人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
採用

連鎖退職はなぜ起こる?原因と対策、企業に及ぼす影響とは

「連鎖退職はなぜ起こるのだろう?」
「連鎖退職による企業への影響を知り、具体的な対策を講じたい」

と思うことはありませんか。

社内の従業員が次々と辞めてしまう連鎖退職。業務の生産性や企業イメージが低下するなど、連鎖退職が起きたときの影響は計り知れないほど大きなものです。そのため、早期の段階で連鎖退職の前兆に気付き、対策しなければなりません。

本記事では、連鎖退職が起きる原因や企業に及ぼす影響、改善に向けた対策を解説します。連鎖退職を食い止め、人手不足になるリスクを回避したい方は、ぜひご一読ください。

従業員が離職しそうな兆候にいち早く気付くには、定期的なコンディションの把握が重要です。簡単に可視化できない従業員のコンディションを知る具体的な方法は、下記の無料お役立ち資料にて解説しています。連鎖退職の防止にもつながる内容ですので、あわせてお役立てください。

【無料ダウンロード】社員のコンディション把握とは

連鎖退職とは?

人手不足で疲弊する従業員
連鎖退職とは、企業や特定の部署内で複数の従業員が相次いで退職することです。短期間のうちに複数人がいなくなってしまうため、残された従業員の業務負担が急激に増加します。すると生産性や業務品質の低下などを引き起こし、各所に影響が及ぶ悪循環に陥ってしまうのです。

最悪の場合、企業組織が崩壊して再建が必要になったり、倒産につながったりする恐れもあります。

連鎖退職が起きないよう対策を講じると共に、従業員間で起きている異変を早期に察知することが大切です。すでに連鎖退職が始まっている場合には原因を分析し、労働環境やエンゲージメントの改善に努めなければなりません。

連鎖退職が起こる5つの原因

複数人が退職を申し出るイメージ
連鎖退職が起こる原因として下記の5つが挙げられます。

1.労働環境への不満が蓄積
2.経営幹部やエース社員の離職
3.上司による不適切なマネジメント
4.人手不足による負荷の増大
5.従業員エンゲージメントの低下

それぞれについて解説していきます。

1.労働環境への不満が蓄積

現状の労働環境に不満が溜まっている可能性があります。たとえば、下記のような状況になっていないか見直してみましょう。
  • 長時間労働を強いられているのに給与が低すぎる
  • 昇進機会に偏りがあるなど、不公平な人事評価制度になっている
  • ワークライフバランスが取りにくい
毎月の残業時間が長く、帰宅も遅くなっている場合には、従業員の肉体的・精神的負担が増加します。会社と家の往復を繰り返すような生活になり、プライベートや家族との時間を確保する余裕もなくなるでしょう。

それに加え、働きぶりが給与に反映されなかったり、平等な昇進機会が得られなかったりする体制となれば「他社へ転職したほうがいい」と考える従業員が増えてしまいます。

2.経営幹部やエース社員の離職

経営幹部やエース社員の離職による連鎖退職は、会社に不安を感じるものと自分の目標を失うケースがあります。

前者の場合、「これまでバリバリやってきた経営幹部のAさんが突然辞めるなんて、会社の先行きが良くないのかもしれない」「自分の立場からは見えない場所で、何か大きな問題が起きているのではないか」と会社に対して不安を感じます。

それが事実ではなかったとしても憶測から従業員が不安を募らせ、連鎖退職が起こる原因となります。

後者は「頑張っているBさんに憧れて背中を追いかけてきたのに、いなくなってしまうなら何を目標にしたらいいのだろう」というように、尊敬してきた人がいなくなることで自身の目標を失うケースです。

目標を持てない期間が長くなるとモチベーションが低下し、離職へとつながる可能性があります。

組織を引っ張ってきた経営幹部やエース社員の退職は、残された従業員に動揺を与えます。キャリアや目標について個別に面談をおこなうなど、適切なケアが求められます。

3.上司による不適切なマネジメント

連鎖退職が起きている部署で、上司による不適切なマネジメントがおこなわれている可能性があります。
  • 部下に対するパワハラやセクハラがある
  • 主観的な評価によって不平等感が出ている
  • 長時間労働や過重労働を強制している
たとえば、特定の上司がいる部署に所属する人材ばかりが辞めていく場合には、その人物の人格的な問題やマネジメント能力の欠如から連鎖退職を起こしていると言えるでしょう。

該当部署の上司の行動が、退職希望者を続出させる原因となり得ます。

【関連記事:マネジメントができない・下手な上司の特徴とは?弊害や対処法を紹介】

4.人手不足による業務負荷の増大

連鎖退職によって残された従業員の業務量が増え、ストレスが高まります。人手不足の状況が長期になればなるほどストレスが解消されず、新たな連鎖退職を招きかねません。

組織内の人材育成が不十分だった場合には、改めて従業員を育てていく負担も従業員にかかるでしょう。

5.従業員エンゲージメントの低下

仕事に対する意欲や愛着(エンゲージメント)が薄れると、退職のリスクが高まります。1人の従業員だけではなく、組織全体的にエンゲージメントが下がっている状態だと、連鎖退職を起こしやすくなるのです。

従業員エンゲージメントの程度や変化を把握し、分析することが連鎖退職の防止につながります。

【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介

連鎖退職の原因は1つだけではなく、いくつかの要素が組み合わさっている場合もあります。原因を早期発見し、改善に向けて取り組むことが企業に求められます。改善方法は後述していますので、あわせてご一読ください。

連鎖退職が引き起こす企業への影響

オフィスビル
連鎖退職が起こると、企業にさまざまな影響を及ぼします。ここでは連鎖退職による深刻な影響を5つ解説します。
  • 業務の生産性が低下する
  • 顧客満足度が低下する
  • 経営状況が悪化する
  • 企業イメージが悪くなる
  • 採用活動が長期化する
それぞれ見ていきましょう。

業務の生産性が低下する

経験豊富な従業員が次々といなくなることで、業務の担当者が不在になります。空いた穴を埋めるために、一人一人に対する業務量を増やさなくてはなりません。

抱える業務が増えたことにより、効率的に仕事ができなくなったり、進捗が滞ったりして生産性に影響を及ぼします。業務時間も長くなり、ストレスの負荷から生産性が低下する可能性もあるでしょう。

新規で人材を増やしたとしても知識や技術などを習得させるには時間がかかるため、生産性の完全回復には苦労が伴います。

顧客満足度が低下する

連鎖退職により顧客対応できる従業員が減り、スピードや質が低下する恐れがあります。

たとえば顧客からのクレームが起きたとき、初動対応が遅れて満足度が大きく低下するといったことが考えられます。高度なクレーム処理スキルを持つ人が退職していた場合、適切に対処できず顧客との関係性悪化にもつながるでしょう。

サービスの質が低下したと感じた顧客は、自社から離れてしまうかもしれません。

経営状況が悪化する

業務の生産性低下や顧客離れが加速すると、これまでと同じように数値目標を達成できなくなる可能性があります。売上や利益などに影響を及ぼし、経営状況を悪化させます。

一時的なら耐えられるかもしれませんが、経営状況の改善が見込めない期間が長くなると資金繰りも難しくなり、事業継続そのものが困難になる可能性もゼロではありません。

企業イメージが悪くなる

連鎖退職によって「あの企業では従業員の退職が相次いでいるらしい」「人手不足で業務がまわっていないらしい」などと他社の間で噂になる可能性があります。同業者だけではなく、株主や顧客などに評判が広まれば、信用を失う事態にもなるでしょう。

採用活動が長期化する

企業イメージの悪化は、学生や中途採用の求職者にマイナスの印象を与えます。求職者は入社後の働きやすさや活躍できる環境を求めているため、ブラック企業のような印象を与えてしまうと応募者数の減少につながるのです。

優秀な人材が集まらないと、採用活動が長期化してコストばかりが増えていきます。人手不足を解消しようとして採用要件に合わない人材まで受け入れてしまい、入社しても育たなかったり、早期に退職してしまったりという悪循環に陥ることも考えられます。

連鎖退職が止まらない!改善に向けた6つの対策

人形の手のひらに「STOP」のマーク
連鎖退職を食い止め、改善に向けてどのような対策をとったらいいのでしょうか。下記6つの対策を解説します。

1.退職理由を明確にする
2.労働環境の見直しと改善をする
3.社内の風通しを改善し、コミュニケーション活性化を促す
4.適材適所の人材配置によるチームをつくる
5.立場にあった人材育成をする
6.定期的に従業員エンゲージメントを分析する

1.退職理由を明確にする

なぜ従業員が退職するのか、理由を正確に把握することが重要です。面談やアンケートなどを通して、従業員一人一人の退職理由をヒアリングします。

そのなかで退職理由の根本がどこにあるのか分析し、共通事項がないか探します。複数の従業員が同じ理由を述べている場合は、そこが連鎖退職の原因や自社の課題である可能性が高いです。

明確になった原因と同じ理由で退職する従業員が出ないよう、早期の対策が求められます。

2.労働環境の見直しと改善をする

客観的な視点で労働環境を見直します。働いていると当たり前になっている体制も、客観視すると改善の余地がある可能性があります。

たとえば、下記のような事項を見直し、改善をおこないましょう。
課題対策
長時間労働残業時間の削減
ワークライフバランスフレックスタイム制や時差出勤、リモートワークなどの導入
十分な休暇年次有給休暇の取得促進、育児休業や介護休業を取得しやすくする
適切な人事評価働きぶりを適正に評価し、給与や昇進に反映する
健康管理健康診断項目の充実、ストレスチェックの導入
これらを見直して改善することで従業員の満足度や働きがいなどにも寄与するため、連鎖退職を食い止める一助となります。

3.社内の風通しを改善し、コミュニケーション活性化を促す

上司と部下、同僚同士のコミュニケーション不足は、人間関係の悪化やストレスの原因となります。風通しの悪さから不正やハラスメントが起こる可能性も否めません。

社内の風通しを良くし、活発にコミュニケーションできる環境を整えることで、会社への愛着や貢献したい気持ちも向上しやすくなります。

コミュニケーションの活性化には、下記の対策が有効です。
  • 上司と部下の定期的なミーティング実施
  • 部署内のメンバー、もしくは部門を超えた従業員を集めた懇親会を開催
  • アンケート調査からコミュニケーションの課題を探り、改善する
  • コミュニケーションに関わる研修を実施してスキルアップを図る
このようにコミュニケーションの機会を増やすことで社内の風通しが改善され、社風や文化にも良い影響を与えます。

4.適材適所の人材配置によるチームをつくる

適材適所の人材配置は、従業員一人一人のモチベーションや働きがいの向上につながります。従業員が自分の適性・能力を発揮できる環境があることで、離職を防止し、業務の生産性向上にも寄与します。

適材適所を叶えるには、従業員の適性を正しく把握することが重要です。とはいえ、日頃の働きぶりや短い時間の面談から判断するのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、アセスメントリクルーティングのミイダスが提供する「コンピテンシー診断」です。簡単な質問に回答していくだけで、従業員の行動特性や業務適性、ストレス耐性などが数値で可視化できます。

また、上司と部下のタイプを判別し、相性の良しあしを把握することも可能です。

コンピテンシー診断は、ミイダスの無料アカウント登録後、従業員15名までお試しいただけます。適材適所の人材配置、チームづくりの際に、ぜひお役立てください。

【簡単1分】ミイダスの無料アカウント登録をする

5.立場にあった人材育成をする

従業員一人一人のキャリアパスを明確にし、立場にあった研修や育成プログラムを実施することで成長意欲の向上と自社での定着につながります。連鎖退職で穴が空いてしまった箇所を埋める新たなエースを育てる意味でも、人材育成の取り組みは重要です。

具体的には下記のような取り組みが挙げられます。
  • 従業員のキャリア目標を把握し、個別の育成プランを作成する
  • OJTや研修を充実させ、知識・技術の習得を支援する
  • 立場にあわせた研修(新人研修・マネジメント研修など)を実施する
人材育成していく体制が整っていると同じレベル感の従業員が複数いる状態になるため、万が一、連鎖退職が起きたときのリカバリーもしやすくなります。連鎖退職が起きる前からの体制構築が大切です。

6.定期的に従業員エンゲージメントを分析する

従業員エンゲージメントの低下により、連鎖退職を起こす可能性があります。そのため、定期的に従業員エンゲージメントを把握・分析し、従業員の変化に気付くことが重要です。

従業員エンゲージメントを知るには、個別のアンケートやヒアリングの実施などが挙げられます。しかし、調査実施・集計・分析に手間がかかり、なかなか着手できない場合もあるのではないでしょうか。

なるべく手間とコストをかけずに従業員エンゲージメントを可視化するには、ミイダスの「はたらきがいサーベイ」がおすすめです。従業員のはたらきがいを「満足度」と「重要度」の側面から可視化し、優先して解決すべき課題を明らかにします。

はたらきがいのある環境を構築できているか、従業員からどれだけ求められているかといった、目には見えにくいポイントの数値化が可能です。定期的に、はたらきがいサーベイを実施することで、従業員の変化にいち早く気付き、対策や改善に反映できます。

はたらきがいサーベイは、どなたでも無料でご利用いただけます。連鎖退職を食い止めたり、具体的な施策を考えたりする際に、ぜひご活用ください。

はたらきがいサーベイの詳細を確認する

連鎖退職による最悪の末路を防ごう

前向きなビジネスパーソン
連鎖退職が起きる原因や企業に及ぼす影響、改善に向けた対策を解説しました。

連鎖退職は、会社や上司に対する不満の蓄積、エース社員の離職、従業員エンゲージメントの低下などが原因で起こります。連鎖退職が起きてしまうと企業へさまざまな影響を及ぼし、最悪の場合は倒産にまで追い込まれる可能性はゼロではありません。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録してフィッティング人材分析機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後のフィッティング人材分析機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料