会社の会議や取引先との商談で「エンゲージメント」という言葉を使っているものの、実は具体的な意味まで理解していない、という人もいるのではないでしょうか。

本記事ではエンゲージメントの意味やエンゲージメントが重要な理由、エンゲージメントを高める方法を紹介します。

なお、従業員のエンゲージメントを高めていきたいとお考えの方は、以下から無料ダウンロードできるお役立ち資料もぜひご活用ください。

エンゲージメント（engagement）とは、直訳すると「婚約、雇用、案内、縁談」といった意味です。ビジネスシーンでは「結びつき」「深いつながり」といった意味で使用されます。

エンゲージメントはおもに「顧客エンゲージメント」「従業員エンゲージメント」の2種類です。それぞれの意味を簡単に紹介します。

顧客エンゲージメントとは、企業と顧客の間にある結びつきのことです。顧客が企業の製品やサービスを深く信頼している状態を「顧客エンゲージメントが高い」と表現します。

たとえば「スマートフォンを購入するならAppleのiPhoneが良い」といった状態は、顧客エンゲージメントが高いと言えるでしょう。顧客エンゲージメントが高いと、消費者が口コミで自社の製品・サービスをおすすめしてくれたり、YouTubeをはじめとするSNSで商品の紹介を行ったりしてくれるようになります。

顧客エンゲージメントとよく混同される「顧客満足度」は、製品やサービスに対する「期待」と「結果」のギャップを示す、個々の取引への評価です。たとえば「この製品は期待通りに機能した」「サービスは丁寧だった」など、個々の取引や体験に対する評価が顧客満足度にあたります。

従業員エンゲージメントとは、企業と従業員の間にある結びつきのことです。従業員が会社に対して愛着を持っているか、貢献したいという気持ちをもっているか、といった観点から従業員エンゲージメントを測れます。

従業員エンゲージメントが高まれば、生産性の向上や離職率の減少といったメリットが期待できます。

従業員エンゲージメントと似ている「従業員満足度」は「給与に満足している」「休暇制度が充実している」など、従業員が会社から「与えられるもの」に対する満足度を指します。

エンゲージメントが重要な理由は以下の3つです。

エンゲージメントを高める目的のひとつに、企業のブランドイメージ向上があります。

たとえば顧客エンゲージメントの高い商品・サービスを提供している場合「あの会社のサービスはすごい」と口コミが自然に広がり、ブランドイメージが向上します。また従業員エンゲージメントが高い場合「あの会社は勢いがある」と、仕事やキャリア形成に対して前向きな人からの応募が集まりやすくなる、といった効果が期待できるでしょう。

エンゲージメントが向上すると、従業員の離職率低減といった効果も期待できます。

たとえば、従業員エンゲージメントが高い場合、働きがいを持って前向きに仕事へ取り組めている状態のため、ネガティブな理由での退職が減るでしょう。また顧客エンゲージメントが高い場合、「うちの会社はこんなにもすごいサービスを提供している」といった誇りが生まれてネガティブな理由での退職者が減りやすくなります。

従業員エンゲージメントが高まると、企業全体の生産性向上が期待できます。

従業員エンゲージメントが高まった状態だと、従業員は自発的に業務へ取り組むだけでなく、「より業績を伸ばすにはどうすれば良いか」「無駄な作業や経費を削減できないか」といったアイデアを考えてくれるようになります。

結果として、今までよりも少ないコストでより多くの成果をあげられるようになり、生産性が向上するのです。

従業員エンゲージメントを正確に把握する測定方法として、おもに以下の3つが挙げられます。それぞれの内容とメリットは以下のとおりです。

従業員エンゲージメントをより高めるなら、人材アセスメントツール「ミイダス」が提供する「はたらきがいサーベイ」をご活用ください。

はたらきがいサーベイとは、アンケートを通じて従業員のエンゲージメントを可視化できるツールのことです。従業員が働きがいを感じているか、そもそも働きがいを引き出せる環境を作れているかを定量的に評価できるのが特徴です。

はたらきがいサーベイを活用すれば従業員が働きがいを感じているかが客観的に分かるため、従業員エンゲージメントを測定するうえで指標のひとつになるはずです。また、定期的にサーベイを実施すれば、前後の変化が客観的に分かるため、不調を抱えている従業員を早期に発見・フォローをしやすくなります。

はたらきがいサーベイの詳細は以下からダウンロードできる資料にまとめています。「従業員エンゲージメントを測定・向上させたい」と考えている方はぜひチェックしてください。

本記事では従業員エンゲージを高める5つの方法を紹介します。以下の記事では従業員エンゲージメントについてさらに詳しく紹介しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

【関連記事：従業員エンゲージメントとは？注目されている背景や取り組み方を紹介】

まずは現時点での従業員エンゲージメントを把握しましょう。現状を把握しておけば、改善に向けた施策を行ったあとに変化があったかどうか判断できます。

従業員エンゲージメントを正確に把握して定期的に状況を観測したい場合、パルスサーベイなどのツールを活用すると効率的です。従業員エンゲージメントを測定して改善させるための方法は、以下からダウンロードできるお役立ち資料をぜひチェックしてください。

今後の企業としての目標を従業員へ伝えることも、従業員エンゲージメントを高めるうえで重要です。

「自分が担当している仕事がどう会社に役立っているのか」「今後この会社はどこを目指しているのか」などが分かれば、従業員は自分の仕事が会社にどう役立っているのか実感しやすく、モチベーションの向上にもつながるからです。

朝礼や社内報などを活用して、企業が目指しているビジョンを従業員と共有し、従業員エンゲージメントの向上を狙いましょう。

従業員エンゲージメントを高めるうえで大切なのが、働きやすい環境を整備することです。働きやすい環境を整えた方が従業員のモチベーション向上や生産性アップにつながりやすく、結果的に従業員エンゲージメントの向上につながります。

たとえば、フレックスタイム制を導入したり、リモートワークや営業先からの直行直帰を認めたりするなど、柔軟な働き方を認めることで「働きやすい」と感じてもらいやすくなるでしょう。

心理的安全性とは心理学用語のひとつで、安心して自分の意見や疑問を周りに伝えられる環境のことを指します。

職場の心理的安全性が低ければ「自分の意見はどうせ誰も聞いてくれない」「質問すると怒られる」と萎縮してしまい、自社に対する愛着が薄れてしまうでしょう。一方、心理的安全性を高めることで、積極的に意見や悩みを周りに伝えやすくなり、従業員が前向きに働きやすくなります。結果的に従業員エンゲージメントの向上にもつながるのです。

【関連記事：心理的安全性とは？意味や組織へのメリット・高め方を解説【人事必見】 】

従業員エンゲージメントを高めるには、従業員に仕事を通じてスキルアップ・キャリアアップできる機会を提供することが大切です。

実際に行った調査によると、優秀なハイパフォーマー従業員ほど「仕事を通じて成長したりキャリアアップしたりする機会が限られていたから」という理由で転職しています。そのため、スキルアップできる機会を提供することは離職を防ぎ、それが従業員エンゲージメントの向上にも役立つのです。

対策としては、自社の仕事を通じてどのようなキャリアを得られるのか企業側から発信したり、スキルを学ぶ機会を提供しつつそれを活かせる仕事を振ったりすることなどが挙げられます。

「施策を行ってもなかなか従業員エンゲージメントが上がらない……」とお悩みの方は以下の理由があてはまる可能性があります。

従業員エンゲージメントが低いと、社内の空気が悪くなるおそれがあります。

従業員は自社の仕事内容に満足しておらず、モチベーションも上がらないため生産性も高まりません。また、社内で情報共有を行いにくくなり、顧客からのクレームや部署間の対立の悪化といったデメリットが発生するでしょう。

このような状況が続くと、従業員の居心地が悪くなり、従業員エンゲージメントが低下するだけでなく、離職者数の増加にもつながります。

従業員の頑張りを適切に評価しなかったり周りからのねぎらいの言葉がなかったりすると、「自分は適切に評価されていない」と感じてしまい、エンゲージメントが低下してしまいかねません。

もちろん、「頑張っただけで成果につながっていない」のであれば評価につながりづらいかもしれません。ねぎらいの言葉をかけたりフィードバックを伝えたりすることで、モチベーションの低下を防ぎ、「次もやってみよう」と思えるはずです。

また、仮に成果をあげているにもかかわらず評価しない場合、従業員のモチベーションは低下するうえ離職してしまいかねません。従業員エンゲージメントを下げないためにも、適切な人事評価を行いましょう。

働きがいを感じにくい環境であることも、従業員エンゲージメントを下げてしまう要因のひとつです。

「長時間労働が慢性化している」
「非合理的な業務の改善を提案しにくい雰囲気がある」
「ライフステージに合わせた柔軟な働き方が実現できない」

このような要素は、従業員に不満を感じさせてしまいかねません。「給与や休日を改善するのは難しい」と思うかもしれませんが、不要な業務をカットしたりフレックスタイム制を導入したりするなど、働きやすさの改善は意外にも着手しやすいものです。

従業員エンゲージメントを高めるためにも、現在の働き方を見直してみてはいかがでしょうか。

本記事では「エンゲージメント」について解説しました。ビジネスの場合、顧客エンゲージメントを高めていけば自社の競争力強化につながります。また従業員エンゲージメントを高めていけば、生産性の向上や離職率の低減といったメリットが期待できます。

「従業員エンゲージメントを高めていきたい」という方は、以下から無料でダウンロードできるお役立ち資料をぜひチェックしてください。エンゲージメントが高い組織の特徴はもちろんのこと、従業員のエンゲージメントを測る方法などを解説しています。