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ポテンシャル採用は何歳まで?メリット・デメリットや導入ポイントを紹介

人手不足が深刻化する今、企業に求められているのは、「スキル」を見極める目だけでなく、「可能性」に目を向ける姿勢かもしれません。

注目を集めている「ポテンシャル採用」は、将来性や意欲に着目して人材を選ぶ、新しい採用手法です。

この記事では、ポテンシャル採用のメリットとデメリット、見極めのポイントについて詳しく解説します。実際にポテンシャル採用を実施している企業の事例も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。「誰をどう採るか」に悩む貴社の人事戦略を、一歩前進させるヒントがきっと見つかります。

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ポテンシャル採用とは?

若手ビジネスパーソンのポートレート
ポテンシャル採用とは、応募者の将来性に着目して人材を評価する採用手法です。

実務経験やスキルが乏しくても、学習意欲や適応力、価値観の一致などを評価し、数年後に活躍できるかどうかで適性を判断します。

例えば営業未経験の20代でも、「過去に部活の主将としてメンバーをまとめた経験」や「大学時代に資格を独学で取得した行動力」が評価対象になるわけです。

人手不足が続く中、即戦力だけに頼らず、若手を将来の戦力として育てるポテンシャル採用は、企業の中長期的な成長を支える一手と言えます。

【関連記事:第二新卒とは?採用する3つのメリット・デメリットを解説

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新卒・中途採用との主な違い

ポテンシャル採用は、「今できるか」ではなく「これから伸びるか」に注目した採用方法です。選考では、スキルや経験よりも、成長意欲や人柄、価値観の一致といった要素を重視します。

一方、新卒採用や中途採用は、学歴・経験・スキルといった「これまでの実績」を評価軸にする採用手法です。新卒採用はポテンシャルを見つつも学歴や適性を重視し、中途採用は即戦力としてのスキルや経験を強く求めるのが一般的です。
採用区分重視点対象者採用時期期待される役割
ポテンシャル採用将来性・人柄・成長意欲など若手中心だが幅広く対象通年・随時将来的な活躍を期待
新卒採用将来性+学生の資質卒業予定者や卒業後3年以内年1〜2回基礎からの育成が前提
中途採用経験・スキル・実績経験者中心、年齢層は幅広い通年・随時即戦力としての活躍を期待
【関連記事:中途採用とは?活躍できる人材の特徴や採用ポイント、成功事例を紹介

なぜ今、ポテンシャル採用が注目されているのか

人口推計によれば、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の8,716万人をピークに減少を続け、2050年には5,275万人にまで落ち込むと見込まれています。

2025年時点でもすでに7,000万人台前半に突入しており、働き手の数は確実に減少傾向にあります。

このような状況では、新卒や即戦力だけに頼った従来の採用手法では、人材の確保がますます難しくなるでしょう。

そこで注目されているのが、将来性や人柄といった「これからの伸びしろ」に着目するポテンシャル採用です。これまで採用の枠外に置かれていた層にも目を向けることで、人材不足の解消につながる可能性が広がっています。

参考:令和7年版高齢社会白書(全体版)3ページ|内閣府

参考:人口推計(2025年(令和7年)3月確定値、2025年(令和7年)8月概算値) (2025年8月20日公表)|総務省統計局

参考:内閣府男女共同参画局「『第1子出産前後の女性の継続就業率』及び出産・育児と女性の就業状況について」

【関連記事:人手不足が深刻化する日本|現状と原因、企業が実施したい7つの対策

ポテンシャル採用のメリット

メリット
ポテンシャル採用には、主に次の3つのメリットがあります。

応募者の間口を広げられる

ポテンシャル採用では、実務経験やスキルの有無だけで採否を決めません。人材の背景や状況に柔軟に目を向けることで、これまで対象外としていた層にもアプローチできるのが特徴です。

たとえば、既卒の若手やフリーランス経験者、育児・介護による離職がある人など、多様な人材の応募が見込めます。

選考対象が広がることで、応募数や反応率の向上が期待でき、母集団形成の安定にもつながるのです。

意欲のある人材を採用できる

ポテンシャル採用では、スキルや実績よりも、成長への意欲や前向きな姿勢といった内面的な資質を重視します。

企業理念への共感度や、未経験分野に挑戦する強い意思など、目に見えにくい価値観や熱意に着目することで、意欲の高い人材との接点が増えます。

このような人材は、入社後も積極的に学び、成長に向けて自走する傾向があり、中長期的な活躍が期待できるでしょう。

若手育成・幹部候補の発掘につながる

ポテンシャル採用を活用すると、将来的に中核を担う若手を社内で育てやすくなります。人物の素質や組織との相性を重視して採用するため、入社後の育成を前提とした人材戦略が組みやすくなります。

一方、経験者採用では、過去の実績やスキルばかりが注目され、将来の伸びしろやリーダー適性が見過ごされがちです。

早い段階から育成を始めることで、自社の価値観を理解し、長く活躍する人材を計画的に増やせます。

ポテンシャル採用のデメリットとリスク

デメリット
採用の幅を広げる手段として有効な一方で、ポテンシャル採用にはリスクや負担がともないます。
導入前に課題を整理し、対策を考えておくことが重要です。

成長までに時間と育成コストがかかる

実務経験がない人材を採用する場合、入社後に基礎からの教育が求められます。配属先でOJTを行う際には、教育を担当する社員の業務量が増える可能性もあります。

教育期間中は生産性が十分に上がらないため、採用してすぐの成果は期待できません。

じっくり育てることを見越した体制や評価制度がなければ、現場が混乱するおそれがあります。

適性の見極めが難しい

ポテンシャル採用では、スキルや実績よりも人柄や将来性を重視します。そのため、面接の印象や熱意に引っ張られすぎると、ミスマッチが起きやすくなります。

短い面接の中で価値観や行動特性を見抜くのは簡単ではありません。あらかじめ評価したい要素を明確にし、判断基準をそろえておくことが大切です。

【関連記事:人柄重視の採用手法とは?企業が性格を見極める方法と面接のコツを解説

【関連記事:採用ミスマッチとは何か?新卒/中途別の原因と防ぐ対策を解説

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面接で確認すべきポテンシャルの要素

ビジネスパーソン
ポテンシャル採用では、将来性や価値観など、数値で判断しにくい力に注目する必要があります。その分、選考の判断があいまいになりやすく、評価基準に迷う場面も少なくありません。

ここでは、人物の可能性をどう見極めるか、そのポイントを整理します。

将来の目標やビジョンを引き出す

面接では、応募者のキャリアビジョンを確認しましょう。
目指す方向や成長への意欲が見えれば、主体的に学び行動できる人材かどうかを判断しやすくなります。

「何を実現したいか」「どんな仕事に挑戦したいか」といった将来像が具体的な人ほど、自律的に成長できる可能性があると言えます。

自社のキャリアパスと重なる部分があれば、長期的な活躍にもつながるでしょう。

学ぶ姿勢と成長意欲が行動に表れているかを見る

新しいことを学ぶ姿勢があるかどうかも、大きな判断材料です。

例えば、自己学習を続けていたり、自主的に資格取得へ取り組んでいたりする場合は、成長意欲のあらわれと考えられます。また、苦手なことを乗り越えた経験があれば、粘り強さや改善意識も読み取れるでしょう。

未知の分野に前向きに挑む姿勢があるかどうかを意識して見ることで、応募者の人物像がより立体的になります。

退職理由から価値観を見抜く

退職理由には、応募者が大切にしている価値観や職場との相性があらわれます。

例えば「人間関係で悩んだ」といった理由も、その経験から何を学び、どう次に活かそうとしているかまで語れる人は、前向きな転職と判断できます。

理由を表面的に確認するだけでなく、環境への適応力や、考え方の整理の仕方にも注目しましょう。背景にある気づきや行動の変化をたどることで、その人がどんな環境で力を発揮しやすいかが見えてきます。

【関連記事:社員が仕事を辞める理由とは?離職する人の特徴や前兆、対策を紹介

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ポテンシャル採用を成功させるポイント

ガッツポーズの男女
ポテンシャル採用を成功させるには、見極めと育成の土台を整える準備が欠かせません。
  • 求めるポテンシャルを明確にする
  • 評価体制を整える
  • 育成環境を構築する
この3点を押さえれば、潜在力を発揮しやすい人材が社内で着実に育ちます。

求めるポテンシャルを明確にする

採用活動を始める前に「どんな資質や能力を持つ人を迎えたいか」(自社が重視する人物の特性)をはっきりさせておく必要があります。

人物像があいまいなままでは、面接の評価軸もぶれやすく、ミスマッチの原因になりかねません。

以下のように、自社が重視する人物の特性を具体的に言語化しておきましょう。
  • 組織の変化を前向きにリードできる
  • 新しい視点や発想を取り入れられる
  • 初対面でも自然に力を発揮できる など
こうした人物像を社内で共有すれば、面接の質問や評価の焦点が定まり、選考の精度も上がります。

評価のブレをなくすための面接体制とツールの活用

ポテンシャル採用では、候補者の第一印象や受け答えの雰囲気に引っ張られ、評価が偏りやすくなります。人柄や成長意欲など、数値化しにくい要素を重視するため、主観が入りやすいのです。

どれほど経験を積んだ面接官でも、先入観や価値観によって判断がぶれる場面は避けられません。こうしたリスクを抑えるには、事前に評価基準を明確にし、個人の感覚に依存しない面接体制を整える必要があります。

対策として有効なのが、アセスメントツールの活用です。

たとえば、ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を使えば、候補者の行動傾向や価値観を数値で可視化でき、客観的な視点を選考に取り入れられます。

さらに、面接官同士で評価軸をそろえたうえで診断結果と照らし合わせながら選考を進めれば、感覚に左右されない、精度の高い判断につながるでしょう。

【関連記事:アンコンシャスバイアスとは?職場での例や企業ができる対処法を解説

【関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリットと選び方・具体例を解説

入社後の育成環境を整える

ポテンシャル採用は、入社後の成長に期待して行われる採用手法です。採用した人材が早く活躍できるよう、育成環境の整備が欠かせません。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、ポテンシャル採用を行う企業の5割以上が、その人材が活躍するまでに「1年以上かかる」と見込んでいます。

一方、即戦力採用では約8割が「1年未満での戦力化」を期待しており、両者の間には育成に対する考え方に大きな違いがあります。

このような背景から、ポテンシャル採用においては、段階的にスキルを習得できるような教育体制を準備しておくことが重要です。また、将来のキャリアパスを具体的に示すことは、本人の成長意欲を引き出し、結果的に定着率の向上にもつながります。

育成への積極的な投資こそが、ポテンシャルを秘めた人材を企業の戦力へと育てるカギとなるのです。

参考:労働政策研究報告書No.195『中小企業における採用と定着』|労働政策研究・研修機構(JILPT)

【関連記事:集合研修とは?オンライン研修と組み合わせるメリットや内容を解説

【関連記事:新人研修カリキュラムの作り方とは?具体的な事例や面白い内容を解説

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ポテンシャル採用・導入企業の事例

屋外で談笑するビジネスチーム
ここでは、ポテンシャル採用を実際に導入している企業を2社紹介します。

BIPROGY株式会社

BIPROGY株式会社は、クラウドやアウトソーシングなどのITサービス事業を展開する企業です。これまでのキャリア採用に加えて「ポテンシャル採用」も取り入れています。

対象となるのは、新卒や第二新卒、あるいは少しだけ経験のある若手人材です。ITスキルの有無だけでなく、成長意欲や人柄、将来性といった面にも注目して選考を行っています。

こうした取り組みは、DX推進に必要な優秀な人材を確保しづらくなってきたことを背景に始まりました。スキルだけでなく、人としての相性も重視して採用しているため、入社後の定着にもつながっています。

参考:社会人 インターンシップ事例集 26ページ|内閣府

イエノコト株式会社

女性の視点を活かしたリフォーム提案に力を入れるイエノコト株式会社では、これまでの経験よりも、その人が持つ素養や人柄を重視して人材を採用しています。

実績の有無にとらわれずに採用できるのは、入社後に力を伸ばせる環境が整っているためです。たとえば、テレワークなど柔軟な働き方を選べる仕組みや、失敗を前向きに受け止める社風が、挑戦を後押ししています。

実際に、電話対応が苦手だったパート社員が、顧客から大規模な受注を獲得するコーディネーターへと成長した例もあるそうです。ポテンシャルを見込み、育てるという流れが社内に根づいており、事業の成長と人材の定着を同時に実現しています。

参考:中小企業:小規模事業者の人材活用事例集 11ページ|中小企業庁

ポテンシャル採用に関するQ&A

Q&A
ポテンシャル採用に関してよく寄せられる質問を、Q&A形式でまとめました。

Q. ポテンシャル採用は何歳まで可能?

ポテンシャル採用における年齢の上限は法律で定められていませんが、実際には20代〜30代前半を想定する企業が多いようです。

ただし、年齢よりも「成長意欲」や「これからの伸びしろ」が重視されるため、40代でも採用されるケースはあります。

Q. すぐ戦力化しないポテンシャル採用。意味がないのでは?

「すぐ戦力化しないから意味がない」とは限りません。ポテンシャル採用は、将来性や価値観に着目した中長期型の人材戦略です。

未経験から事業責任者に育った例もあり、定着や幹部候補の発掘にもつながります。活用場面を見極めれば、十分に意味のある採用です。

将来性に投資する採用が、企業の未来を変える

女性と国際色豊かなビジネスチーム
ポテンシャル採用は、将来的な活躍を期待して人材を迎える、中長期視点の人材戦略です。即戦力に頼るだけでは人手不足を解消できない今、意欲や素養を評価して育てる姿勢が求められています。

ただし、成功のカギは「見極め」と「育成体制の整備」です。採用時の判断基準や育成プロセスがあいまいなままでは、ミスマッチや早期離職につながる恐れもあります。

そのため、以下の3つのポイントを抑えた運用が必要です。
  • 自社が求めるポテンシャルを明確にする
  • 評価のブレをなくすための面接体制構築・ツールの活用を進める
  • 入社後の育成環境を整える
とくに活躍する可能性を見極めるには、ミイダスコンピテンシー診断(特性診断)が有効です。全52項目の診断項目で応募者の行動特性や思考の傾向、ストレス要因まで可視化でき、自社のカルチャーに合う人材を見極めやすくなります。

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