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採用

ATS(採用管理システム)とは?採用に使うメリット・デメリットや機能、種類、選び方を解説

一口に採用活動と言っても、計画の立案・求人媒体の選定・説明会のセッティング・選考管理など、業務内容は多岐にわたります。

採用担当者は、これらの業務と並行して通常業務もこなさなければならず、慢性的なリソース不足や人的ミスの増加が大きな問題となるでしょう。

こうした状況を改善するツールとして、近年注目を集めるのが「ATS(採用管理システム)」。このATSを採用に活用するメリットやデメリット、主な機能などを本記事で詳しく解説します。

採用活動における負担軽減やコスト削減を目指す担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【関連記事:【人事必読】採用プロセスの改善・効率化方法を解説!新卒と中途採用のどちらにも効果的
【関連記事:採用プロセスを改善するには?採用プロセスの課題の見つけ方

ATS(採用管理システム)とは?基礎知識を解説

システムを活用するイメージ
ATS(採用管理システム)は「Applicant(応募者) Tracking(追跡) System(システム)」の略で、採用にかかわる業務を一元管理し、採用業務の効率化を目指すシステムです。

ATSが管理している機能は、主に以下の5つです。
  • 求人管理:自社求人サイト作成・検索エンジンの上位表示による母集団形成
  • 情報管理:履歴書データや各種情報の管理
  • 選考管理:選考の進捗管理・面接の日程自動管理・評価内容の社内共有
  • 内定者管理:内定者通知やフォローの自動化
  • データ分析・可視化:媒体ごとの効果測定・分析による採用活動状況の発見
煩雑化しやすい採用業務の工数を大幅に削減できることから、ATSを導入する企業は年々増加しています。しかし、ATSの種類によって得意とする部分は異なります。

導入を検討する際は、自社の採用プロセスにどういった課題があるかを入念に分析し、不足する工程を補う目的で検討するのがポイントです。

採用工数やコストの削減については、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:採用工数とは?見直せばコスト削減や採用成功につながる!
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ATS(採用管理システム)が注目される理由

採用活動を行う企業からATSが注目を集める理由は、主に6つあります。
  • 働き方改革による業務効率化ニーズの高まり
  • 採用基準の明確化
  • 情報端末の普及
  • 労働力人口の減少
  • 無料で利用可能なATSの存在
それぞれ見ていきましょう。

働き方改革による業務効率化ニーズの高まり

働き方改革の施行によって残業や休日出勤の規制が一段と強まり、違反した企業には罰金刑が処されるようになりました。

こうした動きから、採用業務においても業務の効率化が求められた結果、限られた人的リソースで採用活動を最大限効率化できるATSに注目が集まっているのです。

【関連記事:働き方改革の悪影響とは?管理職への負担を抑えて推進する方法

採用基準の明確化

採用業務において人事・現場・役員が関わることが多々あると思います。こうした体制で採用業務を行った結果、書類選考担当者や面接官によって採用基準にズレが生じた経験は多いのではないでしょうか。

選考担当者の主観・バイアスを排除し、公平な採用基準で求職者の採否を判断するには、明確な採用基準の作成や担当者への周知を可能とするATSの機能が欠かせません。

情報端末の普及

PC・タブレット・スマートフォンといった情報端末の普及により、求職者はいつ・どんなときでも手軽に求人情報を閲覧できるようになりました。

裏を返せば、各種媒体や自社ホームページからの応募に迅速な対応をしなければ、競合他社に優秀な人材を確保されてしまう状況になったと言えます。

こうした社会的な変化に伴い、採用業務を最大限効率化できるATSの存在に注目が集まっています。

労働力人口の減少

少子高齢化などの影響により、日本の労働力人口は減少の一途をたどっています。

総務省統計局が2022年に公表したデータによると、労働力人口は2022年平均で6,902万人であり、前年比マイナス5万人となっています。
労働力人口の推移
引用:総務省統計局「労働力調査(基本集計) 2022年(令和4年)平均結果

今後も長期化する少子高齢化時代に伴い、いかに優秀な人材を確保して競合他社と差別化を図っていくかを考えると、採用業務の効率化と質の改善に役立つATSが欠かせないのです。

【関連記事:人手不足が深刻化する日本ー5つの原因と企業が実施したい6つの対策

無料で利用可能なATSの存在

ATSのサービスを提供している企業は数多くありますが、その中でも無料で一部の機能を利用できるATSに注目が集まっています。

無料で利用できる範囲は各社で異なりますが、主に「面接日程の調整」「求人掲載ページの簡易作成」「メール自動返信」などの機能を提供するケースが多くあります。

まずは無料版で機能を試し、自社にとって適切なサービスかを見極めたうえで有料版に切り替える企業が増えていると考えられるでしょう。

ATS(採用管理システム)の導入によって削減できる工数やメリット

空と歯車
ATSの導入によって削減できる工数、およびメリットには主に以下の6点が挙げられます。
  • 募集広告の出稿手続きが簡素化される
  • 履歴書・職務経歴書のデータ入力業務が省略できる
  • 応募者情報の自動整理と管理が可能
  • 面接・選考スケジュール調整を自動化できる
  • 選考結果の自動集計とレポート作成が可能
  • アンケート調査の結果を収集し採用改善に活かせる
一連の採用業務を段階別に効率化してくれるATSの導入によって、大幅なリソースの削減が期待できます。

詳しい内容を見ていきましょう。

募集広告の出稿手続きが簡素化される

求人広告の出稿は各媒体に手動で手続きするのが主流でしたが、ATSを導入することで登録した求人情報を複数の媒体に一斉配信できるようになります。

たとえば、求人情報をWebサイト・求人誌・新聞広告などの媒体に掲載する際、求人情報の入力・修正・削除が一元化されるため、媒体ごとに発生する掲載までの工数を削減できます。

また、一度ATSに求人情報を入力すれば、求人情報を掲載している各媒体のアクセス数や応募数のデータを取得できるため、今後の求人広告戦略の改善につながります。

履歴書・職務経歴書のデータ入力業務が省略できる

応募者から集めた履歴書や職務経歴書は、採用担当者が手動で一つずつ入力するのが従来のやり方でした。しかし、ATSを導入すれば書類データを電子化し、データ入力を自動で行えるようになります。

これにより、複数の採用担当者が逐一データ入力する手間が省けるほか、入力ミスや漏れの防止にもつながります。人的エラーを予防できれば、工数削減に大きな効果をもたらすでしょう。

応募者情報の自動整理と管理が可能

各媒体からエントリーされた応募者情報を一つずつ目視すると、情報の確認漏れなどの人的エラーが起こる可能性があります。

しかし、ATSを利用すれば、どの媒体からエントリーされた情報でも一括管理が可能なため、情報管理の質向上や人件費の削減につながるのです。

応募情報は自動的にATSのデータベースに登録されます。選考が進むと自動的に情報が整理され、誰がいつ面接を受けたか・どのステップにいるのかが一目で分かるため、採用プロセスの進捗状況を素早く把握可能。

また、これまでの応募者情報はATSに蓄積されるため、新たな求人を掲載する際に過去の応募者情報を参照し、適切なスキルを持った人材の特徴をスムーズに探し出せます。

面接・選考スケジュール調整を自動化できる

ATSには応募者と採用担当者のスケジュールを自動調整する機能があるため、個別にスケジュールを組む必要がなくなります。

具体的には、採用担当者が事前に入力していた条件と、応募者が入力した面接希望日時を自動調整し、最適な面接日程を設定します。日時の変更や応募者とのやり取りも、ATS上で自動的に行えるため、個別対応の時間と手間を節約可能です。

選考結果の自動集計とレポート作成が可能

ATSに選考結果を入力すると、応募者ごとのデータを集計したレポートを自動作成してくれます。従来の方法では選考結果の集計作業は手作業だったものが自動化されるため、大幅なコスト削減につながるでしょう。

また、選考結果のデータを定量分析し、採用成功率・面接の評価点・採用プロセスの短縮化につながる情報をレポートにまとめられるため、採用プロセスの改善や人材採用戦略の立案に役立ちます。

レポーティングの自動化は、会議資料や報告資料作成の簡略化にもつながり、人事部門のルーティーン作業の効率化にも貢献します。

業界ニーズや企業戦略の変更によって求める人材像も変化し、それに伴い採用プロセスも都度変更が必要です。変更のたびに人力でデータ分析するのは骨が折れる作業ですが、ATSに一任できれば迅速な採用業務の遂行が可能となります。

アンケート調査の結果を収集し採用改善に活かせる

入社1ヶ月後や半年後などに定期的なアンケートを実施し、社員の意見を自動収集する機能があります。これにより、採用ミスマッチの有無などがチェックできるため、採用改善策に活かせます。

このように、ATSは採用業務全般を効率化できる優れたツールです。さらに「ミイダス」のアセスメントツールを併用することで、自社に適した人材を的確に発掘し採用できるようになります。

たとえば、ミイダスが提供するサービスの一つである「コンピテンシー診断」を活躍人材に受験してもらうことにより、求める人材像の参考となる「コンピテンシーモデル」を作成可能です。

【関連記事:コンピテンシー診断とは?導入事例や使用方法も解説
【関連記事:コンピテンシーモデルとは?5つのモデル化手順と注意点を徹底解説!

コンピテンシーモデルをもとに、活躍人材と似た特徴を持つ求職者を発掘できるため、採用後ミスマッチの防止に役立ちます。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
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ATS(採用管理システム)の導入によるデメリット

DEMERITの文字
ATSの導入は採用活動の効率化に役立ちますが、一方で事前に把握しておきたいデメリットもあります。
  • 各種コストが発生する
  • 導入プロセスが煩雑
  • 操作方法を覚えるのに時間がかかる
  • 現行プロセスとマッチしない可能性がある
  • 不具合の修正やメンテナンスに時間がかかる
これらのデメリットを考慮せずに導入してしまうと、ATSの機能と自社の要望がマッチしなかったり、予期せぬコストが発生したりする可能性があります。

具体的な内容を見ていきましょう。

各種コストが発生する

ATSの導入費用は「初期費用」「月額料金」「オプション料金」の3つです。

【初期費用】

初期費用はATSの種類で大きく異なります。

近年主流となっている「クラウド型」のサービスだと初期費用無料で利用できますが、オンプレミス型の場合はATS本体とは別にサーバー費用なども発生します。

費用の相場は0円〜20万円程度です。

【月額料金】

ATSは月々の利用料金も発生します。登録した応募者数に応じて「○名から○名まで:月額○万円」とするものや、基本機能を利用する基本料金で提供しているものまでさまざまです。

月額料金によって提供されるサービスも異なるため、月額料金とATSの機能の両方をきちんと見積もりしておきましょう。

なお、ATSの種類によっては年額で利用できるケースもあるほか、オンプレミス型だと基本的には月額料金がかかりません。

【オプション料金】

基本機能だけでは自社の採用業務の効率化がかなわない場合、オプションを追加する際に発生する料金です。

オプションには、たとえば採用媒体との自動連携、サポート窓口のサブスクリプションなどがあります。

オプション追加の際の料金は、ATS本体を導入するときに確認しておくのが良いでしょう。

このようにATSの導入には各種費用がかかります。ATS導入後のミスマッチを回避するためにも、機能と料金の2つは慎重に検討しなければなりません。

導入プロセスが煩雑

ATSの導入やカスタマイズ、トレーニングなどを行うため、プロジェクトマネージャーや専門の担当者が必要です。そのため、導入にかかる時間やコストが増加する可能性があります。

また、既存の採用プロセスやデータ移行などの作業が必要になることから、導入するだけでも相当な工数が発生します。導入前に工数の確認や準備を十分に行いましょう。

操作方法を覚えるのに時間がかかる

採用に携わるすべての社員がATSを使用するため、各自操作方法を習得する必要があります。該当する社員が多いほど操作の習得には時間がかかるでしょう。

また、なかには操作方法の習得を面倒くさがる社員もいるかもしれません。ATSの活用がいかに重要か、また操作は意外と簡単である旨を理解してもらい、確実に使ってもらえるよう配慮する必要があります。

現行プロセスとマッチしない可能性がある

これまで取り組んできた採用プロセスと、導入したATSの機能がマッチしない可能性もあります。

どのようなATSでも、導入すれば確実に採用活動が効率化するわけではありません。採用プロセスのどの部分を効率化したいのか、どのような機能が欲しいかを細かく検討しておかなければ、ミスマッチにより多額の費用が無駄になってしまいます。

不具合の修正やメンテナンスに時間がかかる

導入後のATSに起きる不具合の修正や定期的なメンテナンスには時間がかかるため、その間はあらゆる機能が利用できなくなります。

不測の事態が起きた時の対応マニュアルなどを整備しておくと、進行中の採用業務をスムーズに遂行できるでしょう。

なお、ここまで紹介してきたデメリットは、いずれも導入前にATS提供企業と細部まで話し合い、改善策を講じたり納得しておいたりすることで回避可能です。

ATS(採用管理システム)の種類

データと男女のシルエット
ATSには「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。

オンプレミス型ATS

オンプレミス型ATSとは、企業内に専用のサーバーや通信回線、システムを設置し、自社ネットワークからシステムを利用するタイプを指します。

専用ソフトウェアを購入して自社サーバーにインストールして利用するため、インターネットを経由せずに利用可能。ハッキングのリスクにも強固に備えられます。

また、技術力の高い社内エンジニアがいる場合は、自社の採用業務に合った独自システムの構築も可能です。IT環境が整っている企業向けといえるでしょう。

なお、サーバーの設置や保守・管理に加えてシステムの更新やバージョンアップも自社で行う必要があるので、社内業務の増加は覚悟しなければなりません。

クラウド型ATS

インターネットを通じてサービスを提供するのがクラウド型ATSです。データをクラウド上に保存するため、社内専用サーバーなどを設置する必要がありません。

契約後はスピーディーにサービスを利用できるほか、初期費用が無料のタイプが多く、中小企業でも比較的簡単に導入できます。

導入ハードルは低い一方、月額料金の発生やセキュリティ面の懸念、インターネット環境が不安定だと導入が難しいなどのデメリットもあるので注意しましょう。

ATS(採用管理システム)の選び方

2つのプランで悩む男性
「オンプレミス型は大企業、クラウド型は中小企業」と安易に考えてはいけません。自社に必要な機能や料金を入念に検討することこそが、導入後のミスマッチ防止につながります。

ATSの導入を検討する際は、以下のチェックポイントを参考にしてください。

【ATS(採用管理システム)検討チェックリスト】
1. 新卒と中途どちらのサポートに長けているか
2. 事業規模に合っているか
3. 採用課題をカバーする機能があるか
4. 操作性(UI)が優れているか
5. セキュリティ対策が万全か
6. 既存システムとの連携がとれるか
7. LINEで応募者とコミュニケーションがとれるか
8. 料金は妥当であるか

新卒と中途どちらのサポートに長けているか

新卒と中途は採用手法が異なるため、どちらのサポートに優れたATSなのかを確認しましょう。

新卒採用に特化・中途採用に特化・いずれの採用にも対応可能なものの3種類があるので、自社に合ったものを選択してください。

事業規模に合っているか

自社の事業規模とATSの機能が釣り合っているかも重要なポイントです。

たとえば、1年に数人しか採用しない事業規模の場合、ATSの導入によって不必要なコストが発生する可能性があります。導入そのものを考え直したり、小規模事業所でも利用できるタイプを検討したりする必要があるでしょう。

事業規模や採用したい人数、無料のシステムでも十分かどうかなどを十分に検討してください。

採用課題をカバーする機能があるか

自社の採用課題を洗い出し、それをカバーする機能を持ったATSを選ぶのが効果的です。

【採用課題と検討したいATS(採用管理システム)の例】
  • 応募者を増やしたい:集客や母集団形成に優れたシステム
  • 応募者の管理を効率化したい:応募者管理に力を入れているシステム
  • 自社の採用課題が分からない:データ集計・分析・可視化ができるシステム
  • 選考管理をスムーズにしたい:選考管理の効率化が可能なシステム など

操作性(UI)が優れているか

ATSは提供企業によってさまざまなサービスが展開されていますが、もし操作が難しいと豊富な機能を活かしきれません。

まずは無料トライアルや管理画面のデモを確認し、操作性に問題がないかどうかをチェックしていきましょう。なお、応募者が操作する点も考慮しておくのがポイントです。

セキュリティ対策が万全か

クラウド型の場合、応募者の膨大な個人情報をクラウドで保存するため、情報漏洩リスクに対して十分な対策を行っているかを確認しておきましょう。

たとえば、プライバシーマークやISMS認証の取得、SSLを使った暗号化通信・データバックアップの有無・不正ログイン防止措置などが行われているかがポイントです。

一方で、オンプレミス型はクラウド型と比較してセキュリティレベルが高いですが、上記のような情報セキュリティ対策が施してあるかはしっかりチェックしておきましょう。

既存システムとの連携がとれるか

現在自社で活用している求人媒体や、タレントマネジメントシステムと連携できるかの確認も大事です。

求人媒体と連携できると、人材紹介会社とのやり取りをシステム上で管理できたり、作成した採用サイトを求人媒体に自動でアップできたりするようになります。

また、タレントマネジメントシステムと連携できるタイプであれば、採用から人材配置までをトータルで管理できるようになるため、企業全体の業務効率向上が期待できるでしょう。

【関連記事:人事課題の解決にはタレントマネジメントが重要!難しい理由と対処法
【関連記事:タレントマネジメントシステムのデメリットとは?課題解決や導入方法も合わせて解説

LINEで応募者とコミュニケーションがとれるか

新卒採用に特化したATSを検討する際、学生と密にコミュニケーションが図れるLINEと連携できるかもチェックしておきましょう。

近年の学生は、メールよりもLINEでやり取りするケースが圧倒的に多く、企業との連絡でも返信率に大きく影響します。

新卒採用の採用力向上を目指すなら、LINEと連携したATSを選択しましょう。

料金は妥当であるか

最近では初期費用無料のクラウド型に注目が集まっていますが、料金の安さだけで選ぶのは危険です。

企業規模や求める機能によっては、高性能なクラウド型やオンプレミス型の選択を視野に入れる必要があります。求める機能に対して妥当、かつ納得できる料金相場であるかを確認しましょう。

ATS(採用管理システム)の導入フロー

手順を確認する男性
ATSの選び方を確認したところで、今度は具体的な導入フローを解説していきます。

具体的には、以下6つの手順に沿って進めていきます。
1. 要件定義
2. 提案依頼
3. 提案書の比較・選定
4. 契約締結
5. カスタマイズ設計
6. 導入
ATSの導入検討時は、システムを提供する企業とも連携し、複数の視点から最適なものを選択するようにしましょう。

それでは、詳しい導入フローを解説していきます。

要件定義

まず最初に行うのは要件定義です。どの採用業務をサポートできるか、どのような機能が必要かを決めていきます。

要件定義は以下の順番で進めていきます。

1. 現状の業務フローの洗い出し

現在の採用業務の流れを詳しく洗い出し、どのような作業があり、どのような手順で進んでいるかを把握します。

2. 業務改善の検討

ATS導入によってどのような業務改善ができるかを検討します。たとえば、採用業務のスピードアップや応募者管理の効率化などが挙げられます。

3. 必要な機能の洗い出し

業務改善に必要な機能を洗い出します。たとえば、応募者管理機能やスケジュール管理機能、採用結果のレポート作成機能などが挙げられます。

要件定義は、ATS導入にあたって最も重要な作業の一つです。しっかりと現状の業務フローや必要な機能を把握しましょう。

提案依頼

複数のATSの提供企業に対して、具体的なシステム提案を依頼します。このフェーズでは、自社の業務フローに沿ったシステム提案を求めるため、以下のような情報を提供します。
  • 自社の採用業務の現状と課題
  • 導入を検討している理由や目的
  • 要件定義で明確化した項目や条件
  • 予算やスケジュールなどの制約条件
各企業から提案を受け取ったら、提案内容や費用対効果などを比較検討し、最適なATSを選定していきます。

提供企業には正確かつ詳細な情報提供を行い、提案内容と希望する機能にズレが生じないようにしましょう。

提案書の比較・選定

複数のATS提供企業から提供された提案書を分析し、最適なATSを選定します。

比較・選定のポイントとしては、以下のようなものがあります。
  • 機能性やカスタマイズ性
  • 価格や費用対効果
  • 運用・管理の容易性
  • 導入期間や導入支援
  • サポートや保守体制
これらのポイントをもとに提案書を比較し、最適なATSと提供企業を選定します。提案書の内容からATSのメリット・デメリットを把握し、導入後の運用・管理の容易性やサポート体制なども考慮しましょう。

契約締結

提案書の内容に納得し、いよいよ提供企業と契約するフェーズです。

契約書には、サービス内容・価格・納品時期・支払い条件などが明記されています。これらの項目は、提案書や要件定義書をもとに、提供企業と協議を重ねて作成します。

次に、契約書の細部の調整を行います。契約書に含まれる細かな条件や規定について協議し調整を行います。万が一の契約トラブルを回避するためにも、細かな内容もしっかり検討していきましょう。

最後に、法的な問題の確認を行います。法務部門や弁護士などによる契約書のチェックを行い、法的に問題がないか確認します。これにより、将来的に法的なトラブルが生じた場合でもリスクを最小限に抑えられます。

カスタマイズ設計

要件定義で抽出した課題を解決するには、既存システムだけでは不足する可能性もあるため、機能のカスタマイズを要する可能性があります。

カスタマイズ設計には開発者やエンジニアの知識が必要になりますが、ATS提供企業によっては専任担当者が設定に関する相談を受けられます。企業側が設計や機能追加を行う場合は、ATSの操作方法やプログラムの知識が必要です。

カスタマイズ設計によって、企業の採用プロセスやワークフローをスムーズに進められるため、より効率的な採用活動が可能になります。ただし導入コストが増えるため、慎重に検討してから行いましょう。

導入

ATS導入の主な流れは以下のとおりです。

1. システム設定

ATSの設定を実施し、利用する職種・募集ポジション・ステータス・評価方法・メールテンプレート・自動返信文などを設定します。

2. ユーザー設定

ATSを利用するユーザーのアカウントを作成し、権限を設定します。また、ユーザーに対するトレーニングや利用方法の説明を行います。

3. データ登録

応募者情報・履歴書データ・職務経歴書データなどを登録します。手動で入力する方法と、既存のファイルから一括で登録する方法があります。

4. テスト運用

システムの動作確認やテスト運用を実施し、問題があれば修正を行います。

5. 本番運用

システムの運用を開始し、利用者からのフィードバックをもとに改善を繰り返します。

以上のように、利用者がスムーズにATSを利用できるようにするため、導入フェーズでは丁寧に実施する必要があります。

ATSの機能とアセスメントツールで採用力をさらに強化できる「ミイダス」を紹介

ミイダス利用の流れ
ATSは採用業務効率化に優れたツールですが、アセスメントツールと組み合わせることにより、求める人材像に近い求職者の早期発掘や、入社後のアフターケアに効果的です。

ミイダス」は応募者管理などのATS機能も有していますが、ミイダスのアセスメントツールでは、人事課題の解決に有効な機能やサービスも提供しています。
  • コンピテンシー診断:全41項目のコンピテンシー(活躍人材に共通する行動特性)項目から人材の特徴を客観的に数値化
  • フィッティング人材分析(活躍要因診断):コンピテンシー診断の結果をもとに、自社にフィットする人材像の洗い出しが可能
  • バイアス診断ゲーム:認知バイアス(思考のクセ)の程度を測定し、組織運営に適した思考を持つ人材を絞り込める
  • 組織サーベイ:定期的に社員のモチベーションやストレスを測定し、エンゲージメント向上に役立てる
実際の活用場面では、まず自社で長期的に活躍する人材にコンピテンシー診断を受検してもらい、求める人材像となる「コンピテンシーモデル」を作成します。

このコンピテンシーモデルをもとに、フィッティング人材分析(活躍要因診断)で自社に適した人材の傾向・特徴を絞り込み、ミイダスに登録している求職者へのアプローチが可能です。

さらにバイアス診断ゲームを活用すれば、社風や価値観に合った人材をピンポイントで発掘可能。入社後は組織サーベイで定期的にモチベーションやストレスをチェックすることで、社員エンゲージメント向上につながる情報を収集できます。

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なお、ミイダスはご契約いただいた法人様限定で、コンピテンシー診断やバイアス診断ゲームの結果を業務で活かす方法を学べる動画コンテンツを提供しています。

以下に概要動画を2本用意いたしましたので、ぜひ参考にしてください。

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