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採用

初めての面接官!やり方や注意点、質問例を徹底解説

人事担当者や管理職になって初めて経験するのが「採用面接」です。いざ採用面接官になったものの「どうすればいいのか分からない」と戸惑う方も少なくないでしょう。

しかし、採用面接は応募者と顔を合わせる貴重な機会です。何の心構えもなく面接に挑むのは注意が必要です。面接は応募者にとって大切な場面であると同時に、会社のことを知ってもらうチャンスでもあります。

そこで今回は、採用面接のやり方や流れ、面接官としての注意点などを解説します。

「面接官としての不安を解消したい」「事前準備を万全にして本番に臨みたい」とお考えの方は、ぜひご一読ください。

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無料ダウンロード可:人事必見!採用面接の質問内容とは

なお人材育成も担当している方は、以下の記事も参考になるでしょう。人材育成の始め方やポイントを詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。

【関連記事:【面接官必見】採用面接の質問内容とは?人材を見抜く質問集80選

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面接官の役割とは

そもそも採用面接とは、応募者が入社後に活躍してくれそうかを確かめる場です。新卒採用、中途採用のいずれにおいても、ほとんどの企業で採用面接を行っています。

採用面接において、面接官の主な役割は以下の2点です。

1.応募者を見極めて、採用ミスマッチを防止する

面接官の大きな役割は、応募者を見極め、採用ミスマッチを防止することです。

書類選考の時点で、すでに応募者の職務履歴や保有資格などは把握できているでしょう。しかし、実際に会って初めて見えるパーソナリティや能力は数多くあります。

応募者のパーソナリティは、立ち振る舞いや表情、話し方など、非言語コミュニケーションに表れるもの。面接官は応募者の本質を見極め、自社に合っているかを判断する役割があるのです。

また、応募者の本質を正しく見極めることで、採用ミスマッチを防止します。採用ミスマッチとは、待遇や業務内容などについて応募者と企業側の認識にギャップがある状態のことです。採用ミスマッチが起こると早期退職や生産性の低下につながります。これまでかけてきた採用コストや教育コストを無駄にしてしまい、既存社員の負担が増加する可能性もあります。

採用ミスマッチの防止には、面接の時点で自社に合わない人材を採用しないことが最も重要です。採用ミスマッチについての詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事:採用ミスマッチはなぜ起こる?原因と対策を詳しく解説します

2.自社の魅力を伝える

面接官は、自社の魅力を応募者に伝える役割も持っています。

採用面接は、面接官が応募者を評価するだけでなく、応募者が自社のことを見極める場でもあります。面接官は自社の代表として見られ、面接官に対するイメージが自社のイメージに直結するのです。

応募者が就職前に企業の内情を知れる機会は多くありません。そのため、面接という短い時間で自社のイメージが大きく左右されます。面接官は、自社の代表として見られていることを自覚する必要があるでしょう。

ほとんどの応募者は複数の企業へ同時に応募しています。他社と比較して自社を魅力的に思ってもらえない限り、内定を出しても辞退される可能性があるのです。入社の意思を強めるためにも、面接官は自社をPRする必要があります。

採用面接までにすべき事前準備

採用面接をする面接官たち
これから採用面接するにあたり、面接官が準備すべきことは主に6つあります。
・求める人材(採用要件)の明確化
・実施回数などの面接方法の取り決め
・採用面接の実施時期の確定
・履歴書などを読み込む
・面接のシナリオを用意する
・面接評価シートを作成する
それぞれ詳しく見ていきましょう。

求める人材(採用要件)の明確化

まずは自社が求める人物像を明確にする必要があります。

経営戦略や人事戦略などを考慮し、自社が求める人材の特徴を洗い出します。スキルや能力についてはもちろんのこと、配属予定部署の在籍社員との相性も考慮しなければいけません。
  • 条件:勤務地、勤務時間、待遇面などの働く条件
  • スキル:保有資格、技術、経験などの能力
  • 人柄:個人の性格、価値観、仕事への姿勢などの内面的要素
上記3つの軸で採用要件をまとめましょう。

また各要件について下記のような優先順位付けも必要です。
  • MUST(必須条件):採用に欠かせない条件
  • WANT(歓迎条件):あると望ましい条件
  • NEGATIVE(不要条件):あっても評価しない、または採用を避けたい条件
例えば「勤務地は決定しているが、資格は仕事をしながら取得してくれれば良い」といった事情がある場合は、勤務地がMUST、資格はWANTになります。

なお、人柄については「明るく元気な人」や「一緒に働きたい人」などの曖昧な条件になりがちです。客観的な基準で自社にフィットする人材を探すには「コンピテンシー」に注目すると良いでしょう。

コンピテンシーとは、高い成果を上げる人材に共通する行動特性のことです。自社で活躍している社員に共通するコンピテンシーを洗い出して作成した人物像を「コンピテンシーモデル」と言います。

コンピテンシーモデルを作成すれば、明確な基準に基づいて応募者を評価できるため、自社にフィットする人材を採用しやすくなります。

採用要件の決め方およびコンピテンシーについては、こちらの記事をご覧ください。

【関連記事:採用要件・人材要件の作り方とは?定義方法からペルソナの設計例まで解説
【関連記事:コンピテンシーとは?4つの活用シーンや分析ツールの導入事例を紹介

また、ミイダスの「フィッティング人材分析」では、自社にフィットする人材のコンピテンシー項目を洗い出せます。無料で受診できるため、コストをかけずに正確なコンピテンシーモデルを作成したい方は、ぜひお試しください。

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実施回数などの面接方法の取り決め

次に、面接の回数や誰が面接官を務めるかなどの実施方法を考えます。

<面接の回数>
一般的に採用面接は「2〜3回」実施されます。場合によっては3回以上実施されることもあるでしょう。ただし、短期のアルバイトや非正規雇用の従業員を採用する場合の面接は、1回だけにするパターンもあります。

<誰が面接官を務めるか>
面接の回数を重ねるにつれて、面接官が都度変わっても問題ありません。
  • 一次面接:人事担当者
  • 二次面接:人事部長や配属予定部署の担当役員
  • 三次面接:社長
このように、面接の回数によって面接官が変わり、最終面接では社長が直接実施する場合も考えられます。

なお、二次面接や三次面接の際に、一次面接で面接官だった人事担当者を同席させるのは有効な手段です。応募者の緊張を和らげる効果や、一次面接時との印象の比較を行えるメリットがあります。

また、企業上層部の人物に面接への出席を依頼する場合は、少なくとも面接予定日の2週間前にはスケジューリングを打診しておきましょう。

採用面接の実施時期

面接を実施する時期の確定も重要なポイントです。

大前提として、採用面接に出席する人の仕事状況などを勘案して、時間を確保しやすいタイミングにするべきです。それを踏まえて、応募者に候補日程と時間を伝えましょう。

ただ、中途採用の面接の場合には、応募者が他社で仕事をしている可能性があります。この場合、応募者が遅い時間から始まる面接を希望することもあるでしょう。少し遅い時間であっても対応を考慮したり、オンライン面接で調整したりするなど、できる限り応募者に配慮することが大切です。

オンライン面接のポイントについては記事の後半でご紹介します。

履歴書や職務経歴書などを読み込む

面接前までに、書類選考で提出された履歴書や職務経歴書などを読み込みましょう。事前に応募者の人物像を把握することで、面接がスムーズに進みます。例えば、履歴書を見て気になったところを面接で質問したり、面接開始時のアイスブレイクで使える話題を探したりといったことも可能です。

また、先ほど触れたように、面接官は自社の顔として見られます。そのため、面接の際は誠実な態度で接することが大切です。応募者が事前に面接の準備をしているように、面接官も準備しておくことで誠実さをアピールできます。

すでに書類で把握している事項について改めて聞くのはOKですが、そこで初めて聞いたかのようなリアクションをすると「履歴書を読んでないんだな」と企業のイメージダウンにつながる可能性があります。

面接の進行役としてシナリオを用意する

面接当日は、一般的に人事部の採用担当者が司会進行役を務めます。限られた時間のなかでスムーズに面接が進められるよう、あらかじめシナリオを用意しておきましょう。

面接は、すべての質問事項が決まっている「構造化面接」と、面接官に裁量が与えられている「非構造化面接(自由面接)」の2つに大きくわけられます。

構造化面接であれば、面接官ごとにばらつきが出ないために詳細なガイドラインの用意が必要です。また非構造化面接であっても、時間を無駄にしないよう次の内容は考えておくべきでしょう。
  • 面接開始直後に行うアイスブレイクや企業説明の要旨
  • 必ず聞くべき質問
  • 時間オーバーになりそうなときに優先する質問
複数人で面接を担当する場合は、誰がどの質問をするかも事前に打ち合わせをしておきます。

構造化面接および非構造化面接については、こちらの記事でそれぞれのメリットや注意点などを開設しています。

【関連記事:構造化面接は採用に有効?効果やメリット、質問例をまとめて解説
【関連記事:非構造化面接(自由面接)のメリット・デメリットとは?

面接評価シートを作成する

面接で使用する評価シートを作成し、事前にほかの面接官と共有しておきましょう。

評価シートを作成する目的は、面接における評価項目と評価基準の可視化です。評価シートをもとに面接を行うことで、面接官ごとの評価のばらつきを最小限に抑え、客観的かつ適正に応募者を評価できます。

また、評価シートは採用要件をもとに作成します。具体例としては、以下のような評価項目と評価基準が挙げられるでしょう。
評価項目評価基準
(A〜Cの3段階評価)
マナー・身だしなみA:自社の社員として十分な清潔感とビジネスマナーを備えている
B:一般的な身だしなみとビジネスマナーを備えている
C:問題があると感じられる
応募者情報A:履歴書・職務経歴書の内容と質問への回答に相違はない
B:やや誇張表現はあるが概ね相違ない
C:書類と事実に相違があり、信頼に欠ける
志望動機A:自社を志望する明確な理由がある
B:業界への志望度は高いが、他社に興味がある
C:とりあえず受けている
経験・スキルA:即戦力となる十分な経験とスキルがある
B:経験はないが戦力になれるスキルがある
C:これまでに近い業務に従事した経験はない
ビジョンA:自社のビジョンを十分に理解し、共感している
B:自社のビジョンを理解しているが、やや浅い
C:自社のビジョンを知らない
論理的思考力A:物事を体系的に整理し、矛盾なく説明できる
B:物事を筋道を立てて説明できる
C:受け答えに矛盾がある
コミュニケーション力A:抽象的な質問にも自分なりの根拠を持って回答できる
B:質問に対して過不足なくスムーズに回答できる
C:質問に対して的外れな回答を繰り返す
課題解決力A:現状から課題を抽出し、課題の解決策を立案・実行できる
B:現状から課題を抽出し、原因を整理できる
C:自分だけでは現状から課題を見つけられない
上記はあくまで一例です。どのような人材を優先して採用するかで面接評価シートの項目は変わってきます。

また、各項目は「必須条件」や「歓迎条件」などで分けておくと良いでしょう。例えば「マナー・身だしなみ」は必須、「課題解決力」は歓迎といった形にしておけば、面接官たちも注目すべき点が把握しやすくなります。

各項目は3〜5段階で評価され、一定の基準点以上を獲得した応募者を内定または次の選考へと案内します。

【計6ステップ】採用面接の流れや進め方について

採用面接の様子
ここからは、採用面接時の流れと具体的な方法を紹介します。採用面接は以下のような流れで実施します。
1.アイスブレイク
2.面接官の紹介
3.企業の説明
4.応募者への質問
5.応募者からの質問
6.事務連絡
採用面接の司会進行役は、一般的に人事部の採用担当者が担います。
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。

1.アイスブレイク

採用面接の開始とともに「アイスブレイク」を行いましょう。

応募者の緊張をほぐすだけではなく、採用面接官の肩の力も抜く効果があります。スムーズで自然な面接を行うのに効果的です。

「今日はどうやって来社されましたか?」「道に迷いませんでしたか?」のような会話を数ターン行うことで、面接の場の空気がなごみます。二次面接以降のアイスブレイク方法としては、一次面接のときに面接官として出席していた担当者を、二次面接にも出席させる方法が有効です。

注意すべきはオンライン面接です。対面での面接がしづらくなったことから、採用面接をオンラインで行う企業が増えています。この場合、対面で会話するよりも緊張をほぐすのが難しいため、アイスブレイクの時間を多く取ると良いでしょう。

2.面接官の紹介

続いて、面接官から先に自己紹介を行います。

「まずは私から自己紹介しますね。本日の面接を担当する人事部採用課の〇〇です。よろしくお願いします」のように所属部署と名前を簡単に伝えます。面接官が複数人いる場合は、司会進行役が役職順に所属部署と名前を紹介すると良いでしょう。

面接官の自己紹介はアイスブレイクから面接に入るつなぎのような位置づけです。次の「企業の説明」にスムーズに入れるよう短時間で済ませましょう。

3.企業の説明

一般的には、応募者に質問する前に自社の説明を行います。

自社の事業内容や求人条件などに触れつつ、応募者との間に認識の相違がないかを確認しましょう。また、企業側の説明になるため、応募者がそこまで緊張を募らせるような段階でもありません。アイスブレイクとして活用するのも一つの手です。

ただし、同じ部署内で何種類かの求人を出していると、応募者側と会社側の認識にずれが生じているケースがあります。このような認識のギャップを埋めなければ採用ミスマッチにつながるため、企業側の説明は欠かさないようにしましょう。

4.応募者への質問

いよいよ次は応募者に対する質問です。

まずは、簡単な自己紹介を求めましょう。経歴などの詳細は後ほど聞くため、自己紹介は手短にしてもらいます。相手が緊張して長くなることもあるので、「お名前と、今回弊社を志望された理由を簡単で良いので教えてください」のようにしっかり面接官がリードし、次の質問に進めましょう。

次に、職務経歴などに関する質問をします。過去に転職している場合は、転職に至った背景や要因をヒアリングしてみましょう。そこに応募者がストレスを感じたり、会社にミスマッチを感じたりするヒントがあります。ただし、こちらから注意・指摘するような態度でヒアリングすると、本音で話をしてくれません。あくまで自社とのミスマッチにならないよう、その原因を探るというスタンスで聞くことが大切です。

また、それまで従事していた仕事についての内容を掘り下げましょう。例えば人事の経験があれば、任されていたミッションの内容・チームの人数・業務の詳細など、その人がどのような環境で働いていたのかを具体的に想像できる質問をします。成果を出せた理由や、成果を出すための行動、考え方などを深堀りしながらヒアリングすることで、自社でも活躍できそうかを判断できるでしょう。

面接ではさまざまな質問をすることになりますが、基本的には事前に準備した面接評価シートおよびシナリオに沿って進めていきます。

採用面接官が複数いる場合には「誰がどのような質問をどの順番でするのか」を打ち合わせておくと良いでしょう。職務経歴や志望動機の確認など基本的な項目は人事の採用担当者が質問し、業務内容に関する専門的な項目は配属部署の社員が質問するといった分担がスムーズです。

面接では応募者も会社を見ています。司会進行がもたつかないよう注意しましょう。

5.応募者からの質問

企業側からの質問が一段落ついたタイミングを見計らって、応募者からの質問に応じる「逆質問」の時間を作りましょう。

自社に対する疑問点や不安な点を素直に打ち明けてもらい、解消することが逆質問の目的です。見極めのための質問ではなく、志望動機をより前向きにするために必要な作業と言えるでしょう。

企業側としても、入社後のミスマッチは大きな損失につながります。面接でお互いの状態を包み隠さず共有し、擦り合わせできるかがミスマッチを防ぐためのポイントです。ネガティブな質問が来ても、正直かつ誠実に答えることが大切です。

6.事務連絡

面接終了時には、結果の通知方法などの事務連絡を忘れないようにしましょう。

このとき「〇月〇日までにご連絡します」と明確に伝えることが大切です。また合否を電話で伝える予定ならば、連絡の取りやすい時間も確認します。

なお面接時間によっては、オフィスビルの正面玄関が閉められていることもあるでしょう。細かい点ではありますが、応募者のために帰宅方法を忘れず伝えてください。

採用面接で使える7つの質問例

面接の質問に答える応募者
採用面接でよく使われる質問7つをまとめました。自社の求める人物像に沿って、使う質問を考えましょう。
1.コミュニケーションスキルを見る質問
2.ストレス耐性を見る質問
3.パーソナリティを見る質問
4.仕事観を見る質問
5.スキルレベルを見る質問
6.キャリアについての質問
7.キラー質問

1.コミュニケーションスキルを見る面接質問

「自己紹介をしてください」
→ 定番の質問ですが、人によって着目するポイントや話の構成が異なります。コミュニケーションスキルを見るには「趣味は何か」「自分を動物に例えると何か」といった質問も織り交ぜると良いでしょう。
  • 笑顔で自己紹介ができるか
  • ハキハキとした受け答えや話し方ができるか
  • ユーモアを交えているか など
自己紹介だけでも応募者のコミュニケーションスキルを判断できます。

「仕事で報連相をする上で、大切にしていることはありますか?」
→ 報告・連絡・相談はビジネスの基本です。例えば「普段から雑談をして相談しやすいようにしている」などの取り組みをしている人は、コミュニケーションスキルが高く、チームワークが重要な職場で活躍する可能性が高いでしょう。

2.ストレス耐性を見る面接質問

「どんな場面でストレスを感じますか?」
→ ストレスを感じる場面を把握することで、自社で起こりうるストレスへの耐性があるかを判断できます。例えば「デスクワークが多いとストレス」という応募者は、事務作業には向いていないでしょう。その代わり、外回りの多い営業などの職種には向いています。人によって何にストレスを感じるかは異なるため、このような質問をすると採用ミスマッチを予防できます。

「挫折経験はありますか?それをどう乗り越えましたか?」
「仕事で大変だったことはありますか?それをどう乗り越えましたか?」
→ 挫折経験を聞くことで、挫折や失敗に直面したとき、どのような対応をするか確認できます。課題解決能力や、ストレス耐性を評価できるでしょう。また、その挫折を今はポジティブに捉えているかも重要なポイントです。「一つのストレスを引きずり他の業務に支障をきたすタイプか」「ストレスをバネにして成長できるタイプか」などの判断ができます。

3.パーソナリティを見る面接質問

「ご自身の強みと弱みを教えてください」
→ この質問では、応募者の強みと弱みだけでなく、自己認識も見ることができます。自分の強みや弱みを何だと思っているか、それが他者からの評価と一致しているかを見ましょう。自分を客観視できる人は成長しやすいと言えます。

また、自分の弱みをどのように捉えていて、克服のために何を行っているかを知ると、成長意欲を評価できます。弱みを克服するために日々努力している人は、自社に入社しても高い意欲で成長できると考えられるのです。

「自分は負けず嫌いだと思いますか?そう思うエピソードも教えてください」
→ 負けず嫌いの人は成長意欲がありますが、チームワークは苦手な場合があります。また反対に、負けず嫌いではない人はチームワークは得意でも成長意欲がない可能性があるかもしれません。エピソードを交えて話してもらうことで、応募者の思考パターンを知れるでしょう。

例えば、負けず嫌いではない理由として「自分と人の長所は異なるから、一つの分野で負けていても気にならない」と「負けていたほうが任せられる仕事の責任が小さくて済むから気にならない」という回答では、パーソナリティが大きく異なります。

「友人や同僚に、どういう人だと言われますか?」
→ 友人や同僚から言われることは、応募者のパーソナリティを判断する重要な指標となります。自分が思っている長所とは、また別の角度からの意見を聞けるでしょう。

例えば、よく真面目だと言われる人でも「自分は当たり前のことをしているだけ」と感じていれば自分の長所として「真面目」を挙げない場合もあります。複数の視点からの意見を聞くことで、応募者のパーソナリティをより具体的に把握できます。

4.仕事観を見る面接質問

「転職活動で重視していることは何ですか?」
→ 中途採用の応募者は、以前の仕事に足りない何かを求めて転職活動をしていることがほとんどです。仕事をする上で大切にしていることを把握すると、それを自社で提供できるかを判断できます。

「売上目標100万円でしたが、70万円で目標未達です。どのような対応をしますか?」
→ これはシミュレーション質問と呼ばれ、特定の状況においてどのような行動を取るかを見る面接質問です。トラブルや課題が発生したときの対処方法を見ます。例えば、「目標が適切だったか上司に聞く人」と「チームメンバーと原因を分析する人」では、仕事の取り組み方が大きく異なります。自社で起こりそうな、もしくは過去に起こったシチュエーションを用いて質問してみましょう。

5.スキルレベルを見る面接質問

「前職で○○のツールは使用していましたか?」
→ 自社で使用しているツールを具体的に挙げ、使用経験を聞きます。どのような業務で、どのくらいの頻度で使用していたかも聞くとなお良いでしょう。

「チームをまとめた経験について、教えてください」
→ 管理職の採用を行う場合は、過去のマネジメント経験について詳しく聞きます。リーダーを務めたプロジェクトの人数や期間、課題、その乗り越え方などを質問すると良いでしょう。

6.キャリアについての面接質問

「弊社でどのようなキャリアを積みたいですか?」
「達成したい夢はありますか?」
「10年後、どのような仕事をしたいですか?」
→ 応募者が描いているキャリアプランと、自社が与えられる昇進の機会などが一致しているかを確かめます。認識のギャップが発生しないように、応募者が希望する部署に配属されるために必要な勤続年数などの条件があれば正直に伝えましょう。採用ミスマッチは応募者と企業の両者にデメリットが生じます。そのため、応募者のキャリアにとって自社での経験がプラスになるかを判断しましょう。

7.キラー質問

「上司が不正を働いていることに気づいたらどうしますか?」
「あなたが一緒に働きたくないと思う人はどんな人ですか?」
「1,000万円を自由に使えるとしたら何をしますか?」
→ キラー質問とは、回答次第では応募者の不採用を確定する質問を指します。「自社が採用してはいけない人材を落とすための質問」とも言い換えられるでしょう。
キラー質問の役割は、予想外の質問によって相手の本音を引き出し、本来の性格や価値観、仕事に対する考え方が自社にあっているかを確認することです。よって、質問そのものに対する明確な正解はありません。

キラー質問というと応募者を困惑させる意地悪な質問を思い浮かべますが、圧迫面接と取られるやり方は厳禁です。避けるべき人材の人物像を明確にしたうえで「質問に対してこのような反応や回答はNG」という基準を設定します。

面接で避けるべきタブーな質問

NG質問のイメージ
採用面接において、法的にも道義的にも避けるべき質問があります。

例えば、宗教や政治思想に関する質問を強要することは憲法違反になりえます。場合によっては民事的な責任が発生しかねません。また、家族の仕事・収入・思想に関する質問は、採用する本人の能力には関係がないため、避ける必要があります。

厚生労働省が発表している「公正な採用選考の基本」では、以下のような質問が就職差別につながる可能性があるとしています。
<本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
 ※家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成も該当
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<採用選考の方法>
・身元調査などの実施
・合理的・客観的に必要性が認められない、採用選考時における健康診断の実施

引用:公正な採用選考の基本|厚生労働省
具体的には以下のような質問は避けるべきです。
  • 「お住まいは〇〇市とのことですが、ずっとこちらに住んでらっしゃるんですか?」
  • 「結婚のご予定はありますか?子どもが生まれても働き続けますか?」
  • 「ご家族は何をされていますか?」
令和2年にハローワークが把握したデータによると、採用面接で不適切な質問をされたケースの約半数は「家族に関すること」について聞かれています。

プライベートや職場の雑談などで、相手の家族に触れることもあるでしょう。そのため、採用面接でも気軽な話題として悪気なく取り上げがちです。しかし、本人の適性や能力に関係ない事項ですので、家族に関する質問はしないように注意しましょう。

タブーとされている質問をしてしまうと、会社に対するイメージに悪影響を及ぼします。SNSや口コミサイトで書かれたり、転職エージェントが紹介を避けたりといった問題に発展する恐れもあります。リスクマネジメントの観点からも、面接を行う前にNG質問について周知徹底することが大切です。

オンライン面接のポイント

オンライン面接の様子
働く環境の変化やDXが進んだことにより、オンラインで面接が行われることも珍しくありません。オンライン面接は、対面での面接以上に注意すべき点がいくつかあります。ここではオンライン面接のポイントを4つ紹介します。

事前に案内をする

オンライン面接にアクセスする方法やURLなどは、できるだけ早く案内しましょう。オフィスなどに足を運んでもらうオフライン面接と比べて、オンラインの場合は直前の案内でも大丈夫と思いがち。しかし、応募者は面接の詳細が分からないままだと不安になり、企業へのイメージ悪化につながります。

ミーティングのURLや、インストールが必要なアプリなどは早めに連絡しましょう。ZoomやSkypeなど、使用するアプリのインストール方法も案内すると親切です。

回線が途切れたときの対応を伝える

オンライン面接では、インターネット環境が不安定になり、回線が途切れたり遅れたりするリスクがあります。万が一のときに応募者が不安にならないように、その場合の対応策を伝えておきましょう。

緊急連絡先を伝えておけば、トラブルが起きたときに電話面接に切り替えたり、リスケジュールしたりするなどの対応ができます。インターネット回線の状況が良いところで面接を行うことはもちろん、トラブルが起きたときの対策も考えておくことが重要です。

カメラ・マイクの位置を意識する

カメラやマイクの位置も意識しましょう。カメラの角度を調節し、胸から上が映るようにします。こちらの表情が見えるように、遠すぎず近すぎない距離に座ることが大切です。光の当たり方にも気を付けましょう。

また、複数のモニターを使用している場合は、面接官の視線がカメラの方向を向いていないことがあります。面接官が異なる方向を見ていると、応募者は面接官の表情を読み取れず、失礼に当たります。カメラの方向を見て面接することを意識しましょう。

マイクの位置や設定も確認します。こちらの声が聞こえづらいと、応募者は本領を発揮できません。できるだけ対面で行う面接に似せた環境で面接を行いましょう。

静かな環境で面接を行う

オンライン面接はどこからでも実施できます。しかし、オンラインだからと言って油断せず、静かな環境で面接を行いましょう。会議室のようなプライベートな空間を使用するとベストです。

例えばオフィスの自席で面接をすると、同僚が後ろを歩いてカメラに入るかもしれません。すると応募者の気が散ってしまいます。また、場所によっては自社の機密事項が映る可能性もあります。ホワイトボードや書類などが映りこんでいないか、確認しましょう。

録画面接・電話面接について

採用選考のオンライン化が進み、以前のように対面での企業説明会やセミナーが少なくなりました。そこで、適性や人物像を軽くチェックする「0.5次面接」の位置づけで、録画や電話を使った面接を取り入れる企業が増えています。

録画面接とは?

録画面接とは、応募者が質問に回答する様子を自分のスマホやPCなどで録画し、企業に回答期限までに送付する方法です。ビデオ面接とも呼ばれます。

企業が応募者共通の質問事項をあらかじめ設定しておき、応募者は案内された方法に従って都合の良いタイミングで面接を受けます。面接時間は1つの質問につき3〜5分ほど。撮り直しの可否は利用する面接ツールにより異なります。

録画された映像は採用担当者が後日チェックし、選考結果を応募者へメールなどで連絡します。

録画面接のメリットは、企業の面接官と応募者の双方が時間と場所を選ばずに対応できる点です。
  • 移動の負担がない
  • 複数の面接官で動画を共有できる
  • 遠方の応募者も応募しやすい
  • 面接のドタキャンによる損失を回避できる
低コストかつスピーディーな面接が可能です。

ただし、直接対話しているわけではないため、応募者の人柄や本音の見極めには向きません。あくまで0.5次〜1次選考として活用し、以降はオンライン面接や対面面接へ切り替える企業が多いでしょう。

電話面接とは?

電話面接とは文字通り電話による面接方法です。録画面接と異なり、電話面接はリアルタイムでの面接になります。

移動の負担がなく、遠方の応募者も選考対象にしやすい点はオンライン面接と同様です。ただ、以下の点でオンライン面接よりもさらに手軽な面接方法に位置づけられるでしょう。
  • 特定のアプリやツールの導入が不要
  • 応募者は服装や背景を気にする必要がない
  • ネット回線の調子を心配しなくて済む
電話面談では「電話が繋がれば良い」という気軽さがあるため、面接に対する応募者の心理的ハードルを下げられます。

ただし、お互いの顔が見えない面接手法のため、声のトーンや会話のテンポは対面面接よりも配慮が必要です。また、身だしなみやマナー、表情、身振り手振りといった部分は確認できません。したがって職務経歴や志望動機などの基本項目の確認のみ電話面接で行い、人物の見極めは対面の面接で行う企業が多いでしょう。

採用面接時の注意点

面接時の注意点を挙げる面接官
採用面接において面接官が注意すべき点についても説明します。

企業も見られていること意識する

面接は、面接官が応募者を評価する場所である一方で、企業が応募者に見られる時間でもあります。したがって、会社側の人間がマナー違反や高圧的な態度を取ることは許されません。企業のイメージダウンにつながります。

また面接対応時以外は、応募者を来客者として扱いましょう。これは新卒や転職者の面接はもちろん、アルバイトやパートのような非正規社員の面接でも同じです。

たとえ採用を見送ったとしても、応募者は将来のお客様になる可能性があります。「面接を受けさせてやっている」のではなく、「面接に来てもらっている」という心構えを忘れずに対応することが大切です。

逆質問に備える

面接では応募者からの質問に答える「逆質問」を行う企業も多いでしょう。応募者の不安や疑問を解消して志望度を高める時間でもあるため、質問した内容にしっかり答えられるよう準備する必要があります。

よく問われる逆質問の内容としては、次のようなものが挙げられます。
  • 「御社で活躍している方の共通点を教えてください」
  • 「御社の評価制度について教えてください」
  • 「異業種からの転職も多いとのお話ですが、その方たちはどのような勉強をされているのでしょうか?」
  • 「御社の営業部の強みと弱みを教えてください」
上記は一例ですが「配属部署をよく知らないと答えられない内容」を応募者から問われることが少なくありません。
このときに曖昧な回答をすると、「適当な企業だ」という印象を持たれてしまいます。的確に答えられるよう準備しておきましょう。

クレームが来た場合の対応を考えておく

面接で不採用となった応募者からクレームが来る場合もあります。クレームの内容はさまざまですが、慎重に対応すべきなのが下記2つのケースです。
  • 面接官の質問に不適切なものがあった
  • 面接官の態度が不快だった
クレームの内容について、早急に関係者へ事実確認を行いましょう。タブー質問や圧迫面接、セクハラと見なされるような対応をした事実があったならば、応募者へ丁寧に陳謝する必要があります。
クレームが来た場合の対応を事前に採用担当メンバー間で共有し、万が一のときも冷静に対応できるよう準備しておくべきです。

認知バイアスに注意する

人間には認知バイアスという先入観や偏見があり、面接官も例外ではありません。例えば以下のようなものは認知バイアスに該当します。
  • 有名大学の卒業生や大企業出身者は優秀に見える
  • 自分と同じ出身地の応募者に好感を持つ
  • 自分が苦手な人と似た経歴の応募者は悪く見える
面接官が自分の認知バイアスに無頓着だと、応募者の適性とは無関係の部分で善し悪しを判断しやすくなります。「アセスメントツール」などを活用して自分の持つ認知バイアスを把握し、人材の見極め精度を向上させましょう。
認知バイアスについては、こちらの記事も参考にしてください。

【関連記事:アンコンシャスバイアスとは?職場での例や企業ができる対処法を解説
【関連記事:バイアスとは?ビジネスでの意味や種類・企業に与える影響について解説【図解あり】

また、ミイダスでは自分が持つ認知バイアスの傾向を把握する「バイアス診断ゲーム」を用意しています。ぜひお試しください。

プロやツールを頼ることも必要

面接の方法やコツを理解しても、それを実践するのは一苦労です。

人材を客観的に評価するには、それ相応の経験や知識が必要になります。自社で面接時の課題解消が難しい場合は、社外の専門家に採用アセスメントを依頼するのが有効です。客観的な指標から、応募者の能力を見極められるでしょう。

しかし、専門家に依頼すると高額の費用がかかります。コストを抑えてコンピテンシーに基づいた採用基準の作成や、自社にフィットする人材を探す場合は、オンラインツールの活用がおすすめです。

人材アセスメントの活用で採用ミスマッチを防止する

ミイダスのサービスイメージ
ミイダスが提唱するアセスメント採用は、正しく人材を評価することで適材適所の人員配置が実現できます。効果的な面接に加えて人材アセスメントを活用すると、自社で長期的に活躍する人材を採用できるのです。

ミイダスでは自組織で活躍する社員の思考性や行動特性を分析可能です。
・パーソナリティ
・マネジメント資質
・ストレス要因
・上下関係適性(相性の良い上司・部下のタイプ)
上記を含めた計41項目の指標で、社員の適性(コンピテンシー)を把握できます。

その診断結果を元に、自社にフィットするコンピテンシーを持ち合わせた人材に直接アプローチして採用することも可能です。また、最初から自社に合った人材に絞って選考できるため、採用コストの削減につながります。

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