが設定した1番の目標は何でしたか?
・なぜ、それを目標としたのですか?
・目標達成に向けて、どのような行動をしましたか?
・目標の達成度はどれくらいでしたか?また、行動して良かったことは何ですか?
・今後はどのような目標を立てて実行していきますか?上記は、目標達成力を評価する質問例です。実際は、主体性・チームワーク・ストレス耐性など、何を評価したいのかによって質問内容は異なります。自社の基準に合わせた質問を考えることが重要です。
なお、過去の行動に基づく質問は「STAR面接」という手法がベースになっています。アルファベットの頭文字を取って「STAR」です。Situation:状況質問
Task:課題質問
Action:行動質問
Result:結果質問候補者が持っている価値観や思考パターンの把握につながる方法です。候補者の内面を理解し、自社に合う人材なのか見極めるために、活用していきましょう。仮説に基づく質問(状況設定型面接)
質問内容で仮定の状況を作り、その状況が起こったときに、どう対処していくのか回答を得る方法です。仮説に基づいた質問をすることで、問題解決力や自己管理力などの評価に役立ちます。
質問の多くは「もし◯◯だったら、どうしますか?」といった聞き方になります。自社で実際に起こりうる状況を設定して、質問してみると効果的です。今後、社内において問題や課題が起こったときの対処の仕方を見極められます。
次の項目では、構造化面接を進めていくときの注意点を見てみましょう。知っておきたい構造化面接の注意点4つ
構造化面接の注意点は以下の4つです。
1.面接官によって評価を変えない
2.想定質問への評価を適切に見極める
3.誘導質問は避ける
4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
それぞれ解説していきます。1.面接官によって評価を変えない
構造化面接を実施するときの基本です。面接官の主観や好みなどを評価に反映させないために実施する面接方法ですので、決められた質問と評価基準は守らなくてはなりません。
ベテランの面接官が、従来の面接方法から抜け出せないといったときは、構造化面接の重要性を理解してもらうところから始めることをおすすめします。2.想定質問への回答を適切に見極める
候補者が面接対策をして、事前に回答を用意できる質問を「想定質問」と言います。たとえば「志望理由は何ですか?」「あなたの長所は何ですか?」など、面接で聞かれそうな質問は、あらかじめ回答を準備している可能性があります。
想定質問の場合は、候補者が本音で話しているのか見極めなくてはなりません。なかには、自分をよく見せようと取り繕った回答をして、乗り切ろうとする人もいるでしょう。
本音ではない可能性も踏まえて、その回答を深掘りしてみたり、違う視点から質問を投げかけてみたりといった工夫が必要です。3.誘導質問は避ける
誘導質問とは、企業や面接官が欲しい回答が得られるように質問を投げかけることです。▼誘導質問の例
・残業は問題ありませんか?
・地方への異動は許容できますか?
・◯◯部への配属で成果は出せそうですか? など「長時間の残業ができる」「転勤ができる」などの観点は、企業の都合で聞いている質問です。候補者の特性や内面を知る質問ではありません。どう回答すると評価が高くなるか候補者がわかってしまう質問は、候補者を公平に評価するための構造化面接の目的からは外れてしまいます。
もし、誘導質問に近いものを取り入れなくてはならない場合は「採用のミスマッチを避けるため」などの目的を持って行いましょう。4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
一度、質問内容を決めて評価基準を定めたからと言って、それをずっと使い続けるわけにはいきません。なぜなら、自社で求める人物像が変われば、それに伴って評価すべき項目や基準が変わるからです。
採用の目的が変わったときは、評価項目と基準、質問内容を再検討しましょう。
また、同じ質問を使い続けていくと、面接を受けた候補者同士で情報が共有されることも。どのような質問で面接が行われたのか事前にわかってしまうと「構造化面接をしているのに想定質問の回答ばかりになった」といったことも起こり得ます。
採用の目的が変わったときはもちろん、長らく目的が同じであった場合にも定期的な見直しを実施して構造化面接の内容を改善していくことが重要です。
それでは最後に、構造化面接を導入するときによくある疑問を見ていきましょう。「構造化面接を導入する企業に基準はある?」「まわりの企業では、構造化面接を実施していないのですが……」といった疑問を解消します。構造化面接を導入するときによくある4つの疑問
ここでは、以下4つの疑問について解説します。- どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
- 構造化面接が合わない企業は?
- 構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
- 採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
それぞれ見ていきましょう。どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
構造化面接は、ある一定の条件を満たした企業が導入すべきといった基準はありません。しかし、採用面接を実施している中で以下の傾向がある場合は、構造化面接の導入を検討したほうがよいかもしれません。・複数の面接官が採用に関わっていて、人によって評価にばらつきがある
・採用しても早いタイミングで離職してしまい、人材が定着しない
・候補者1人にかかる面接の時間が長くなっている
・面接をしても誰を採用するのか悩んでしまう
・とにかく人手が足りていないので、応募があったら採用しているこれらは、評価項目や基準が曖昧なことによって起こっています。今後、コストをかけて採用活動をしても、自社で優秀な人材が育たない可能性も考えられます。
上記の傾向にあてはまる場合は、社内での体制を整え、構造化面接導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。構造化面接が合わない企業は?
事業方針や企業理念がよく変わる企業に構造化面接は向きません。会社の方針が変わるたびに面接の設計を見直さなければならず、かえって非効率な採用活動にしてしまう可能性が高いからです。
会社の方針が変われば、求める人材像も変わります。求める人材像が変われば、それに合わせて評価項目や質問内容を調整する必要に迫られます。
事業方針が頻繁に変わる会社は時間的コストがかかりすぎるため、構造化面接以外の面接手法を検討しましょう。
また、早期退職者がいない企業は、あえて構造化面接を採用する必要はありません。構造化面接は早期退職者が多い企業にこそ、効果的にその利点を発揮します。
早期退職者がいないということは、社員の適性を的確に見極められていると考えられるため、今の採用方法のまま進めても差し支えないでしょう。構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
構造化面接を実施するには、事前に質問を作成したり、面接官への指導をしたりと導入の工数がかかります。そもそも人手が足りていない中で、構造化面接を実施するのは厳しいと感じる企業もいるでしょう。
確かに導入時の工数はかかります。しかし、面接官の主観や直感が含まれた評価を続ければ、採用ミスマッチは防ぎきれません。コストをかけて候補者を探して採用し、丁寧な教育をしても、ミスマッチを理由に離職されてしまっては損失が増えていく一方です。
一時的に工数はかかるものの、構造化面接を実施する体制が整えば、長期的な視点で見てもコストを抑えられます。これまでの面接手法より評価の効率化も期待できるので、導入の工数以上の効果は得られるのではないでしょうか。採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
採用の課題として、入社後のミスマッチを挙げている企業も少なくありません。とはいえ、課題とわかっていても「どんな対策が効果的なのかわからない」といったケースもあります。
採用ミスマッチが起こる原因と対策は以下の記事にてまとめています。採用ミスマッチの課題を抱えていながらも、具体的な対策を打てていない方は、あわせてご一読ください。
【採用ミスマッチはなぜ起こる?原因と対策を詳しく解説します】構造化面接について学べる本の紹介構造化面接について、体系的に学びたい方におすすめの2冊を紹介します。ご紹介するのは下記の2冊です。- 『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』(ラズロ・ボック著、東洋経済新報社)
- 『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 』(人事と心理編集部著、人事と心理出版)
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』

Googleの人事担当副社長を担うラズロ・ボックが、Googleの採用・育成・評価のすベてを語った本です。毎年200万人もの就職希望者がいる中で、Googleはどのようにして「最高の人材」を見極めているのか、本書を読めば、その秘訣がわかります。
ラズロ・ボックが入社した当時、Googleの社員数は6,000人。その後、6,000人から6万人に従業員を増やす過程でGoogleの人事システムの見直しを図り、人事の指揮をとってきたのが著者本人です。
構造化面接に関しては「5章 直感を信じてはいけない」で触れられています。1998年に公開された論文に基づき、構造化面接が職務能力の予測にいかに長けているかが解説されています。
構造化面接に特化した内容ではありませんが、世界最強の会社と名高いGoogleの人事制度をあらゆる観点から学べるため、人事制度を強化したい担当者におすすめの本です。
ラズロ・ボックが導き出した人事ルールは、大量の実験と検証に裏打ちされているため、優秀な人材の採用方法に関して、深い納得感を得られるでしょう。
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 (人事と心理シリーズ)

構造化面接について、より実践的な内容を知りたい方におすすめの一冊です。構造化面接の設計に際して、教科書のように紐解ける内容となっています。
この本からわかる内容は下記の通りです。- 構造化面接が非構造化面接よりもいかに優れているか
- 構造化面接の開発手順と方法
- 評価尺度の決め方
- 面接の運用方法 など
行動面接や状況面接で使える質問例や面接の評価フォームも掲載されており、そのまま自社の採用活動に活かせるでしょう。わずか64ページの解説本ですが、非常に濃い内容となっています。
『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接』(人事と心理シリーズ) Kindle版評価のばらつきを抑えるなら構造化面接が有効構造化面接の目的や効果、メリット・デメリット、具体的な質問例などを解説しました。
これまで面接官の主観が含まれた判断をすると、一貫性のない評価になってしまう点が課題でした。構造化面接では、あらかじめ決められた質問をすべての候補者に対して投げかけます。そして、評価項目と評価基準も定めた上で実施するため、ばらつきを抑えた評価が実現できるのです。
構造化面接の導入は、採用のミスマッチを抑え、面接評価の効率化が期待できるといったメリットをもたらします。しかし、構造化面接では候補者の潜在的な特性を把握しきれないといった欠点も。
構造化面接の欠点を補うには、アセスメントリクルーティングが可能な「ミイダス」の活用がおすすめです。無料登録後にすぐできる「フィッティング人材分析」を使うと、自社が求める人物像をデータに基づいて分析できるだけでなく、社風や価値観にフィットする求職者をミイダスのデータベースの中から探し出すことも可能です。
さらに、誰でも簡単に構造化面接を実施できる面接質問集(ミイダス質問集)もご提供しています。
構造化面接で把握しきれなかった、採用候補者が潜在的に持つ能力や特性も踏まえて採用ができるため、入社後に起こりうるミスマッチを抑える効果が期待できます。構造化面接のサポートとして「フィッティング人材分析」も、ぜひご活用ください。
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採用基準はコンピテンシーを参考に決めることをおすすめします。コンピテンシーとは、自社で活躍する人材に共通する行動特性や思考特性のことです。
自社で活躍する人材に近い候補者を採用すれば、採用ミスマッチを防ぐ効果を期待できます。
具体的な方法としては、優秀な社員数名にアセスメントツールによる診断を受けてもらい、その結果からそれぞれに共通する行動特性を分析。洗い出した行動特性をもとに採用基準を設定していきます。
面接では採用基準と照らし合わせながら、候補者が将来的に活躍する可能性を探っていきましょう。
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評価項目では、候補者の何を評価するのかを決めましょう。たとえば、
一方の評価基準は、どの尺度で評価するのか明確にしたものです。
仮に「コミュニケーション力」の高さを判断したい場合、評価する尺度を「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」などの段階に分けて具体的に決定していきます。評価基準は最低でも3つ(良い・普通・悪い)、多くても7つ程度のレベル分けが最適です。
何をどのように評価していくのかを明確にし、基準に取り入れていきましょう。
まずは、起点となる質問を決めましょう。ここでの起点となる質問とは、「あなたがこれまで一番難しいと感じた仕事は何ですか?」のような、話の糸口になる質問です。
しかし、起点の質問ばかりでは、候補者が質問攻めにあっているような感覚になるかもしれません。そのため、起点の質問のあとには、得られた回答をさらに掘り下げる質問もいくつか用意します。
質問をしながら候補者のことを深掘りしていくと、表面的には見えていない価値観や行動パターンなどがわかる可能性があります。どんどん深掘りして、候補者の回答を引き出すことが大切です。
具体的な質問例は後述していますので、あわせてご覧ください。
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評価基準表や面接シートを活用しながらシミュレーションを実施し、改善点が出てきた場合は、この段階で質問内容を再検討しましょう。
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面接担当者は、質問に対する回答と評価を面接シートに記録しましょう。面接中に記録したメモは、面接後に評価を再検討する際に役立つことはもちろん、配属先を決める判断材料にもなります。
また、回答と評価の実例を文書化して残しておけば、今後の採用活動にも活かせるでしょう。質問に対する良い回答、悪い回答がどのようなものだったかを詳細に記録し、面接におけるノウハウを蓄積していくことをおすすめします。
もし、評価基準に合わない回答があった場合は、プラスにもマイナスにもなりません。その回答は評価の対象外にしましょう。
面接のときに「面接シート」に回答を記入しているなら、面接官ではない人事担当者や該当部署の上司なども評価に加わることもできます。評価基準に沿った判断ができているか確認する意味でも有効です。
構造化面接を導入する流れをステップごとに解説しました。ここまで読んで「どのような質問を用意したらいいのかわからない」と不安になる方もいるのではないでしょうか。続いて、構造化面接で使える質問例を紹介します。

- 過去の行動に基づく質問(STAR面接)
- 仮説に基づく質問
過去の行動に基づく質問(STAR面接)
起点の質問と深掘りする質問の例を紹介しますので、参考にご覧ください。
・あなたの行動がチームに与えた良い影響はありますか?
・プロジェクトの目標がある中で、あなたが設定した1番の目標は何でしたか?
・なぜ、それを目標としたのですか?
・目標達成に向けて、どのような行動をしましたか?
・目標の達成度はどれくらいでしたか?また、行動して良かったことは何ですか?
・今後はどのような目標を立てて実行していきますか?
なお、過去の行動に基づく質問は「STAR面接」という手法がベースになっています。アルファベットの頭文字を取って「STAR」です。
Task:課題質問
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質問の多くは「もし◯◯だったら、どうしますか?」といった聞き方になります。
次の項目では、構造化面接を進めていくときの注意点を見てみましょう。
知っておきたい構造化面接の注意点4つ
構造化面接の注意点は以下の4つです。
1.面接官によって評価を変えない
2.想定質問への評価を適切に見極める
3.誘導質問は避ける
4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
それぞれ解説していきます。1.面接官によって評価を変えない
構造化面接を実施するときの基本です。面接官の主観や好みなどを評価に反映させないために実施する面接方法ですので、決められた質問と評価基準は守らなくてはなりません。
ベテランの面接官が、従来の面接方法から抜け出せないといったときは、構造化面接の重要性を理解してもらうところから始めることをおすすめします。2.想定質問への回答を適切に見極める
候補者が面接対策をして、事前に回答を用意できる質問を「想定質問」と言います。たとえば「志望理由は何ですか?」「あなたの長所は何ですか?」など、面接で聞かれそうな質問は、あらかじめ回答を準備している可能性があります。
想定質問の場合は、候補者が本音で話しているのか見極めなくてはなりません。なかには、自分をよく見せようと取り繕った回答をして、乗り切ろうとする人もいるでしょう。
本音ではない可能性も踏まえて、その回答を深掘りしてみたり、違う視点から質問を投げかけてみたりといった工夫が必要です。3.誘導質問は避ける
誘導質問とは、企業や面接官が欲しい回答が得られるように質問を投げかけることです。▼誘導質問の例
・残業は問題ありませんか?
・地方への異動は許容できますか?
・◯◯部への配属で成果は出せそうですか? など「長時間の残業ができる」「転勤ができる」などの観点は、企業の都合で聞いている質問です。候補者の特性や内面を知る質問ではありません。どう回答すると評価が高くなるか候補者がわかってしまう質問は、候補者を公平に評価するための構造化面接の目的からは外れてしまいます。
もし、誘導質問に近いものを取り入れなくてはならない場合は「採用のミスマッチを避けるため」などの目的を持って行いましょう。4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
一度、質問内容を決めて評価基準を定めたからと言って、それをずっと使い続けるわけにはいきません。なぜなら、自社で求める人物像が変われば、それに伴って評価すべき項目や基準が変わるからです。
採用の目的が変わったときは、評価項目と基準、質問内容を再検討しましょう。
また、同じ質問を使い続けていくと、面接を受けた候補者同士で情報が共有されることも。どのような質問で面接が行われたのか事前にわかってしまうと「構造化面接をしているのに想定質問の回答ばかりになった」といったことも起こり得ます。
採用の目的が変わったときはもちろん、長らく目的が同じであった場合にも定期的な見直しを実施して構造化面接の内容を改善していくことが重要です。
それでは最後に、構造化面接を導入するときによくある疑問を見ていきましょう。「構造化面接を導入する企業に基準はある?」「まわりの企業では、構造化面接を実施していないのですが……」といった疑問を解消します。構造化面接を導入するときによくある4つの疑問
ここでは、以下4つの疑問について解説します。- どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
- 構造化面接が合わない企業は?
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それぞれ見ていきましょう。どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
構造化面接は、ある一定の条件を満たした企業が導入すべきといった基準はありません。しかし、採用面接を実施している中で以下の傾向がある場合は、構造化面接の導入を検討したほうがよいかもしれません。・複数の面接官が採用に関わっていて、人によって評価にばらつきがある
・採用しても早いタイミングで離職してしまい、人材が定着しない
・候補者1人にかかる面接の時間が長くなっている
・面接をしても誰を採用するのか悩んでしまう
・とにかく人手が足りていないので、応募があったら採用しているこれらは、評価項目や基準が曖昧なことによって起こっています。今後、コストをかけて採用活動をしても、自社で優秀な人材が育たない可能性も考えられます。
上記の傾向にあてはまる場合は、社内での体制を整え、構造化面接導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。構造化面接が合わない企業は?
事業方針や企業理念がよく変わる企業に構造化面接は向きません。会社の方針が変わるたびに面接の設計を見直さなければならず、かえって非効率な採用活動にしてしまう可能性が高いからです。
会社の方針が変われば、求める人材像も変わります。求める人材像が変われば、それに合わせて評価項目や質問内容を調整する必要に迫られます。
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また、早期退職者がいない企業は、あえて構造化面接を採用する必要はありません。構造化面接は早期退職者が多い企業にこそ、効果的にその利点を発揮します。
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確かに導入時の工数はかかります。しかし、面接官の主観や直感が含まれた評価を続ければ、採用ミスマッチは防ぎきれません。コストをかけて候補者を探して採用し、丁寧な教育をしても、ミスマッチを理由に離職されてしまっては損失が増えていく一方です。
一時的に工数はかかるものの、構造化面接を実施する体制が整えば、長期的な視点で見てもコストを抑えられます。これまでの面接手法より評価の効率化も期待できるので、導入の工数以上の効果は得られるのではないでしょうか。採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
採用の課題として、入社後のミスマッチを挙げている企業も少なくありません。とはいえ、課題とわかっていても「どんな対策が効果的なのかわからない」といったケースもあります。
採用ミスマッチが起こる原因と対策は以下の記事にてまとめています。採用ミスマッチの課題を抱えていながらも、具体的な対策を打てていない方は、あわせてご一読ください。
【採用ミスマッチはなぜ起こる?原因と対策を詳しく解説します】構造化面接について学べる本の紹介構造化面接について、体系的に学びたい方におすすめの2冊を紹介します。ご紹介するのは下記の2冊です。- 『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』(ラズロ・ボック著、東洋経済新報社)
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『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』

Googleの人事担当副社長を担うラズロ・ボックが、Googleの採用・育成・評価のすベてを語った本です。毎年200万人もの就職希望者がいる中で、Googleはどのようにして「最高の人材」を見極めているのか、本書を読めば、その秘訣がわかります。
ラズロ・ボックが入社した当時、Googleの社員数は6,000人。その後、6,000人から6万人に従業員を増やす過程でGoogleの人事システムの見直しを図り、人事の指揮をとってきたのが著者本人です。
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ラズロ・ボックが導き出した人事ルールは、大量の実験と検証に裏打ちされているため、優秀な人材の採用方法に関して、深い納得感を得られるでしょう。
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 (人事と心理シリーズ)

構造化面接について、より実践的な内容を知りたい方におすすめの一冊です。構造化面接の設計に際して、教科書のように紐解ける内容となっています。
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1.面接官によって評価を変えない
2.想定質問への評価を適切に見極める
3.誘導質問は避ける
4.採用の目的が変わったときは質問内容を変更する
それぞれ解説していきます。
ベテランの面接官が、従来の面接方法から抜け出せないといったときは、構造化面接の重要性を理解してもらうところから始めることをおすすめします。
想定質問の場合は、候補者が本音で話しているのか見極めなくてはなりません。なかには、自分をよく見せようと取り繕った回答をして、乗り切ろうとする人もいるでしょう。
本音ではない可能性も踏まえて、その回答を深掘りしてみたり、違う視点から質問を投げかけてみたりといった工夫が必要です。
・残業は問題ありませんか?
・地方への異動は許容できますか?
・◯◯部への配属で成果は出せそうですか? など
もし、誘導質問に近いものを取り入れなくてはならない場合は「採用のミスマッチを避けるため」などの目的を持って行いましょう。
採用の目的が変わったときは、評価項目と基準、質問内容を再検討しましょう。
また、同じ質問を使い続けていくと、面接を受けた候補者同士で情報が共有されることも。どのような質問で面接が行われたのか事前にわかってしまうと「構造化面接をしているのに想定質問の回答ばかりになった」といったことも起こり得ます。
採用の目的が変わったときはもちろん、長らく目的が同じであった場合にも定期的な見直しを実施して構造化面接の内容を改善していくことが重要です。
それでは最後に、構造化面接を導入するときによくある疑問を見ていきましょう。「構造化面接を導入する企業に基準はある?」「まわりの企業では、構造化面接を実施していないのですが……」といった疑問を解消します。

- どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
- 構造化面接が合わない企業は?
- 構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
- 採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
どのような企業が導入すべき?導入基準はある?
・採用しても早いタイミングで離職してしまい、人材が定着しない
・候補者1人にかかる面接の時間が長くなっている
・面接をしても誰を採用するのか悩んでしまう
・とにかく人手が足りていないので、応募があったら採用している
上記の傾向にあてはまる場合は、社内での体制を整え、構造化面接導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。
構造化面接が合わない企業は?
会社の方針が変われば、求める人材像も変わります。求める人材像が変われば、それに合わせて評価項目や質問内容を調整する必要に迫られます。
事業方針が頻繁に変わる会社は時間的コストがかかりすぎるため、構造化面接以外の面接手法を検討しましょう。
また、早期退職者がいない企業は、あえて構造化面接を採用する必要はありません。構造化面接は早期退職者が多い企業にこそ、効果的にその利点を発揮します。
早期退職者がいないということは、社員の適性を的確に見極められていると考えられるため、今の採用方法のまま進めても差し支えないでしょう。
構造化面接を導入する企業が少ないのはなぜ?
確かに導入時の工数はかかります。しかし、面接官の主観や直感が含まれた評価を続ければ、採用ミスマッチは防ぎきれません。コストをかけて候補者を探して採用し、丁寧な教育をしても、ミスマッチを理由に離職されてしまっては損失が増えていく一方です。
一時的に工数はかかるものの、構造化面接を実施する体制が整えば、長期的な視点で見てもコストを抑えられます。これまでの面接手法より評価の効率化も期待できるので、導入の工数以上の効果は得られるのではないでしょうか。
採用時のミスマッチを防ぐ対策は?
採用ミスマッチが起こる原因と対策は以下の記事にてまとめています。採用ミスマッチの課題を抱えていながらも、具体的な対策を打てていない方は、あわせてご一読ください。
【採用ミスマッチはなぜ起こる?原因と対策を詳しく解説します】
構造化面接について学べる本の紹介構造化面接について、体系的に学びたい方におすすめの2冊を紹介します。ご紹介するのは下記の2冊です。- 『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』(ラズロ・ボック著、東洋経済新報社)
- 『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 』(人事と心理編集部著、人事と心理出版)
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』

Googleの人事担当副社長を担うラズロ・ボックが、Googleの採用・育成・評価のすベてを語った本です。毎年200万人もの就職希望者がいる中で、Googleはどのようにして「最高の人材」を見極めているのか、本書を読めば、その秘訣がわかります。
ラズロ・ボックが入社した当時、Googleの社員数は6,000人。その後、6,000人から6万人に従業員を増やす過程でGoogleの人事システムの見直しを図り、人事の指揮をとってきたのが著者本人です。
構造化面接に関しては「5章 直感を信じてはいけない」で触れられています。1998年に公開された論文に基づき、構造化面接が職務能力の予測にいかに長けているかが解説されています。
構造化面接に特化した内容ではありませんが、世界最強の会社と名高いGoogleの人事制度をあらゆる観点から学べるため、人事制度を強化したい担当者におすすめの本です。
ラズロ・ボックが導き出した人事ルールは、大量の実験と検証に裏打ちされているため、優秀な人材の採用方法に関して、深い納得感を得られるでしょう。
『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接 (人事と心理シリーズ)

構造化面接について、より実践的な内容を知りたい方におすすめの一冊です。構造化面接の設計に際して、教科書のように紐解ける内容となっています。
この本からわかる内容は下記の通りです。- 構造化面接が非構造化面接よりもいかに優れているか
- 構造化面接の開発手順と方法
- 評価尺度の決め方
- 面接の運用方法 など
行動面接や状況面接で使える質問例や面接の評価フォームも掲載されており、そのまま自社の採用活動に活かせるでしょう。わずか64ページの解説本ですが、非常に濃い内容となっています。
『構造化された面接: 採用の不一致をなくすアメリカ式の新しい採用面接』(人事と心理シリーズ) Kindle版評価のばらつきを抑えるなら構造化面接が有効構造化面接の目的や効果、メリット・デメリット、具体的な質問例などを解説しました。
これまで面接官の主観が含まれた判断をすると、一貫性のない評価になってしまう点が課題でした。構造化面接では、あらかじめ決められた質問をすべての候補者に対して投げかけます。そして、評価項目と評価基準も定めた上で実施するため、ばらつきを抑えた評価が実現できるのです。
構造化面接の導入は、採用のミスマッチを抑え、面接評価の効率化が期待できるといったメリットをもたらします。しかし、構造化面接では候補者の潜在的な特性を把握しきれないといった欠点も。
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