人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
人材アセスメント

優秀な人材を採用するための基本給・基本賃金設計ノウハウ

求人を行う際、企業側も気になるのが給与・待遇面です。

本記事では、優秀な人材の採用に不可欠な基本給・基本賃金設計について、その重要性から具体的なノウハウを解説します。求める人材を確実に迎え入れるために必要な給与テーブルを組み立てられるように、ぜひ最後までご覧ください。
【無料ダウンロード】活躍人材や自社にあった人材を採用するための具体的なステップ

【無料ダウンロード】転職をやめたハイパフォーマー社員/一般社員の実態比較調査

基本給と基本賃金・法令対応

給与明細
優秀な人材を迎え入れるうえで、企業にとって基本給・基本賃金の設計は極めて重要な要素です。基本給と基本賃金の基本的な概念と、採用活動において遵守すべき主要な法令について解説します。

「基本給」と「基本賃金」は、しばしば同じ意味で使われますが、厳密には異なる概念を含んでいます。
  • 基本給: 毎月固定で支払われる賃金のうち、職務内容、能力、勤続年数などを基に定められる賃金の中核部分を指します。役職手当や通勤手当、残業手当などの各種手当を含まない、純粋なベースとなる賃金です。
  • 基本賃金: 各種手当を含めた賃金全体を指す場合と、特定の計算の基礎となる賃金を指す場合があります。似た言葉ではありますが、法令用語としての「基礎賃金」とは別の言葉です。

法令対応で知っておきたい「基礎賃金」

「基礎賃金」という言葉は、労働基準法や社会保険関連法規において、残業代(割増賃金)や社会保険料、退職金などの計算の基礎となる賃金を指す際に用いられます。

基礎賃金に含めるべき賃金と、含めなくてもよい賃金(除外賃金)の区別は、とくに割増賃金の計算において重要になります。たとえば、家族手当や通勤手当、住宅手当など、生活補助的な手当は、原則として割増賃金の算定基礎から除外することが可能です。しかし、これらの手当が実質的に賃金の一部として支払われているとみなされる場合、算定基礎に含める必要が生じることもあります。

具体的に、以下は基礎賃金から除外できます。
  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金(結婚手当、傷病手当など)
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与、精勤手当(1ヶ月を超える期間で計算される場合)など)
  • 時間外労働手当、休日労働手当、深夜手当
扶養家族の人数に関係なく一律支給する家族手当、住宅ローンや家賃の額に関係なく支給する住宅手当、残業代と通常の賃金を明確に区別できない一律支給の残業代などは、上記の手当であっても基礎賃金から除外できません。

最低賃金法

最低賃金法は、労働者の生活の安定と労働力の質の向上を図ることを目的とし、使用者が労働者に支払うべき賃金の最低額を定めています。最低賃金には、以下の2種類があります。
  • 地域別最低賃金: 各都道府県ごとに定められており、原則として都道府県内のすべての労働者に適用されます。毎年10月頃に改定されることが多く、常に最新の情報を確認しておきましょう。
  • 特定最低賃金: 特定の産業(鉄鋼業、電子部品製造業など)に適用される最低賃金で、地域別最低賃金よりも高い水準が設定されている場合があります。
最低賃金の対象となる賃金は、基礎賃金です。

労働基準法

労働基準法第37条では、時間外労働、休日労働、深夜労働(午後10時から午前5時の労働)に対する割増賃金の支払いを義務付けています。基礎賃金がこの割増賃金の算定基礎となります。
労働の種類割増率(基礎賃金に対して)
時間外労働(法定労働時間超)25%以上
月60時間を超える時間外労働50%以上
休日労働(法定休日)35%以上
深夜労働(午後10時~午前5時)25%以上
時間外労働かつ深夜労働50%以上(25% + 25%)
休日労働かつ深夜労働60%以上(35% + 25%)
【関連記事:中途採用の給料はどう決めたらいい?職種別の相場や交渉時の対処法も解説

採用における基本給・基本賃金設計の重要性

求人票
採用活動において、適切な基本給・基本賃金の設計は、優秀な人材の獲得、従業員のモチベーション向上、企業ブランドの構築、そして最終的な事業成長に不可欠な要素です。

基本給は、求職者が最初に目にする「応募のフィルター」として機能します。競合他社と比較して魅力のある基本給を設定することで、より多く、より質の高い応募者を引きつけることが可能となります。入社後のモチベーションや定着率にも影響を与えるため、採用ミスマッチに伴う追加コスト・損失コストの削減にもつながるでしょう。

さらに、給与は採用競争力にも関係します。透明性があり、市場競争力のある基本給を提示できる企業は、求職者から「従業員を大切にする企業」「安定した企業」といったポジティブな評価を得やすくなります。優秀な人材が自ら応募してくる「インバウンド採用」の促進にもなるでしょう。

【関連記事:求人への応募を集める効果的な方法とは?マッチングで採用を根本改善

適切な基本給・基本賃金の水準を設定するための3つのステップ

3つのステップ
優秀な人材を惹きつけ、定着させるためには、単に高い基本給を設定すれば良いというものではありません。自社の経営状況や採用したい人材像、そして市場の動向を総合的に考慮したうえで、戦略的に基本給・基本賃金の水準を設計することが不可欠です。ここでは、そのための具体的な3つのステップを解説します。
1. 業界・職種の相場を知る
2. 企業規模・業績を考慮する
3. 等級制度と連動させる

業界・職種の相場を知る

相場からかけ離れた基本給では、応募者の獲得が困難になったり、採用できたとしても早期離職につながったりするリスクがあります。一方で、相場よりも著しく高い基本給を設定すれば、人件費が経営を圧迫する可能性も出てきます。

賃金相場を把握するための情報源として、どの企業でも利用できるのは以下の2点です。
  • 公開求人情報:同業他社や同職種の求人情報を確認し、提示されている給与レンジを比較分析します。とくに、求める経験やスキルレベルが近い求人に注目することが重要です。
  • 賃金統計調査:厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」では、産業別、企業規模別、職種別、学歴別、年齢別など、詳細な賃金データがわかります。
これらの情報に加え、特定の職種・地域差などを知るために民間の調査会社やシンクタンク、地域団体からの情報も参考にできる場合があります。

企業規模・業績を考慮する

どんなに優秀な人材を獲得したいと考えても、企業の支払い能力を超えた基本給を設定することは、経営を圧迫し、結果として事業の継続性を危うくする可能性があります。

具体的には、以下の点を考慮に入れる必要があります。
  • 人件費総額の適正化:売上高に対する人件費比率や、利益に占める人件費の割合などを分析し、無理のない範囲で人件費総額をコントロールできる水準を設定しましょう。基本給は固定費であり、一度設定すると容易には下げられません。
  • 企業の成長段階:スタートアップ企業と成熟企業では、基本給の設定に対する考え方が異なります。成長段階の企業では、ストックオプションや成果に応じた賞与など、基本給以外の報酬要素を柔軟に活用することも戦略の一つです。
  • 業績連動の考え方:企業の業績が好調な場合に、基本給に反映させるのか、それとも賞与や一時金で還元するのかを明確にしておくことも重要です。基本給を高く設定しすぎると、業績が悪化した際に人件費が重荷となるリスクがあります。
  • 長期的な視点:採用した人材が長期的に定着し、企業の成長に貢献するためには、単に「入社時の基本給」だけでなく、その後の昇給やキャリアアップの機会も含めたトータルな報酬プランを提示できるかどうかも重要です。

等級制度と連動させる

等級制度は、従業員の職務、能力、貢献度などを基準に、組織内での序列や役割を明確にするための仕組みであり、これに基本給を紐づけることで、給与決定の根拠が明確になります。主な等級制度には、「職務等級制度」と「職能等級制度」があります。

職務等級制度(職務のレベル・責任が基準)

職務等級制度は、個々の従業員が担う「職務」の価値、難易度、責任の大きさに応じて等級を定める制度です。職務記述書(ジョブディスクリプション)によって職務内容が明確に定義され、その職務に対して報酬が支払われる「ジョブ型雇用」と親和性が高いのが特徴です。

職務等級制度では、職務の価値が高ければ高いほど、基本給も高くなります。

職能等級制度(スキル・能力が基準)

職能等級制度は、従業員が保有するスキル、知識、経験、そして職務遂行能力のレベルに応じて等級を定める制度です。従業員の能力が高まれば、担当する職務の範囲や責任の大小にかかわらず、等級が上がり、基本給も上昇するという考え方に基づいています。

この制度は、従業員の能力開発や成長を促し、長期的な雇用を前提とした日本の多くの企業で採用されてきました。

自社の企業文化、事業戦略、求める人材像に合わせて、職務等級制度と職能等級制度のどちらか、あるいは両者を組み合わせたハイブリッド型を選択しましょう。基本給の決定基準を明確にできれば、従業員の納得感が高まり、採用した人材の定着と活躍につながります。

【関連記事:職位とは?役職・等級との違いを解説!人事評価制度における役割も紹介

【関連記事:役割等級制度とは?メリット・デメリットから導入手順まで詳しく解説


ミイダスは、適切な給与の設定にも役立つ
アセスメント機能を有しています。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して機能を試してみる

※アカウントの登録及びご登録後のご利用は無料です。

採用基準と人事評価制度の整備

採用面接
採用基準を明確にし、人事評価制度を整備することで、企業が求める人材像と候補者の能力・意欲が合致し、入社後のパフォーマンスと報酬の納得感が高まります。

採用選考と人事評価をリンクさせる

採用選考は、入社後の活躍を予測する重要なプロセスです。採用選考の精度を高め、採用ミスマッチを防ぐためには、採用時に評価する項目と、入社後の人事評価で用いる項目をリンクさせることが極めて重要です。

具体的には、採用選考において、企業が求める能力、スキル、行動特性(コンピテンシー)などを明確に定義し、これらを評価基準として面接や適性検査に反映させます。採用時の評価項目が入社後の評価項目と一致していることで、候補者は入社前から「どのような行動や成果が評価され、それが給与にどう反映されるのか」を理解しやすくなります。

評価基準・項目の設定

評価基準は、従業員がどのような行動を取り、どのような成果を出すことで評価されるのかを具体的に示すものでなければなりません。

主な評価項目としては、以下の要素が挙げられます。
評価の種類主な内容基本給・基本賃金への反映
成果評価(業績評価)設定された目標に対する達成度、業務における具体的な成果、売上貢献度など。短期的な業績連動給や賞与に反映されることが多いが、基本給の昇給にも影響。
能力評価(コンピテンシー評価)職務遂行に必要な知識、スキル、経験、潜在能力、問題解決能力、専門性など。職務等級制度や職能等級制度における基本給の決定要素。スキルの向上に応じた昇給。
行動評価(情意評価)企業理念や行動規範に沿った行動、協調性、主体性、規律性、責任感、リーダーシップなど。基本給の昇給や等級昇格の判断材料となる。企業文化への貢献度を評価。
これらの評価項目には、職種や役職によって重み付けを行うことが一般的です。評価基準は客観的かつ具体的に設定し、従業員全員に周知徹底することで、評価の公平性と納得性を高めましょう。

評価方法

設定した評価基準に基づき、どのように評価を行うかという「評価方法」も、基本給・基本賃金の運用において重要な要素です。

たとえば、企業が求める行動特性やスキルを定義し、それに基づき評価する「コンピテンシー評価」は、評価者による評価のブレを防ぎ、公平な評価を行いやすい方法です。

評価結果が基本給・基本賃金にどのように反映されるのかを明確にするルールを設けることで、従業員のモチベーション維持にもつながります。

採用決定時の条件提示

採用が決定した際には、基本給・基本賃金を含む労働条件を正確かつ明確に提示することが、法令遵守の観点からも、候補者の納得感を得るためにも極めて重要です。

具体的には、内定通知書や労働条件通知書において、以下の点を明確に記載・説明します。
  • 基本給(月額、年額):固定給の金額を具体的に記載。
  • 諸手当:通勤手当、住宅手当、役職手当、残業手当など、基本給以外の手当の種類と金額、支給条件を明記。
  • 賞与(ボーナス):支給の有無、支給条件などを記載。
  • 昇給・昇格の有無、条件:人事評価制度と連動した昇給の可能性や、昇格の基準について説明。
  • 試用期間:期間の有無と、その間の労働条件(基本給を含む)について記載。
  • 給与改定の頻度と時期:年1回、年2回など、基本給の見直しが行われる頻度と時期を明示。
【関連記事:面接での採用基準とは?採用したい人材を見極める評価項目を解説

人事評価のフィードバック

人事評価のフィードバックは、単に評価結果を伝えるだけでなく、従業員の成長を促し、企業目標への貢献意欲を高めるための重要なコミュニケーションの場です。

効果的なフィードバックを行うために、以下の点を意識しましょう。
  • 定期的かつ具体的なフィードバック:評価期間の終了時だけでなく、目標達成に向けた中間地点でもフィードバックを行うことで、軌道修正や成長を促す。
  • 双方向のコミュニケーション:従業員自身の自己評価や今後の目標、課題に対する意見も聞き、対話を通じて理解を深める。
  • 基本給・基本賃金との連動を説明:評価結果がどのように基本給の昇給・降給、あるいは賞与に影響するかを明確に説明し、納得感を高める。
  • 成長支援の視点:評価結果が芳しくない場合でも、改善点や今後の成長に向けたサポート体制(研修、OJTなど)を具体的に提示し、前向きな行動変容を促す。
フィードバックを通じて、従業員が自身の強みと弱みを認識し、キャリア形成やスキルアップにつなげられるよう支援することが、長期的な人材育成と企業成長に必要です。

【関連記事:アセスメントでできることとは?採用・人事評価・人材配置での活用について解説

【関連記事:昇格アセスメントを取り入れた人事評価が重要!従来の見極め方法の欠点は?

昇給・降給の考え方

基本給・基本賃金の昇給・降給は、人事評価制度と密接に連動し、従業員のモチベーションや企業の競争力に大きな影響を与えます。そのため、納得性のある昇給・降給のルールが必要です。

昇給・降給は、主に以下の要素に基づいて行われます。これらは、従業員一人ひとりの状況によって変化する項目です。
  • 人事評価結果
  • 勤続年数・経験年数
  • 役職
以下の要素も給与に影響を及ぼしますが、基本給・基本賃金テーブルの改定を行う場合など、組織全体としての大掛かりな変更によるものです。
  • 企業業績
  • 市場水準
昇給の基準やルールを明確にし、従業員が「どうすれば基本給が上がるのか」を理解できる透明性の高い制度設計が、従業員の目標設定と努力を促します。

降給は従業員の生活に直結するため、その判断は客観的な基準に基づき、十分な説明と納得性を確保することが不可欠です。とくに、労働条件の不利益変更にあたる場合は、法的な要件を満たす必要があります。

基本給・基本賃金以外の報酬要素

ボーナス
優秀な人材の入社意欲を高めるためには、基本給や基本賃金といった直接的な報酬だけでなく、それ以外の報酬要素にも目を向けることが極めて重要です。

賞与

賞与を支給する企業では、多くの場合、年に1回または2回(夏と冬)支給されます。

賞与の算出方法は企業によってさまざまですが、「基本給の〇ヶ月分」といった形で設定されることが一般的です。

【関連記事:賞与(ボーナス)とは?仕組みや種類、よくある支給額の決め方を解説

各種手当

各種手当は、従業員の特定の費用負担を軽減したり、特定のスキルや役割に対する報酬として支給されたりするものです。基本給・基本賃金に上乗せされる形で支給され、従業員の生活の安定やモチベーション維持につながります。

採用活動においてとくに注目されやすい代表的な手当は以下のとおりです。
  • 通勤手当
  • 住宅手当
  • 家族手当
  • 資格手当
これらの手当のうち、採用したい人物にあわせてアピールポイントに緩急をつけます。都市部であれば住宅手当を重視する人が多く、家族を持つ層を採用する場合は家族手当が、専門職や経験者を採用する場合は資格手当がアピールポイントとなりやすいでしょう。

【関連記事:交通費とは?主な種類や通勤手当との違い、注意すべきポイントを解説

福利厚生

福利厚生制度のうち、法定外福利厚生は、企業の特色や従業員への配慮を示す重要な要素です。

たとえば、育児・介護支援や自己啓発支援は、現代の多様なライフスタイルやキャリア形成を重視する候補者にとって、企業選びの重要な判断基準となります。

自社の福利厚生制度を具体的に示し、それが従業員にとってどのようなメリットをもたらすのかを伝えることで、単なる給与額以上の魅力をアピールできるでしょう。

採用時における基本給・基本賃金のアピール

仕事探しのイメージ
優秀な人材の獲得には、単に基本給・基本賃金の額を提示するだけでなく、その金額の根拠や将来性、企業の考え方を明確に伝えることも重要です。候補者に安心感と期待感を与え、入社への意欲を高めるための効果的なアピール方法を解説します。

給与額を正確に書く

給与額の記載時は、曖昧な表現を避け、具体的な金額を正確に提示することが極めて重要です。「当社規定による」といった表記だけでは、候補者は具体的なイメージを持つことができず、不信感や不安を抱く原因となります。

具体的には、以下の点を明確に記載しましょう。
  • 基本給の具体的な金額または範囲:月給、年俸など、期間や下限と上限を具体的に示す。
  • 固定残業代の有無と内訳:固定残業代がある場合は、それが何時間分の残業に相当し、基本給とは別に支払われることを明確にする。
  • 各種手当の内訳:通勤手当、住宅手当、家族手当など、基本給以外に支給される手当の種類と金額、支給条件を詳細に記載。
  • 試用期間中の給与:試用期間がある場合は、その期間中の給与が本採用時と異なるのか、同じなのかを明示。
労働基準法に基づき、事業主には賃金に関する事項(賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期、昇給に関する事項)を明確に記載・提示する義務があります。求人票の段階から、透明性を意識した情報提供を行うことで、候補者からの信頼を得やすくなります。

実際の基本給・基本賃金と経験年数・役割を書く

候補者が自身の経験やスキルがどのように評価され、給与に反映されるのかを具体的にイメージできるよう、モデルケースや参考情報を提示することは非常に有効です。候補者が自身の市場価値と企業の評価基準を照らし合わせ、入社後のキャリアパスを描きやすくなるためです。

たとえば、職種や経験年数、スキルレベル、役割・責任範囲に応じた給与レンジを具体的に示すことで、候補者は「自分が入社したら、どの程度の基本給になるのか」を具体的に理解できます。モデルケースを見てみましょう。

【職種別・経験年数別基本給モデルケース】
職種経験年数役割・スキルレベル基本給(月額)
営業職未経験~2年新規開拓担当22万円~28万円
営業職3年~5年既存顧客深耕、チームリーダー候補28万円~35万円
営業職6年以上マネージャー、主要顧客担当35万円~50万円
Webエンジニア未経験~1年開発アシスタント25万円~30万円
Webエンジニア2年~4年フロントエンド/バックエンド担当30万円~40万円
Webエンジニア5年以上テックリード、プロジェクトマネージャー40万円~60万円
上記のように具体的な例を示すことで、候補者は入社後の自身の成長と給与の上昇イメージを明確に描けます。また、等級制度を導入している企業であれば、各等級における基本給のレンジを提示することも効果的です。

昇給の条件や事例を書く

基本給のアピールは、入社時の金額だけでなく、入社後の昇給の可能性と仕組みを伝えることで、候補者の長期的なキャリア形成への期待感を高めます。単に「昇給あり」と記載するのではなく、具体的な条件や過去の事例を示すことが重要です。

昇給の条件として、以下の要素を明確にしましょう。
  • 評価基準:どのような成果、能力、貢献度によって評価され、昇給につながるのかを具体的に説明(例:「半期ごとの人事評価に基づき、目標達成度やスキル向上度に応じて昇給を決定します」)。
  • 昇給の頻度と時期:年1回、年2回など、昇給が行われる頻度と時期を明示。
  • 昇給額の目安:具体的な金額を約束するものではなくとも、「平均で〇%程度の昇給実績があります」といった目安を示す。

具体的な昇給事例を提示すれば、候補者は自身のキャリアがどのように発展していくかをよりリアルに想像できます。

【昇給事例】
  • 入社3年目のAさん(営業職):入社時基本給25万円 → 3年後基本給32万円(チームリーダー昇格に伴う昇給)
  • 入社5年目のBさん(Webエンジニア):入社時基本給30万円 → 5年後基本給45万円(テックリード昇格、専門スキル向上による昇給)
  • 入社2年目のCさん(事務職):入社時基本給20万円 → 2年後基本給23万円(業務範囲拡大、貢献度評価による昇給)
昇給事例は、従業員がどのように評価され、給与が上がっていくのかを具体的に示す強力なメッセージとなります。

【関連記事:採用広報を成功させるには?7社の成功事例やポイントを紹介

基本給・基本賃金を練り直して自社の求める人物を迎え入れよう

打ち合わせするビジネスパーソン
採用市場が激化する現代において、基本給・基本賃金は単なる人件費ではなく、企業が求める優秀な人材を獲得し、長期的に活躍してもらうための重要な投資です。法令遵守、市場水準の把握、等級制度との連動、そして採用選考から人事評価までの一貫したプロセスを通じて、戦略的に基本給・基本賃金を設計しましょう。

基本給・基本賃金の設計では、透明性があり納得感のある人事評価が欠かせません。そのためには、コンピテンシー(自社内で良い成績を収める従業員の行動特性)に着目するのがおすすめです。

採用時には、従業員のなかから優秀な人物を選んで観察し、求める人物像のモデル(コンピテンシーモデル)を設定します。しかし、人の手で設定したコンピテンシーが誤っていることもあります。そのため、コンピテンシー診断ツールを利用するのがおすすめです。

ミイダス」では、法人アカウントを作成すれば無料でコンピテンシー診断(特性診断)を利用できます。コンピテンシー診断(特性診断)を用いてコンピテンシーモデルの作成ができ、自社・募集ポジションに合ったミイダスの登録者に自動でスカウトを送信できます。

コンピテンシー診断(特性診断)を活用した採用・育成

コンピテンシーは採用選考だけでなく入社後の教育にも活用でき、人材定着を促すうえでもおすすめです。

コンピテンシー診断(特性診断)は法人アカウントの登録後無料で利用できるので、まずはアカウント登録を済ませて診断を試してみてください。

ミイダスは自社にフィットする人材を
特定して
アプローチ
できる
「アセスメントリクルーティング」
採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後の「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料