経営や組織づくりの話題で最近よく取り上げられる「パーパス」。
そのパーパスをブランディングに活かすパーパスブランディングという概念があります。
パーパスブランディングは採用活動や人材育成にもかかわるため、経営層だけでなく、人事担当者にとっても重要なものです。新しい人事の潮流をつかみ、採用・人材育成に役立てたい方はぜひ最後までご覧ください。
採用や人材育成について、以下の資料もあわせてご活用ください。
【無料ダウンロード】活躍する営業社員の採用を成功させる方法そのパーパスをブランディングに活かすパーパスブランディングという概念があります。
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▼この記事でわかること
パーパスブランディングの意味を確認パーパスブランディングとはどのような意味なのでしょうか。
パーパスブランディングについて知るために、「ブランディング」や「パーパス」の意味も併せて確認しながら解説します。ブランディングの意味・意義
ブランディングとは、企業や製品・サービスのアイデンティティを築き、顧客やさまざまなステークホルダーとの良好な関係づくりを行う活動および姿勢のことを指します。
具体的な取り組みの例は以下のとおりです。- ミッション・ビジョン・バリューの公開
- キャッチコピーやタグラインの活用
- ロゴマークの利用
- 社会に対して有益な製品・サービスの提供
- ブランドメッセージやコンセプトの発信
「ブランディング」という具体的な行為があるのではなく、企業や製品・サービスのブランド力を高める取り組みはすべてブランディングだと考えられます。
ブランディングの意義は次の3点に集約されます。- ステークホルダーとの信頼構築
- 差別化
- 市場における影響力の増大
ブランドの力が増すことで企業・プロダクトそのものに対する安心感が生まれ、顧客や取引先、株主、求職者など多くのステークホルダーから信頼されやすくなります。
なによりも重要なのが信頼構築です。
信頼構築のためには認知されることだけでなく、企業からのメッセージや製品・サービスが生み出された背景を伝えることが重要です。何を重要だと考え、どのような経営、製品・サービス提供を行うのかがわかるように広報活動を展開します。広報だけでなく、営業や生産、販売など一連の業務の細部に至るまで整えることもあります。
信頼が築かれ、企業や製品・サービスの認知が広まるだけでなく、ブランディングには同業他社や類似の製品・サービスとの差別化という効果もあります。
日々目にするロゴマークやキャッチコピー、企業名や製品・サービスに触れる流れ(顧客体験)が目指しているブランドイメージに合うように整えていきます。根気強くブランドからのメッセージ・イメージを伝え、信頼を積み重ねる事業活動を行うことで差別化が図れます。
信頼を積み重ね、差別化もできた企業や製品・サービスは、各市場において影響力を高めます。たとえば、以下の企業や製品は市場における影響力をもっていると考えられます。- 大手企業が長い伝統や実績のもと大きなシェアを獲得している
- 環境問題やチャリティ活動に取り組んで生まれた製品に出資が集まる
- ある製品が若者に人気のブランドとコラボレーションを行う
このようにブランドの価値を高める取り組みを重ねることで、さらにステークホルダーとの信頼関係や結びつきが強まります。そして、その業界や地域、製品・サービスのジャンルにおいて確固たる地位を築くことがブランディングなのです。パーパスとは
パーパス(purpose)とは、「目的」や「意図」を意味する語です。企業経営においては、主に以下2つの意味を押さえておきましょう。- 経営における「パーパス」:企業の存在価値
- 製品・サービスにおける「パーパス」:その製品・サービスを作り、提供する意味合い
社会から見た企業の存在意義を起点に経営を行うことを「パーパス経営」「パーパスドリブン経営」と呼び、近年多くの企業がパーパス経営にシフトしています。自社が大きな収益をあげ、利益を追求するだけでなく社会貢献を行うことに価値があるという発想から、パーパス経営が広まっています。
経営だけでなく製品・サービスの提供においても社会とのつながりを強く意識し、市場に訴えていることもあります。パーパスブランディングの意味・具体例
パーパスブランディングとは、パーパスに基づくブランディングのことを指します。自社や製品・サービスの存在価値・意義を確立させて社会にメッセージを発信し、社会に価値を提供しようとする動きのことです。
パーパスブランディングの具体例は以下のとおりです。- 食品メーカーが「自社が社会に提供できる価値は人々の生活の質を高めることだ」と考え、健康づくりを応援する製品を開発したり、医療機関への寄付を行ったりする
- スポーツ関連企業がスポーツの本質に絡めて「フェアネス」を訴え、人種差別をなくすためのキャンペーンを行う
- 「自分たちの存在価値は人々に感動を提供することだ」と考えた企業が、コロナ禍で人々が外出自粛を強いられるなか開発体制を整え、予定どおりゲームを発売する
このように、社会に対する存在意義や提供価値とブランディングがつながっていることをパーパスブランディングといいます。従来のブランディングとパーパスブランディングの違い
パーパスブランディングが広まる以前のブランディングとパーパスブランディングの大きな違いは次の2点です。- 自社の利益の追求か、社会全体の利益拡大か
- ターゲットを絞るのか、広く共感を集めるのか
従来のブランディングでは、自社がいかに利益をあげるのかという視点で「ミッション・ビジョン・バリュー」を定め、事業を展開していました。そのため、ある程度対象を絞り込み、特定の層に集中的に宣伝することで効率的に利益を得ることが特徴です。
効率的に利益を得るには従来のブランディングやマーケティング手法が有効ですが、ターゲットでないステークホルダーからは興味をもたれなかったり、反発を受けたりすることもあり得ます。
パーパスブランディングは「社会全体へいかに利益をもたらすのか」という発想で行われます。そのため、従来のブランディングに比べて時間はかかりますが、社会にとっての提供価値にしたがって事業運営を行うことで徐々にステークホルダーから広く共感を集めることを目指します。
パーパスブランディングでは短期的な利益が必ずしも伴わなくても長期的に企業や製品・サービスのファンを獲得し、ステークホルダーとの信頼関係を深めることが重視されます。
ブランディングに大きくかかわる経営理念については以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。
【関連記事:経営理念とは?意味や重要性、作り方、有名企業の事例を紹介】パーパスブランディングが求められる背景従来のブランディングだけでなく、パーパスブランディングが求められるようになった背景には消費者や市場、社会の変化があります。以下の2点にわけて解説します。- コモディティ化とコト消費
- 消費者や投資家の価値観の変化
コモディティ化とコト消費
コモディティ化とは、製品やサービスが世の中に浸透し、供給量が多くなることで相対的に市場価値が低下してしまうことを指します。
その製品やサービスが市場に投入された時点では珍しさがあっても、市場が活性化して類似の製品・サービスが出現すれば、その製品・サービスやジャンルそのものが一般化します。するとそのジャンルの製品・サービスで、少しでも多く自社商品を売ろうと価格競争が起こり、人々が手に入れやすくなります。
コモディティ化のメリットは人々がその製品・サービスを容易に入手できるようになることであり、デメリットは需要に対して供給が増えるため、相対的に市場価値が低下することです。
現代では多くの製品・サービスジャンルでコモディティ化が起きています。そのため、人々はそのジャンルの製品・サービスが存在することではなく別の部分に価値を求めるようになっています。それを象徴するのが「コト消費」という現象です。
コト消費とは、購入する製品・サービスそのものがもつ機能だけでなく、製品・サービスが開発・生産される過程や背景、さらに入手し活用する場面での体験を重視する消費行動のことです。
たとえば、同じ野菜を購入する場合、価格だけを見て購入することに対して、生産者の想いや珍しいレシピが書かれたポスターを読み、生産者の想いに共感したり、自宅でレシピを活用して初めての調理法を体験したりしたいと感じて購入することはコト消費の例です。
モノやインフラが不足せず、人々が便利な暮らしを行いやすい今、製品やサービスそのものの価値だけではなく、製品やサービスに付随する面も消費行動に影響を与えています。消費者や投資家の価値観の変化
「コト消費」においては、消費者自身が充足感をおぼえるだけでなく、社会的意義を感じられるかどうかも重要なポイントです。
物質的な豊かさに囲まれた現代日本では、人々は社会との接点を重視し、社会的な取り組みに共感して消費行動を起こす傾向があります。地球環境に配慮していること、地域の発展に寄与していること、ダイバーシティに配慮し誰にでも適応することなど、さまざまな点から製品・サービスの社会性が求められています。
そして、SNSの浸透により、製品やサービスそのものだけでなく、会社の運営や広報活動における発信内容にも社会性が求められるようになりました。企業公式アカウントの配慮に欠ける投稿内容が物議を醸し、製品の不買運動が起こることも珍しくありません。
このような消費者の価値観や行動の変化により、投資家も以前に増して企業活動の社会的な側面を重視するようになりました。社会に目を向け、社会的な価値を創出する企業や製品・サービスが高く評価されるため、投資家も同じように社会的な取り組みを行う企業に投資を行う傾向が強まっています。
社会からの要請をつかむことで、企業の差別化ができ、企業の成長につながります。したがって、社会に対し価値提供を行おうとするパーパスブランディングはますます重要性を帯びているといえるでしょう。
企業の評判が経営・人事活動に影響をもたらす「レピュテーションリスク」や、環境問題や多様性などの社会問題に着目した「ESG経営」について関心のある方は、以下の記事もご一読ください。
【関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や具体例、人事・採用への影響を解説】
【関連記事:ESG経営とは?取り組み例・人材採用へのメリットも簡単に解説】パーパスブランディングと採用・人事の関係パーパスブランディングは会社経営にとって重要です。経営の根幹にかかわる採用・人事の活動においても、パーパスブランディングが大きな意味をなします。
採用・人事領域においてパーパスブランディングとは、自社が求職者・社員に対し、社会とのつながりや社会に向けた取り組み・スタンスを明らかにし、求職者・社員から社会貢献度の高い会社であると認識され、信頼関係を築くことを意味します。
求職者や社員の視点からパーパスブランディングについて解説します。求職者が集める情報の多様化
現代では、求職者が就職・転職活動中に集められる情報が多様化しています。
求職者は求人情報や会社のWebサイトだけでなく、SNSや口コミサイトからも情報を得やすくなっています。採用のためのイメージアップといえども、採用関連情報だけを整えれば良いというものではありません。コーポレートサイトやIR情報をはじめとした、会社に関するすべての情報から、求職者は自社へのイメージをもつと考えられます。
求職者は以下の情報にも触れやすくなっています。- SNS上に投稿される消費者や有識者の意見
- 口コミサイトでの会社や製品・サービスに対する投稿
- 自社の社員であるか否かにかかわらず、働く人の会社への所感・評判
これらの情報は企業側がコントロールできるものではなく、日々の企業活動に対するステークホルダーの意見が投影されたものだといえます。
情報発信者が企業側だけでなく、社員・社会の側からも企業イメージや企業活動への評判に関する情報が発信されるようになったことも、求職者が得る情報の多様化に関係します。
採用・人事活動においてとくに重要なのは、その会社で働く社員の意見です。どんなに良質な製品・サービスを提供する企業でも、残業が多かったり、ハラスメントが起きたりするようでは社員の満足度が低下してしまいます。社員の満足度が低下したり、短期間での離職が相次いだりすると求職者が閲覧する社員の口コミサイトに悪い評判が投稿されることも珍しくありません。
社員からの悪い口コミや社会からの批判がWeb上に出回ると、会社のブランドイメージは大きく損なわれます。
パーパスブランディングでは、顧客だけでなく社員にも目を向けてブランディングを行います。顧客以外のステークホルダー、とくに社員にも配慮し、社会全体に向けた取り組みを行うことで、求職者や一般社会へもポジティブなイメージを形成し、採用活動に良い影響を与えるでしょう。社会から良い評価を得ている企業と従業員エンゲージメント
会社に対する社員の評価・所感が求職者にとっての企業イメージを大きく左右するだけでなく、社会から会社に対する評価の良し悪しが従業員エンゲージメントにも影響を与えています。社員から会社に対する評価と社会から会社に対する評価は循環関係にあるのです。
従業員エンゲージメントは、会社の姿勢や取り組みを社員が心から理解して共感し、帰属意識を高め、会社に貢献したいと考える場合に高まります。
【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介】
現代では消費者や投資家だけでなく、働く人々も企業の社会性を求めるようになっています。したがって、以下のような場合にはエンゲージメントが低下する可能性があります。- コミュニケーション不足で会社の理念が浸透していない
- 会社が社会的な取り組みを行っていないか、社会の利益に反する動きをしている
- 会社のスタンスを知ってはいるが、共感できない
- 会社の考え・取り組みが時流に合わない
- 会社に対する社会的評価が悪く、所属していることをマイナスに捉えている
- 会社の姿勢が社員の価値観と合わないため、本心では会社に利益をもたらそうとは思えない
所属企業が社会に対して十分な価値を提供できていないと感じると、社員は「自分にはこの会社は合わないのではないか」と感じたり、会社に対する愛着を失ったりすることがあります。
従業員エンゲージメントが低下すると、社員のモチベーションも下がり、生産性の低下や離職者数の増加を招くなど悪循環に陥りかねません。価値観の多様化
自らの勤務先や就職先がいかに社会貢献をしているかを重視する人が増えている一方で、人々の価値観が多様化していることも無視できません。
社会貢献と一口にいっても、貢献の方法・種類はさまざまです。以下はすべて社会貢献の例と考えられますが、それぞれ異なる価値観をもっています。
【例1:スピードの重視と地球環境保護】A:臆せず革新的な技術を次々と試し、これまで解決できないと考えられていた迅速な処理を実現させている
B:地球環境に配慮し、たとえ新しく効率的な方法が存在してもより地球環境に優しい手法を選択する
【例2:伝統文化の保護と社会変革】A:伝統文化を守り、古来のまま次世代に受け継ぐことで貴重な文化を遺している
B:伝統を守るのではなく、新しいものを取り入れ続け社会変革をもたらしている
【例3:利便性と社員の健康】A:顧客の利便性を高めるため、24時間営業を行う
B:社員の健康保持のため、夜間・休日の営業を取りやめる
このように、社会貢献のあり方や着眼点・価値観は社員だけでなく企業によって異なります。社会的な要請を受けていかに社会との接点をもち、貢献度の高い経営をするかが重要であると同時に、求職者や社員の価値観と自社の目指すものがマッチしているかが大切です。従業員エンゲージメントや社員の職場定着に大きく影響を与えるからです。
求職者や社員の価値観の多様化についてさらに深く知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:働く人の価値観は変化している?活躍人材を見抜くの特徴や採用方法を紹介】
【関連記事:「ここで働きたい」と思わせるには?企業が意識したいポイントを解説】ミイダスは自社と求職者・社員の価値観のマッチを重視した
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パーパスブランディングを採用・人材育成に活かすには「コンピテンシー」人々が社会貢献に関心を抱くようになり、パーパスブランディングが重要性を増している一方で、人事領域の活動においては一人ひとりの価値観の多様化にも向き合うことも必要です。仮に社会貢献に取り組む企業だからといっても、求職者・社員の価値観や特性とマッチしなければ、一人ひとりの能力が発揮されにくくなります。
採用・人材育成においてパーパスブランディングを活かすには、「コンピテンシー」を用いて考えることがおすすめです。コンピテンシーを取り入れ、パーパスブランディングと採用・人材育成を成功させるポイントを解説します。採用・人材育成におけるパーパスブランディングの特徴
採用・人材育成におけるパーパスブランディングの特徴は、求職者や社員が会社と信頼関係を築くだけでなく、自社のメンバーとして会社と方向性を合わせて業務に取り組み、成果を求められる存在であることです。自社が社会的意義を高めたり、市場における競争力を増したりするための力をもつためには、採用し、育成する過程で「いかに会社が求めている成果を導ける人物なのか」という点が重要です。
そこで、採用選考時にも、入社後のマネジメントにおいてもどのような人物を求めているかを明確に示し、基準にしたがって採用・人材育成を行う必要があります。社会的要請を踏まえて「求める人物像」を定める
パーパスブランディングを意識する場合は、社会からの要請を踏まえて求める人物像を定義することが重要です。そこで気をつけなければならないのは「社会貢献ができていればどんな切り口でもかまわない」のではなく、「自社に合った視点で求める人物像を定める」ことです。
自社にフィットした求める人物像を定義するには、「コンピテンシー」を用いるとスムーズです。採用のミスマッチを防ぎ、人材育成・配置における最適化ができます。
コンピテンシーとは、成果をあげる社員の行動特性のことです。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
行動特性とは、個人が持つ行動パターンや思考の傾向を指します。仕事においては業務上の判断や習慣的な行動、トラブルを対処する際の振る舞いにあらわれます。
行動特性は一人ひとり異なっているため、自社で成果をあげる社員の行動特性を分析したり、その時点で補いたい人物像を考えたりすることで「求める人物像」のモデル(コンピテンシーモデル)が作成できるのです。求める人物像の定義にコンピテンシーを取り入れるとは、このようなイメージです。
ここで、できあがったコンピテンシーモデルに自社の社会貢献が投影されているか、どのような社会貢献が見られるのかを確認し、言語化して求人情報に反映させます。人材育成においては社員に直接、自社の求めることや社会貢献について伝え、信頼関係を構築しましょう。コンピテンシーの項目とモデルの作成方法
コンピテンシー項目 コンピテンシー定義(5以上) コンピテンシー定義(5以下) ヴァイタリティ 活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。
競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 活動的
物事を一定のペースでやりたがる。負荷が大きすぎる仕事を好まない。
競争性
人と競争することを好まない。勝つことよりも参加することに意義を見出す。 人あたり 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 社会性
公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。
面倒み
誰に対しても思いやりの態度を取るわけではない。他人の個人的な問題から距離を置く。 チームワーク 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定の参加を求める。自分ひとりで決定を下すことは少ない。 社会性
公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。
協議性
人に相談せず決定しようとする。自分ひとりで決定を下すことを好む。 創造的思考力 創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 創造性
アイデアを生み出すよりも、既にあるものの上に積み上げていくほうである。新しいものを作り出したり、発明したりすることは少ない。
概念性
理論的な問題よりも実務的な問題を扱うことを好む。抽象的な概念を扱うことを嫌う。 問題的解決力 データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 データへの関心
事実や数字よりも、意見や気持ちなどを重視する。統計データ等を使うことを避けようとする。
概念性
理論的な問題よりも実務的な問題を扱うことを好む。抽象的な概念を扱うことを嫌う。 状況適応力 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 社会性
公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。
人間への関心
人の行動の背景に関心がない。人を分析しようとしない。 プレッシャーへの耐力 余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。
タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 余裕
緊張しやすい。リラックスしにくい。仕事からの気分転換がなかなかできない。
タフ
感じやすく批判されると傷つきやすい。理不尽な発言や侮辱に動揺する。 オーガナイズ能力 先見性
長期的な見方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。
緻密
物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 先見性
長期的な問題よりも、目の前の問題に目がいく。物事をあまり戦略的に考えない。
緻密
細かなことにとらわれない。物事を順序立てて系統的に考えることに苦手意識がある。細かい仕事を嫌う。 統率力 指導性
リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定の参加を求める。自分ひとりで決定を下すことは少ない。 指導性
人にリードしてもらうほうが良い。何をすべきか人に指示することを好まず、指揮を取ることはあまりない。
協議性
人に相談せず決定しようとする。自分ひとりで決定を下すことを好む。
ミイダスのコンピテンシー診断では、「ヴァイタリティ」「人あたり」「チームワーク」など全9項目・10段階で評価します。各項目のスコアが5以上か5以下かによって、その人自身がもつ資質の傾向を捉えられます。
このように診断ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成していくほかに、コンピテンシーディクショナリーというコンピテンシーの一覧集を用いて当てはめていく方法もあります。しかし、すべて人の手でコンピテンシーモデルを作るには大変な時間や手間がかかり、コンピテンシーモデル作成者の主観が入り込んで客観性が失われてしまう可能性があることが問題です。
ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成することで、求める人物像が明確になり、採用選考の担当者ごとの判断のズレ解消や人材育成における指標の策定にも役立ちます。
コンピテンシーを採用・人材育成に取り入れることで、より良いマッチングが可能となります。コンピテンシーを取り入れてパーパスブランディングも意識すると、社会と自社の結びつきやスタンスを表し、自社で活躍する人材の獲得・育成ができるでしょう。人材育成におけるコンピテンシーとパーパスブランディングの相乗効果
コンピテンシーは会社ごとに異なるのはもちろんのこと、部署や担当業務によっても異なります。本人の特性と担当業務や部署のコンピテンシーが一致する場合、能力が引き出されてより活躍しやすくなります。
人材配置・人材育成においてコンピテンシーを活用すると、一人ひとりの能力が開花するため、社員は会社に貢献できている実感がわきやすく、会社への愛着形成にもつながります。
会社と自分自身の結びつきが強く感じられる時、会社のパーパスにも共感できているといっそう会社へのエンゲージメントが高まり、働くことへの満足度も高まるでしょう。
このように、採用だけでなく人材配置や人材育成においてもコンピテンシーとパーパスブランディングをともに活用することで、社員一人ひとりの能力が引き出され、成果があがり、結果的に経営にも貢献することになるのです。パーパスブランディングとコンピテンシーを人事に活かす「ミイダス」42万4,950社(2022年12月時点)が導入する「ミイダス」では、コンピテンシーの視点を取り入れた採用・人材育成が可能です。コンピテンシーを調べ、コンピテンシーモデルの作成に役立つコンピテンシー診断が利用できるだけではなく、コンピテンシー診断を利用した採用・人材育成・人材配置・マネジメントが一気通貫で行えます。採用したい人物像のモデルを作成し、モデルに近い人物に自動でアプローチできる機能や、定期的な従業員のモニタリングでコンピテンシーの変化を見出すことで、適材適所の配置やさらなる育成のヒント獲得につながる機能もあります。
また、ミイダスご契約企業様のみお使いいただける、コンピテンシーを活用して採用後の人材育成をサポートする「活躍ラーニング」という学習コンテンツも用意しています。
活躍ラーニングについてくわしく見る
各講座については以下の紹介動画もぜひご覧ください。パーパスブランディングとあわせて組織のパフォーマンスを最大化させる採用活動や人材育成を効果的に行うには、コンピテンシー診断を活用できるミイダスがおすすめです。コンピテンシー診断は15名まで無料で利用できます。ぜひミイダスのコンピテンシー診断をお試しください。
パーパスブランディングについて知るために、「ブランディング」や「パーパス」の意味も併せて確認しながら解説します。
具体的な取り組みの例は以下のとおりです。
ブランディングの意義は次の3点に集約されます。
なによりも重要なのが信頼構築です。
信頼構築のためには認知されることだけでなく、企業からのメッセージや製品・サービスが生み出された背景を伝えることが重要です。何を重要だと考え、どのような経営、製品・サービス提供を行うのかがわかるように広報活動を展開します。広報だけでなく、営業や生産、販売など一連の業務の細部に至るまで整えることもあります。
信頼が築かれ、企業や製品・サービスの認知が広まるだけでなく、ブランディングには同業他社や類似の製品・サービスとの差別化という効果もあります。
日々目にするロゴマークやキャッチコピー、企業名や製品・サービスに触れる流れ(顧客体験)が目指しているブランドイメージに合うように整えていきます。根気強くブランドからのメッセージ・イメージを伝え、信頼を積み重ねる事業活動を行うことで差別化が図れます。
信頼を積み重ね、差別化もできた企業や製品・サービスは、各市場において影響力を高めます。たとえば、以下の企業や製品は市場における影響力をもっていると考えられます。
経営だけでなく製品・サービスの提供においても社会とのつながりを強く意識し、市場に訴えていることもあります。
パーパスブランディングの具体例は以下のとおりです。
効率的に利益を得るには従来のブランディングやマーケティング手法が有効ですが、ターゲットでないステークホルダーからは興味をもたれなかったり、反発を受けたりすることもあり得ます。
パーパスブランディングは「社会全体へいかに利益をもたらすのか」という発想で行われます。そのため、従来のブランディングに比べて時間はかかりますが、社会にとっての提供価値にしたがって事業運営を行うことで徐々にステークホルダーから広く共感を集めることを目指します。
パーパスブランディングでは短期的な利益が必ずしも伴わなくても長期的に企業や製品・サービスのファンを獲得し、ステークホルダーとの信頼関係を深めることが重視されます。
ブランディングに大きくかかわる経営理念については以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。
【関連記事:経営理念とは?意味や重要性、作り方、有名企業の事例を紹介】
従来のブランディングだけでなく、パーパスブランディングが求められるようになった背景には消費者や市場、社会の変化があります。以下の2点にわけて解説します。
- コモディティ化とコト消費
- 消費者や投資家の価値観の変化
コモディティ化とコト消費
コモディティ化とは、製品やサービスが世の中に浸透し、供給量が多くなることで相対的に市場価値が低下してしまうことを指します。
その製品やサービスが市場に投入された時点では珍しさがあっても、市場が活性化して類似の製品・サービスが出現すれば、その製品・サービスやジャンルそのものが一般化します。するとそのジャンルの製品・サービスで、少しでも多く自社商品を売ろうと価格競争が起こり、人々が手に入れやすくなります。
コモディティ化のメリットは人々がその製品・サービスを容易に入手できるようになることであり、デメリットは需要に対して供給が増えるため、相対的に市場価値が低下することです。
現代では多くの製品・サービスジャンルでコモディティ化が起きています。そのため、人々はそのジャンルの製品・サービスが存在することではなく別の部分に価値を求めるようになっています。それを象徴するのが「コト消費」という現象です。
コト消費とは、購入する製品・サービスそのものがもつ機能だけでなく、製品・サービスが開発・生産される過程や背景、さらに入手し活用する場面での体験を重視する消費行動のことです。
たとえば、同じ野菜を購入する場合、価格だけを見て購入することに対して、生産者の想いや珍しいレシピが書かれたポスターを読み、生産者の想いに共感したり、自宅でレシピを活用して初めての調理法を体験したりしたいと感じて購入することはコト消費の例です。
モノやインフラが不足せず、人々が便利な暮らしを行いやすい今、製品やサービスそのものの価値だけではなく、製品やサービスに付随する面も消費行動に影響を与えています。
その製品やサービスが市場に投入された時点では珍しさがあっても、市場が活性化して類似の製品・サービスが出現すれば、その製品・サービスやジャンルそのものが一般化します。するとそのジャンルの製品・サービスで、少しでも多く自社商品を売ろうと価格競争が起こり、人々が手に入れやすくなります。
コモディティ化のメリットは人々がその製品・サービスを容易に入手できるようになることであり、デメリットは需要に対して供給が増えるため、相対的に市場価値が低下することです。
現代では多くの製品・サービスジャンルでコモディティ化が起きています。そのため、人々はそのジャンルの製品・サービスが存在することではなく別の部分に価値を求めるようになっています。それを象徴するのが「コト消費」という現象です。
コト消費とは、購入する製品・サービスそのものがもつ機能だけでなく、製品・サービスが開発・生産される過程や背景、さらに入手し活用する場面での体験を重視する消費行動のことです。
たとえば、同じ野菜を購入する場合、価格だけを見て購入することに対して、生産者の想いや珍しいレシピが書かれたポスターを読み、生産者の想いに共感したり、自宅でレシピを活用して初めての調理法を体験したりしたいと感じて購入することはコト消費の例です。
モノやインフラが不足せず、人々が便利な暮らしを行いやすい今、製品やサービスそのものの価値だけではなく、製品やサービスに付随する面も消費行動に影響を与えています。
消費者や投資家の価値観の変化
「コト消費」においては、消費者自身が充足感をおぼえるだけでなく、社会的意義を感じられるかどうかも重要なポイントです。
物質的な豊かさに囲まれた現代日本では、人々は社会との接点を重視し、社会的な取り組みに共感して消費行動を起こす傾向があります。地球環境に配慮していること、地域の発展に寄与していること、ダイバーシティに配慮し誰にでも適応することなど、さまざまな点から製品・サービスの社会性が求められています。
そして、SNSの浸透により、製品やサービスそのものだけでなく、会社の運営や広報活動における発信内容にも社会性が求められるようになりました。企業公式アカウントの配慮に欠ける投稿内容が物議を醸し、製品の不買運動が起こることも珍しくありません。
このような消費者の価値観や行動の変化により、投資家も以前に増して企業活動の社会的な側面を重視するようになりました。社会に目を向け、社会的な価値を創出する企業や製品・サービスが高く評価されるため、投資家も同じように社会的な取り組みを行う企業に投資を行う傾向が強まっています。
社会からの要請をつかむことで、企業の差別化ができ、企業の成長につながります。したがって、社会に対し価値提供を行おうとするパーパスブランディングはますます重要性を帯びているといえるでしょう。
企業の評判が経営・人事活動に影響をもたらす「レピュテーションリスク」や、環境問題や多様性などの社会問題に着目した「ESG経営」について関心のある方は、以下の記事もご一読ください。
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物質的な豊かさに囲まれた現代日本では、人々は社会との接点を重視し、社会的な取り組みに共感して消費行動を起こす傾向があります。地球環境に配慮していること、地域の発展に寄与していること、ダイバーシティに配慮し誰にでも適応することなど、さまざまな点から製品・サービスの社会性が求められています。
そして、SNSの浸透により、製品やサービスそのものだけでなく、会社の運営や広報活動における発信内容にも社会性が求められるようになりました。企業公式アカウントの配慮に欠ける投稿内容が物議を醸し、製品の不買運動が起こることも珍しくありません。
このような消費者の価値観や行動の変化により、投資家も以前に増して企業活動の社会的な側面を重視するようになりました。社会に目を向け、社会的な価値を創出する企業や製品・サービスが高く評価されるため、投資家も同じように社会的な取り組みを行う企業に投資を行う傾向が強まっています。
社会からの要請をつかむことで、企業の差別化ができ、企業の成長につながります。したがって、社会に対し価値提供を行おうとするパーパスブランディングはますます重要性を帯びているといえるでしょう。
企業の評判が経営・人事活動に影響をもたらす「レピュテーションリスク」や、環境問題や多様性などの社会問題に着目した「ESG経営」について関心のある方は、以下の記事もご一読ください。
【関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や具体例、人事・採用への影響を解説】
【関連記事:ESG経営とは?取り組み例・人材採用へのメリットも簡単に解説】
パーパスブランディングと採用・人事の関係パーパスブランディングは会社経営にとって重要です。経営の根幹にかかわる採用・人事の活動においても、パーパスブランディングが大きな意味をなします。
採用・人事領域においてパーパスブランディングとは、自社が求職者・社員に対し、社会とのつながりや社会に向けた取り組み・スタンスを明らかにし、求職者・社員から社会貢献度の高い会社であると認識され、信頼関係を築くことを意味します。
求職者や社員の視点からパーパスブランディングについて解説します。求職者が集める情報の多様化
現代では、求職者が就職・転職活動中に集められる情報が多様化しています。
求職者は求人情報や会社のWebサイトだけでなく、SNSや口コミサイトからも情報を得やすくなっています。採用のためのイメージアップといえども、採用関連情報だけを整えれば良いというものではありません。コーポレートサイトやIR情報をはじめとした、会社に関するすべての情報から、求職者は自社へのイメージをもつと考えられます。
求職者は以下の情報にも触れやすくなっています。- SNS上に投稿される消費者や有識者の意見
- 口コミサイトでの会社や製品・サービスに対する投稿
- 自社の社員であるか否かにかかわらず、働く人の会社への所感・評判
これらの情報は企業側がコントロールできるものではなく、日々の企業活動に対するステークホルダーの意見が投影されたものだといえます。
情報発信者が企業側だけでなく、社員・社会の側からも企業イメージや企業活動への評判に関する情報が発信されるようになったことも、求職者が得る情報の多様化に関係します。
採用・人事活動においてとくに重要なのは、その会社で働く社員の意見です。どんなに良質な製品・サービスを提供する企業でも、残業が多かったり、ハラスメントが起きたりするようでは社員の満足度が低下してしまいます。社員の満足度が低下したり、短期間での離職が相次いだりすると求職者が閲覧する社員の口コミサイトに悪い評判が投稿されることも珍しくありません。
社員からの悪い口コミや社会からの批判がWeb上に出回ると、会社のブランドイメージは大きく損なわれます。
パーパスブランディングでは、顧客だけでなく社員にも目を向けてブランディングを行います。顧客以外のステークホルダー、とくに社員にも配慮し、社会全体に向けた取り組みを行うことで、求職者や一般社会へもポジティブなイメージを形成し、採用活動に良い影響を与えるでしょう。社会から良い評価を得ている企業と従業員エンゲージメント
会社に対する社員の評価・所感が求職者にとっての企業イメージを大きく左右するだけでなく、社会から会社に対する評価の良し悪しが従業員エンゲージメントにも影響を与えています。社員から会社に対する評価と社会から会社に対する評価は循環関係にあるのです。
従業員エンゲージメントは、会社の姿勢や取り組みを社員が心から理解して共感し、帰属意識を高め、会社に貢献したいと考える場合に高まります。
【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介】
現代では消費者や投資家だけでなく、働く人々も企業の社会性を求めるようになっています。したがって、以下のような場合にはエンゲージメントが低下する可能性があります。- コミュニケーション不足で会社の理念が浸透していない
- 会社が社会的な取り組みを行っていないか、社会の利益に反する動きをしている
- 会社のスタンスを知ってはいるが、共感できない
- 会社の考え・取り組みが時流に合わない
- 会社に対する社会的評価が悪く、所属していることをマイナスに捉えている
- 会社の姿勢が社員の価値観と合わないため、本心では会社に利益をもたらそうとは思えない
所属企業が社会に対して十分な価値を提供できていないと感じると、社員は「自分にはこの会社は合わないのではないか」と感じたり、会社に対する愛着を失ったりすることがあります。
従業員エンゲージメントが低下すると、社員のモチベーションも下がり、生産性の低下や離職者数の増加を招くなど悪循環に陥りかねません。価値観の多様化
自らの勤務先や就職先がいかに社会貢献をしているかを重視する人が増えている一方で、人々の価値観が多様化していることも無視できません。
社会貢献と一口にいっても、貢献の方法・種類はさまざまです。以下はすべて社会貢献の例と考えられますが、それぞれ異なる価値観をもっています。
【例1:スピードの重視と地球環境保護】A:臆せず革新的な技術を次々と試し、これまで解決できないと考えられていた迅速な処理を実現させている
B:地球環境に配慮し、たとえ新しく効率的な方法が存在してもより地球環境に優しい手法を選択する
【例2:伝統文化の保護と社会変革】A:伝統文化を守り、古来のまま次世代に受け継ぐことで貴重な文化を遺している
B:伝統を守るのではなく、新しいものを取り入れ続け社会変革をもたらしている
【例3:利便性と社員の健康】A:顧客の利便性を高めるため、24時間営業を行う
B:社員の健康保持のため、夜間・休日の営業を取りやめる
このように、社会貢献のあり方や着眼点・価値観は社員だけでなく企業によって異なります。社会的な要請を受けていかに社会との接点をもち、貢献度の高い経営をするかが重要であると同時に、求職者や社員の価値観と自社の目指すものがマッチしているかが大切です。従業員エンゲージメントや社員の職場定着に大きく影響を与えるからです。
求職者や社員の価値観の多様化についてさらに深く知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:働く人の価値観は変化している?活躍人材を見抜くの特徴や採用方法を紹介】
【関連記事:「ここで働きたい」と思わせるには?企業が意識したいポイントを解説】ミイダスは自社と求職者・社員の価値観のマッチを重視した
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パーパスブランディングを採用・人材育成に活かすには「コンピテンシー」人々が社会貢献に関心を抱くようになり、パーパスブランディングが重要性を増している一方で、人事領域の活動においては一人ひとりの価値観の多様化にも向き合うことも必要です。仮に社会貢献に取り組む企業だからといっても、求職者・社員の価値観や特性とマッチしなければ、一人ひとりの能力が発揮されにくくなります。
採用・人材育成においてパーパスブランディングを活かすには、「コンピテンシー」を用いて考えることがおすすめです。コンピテンシーを取り入れ、パーパスブランディングと採用・人材育成を成功させるポイントを解説します。採用・人材育成におけるパーパスブランディングの特徴
採用・人材育成におけるパーパスブランディングの特徴は、求職者や社員が会社と信頼関係を築くだけでなく、自社のメンバーとして会社と方向性を合わせて業務に取り組み、成果を求められる存在であることです。自社が社会的意義を高めたり、市場における競争力を増したりするための力をもつためには、採用し、育成する過程で「いかに会社が求めている成果を導ける人物なのか」という点が重要です。
そこで、採用選考時にも、入社後のマネジメントにおいてもどのような人物を求めているかを明確に示し、基準にしたがって採用・人材育成を行う必要があります。社会的要請を踏まえて「求める人物像」を定める
パーパスブランディングを意識する場合は、社会からの要請を踏まえて求める人物像を定義することが重要です。そこで気をつけなければならないのは「社会貢献ができていればどんな切り口でもかまわない」のではなく、「自社に合った視点で求める人物像を定める」ことです。
自社にフィットした求める人物像を定義するには、「コンピテンシー」を用いるとスムーズです。採用のミスマッチを防ぎ、人材育成・配置における最適化ができます。
コンピテンシーとは、成果をあげる社員の行動特性のことです。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
行動特性とは、個人が持つ行動パターンや思考の傾向を指します。仕事においては業務上の判断や習慣的な行動、トラブルを対処する際の振る舞いにあらわれます。
行動特性は一人ひとり異なっているため、自社で成果をあげる社員の行動特性を分析したり、その時点で補いたい人物像を考えたりすることで「求める人物像」のモデル(コンピテンシーモデル)が作成できるのです。求める人物像の定義にコンピテンシーを取り入れるとは、このようなイメージです。
ここで、できあがったコンピテンシーモデルに自社の社会貢献が投影されているか、どのような社会貢献が見られるのかを確認し、言語化して求人情報に反映させます。人材育成においては社員に直接、自社の求めることや社会貢献について伝え、信頼関係を構築しましょう。コンピテンシーの項目とモデルの作成方法
コンピテンシー項目 コンピテンシー定義(5以上) コンピテンシー定義(5以下) ヴァイタリティ 活動的
行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。
やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。
競争性
勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 活動的
物事を一定のペースでやりたがる。負荷が大きすぎる仕事を好まない。
競争性
人と競争することを好まない。勝つことよりも参加することに意義を見出す。 人あたり 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
面倒み
他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 社会性
公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。
面倒み
誰に対しても思いやりの態度を取るわけではない。他人の個人的な問題から距離を置く。 チームワーク 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定の参加を求める。自分ひとりで決定を下すことは少ない。 社会性
公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。
協議性
人に相談せず決定しようとする。自分ひとりで決定を下すことを好む。 創造的思考力 創造的
新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 創造性
アイデアを生み出すよりも、既にあるものの上に積み上げていくほうである。新しいものを作り出したり、発明したりすることは少ない。
概念性
理論的な問題よりも実務的な問題を扱うことを好む。抽象的な概念を扱うことを嫌う。 問題的解決力 データへの関心
数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。
概念性
理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 データへの関心
事実や数字よりも、意見や気持ちなどを重視する。統計データ等を使うことを避けようとする。
概念性
理論的な問題よりも実務的な問題を扱うことを好む。抽象的な概念を扱うことを嫌う。 状況適応力 社会性
初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。
人間への関心
人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 社会性
公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。
人間への関心
人の行動の背景に関心がない。人を分析しようとしない。 プレッシャーへの耐力 余裕
リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。
タフ
あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 余裕
緊張しやすい。リラックスしにくい。仕事からの気分転換がなかなかできない。
タフ
感じやすく批判されると傷つきやすい。理不尽な発言や侮辱に動揺する。 オーガナイズ能力 先見性
長期的な見方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。
緻密
物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 先見性
長期的な問題よりも、目の前の問題に目がいく。物事をあまり戦略的に考えない。
緻密
細かなことにとらわれない。物事を順序立てて系統的に考えることに苦手意識がある。細かい仕事を嫌う。 統率力 指導性
リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。
協議性
広く相談し、他の人に意思決定の参加を求める。自分ひとりで決定を下すことは少ない。 指導性
人にリードしてもらうほうが良い。何をすべきか人に指示することを好まず、指揮を取ることはあまりない。
協議性
人に相談せず決定しようとする。自分ひとりで決定を下すことを好む。
ミイダスのコンピテンシー診断では、「ヴァイタリティ」「人あたり」「チームワーク」など全9項目・10段階で評価します。各項目のスコアが5以上か5以下かによって、その人自身がもつ資質の傾向を捉えられます。
このように診断ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成していくほかに、コンピテンシーディクショナリーというコンピテンシーの一覧集を用いて当てはめていく方法もあります。しかし、すべて人の手でコンピテンシーモデルを作るには大変な時間や手間がかかり、コンピテンシーモデル作成者の主観が入り込んで客観性が失われてしまう可能性があることが問題です。
ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成することで、求める人物像が明確になり、採用選考の担当者ごとの判断のズレ解消や人材育成における指標の策定にも役立ちます。
コンピテンシーを採用・人材育成に取り入れることで、より良いマッチングが可能となります。コンピテンシーを取り入れてパーパスブランディングも意識すると、社会と自社の結びつきやスタンスを表し、自社で活躍する人材の獲得・育成ができるでしょう。人材育成におけるコンピテンシーとパーパスブランディングの相乗効果
コンピテンシーは会社ごとに異なるのはもちろんのこと、部署や担当業務によっても異なります。本人の特性と担当業務や部署のコンピテンシーが一致する場合、能力が引き出されてより活躍しやすくなります。
人材配置・人材育成においてコンピテンシーを活用すると、一人ひとりの能力が開花するため、社員は会社に貢献できている実感がわきやすく、会社への愛着形成にもつながります。
会社と自分自身の結びつきが強く感じられる時、会社のパーパスにも共感できているといっそう会社へのエンゲージメントが高まり、働くことへの満足度も高まるでしょう。
このように、採用だけでなく人材配置や人材育成においてもコンピテンシーとパーパスブランディングをともに活用することで、社員一人ひとりの能力が引き出され、成果があがり、結果的に経営にも貢献することになるのです。パーパスブランディングとコンピテンシーを人事に活かす「ミイダス」42万4,950社(2022年12月時点)が導入する「ミイダス」では、コンピテンシーの視点を取り入れた採用・人材育成が可能です。コンピテンシーを調べ、コンピテンシーモデルの作成に役立つコンピテンシー診断が利用できるだけではなく、コンピテンシー診断を利用した採用・人材育成・人材配置・マネジメントが一気通貫で行えます。採用したい人物像のモデルを作成し、モデルに近い人物に自動でアプローチできる機能や、定期的な従業員のモニタリングでコンピテンシーの変化を見出すことで、適材適所の配置やさらなる育成のヒント獲得につながる機能もあります。
また、ミイダスご契約企業様のみお使いいただける、コンピテンシーを活用して採用後の人材育成をサポートする「活躍ラーニング」という学習コンテンツも用意しています。
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各講座については以下の紹介動画もぜひご覧ください。パーパスブランディングとあわせて組織のパフォーマンスを最大化させる採用活動や人材育成を効果的に行うには、コンピテンシー診断を活用できるミイダスがおすすめです。コンピテンシー診断は15名まで無料で利用できます。ぜひミイダスのコンピテンシー診断をお試しください。
採用・人事領域においてパーパスブランディングとは、自社が求職者・社員に対し、社会とのつながりや社会に向けた取り組み・スタンスを明らかにし、求職者・社員から社会貢献度の高い会社であると認識され、信頼関係を築くことを意味します。
求職者や社員の視点からパーパスブランディングについて解説します。
求職者は求人情報や会社のWebサイトだけでなく、SNSや口コミサイトからも情報を得やすくなっています。採用のためのイメージアップといえども、採用関連情報だけを整えれば良いというものではありません。コーポレートサイトやIR情報をはじめとした、会社に関するすべての情報から、求職者は自社へのイメージをもつと考えられます。
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採用・人事活動においてとくに重要なのは、その会社で働く社員の意見です。どんなに良質な製品・サービスを提供する企業でも、残業が多かったり、ハラスメントが起きたりするようでは社員の満足度が低下してしまいます。社員の満足度が低下したり、短期間での離職が相次いだりすると求職者が閲覧する社員の口コミサイトに悪い評判が投稿されることも珍しくありません。
社員からの悪い口コミや社会からの批判がWeb上に出回ると、会社のブランドイメージは大きく損なわれます。
パーパスブランディングでは、顧客だけでなく社員にも目を向けてブランディングを行います。顧客以外のステークホルダー、とくに社員にも配慮し、社会全体に向けた取り組みを行うことで、求職者や一般社会へもポジティブなイメージを形成し、採用活動に良い影響を与えるでしょう。
従業員エンゲージメントは、会社の姿勢や取り組みを社員が心から理解して共感し、帰属意識を高め、会社に貢献したいと考える場合に高まります。
【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介】
現代では消費者や投資家だけでなく、働く人々も企業の社会性を求めるようになっています。したがって、以下のような場合にはエンゲージメントが低下する可能性があります。
従業員エンゲージメントが低下すると、社員のモチベーションも下がり、生産性の低下や離職者数の増加を招くなど悪循環に陥りかねません。
社会貢献と一口にいっても、貢献の方法・種類はさまざまです。以下はすべて社会貢献の例と考えられますが、それぞれ異なる価値観をもっています。
【例1:スピードの重視と地球環境保護】
A:臆せず革新的な技術を次々と試し、これまで解決できないと考えられていた迅速な処理を実現させている B:地球環境に配慮し、たとえ新しく効率的な方法が存在してもより地球環境に優しい手法を選択する |
A:伝統文化を守り、古来のまま次世代に受け継ぐことで貴重な文化を遺している B:伝統を守るのではなく、新しいものを取り入れ続け社会変革をもたらしている |
A:顧客の利便性を高めるため、24時間営業を行う B:社員の健康保持のため、夜間・休日の営業を取りやめる |
求職者や社員の価値観の多様化についてさらに深く知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:働く人の価値観は変化している?活躍人材を見抜くの特徴や採用方法を紹介】
【関連記事:「ここで働きたい」と思わせるには?企業が意識したいポイントを解説】
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人々が社会貢献に関心を抱くようになり、パーパスブランディングが重要性を増している一方で、人事領域の活動においては一人ひとりの価値観の多様化にも向き合うことも必要です。仮に社会貢献に取り組む企業だからといっても、求職者・社員の価値観や特性とマッチしなければ、一人ひとりの能力が発揮されにくくなります。
採用・人材育成においてパーパスブランディングを活かすには、「コンピテンシー」を用いて考えることがおすすめです。コンピテンシーを取り入れ、パーパスブランディングと採用・人材育成を成功させるポイントを解説します。
採用・人材育成においてパーパスブランディングを活かすには、「コンピテンシー」を用いて考えることがおすすめです。コンピテンシーを取り入れ、パーパスブランディングと採用・人材育成を成功させるポイントを解説します。
採用・人材育成におけるパーパスブランディングの特徴
採用・人材育成におけるパーパスブランディングの特徴は、求職者や社員が会社と信頼関係を築くだけでなく、自社のメンバーとして会社と方向性を合わせて業務に取り組み、成果を求められる存在であることです。自社が社会的意義を高めたり、市場における競争力を増したりするための力をもつためには、採用し、育成する過程で「いかに会社が求めている成果を導ける人物なのか」という点が重要です。
そこで、採用選考時にも、入社後のマネジメントにおいてもどのような人物を求めているかを明確に示し、基準にしたがって採用・人材育成を行う必要があります。
そこで、採用選考時にも、入社後のマネジメントにおいてもどのような人物を求めているかを明確に示し、基準にしたがって採用・人材育成を行う必要があります。
社会的要請を踏まえて「求める人物像」を定める
パーパスブランディングを意識する場合は、社会からの要請を踏まえて求める人物像を定義することが重要です。そこで気をつけなければならないのは「社会貢献ができていればどんな切り口でもかまわない」のではなく、「自社に合った視点で求める人物像を定める」ことです。
自社にフィットした求める人物像を定義するには、「コンピテンシー」を用いるとスムーズです。採用のミスマッチを防ぎ、人材育成・配置における最適化ができます。
コンピテンシーとは、成果をあげる社員の行動特性のことです。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
行動特性とは、個人が持つ行動パターンや思考の傾向を指します。仕事においては業務上の判断や習慣的な行動、トラブルを対処する際の振る舞いにあらわれます。
行動特性は一人ひとり異なっているため、自社で成果をあげる社員の行動特性を分析したり、その時点で補いたい人物像を考えたりすることで「求める人物像」のモデル(コンピテンシーモデル)が作成できるのです。求める人物像の定義にコンピテンシーを取り入れるとは、このようなイメージです。
ここで、できあがったコンピテンシーモデルに自社の社会貢献が投影されているか、どのような社会貢献が見られるのかを確認し、言語化して求人情報に反映させます。人材育成においては社員に直接、自社の求めることや社会貢献について伝え、信頼関係を構築しましょう。
自社にフィットした求める人物像を定義するには、「コンピテンシー」を用いるとスムーズです。採用のミスマッチを防ぎ、人材育成・配置における最適化ができます。
コンピテンシーとは、成果をあげる社員の行動特性のことです。
【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介】
行動特性とは、個人が持つ行動パターンや思考の傾向を指します。仕事においては業務上の判断や習慣的な行動、トラブルを対処する際の振る舞いにあらわれます。
行動特性は一人ひとり異なっているため、自社で成果をあげる社員の行動特性を分析したり、その時点で補いたい人物像を考えたりすることで「求める人物像」のモデル(コンピテンシーモデル)が作成できるのです。求める人物像の定義にコンピテンシーを取り入れるとは、このようなイメージです。
ここで、できあがったコンピテンシーモデルに自社の社会貢献が投影されているか、どのような社会貢献が見られるのかを確認し、言語化して求人情報に反映させます。人材育成においては社員に直接、自社の求めることや社会貢献について伝え、信頼関係を構築しましょう。
コンピテンシーの項目とモデルの作成方法
コンピテンシー項目 | コンピテンシー定義(5以上) | コンピテンシー定義(5以下) |
ヴァイタリティ | 活動的 行動することで生き生きとする。常に忙しくしていたい。 やるべきことが沢山ある状態を楽しいと思う。 競争性 勝ちたいと思う。競争を楽しみ、負けることを嫌う。 | 活動的 物事を一定のペースでやりたがる。負荷が大きすぎる仕事を好まない。 競争性 人と競争することを好まない。勝つことよりも参加することに意義を見出す。 |
人あたり | 社会性 初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。 面倒み 他人に共感でき、思いやりがある。世話好きで他人の個人的な問題にも支援を惜しまない。 | 社会性 公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。 面倒み 誰に対しても思いやりの態度を取るわけではない。他人の個人的な問題から距離を置く。 |
チームワーク | 社会性 初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。 協議性 広く相談し、他の人に意思決定の参加を求める。自分ひとりで決定を下すことは少ない。 | 社会性 公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。 協議性 人に相談せず決定しようとする。自分ひとりで決定を下すことを好む。 |
創造的思考力 | 創造的 新しいアイデアを生み出す。新しいものを作り上げることを好む。独創的な解決法を考える。 概念性 理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 | 創造性 アイデアを生み出すよりも、既にあるものの上に積み上げていくほうである。新しいものを作り出したり、発明したりすることは少ない。 概念性 理論的な問題よりも実務的な問題を扱うことを好む。抽象的な概念を扱うことを嫌う。 |
問題的解決力 | データへの関心 数字を扱うことが好きで統計データを分析することを楽しむ。事実や数字に基づいて判断する。 概念性 理論に関心を持つ。抽象的な概念について話し合うことを楽しいと思う。 | データへの関心 事実や数字よりも、意見や気持ちなどを重視する。統計データ等を使うことを避けようとする。 概念性 理論的な問題よりも実務的な問題を扱うことを好む。抽象的な概念を扱うことを嫌う。 |
状況適応力 | 社会性 初対面の人と会うのも気楽である。公式の場でもくつろげる。 人間への関心 人の行動や動機を理解しようとする。人を分析することを楽しむ。 | 社会性 公式な場でないほうが気楽である。初対面の人と会う時ぎこちない。 人間への関心 人の行動の背景に関心がない。人を分析しようとしない。 |
プレッシャーへの耐力 | 余裕 リラックスできる。あまり緊張しない。概ね冷静で落ち着いている。 タフ あまり他人の言動で傷ついたりしない。侮辱を聞き流せる。自分への批判に対して鈍感である。 | 余裕 緊張しやすい。リラックスしにくい。仕事からの気分転換がなかなかできない。 タフ 感じやすく批判されると傷つきやすい。理不尽な発言や侮辱に動揺する。 |
オーガナイズ能力 | 先見性 長期的な見方をする。将来の目標を設定し、戦略的に考える。 緻密 物事の細部に目がいく。物事を順序立てて系統的に処理することを好む。細部にとらわれすぎることがある。 | 先見性 長期的な問題よりも、目の前の問題に目がいく。物事をあまり戦略的に考えない。 緻密 細かなことにとらわれない。物事を順序立てて系統的に考えることに苦手意識がある。細かい仕事を嫌う。 |
統率力 | 指導性 リーダーとなって指揮を取り、何をすべきか人に指示する。主導権を取ることを好む。 協議性 広く相談し、他の人に意思決定の参加を求める。自分ひとりで決定を下すことは少ない。 | 指導性 人にリードしてもらうほうが良い。何をすべきか人に指示することを好まず、指揮を取ることはあまりない。 協議性 人に相談せず決定しようとする。自分ひとりで決定を下すことを好む。 |
ミイダスのコンピテンシー診断では、「ヴァイタリティ」「人あたり」「チームワーク」など全9項目・10段階で評価します。各項目のスコアが5以上か5以下かによって、その人自身がもつ資質の傾向を捉えられます。
このように診断ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成していくほかに、コンピテンシーディクショナリーというコンピテンシーの一覧集を用いて当てはめていく方法もあります。しかし、すべて人の手でコンピテンシーモデルを作るには大変な時間や手間がかかり、コンピテンシーモデル作成者の主観が入り込んで客観性が失われてしまう可能性があることが問題です。
ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成することで、求める人物像が明確になり、採用選考の担当者ごとの判断のズレ解消や人材育成における指標の策定にも役立ちます。
コンピテンシーを採用・人材育成に取り入れることで、より良いマッチングが可能となります。コンピテンシーを取り入れてパーパスブランディングも意識すると、社会と自社の結びつきやスタンスを表し、自社で活躍する人材の獲得・育成ができるでしょう。
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ツールを用いてコンピテンシーモデルを作成することで、求める人物像が明確になり、採用選考の担当者ごとの判断のズレ解消や人材育成における指標の策定にも役立ちます。
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人材育成におけるコンピテンシーとパーパスブランディングの相乗効果
コンピテンシーは会社ごとに異なるのはもちろんのこと、部署や担当業務によっても異なります。本人の特性と担当業務や部署のコンピテンシーが一致する場合、能力が引き出されてより活躍しやすくなります。
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