「最近よく聞くMECE(ミーシー)って一体何のこと?」
「MECEを使いこなして、課題や問題解決に導きたい」
と思うことはありませんか。
MECEとはロジカルシンキングのひとつで、問題や課題を「漏れなくダブりなく」要素を分類する思考法です。
本記事ではMECEの考え方の基本や身につける方法、活用できるフレームワークなどを解説します。目の前にある問題や課題を効率的に分析し、適切な解決策を導きたい方は、ぜひご一読ください。
なお、社内チームを強化するにあたって「部下のモチベーションを適切に把握したい」と思う方もいるのではないでしょうか。社内で感じるストレスへの理解を深め、モチベーションを可視化する具体的な方法を記載したお役立ち資料をご用意しています。
部署やチームを強化したい方は、下記の資料もぜひお役立てください。
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▼この記事でわかること
MECE(ミーシー)とは?注目の理由や具体例を解説MECEとは、目の前にある問題や課題を相互排他的なカテゴリーに分類し、それが全体を網羅するように構造化する思考法です。
英語の「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取って「MECE」となっており、直訳すると「相互に排他的かつ集合的に網羅的」となります。わかりやすく言うと「モレなく、ダブりなく考える」という意味です。
MECEを取り入れることで、問題や課題の解決に必要な情報が重複せず、抜け漏れなく網羅的に考えられます。ロジカルシンキングのひとつとされ、適切な意思決定のサポートに役立ちます。ビジネスでMECEが注目される理由
ビジネスでは、社会で起きている問題や課題の解決が求められます。しかし、問題や課題が大きくなればなるほど複雑になり、解決策を見つけるのは難しくなるでしょう。
スピーディーかつ効率的に問題や課題を解決するには、物事をシンプルに考え、情報を整理・分類する必要があります。MECEの考え方を活用することで情報の整理がしやすくなり、複雑な問題への理解も進むため、課題の分析や解決策の検討に役立つのです。MECEが使える場面と例
MECEは、下記のシーンで使うことができます。- ビジネスシーンで起こる複雑な課題や問題の解決策を見つけるとき
- 客観的な視点で物事を分析し、意思決定に役立てたいとき
- 論理的に情報を整理したいとき
- 問題の全体像を把握したいとき など
ビジネスの現場ではもちろん、日常生活においてもMECEを取り入れられるでしょう。
ビジネスでMECEを使う場面を具体的にすると、下記のような業務で活用できます。- 新規事業や新商品の企画検討
- 販促戦略の立案
- ターゲットの選定
- プロジェクト管理
- 組織改善
- 調査項目の洗い出し など
このように、幅広い分野でMECEの考え方が役立ちます。
では、どのようにMECEな考え方をしたらよいのでしょうか。基本的な考え方を見ていきましょう。MECEの基本的な考え方MECEの基本的な考え方は2つあります。- 相互排他的
- 全体的
それぞれ見ていきましょう。相互排他的
相互排他的は「ダブりなく」の部分に該当します。物事の要素は、同時に複数のカテゴリーに属しません。
たとえば、コンビニに陳列される商品を分類するときには、下記のようになります。- カテゴリー1:食品
- カテゴリー2:日用品
- カテゴリー3:雑誌
ひとつの商品は同時に複数のカテゴリーに分類されないのが原則です。おにぎりであれば食品に分類され、そのほかのカテゴリーに属することはありません。
この考え方を守ることで情報の整理が効率的になり、問題や課題を明らかにしやすくなります。全体的
「全体的」とは「漏れなく」の部分に該当します。物事のカテゴリーや分類が、全体を完全に網羅することが求められるのです。
コンビニの商品で考えてみると下記のようになります。- カテゴリー1:弁当
- カテゴリー2:パン
- カテゴリー3:飲み物
- カテゴリー4:菓子類
- カテゴリー5:日用品
- カテゴリー6:雑誌
コンビニで取り扱う商品は多いため、これがすべてではありませんが、食品のカテゴリーを細かく分類できます。
すべての情報・要素がいずれかのカテゴリーに入るように設計し、抜け漏れのない状態にすることが大切です。各商品は必ずどれかのカテゴリーに分類されるため、抜け漏れを防ぎながら全体像を把握しやすくします。
ただし、真剣に考えるあまり視野が狭くなったり、細かいところを意識しすぎたりすることもあるかもしれません。全体像を俯瞰しながら、漏れや重複がないか見ていくことが大切です。
相互排他的と全体的、どちらかが抜けた状態ではMECEとは言えません。漏れなく、ダブりなく要素を整理できてこそ、MECEの考え方ができていると言えるのです。MECEを身につける方法MECEを身につけるには、下記の流れで思考力を強化していきましょう。- 自身の思考のクセを把握する
- 基本的な考え方を理解する
- 問題や課題を分解する
- 2つのアプローチ方法で考える
- 切り口を変えて考える
- 解決策を実行する
- 解決策を実行したら振り返りをする
それぞれのポイントを解説していきます。自身の思考のクセを把握する
MECEで考え始める前に、まず自身の思考のクセを把握することが大切です。自分では適切な判断をしているつもりでも、無意識のうちに思い込んでいたり、偏った思考をしていたりする可能性があります。
思考のクセに強い傾向がある場合は、MECEを取り入れても抜け漏れやダブりが発生するかもしれません。
しかし、自分の思考のクセを客観的に捉えることは難しいものです。上司や同僚などの第三者に評価してもらう場合でも、その人の主観が入り込んでしまうこともあるでしょう。
思考のクセを客観的な視点で可視化するには、ミイダスが提供する「バイアス診断ゲーム」がおすすめです。誰もが持つ認知バイアスの強さを知ることができ、意識してコントロールしていくと意思決定の質向上につながります。
人材育成や業務の生産性向上につなげられる診断ですので、ぜひ一度お試しください。バイアス診断ゲームは、ミイダスの無料アカウント登録後にご利用いただけます。ミイダスはアセスメントツールやサーベイ機能を併せ持ち
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基本的な考え方を理解する
MECEで考えていくには、前述した「相互排他的」と「全体的」を理解する必要があります。
この2つを理解できていない状態で始めると、重複や抜け漏れの原因となります。基本をしっかり理解したうえで、MECEでの思考を始めましょう。問題や課題を分解する
目の前にある複雑な問題や課題をシンプルにして、小さな要素に細分化します。この作業によって問題を整理できるため、根本的な原因を探りやすくなるのです。
要素の細分化ができたら、重要度や影響力に基づいて着手すべき優先順位を決定します。あらかじめ優先順位を決めておくと、解決策の実行に必要なリソースの分配が適切におこなえます。2つのアプローチ方法で考える
MECEを使うなかで、思考が行き詰まることもあるでしょう。そのときは「トップダウンアプローチ」「ボトムアップアプローチ」で考えてみるのがおすすめです。トップダウンアプローチ
全体像を俯瞰して大枠を理解したうえで、要素を整理するアプローチです。全体から詳細の要素に向かって考えていくため、すでに全体像が明確にわかっている場合に活用できます。
たとえば「自社が求める人材像は何か」をテーマとして考える際には、- 自主性
- コミュニケーション力
- 素直さ
といったカテゴリーに分類できるでしょう。そこからさらに細かい要素を分類していきます。
トップダウンアプローチは全体を俯瞰して捉えられるメリットがありますが、そもそも全体像が把握できていなかったり、間違っていたりすると漏れやダブりの原因になるため注意しましょう。ボトムアップアプローチ
全体像が明確ではないときや情報・要素の分類が難しい場合に使用されるアプローチです。詳細な情報・要素から全体像を構築します。
たとえば「自社が求める人材像」を分類するなら、- 自ら考えて行動する
- 進んでスキルアップに励む
- 業務効率化を図る
といった要素が「自主性」のカテゴリーに振り分けられるでしょう。
トップダウンアプローチは上から下に向かって考えるのに対し、ボトムアップアプローチでは下から上へ見ていきます。構成される詳細な要素をすべて洗い出したあと、カテゴリーごとにグループ化することで全体像が見えてくるのです。
ボトムアップアプローチは、経験のない分野でも考えを巡らせることができます。しかし、全体像が明確な状態ではないため、要素が漏れやすい側面もあります。
トップダウンアプローチ・ボトムアップアプローチのどちらかが優れているわけではありません。2つのアプローチを理解し、それぞれ使いこなせるようにしておくとMECEでの思考が深まります。切り口を変えて考える
MECEで考える際、切り口を変えてみる方法もあります。切り口の一例は下記のとおりです。- 要素分解
- 因数分解
- 時系列・ステップ分け
- 対称概念
要素分解
全体を把握したうえで物事を構成している要素を分解していき、それらの総和が全体となるように切り分けることです。要素分解することで、漠然としていた問題や課題が浮き彫りになり、解決策の検討に役立ちます。
分解した要素の総和が全体になることから「足し算型」や「積み上げ型」とも言われています。因数分解
分析したい対象を計算式で表し、それぞれの要素に分解する方法です。「掛け算型」とも言われます。
たとえば、店舗の売上であれば「顧客数×顧客単価」で計算し、要素を分解していきます。時系列・ステップ分け
対象を時間や段階で分類する方法です。時系列・ステップ分けで考える際には、下記のようにできます。- 製造ラインの作業手順ごとに分類
- 業務フローの流れに沿ってステップごとに分類
- プロジェクトのタスクを計画・準備・実行・改善に分類
対称概念
対称的な概念を挙げて分類する方法です。- 主観と客観
- 固定と変動
- スピードとクオリティ
- メリットとデメリット
このように対称的な概念を挙げたあとに、要素を分類しましょう。対称概念は、共通点を見つけたり物事の本質を深掘りしたりする際に役立ちます。解決策を実行する
整理した情報や要素に基づいて解決策を考えます。その後、解決策の実行に移しましょう。
MECEの考え方を身につけるには、実践し続けることが大切です。実際の業務やプロジェクトなどにMECEを取り入れると習得が早いでしょう。解決策を実行したら振り返りをする
実践をしながら定期的な振り返りを繰り返すことが上達のカギです。振り返りによって改善が必要な場合は、該当部分の見直し・修正を図ります。実践・振り返り・改善のプロセスを繰り返すことで、継続的にMECEの考え方ができるようになり、自分のものとして活用できるのです。
組織的にMECEの思考法を取り入れる場合は、上司や同僚から考え方が適切にできているかフィードバックするのも有効です。短期間のうちに思考法をマスターするのは容易ではないため、長期的な視点で実践を繰り返しながら定着させることが大切です。MECEを活用できるフレームワーク一覧MECEを使う際、フレームワークを活用する方法もあります。フレームワークでは分析・思考できる枠組みができあがっているため、効率よく進められるのです。
MECEをうまく実践できない場合は、下記のようなフレームワークに一度当てはめてみましょう。- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
- 7S分析
- 5フォース分析
- バリューチェーン分析
- ロジックツリー
それぞれ見ていきましょう。3C分析
3C分析とは、主にマーケティングの環境分析をするフレームワークです。下記3つのCからなる要素で分析をおこないます。- 市場・顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
3C分析によって、市場と顧客ニーズの変化や競合の戦略をふまえながら、自社の強み・弱みの把握、経営戦略の明確化に活かせます。他社との差別化を図りつつ、多様な角度から戦略立案ができるフレームワークです。SWOT分析
SWOT分析は、経営や事業などにおける内部の「強み」と「弱み」、外部の「機会」と「脅威」を特定するフレームワークです。4つの要素を分析し、マーケティング戦略の立案や競合分析に活用できます。
外部環境と内部環境を客観的な視点で分析できるところが特徴で、現状の把握から戦略立案がしやすくなります。事業開始前だけではなく、定期的に改善点を見つける際にもSWOT分析が役立つでしょう。4P分析
4P分析とは、マーケティング戦略の立案に使用されるフレームワークです。3C分析やSWOT分析などで明らかにした市場環境をふまえ、戦略を具体的にするときに役立ちます。
4P分析は、次の4つで分析します。1. 製品(Product)
2. 価格(Price)
3. 販売経路(Place)
4. 販売促進(Promotion)上記の流れで上から順番に考えていくことが大切です。
4P分析によって、どのような製品をいくらで、どのように販売して顧客に宣伝するのか考えていきましょう。7S分析
7S分析は、組織分析を得意とするフレームワークです。コンサルティング会社マッキンゼーによって提唱されました。組織の現状を知り、変革を起こしたい際に有効な考え方です。
7S分析では、組織の要素を「ハードの3S」と「ソフトの4S」に分けて現状を把握します。7つの要素は次のとおりです。【ハードの3S】
・戦略(Strategy)
・組織構造(Structure)
・システム(System)
【ソフトの4S】
・人材(Staff)
・社風・経営スタイル(Style)
・経営理念などの価値観(Shared Values)
・技術やノウハウ(Skills)ハードの3Sを改善するのは比較的短い期間で済みますが、ソフトの4Sの場合は長期間かかるとされています。どちらか一方ではなく、両面の改善が組織には必要ですので、ハードの3Sをスピーディーに着手しつつ、ソフトの4Sにも戦略的に取り組むことが大切です。5フォース分析
5フォース(ファイブフォース)分析とは、競合各社や業界全体の状況と収益構造を可視化し、自社の利益の上げやすさを見るフレームワークです。新製品開発や新ブランドの展開などで収益性があるか分析できます。
5フォース分析では、下記5つの要素を分析します。- 業界内における競合他社の脅威
- 業界における新規参入者の脅威
- 代替品の存在
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
これらは外部からの脅威であり、収益に直結する部分です。収益性を上下させる原因を探し、どのようにしたら収益を確保できるのか戦略化することが求められます。
自社の競争優位性を明らかにして、収益性の向上や経営資源の再配分、新規参入・撤退の判断をしたいときに活用しましょう。バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、商品をつくる原材料の調達から流通・販売までを「価値の連鎖」として捉え、「主要活動」と「支援活動」に分けて分析します。それぞれの活動が生み出している付加価値が分析できるため、競合分析や自社の競争優位性を明らかにする際に有効です。
バリューチェーンの主活動にあたる部分は、提供する製品によっても異なりますが、下記のような要素が挙げられます。- 原材料の調達
- 製造
- 流通
- マーケティング
- サービス
支援活動は企業活動を支える取り組みのことで、人事・技術開発・インフラ整備・調達などが該当します。
いずれも企業に付加価値をもたらす活動です。現状における自社の活動を把握し、競争優位性を確保するための戦略立案につなげられます。ロジックツリー
ロジックツリーは、起こっている問題を構成する要素をツリー状に書き出し、原因の特定や解決策の発見につなげるフレームワークです。マインドマップのようにメインテーマから関連する要素に分解し、階層化していきます。
問題を細かく分解することで可視化が容易になり、ロジカルかつシンプルに捉えられるようになります。
ロジックツリーは、問題解決のほか目標設定や思考整理など、ビジネスシーンで幅広く活用可能です。ロジックツリーを取り入れる際にもMECEの「漏れなく、ダブりなく」の考え方で分析することが大切です。MECEを取り入れる際の注意点MECEを使うときに注意しておきたいポイントが3つあります。- 主観が入っていないか意識する
- MECEで考えることが本来の目的ではない
- MECEが向かない分野もある
主観が入っていないか意識する
客観的に見ているつもりでも、いつの間にか主観が入り込み、抜け漏れ・ダブりが起こっている場合もあります。主観や思い込みで物事を捉えていないか、意識的に見ていくことが大切です。MECEで考えることが本来の目的ではない
MECEに当てはめて考えることがゴールではありません。思考したり分析したりしただけで満足しないようにしましょう。
MECEは本来、思考したうえで問題や課題に対する解決策を立て、実行していくことが目的です。MECEで考える必要性や目的を明確にしておくと、ゴールを間違えることも少なくなります。MECEが向かない分野もある
実は、物事のなかにはMECEでの思考が不向きなものがあります。たとえば、下記のことはMECEに向かないと言われています。- クリエイティブな作業
- アイデアの発想
- 主観を多く含む感情 など
柔軟に思考しなければならない場面でMECEを使うと制限が生まれ、大切な感性や想像性が失われてしまう可能性があるのです。MECEが向かない分野では、活用を避けるようにしましょう。MECEに関するよくある質問MECEを使っていくなかで「日常生活でも使える?」「MECEが使えていないのでは?」といった疑問が出てくることもあるでしょう。
2つの疑問について回答します。日常生活でのMECEの使い方は?
日常生活でもMECEを活用できます。活用例には下記が挙げられます。- 家事や育児、趣味などのタスク管理
- やってみたいことの目標設定 など
MECEの基本である「漏れなく、ダブりなく」の考え方は同じです。業務上での活用のほか、日常生活で取り入れることによって思考力の強化につながります。MECEが使えていない場面の例は?
「漏れなく、ダブりなく」の両方が揃ってこそ、MECEだと言えます。そのため、下記の場合はMECEで考えられているとは言えません。- ダブりはないが漏れがある
- 漏れはないがダブりがある
- 漏れもダブりもある
具体的な場面にすると次のようになります。- 広告の効果測定でデータに漏れがあった
- アンケート調査の際に回答者の属性にダブりが発生する選択肢になっていた
- 商品開発でターゲットを把握する際、本来入れるべき人が漏れており、同じ属性の人が複数含まれた状態でダブりもあった
このように、漏れやダブりが発生するケースはさまざまです。
具体的な施策の実行後にMECEではないことに気づき、後戻りできない場合もあります。物事の情報・要素をしっかり整理してから、具体的な施策に取り掛かるようにしましょう。MECEを活用して組織の思考力を高めようMECEの考え方の基本や身につける方法などを解説しました。
MECEを活用していくには基本的な考え方を理解し、アプローチや切り口を変えながら「漏れなく、ダブりなく」要素を分解していくことが大切です。
すぐに習得するのは難しいため、業務や日常生活で取り入れながら実践を繰り返すようにしましょう。思考する際には、フレームワークを活用するのもおすすめです。
また、部署やチームなど組織として思考力を強化するためにMECEを取り入れることもできます。思考力が強化できれば、適切な意思決定ができるようになり、業務効率や生産性向上にもつながりやすくなるでしょう。
組織に導入した場合、社員のはたらきがいにも注視する必要があります。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」では、成長機会や成長実感、組織への期待感などを具体的な数値で把握でき、今取るべき課題と優先度を明らかにすることが可能です。
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英語の「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取って「MECE」となっており、直訳すると「相互に排他的かつ集合的に網羅的」となります。わかりやすく言うと「モレなく、ダブりなく考える」という意味です。
MECEを取り入れることで、問題や課題の解決に必要な情報が重複せず、抜け漏れなく網羅的に考えられます。ロジカルシンキングのひとつとされ、適切な意思決定のサポートに役立ちます。
スピーディーかつ効率的に問題や課題を解決するには、物事をシンプルに考え、情報を整理・分類する必要があります。MECEの考え方を活用することで情報の整理がしやすくなり、複雑な問題への理解も進むため、課題の分析や解決策の検討に役立つのです。
ビジネスでMECEを使う場面を具体的にすると、下記のような業務で活用できます。
では、どのようにMECEな考え方をしたらよいのでしょうか。基本的な考え方を見ていきましょう。
MECEの基本的な考え方は2つあります。
- 相互排他的
- 全体的
それぞれ見ていきましょう。
相互排他的
相互排他的は「ダブりなく」の部分に該当します。物事の要素は、同時に複数のカテゴリーに属しません。
たとえば、コンビニに陳列される商品を分類するときには、下記のようになります。
たとえば、コンビニに陳列される商品を分類するときには、下記のようになります。
- カテゴリー1:食品
- カテゴリー2:日用品
- カテゴリー3:雑誌
ひとつの商品は同時に複数のカテゴリーに分類されないのが原則です。おにぎりであれば食品に分類され、そのほかのカテゴリーに属することはありません。
この考え方を守ることで情報の整理が効率的になり、問題や課題を明らかにしやすくなります。
この考え方を守ることで情報の整理が効率的になり、問題や課題を明らかにしやすくなります。
全体的
「全体的」とは「漏れなく」の部分に該当します。物事のカテゴリーや分類が、全体を完全に網羅することが求められるのです。
コンビニの商品で考えてみると下記のようになります。
コンビニの商品で考えてみると下記のようになります。
- カテゴリー1:弁当
- カテゴリー2:パン
- カテゴリー3:飲み物
- カテゴリー4:菓子類
- カテゴリー5:日用品
- カテゴリー6:雑誌
コンビニで取り扱う商品は多いため、これがすべてではありませんが、食品のカテゴリーを細かく分類できます。
すべての情報・要素がいずれかのカテゴリーに入るように設計し、抜け漏れのない状態にすることが大切です。各商品は必ずどれかのカテゴリーに分類されるため、抜け漏れを防ぎながら全体像を把握しやすくします。
ただし、真剣に考えるあまり視野が狭くなったり、細かいところを意識しすぎたりすることもあるかもしれません。全体像を俯瞰しながら、漏れや重複がないか見ていくことが大切です。
相互排他的と全体的、どちらかが抜けた状態ではMECEとは言えません。漏れなく、ダブりなく要素を整理できてこそ、MECEの考え方ができていると言えるのです。
すべての情報・要素がいずれかのカテゴリーに入るように設計し、抜け漏れのない状態にすることが大切です。各商品は必ずどれかのカテゴリーに分類されるため、抜け漏れを防ぎながら全体像を把握しやすくします。
ただし、真剣に考えるあまり視野が狭くなったり、細かいところを意識しすぎたりすることもあるかもしれません。全体像を俯瞰しながら、漏れや重複がないか見ていくことが大切です。
相互排他的と全体的、どちらかが抜けた状態ではMECEとは言えません。漏れなく、ダブりなく要素を整理できてこそ、MECEの考え方ができていると言えるのです。
MECEを身につける方法MECEを身につけるには、下記の流れで思考力を強化していきましょう。- 自身の思考のクセを把握する
- 基本的な考え方を理解する
- 問題や課題を分解する
- 2つのアプローチ方法で考える
- 切り口を変えて考える
- 解決策を実行する
- 解決策を実行したら振り返りをする
それぞれのポイントを解説していきます。自身の思考のクセを把握する
MECEで考え始める前に、まず自身の思考のクセを把握することが大切です。自分では適切な判断をしているつもりでも、無意識のうちに思い込んでいたり、偏った思考をしていたりする可能性があります。
思考のクセに強い傾向がある場合は、MECEを取り入れても抜け漏れやダブりが発生するかもしれません。
しかし、自分の思考のクセを客観的に捉えることは難しいものです。上司や同僚などの第三者に評価してもらう場合でも、その人の主観が入り込んでしまうこともあるでしょう。
思考のクセを客観的な視点で可視化するには、ミイダスが提供する「バイアス診断ゲーム」がおすすめです。誰もが持つ認知バイアスの強さを知ることができ、意識してコントロールしていくと意思決定の質向上につながります。
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基本的な考え方を理解する
MECEで考えていくには、前述した「相互排他的」と「全体的」を理解する必要があります。
この2つを理解できていない状態で始めると、重複や抜け漏れの原因となります。基本をしっかり理解したうえで、MECEでの思考を始めましょう。問題や課題を分解する
目の前にある複雑な問題や課題をシンプルにして、小さな要素に細分化します。この作業によって問題を整理できるため、根本的な原因を探りやすくなるのです。
要素の細分化ができたら、重要度や影響力に基づいて着手すべき優先順位を決定します。あらかじめ優先順位を決めておくと、解決策の実行に必要なリソースの分配が適切におこなえます。2つのアプローチ方法で考える
MECEを使うなかで、思考が行き詰まることもあるでしょう。そのときは「トップダウンアプローチ」「ボトムアップアプローチ」で考えてみるのがおすすめです。トップダウンアプローチ
全体像を俯瞰して大枠を理解したうえで、要素を整理するアプローチです。全体から詳細の要素に向かって考えていくため、すでに全体像が明確にわかっている場合に活用できます。
たとえば「自社が求める人材像は何か」をテーマとして考える際には、- 自主性
- コミュニケーション力
- 素直さ
といったカテゴリーに分類できるでしょう。そこからさらに細かい要素を分類していきます。
トップダウンアプローチは全体を俯瞰して捉えられるメリットがありますが、そもそも全体像が把握できていなかったり、間違っていたりすると漏れやダブりの原因になるため注意しましょう。ボトムアップアプローチ
全体像が明確ではないときや情報・要素の分類が難しい場合に使用されるアプローチです。詳細な情報・要素から全体像を構築します。
たとえば「自社が求める人材像」を分類するなら、- 自ら考えて行動する
- 進んでスキルアップに励む
- 業務効率化を図る
といった要素が「自主性」のカテゴリーに振り分けられるでしょう。
トップダウンアプローチは上から下に向かって考えるのに対し、ボトムアップアプローチでは下から上へ見ていきます。構成される詳細な要素をすべて洗い出したあと、カテゴリーごとにグループ化することで全体像が見えてくるのです。
ボトムアップアプローチは、経験のない分野でも考えを巡らせることができます。しかし、全体像が明確な状態ではないため、要素が漏れやすい側面もあります。
トップダウンアプローチ・ボトムアップアプローチのどちらかが優れているわけではありません。2つのアプローチを理解し、それぞれ使いこなせるようにしておくとMECEでの思考が深まります。切り口を変えて考える
MECEで考える際、切り口を変えてみる方法もあります。切り口の一例は下記のとおりです。- 要素分解
- 因数分解
- 時系列・ステップ分け
- 対称概念
要素分解
全体を把握したうえで物事を構成している要素を分解していき、それらの総和が全体となるように切り分けることです。要素分解することで、漠然としていた問題や課題が浮き彫りになり、解決策の検討に役立ちます。
分解した要素の総和が全体になることから「足し算型」や「積み上げ型」とも言われています。因数分解
分析したい対象を計算式で表し、それぞれの要素に分解する方法です。「掛け算型」とも言われます。
たとえば、店舗の売上であれば「顧客数×顧客単価」で計算し、要素を分解していきます。時系列・ステップ分け
対象を時間や段階で分類する方法です。時系列・ステップ分けで考える際には、下記のようにできます。- 製造ラインの作業手順ごとに分類
- 業務フローの流れに沿ってステップごとに分類
- プロジェクトのタスクを計画・準備・実行・改善に分類
対称概念
対称的な概念を挙げて分類する方法です。- 主観と客観
- 固定と変動
- スピードとクオリティ
- メリットとデメリット
このように対称的な概念を挙げたあとに、要素を分類しましょう。対称概念は、共通点を見つけたり物事の本質を深掘りしたりする際に役立ちます。解決策を実行する
整理した情報や要素に基づいて解決策を考えます。その後、解決策の実行に移しましょう。
MECEの考え方を身につけるには、実践し続けることが大切です。実際の業務やプロジェクトなどにMECEを取り入れると習得が早いでしょう。解決策を実行したら振り返りをする
実践をしながら定期的な振り返りを繰り返すことが上達のカギです。振り返りによって改善が必要な場合は、該当部分の見直し・修正を図ります。実践・振り返り・改善のプロセスを繰り返すことで、継続的にMECEの考え方ができるようになり、自分のものとして活用できるのです。
組織的にMECEの思考法を取り入れる場合は、上司や同僚から考え方が適切にできているかフィードバックするのも有効です。短期間のうちに思考法をマスターするのは容易ではないため、長期的な視点で実践を繰り返しながら定着させることが大切です。MECEを活用できるフレームワーク一覧MECEを使う際、フレームワークを活用する方法もあります。フレームワークでは分析・思考できる枠組みができあがっているため、効率よく進められるのです。
MECEをうまく実践できない場合は、下記のようなフレームワークに一度当てはめてみましょう。- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
- 7S分析
- 5フォース分析
- バリューチェーン分析
- ロジックツリー
それぞれ見ていきましょう。3C分析
3C分析とは、主にマーケティングの環境分析をするフレームワークです。下記3つのCからなる要素で分析をおこないます。- 市場・顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
3C分析によって、市場と顧客ニーズの変化や競合の戦略をふまえながら、自社の強み・弱みの把握、経営戦略の明確化に活かせます。他社との差別化を図りつつ、多様な角度から戦略立案ができるフレームワークです。SWOT分析
SWOT分析は、経営や事業などにおける内部の「強み」と「弱み」、外部の「機会」と「脅威」を特定するフレームワークです。4つの要素を分析し、マーケティング戦略の立案や競合分析に活用できます。
外部環境と内部環境を客観的な視点で分析できるところが特徴で、現状の把握から戦略立案がしやすくなります。事業開始前だけではなく、定期的に改善点を見つける際にもSWOT分析が役立つでしょう。4P分析
4P分析とは、マーケティング戦略の立案に使用されるフレームワークです。3C分析やSWOT分析などで明らかにした市場環境をふまえ、戦略を具体的にするときに役立ちます。
4P分析は、次の4つで分析します。1. 製品(Product)
2. 価格(Price)
3. 販売経路(Place)
4. 販売促進(Promotion)上記の流れで上から順番に考えていくことが大切です。
4P分析によって、どのような製品をいくらで、どのように販売して顧客に宣伝するのか考えていきましょう。7S分析
7S分析は、組織分析を得意とするフレームワークです。コンサルティング会社マッキンゼーによって提唱されました。組織の現状を知り、変革を起こしたい際に有効な考え方です。
7S分析では、組織の要素を「ハードの3S」と「ソフトの4S」に分けて現状を把握します。7つの要素は次のとおりです。【ハードの3S】
・戦略(Strategy)
・組織構造(Structure)
・システム(System)
【ソフトの4S】
・人材(Staff)
・社風・経営スタイル(Style)
・経営理念などの価値観(Shared Values)
・技術やノウハウ(Skills)ハードの3Sを改善するのは比較的短い期間で済みますが、ソフトの4Sの場合は長期間かかるとされています。どちらか一方ではなく、両面の改善が組織には必要ですので、ハードの3Sをスピーディーに着手しつつ、ソフトの4Sにも戦略的に取り組むことが大切です。5フォース分析
5フォース(ファイブフォース)分析とは、競合各社や業界全体の状況と収益構造を可視化し、自社の利益の上げやすさを見るフレームワークです。新製品開発や新ブランドの展開などで収益性があるか分析できます。
5フォース分析では、下記5つの要素を分析します。- 業界内における競合他社の脅威
- 業界における新規参入者の脅威
- 代替品の存在
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
これらは外部からの脅威であり、収益に直結する部分です。収益性を上下させる原因を探し、どのようにしたら収益を確保できるのか戦略化することが求められます。
自社の競争優位性を明らかにして、収益性の向上や経営資源の再配分、新規参入・撤退の判断をしたいときに活用しましょう。バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、商品をつくる原材料の調達から流通・販売までを「価値の連鎖」として捉え、「主要活動」と「支援活動」に分けて分析します。それぞれの活動が生み出している付加価値が分析できるため、競合分析や自社の競争優位性を明らかにする際に有効です。
バリューチェーンの主活動にあたる部分は、提供する製品によっても異なりますが、下記のような要素が挙げられます。- 原材料の調達
- 製造
- 流通
- マーケティング
- サービス
支援活動は企業活動を支える取り組みのことで、人事・技術開発・インフラ整備・調達などが該当します。
いずれも企業に付加価値をもたらす活動です。現状における自社の活動を把握し、競争優位性を確保するための戦略立案につなげられます。ロジックツリー
ロジックツリーは、起こっている問題を構成する要素をツリー状に書き出し、原因の特定や解決策の発見につなげるフレームワークです。マインドマップのようにメインテーマから関連する要素に分解し、階層化していきます。
問題を細かく分解することで可視化が容易になり、ロジカルかつシンプルに捉えられるようになります。
ロジックツリーは、問題解決のほか目標設定や思考整理など、ビジネスシーンで幅広く活用可能です。ロジックツリーを取り入れる際にもMECEの「漏れなく、ダブりなく」の考え方で分析することが大切です。MECEを取り入れる際の注意点MECEを使うときに注意しておきたいポイントが3つあります。- 主観が入っていないか意識する
- MECEで考えることが本来の目的ではない
- MECEが向かない分野もある
主観が入っていないか意識する
客観的に見ているつもりでも、いつの間にか主観が入り込み、抜け漏れ・ダブりが起こっている場合もあります。主観や思い込みで物事を捉えていないか、意識的に見ていくことが大切です。MECEで考えることが本来の目的ではない
MECEに当てはめて考えることがゴールではありません。思考したり分析したりしただけで満足しないようにしましょう。
MECEは本来、思考したうえで問題や課題に対する解決策を立て、実行していくことが目的です。MECEで考える必要性や目的を明確にしておくと、ゴールを間違えることも少なくなります。MECEが向かない分野もある
実は、物事のなかにはMECEでの思考が不向きなものがあります。たとえば、下記のことはMECEに向かないと言われています。- クリエイティブな作業
- アイデアの発想
- 主観を多く含む感情 など
柔軟に思考しなければならない場面でMECEを使うと制限が生まれ、大切な感性や想像性が失われてしまう可能性があるのです。MECEが向かない分野では、活用を避けるようにしましょう。MECEに関するよくある質問MECEを使っていくなかで「日常生活でも使える?」「MECEが使えていないのでは?」といった疑問が出てくることもあるでしょう。
2つの疑問について回答します。日常生活でのMECEの使い方は?
日常生活でもMECEを活用できます。活用例には下記が挙げられます。- 家事や育児、趣味などのタスク管理
- やってみたいことの目標設定 など
MECEの基本である「漏れなく、ダブりなく」の考え方は同じです。業務上での活用のほか、日常生活で取り入れることによって思考力の強化につながります。MECEが使えていない場面の例は?
「漏れなく、ダブりなく」の両方が揃ってこそ、MECEだと言えます。そのため、下記の場合はMECEで考えられているとは言えません。- ダブりはないが漏れがある
- 漏れはないがダブりがある
- 漏れもダブりもある
具体的な場面にすると次のようになります。- 広告の効果測定でデータに漏れがあった
- アンケート調査の際に回答者の属性にダブりが発生する選択肢になっていた
- 商品開発でターゲットを把握する際、本来入れるべき人が漏れており、同じ属性の人が複数含まれた状態でダブりもあった
このように、漏れやダブりが発生するケースはさまざまです。
具体的な施策の実行後にMECEではないことに気づき、後戻りできない場合もあります。物事の情報・要素をしっかり整理してから、具体的な施策に取り掛かるようにしましょう。MECEを活用して組織の思考力を高めようMECEの考え方の基本や身につける方法などを解説しました。
MECEを活用していくには基本的な考え方を理解し、アプローチや切り口を変えながら「漏れなく、ダブりなく」要素を分解していくことが大切です。
すぐに習得するのは難しいため、業務や日常生活で取り入れながら実践を繰り返すようにしましょう。思考する際には、フレームワークを活用するのもおすすめです。
また、部署やチームなど組織として思考力を強化するためにMECEを取り入れることもできます。思考力が強化できれば、適切な意思決定ができるようになり、業務効率や生産性向上にもつながりやすくなるでしょう。
組織に導入した場合、社員のはたらきがいにも注視する必要があります。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」では、成長機会や成長実感、組織への期待感などを具体的な数値で把握でき、今取るべき課題と優先度を明らかにすることが可能です。
社員のパフォーマンス改善や離職防止につなげられます。組織強化を図りたい方は、ぜひご活用ください。どなたでも無料でご利用いただけます。
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思考のクセに強い傾向がある場合は、MECEを取り入れても抜け漏れやダブりが発生するかもしれません。
しかし、自分の思考のクセを客観的に捉えることは難しいものです。上司や同僚などの第三者に評価してもらう場合でも、その人の主観が入り込んでしまうこともあるでしょう。
思考のクセを客観的な視点で可視化するには、ミイダスが提供する「バイアス診断ゲーム」がおすすめです。誰もが持つ認知バイアスの強さを知ることができ、意識してコントロールしていくと意思決定の質向上につながります。
人材育成や業務の生産性向上につなげられる診断ですので、ぜひ一度お試しください。バイアス診断ゲームは、ミイダスの無料アカウント登録後にご利用いただけます。
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この2つを理解できていない状態で始めると、重複や抜け漏れの原因となります。基本をしっかり理解したうえで、MECEでの思考を始めましょう。
要素の細分化ができたら、重要度や影響力に基づいて着手すべき優先順位を決定します。あらかじめ優先順位を決めておくと、解決策の実行に必要なリソースの分配が適切におこなえます。
たとえば「自社が求める人材像は何か」をテーマとして考える際には、
トップダウンアプローチは全体を俯瞰して捉えられるメリットがありますが、そもそも全体像が把握できていなかったり、間違っていたりすると漏れやダブりの原因になるため注意しましょう。
たとえば「自社が求める人材像」を分類するなら、
トップダウンアプローチは上から下に向かって考えるのに対し、ボトムアップアプローチでは下から上へ見ていきます。構成される詳細な要素をすべて洗い出したあと、カテゴリーごとにグループ化することで全体像が見えてくるのです。
ボトムアップアプローチは、経験のない分野でも考えを巡らせることができます。しかし、全体像が明確な状態ではないため、要素が漏れやすい側面もあります。
トップダウンアプローチ・ボトムアップアプローチのどちらかが優れているわけではありません。2つのアプローチを理解し、それぞれ使いこなせるようにしておくとMECEでの思考が深まります。
分解した要素の総和が全体になることから「足し算型」や「積み上げ型」とも言われています。
たとえば、店舗の売上であれば「顧客数×顧客単価」で計算し、要素を分解していきます。
MECEの考え方を身につけるには、実践し続けることが大切です。実際の業務やプロジェクトなどにMECEを取り入れると習得が早いでしょう。
組織的にMECEの思考法を取り入れる場合は、上司や同僚から考え方が適切にできているかフィードバックするのも有効です。短期間のうちに思考法をマスターするのは容易ではないため、長期的な視点で実践を繰り返しながら定着させることが大切です。
MECEを使う際、フレームワークを活用する方法もあります。フレームワークでは分析・思考できる枠組みができあがっているため、効率よく進められるのです。
MECEをうまく実践できない場合は、下記のようなフレームワークに一度当てはめてみましょう。
MECEをうまく実践できない場合は、下記のようなフレームワークに一度当てはめてみましょう。
- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
- 7S分析
- 5フォース分析
- バリューチェーン分析
- ロジックツリー
それぞれ見ていきましょう。
3C分析
3C分析とは、主にマーケティングの環境分析をするフレームワークです。下記3つのCからなる要素で分析をおこないます。
- 市場・顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
3C分析によって、市場と顧客ニーズの変化や競合の戦略をふまえながら、自社の強み・弱みの把握、経営戦略の明確化に活かせます。他社との差別化を図りつつ、多様な角度から戦略立案ができるフレームワークです。
SWOT分析
SWOT分析は、経営や事業などにおける内部の「強み」と「弱み」、外部の「機会」と「脅威」を特定するフレームワークです。4つの要素を分析し、マーケティング戦略の立案や競合分析に活用できます。
外部環境と内部環境を客観的な視点で分析できるところが特徴で、現状の把握から戦略立案がしやすくなります。事業開始前だけではなく、定期的に改善点を見つける際にもSWOT分析が役立つでしょう。
外部環境と内部環境を客観的な視点で分析できるところが特徴で、現状の把握から戦略立案がしやすくなります。事業開始前だけではなく、定期的に改善点を見つける際にもSWOT分析が役立つでしょう。
4P分析
4P分析とは、マーケティング戦略の立案に使用されるフレームワークです。3C分析やSWOT分析などで明らかにした市場環境をふまえ、戦略を具体的にするときに役立ちます。
4P分析は、次の4つで分析します。
4P分析は、次の4つで分析します。
1. 製品(Product)
2. 価格(Price)
3. 販売経路(Place)
4. 販売促進(Promotion)
2. 価格(Price)
3. 販売経路(Place)
4. 販売促進(Promotion)
上記の流れで上から順番に考えていくことが大切です。
4P分析によって、どのような製品をいくらで、どのように販売して顧客に宣伝するのか考えていきましょう。
4P分析によって、どのような製品をいくらで、どのように販売して顧客に宣伝するのか考えていきましょう。
7S分析
7S分析は、組織分析を得意とするフレームワークです。コンサルティング会社マッキンゼーによって提唱されました。組織の現状を知り、変革を起こしたい際に有効な考え方です。
7S分析では、組織の要素を「ハードの3S」と「ソフトの4S」に分けて現状を把握します。7つの要素は次のとおりです。
7S分析では、組織の要素を「ハードの3S」と「ソフトの4S」に分けて現状を把握します。7つの要素は次のとおりです。
【ハードの3S】
・戦略(Strategy)
・組織構造(Structure)
・システム(System)
【ソフトの4S】
・人材(Staff)
・社風・経営スタイル(Style)
・経営理念などの価値観(Shared Values)
・技術やノウハウ(Skills)
・戦略(Strategy)
・組織構造(Structure)
・システム(System)
【ソフトの4S】
・人材(Staff)
・社風・経営スタイル(Style)
・経営理念などの価値観(Shared Values)
・技術やノウハウ(Skills)
ハードの3Sを改善するのは比較的短い期間で済みますが、ソフトの4Sの場合は長期間かかるとされています。どちらか一方ではなく、両面の改善が組織には必要ですので、ハードの3Sをスピーディーに着手しつつ、ソフトの4Sにも戦略的に取り組むことが大切です。
5フォース分析
5フォース(ファイブフォース)分析とは、競合各社や業界全体の状況と収益構造を可視化し、自社の利益の上げやすさを見るフレームワークです。新製品開発や新ブランドの展開などで収益性があるか分析できます。
5フォース分析では、下記5つの要素を分析します。
5フォース分析では、下記5つの要素を分析します。
- 業界内における競合他社の脅威
- 業界における新規参入者の脅威
- 代替品の存在
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
これらは外部からの脅威であり、収益に直結する部分です。収益性を上下させる原因を探し、どのようにしたら収益を確保できるのか戦略化することが求められます。
自社の競争優位性を明らかにして、収益性の向上や経営資源の再配分、新規参入・撤退の判断をしたいときに活用しましょう。
自社の競争優位性を明らかにして、収益性の向上や経営資源の再配分、新規参入・撤退の判断をしたいときに活用しましょう。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析は、商品をつくる原材料の調達から流通・販売までを「価値の連鎖」として捉え、「主要活動」と「支援活動」に分けて分析します。それぞれの活動が生み出している付加価値が分析できるため、競合分析や自社の競争優位性を明らかにする際に有効です。
バリューチェーンの主活動にあたる部分は、提供する製品によっても異なりますが、下記のような要素が挙げられます。
バリューチェーンの主活動にあたる部分は、提供する製品によっても異なりますが、下記のような要素が挙げられます。
- 原材料の調達
- 製造
- 流通
- マーケティング
- サービス
支援活動は企業活動を支える取り組みのことで、人事・技術開発・インフラ整備・調達などが該当します。
いずれも企業に付加価値をもたらす活動です。現状における自社の活動を把握し、競争優位性を確保するための戦略立案につなげられます。
いずれも企業に付加価値をもたらす活動です。現状における自社の活動を把握し、競争優位性を確保するための戦略立案につなげられます。
ロジックツリー
ロジックツリーは、起こっている問題を構成する要素をツリー状に書き出し、原因の特定や解決策の発見につなげるフレームワークです。マインドマップのようにメインテーマから関連する要素に分解し、階層化していきます。
問題を細かく分解することで可視化が容易になり、ロジカルかつシンプルに捉えられるようになります。
ロジックツリーは、問題解決のほか目標設定や思考整理など、ビジネスシーンで幅広く活用可能です。ロジックツリーを取り入れる際にもMECEの「漏れなく、ダブりなく」の考え方で分析することが大切です。
問題を細かく分解することで可視化が容易になり、ロジカルかつシンプルに捉えられるようになります。
ロジックツリーは、問題解決のほか目標設定や思考整理など、ビジネスシーンで幅広く活用可能です。ロジックツリーを取り入れる際にもMECEの「漏れなく、ダブりなく」の考え方で分析することが大切です。
MECEを取り入れる際の注意点MECEを使うときに注意しておきたいポイントが3つあります。- 主観が入っていないか意識する
- MECEで考えることが本来の目的ではない
- MECEが向かない分野もある
主観が入っていないか意識する
客観的に見ているつもりでも、いつの間にか主観が入り込み、抜け漏れ・ダブりが起こっている場合もあります。主観や思い込みで物事を捉えていないか、意識的に見ていくことが大切です。MECEで考えることが本来の目的ではない
MECEに当てはめて考えることがゴールではありません。思考したり分析したりしただけで満足しないようにしましょう。
MECEは本来、思考したうえで問題や課題に対する解決策を立て、実行していくことが目的です。MECEで考える必要性や目的を明確にしておくと、ゴールを間違えることも少なくなります。MECEが向かない分野もある
実は、物事のなかにはMECEでの思考が不向きなものがあります。たとえば、下記のことはMECEに向かないと言われています。- クリエイティブな作業
- アイデアの発想
- 主観を多く含む感情 など
柔軟に思考しなければならない場面でMECEを使うと制限が生まれ、大切な感性や想像性が失われてしまう可能性があるのです。MECEが向かない分野では、活用を避けるようにしましょう。MECEに関するよくある質問MECEを使っていくなかで「日常生活でも使える?」「MECEが使えていないのでは?」といった疑問が出てくることもあるでしょう。
2つの疑問について回答します。日常生活でのMECEの使い方は?
日常生活でもMECEを活用できます。活用例には下記が挙げられます。- 家事や育児、趣味などのタスク管理
- やってみたいことの目標設定 など
MECEの基本である「漏れなく、ダブりなく」の考え方は同じです。業務上での活用のほか、日常生活で取り入れることによって思考力の強化につながります。MECEが使えていない場面の例は?
「漏れなく、ダブりなく」の両方が揃ってこそ、MECEだと言えます。そのため、下記の場合はMECEで考えられているとは言えません。- ダブりはないが漏れがある
- 漏れはないがダブりがある
- 漏れもダブりもある
具体的な場面にすると次のようになります。- 広告の効果測定でデータに漏れがあった
- アンケート調査の際に回答者の属性にダブりが発生する選択肢になっていた
- 商品開発でターゲットを把握する際、本来入れるべき人が漏れており、同じ属性の人が複数含まれた状態でダブりもあった
このように、漏れやダブりが発生するケースはさまざまです。
具体的な施策の実行後にMECEではないことに気づき、後戻りできない場合もあります。物事の情報・要素をしっかり整理してから、具体的な施策に取り掛かるようにしましょう。MECEを活用して組織の思考力を高めようMECEの考え方の基本や身につける方法などを解説しました。
MECEを活用していくには基本的な考え方を理解し、アプローチや切り口を変えながら「漏れなく、ダブりなく」要素を分解していくことが大切です。
すぐに習得するのは難しいため、業務や日常生活で取り入れながら実践を繰り返すようにしましょう。思考する際には、フレームワークを活用するのもおすすめです。
また、部署やチームなど組織として思考力を強化するためにMECEを取り入れることもできます。思考力が強化できれば、適切な意思決定ができるようになり、業務効率や生産性向上にもつながりやすくなるでしょう。
組織に導入した場合、社員のはたらきがいにも注視する必要があります。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」では、成長機会や成長実感、組織への期待感などを具体的な数値で把握でき、今取るべき課題と優先度を明らかにすることが可能です。
社員のパフォーマンス改善や離職防止につなげられます。組織強化を図りたい方は、ぜひご活用ください。どなたでも無料でご利用いただけます。
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MECEは本来、思考したうえで問題や課題に対する解決策を立て、実行していくことが目的です。MECEで考える必要性や目的を明確にしておくと、ゴールを間違えることも少なくなります。
MECEを使っていくなかで「日常生活でも使える?」「MECEが使えていないのでは?」といった疑問が出てくることもあるでしょう。
2つの疑問について回答します。
2つの疑問について回答します。
日常生活でのMECEの使い方は?
日常生活でもMECEを活用できます。活用例には下記が挙げられます。
- 家事や育児、趣味などのタスク管理
- やってみたいことの目標設定 など
MECEの基本である「漏れなく、ダブりなく」の考え方は同じです。業務上での活用のほか、日常生活で取り入れることによって思考力の強化につながります。
MECEが使えていない場面の例は?
「漏れなく、ダブりなく」の両方が揃ってこそ、MECEだと言えます。そのため、下記の場合はMECEで考えられているとは言えません。
- ダブりはないが漏れがある
- 漏れはないがダブりがある
- 漏れもダブりもある
具体的な場面にすると次のようになります。
- 広告の効果測定でデータに漏れがあった
- アンケート調査の際に回答者の属性にダブりが発生する選択肢になっていた
- 商品開発でターゲットを把握する際、本来入れるべき人が漏れており、同じ属性の人が複数含まれた状態でダブりもあった
このように、漏れやダブりが発生するケースはさまざまです。
具体的な施策の実行後にMECEではないことに気づき、後戻りできない場合もあります。物事の情報・要素をしっかり整理してから、具体的な施策に取り掛かるようにしましょう。
具体的な施策の実行後にMECEではないことに気づき、後戻りできない場合もあります。物事の情報・要素をしっかり整理してから、具体的な施策に取り掛かるようにしましょう。
MECEを活用して組織の思考力を高めようMECEの考え方の基本や身につける方法などを解説しました。
MECEを活用していくには基本的な考え方を理解し、アプローチや切り口を変えながら「漏れなく、ダブりなく」要素を分解していくことが大切です。
すぐに習得するのは難しいため、業務や日常生活で取り入れながら実践を繰り返すようにしましょう。思考する際には、フレームワークを活用するのもおすすめです。
また、部署やチームなど組織として思考力を強化するためにMECEを取り入れることもできます。思考力が強化できれば、適切な意思決定ができるようになり、業務効率や生産性向上にもつながりやすくなるでしょう。
組織に導入した場合、社員のはたらきがいにも注視する必要があります。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」では、成長機会や成長実感、組織への期待感などを具体的な数値で把握でき、今取るべき課題と優先度を明らかにすることが可能です。
社員のパフォーマンス改善や離職防止につなげられます。組織強化を図りたい方は、ぜひご活用ください。どなたでも無料でご利用いただけます。
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MECEを活用していくには基本的な考え方を理解し、アプローチや切り口を変えながら「漏れなく、ダブりなく」要素を分解していくことが大切です。
すぐに習得するのは難しいため、業務や日常生活で取り入れながら実践を繰り返すようにしましょう。思考する際には、フレームワークを活用するのもおすすめです。
また、部署やチームなど組織として思考力を強化するためにMECEを取り入れることもできます。思考力が強化できれば、適切な意思決定ができるようになり、業務効率や生産性向上にもつながりやすくなるでしょう。
組織に導入した場合、社員のはたらきがいにも注視する必要があります。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」では、成長機会や成長実感、組織への期待感などを具体的な数値で把握でき、今取るべき課題と優先度を明らかにすることが可能です。
社員のパフォーマンス改善や離職防止につなげられます。組織強化を図りたい方は、ぜひご活用ください。どなたでも無料でご利用いただけます。