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組織開発とは?基本の流れと目的別フレームワークを解説

組織開発とは社員同士の関係性を改善し、組織のパフォーマンスを高める目的で実施する取り組みです。近年、働き方の多様化が進む中、あらためて組織開発の重要性が見直されるようになりました。

とはいえ、「組織開発といっても、何から手をつければ良いのか分からない」と悩む方も少なくないでしょう。

本記事では組織開発の定義やその効果、実践手順について詳しく解説します。目的別のフレームワークも6種ご紹介しますので、ぜひ貴社の組織開発にお役立てください。

なお、社員のコンディションを把握する方法を解説したお役立ち資料を以下にご用意しています。無料ですのでぜひご活用ください。
【お役立ち資料】部下のモチベーションを把握する、その方法とは

組織開発(OD)とは?

パソコンを見ながらノートにメモを取る男性
組織開発とは、社員自身が組織の問題点を探り当て、課題解決に向けたアプローチをすることです。アメリカで1940年代に発祥し、英表記「Organization Development」を略して「OD」とも呼ばれます。

「開発」と聞くと、外部のコンサルタントが組織開発を進めるイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、実際に組織開発を進めるのは社員自身であり、組織を構成するメンバーが当事者として問題点を探究し解決策を講じます。

組織開発の目的は組織で働く人と人との関係性向上や、組織の活性化です。「うまく動かない組織」を「うまく動く組織」に変えるため、意図的に組織内の関係性に働きかけていきます。

組織開発と人材開発の違い

開発の対象にあります。

人材開発でターゲットにするのは「個人」です。個人の能力を高めることで、組織の成長を促します。例えば、社内研修やOJTを通じて個人のスキルを伸ばすアプローチは「人材開発」に分類されます。

対して組織開発でターゲットとするのは「人と人との関係性」です。個人だけでなく、下記のように組織内のさまざまな関係性に働きかけていく点に特徴があります。
・上司と部下
・先輩・後輩
・同期同士
・チーム間
・所属部署間
・部署と部署 など
上司と部下のコミュニケーションを円滑にする目的で1on1ミーティングを実施したり、企業理念を策定して社員の共通認識を高めたりといった取り組みは「組織開発」にあたります。

どちらも企業力を高める目的で実施されますが、開発のターゲットが異なるため、アプローチの仕方も異なります。組織開発の実践方法やフレームワークについては、後ほど詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

<関連記事>人材育成の課題とは?5つの解決策と成功事例を解説 
<関連記事>コンピテンシーを人材育成に取り入れるメリットや導入方法、注意点を解説

組織開発が注目される背景

では、なぜ組織開発の重要性が高まっているのでしょうか。組織開発が注目される背景には以下2つの要因が挙げられます。
  • 人材の多様化
  • 加速する個業化
一つずつ見ていきましょう。

人材の多様化

組織を構成するメンバーの多様化が、組織開発に注目が集まる要因として挙げられます。

かつての日本企業は男性正社員の割合が圧倒的でありましたが、近年では、人材の多様化が大きく進みました。女性や高齢者、外国人、障害者などの雇用が増加するとともに働き方も多様化しています。正規雇用だけでなく、派遣労働者や業務委託契約で働く者など、雇用形態もさまざまです。

社員の属性も働き方も違うため、仕事に求めるものや会社への帰属意識といった価値観も異なります。そのため、従来の画一的な組織よりも、組織の方向性を統一することが難しい現状があるのです。社員同士の歩み寄りを促す組織開発がさらに求められています。

加速する個業化

近年のITシステムやリモートワークの普及により「個業化」が加速し、組織開発の必要性がより見直されるようになりました。

自分一人で仕事が完結するため、業務の個業化は生産性が高いと言えます。しかし一方で、社員同士が話し合って協働する機会は減り、コミュニケーションが希薄化。
その結果、チーム力の低下によって組織の一体感が薄れつつあるのです。また一人で仕事を抱え込むことでメンタル不調を訴える社員も増加。こうした状況を背景に、職場におけるチームワークや互いに協力し合う空気感を取り戻すアプローチとして、組織開発が注目されています。

多様化する時代に求められるコミュニケーションのあり方については、下記の記事で詳しく解説しています。合わせてお読みください。
<関連記事>働く人の価値観が多様化する時代に求められる組織コミュニケーションの在り方とは?

組織開発実践7ステップ

さまざまなビジネスマンと都市の合成写真
組織開発の手順を以下7工程に分けて解説します。順番に見ていきましょう。
1.現状把握
2.収集したデータ分析
3.フィードバックミーティングの実施
4.アクションプランの作成
5.パイロット運用
6.効果検証
7.成功事例を全社に共有
ここで紹介するのはあくまで基本手順です。組織開発にルールはないため、組織の状態や取り組みの進捗に合わせて、対応を変化させても問題ありません。

手順①現場把握

まず組織の現状を把握しましょう。組織内でどのような問題が起こっているのかを可視化していきます。

現状把握の方法は例として下記の通りです。
  • アセスメント(組織風土調査、ストレスチェック、社員満足度調査など)
  • ヒアリング
  • 日頃の職場の様子を観察 など
現状把握で大切なのは、具体的な事実に着目すること。「なんとなく職場に活気がない」など漠然とした「印象」を取り上げても、課題の本質は見抜けません。

「なぜ活気がないと思うのか?」「活気がないと感じた具体的なエピソードは何か?」といった「印象」を掘り下げて、事実を導き出す工夫も必要です。また、アセスメントツールの活用により数値的なデータを集めると、目に見えない問題を可視化できるでしょう。

客観性が高い情報を集めることで、的確に組織の問題を見極められるでしょう。

手順②収集したデータの整理

続いて「現状把握」で収集したデータを整理しましょう。質問項目ごとに似ている回答をまとめ、何人のメンバーが同様の回答をしたかを記載します。例えば下記の通りです
  • 「営業と事務の連携がうまくいっていない」(8人)
  • 「定例会議の意味が感じられない」(3人)
  • 「コミュニケーションが不足している」(5人)
整理したデータは後ほど社員にフィードバックします。グラフなどを用いて視覚的に見やすくするのもおすすめです。

手順③フィードバックミーティングの実施

整理した収集データを社員にフィードバックしましょう。ミーティングの冒頭で調査結果を報告し、報告を受けての感想や日頃感じていることを率直に話し合う流れで進めましょう。

ミーティングの目的は現場課題の共有です。無理に意見を集約したり、意思決定をしたりする必要はありません。

互いの「違い」を把握し合う意識で進めましょう。

手順④アクションプランの作成

フィードバックミーティングで現場課題を共有した後は、アクションプランを作成します。これは問題解決に要するタスクの明確化を図り、今後取るべき行動を整理する作業です。。

アクションプランの作成は以下の手順で行います。
1.具体的な数値目標を立てる
2.タスクの優先順位を決める
3.タスクを実行する担当者を選定する
4.目標達成までのスケジュールを決める
例えば「四半期ごとに売上を15%増やす」といった数値目標(最終目標)を定めたら、ゴールから逆算して中間目標を設定し、タスク処理の優先順位を決定します。具体的なタスクの順番が決まったら、実行する担当者を選んでスケジュールを組み立てましょう。

組織開発手法を用いた対話の場を定期的に設けたり、日常業務で心がけるポイントを決めたりといった取り組みも効果的です。できるだけ多くの意見を引き出すようにしましょう。

手順⑤パイロット運用

アクションプランが決まったら、まずはパイロット運用(試験運用)を行いましょう。アクションプランの本格運用を始める際にメリット・デメリットを把握でき、計画の見直しに効果が期待できます。

小さなグループ単位で成果を出し、部門全体へ、全社へと段階的に拡大するプロセスで進めます。長期的な視点で、小さな段階から実践を重ねることが重要です。

手順⑥効果検証

パイロット運用を終えたら、施策の効果を検証します。効果を発揮した案とそうでない案の違いは何か、客観的に勝因敗因を分析しましょう。

検証と実践を繰り返すことで、課題に対する適切なアプローチ法が見えてきます。

手順⑦成功した施策は組織全体に共有

パイロット運用で成功した事例は、組織全体に共有しましょう。手順⑥の効果検証で問題点を洗い出し、ブラッシュアップしたうえでの共有をおすすめします。

成功事例を共有することで、組織全体が活性化し組織の成長へと繋げられるでしょう。

【目的別】組織開発のフレームワーク

 机に散らばる色鉛筆
続いて、組織開発で役立つフレームワークを6つご紹介します。目的に合ったフレームワークを活用することで、効率良く課題解決を測れるでしょう。

解説するのは以下6つのフレームワークです。
・ミッション・ビジョン・バリュー
・OKR
・タックマンモデル
・サーベイフィードバック
・アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
・ワールドカフェ
組織開発の目的と照らし合わせながら、具体的な内容を見ていきましょう。

【目的①】組織の目標を達成させたい

組織の目標管理に役立つのは以下のフレームワークです。
・ミッション・ビジョン・バリュー
・OKR

ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリューは企業の根幹を示す三要素を言語化するフレームワークです。活動方針や意思決定に迷いが生じた際、社員が立ち返る判断基準として役立ちます。

企業理念にも使われることが多いフレームワークです。ミッション・ビジョン・バリューは下記3つの要素で構成されています。
ミッション・ビジョン・バリューピラミッド
存在意義や価値観の明確化により、経営陣から社員まで共通認識をつくることができます。ブレない経営判断、目標設定、方針策定が可能になるでしょう。

より具体的なイメージを膨らませるために、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)ミッション・ビジョン・バリューの例を見てみましょう。
ミッション
世界に喜びと驚きを

ビジョン
インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして、世の中にデライトを届ける

バリュー
・「こと」に向かう
・全力コミット
・2ランクアップ
・透明性
・発言責任
引用元:株式会社ディー・エヌ・エー「ミッション・ビジョン・バリュー」
企業の価値観そのものを体現する言葉こそ、ミッション・ビジョン・バリューと言えます。

OKR

OKRは目標管理手法の一つ。高い目標を達成するために用いられる手法です。「Objective(目標)」KRは「Key Results(成果指標)」の頭文字に由来してOKRと呼ばれています。

下図のように会社の目標と結果(達成度合い)を「チーム」や「個人」に細分化して落とし込み、可視化します。
OKRのフローチャート
目標と結果の可視化により、全社員・組織の方向性とタスクを明確化。

GoogleやFacebookといった名だたるIT企業にも導入され、大きな成果を出しています。

【目的②】組織の現状を的確に把握したい

組織の現状把握に役立つのは下記フレームワークです。
・タックマンモデル
・サーベイ・フィードバック

タックマンモデル

タックマンモデルは1965年に心理学者タックマンが提唱したチームビルディング手法です。下図のように組織の成長段階を5段階に分け、段階ごとに求められるチーム作りを定義しています。
タックマンモデルの成長段階
効率良くチーム作りを進めるには、チームの成長段階に応じた働きかけが必要です。タックマンモデルに当てはめてチームの状況を理解すれば、「今何をすべきか」といった自身の役割を認識しやすくなるでしょう。

チーム作りの羅針盤として役立つフレームワークです。

サーベイ・フィードバック

サーベイ・フィードバックとは社員への調査・アンケート結果などを、本人や該当組織に伝える一連の流れを指す言葉です。組織の客観的な評価を現場にフィードバックしてチームでの対話を生み出し、課題改善へとつなげていきます。

組織で実施されるサーベイは以下の4つが挙げられます。
・組織サーベイ
・パルスサーベイ
・エンゲージメントサーベイ
・モラールサーベイ
調査内容に応じてサーベイを使い分けましょう。社員の生の声を拾うことで、組織改善に有用なデータを得られます。

サーベイの実施は自社独自に実施するより、市販のサーベイ・サービスの活用をお勧めします。自社でサーベイを設計・運用するのは大変な労力を要するためです。

ミイダスでは、組織開発に必要な情報を効率良く集め分析までできる「組織サーベイ」をご用意しています。ミイダスの組織サーベイについては、記事後半で詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録してフィッティング人材分析機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後のご利用は無料です。

フィードバックの方法については下記の記事で詳しく解説しています。さらに深く学びたい方は合わせてお読みください。

<関連記事>フィードバックとは?意味や重要性、効果的に実践するためのテクニックを紹介

【目的③】組織を盛り上げたい

「組織を活性化させたい」

そんな場合におすすめのフレームワークは下記2点です。
・アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)
・ワールドカフェ

アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)

アプリシエイティブ・インクワイアリーは組織や人の「強み」に注目するフレームワークです。Appreciativeは「価値がある、肯定的に評価する」、Inquiryは「探究」という意味です。

多様性の高いチームが協働する際に、とくに役立つフレームワークと言えるでしょう。互いの「問題」を指摘し合う対話ではメンバーは自信を失い、改善に向かう建設的な議論が難しくなりがちです。

アプリシエイティブ・インクワイアリーを用いた議論では、「どちらが正しいか」と結論づけません。お互いの強みを肯定し合います。

違いを認め合いながら、ともに望む未来の実現に向けて、どうあるべきかを話し合う点に特徴があります。

そのため、問題を指摘し合う議論より、メンバーがポジティブに課題解決に努められるメリットがあるのです。組織・個人の強みやポテンシャルの発見、夢や目標の再認識、視野の拡大、理想像の共有などを期待できるでしょう。

ワールドカフェ

様々な意見を引き出す際に効果的なのはワールドカフェと呼ばれる対話手法。一般的な会議の場では雰囲気が堅苦しく、意見が出づらい面があるでしょう。

しかしワールドカフェは、リラックスした雰囲気で行うため、より自由で創造的な意見を引き出しやすくなります。

ワールドカフェは4〜6人の小グループを編成し、メンバーを入れ替えながら対話を進めます。下記の手順で行いましょう。
ラウンド1:各テーブルに4~6人が座り、提示された「問い」について対話する(机の上の模造紙にいたずら書きをしながら)。20~30分間。

ラウンド2:次に1人をホストとして残して他のメンバーは他のテーブルへ移動する。先ほどの対話の内容を紹介しあった後、テーマについての対話を続ける。各テーブルで生まれたアイデアが混ざっていく(他花受粉)。20~30分間。

ラウンド3:はじめのテーブルに戻ってどんな意味が流れているかを感じながら対話する。20~30分間。ラウンド1~3を必要なだけ繰り返す。

振り返り:カフェ・ホストの問いかけに応じて、参加者全員で得られた気づきを共有して終了。

引用元:坪谷邦生「図解 組織開発入門」157ページ(Kindle版)
組織開発に効果的なフレームワークをご紹介しました。続いて、組織開発における注意点について見ていきましょう。

組織開発を進める際の注意点

ビジネス インスピレーション
組織開発を効果的に進めるために知っておきたい注意点について解説します。以下3点に注意して組織開発を進めましょう。
  • ハードとソフト両方にアプローチする
  • 「何をするか」より「何を解決するか」
  • 水面下の問題に目を向けよう
それぞれ見ていきます。

ハードとソフト両方にアプローチする

組織におけるハード面とソフト面、両方にアプローチしてこそ、組織開発​​本来の効果を発揮します。(下記参照)

【ハード面とは】
  • 組織構造
  • 意思決定プロセス
  • 制度
  • 就業規則
  • 業務オペレーション など
【ソフト面とは】
  • 社員同士の関係性
  • 組織文化や組織風土
  • 社員のスキル
  • 価値観 など
組織課題の真因が仮にソフト面で起きている場合、ハード面での改革をどれほど行っても事態は改善されません。社員間の不仲に起因して生産性が落ちている部署に対して、福利厚生を充実させたり、制度面を改革したりしても、生産性の向上は見込めないでしょう。

ハードとソフト、両方にアプローチする組織改革が重要です。

「何をするか」より「何を解決すべきか」が大事

組織開発において、ありがちな失敗は「手法ばかりを追いかけること」です。組織の根本的な問題を見定めずに、解決策や手法を考えても望む結果は得られません。

「最近のトレンドは◯◯という手法らしい」
「大手A社が実践するフレームワークを導入すれば、我が社でも高い効果を得られるだろう」

上記のように、他者で成功した方法を採用しても、自社でも期待する効果がみられるとは限りません。手法は組織が目指す方向性やあり方に沿って選ぶべきでしょう。

水面下の問題に目を向けよう

「目に見える問題」の裏側には「目に見えない複数の原因」が隠れているものです。目に見える問題に捉われ、水面下の隠れた原因を見落としては的外れな組織開発になってしまいます。

例えば「組織に一体感がない」点が問題になっていたとします。問題の裏側には「社員間の関係性が不十分」「お互いをよく知らない」などの原因がありました。

ここで、原因を深掘りした場合「社員自身が目指す方向がはっきりとしていない」「企業文化が根付いていない」という真因に行き着く可能性があります。

しかし、真因まで深掘りせず「社員間の関係性が不十分」なのが問題の根本だと判断し、飲み会やイベントを企画しても解決策とはなりません。

そのため、効果的な組織開発にするには、隠れた原因・真因の究明が必要不可欠と言えるのです。

組織開発をより深く学びたい方向けの本

組織開発を体系的により深く学ぶには、専門書を紐解くことが最適です。ここでは組織開発に関するおすすめの本を3冊ご紹介します。
  • 組織開発入門
  • 組織開発の探究
  • マンガでやさしくわかる組織開発
いずれも初心者にやさしい名著ばかりです。

『図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ 』

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『図解 組織開発入門』は組織開発をイチから学びたい人におすすめの1冊です。図解が多いので、組織開発初学者でも読み解きやすい構成となっています。

筆者はリクルート社の人事コンサルタントとして8年間50社以上で組織開発を支援してきたプロフェッショナル。研究者目線ではなく、実践者目線で組織開発を解説している点が特徴的な専門書です。

どのChapterから読んでも理解できる仕立てとなっています。そのため、気になるポイントだけかいつまんで読むことも可能です。辞書的に使える点で重宝するでしょう。

経営者・人事担当者・管理職・組織で働く人、立場に応じたポイント解説は、各チャプターごとにまとめて解説されています。

引用元:図解 組織開発入門 組織づくりの基礎をイチから学びたい人のための「理論と実践」100のツボ(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』

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日本の人事部「HRアワード2019」書籍部門・最優秀賞受賞した『組織開発の探究』。
総ページ数408ページの大ボリュームでありながら、スルスル読める読みやすさが特徴的です。

専門用語を使わずに、いかに分かりやすく伝えるかが工夫されているため、初心者でも読みやすくなっています。人材開発の研究者・中原淳教授と組織開発の研究者・中村和彦教授がタッグを組んで書かれた同書。組織開発の源流を辿りつつ、組織開発とは何か、組織開発の歴史的変遷や各種理論を体系的に学べます。

実際の写真付きで組織開発の事例も詳しく解説されています。

引用元:組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす(ダイヤモンド社)

『マンガでやさしくわかる組織開発』

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楽しく学ぶには漫画の組織開発解説本もおすすめです。『マンガで優しくわかる組織開発』は、南山大学中村和彦教授による、組織開発の入門書。

ストーリー仕立てで組織開発を学べるため、現場が実践する様子をよりイメージしやすいでしょう。専門書としてだけでなく、サクセスストーリーとして楽しむこともできます。漫画の合間に入るテキスト解説も秀逸です。

マンガで優しくわかる組織開発のストーリーは下記の通りです。

主人公は自動車販売店の店長・魁忠治。魁が新しく赴任した店舗は業績が良いものの、休職者や退職者が多いという問題を抱えていました。そこで魁は自社の組織開発チーム・水科に相談したところ、店舗内に組織開発のコアチームを作るよう命じられる……。

引用元:マンガでやさしくわかる組織開発(日本能率協会マネジメントセンター)

組織開発に取り組む企業事例

最後に組織開発の事例を見ていきましょう。ここで取り上げるのは、株式会社オージス総研の事例です。

株式会社オージス総研

オージス総研は大阪ガスの情報システム部門が独立して創業された情報サービス業です。社員数は連結で3371人、単体で1423人(2018年3月)システム開発だけでなく、顧客のニーズに応える形でコンピュータ機器・ソフトウェア販売、コンサルティングサービスなど総合的なサービスを提供しています。

オージス総研が組織開発の一環として2013年に発足させたのが「アジャイル改善塾」です。
現場ごとにマネジメントの主体となる社員を集めて、良いマネジメントを学ぶ場を立ち上げました。

この塾では週に1回、現場のリーダー層を塾生として集め、講義やワークショップを実施。そこで学んだことを各塾生の現場に持ち帰り、実践してもらいます。

続いて次の塾では、塾生が相互に職場を巡回し、改善活動の効果を確認し指摘し合います。
考え方を教わり、実践し、結果を確認するというサイクルを繰り返すのわけです。

こうした改善活動により、オージス総研では塾生だけでなく、現場のメンバーを巻き込んで知恵や工夫を出し合う場が活性化しました。画一的・強制的にやらされるのではなく、率先して組織開発に取り組めるようになったと言います。

改善力を高めたオージス総研ではユニークな取り組みが次々と誕生しています。

朝の挨拶を言葉から握手、握手の次はハイタッチといった具合にグレードアップしていく「ハイグレード挨拶」や、ラジオ体操を得点化するスマホアプリを使った「ラジオ体操」を行なったチームもあったそうです。

社員自身が生き生きと組織開発に取り組む様子が伝わる事例です。

参考:株式会社オージス総研「ソフトウェア維持管理の現場改善(4)」

組織開発において人事部門が果たす役割とは?

組織開発において、最終的に目指すところは経営目標の達成であり企業の成長です。コミュニケーションの活性化や生産性向上は最終目標達成に向けた、いち施策に過ぎません。

そのため、組織開発を現場の社員に任せるだけではなく、経営層と一体となって、人事部門も率先して組織開発に介入すべきでしょう。

組織全体を俯瞰しながら、現場の組織開発の方向性を確認しサポートすることが大切です。効果的な介入ができるよう、人事部門自身もコーチングやファシリテーションスキルを強化することも必要でしょう。

組織の現状把握にミイダスのアセスメントツールを活用しよう

ミイダスのサービス画面を写したパソコンとスマートフォン
「ヒアリング調査を実施したが、なかなか本音を引き出せない……。」
「調査結果の共通項を見つけるのが大変」
「どのような社員がいるのかを手軽に知りたい」
このようにお悩みではありませんか?


組織開発において最も重要なのは、組織の現状把握です。的確に組織課題の真因を掴んでこそ、組織の成長に繋がる組織開発が実現します。しかし、この現状把握こそ実は難しいもの。

社員の多様な価値観や捉え方の違いを考慮しつつ、それぞれに共通する本質的な課題を見出すには、分析する側に技術的なスキルが求められるからです。

そこでぜひご活用いただきたいのが、ミイダスの「コンピテンシー診断」と「組織サーベイ」
これらのツールを活用すれば、目に見えない組織の現状をデータとして可視化できます。

以下、コンピテンシー診断と組織サーベイの特徴を解説します。

コンピテンシー診断で組織の特徴を可視化

ミイダスのコンピテンシー診断は、4分野41項目のコンピテンシーから、自社で活躍する社員の行動特性や思考性を分析します。「上司と部下の相性」「ストレスを感じるポイント」といった組織で活用できる項目を多数含んでいます。

面談ではわからなかった内面部分を数値化して教えてくれるので、より組織課題の真因に近づけるでしょう。診断の内容は各組織ごとに分析可能です。組織ごとに切り替えて、社員の特徴を分析すれば、組織全体の特徴がわかります。

他組織と比較して自組織に足りない部分を炙り出せば、改善策も打ちやすくなるでしょう。

<関連記事>コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説

社員のコンディションを定点観測するには「組織サーベイ」

コンピテンシー診断に加えて、ミイダスの「組織サーベイ」を活用すれば、組織開発に役立つデータを効率的に収集できます。

ミイダスの組織サーベイとは、社員やチームのコンディションをカテゴリ別に可視化する機能です。月1回5分程度で完了するアンケートに答えるだけなので、社員に負担をかけません。

結果が明確で理解しやすいのも嬉しいポイント。「やりがい」「ミッション」「健康」「支援」「人間関係」「組織」の6つカテゴリから欲しい項目だけ選択することも可能です。

モチベーションやエンゲージメントといった内面的な項目は、第三者的には把握しにくいもの。データで調査できる点はメリットと言えるでしょう。

組織サーベイの利用にはミイダスの有料契約へのお申し込みが必要です。有料契約の期間中は、組織サーベイを追加料金なしでご利用いただけます。

コンピテンシー診断は今なら無料で15名まで診断可能です。「的確に組織の現状を把握したい」「精度の高い組織開発にしたい」とお悩みの方はぜひミイダスのアセスメントツールをご活用ください。

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