現代では、どの企業にとっても労働力の確保が喫緊の課題となっています。
とくに生産年齢人口の減少がみられる日本では、人材流出への危機感を募らせる企業が増えています。一人の流出が人材流出の波につながってしまうこともあるでしょう。
一度人材が流出してしまうと、新たな人材採用か抜本的な業務の再構成をしなければ事業の運営に影響を及ぼしかねません。
有名な企業であっても採用活動に苦しむことがあり、中小企業やローカル企業の人材確保は困難を極める状況だと言えます。
本記事ではこのような状況下で人材流出を防ぐ方法について解説します。大企業だけでなく中小企業・地方企業がとれる対策もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
人材流出の対策のひとつ、「定着する人材を採用する」ことについては以下の資料で解説しています。ダウンロードしてお役立てください。
【無料ダウンロード】データでわかる定着人材とはとくに生産年齢人口の減少がみられる日本では、人材流出への危機感を募らせる企業が増えています。一人の流出が人材流出の波につながってしまうこともあるでしょう。
一度人材が流出してしまうと、新たな人材採用か抜本的な業務の再構成をしなければ事業の運営に影響を及ぼしかねません。
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▼この記事でわかること
人材流出とは?自社の人材流出がわかる「離職率」人材流出とは一般的に、特定の地域や組織から人材が離れていく現象を指します。会社からの人材流出のほかに、以下のような人材流出もあります。- 学問の世界において優秀な研究者が国外の研究拠点に移ってしまうこと
- ある地域において、若い働き手が都心部での就労・居住を選び、地域内の若手人材がいなくなること
- イメージ低下が起こった業界・業種の人材が他業種にキャリアチェンジしてしまうこと
いずれの場合にも、人材流出が起きた場所には不利益がもたらされます。
優秀な研究者が海外に流出してしまうと、国内の技術開発が難しくなり、外国に後れを取ることがあるでしょう。また、地域の若者がいなくなれば過疎化につながり、業界から若手人材が流出すると、業界の存続にかかわってきます。
そのなかでも、会社組織における人材流出はどのような会社においても起きる可能性があります。本項では、会社の人材流出について解説します。会社組織における人材流出とは
会社組織における人材流出とは、社員が退職してしまうことを指します。人材流出が起きると会社には以下の2つの不利益が生じます。- 直接的な不利益:労働力の減少
- 間接的な不利益:残された社員のモチベーションや生産性の低下、他社へのノウハウ・顧客流出など
単に労働力が減るだけでなく、人材流出によってさまざまな不利益があることから、会社としては人材流出を食い止める必要があります。
人材流出の経営へのダメージについては後述します。人材流出と離職率
会社における人材流出が顕在化するのは、社員の退職時です。そのため、人材流出がどの程度起きているかは離職率を通じて把握できるでしょう。
離職には定年退職や避けられない離職も含まれますが、働くことが可能な状況での離職および転職を明言しての退職である場合は、人材流出があったケースだと捉えられます。離職率の上昇がある場合や、人材流出にあたる離職が増えていると考えられる場合は対策が必要です。
離職率は、新たな人材を迎え入れる場合にも影響を及ぼします。求職者の多くは口コミを含めた企業の情報に触れています。離職率は働きやすさや職場風土・環境を推し量るひとつの要素になっており、求職者には離職率が高い企業を敬遠する傾向があります。
離職率、そして人材流出が起きると次なる採用活動にもダメージが及ぶと言えるでしょう。
離職率については、以下の記事でよりくわしくお伝えしています。あわせてご覧ください。
【関連記事】離職率が高い会社・業界の特徴は?要因・デメリットと離職率を下げる対策を解説人材流出による経営へのダメージ人材流出が起きると、経営にマイナスの影響が及びます。
会社の重要な経営資源である社員は、単に労働力であるというだけでなく、その他の経営資源にも紐づく重要な存在です。
経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」などがありますが、社員は「ヒト」という経営資源であると同時に、「モノ」「カネ」「情報」を持ち、資源を生み出す存在でもあります。そのため、人材流出によって多くの経営資源が失われる可能性があるのです。
人材流出で経営にもたらされるダメージには、以下のようなものが挙げられます。- 失客(顧客流出)
- 採用コストの増加
- ノウハウの流出
- 後継者の不足
- 従業員エンゲージメント・生産性の低下
- ブランドイメージの低下
一つひとつ見てみましょう。失客(顧客流出)
人材流出が起きると、顧客が離れる可能性があります。営業部門や店舗でサービスを行う社員だけでなく、どの部門からの人材流出も失客につながる場合があると考えられます。
営業や接客、サービスを担当する社員の人材流出が起きると、直接担当していた顧客・取引先が離れていくことがあります。この場合に離れていく顧客とは、その社員を信頼していたり、指名でサービスを受けたいというケースが多いため、退職した社員が同業他社に転職すると知ると他社に顧客を奪われる可能性もあるのです。単に顧客を失うというだけでなく、他社に売上を譲ることになってしまうとすれば捨て置けない問題です。
また、退職する社員のことを顧客が直接知らない場合であっても、顧客が離れていくリスクはあります。優秀な社員が退職することで商品・サービスの内容や質に変化が生じ、中長期的に顧客離れが進むケースがあるからです。採用コストの増加
人材流出によって社内のマンパワーが減るため、なんらかの形で労働力や生産力を補わなければなりません。ツールの導入を含めた効率化をある程度行うとしても、多くの場合、採用活動は避けられません。
採用活動にはコストがかかります。人材流出が継続的にある場合、採用コストも継続的にかかることになります。せっかく採用した人材が短期間に退職してしまうと、採用広告費や人材紹介手数料が繰り返しかかるため、採用コストが膨らんでしまいます。採用した人材が自社で活躍し、利益を生み出すまでには一定の期間がかかるため、人材流出の波を食い止められなければ、採用コストの回収がままならない事態にも発展しかねません。ノウハウの流出
人材流出によって、優秀な人材の技術や自社のノウハウが社外に流出してしまうことも大きなリスクです。
自社にしかない独自技術や製品・サービスの開発にかかわる社員が退職してしまうと、たとえ機密事項保持契約(NDA)を結んでいたとしても、社員自身が身につけたスキルや記憶を別の場で活かすことまでは止められません。
ノウハウや技術の流出は、品質低下への懸念や新規製品・サービスの開発力に関係することから、中長期的にみれば顧客離れや信用力の低下につながる可能性もあります。ノウハウや技術力への信頼から取引を行っていたサプライヤーが離れる場合もあるでしょう。
サプライヤーについては、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:サプライヤーとは?業界別の特徴と人事業務を最適化する選び方を解説】後継者の不足
人材流出は、2つの意味で後継者不足を引き起こします。
1つ目は、後継者となる予定だった人材がいなくなることです。入社時から教育を行い、社内の戦力として期待されていた人物が退職してしまうと、世代交代が進まず次なる後継者人材を探さなければなくなるでしょう。とくに現任者が近いうちに定年を迎える予定があるなど世代交代の必要性が差し迫っている場合や、社内で既に活躍し、将来を嘱望されていた人物が流出してしまう場合の影響は計り知れません。
2つ目は、人材流出が起きることで社員教育を行う余裕がなくなってしまうことです。マンパワーが減ると、残った人材で業務を行わざるを得ません。マンパワーが低下している状態で新しい人材を迎え入れても、それまでと同じ状況で十分に人材育成を行う余裕は取りづらいものです。その状況下で採用された人物のケアや教育が満足に行えなければ、モチベーションが低下し、早い段階で離職してしまう可能性もあります。
人材流出は後継者不足・世代交代にも負のスパイラルを起こしかねないのです。従業員エンゲージメント・生産性の低下
人材流出は、従業員エンゲージメントや生産性にも大きな影響を与えます。
多くの場合、人材流出が起きる時点で既に従業員エンゲージメントは低下していることが考えられます。「嫌な思いをした」「人間関係が悪い」などのネガティブな事情を自覚していなくても、他社のほうが優れている点、社員にとって好ましい点がある場合、相対的に従業員エンゲージメントが低下するのです。
「同業のB社のほうが新しい取り組みに積極的で、仕事が面白そうだ」「リモートワークを導入して働きやすくなったC社は魅力的だ」など、他社に優位な点があると感じた社員のエンゲージメントは下がってしまいます。
人材流出の初期段階では、このように小さな従業員エンゲージメントの低下が起きている可能性があります。しかし、従業員エンゲージメント低下の波が広がるとさらなる人材流出につながり、ますます従業員エンゲージメントが下がる危険性があります。
従業員エンゲージメントが低下している状態では、社員のモチベーションも低くなります。ある社員のエンゲージメントやモチベーションが下がると、深くかかわる社員の業務負担が増え、徐々にモチベーション低下を起こす社員が増えていきます。モチベーションが低下した社員が増えると会社に対する愛着も下がる傾向にあり、結果として生産性の低下を引き起こします。生産性が下がった組織で働くと、社員は心身に大きな負荷を抱えます。結果として人材流出が進んでしまうのです。
従業員エンゲージメントの低下は、最初は小さなことであっても、食い止めなければ大きな人材流出を招いてしまうでしょう。
従業員エンゲージメントについては、以下の記事でも解説しています。ぜひお役立てください。
【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介】
ミイダスの「組織サーベイ」を活用すれば、従業員エンゲージメント低下の予兆をいち早く発見・対策できます。人材流出の可能性にも気づき、早期に改善することで大きなダメージを受けずに済む可能性が高まります。ブランドイメージの低下
人材流出が起きると、顧客・ノウハウ・技術が流出したり、新たな人材を迎え入れて育てることが難しくなったり、生産性が下がったりすることを確認しました。
そして重要なのは、これらによって会社のブランドイメージが大きく下落してしまう可能性があることです。顧客離れや後継者不足、品質低下への懸念を投資家は敏感に察知します。そのため、会社の信用力低下から株価が下がったり、新たな融資を受けにくくなったりという問題も予想されるでしょう。
ブランドイメージが下がると、求職者や社員、顧客からの会社のイメージがさらに低下します。その結果、大きく業績を落としたり、会社の存続が危ぶまれたりする事態にも発展しかねません。
ブランドイメージと会社の信用力については、以下の記事でくわしくお伝えしています。ぜひご一読ください。
【関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や具体例、人事・採用への影響を解説】
人材流出は単に「社員が社外に出てしまう」ことだけでなく、経営に大きなダメージを与え、悪いスパイラルを起こすものなのです。人材流出が起きる原因とは?人材流出が起きる原因は、組織の外部・内部の双方に存在します。人材流出の外部要因・内部要因にわけて解説します。人材流出の外部要因
人材流出が起きる要因が会社の外にあるのは、主に市場の動向や社会的価値観・情勢の変化による場合です。代表的なのは以下の3点です。- 経済の動向(採用売り手市場)
- 終身雇用の崩壊
- 社会的価値観の変化(転職に対するネガティブイメージの低下)
一つひとつ見ていきましょう。【経済の動向(採用売り手市場)】
現在の日本の労働市場は、「採用売り手市場」と言われています。経済指標がある程度変化しても売り手市場だと言われ続けている理由に、人口の減少があります。
15~64歳の生産年齢人口が減少傾向となり、生産年齢人口の割合も減り続けると推計されていることから、機械化やAIの活用を推し進めたとしても、長期的に労働力の確保は難しいと考えられているのです。
(参考:令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進- 第2-(1)-1図 我が国の生産年齢人口の推移と将来推計|厚生労働省)
その結果、労働市場でも採用強化の動きが続いており、労働者側も好条件での転職が可能になっています。【終身雇用の崩壊】
かつての日本の典型的な雇用慣行であった終身雇用制度は、時代の変化とともに失われつつあります。
終身雇用制度が崩壊し、採用売り手市場でどの企業も人材流出の危険と隣り合わせにあることから、中途採用に力を入れる企業が多くあります。中途採用を行うことで即戦力を確保できるだけでなく、社内の人材の多様化を進め、組織変革を実現したりする効果があるため、欠員補充の場合でなくても戦略的に中途採用を行う企業もあります。【社会的価値観の変化(転職に対するネガティブイメージの低下)】
労働者側にも変化が起きています。
採用売り手市場となり、終身雇用制度が崩壊している今、昔に比べて転職へのハードルが大きく下がっています。キャリアアップのために積極的・計画的に転職を行うケースもあり、転職はもはやネガティブなものではななくなってきていると言えるでしょう。
これらの事情から、会社の外にも人材流出が起きやすい状態にあると考えられます。
社会的価値観の変化に関連する「パラダイムシフト」について、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:パラダイムとは?パラダイムシフトの意味や企業が対応する方法を解説】人材流出の内部要因
人材流出が起きる要因が会社の内部にある場合は、会社の体制や風土、働き方などについて社員が不満を抱えることと重なります。たとえば以下の8点が考えられます。- 給与が低い
- 労働時間が長い/休日出勤が多い/休日が少ない
- 福利厚生が充実していない
- 労働環境が良くない/リモートワークに対応できない
- 人間関係が悪い
- 評価制度が不透明
- キャリアパスが充実していない/キャリアが固定的
- 教育制度が整っていない
くわしく見ていきましょう。【給与が低い】
給与に対する満足度の低下は、人材流出を起こしやすいでしょう。とくに社員が「給与が低い」と感じるのは、同業他社と比較した場合です。同業他社と比べて極端に自社の給与が低い場合は、改善できないか検討すると良いでしょう。
給与が同業他社と比べて劣っていない場合にも「給与が低い」と感じる社員がいる場合は、業務の負荷が高いと感じているなど、別の理由が隠れている可能性があります。面談の場を設ける、定期的なアンケートを行うなどの方法で不満の理由を探りましょう。【労働時間が長い/休日出勤が多い/休日が少ない】
残業が多かったり、休みが取れなかったりすることも社員の負担になります。家族で過ごす時間や趣味の時間を重要視する人も増えており、給与と同様に実際の労働時間は大きな関心事項となっています。
同業他社と比べて勤務時間が長くないか、休日数はどうかなどを調べましょう。休日の数だけでなく、実際に有給休暇が取得できる体制があるか、休暇の取得状況はどうかなどの実情を確認すると、改善すべき点が見えてくることがあります。【福利厚生が充実していない】
労働時間や休日だけでなく、福利厚生も働きやすさや社員の満足度に大きく関係します。
近年では、会社独自の取り組みとしてユニークな福利厚生制度を取り入れている企業が増えています。家族の記念日を祝うための休暇、ペットのための休暇、自己研鑽のための休暇などバリエーション豊かな休暇制度や、健康管理・資格取得の補助などさまざまな福利厚生制度があります。
福利厚生制度には自社の考えや重視している事柄が反映されやすいこともあり、より共感している会社に転職したいと社員が感じることも考えられます。【労働環境が良くない/リモートワークに対応できない】
労働環境が悪かったり、働き方や働く場を選べなかったりすることから人材流出が起きる場合もあります。
設備が整っておらず衛生状態に問題がある場合や、交通の便が悪く通勤に時間がかかりやすい場合などは、より充実した職場が見つかれば人材流出が起きる可能性があるでしょう。また、近年ではリモートワークの可否が人材流出に影響を及ぼすケースもあります。家庭の事情やさまざまな理由からリモートワークを希望し、リモートワークができる企業に転職してしまう人もいます。【人間関係が悪い】
社員が「人間関係が悪い」と感じる場合には、人材流出が起きやすいと言えます。
人間関係が悪い組織では、誰かが退職すれば問題がなくなるものではありません。人間関係が悪化する要因が別にあり、新たな人材を採用しても定着しないことも珍しくありません。離職率が高かったり、従業員エンゲージメントや生産性が下がっていたりするため、その場しのぎで人材採用を行っても問題が解決しないことが多いのです。
人間関係が悪くなる原因は多岐にわたりますが、人材配置の時点で相性の良い人をチーム内に迎え入れたり、組織全体でバランスをとったりすることが必要です。
人間関係や職場でのストレスについて、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:職場のストレスの原因・対処法は?職場環境・業務内容・人間関係の3つの要因から分析しよう】【評価制度が不透明】
人事評価の制度や評価基準・結果が不透明であることも、人材流出の原因になり得ます。
日々の努力が報われないと感じたり、成果が認められなかったり、実態と評価の内容が見合わないと感じたりすると、社員は退職を選んでしまうでしょう。あるいは、評価制度がなく、「どれだけ頑張っても結果は同じ」と感じてしまうことも人材流出のきっかけとなる可能性があります。
人事評価制度の事例をこちらの記事でご紹介しています。ぜひご一読ください。
【関連記事:【事例あり】中小企業の人事評価制度とは?導入率や作り方、人事課題などを紹介】【キャリアパスが充実していない/キャリアが固定的】
社員が自らのキャリアを自社のなかで想像できなかったり、将来性がないと感じてしまったりすることも人材流出につながります。
キャリアパスを示すことは、「どの程度レベルアップ・スキルアップをすれば何ができるのか」「会社はどのようなことを期待しているのか」を社員に伝え、会社の目標に向けてともに取り組んでもらううえで重要なことです。会社がキャリアパスを示していることで、自社のなかでキャリアを積み、貢献したいと思えるようになります。
キャリアパスが示されていても固定的だったり、自社のなかでのみ役立つようなスキルにしか触れていなかったりする場合、社員は「社外で経験を積みたい」と考えてしまうでしょう。外部要因の項で述べたとおり、転職へのハードルが下がり、転職しながらキャリアを積んでいくことが当たり前の世の中では、自社でいかに社会人としてのキャリアを充実させられるかも重要な事柄です。
社員のキャリアデザインについては、こちらの記事を参考にしてください。
【関連記事:キャリアデザインとは?必要な理由や支援するメリット・デメリットを解説】【教育制度が整っていない】
採用されても教育体制が十分でなかったり、教育体系がなかったりする場合、人材流出の懸念があります。
採用時に十分に教育を受けられずいきなりOJTが始まってしまう場合や、教育担当者がおらず自身のスキルや現状が客観的に理解できない場合、社員は「自分はうまく仕事ができているだろうか」と不安になるでしょう。そのため、教育体制が整っており、安心して教わり、自立できる会社に移って活躍したいと考えるかもしれません。人材流出を防ぐおすすめ対策4選人材流出の要因のうち、内部要因への対策は可能です。ここでは4つのおすすめの方法をご紹介します。- 人事制度の整備
- 採用に立ち返り一貫した戦略
- コンピテンシー診断の導入
- 組織サーベイ
人事制度の整備
労働条件を整えることは人材流出を食い止めるために必要です。
同業他社と比較して改善の余地があると考えられるポイントをあぶり出し、可能な限り条件面の整備を行いましょう。以下が取り組みの例です。- 給与制度を見直す
- 超過勤務時間を減らす取り組みを行う
- 休暇取得を促す仕組みを設ける
- 社員に福利厚生や人事制度を活用するための説明会を行う
- 人事評価制度を設ける・改善する
- 1on1やメンタリングを制度化する
単に条件面を整えるだけでなく、従業員の思いを引き出すための取り組みも効果的です。定期的な面談やメンター制度を仕組みとして確立させることもおすすめです。1on1やメンター制度について、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法】
【関連記事:メンターとは?制度の導入で得られる効果やデメリット、成功のポイントを解説】採用に立ち返り一貫した戦略
人材流出を食い止めるには、採用の段階から改善を図ることもおすすめです。採用する時点でマッチしない人材を迎え入れたり、吟味するべき情報を選考過程で得られていなかったりすることから、早期離職を招いているケースがあるためです。
採用・人材配置・人材育成・マネジメントにまたがり、一貫して人事戦略を立てることで「活躍する人材を採用し、育て、戦力化する」という流れができます。
採用計画はあるものの他の人事課題と連動していなかったり、計画があっても数値計画のみだったりする場合は、経営計画と連動した人事戦略の策定からやり直してみると良いでしょう。コンピテンシー診断の導入
採用・人材配置・人材育成・マネジメントとすべての段階で役に立つのは、「自社でどのような人材が活躍しているのか」と「この社員にはどのような特性があるのか」という視点です。
自社で活躍する社員の特性を抽出・言語化したものを「コンピテンシー」と言います。成果をあげ、活躍する社員の特性がわかれば、その傾向をモデルとして人材採用や育成に活かせます。採用の場面では定着しやすい人材を見極めることができ、人材配置や育成の段階では、相性の良い教育担当者をアサインしたり、なじみやすい部署に配属したりすることができます。
ミイダスのコンピテンシー診断ではコンピテンシーを定量的・科学的に把握できるため、活用してみると良いでしょう。
コンピテンシー診断についてよりくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説】組織サーベイ
コンピテンシー診断は社員個人の特性をあぶり出すものですが、組織全体の状況をつかむことも重要です。
人材流出を食い止めるには、いかに早い段階で社員の不満をキャッチするかにかかっています。そのため、定期的なアンケート(サーベイ)を行い、社員が不満を抱えているかどうか、どのような点が問題となっているかを確認する企業が増えています。
コンピテンシー診断や組織サーベイを活用すれば、人材流出の内部要因への対処ができるだけでなく、外部要因である市場の動向に左右されにくい強い組織づくりも可能です。
ミイダスにも組織の状況確認(組織サーベイ)を行う機能があります。組織サーベイについてはこちらの記事で解説しています。
【関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介】
組織サーベイについてくわしく見る人材流出対策に役立つ組織サーベイを行うなら「ミイダス」ミイダスは、社員の思いを吸い上げ、組織の現状を正しく分析することで優先順位をつけて職場改善に臨める機能を備えています。
ミイダスの組織サーベイは、組織の状況を把握できる機能です。社員に定期的なアンケートを実施し、組織の現状把握とタイミングを逃さないフォローアップが行えます。
組織サーベイの活用事例についてぜひこちらもご覧ください。
【事例紹介:ミイダス「組織サーベイ」なら、離職防止から生産性向上まで。組織改善が可能に!】
組織サーベイについてくわしく見る
さらに、はたらきがいサーベイでは、社員のはたらきがいを「満足度」と「重要度」の両面から可視化。解決すべき課題とその優先度を明らかにし、会社への不満解消に役立ちます。
はたらきがいサーベイはどなたでも利用でき、従業員エンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
はたらきがいサーベイについてくわしく見る
【関連記事:無料で使える「ミイダスはたらきがいサーベイ」とは?導入のメリットや使い方を紹介】
はたらきがいサーベイと組織サーベイを組み合わせることで、社員一人ひとりの現状と組織の状況がともに把握でき、最速で組織改善に取り組めます。
そのほかにも、コンピテンシー診断を用いて社員・求職者の特性を把握し、自社に合う人物を採用したり、特性・相性を加味した人材配置が実現できたりします。
人材流出対策に欠かせない組織サーベイをはじめとしたミイダスの機能をぜひお試しください。
優秀な研究者が海外に流出してしまうと、国内の技術開発が難しくなり、外国に後れを取ることがあるでしょう。また、地域の若者がいなくなれば過疎化につながり、業界から若手人材が流出すると、業界の存続にかかわってきます。
そのなかでも、会社組織における人材流出はどのような会社においても起きる可能性があります。本項では、会社の人材流出について解説します。
人材流出の経営へのダメージについては後述します。
離職には定年退職や避けられない離職も含まれますが、働くことが可能な状況での離職および転職を明言しての退職である場合は、人材流出があったケースだと捉えられます。離職率の上昇がある場合や、人材流出にあたる離職が増えていると考えられる場合は対策が必要です。
離職率は、新たな人材を迎え入れる場合にも影響を及ぼします。求職者の多くは口コミを含めた企業の情報に触れています。離職率は働きやすさや職場風土・環境を推し量るひとつの要素になっており、求職者には離職率が高い企業を敬遠する傾向があります。
離職率、そして人材流出が起きると次なる採用活動にもダメージが及ぶと言えるでしょう。
離職率については、以下の記事でよりくわしくお伝えしています。あわせてご覧ください。
【関連記事】離職率が高い会社・業界の特徴は?要因・デメリットと離職率を下げる対策を解説
人材流出が起きると、経営にマイナスの影響が及びます。
会社の重要な経営資源である社員は、単に労働力であるというだけでなく、その他の経営資源にも紐づく重要な存在です。
経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」などがありますが、社員は「ヒト」という経営資源であると同時に、「モノ」「カネ」「情報」を持ち、資源を生み出す存在でもあります。そのため、人材流出によって多くの経営資源が失われる可能性があるのです。
人材流出で経営にもたらされるダメージには、以下のようなものが挙げられます。
会社の重要な経営資源である社員は、単に労働力であるというだけでなく、その他の経営資源にも紐づく重要な存在です。
経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」などがありますが、社員は「ヒト」という経営資源であると同時に、「モノ」「カネ」「情報」を持ち、資源を生み出す存在でもあります。そのため、人材流出によって多くの経営資源が失われる可能性があるのです。
人材流出で経営にもたらされるダメージには、以下のようなものが挙げられます。
- 失客(顧客流出)
- 採用コストの増加
- ノウハウの流出
- 後継者の不足
- 従業員エンゲージメント・生産性の低下
- ブランドイメージの低下
一つひとつ見てみましょう。
失客(顧客流出)
人材流出が起きると、顧客が離れる可能性があります。営業部門や店舗でサービスを行う社員だけでなく、どの部門からの人材流出も失客につながる場合があると考えられます。
営業や接客、サービスを担当する社員の人材流出が起きると、直接担当していた顧客・取引先が離れていくことがあります。この場合に離れていく顧客とは、その社員を信頼していたり、指名でサービスを受けたいというケースが多いため、退職した社員が同業他社に転職すると知ると他社に顧客を奪われる可能性もあるのです。単に顧客を失うというだけでなく、他社に売上を譲ることになってしまうとすれば捨て置けない問題です。
また、退職する社員のことを顧客が直接知らない場合であっても、顧客が離れていくリスクはあります。優秀な社員が退職することで商品・サービスの内容や質に変化が生じ、中長期的に顧客離れが進むケースがあるからです。
営業や接客、サービスを担当する社員の人材流出が起きると、直接担当していた顧客・取引先が離れていくことがあります。この場合に離れていく顧客とは、その社員を信頼していたり、指名でサービスを受けたいというケースが多いため、退職した社員が同業他社に転職すると知ると他社に顧客を奪われる可能性もあるのです。単に顧客を失うというだけでなく、他社に売上を譲ることになってしまうとすれば捨て置けない問題です。
また、退職する社員のことを顧客が直接知らない場合であっても、顧客が離れていくリスクはあります。優秀な社員が退職することで商品・サービスの内容や質に変化が生じ、中長期的に顧客離れが進むケースがあるからです。
採用コストの増加
人材流出によって社内のマンパワーが減るため、なんらかの形で労働力や生産力を補わなければなりません。ツールの導入を含めた効率化をある程度行うとしても、多くの場合、採用活動は避けられません。
採用活動にはコストがかかります。人材流出が継続的にある場合、採用コストも継続的にかかることになります。せっかく採用した人材が短期間に退職してしまうと、採用広告費や人材紹介手数料が繰り返しかかるため、採用コストが膨らんでしまいます。採用した人材が自社で活躍し、利益を生み出すまでには一定の期間がかかるため、人材流出の波を食い止められなければ、採用コストの回収がままならない事態にも発展しかねません。
採用活動にはコストがかかります。人材流出が継続的にある場合、採用コストも継続的にかかることになります。せっかく採用した人材が短期間に退職してしまうと、採用広告費や人材紹介手数料が繰り返しかかるため、採用コストが膨らんでしまいます。採用した人材が自社で活躍し、利益を生み出すまでには一定の期間がかかるため、人材流出の波を食い止められなければ、採用コストの回収がままならない事態にも発展しかねません。
ノウハウの流出
人材流出によって、優秀な人材の技術や自社のノウハウが社外に流出してしまうことも大きなリスクです。
自社にしかない独自技術や製品・サービスの開発にかかわる社員が退職してしまうと、たとえ機密事項保持契約(NDA)を結んでいたとしても、社員自身が身につけたスキルや記憶を別の場で活かすことまでは止められません。
ノウハウや技術の流出は、品質低下への懸念や新規製品・サービスの開発力に関係することから、中長期的にみれば顧客離れや信用力の低下につながる可能性もあります。ノウハウや技術力への信頼から取引を行っていたサプライヤーが離れる場合もあるでしょう。
サプライヤーについては、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:サプライヤーとは?業界別の特徴と人事業務を最適化する選び方を解説】
自社にしかない独自技術や製品・サービスの開発にかかわる社員が退職してしまうと、たとえ機密事項保持契約(NDA)を結んでいたとしても、社員自身が身につけたスキルや記憶を別の場で活かすことまでは止められません。
ノウハウや技術の流出は、品質低下への懸念や新規製品・サービスの開発力に関係することから、中長期的にみれば顧客離れや信用力の低下につながる可能性もあります。ノウハウや技術力への信頼から取引を行っていたサプライヤーが離れる場合もあるでしょう。
サプライヤーについては、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:サプライヤーとは?業界別の特徴と人事業務を最適化する選び方を解説】
後継者の不足
人材流出は、2つの意味で後継者不足を引き起こします。
1つ目は、後継者となる予定だった人材がいなくなることです。入社時から教育を行い、社内の戦力として期待されていた人物が退職してしまうと、世代交代が進まず次なる後継者人材を探さなければなくなるでしょう。とくに現任者が近いうちに定年を迎える予定があるなど世代交代の必要性が差し迫っている場合や、社内で既に活躍し、将来を嘱望されていた人物が流出してしまう場合の影響は計り知れません。
2つ目は、人材流出が起きることで社員教育を行う余裕がなくなってしまうことです。マンパワーが減ると、残った人材で業務を行わざるを得ません。マンパワーが低下している状態で新しい人材を迎え入れても、それまでと同じ状況で十分に人材育成を行う余裕は取りづらいものです。その状況下で採用された人物のケアや教育が満足に行えなければ、モチベーションが低下し、早い段階で離職してしまう可能性もあります。
人材流出は後継者不足・世代交代にも負のスパイラルを起こしかねないのです。
1つ目は、後継者となる予定だった人材がいなくなることです。入社時から教育を行い、社内の戦力として期待されていた人物が退職してしまうと、世代交代が進まず次なる後継者人材を探さなければなくなるでしょう。とくに現任者が近いうちに定年を迎える予定があるなど世代交代の必要性が差し迫っている場合や、社内で既に活躍し、将来を嘱望されていた人物が流出してしまう場合の影響は計り知れません。
2つ目は、人材流出が起きることで社員教育を行う余裕がなくなってしまうことです。マンパワーが減ると、残った人材で業務を行わざるを得ません。マンパワーが低下している状態で新しい人材を迎え入れても、それまでと同じ状況で十分に人材育成を行う余裕は取りづらいものです。その状況下で採用された人物のケアや教育が満足に行えなければ、モチベーションが低下し、早い段階で離職してしまう可能性もあります。
人材流出は後継者不足・世代交代にも負のスパイラルを起こしかねないのです。
従業員エンゲージメント・生産性の低下
人材流出は、従業員エンゲージメントや生産性にも大きな影響を与えます。
多くの場合、人材流出が起きる時点で既に従業員エンゲージメントは低下していることが考えられます。「嫌な思いをした」「人間関係が悪い」などのネガティブな事情を自覚していなくても、他社のほうが優れている点、社員にとって好ましい点がある場合、相対的に従業員エンゲージメントが低下するのです。
「同業のB社のほうが新しい取り組みに積極的で、仕事が面白そうだ」「リモートワークを導入して働きやすくなったC社は魅力的だ」など、他社に優位な点があると感じた社員のエンゲージメントは下がってしまいます。
人材流出の初期段階では、このように小さな従業員エンゲージメントの低下が起きている可能性があります。しかし、従業員エンゲージメント低下の波が広がるとさらなる人材流出につながり、ますます従業員エンゲージメントが下がる危険性があります。
従業員エンゲージメントが低下している状態では、社員のモチベーションも低くなります。ある社員のエンゲージメントやモチベーションが下がると、深くかかわる社員の業務負担が増え、徐々にモチベーション低下を起こす社員が増えていきます。モチベーションが低下した社員が増えると会社に対する愛着も下がる傾向にあり、結果として生産性の低下を引き起こします。生産性が下がった組織で働くと、社員は心身に大きな負荷を抱えます。結果として人材流出が進んでしまうのです。
従業員エンゲージメントの低下は、最初は小さなことであっても、食い止めなければ大きな人材流出を招いてしまうでしょう。
従業員エンゲージメントについては、以下の記事でも解説しています。ぜひお役立てください。
【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介】
ミイダスの「組織サーベイ」を活用すれば、従業員エンゲージメント低下の予兆をいち早く発見・対策できます。人材流出の可能性にも気づき、早期に改善することで大きなダメージを受けずに済む可能性が高まります。
多くの場合、人材流出が起きる時点で既に従業員エンゲージメントは低下していることが考えられます。「嫌な思いをした」「人間関係が悪い」などのネガティブな事情を自覚していなくても、他社のほうが優れている点、社員にとって好ましい点がある場合、相対的に従業員エンゲージメントが低下するのです。
「同業のB社のほうが新しい取り組みに積極的で、仕事が面白そうだ」「リモートワークを導入して働きやすくなったC社は魅力的だ」など、他社に優位な点があると感じた社員のエンゲージメントは下がってしまいます。
人材流出の初期段階では、このように小さな従業員エンゲージメントの低下が起きている可能性があります。しかし、従業員エンゲージメント低下の波が広がるとさらなる人材流出につながり、ますます従業員エンゲージメントが下がる危険性があります。
従業員エンゲージメントが低下している状態では、社員のモチベーションも低くなります。ある社員のエンゲージメントやモチベーションが下がると、深くかかわる社員の業務負担が増え、徐々にモチベーション低下を起こす社員が増えていきます。モチベーションが低下した社員が増えると会社に対する愛着も下がる傾向にあり、結果として生産性の低下を引き起こします。生産性が下がった組織で働くと、社員は心身に大きな負荷を抱えます。結果として人材流出が進んでしまうのです。
従業員エンゲージメントの低下は、最初は小さなことであっても、食い止めなければ大きな人材流出を招いてしまうでしょう。
従業員エンゲージメントについては、以下の記事でも解説しています。ぜひお役立てください。
【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介】
ミイダスの「組織サーベイ」を活用すれば、従業員エンゲージメント低下の予兆をいち早く発見・対策できます。人材流出の可能性にも気づき、早期に改善することで大きなダメージを受けずに済む可能性が高まります。
ブランドイメージの低下
人材流出が起きると、顧客・ノウハウ・技術が流出したり、新たな人材を迎え入れて育てることが難しくなったり、生産性が下がったりすることを確認しました。
そして重要なのは、これらによって会社のブランドイメージが大きく下落してしまう可能性があることです。顧客離れや後継者不足、品質低下への懸念を投資家は敏感に察知します。そのため、会社の信用力低下から株価が下がったり、新たな融資を受けにくくなったりという問題も予想されるでしょう。
ブランドイメージが下がると、求職者や社員、顧客からの会社のイメージがさらに低下します。その結果、大きく業績を落としたり、会社の存続が危ぶまれたりする事態にも発展しかねません。
ブランドイメージと会社の信用力については、以下の記事でくわしくお伝えしています。ぜひご一読ください。
【関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や具体例、人事・採用への影響を解説】
人材流出は単に「社員が社外に出てしまう」ことだけでなく、経営に大きなダメージを与え、悪いスパイラルを起こすものなのです。
そして重要なのは、これらによって会社のブランドイメージが大きく下落してしまう可能性があることです。顧客離れや後継者不足、品質低下への懸念を投資家は敏感に察知します。そのため、会社の信用力低下から株価が下がったり、新たな融資を受けにくくなったりという問題も予想されるでしょう。
ブランドイメージが下がると、求職者や社員、顧客からの会社のイメージがさらに低下します。その結果、大きく業績を落としたり、会社の存続が危ぶまれたりする事態にも発展しかねません。
ブランドイメージと会社の信用力については、以下の記事でくわしくお伝えしています。ぜひご一読ください。
【関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や具体例、人事・採用への影響を解説】
人材流出は単に「社員が社外に出てしまう」ことだけでなく、経営に大きなダメージを与え、悪いスパイラルを起こすものなのです。
人材流出が起きる原因とは?人材流出が起きる原因は、組織の外部・内部の双方に存在します。人材流出の外部要因・内部要因にわけて解説します。人材流出の外部要因
人材流出が起きる要因が会社の外にあるのは、主に市場の動向や社会的価値観・情勢の変化による場合です。代表的なのは以下の3点です。- 経済の動向(採用売り手市場)
- 終身雇用の崩壊
- 社会的価値観の変化(転職に対するネガティブイメージの低下)
一つひとつ見ていきましょう。【経済の動向(採用売り手市場)】
現在の日本の労働市場は、「採用売り手市場」と言われています。経済指標がある程度変化しても売り手市場だと言われ続けている理由に、人口の減少があります。
15~64歳の生産年齢人口が減少傾向となり、生産年齢人口の割合も減り続けると推計されていることから、機械化やAIの活用を推し進めたとしても、長期的に労働力の確保は難しいと考えられているのです。
(参考:令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進- 第2-(1)-1図 我が国の生産年齢人口の推移と将来推計|厚生労働省)
その結果、労働市場でも採用強化の動きが続いており、労働者側も好条件での転職が可能になっています。【終身雇用の崩壊】
かつての日本の典型的な雇用慣行であった終身雇用制度は、時代の変化とともに失われつつあります。
終身雇用制度が崩壊し、採用売り手市場でどの企業も人材流出の危険と隣り合わせにあることから、中途採用に力を入れる企業が多くあります。中途採用を行うことで即戦力を確保できるだけでなく、社内の人材の多様化を進め、組織変革を実現したりする効果があるため、欠員補充の場合でなくても戦略的に中途採用を行う企業もあります。【社会的価値観の変化(転職に対するネガティブイメージの低下)】
労働者側にも変化が起きています。
採用売り手市場となり、終身雇用制度が崩壊している今、昔に比べて転職へのハードルが大きく下がっています。キャリアアップのために積極的・計画的に転職を行うケースもあり、転職はもはやネガティブなものではななくなってきていると言えるでしょう。
これらの事情から、会社の外にも人材流出が起きやすい状態にあると考えられます。
社会的価値観の変化に関連する「パラダイムシフト」について、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:パラダイムとは?パラダイムシフトの意味や企業が対応する方法を解説】人材流出の内部要因
人材流出が起きる要因が会社の内部にある場合は、会社の体制や風土、働き方などについて社員が不満を抱えることと重なります。たとえば以下の8点が考えられます。- 給与が低い
- 労働時間が長い/休日出勤が多い/休日が少ない
- 福利厚生が充実していない
- 労働環境が良くない/リモートワークに対応できない
- 人間関係が悪い
- 評価制度が不透明
- キャリアパスが充実していない/キャリアが固定的
- 教育制度が整っていない
くわしく見ていきましょう。【給与が低い】
給与に対する満足度の低下は、人材流出を起こしやすいでしょう。とくに社員が「給与が低い」と感じるのは、同業他社と比較した場合です。同業他社と比べて極端に自社の給与が低い場合は、改善できないか検討すると良いでしょう。
給与が同業他社と比べて劣っていない場合にも「給与が低い」と感じる社員がいる場合は、業務の負荷が高いと感じているなど、別の理由が隠れている可能性があります。面談の場を設ける、定期的なアンケートを行うなどの方法で不満の理由を探りましょう。【労働時間が長い/休日出勤が多い/休日が少ない】
残業が多かったり、休みが取れなかったりすることも社員の負担になります。家族で過ごす時間や趣味の時間を重要視する人も増えており、給与と同様に実際の労働時間は大きな関心事項となっています。
同業他社と比べて勤務時間が長くないか、休日数はどうかなどを調べましょう。休日の数だけでなく、実際に有給休暇が取得できる体制があるか、休暇の取得状況はどうかなどの実情を確認すると、改善すべき点が見えてくることがあります。【福利厚生が充実していない】
労働時間や休日だけでなく、福利厚生も働きやすさや社員の満足度に大きく関係します。
近年では、会社独自の取り組みとしてユニークな福利厚生制度を取り入れている企業が増えています。家族の記念日を祝うための休暇、ペットのための休暇、自己研鑽のための休暇などバリエーション豊かな休暇制度や、健康管理・資格取得の補助などさまざまな福利厚生制度があります。
福利厚生制度には自社の考えや重視している事柄が反映されやすいこともあり、より共感している会社に転職したいと社員が感じることも考えられます。【労働環境が良くない/リモートワークに対応できない】
労働環境が悪かったり、働き方や働く場を選べなかったりすることから人材流出が起きる場合もあります。
設備が整っておらず衛生状態に問題がある場合や、交通の便が悪く通勤に時間がかかりやすい場合などは、より充実した職場が見つかれば人材流出が起きる可能性があるでしょう。また、近年ではリモートワークの可否が人材流出に影響を及ぼすケースもあります。家庭の事情やさまざまな理由からリモートワークを希望し、リモートワークができる企業に転職してしまう人もいます。【人間関係が悪い】
社員が「人間関係が悪い」と感じる場合には、人材流出が起きやすいと言えます。
人間関係が悪い組織では、誰かが退職すれば問題がなくなるものではありません。人間関係が悪化する要因が別にあり、新たな人材を採用しても定着しないことも珍しくありません。離職率が高かったり、従業員エンゲージメントや生産性が下がっていたりするため、その場しのぎで人材採用を行っても問題が解決しないことが多いのです。
人間関係が悪くなる原因は多岐にわたりますが、人材配置の時点で相性の良い人をチーム内に迎え入れたり、組織全体でバランスをとったりすることが必要です。
人間関係や職場でのストレスについて、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:職場のストレスの原因・対処法は?職場環境・業務内容・人間関係の3つの要因から分析しよう】【評価制度が不透明】
人事評価の制度や評価基準・結果が不透明であることも、人材流出の原因になり得ます。
日々の努力が報われないと感じたり、成果が認められなかったり、実態と評価の内容が見合わないと感じたりすると、社員は退職を選んでしまうでしょう。あるいは、評価制度がなく、「どれだけ頑張っても結果は同じ」と感じてしまうことも人材流出のきっかけとなる可能性があります。
人事評価制度の事例をこちらの記事でご紹介しています。ぜひご一読ください。
【関連記事:【事例あり】中小企業の人事評価制度とは?導入率や作り方、人事課題などを紹介】【キャリアパスが充実していない/キャリアが固定的】
社員が自らのキャリアを自社のなかで想像できなかったり、将来性がないと感じてしまったりすることも人材流出につながります。
キャリアパスを示すことは、「どの程度レベルアップ・スキルアップをすれば何ができるのか」「会社はどのようなことを期待しているのか」を社員に伝え、会社の目標に向けてともに取り組んでもらううえで重要なことです。会社がキャリアパスを示していることで、自社のなかでキャリアを積み、貢献したいと思えるようになります。
キャリアパスが示されていても固定的だったり、自社のなかでのみ役立つようなスキルにしか触れていなかったりする場合、社員は「社外で経験を積みたい」と考えてしまうでしょう。外部要因の項で述べたとおり、転職へのハードルが下がり、転職しながらキャリアを積んでいくことが当たり前の世の中では、自社でいかに社会人としてのキャリアを充実させられるかも重要な事柄です。
社員のキャリアデザインについては、こちらの記事を参考にしてください。
【関連記事:キャリアデザインとは?必要な理由や支援するメリット・デメリットを解説】【教育制度が整っていない】
採用されても教育体制が十分でなかったり、教育体系がなかったりする場合、人材流出の懸念があります。
採用時に十分に教育を受けられずいきなりOJTが始まってしまう場合や、教育担当者がおらず自身のスキルや現状が客観的に理解できない場合、社員は「自分はうまく仕事ができているだろうか」と不安になるでしょう。そのため、教育体制が整っており、安心して教わり、自立できる会社に移って活躍したいと考えるかもしれません。人材流出を防ぐおすすめ対策4選人材流出の要因のうち、内部要因への対策は可能です。ここでは4つのおすすめの方法をご紹介します。- 人事制度の整備
- 採用に立ち返り一貫した戦略
- コンピテンシー診断の導入
- 組織サーベイ
人事制度の整備
労働条件を整えることは人材流出を食い止めるために必要です。
同業他社と比較して改善の余地があると考えられるポイントをあぶり出し、可能な限り条件面の整備を行いましょう。以下が取り組みの例です。- 給与制度を見直す
- 超過勤務時間を減らす取り組みを行う
- 休暇取得を促す仕組みを設ける
- 社員に福利厚生や人事制度を活用するための説明会を行う
- 人事評価制度を設ける・改善する
- 1on1やメンタリングを制度化する
単に条件面を整えるだけでなく、従業員の思いを引き出すための取り組みも効果的です。定期的な面談やメンター制度を仕組みとして確立させることもおすすめです。1on1やメンター制度について、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法】
【関連記事:メンターとは?制度の導入で得られる効果やデメリット、成功のポイントを解説】採用に立ち返り一貫した戦略
人材流出を食い止めるには、採用の段階から改善を図ることもおすすめです。採用する時点でマッチしない人材を迎え入れたり、吟味するべき情報を選考過程で得られていなかったりすることから、早期離職を招いているケースがあるためです。
採用・人材配置・人材育成・マネジメントにまたがり、一貫して人事戦略を立てることで「活躍する人材を採用し、育て、戦力化する」という流れができます。
採用計画はあるものの他の人事課題と連動していなかったり、計画があっても数値計画のみだったりする場合は、経営計画と連動した人事戦略の策定からやり直してみると良いでしょう。コンピテンシー診断の導入
採用・人材配置・人材育成・マネジメントとすべての段階で役に立つのは、「自社でどのような人材が活躍しているのか」と「この社員にはどのような特性があるのか」という視点です。
自社で活躍する社員の特性を抽出・言語化したものを「コンピテンシー」と言います。成果をあげ、活躍する社員の特性がわかれば、その傾向をモデルとして人材採用や育成に活かせます。採用の場面では定着しやすい人材を見極めることができ、人材配置や育成の段階では、相性の良い教育担当者をアサインしたり、なじみやすい部署に配属したりすることができます。
ミイダスのコンピテンシー診断ではコンピテンシーを定量的・科学的に把握できるため、活用してみると良いでしょう。
コンピテンシー診断についてよりくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説】組織サーベイ
コンピテンシー診断は社員個人の特性をあぶり出すものですが、組織全体の状況をつかむことも重要です。
人材流出を食い止めるには、いかに早い段階で社員の不満をキャッチするかにかかっています。そのため、定期的なアンケート(サーベイ)を行い、社員が不満を抱えているかどうか、どのような点が問題となっているかを確認する企業が増えています。
コンピテンシー診断や組織サーベイを活用すれば、人材流出の内部要因への対処ができるだけでなく、外部要因である市場の動向に左右されにくい強い組織づくりも可能です。
ミイダスにも組織の状況確認(組織サーベイ)を行う機能があります。組織サーベイについてはこちらの記事で解説しています。
【関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介】
組織サーベイについてくわしく見る人材流出対策に役立つ組織サーベイを行うなら「ミイダス」ミイダスは、社員の思いを吸い上げ、組織の現状を正しく分析することで優先順位をつけて職場改善に臨める機能を備えています。
ミイダスの組織サーベイは、組織の状況を把握できる機能です。社員に定期的なアンケートを実施し、組織の現状把握とタイミングを逃さないフォローアップが行えます。
組織サーベイの活用事例についてぜひこちらもご覧ください。
【事例紹介:ミイダス「組織サーベイ」なら、離職防止から生産性向上まで。組織改善が可能に!】
組織サーベイについてくわしく見る
さらに、はたらきがいサーベイでは、社員のはたらきがいを「満足度」と「重要度」の両面から可視化。解決すべき課題とその優先度を明らかにし、会社への不満解消に役立ちます。
はたらきがいサーベイはどなたでも利用でき、従業員エンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
はたらきがいサーベイについてくわしく見る
【関連記事:無料で使える「ミイダスはたらきがいサーベイ」とは?導入のメリットや使い方を紹介】
はたらきがいサーベイと組織サーベイを組み合わせることで、社員一人ひとりの現状と組織の状況がともに把握でき、最速で組織改善に取り組めます。
そのほかにも、コンピテンシー診断を用いて社員・求職者の特性を把握し、自社に合う人物を採用したり、特性・相性を加味した人材配置が実現できたりします。
人材流出対策に欠かせない組織サーベイをはじめとしたミイダスの機能をぜひお試しください。
15~64歳の生産年齢人口が減少傾向となり、生産年齢人口の割合も減り続けると推計されていることから、機械化やAIの活用を推し進めたとしても、長期的に労働力の確保は難しいと考えられているのです。
(参考:令和4年版 労働経済の分析 -労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進- 第2-(1)-1図 我が国の生産年齢人口の推移と将来推計|厚生労働省)
その結果、労働市場でも採用強化の動きが続いており、労働者側も好条件での転職が可能になっています。
終身雇用制度が崩壊し、採用売り手市場でどの企業も人材流出の危険と隣り合わせにあることから、中途採用に力を入れる企業が多くあります。中途採用を行うことで即戦力を確保できるだけでなく、社内の人材の多様化を進め、組織変革を実現したりする効果があるため、欠員補充の場合でなくても戦略的に中途採用を行う企業もあります。
採用売り手市場となり、終身雇用制度が崩壊している今、昔に比べて転職へのハードルが大きく下がっています。キャリアアップのために積極的・計画的に転職を行うケースもあり、転職はもはやネガティブなものではななくなってきていると言えるでしょう。
これらの事情から、会社の外にも人材流出が起きやすい状態にあると考えられます。
社会的価値観の変化に関連する「パラダイムシフト」について、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
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給与が同業他社と比べて劣っていない場合にも「給与が低い」と感じる社員がいる場合は、業務の負荷が高いと感じているなど、別の理由が隠れている可能性があります。面談の場を設ける、定期的なアンケートを行うなどの方法で不満の理由を探りましょう。
同業他社と比べて勤務時間が長くないか、休日数はどうかなどを調べましょう。休日の数だけでなく、実際に有給休暇が取得できる体制があるか、休暇の取得状況はどうかなどの実情を確認すると、改善すべき点が見えてくることがあります。
近年では、会社独自の取り組みとしてユニークな福利厚生制度を取り入れている企業が増えています。家族の記念日を祝うための休暇、ペットのための休暇、自己研鑽のための休暇などバリエーション豊かな休暇制度や、健康管理・資格取得の補助などさまざまな福利厚生制度があります。
福利厚生制度には自社の考えや重視している事柄が反映されやすいこともあり、より共感している会社に転職したいと社員が感じることも考えられます。
設備が整っておらず衛生状態に問題がある場合や、交通の便が悪く通勤に時間がかかりやすい場合などは、より充実した職場が見つかれば人材流出が起きる可能性があるでしょう。また、近年ではリモートワークの可否が人材流出に影響を及ぼすケースもあります。家庭の事情やさまざまな理由からリモートワークを希望し、リモートワークができる企業に転職してしまう人もいます。
人間関係が悪い組織では、誰かが退職すれば問題がなくなるものではありません。人間関係が悪化する要因が別にあり、新たな人材を採用しても定着しないことも珍しくありません。離職率が高かったり、従業員エンゲージメントや生産性が下がっていたりするため、その場しのぎで人材採用を行っても問題が解決しないことが多いのです。
人間関係が悪くなる原因は多岐にわたりますが、人材配置の時点で相性の良い人をチーム内に迎え入れたり、組織全体でバランスをとったりすることが必要です。
人間関係や職場でのストレスについて、以下の記事でくわしく解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事:職場のストレスの原因・対処法は?職場環境・業務内容・人間関係の3つの要因から分析しよう】
日々の努力が報われないと感じたり、成果が認められなかったり、実態と評価の内容が見合わないと感じたりすると、社員は退職を選んでしまうでしょう。あるいは、評価制度がなく、「どれだけ頑張っても結果は同じ」と感じてしまうことも人材流出のきっかけとなる可能性があります。
人事評価制度の事例をこちらの記事でご紹介しています。ぜひご一読ください。
【関連記事:【事例あり】中小企業の人事評価制度とは?導入率や作り方、人事課題などを紹介】
キャリアパスを示すことは、「どの程度レベルアップ・スキルアップをすれば何ができるのか」「会社はどのようなことを期待しているのか」を社員に伝え、会社の目標に向けてともに取り組んでもらううえで重要なことです。会社がキャリアパスを示していることで、自社のなかでキャリアを積み、貢献したいと思えるようになります。
キャリアパスが示されていても固定的だったり、自社のなかでのみ役立つようなスキルにしか触れていなかったりする場合、社員は「社外で経験を積みたい」と考えてしまうでしょう。外部要因の項で述べたとおり、転職へのハードルが下がり、転職しながらキャリアを積んでいくことが当たり前の世の中では、自社でいかに社会人としてのキャリアを充実させられるかも重要な事柄です。
社員のキャリアデザインについては、こちらの記事を参考にしてください。
【関連記事:キャリアデザインとは?必要な理由や支援するメリット・デメリットを解説】
採用時に十分に教育を受けられずいきなりOJTが始まってしまう場合や、教育担当者がおらず自身のスキルや現状が客観的に理解できない場合、社員は「自分はうまく仕事ができているだろうか」と不安になるでしょう。そのため、教育体制が整っており、安心して教わり、自立できる会社に移って活躍したいと考えるかもしれません。
人材流出の要因のうち、内部要因への対策は可能です。ここでは4つのおすすめの方法をご紹介します。
- 人事制度の整備
- 採用に立ち返り一貫した戦略
- コンピテンシー診断の導入
- 組織サーベイ
人事制度の整備
労働条件を整えることは人材流出を食い止めるために必要です。
同業他社と比較して改善の余地があると考えられるポイントをあぶり出し、可能な限り条件面の整備を行いましょう。以下が取り組みの例です。
同業他社と比較して改善の余地があると考えられるポイントをあぶり出し、可能な限り条件面の整備を行いましょう。以下が取り組みの例です。
- 給与制度を見直す
- 超過勤務時間を減らす取り組みを行う
- 休暇取得を促す仕組みを設ける
- 社員に福利厚生や人事制度を活用するための説明会を行う
- 人事評価制度を設ける・改善する
- 1on1やメンタリングを制度化する
単に条件面を整えるだけでなく、従業員の思いを引き出すための取り組みも効果的です。定期的な面談やメンター制度を仕組みとして確立させることもおすすめです。1on1やメンター制度について、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
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【関連記事:メンターとは?制度の導入で得られる効果やデメリット、成功のポイントを解説】
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採用に立ち返り一貫した戦略
人材流出を食い止めるには、採用の段階から改善を図ることもおすすめです。採用する時点でマッチしない人材を迎え入れたり、吟味するべき情報を選考過程で得られていなかったりすることから、早期離職を招いているケースがあるためです。
採用・人材配置・人材育成・マネジメントにまたがり、一貫して人事戦略を立てることで「活躍する人材を採用し、育て、戦力化する」という流れができます。
採用計画はあるものの他の人事課題と連動していなかったり、計画があっても数値計画のみだったりする場合は、経営計画と連動した人事戦略の策定からやり直してみると良いでしょう。
採用・人材配置・人材育成・マネジメントにまたがり、一貫して人事戦略を立てることで「活躍する人材を採用し、育て、戦力化する」という流れができます。
採用計画はあるものの他の人事課題と連動していなかったり、計画があっても数値計画のみだったりする場合は、経営計画と連動した人事戦略の策定からやり直してみると良いでしょう。
コンピテンシー診断の導入
採用・人材配置・人材育成・マネジメントとすべての段階で役に立つのは、「自社でどのような人材が活躍しているのか」と「この社員にはどのような特性があるのか」という視点です。
自社で活躍する社員の特性を抽出・言語化したものを「コンピテンシー」と言います。成果をあげ、活躍する社員の特性がわかれば、その傾向をモデルとして人材採用や育成に活かせます。採用の場面では定着しやすい人材を見極めることができ、人材配置や育成の段階では、相性の良い教育担当者をアサインしたり、なじみやすい部署に配属したりすることができます。
ミイダスのコンピテンシー診断ではコンピテンシーを定量的・科学的に把握できるため、活用してみると良いでしょう。
コンピテンシー診断についてよりくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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自社で活躍する社員の特性を抽出・言語化したものを「コンピテンシー」と言います。成果をあげ、活躍する社員の特性がわかれば、その傾向をモデルとして人材採用や育成に活かせます。採用の場面では定着しやすい人材を見極めることができ、人材配置や育成の段階では、相性の良い教育担当者をアサインしたり、なじみやすい部署に配属したりすることができます。
ミイダスのコンピテンシー診断ではコンピテンシーを定量的・科学的に把握できるため、活用してみると良いでしょう。
コンピテンシー診断についてよりくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
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組織サーベイ
コンピテンシー診断は社員個人の特性をあぶり出すものですが、組織全体の状況をつかむことも重要です。
人材流出を食い止めるには、いかに早い段階で社員の不満をキャッチするかにかかっています。そのため、定期的なアンケート(サーベイ)を行い、社員が不満を抱えているかどうか、どのような点が問題となっているかを確認する企業が増えています。
コンピテンシー診断や組織サーベイを活用すれば、人材流出の内部要因への対処ができるだけでなく、外部要因である市場の動向に左右されにくい強い組織づくりも可能です。
ミイダスにも組織の状況確認(組織サーベイ)を行う機能があります。組織サーベイについてはこちらの記事で解説しています。
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組織サーベイについてくわしく見る人材流出を食い止めるには、いかに早い段階で社員の不満をキャッチするかにかかっています。そのため、定期的なアンケート(サーベイ)を行い、社員が不満を抱えているかどうか、どのような点が問題となっているかを確認する企業が増えています。
コンピテンシー診断や組織サーベイを活用すれば、人材流出の内部要因への対処ができるだけでなく、外部要因である市場の動向に左右されにくい強い組織づくりも可能です。
ミイダスにも組織の状況確認(組織サーベイ)を行う機能があります。組織サーベイについてはこちらの記事で解説しています。
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人材流出対策に役立つ組織サーベイを行うなら「ミイダス」ミイダスは、社員の思いを吸い上げ、組織の現状を正しく分析することで優先順位をつけて職場改善に臨める機能を備えています。
ミイダスの組織サーベイは、組織の状況を把握できる機能です。社員に定期的なアンケートを実施し、組織の現状把握とタイミングを逃さないフォローアップが行えます。
組織サーベイの活用事例についてぜひこちらもご覧ください。
【事例紹介:ミイダス「組織サーベイ」なら、離職防止から生産性向上まで。組織改善が可能に!】
組織サーベイについてくわしく見る
さらに、はたらきがいサーベイでは、社員のはたらきがいを「満足度」と「重要度」の両面から可視化。解決すべき課題とその優先度を明らかにし、会社への不満解消に役立ちます。
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はたらきがいサーベイについてくわしく見る
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はたらきがいサーベイと組織サーベイを組み合わせることで、社員一人ひとりの現状と組織の状況がともに把握でき、最速で組織改善に取り組めます。
そのほかにも、コンピテンシー診断を用いて社員・求職者の特性を把握し、自社に合う人物を採用したり、特性・相性を加味した人材配置が実現できたりします。
人材流出対策に欠かせない組織サーベイをはじめとしたミイダスの機能をぜひお試しください。
ミイダスの組織サーベイは、組織の状況を把握できる機能です。社員に定期的なアンケートを実施し、組織の現状把握とタイミングを逃さないフォローアップが行えます。
組織サーベイの活用事例についてぜひこちらもご覧ください。
【事例紹介:ミイダス「組織サーベイ」なら、離職防止から生産性向上まで。組織改善が可能に!】
さらに、はたらきがいサーベイでは、社員のはたらきがいを「満足度」と「重要度」の両面から可視化。解決すべき課題とその優先度を明らかにし、会社への不満解消に役立ちます。
はたらきがいサーベイはどなたでも利用でき、従業員エンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
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はたらきがいサーベイと組織サーベイを組み合わせることで、社員一人ひとりの現状と組織の状況がともに把握でき、最速で組織改善に取り組めます。
そのほかにも、コンピテンシー診断を用いて社員・求職者の特性を把握し、自社に合う人物を採用したり、特性・相性を加味した人材配置が実現できたりします。
人材流出対策に欠かせない組織サーベイをはじめとしたミイダスの機能をぜひお試しください。