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採用

中途採用とは?定着・活躍する人材を採用するポイントや成功事例を紹介

近年の日本では、新卒学生の減少や人材の流動化などで、中途採用に力を入れる企業が多くなりました。特に大企業においては、中途採用の強化を計っています。

欠員補充や即戦力が欲しいときに、中途採用は効率的な選択肢です。ただし、中途人材をターゲットとした採用活動には、採用後のミスマッチが生じやすいというデメリットもあります。
 
本記事では、中途採用の概要とメリット、中途採用の流れを解説します。中途採用の課題や定着・活躍する人材を採用するポイントも紹介しますので、中途採用で苦戦している方はぜひご一読ください。
また、こちらの資料もぜひお役立てください。

【お役立ち資料「社風にあった定着人材の採用を成功させる方法」
【お役立ち資料「活躍する営業社員の採用を成功させる方法」

中途採用とは?

面接を受ける中途採用者
中途採用とは、就業経験のある人材を獲得する採用活動の総称です。キャリア採用から第二新卒まで、幅広い求職者が対象となります。

まずは以下2つの観点から、中途採用の基本を確認しましょう。
  • 中途採用の目的
  • 新卒採用との違い

中途採用の目的

中途採用の目的として、
  • 欠員による人員補充
  • 事業拡大による人員増加
  • 自社に足りない知識やノウハウの導入
などが挙げられます。

よって採用選考では、候補者のこれまでの経験やスキルなどが重視されます。

新卒採用との違い

新卒採用で対象となるのは、翌年度に卒業予定の学生です。
中途採用とは異なり即戦力を求められることはなく、
  • 社内組織のバランスを整えるため
  • 次世代リーダーや幹部候補を獲得するため
  • 組織の活性化
などの長期的な目的が多くなります。

中途採用と新卒採用の違いをまとめると、次のようになります。
             
中途採用 新卒採用
対象 就業経験のある社会人 卒業予定の学生
採用人数 少数多数
募集時期 通年または不定期年に1~2回
入社時期 不定期4月または9月
学校を卒業してからおおむね3年以内の求職者を指す「第二新卒」を、新卒採用として扱う企業もあります。

募集人数は、中途・新卒採用ともに企業規模によって異なります。とはいっても、新卒採用には組織全体の人員バランスを最適化する目的もあるため、中途採用よりも大人数を募集するのが一般的です。

また、中途採用は企業が必要になったタイミングで行われるのに対して、新卒採用では年度始めの4月入社(企業によっては9月入社)に向けて行われるのが特徴です。選考期間についても、新卒採用のほうが長い時間をかけて母集団を形成し、適性検査や面接などを行います。

中途採用で人材を募集する企業が増えている?

2022年度の中途採用計画のグラフ
出典:2021年度下半期 中途採用動向調査|株式会社リクルート
採用と言えば、新卒採用というイメージが強い日本ですが、近年では中途採用を取り入れる企業が増えています。

株式会社リクルートの「2021年度下半期 中途採用動向調査」によると、2022年度の中途採用計画では、25.1%の企業が中途採用計画を増やすと回答しました。

次に、業界別のデータを見ていきましょう。
2022年度の中途採用計画のグラフ
出典:2021年度下半期 中途採用動向調査|株式会社リクルート
「大幅に増やす」「増やす」の割合を見ると、中でもインターネット業界、IT通信業界、コンサルティング業界、人材・教育業界は中途採用を増やすパーセンテージが高くなっているのが分かります。
2022年度中途採用計画を増やす理由を示したグラフ
出典:2021年度下半期 中途採用動向調査|株式会社リクルート
中途採用計画を増やす理由は、1位は「既存事業の拡大」で71.3%、2位「若年層や管理職層などの特定層の人材不足」41.9%、3位「特定の専門スキルを持つ人材が必要」41.3%となっています。

中途採用を増やす理由としては、日本の情勢の変化が背景にあります。次の章で詳しく見ていきましょう。

中途採用が注目されている背景

中途採用が注目されている理由は主に次の3つが挙げられます。
  • 少子高齢化による市場の変化
  • DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
  • 転職に対する意識の変化
中途採用の課題に取り組む前に、まずは背景を確認しておきましょう。

背景①少子高齢化による市場の変化

中途採用が注目されている背景として、少子高齢化による採用市場の変化が考えられます。
下記のグラフは、厚生労働省が発表している「日本の人口ピラミッド」のグラフです。
日本の人口ピラミッドの変化のグラフ
出典:我が国の人口について|厚生労働省
約30年前の1990年は、総人口1億2,361万人のうち0〜64歳は1億868万人でした。しかし2020年には1990年に比べて、総人口が300万人ほど増えているのにもかかわらず、0~64歳の人口が9,012万人に減少しているのが分かります。

今後も人口減少はとどまらず、2025年以降は超高齢社会が加速していくと予測されています。

このような人口の変化により、採用市場も「買い手市場」から「売り手市場」に変えざるを得ません。また中途採用を強化することによって、さまざまな年代や経験値のある人材を確保できるというメリットもあるのです。


しかし、いまだに自由面接や履歴書など、一般的な採用方法は約30年前からあまり変わりがなく、応募者を「待つ」企業が多いのも事実です。上記のグラフで確認した通り、このまま少子高齢化が進むため、買い手市場に戻ることはないでしょう。

今までの採用方法を根本から見直し、企業側から求職者に対して積極的にアピールしていく必要があるのです。

背景②DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進

先述で確認したITやコンサルタント、人材業界が中途採用計画を増やしている背景には、DXの推進が大きく関わっていると言えます。

近年、DX推進というワードを耳にする機会が増えました。少子高齢化による人材不足や企業の成長のため、デジタル分野においてもIoT(Internet of Things)、AIなどにシフトしていかねばなりません。

しかし日本で使われているITシステム(レガシーシステム)の多くが複雑な仕組みとなっており、DX革新が進まない状況です。

下記の図は、経済労働省が発表している日本企業のレガシーシステムに関するアンケート結果です。
日本のレガシーシステムの割合を表すグラフ
出典:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省
職種によって異なりますが、約8割の企業は20年以上前の既存システムを使い続けているのが分かります。

そのような状況にもかかわらず、維持管理費は発生し続けているのです。このままでは、2025年以降、最大12兆円の損失が生じると言われています(別名:2025年の崖)。

そのような背景を踏まえ、IT人材の中途採用計画が増加。特に、ITの業務はスキルを要し、スピード感も重要です。よって、中途採用で経験のあるIT人材の需要が高まっていると考えられます。

背景③転職に対する気持ちの変化

求職者の転職に対する気持ちの変化も背景として考えられます。

リクナビNEXTの「転職に対するイメージと本音」のアンケートによると、20~30代は転職にポジティブなイメージを持っている割合が多いのが分かります。
年代別による転職に対するイメージの割合
出典:転職は当たり前の時代に?転職に対するイメージと本音をアンケート|リクナビNEXT
かつては、定年まで同じ職場で働き続けられる終身雇用制度が当たり前でした。そのため、転職=もったいない、不安定といったネガティブなイメージを抱かれていたのです。

一方で現代は、経験値、やりがい、スキルなど、自身の成長を求めて転職する人が増えています。終身雇用は、雇用が守られる安心感はありますが、年功序列社会で昇進やキャリアアップはほぼ困難と言えます。

時代背景において、いずれは転職する人がさらに増加し、中途採用も定番の採用方法になるでしょう。

企業からみた中途採用のメリット

採用担当者たち
企業が中途採用を行うメリットはおもに以下の3つがあげられます。
  • 即戦力人材を確保できる
  • 自社にない知識やアイデア、人脈を活用できる
  • 都合にあわせて採用活動を行える

即戦力人材を確保できる

中途採用の対象は、すでに就業経験がある人材です。よってビジネスマナーといった社会人の基本スキルはすでにある状態での入社が期待できます。

また同業界・同業種からの転職であれば、専門スキルを持っている可能性が高く、市場環境にも詳しいでしょう。
 
中途採用によって専門知識や経験のある人材を獲得できれば、自社の独自ルールやノウハウなどを共有するだけですぐに活躍してもらえます。

自社にない知識やアイデア、人脈を活用できる

中途採用で入社してきた人材が持つ知識や経験は、既存社員にとっても刺激になります。
  • 競合との差別化を図りたい
  • 組織に新しいイノベーションを起こしたい
といった場合は、優秀な中途人材の採用が効果的です。とくに中途人材が同業界からの転職の場合、これまでの人脈を活かすことも可能です。

都合にあわせて採用活動を行える

中途採用では、欠員や事業拡大など必要になったタイミングで採用活動を行えます。

入社時期は内定者との調整が必要ですが、4月や9月に一斉入社する新卒採用と比べれば融通が利きやすいといえます。

中途採用の流れ

リクルートの文字とビジネスパーソン
では、中途採用はどのように進めたらよいのでしょうか?中途採用の流れは以下のとおりです。
  • 採用計画を立てる
  • 採用要件の設定
  • 選考基準の設定
  • 採用フローの決定
  • 採用方法の決定
  • 求人票を作成する
各ステップと注意点をあわせて紹介します。

1. 採用計画を立てる

採用活動をはじめるにあたって、まずは採用計画を立てます。
  • 採用目的
  • 採用人数
  • 採用活動の予算
  • スケジュール
上記を採用担当者間で共有しておきましょう。

採用目的については、
  • 営業事務のAさんが退職するので、同等以上の能力がある人材を獲得したい
  • DX推進をするにあたり、横断的なコミュニケーションのできるリーダー人材が欲しい
  • 新しい営業所の開設に向けて、即戦力になる営業担当者を5人獲得したい 
など、自社の採用における課題を洗い出したうえで具体的に設定します。

中途採用における失敗の多くは、自社の求める人材像があいまいだったり、求める人材獲得に合った採用方法を使用していなかったりすることで起こります。

最初に目的を明確にしておくことで、採用後のミスマッチ回避に努めましょう。さらに、全体で採用したい人数とスケジュールもここで決めておきます。

ただし、ここで決めるのは「いつから求人を出して、いつまでに採用を完了するか」という全体スケジュールです。中途採用の場合、選考にあたっては各候補者で個別スケジュールを組む必要がある点に留意してください。

2.採用要件の設定

採用計画が決まったら、「どのような人材を採用したいか?」という採用要件を考えていきます。ここでは、スキルセットカルチャーフィットの2つの観点から要件を定義するのがポイントです。
  • スキルセット:その人材が持つスキルや資格、経験など
  • カルチャーフィット:その人材の価値観や行動特性、思考性など
たとえば、先述の「DX推進をするにあたり、横断的なコミュニケーションのできるリーダー人材が欲しい」という目的で採用活動をすると仮定します。
 
この場合、DX推進プロジェクトを引っ張れるリーダーを求めているため、横断的なコミュニケーションだけでは不十分です。加えて、任せたプロジェクトが自社の求めるものと違う方向に進むリスクを避けたいならば、自社の価値観や経営方針に共感してくれる思考性も必要です。

したがって採用要件の設定では、以下のようにスキルセットとカルチャーフィットを設定します。
▼「DX推進プロジェクトを引っ張るリーダー」の採用要件
・スキルセット:横断的なコミュニケーション力、課題解決能力スキルセット:横断的なコミュニケーション力、課題解決能力、チームビルディング経験
・カルチャーフィット:自社の経営方針に賛同してくれる人材、チームビルディング経験

3.選考基準の設定

採用要件を設定したら、配属予定の部署にヒアリングして各要件が以下のどちらに該当するか分類します。
  • 必要要件(MUST)
  • 歓迎要件(WANT)
必要要件は「採用に際して必須になる項目」、歓迎要件は「必須ではないものの、候補者が所有していたら高評価につながる項目」です。

なぜ項目の分類が必要かというと、設定した要件のすべてを完璧に満たす人材は滅多に存在しないためです。すべての要件を「必要要件」としてしまうと、なかなか採用につながらないどころか、応募すら来ない可能性があります。

そのため、設定した要件について配属予定部署のメンバーにチェックしてもらい「この要件を満たす人材は採用」とする基準を設定します。また、実際の現場の声を聞くことで、配属後にミスマッチが発生する可能性も減らせるはずです。

4.採用フローの決定

続いて採用フローを決めます。採用フローとは、求人募集〜入社までの一連の流れのことです。具体的には以下のようなイメージです。
  • 募集開始
  • 応募
  • 書類選考
  • Web面接
  • 対面面接
  • 内定
  • 入社
人材情報サービス『マイナビ』の「中途採用状況調査2022年版」によると、中途採用の面接回数は平均2〜3回で、応募から内定までにかかる期間は2週間〜1ヶ月ほどとなっています。

引用:マイナビキャリアリサーチLab「中途採用状況調査2022年版」

5.採用方法を決める

続いて、採用方法を決めます。中途採用での採用方法は以下の種類があげられます。
採用方法 特徴
中途採用向け求人媒体 各企業の求人をまとめて掲載する情報媒体。Webと紙面がある
自社の採用サイト 採用に関する情報を掲載する自社サイト
ハローワーク 職業安定所で求人を出す方法
SNSリクルーティング SNSの自社アカウントに求人情報を掲載する方法
転職フェア 複数の企業が集まる合同の説明会
人材紹介サービス 採用要件にあった人材を紹介してもらう方法
ダイレクトリクルーティング 求職者へ企業からアプローチする方法
リファラルリクルーティング(縁故採用) 社内外の人からの紹介で採用する方法
求める人材の要件や採用活動にかけられる予算から、1つまたは複数の採用方法を選択します。

ただし、近年はコーポレートサイトや転職口コミサイトなどで簡単に情報収集が行える時代です。ほとんどの候補者が、応募前や選考の初期段階で自社についてネット検索すると考えたほうがよいでしょう。
  • コーポレートサイト内に詳細な求人情報を掲載する
  • 採用サイトを作り、就職先としての自社の特徴や魅力を発信する
などの方法で、候補者へ積極的に情報を届けることをおすすめします。

なお、各採用方法の詳細やメリット・デメリットについてはこちらの記事をご覧ください。

【関連記事「採用方法は変化している?自社に合った採用方法とは?

6.求人票を作成する

最後に、採用方法の仕様にあわせて求人票を作成します。

求人票の内容次第で応募の集まりやすさが変わってきます。求人票に掲載できる情報は採用方法によって異なりますが、「求める人材」が関心を抱いてくれるような情報提供が重要です。

フォーマットの必須項目以外にも、
  • 求人募集の背景
  • 求める人物像
  • 先輩社員の声
  • 選考フロー
  • 業務内容の詳細
などを掲載すると魅力的な求人票になるでしょう。

候補者からみれば、あいまいで具体性に欠ける求人票は不安を感じるものです。転職を考える人の視点に立った情報提供が大切です。

なお求人票の詳しい作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

【関連記事「求人票の役割とは?求職者が見るポイントや自社をアピールする作り方を解説」】

中途採用で発生しやすい課題

悩む採用担当者
中途採用には多くのメリットがありますが、次のような課題もあります。
  • 応募者が集まるとは限らない
  • 早期離職される可能性がある
  • 活躍する人材の採用が難しい
  • 過去のやり方に固執される
それぞれ詳しく解説します。

応募者が集まるとは限らない

中途採用でもっとも発生しやすい課題は、求人募集をしているのにもかかわらず応募者が集まらないことです。
 
求人情報・転職サイト『doda』の調べでは、2022年5月における転職者の求人倍率は1.85倍となっています。なかには5.31倍(IT・通信)や6.03倍(人材サービス)にもなる業種もあります。

求人倍率が高水準で推移する売り手市場では、どうしても大企業が有利です。認知度の低い中小企業ほど、応募者集めに苦戦を強いられるでしょう。
 
また2021年より、中途採用比率の公表が義務化されました。中途採用比率とは、正規労働者に占める中途入職者の割合のことです。このトピックによって、これまで新卒一括採用を続けてきた大手企業の意識が大きく変わる可能性があります。大手企業における中途採用への注目度が高まると、競争はさらに激化するでしょう。

引用:doda(デューダ)『転職求人倍率レポート(2022年5月)』

早期離職される可能性がある

せっかく採用しても、入社後すぐにまた転職していってしまう可能性もあります。

野村総合研究所が2014年12月に実施した「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」によると、採用後3年間の離職率は中途採用では約30%となっています。

中途採用者は、社会人経験を積むなかでさまざまな企業を見てきています。そのため「転職に失敗した」と感じれば、新しい職場に馴染む前に早期離職を決断することもあるでしょう。

とはいえ、厚生労働省が2017年に調査した「新規学卒就職者の離職状況」によると、新卒採用の3年以内の離職率は新規高卒就職者で39.5%、新規大卒就職者で32.8%です。

「中途採用だから離職しやすい」というわけではなく、新卒・中途ともにミスマッチは離職に直結すると捉えたほうがよいでしょう。

引用:野村総合研究所「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」
引用:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」

活躍する人材の採用が難しい

「即戦力になれる人材を採用したはずなのに、期待した活躍をしてくれない」というのも、中途採用でよくある課題です。

この問題は、スキルや資格、経験といったスキルセットばかりを重視して選考を進めた場合によく発生します。

前の会社で活躍していた人であっても、自社の風土やカルチャーで同じように活躍できるとは限りません。

過去のやり方に固執される

即戦力になれるキャリア人材の場合、研修や教育などを受けなくても、前の会社のやり方で仕事ができてしまうことがあります。

もちろん、自社のやり方と大きく違いがなければ問題はありません。しかし、自社のやり方とは大きく異なるにもかかわらず、ルールやマニュアルを守らない場合は注意が必要です。

たとえば、ベテランの中途人材が過去のやり方で仕事を続けた場合、新人や若手がその方法を真似てしまうかもしれません。

また、そのやり方で大きなミスやトラブルが生じた場合、会社側のガバナンスが問題とされる可能性も出てくるでしょう。

中途採用でミスマッチが発生する理由

ミスマッチの文字とビジネスパーソン
中途採用での課題の多くは、企業と候補者のミスマッチです。

その原因として次の4つが考えられます。
  • 採用選考の精度が悪い
  • 入社前後のイメージのギャップが大きい
  • 業務内容の認識のズレ
  • 入社後のフォロー不足
それぞれの原因について見ていきましょう。

採用選考の精度が悪い

採用選考の精度は、次の2つで決まります。
  • 採用要件は適切か
  • 選考できちんと見極められているか
たとえば欠員補充が目的なのにもかかわらず、スキルばかり気にして部署メンバーとの相性を軽視すれば、マッチしない人材を採用してしまう可能性が高まります。

また採用要件が適切であっても、選考基準が面接官の勘や主観によるものであれば、候補者を適切に見極めることは難しいでしょう。

入社前後のイメージのギャップが大きい

入社後に思わぬネガティブな面が発覚すると、中途採用者は「失敗した」と感じやすくなります。

コーポレートサイトや採用サイトで自社の魅力をアピールする企業が増えました。しかし、配属される部署や上司、メンバーで職場の雰囲気はガラッと変わることも珍しくありません。

ポジティブな面ばかりを見せすぎると、入社後のギャップが大きくなって離職につながります。

業務内容の認識のズレ

求人票に記載していた業務内容が候補者の想定と違った場合も、採用者の気持ちが離職に傾きやすくなります。

一般的に、中途採用では選考過程で業務内容をすり合わせてから入社します。

経験やキャリアの幅を広げたくて転職した人材にとって、業務内容は重要です。「聞いていた話と違う」「入社後すぐに別の業務へ変更となった」となれば、企業へ不信感を抱くきっかけになってしまいます。

入社後のフォロー不足

「中途採用者なら、1人でうまくやれるだろう」と思ってしまいがちです。しかし、同期や親しい先輩のいない中途採用者にとって、社内の独自ルールや常識の習得は簡単ではありません。

人間関係の問題は、転職や早期離職の理由の1つになります。

中途採用者向けの研修・教育制度がない企業は、思わぬところで中途採用者が悩みを抱えている可能性があるため注意が必要です。

定着・活躍してくれる人材を採用するポイント

ミーティングを行う社員達
ミスマッチを回避し、自社に定着・活躍してくれる人材をどのように採用すればよいのでしょうか?ポイントは以下の4つです。
  • 自社にフィットする採用要件を設定する
  • 採用選考の方法を見直す
  • 自社の実態を見せる
  • 入社後のフォロー体制を整える

自社にフィットする採用要件を設定する

先述した通り、採用要件は「スキルセット」と「カルチャーフィット」の2つの視点で考えます。

スキルセットは、業務遂行に必須のスキルが基準になります。配属予定部署からヒアリングを行うことで可視化できるでしょう。

一方で、難しいのがカルチャーフィットです。

「どのような特徴を持った人が自社にフィットするのか」は既存社員でもよくわかっていないことが少なくありません。まして部署やチームごとにカラーがあるとなると、適切なカルチャーフィットの設定は困難を極めます。

そこでおすすめなのが、客観的かつ定量的な分析方法としてコンピテンシー診断などのアセスメントツールを利用することです。

配属予定部署に定着した中途採用者や、活躍している人材(ハイパフォーマー)にアセスメントテストを受けてもらい、自社にあった人材の傾向を分析します。

その結果をもとにカルチャーフィットを設定すれば、適切に採用要件を設定できるでしょう。

アセスメントの基本やアセスメントツールの種類、活用方法については以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事:アセスメントとは?意味や使われ方をわかりやすく解説
【関連記事:アセスメントツールとは?5つの導入メリット・選び方の3つのポイントなどを完全解説


また、『ミイダス』でも自社にフィットする人材分析(活躍要因診断)が可能です。無料で利用できるので、ぜひお試しください。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

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※アカウントの登録及びご登録後のご利用は無料です。

採用選考の方法を見直す

中途採用の場合、書類選考のあとに面接による選考を行うのが一般的です。
しかし、従来の非構造化面接(自由面接)による選考は、入社後のパフォーマンスと相関が低い点が課題とされています。

また2020年以降、初期面接をオンライン化した企業は57.1%に上りますが、採用担当者からは「対面面接よりも見極めが難しい」「職場の雰囲気を伝えるのが難しい」などのデメリットが指摘されています(参考『日本の人事部 人事白書2021 96ページ』)。

そこで、見極め精度を高めるために注目されているのが構造化面接です。Googleが導入した面接方法として話題になったため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

構造化面接では、候補者へ投げかける質問や評価基準があらかじめルール化されています。質問に対する回答を客観的に評価でき、候補者の人柄が見え難いオンライン面接と相性がよい面接方法です。

また面接官の主観やバイアスが入らないため、カルチャーフィットを見極める際にも公平に評価できます。

構造化面接については、こちらの記事をご参照ください。

【関連記事:構造化面接は採用に有効?効果やメリット、質問例をまとめて解説

WebサイトやSNSなどを活用する

WebサイトやSNSなどの活用は、定着・活躍してくれる人材と出会える確率を上げてくれます。
転職活動中の情報収集に関するアンケート回答のグラフ
出典:求職者の9割が、企業HPから情報収集する今こそ知るべき!ソーシャル&スマホ時代の採用広報術|エン・ジャパン 人事のミカタ
「エン・ジャパン 人事のミカタ」で「転職活動中の企業に関する情報収集」についてアンケートを取ったところ、「企業のホームぺージを確認する」が88.7%、「企業の運営するSNSやブログを確認する」は16.8%という結果になりました。

仕事を選ぶ上で、企業の雰囲気やイメージは重視するポイントです。求人広告や文章のみではアピールできない部分を企業サイトやSNSなどは補ってくれます。

自社にフィットする人材を明確化しているならば、欲しい人材のペルソナを決めた上で発信するのも効果的です。「ここの会社は仲が良さそう」「みんな意識が高くて一緒に働いてみたい」と思ってもらえる機会を増やせます。社員インタビューを企業サイトに掲載するのも1つの方法です。

ただし、誤解を招くような投稿や炎上してしまうような発言には注意を払いましょう。1回の投稿が企業のイメージを一気に悪化させてしまうリスクが潜んでいます。

自社の実態を見せる

入社前後のギャップや業務内容の認識のズレを解消するには、ネガティブな面も含めた自社の実態を見てもらうのが効果的です。

面接であえて短所を説明するのも1つの方法ですが、特におすすめなのが体験入社の導入です。候補者に実際の職場を見てもらうことで、イメージと実態の乖離を小さくできます。また企業としても、候補者の実務能力をチェックできるメリットがあります。

体験入社のメリットや注意点については、こちらの記事をご覧ください。

【関連記事「体験入社とは?導入するメリットや注意点、導入方法をまとめて紹介」】

入社後のフォロー体制を整える

中途採用者がスムーズに自社へ馴染めるよう、入社後のフォロー体制を整えておくことも大切です。スキルや経験のある中途採用者でも、新しい環境で慣れるまではパフォーマンスを発揮できないかもしれません。

しかし、すぐに研修・教育制度を整えられない場合でも、採用担当者や上司が定期的に面接を行うことで中途採用者の抱える悩みを把握できます。適切なコミュニケーションにより、中途採用者が離職を決意する前に対応できるはずです。

中途採用を強化している導入事例を紹介

腕を組んでいるビジネスパーソン
続いて、中途採用を強化している企業の導入事例を5社見ていきましょう。ミイダスの導入事例もあわせて紹介しているので、「中途採用したいけれど、なかなか応募が来ない……」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

株式会社神戸製鋼所

兵庫県神戸市に本社所在地を置く株式会社神戸製鋼所は、2005年頃から中途採用(キャリア採用)を導入しています。2016年以降は約3割を超える社員がキャリア採用による入社です。

神戸製鋼所は東京と神戸にありますが、募集職種によって製造拠点はさまざま。その企業で働きたいと思っても「パートナーがいるから引っ越しは難しい」「地方に行くのは抵抗がある」「家族を説得する材料がない」など、一歩踏み出せない人もいるでしょう。

そこで神戸製鋼所はWebサイトに「配属先の暮らし」というコンテンツ制作を行っています。

配属先の暮らしでは、
  • 配属先地域の紹介
  • 転勤を考慮して入社した社員のインタビュー記事
などが掲載されており、転勤時の不安解消やイメージがしやすいように工夫しています。

参考:厚生労働省「中途採用を通じたマッチングを促進するための企業の情報公表の在り方等、諸課題に関する調査研究事業 10,11ページ

GMOぺパポ株式会社

GMOぺパポ株式会社は、EC支援事業やハンドメイド事業を展開しています。デザイナーやディレクター、エンジニアなどさまざまな業種の採用を行っています。GMOぺパポ株式会社は中途採用を中心に人材を確保しており、2020年は新卒は16人、中途53人を採用したそうです。

GMOペパポは「わたしたちが大切にしていること(みんなと仲良くすること、ファンを増やすこと、どう働きたいか)」を掲げています。
ミスマッチ防止として、企業文化と合っているかを最重要ポイントとしています。企業サイトには社内勉強会や合宿などの写真を掲載しています。また、「ペパポテックブログ」という企業ブログを展開しており、執筆を担当した従業員の名前を明記しています。

サイトリニューアルをしたのが2018年ですが、求職者が企業サイトをもとに質問してくるようになったため、より密度の濃い面接ができるようになったそうです。

参考:厚生労働省「中途採用を通じたマッチングを促進するための企業の情報公表の在り方等、諸課題に関する調査研究事業 41,42ページ

株式会社フレスタ

東京都に拠点を置く株式会社フレスタは、システムエンジニアリングサービス(SES)を提供している企業です。SES事業はお客様のニーズが変化しやすく、さまざまな要件に合ったエンジニアを随時募集しなくてはならないと言います。

一般の求人広告を利用していましたが、必要な期間に採用できず悩んでいたそうです。そこでエンジニアに直接スカウトできるミイダスを導入することにしました。ミイダスは、スキルや経験で検索可能なので、企業ごとに必要な人材を探しやすいのが特徴です。

また、採用したい人材に対してはスカウトを送り、年収や条件などの相談もできます。株式会社フレスタは、ミイダスを活用してから、約1年で4人のエンジニアの採用に成功したそうです。

株式会社フレスタの詳細はこちら

株式会社サーキュレーション

株式会社サーキュレーションは、プロフェッショナル人材のシェアリング事業を行っています。エンジニアとデザイナーのマッチングサービスである「flexy(フレキシ―)」のコンサルトを募るため、ミイダスを活用することにしたそうです。

ミイダスは求人を出す方法もシンプルで30分~1時間で完了。さまざまな求職者にスカウトを送ったところ約50件の面接設定、結果的に2名の採用に成功したそうです。

ミイダスはスカウトの文面も自由に書けるためオリジナリティを発揮できます。気になった求職者1人1人に熱意を込めたスカウトを送れるのも、ミイダスの魅力と言えます。


株式会社サーキュレーションの詳細はこちら

株式会社島井組プラント

株式会社島井組プラントは、一般廃棄物処理施設の整備メンテナンスを行っている企業です。現場担当者のポジションが急遽空いたため、ハローワークで求人募集を行いましたが、なかなか見つからなかったそうです。

そこで取引先の金融機関から紹介してもらったアセスメントツール・ミイダスを導入し、再度募集することに。焼却プラントを扱う仕事は珍しい業界に加え地方都市のため、待っているだけでは経験者を採用するのも一苦労だそうです。

ミイダスを導入したことで、求職者の詳細な情報を知ることができます。また、気になる人材には企業側からスカウトを送れるため、効率的に採用活動ができるようになりました。
さらに、事前に求職者の行動特性が把握できるコンピテンシー診断を活用して、入社後のミスマッチ防止を図りたいとのことです。

株式会社島井組プラントの詳細はこちら

中途採用のポイントをおさえて、自社にフィットする人材を採用しよう

就業経験のある人材を募集する中途採用。教育コストをかけずに即戦力を獲得できるメリットがある一方で、採用後のミスマッチに頭を悩ませる採用担当者も少なくありません。

「獲得した人材が早期離職してしまった」「期待した人材がまったく活躍してくれない」となれば、採用コストが無駄になるだけでなく、既存社員のモチベーションにも影響します。
  • 自社にフィットする採用要件を設定する
  • 採用選考の方法を見直す
  • 自社の実態を見せる
  • 入社後のフォロー体制を整える
上記のポイントをおさえ、自社にフィットする中途採用を目指しましょう。

採用課題を解決するツールなら「ミイダス」

中途採用の最初のハードルは、自社に最適な採用要件の設定です。

「優秀な人材を採用したい」と考えたとして、何をもって「優秀な人材」と判断するかは社風や職種、業務内容によって大きく異なります。

専門スキルや資格、これまでの成果といったスキルフィットはもちろん重要です。しかし、素晴らしいスキルがあったとしても、それを自社において成果につなげられるかは人材の行動特性や思考性、ストレス耐性などが深く関係してくるでしょう。

『ミイダス』は、この書類だけでは見えてこない人材の特徴を分析・可視化できるツールです。

『ミイダス』はどういうサービス?

ミイダスの操作画面
『ミイダス』は、自社にフィットする人材を特定・アプローチできるアセスメントリクルーティングサービスです。

『ミイダス』では、以下の流れで中途採用を含む人材採用が行えます。
  • 分析
  • 要件定義
  • 評価
  • 採用
『ミイダス』を中途採用に使う場合、まず、既存社員の分析(活躍要因診断)を使って自社の組織や活躍している人材の特徴を可視化します。

分析から見えた特徴は、採用の要件定義や構造化面接に活用可能です。また、入社後のマネジメントにも役立てられます。

さらにミイダスの求職者データベース(約88万人、2022年9月時点)から、自社にフィットする特性を持った人材を検索・閲覧することも可能です。活躍する人材の分析から採用までワンストップで提供します。

『ミイダス』は詳細な検索項目で欲しい人材にスカウトが可能

『ミイダス』では、以下のような細かな条件検索が可能です。
▼(例)営業人材の獲得を目指す場合
提案型営業
顧客規模
商材単価
目標達成率 など
検索した人材に対して、『ミイダス』から直接スカウトを出すこともできます。最短1日でスカウトまで行えるため、急な欠員補充でも使いやすいツールです。

さらに、
  • 検索条件の入力
  • 検索条件の保存
  • スカウト設定
上記の流れでスカウト条件を設定すれば、新しいユーザーが条件に該当した際、自動的にそのユーザーへスカウトが配信されます。そのため、条件に当てはまる新規登録者を随時確認する手間や時間も省略可能です。

「ミイダス」に登録している中途人材の詳細画面には、スキルや経験、コンピテンシーなどの情報も表示されています。

さらに『ミイダス』の利用料金は定額制で、期間中に何人採用しても追加費用はありません。採用担当者の負担を解消するとともに、中途採用にかかるコストも削減できます。

入社後のアフターフォローも組織サーベイで可能

ミイダスの組織サーベイの画像
また、入社後のミスマッチの原因となるアフターフォローもミイダスで対応できます。
ミイダスのサービスの1つである「組織サーベイ」は、社員に毎月アンケートに答えてもらうことで、1人1人の変化や傾向を分析します。きめ細やかなフォローが可能となるため、ミスマッチによる離職防止にもつながります。

まずは無料で始められるミイダスの活躍要因診断をお試しください!

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

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