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コーピングの種類や方法とは?コーピングスキルやストレス耐性を伸ばすコツ

ストレス社会のイメージがすっかり定着し、誰もがストレスとうまく付き合っていく方法を考えている今、「コーピング」が注目を集めています。

特にビジネスパーソンにとっては、ストレスとの向き合い方次第で仕事の生産性が変わり、個人の問題のみならず部署・会社全体に影響を及ぼすため、重要な問題です。

本稿では、ストレスと付き合いながら充実して働き、生産性を高めるために、コーピングとは何か、どのような種類があり取り入れられるのかを詳しく解説します。
自らのストレスマネジメントだけでなく、個々のストレス耐性や特性にあわせながら部下のマネジメントを行いたい方もぜひご覧ください。

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コーピングとは?定義や似た意味の言葉との違いを確認

ノートに虫眼鏡
まずは、コーピングの定義・意味を確認しましょう。

コーピングとはストレスへの対応方法のひとつですが、ストレスを癒すことや予防とは異なる方法です。
他のストレスへの対応方法との違いも解説します。

コーピングの定義

コーピングは広義のコーピングと狭義のコーピング(ストレスコーピング)に分けて考えられます。

広義のコーピング

広義の「コーピング(coping)」は、人がさまざまな困難に対処するための方法や行動全般を指します。ストレスだけでなく、困難な状況や挑戦に対処するための適応戦略や心理的な対処、今後のストレスへの対処や心身へのダメージ(二次被害)が大きくならないような工夫を含みます。

英語で”cope”とは、「対処する」「立ち向かう」という意味であり、既に起きた困難に対処するイメージです。

たとえば、仕事や勉強がうまく実らず、失敗が続いているときに方法を変えてみることや、何らかの健康問題があるときの治療、経済的に困窮している場合の家計のやりくり、収入源の追加、社会資源の活用などは広義のコーピングに含まれます。

狭義のコーピング

日本では特に、発生したストレスへの対処を「コーピング」と表現します。これは狭義のコーピングと捉えられ、「ストレスコーピング」と呼ばれることもあります。
(※以下、本稿では「コーピング」と「ストレスコーピング」を同じ、ストレスへの対処という意味で用います。)

狭義のコーピングでも、ストレスに対処するために問題解決や感情調整、ストレス軽減など、さまざまなアプローチや方法を使用して個人が困難を克服しようと試みます。

似た意味の言葉との違い

コーピングに似た言葉として、以下が挙げられます。
  • ストレスマネジメント
  • ストレスケア・メンタルケア
これらとコーピングとでは、「ストレスに対してどの時点での対応か」「主に誰が問題解決をするのか」「医療や心理学の専門家の介入を要するか」が異なります。

ストレスマネジメント

ストレスマネジメントは、ストレスに対する「管理」を指します。

コーピングが「起きてしまったストレス」への対処であるのに対し、ストレスマネジメントは予防的な対応も含みます。

また、コーピングでは自ら主体的に対処し、多くの場合本人の意思決定が最優先されるのに対し、ストレスマネジメントではあくまで客観的に対応し、ストレスを抱える本人だけでなく上司や家族、同僚など周囲の人物がすすんで介入する場合もあります。

コーピング、ストレスマネジメントのいずれも、専門家がいなくても行えますが、カウンセリングや心理療法の中で取り入れられる場合もあります。

ストレスケア・メンタルケア

ストレスケアやメンタルケアは、コーピングと同じように「既に発生したストレス」だけでなく、これから影響を受ける可能性のある事象への予防、さらに将来似たような場面でよりダメージを受けにくくするための工夫など、どのタイミングでも行われます。

しかし、ストレスへの対応の中でも心理的・身体的負担を解消・緩和し癒すことに主眼が置かれるため、本人とケア担当者とが協働して行うのが特徴です。
ケア担当者には非専門家があたることもありますが、臨床現場で医療専門職が担当することも多くあります。

コーピングでは必ずしも心身を癒すだけでなく、環境や人間関係などの社会的な側面から先に対処することも珍しくありません。
しかし、ストレスケアやメンタルケアの場合は一般的に、心身のケアに注力することが最優先です。

裏を返せばストレスケアやメンタルケアは「まずは身体や心の負担を和らげなければならない」という緊急性の高い場合に用いられる傾向があるともいえます。

既に心身に不調をきたしている場合にもコーピングやストレスマネジメントを行うことができますが、不用意な判断で体調がさらに悪化することもあるため、必ず医療機関を受診し、専門家の適切な処置を受ける必要があります。

コーピングと似た概念の違いを表で整理すると以下のようになります。
コーピングストレスマネジメントストレスケア・メンタルケア
適応段階ストレス発生~事後予防~事後予防~事後
対応者主に本人本人
周囲
※いずれも客観的
本人と対応者の協働
専門家の介入必須ではない必須ではない積極的介入

ストレスとは?ストレスの種類やストレス耐性による個人差も

 STRESSの手書き文字
コーピングをうまく行うには、ストレスについて知っておくことも重要です。

コロナ前、2019年の国民生活基礎調査によれば、12歳以上の人のうち日常生活における悩みやストレスを感じる人は半数に満たないのに対し、30代から50代にかけては男性では約5割、女性では約6割が悩みやストレスを抱えています。
(参考:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」)

そして、2021年の労働安全衛生調査(個人調査)によれば、現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は53.3%にのぼります。

ストレスの内容では「仕事の量」が43.2%、次いで「仕事の失敗、責任の発生等」が33.7%、「仕事の質」が33.6%と、仕事の量や結果、仕事内容がストレスに直結しているのです。

このことからも、ビジネスパーソンにとってストレスへの対処は大きな課題であることがわかります。

ここでは、ストレスにはどのようなものがあるか整理し、個人ごとにストレスの影響が異なることについて解説します。

ストレスの種類

私たちは常にストレスにさらされていますが、以下のように分類することができます。
  • 生理的ストレス
  • 心理的ストレス
  • 社会的ストレス
  • 環境的ストレス
  • 時間的ストレス
これらのストレスの原因が職場にあるかどうかに関係なく、仕事にも影響を及ぼす可能性があります。

生理的ストレス

生理的ストレス(physiological stress)とは、身体的な要因によって引き起こされるストレスです。
病気やけが・身体的な負荷のかかる作業・睡眠不足・月経・妊娠・加齢などが原因となります。

たとえば、頭痛や糖尿病などの持病を抱えている・風邪気味である・生理中であるといった体調、重いものを持ち上げる・運転が多い・立ち仕事であるという作業内容、過労や夜勤などの働き方などが生理的ストレスを引き起こします。

心理的ストレス

心理的ストレス(psychological stress)とは、心理的な要因によって引き起こされるストレスです。
仕事や学業のプレッシャー・負担、人間関係の問題、将来への不安などが心理的なストレスの原因となります。

具体的には、新しい物事の学習が順調に進まないとき、家族関係で問題を抱え悩んでいるとき、失敗や𠮟責のために落ち込んでいるとき、大切な人やものを失った場合などに心理的ストレスがかかります。

社会的ストレス

社会的ストレス(social stress)とは、社会的な要因によって引き起こされるストレスです。
人間関係のトラブル、集団や組織内の競争、人前でのパフォーマンスのプレッシャーなどが社会的なストレスの原因となり、心理的ストレスとの違いは「社会的地位や関係性に伴うものであるかどうか」です。

たとえば、ともに仲の良い同僚や上司とが異なる意見を持っており板挟みにあっている場合、株主総会で重大な発表をする場合、同期の仲間が昇進したのに自らはチャンスを逃した場合などに社会的ストレスが発生します。

環境的ストレス

環境的ストレス(environmental stress)とは、環境的な要因によって引き起こされるストレスです。
騒音・混雑・気候変動・交通渋滞・におい・光などが環境的なストレスの原因となります。

具体的には、職場の近くで工事が始まり集中できない、エアコンが壊れて暑い、香水の強い人と同室にいて気分が悪い、照明が遠く手元が暗いので作業が難しいなどが環境的ストレスのかかっている状況です。

時間的ストレス

時間的ストレス(time-related stress)とは、時間管理やスケジュールの調整に関連して引き起こされる、現代人ならではのストレスです。
締め切りや時間の制約、時間の不足などが時間的なストレスの原因となります。

たとえば、隙間なく予定が詰め込まれて休む暇がない、会議室を次に使う人が待機しており退室を急かされている、移動時間が短く急いで向かわなければならないなどの状況は時間的ストレスがかかっているといえます。

ストレスの種類や要因は複合的

その時々で感じるストレスの種類は、上に挙げたものの1つであることもありますが、ほとんどの場合重なり合っています。

たとえば、体調が悪く、集中できないのでミスが続き、強く叱責されたり、いつもよりも時間がかかってしまうことで余裕がなくなったりします。

ストレスの種類だけでなく、要因も複合的な場合がほとんどです。
業務量や質が変わっていなくても、子育てで疲れていて寝不足であれば、パフォーマンスが下がる一方で「子どものために頑張らなくては」と自らを追い込んで心理的負荷がかかることもあります。

ストレスの感じ方・ストレス耐性と個人差・タイミング

また、同じ状況にあったとしても感じ方に個人差があり、そのタイミング次第でストレスのかかり方が異なります。

ストレスの感じ方やストレス耐性に影響を及ぼす要素として、以下の5点が考えられます。
  • 社会的要因
  • 健康状態や体調
  • 個人の性格や気質
  • 経験や学習
  • 認知や思考パターン
社会的要因や健康状態は、ストレスの種類の項でお伝えしたのと同様に感じ方にも影響を及ぼします。
劣等感をおぼえるようなときだけでなく、「昇進したのだから」と期待されるときや、病み上がりでこれから巻き返そうと意気込んでいる状態では、ストレスを強く感じることがあります。

個人の性格や気質もまた、ストレスに対する感じ方や反応に影響を与えます。
神経質な人はストレスに対して敏感になりやすい傾向があり、楽観的な人はストレスをポジティブにとらえる能力が高い場合があります。
採用時によく用いられる性格検査、適性検査でもある程度推し量ることができます。

適性検査については、以下の記事で詳しく解説しています。

【関連記事「【適性検査とは?】30種類の検査の特徴と選び方を一挙解説」

社会的要因や健康状態、性格や気質は、自らの努力だけでは改善が難しい因子です。
一方で、人間関係や立場の変化、体調の変化、加齢など意思や努力とは無関係に変化するものでもあります。

それに対し、経験や学習、認知や思考パターンは後天的に変化するものであり、自ら努力したり働きかけを行ったりして一定程度変化させることが可能です。

たとえば過去の経験や学習は、同じ状況でも過去の同様な経験を思い出し、ストレスを受け流したり、予測を立てて回避行動をとったりするのに役立ちます。

認知や思考の癖も、ストレス耐性に影響を与えます。
考え方や信念、自己評価などがストレスの感じ方やストレスに対する対処方法に差を生み、冷静に次のアクションに移れる人もいれば、困惑してネガティブな思考の渦にはまってしまう人もいるのです。

ストレス耐性の詳細や高め方については、こちらのページもぜひご覧ください。

【関連記事「ストレス耐性とは?ストレッサーを特定して適性を見極めよう」】
【関連記事「レジリエンスとは?高める・強化する方法や面接での見極め方を解説」】

コーピングの具体的な方法は?種類や例を確認

面談するビジネスパーソン
コーピングには複数の方法があります。

上記のストレスの種類やそのときのタイミングなどを考慮しながら、その都度適切な方法を選び、組み合わせ、活用できるのが望ましいでしょう。

ここでは具体的なコーピングの例を挙げながら、3つの種類別に解説します。
  • 問題焦点型コーピング
  • 情動焦点型コーピング
  • ストレス解消型コーピング
ストレス解消型コーピングを情動焦点型コーピングに含めて考えるケースもあります。
しかし、先に述べたようにストレスは心理的なストレスだけではなく、無意識に受けるストレスも解消の対象となるため、本稿では分けて扱います。

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピング(problem-focused coping)は、ストレスの原因や問題自体に焦点を当て、問題そのものの具体的な解決に重きを置くコーピングスタイルです。
したがって、問題の原因が特定できる場合や具体的な問題である場合に有効な方法だといえます。

問題が明確で具体的であるため、特に問題焦点型コーピングが効果を発揮しやすい状況と対処の例は、以下のような場合です。

例1:同僚と身長差があり、机の高さが合わず腰が痛くなっている場合

同僚よりも身長が低く、同じ机と椅子を並べて作業をしているが、いつも無理な体勢をとっており、常に腰が痛く集中できない。

具体的問題:机と体格が合っていないこと

<問題焦点型コーピング>
・高さ調整のために台を導入する
・作業場所を変更する
・机や椅子の変更やテレワークの許可について上司に相談する
台を取り入れたり、作業場所を変更したりすることが容易な職場もありますが、多くの場合上司への交渉が必要です。
また、新たな物品の購入にあたっては、稟議も必要になります。

ビジネスにおいては特に、誰かに相談することを抜きにしては問題解決が難しいのが事実です。

上述のとおり、コーピングは基本的に「本人が主体的に動く」ものですが、自分一人で最初から最後まで対処する必要はありません。

問題焦点型コーピングにおいては、問題解決のために自ら行動を起こしますが、周囲にある資源を活用して問題解決に導くことも含まれます。

独力で解決するのではなく資源を活用することで、今後のストレスへの対処がうまくなる可能性もあるでしょう。
このように周囲の資源を活用して問題解決を図るコーピングを「社会的資源探索型コーピング」と呼ぶこともあります。

例2:業務量が急激に増え、残業が続いている場合

チームメンバーの退職により業務量が急激に増え、約1か月間残業が続き、睡眠不足になっている

具体的問題:業務量の急激な増加と残業による身体的負荷

<問題焦点型コーピング>
・業務効率化の方法を模索する
・休暇取得、業務量調整について相談する
・健康的に働ける職場に転職する

例3:通勤に片道3時間かかり、帰宅が遅くなっている場合

結婚のため転居したところ通勤時間が伸びてしまい、家事も増え、いつも時間に追われている

具体的問題:通勤時間の増大による心理的・時間的ストレスの増加、結婚による人間関係の変化とプレッシャー

<問題焦点型コーピング>
・自宅近くの会社に転職する
・会社近くに住めるよう、家族と相談する
・家事分担を見直す
・通勤の負荷を減らすため、テレワークができないか上司に相談する
例2・例3ともに、例1に比べて社会的資源探索の割合が増えています。

どんなに仕事と生活とを切り分けて考えるとしても、身体や生活時間などさまざまな要因が重なり、家庭事情やプライベートの事情が仕事にも影響を及ぼします。

仕事に関連する話題であっても、プライベートの事情については家庭や生活場面での調整が必要であり、頼れる社会的資源は職場以外にもあると覚えておきましょう。

情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピング(emotion-focused coping)は、自分自身の心の動き、特に負の感情に焦点を当て、感情の調整や心理的な安定を図ることに重点を置く方法です。

ストレスの要因が絡みついて複雑になっている場合や問題が特定できない場合、さらに相性や人間関係の面から構造的な対処が直ちにはできない場合に適した方法です。

情動焦点型コーピングにおいても、独力で気持ちの処理をしなければならないのではありません。
自ら考え方を変える方法(情動処理型コーピング)のほかに、他者の視点や傾聴の助けを借りて認知している内容を捉えなおす方法(認知(的)再評価型コーピング)もあります。

情動焦点型コーピングの事例を見てみましょう。

例4:先輩から嫌味を言われて不満が溜まっている場合

先輩から頻繁に「あなたはおっとりさんですね」「私が若かった頃はこれだけの量をこなしていた」と嫌味を言われたり、ため息をつかれたりするのでイライラしている。同じチームで仕事を続けると思うと憂鬱で、仕事に行きたくない日もある。

二次感情:先輩に対する苦手意識、憂鬱さ、イライラ
一次感情:「自分は仕事がうまくできていないのではないか」「仕事が遅いのではないか」という不安

<情動焦点型コーピング>
・じっくり考え直し「先輩は自分の仕事を明確に非難したわけではないから、引き続き仕事を頑張ろう」と思い直す
・同僚に愚痴を吐き、「私も言われたことがあるよ」と励まされることで孤独感と劣等感を和らげる
・上司に相談してこれまでの仕事ぶりを振り返り、「先輩なりに𠮟咤激励したつもりなのかもしれない」と気持ちを切り替える
情動、人の感情は大きく「一次感情」と「二次感情」に分けられます。
一次感情とは比較的素朴で、「不安」「喜び」「悲しみ」「恐怖」など、本能的な情動に近いものです。急激に引きおこる感情ともいえます。

二次感情とは、人間関係や立場、そのときの状況によって引き起こされるやや複雑な感情で、時間の経過とともに表面化することの多いものです。羞恥心や劣等感、希望や緊張感などがあります。
職場におけるストレスの元になっている負の感情の多くは、二次感情として認識されることになります。

二次感情の根本には一次感情があります。
例4では、イライラ感や憂鬱さを紐解いていくと、自らの仕事に対する自信のなさからくる不安の強さがありました。

情動焦点型コーピングではこの一次感情を注意深く観察し、表面化している二次感情だけでなく、一次感情に対処するのがきわめて重要です。

また、自らの感情を受容し、表現するのもコーピングに必要な点です。

ストレスを強く感じている状態のときは「仕事ができないのではないか、なんて思う暇があったら努力すればいいんだ」「こんなことを考える自分は取るに足らない存在だ」など、自分の思いを閉じこめやすくなります。

しかし、自らの感情をありのままに受け止めるところから、ストレスへの対処が始まるといっても過言ではありません。

ストレスのかかっている状況で自分ひとりで感情を処理することは難しいものです。
多くの場合、他者に話を聴いてもらい、対話の中から認知している内容や感情を再評価することが役立ちます。

話を聴く人は、急かすことなく本人の話を傾聴し、感情表出しやすい雰囲気を作ることも大切です。

例5:体調が悪く休みがちで、仕事のミスも続いている場合

持病の悪化で体調を崩してしまい、仕事を続けているが休みがちで、出勤できてもミスが多く今までのように働けない。情けなさが募り、退職も考えている。

二次感情:仕事が思うように進まない不満と情けなさ
一次感情:病状悪化への恐怖、立場を失うかもしれないことへの悲しみ

<情動焦点型コーピング>
・上司との面談で相談し、「一緒に考えましょう」「ずっと働いていてほしい」と励まされ前向きな気持ちになる
・主治医と話し、カウンセリングを受けることになり、認知行動療法を受け「すぐさま立場を奪われるわけではない」と理解したことで、気持ちが安定する
例5では、一見体調悪化が問題の本質であり、体調にアプローチすることが問題解決につながるようにも思われます。
しかし、長期的な治療を要する疾患の場合、問題焦点型コーピングだけでは対処しきれないため、感情のコントロールも重要です。

職場側に理解があり、勤続してほしいと考えて配慮しているつもりでも、本人が思い詰めてしまい退職を選ぶケースがあります。
たとえ退職届を提出してきたとしても、本音のところでは「もっと働きたい」「本当は引き留めてほしい」と考えている場合も多々あります。

情けない気持ちから周囲との関係性が悪化し、本人からは相談しにくいこともあるかもしれません。

持病がある人でなくても、やる気があるのにうまくいかないときには誰しも不安が募るものです。
こまめな1on1面談など、気持ちを聴き取る機会を設け、フォローする体制を構築しておくのが重要です。

1on1面談について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

【関連記事「1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法」】

しかし、面談をこまめに行うのは骨が折れるだけでなく、問題点を見逃したりタイミングがずれたりする可能性もあります。

大切な従業員のSOSに気づくために、こまめなフォローアップに役立つ「ミイダス」のようなツールを導入する企業が増えています。

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ストレス解消型コーピング

ストレス解消型コーピング(stress relief coping)は、ストレスの原因や影響を減らすことに重点を置くコーピングです。

問題解決や感情の処理はさておき、いったんストレスの原因から距離をとったり、ひたすらに身体を癒したりすることでストレス状態からの解放を目指します。

自覚しているストレスや心身へのダメージが多くなく、ストレス解消のための時間的・経済的・身体的余裕が持てる場合に適した方法です。

ストレス解消型コーピングは、「静」と「動」で分けられます。

静的なストレス解消型コーピングは、リラクゼーション型とも呼ばれ、マインドフルネス・ヨガ・瞑想・お風呂にゆっくり浸かる、などが含まれます。

動的なストレス解消型コーピングは、「リフレッシュ型」「気晴らし型」などとも呼ばれ、積極的にリフレッシュのための活動を行います。運動・ショッピング・旅行・ドライブなど、楽しいと思えるものや心地よい疲れを感じる方法です。

これらを同時に行うこともあれば、温泉旅行に行ったり、ひとりでスポーツに打ち込み、クールダウンの際に瞑想を行ったりするケースもあります。

コーピングスキルやストレス耐性を引き上げるには?

相談しているビジネスパーソン
仕事で活躍し続け、チームの力も最大限に引き出すには、自分だけでなく組織全員のストレス耐性やコーピングの成否が鍵を握っています。

コーピングにおいては、本人のコーピングスキルを向上させ、周囲が「資源」として活用される状態を作るために、定期的なモニタリングが欠かせません。

コーピングスキルとは

コーピングスキルとは、文字通りコーピングを行う力です。

コーピングスキルの要素は、コーピングの方法で紹介した「問題解決」「感情のコントロール」「ストレス解消」ができる力です。
しかし、本質的には以下の2点が欠かせません。
  • ソーシャルスキル
  • 自己効力感
ソーシャルスキルとは、社会的な人間関係を構築する力です。
具体的には、コーピングができるように日頃から良好な関係性を保ち、必要なときに相談できる相手を見つけておくことです。

また、ここでの自己効力感とは、「なんとかなる」「きっとうまくいく」と信じられる状態です。
過去の経験や周囲からの励ましにより、ストレスがある状況下でも自分が前に進めることを信じる力です。

ストレスを感じ、苦しい状態にあるときは、普段よりも相談することが億劫になったり、自信を失ったりしがちです。

辛さを感じたとき、周囲からタイミングよく助け舟が出れば、徐々に信頼感が醸成され、本人は「ここにいても大丈夫だ」「相談してみようかな」と思えるようになります。

いかにタイミングを逃さず、声をかけられるかがきわめて重要なのです。

ストレス耐性を高める方法

ストレス耐性は努力して高められますが、ひとりでは限界があり、非常に時間がかかります。
生まれ持った気質や特性にも影響を受けるため、個人個人でマネジメントのあり方を変える必要もあります。

どのような部分を補い、高めていくべきかを知り、成長を実感しながら目標に向かうには、適切な伴走者が必要です。

たとえば、人前で緊張しやすいところがある人物がストレス耐性を高めようとする場合、先輩や上司がその都度過剰でない負荷をかけながら、人前で話す機会を設けたり、ひとりで行動するのを見守ったりするのが有効です。

しかし、本人の心身の状況や仕事の進捗、さらにはチーム内の状況などさまざまな点を見極めながらマネジメントすることは、ベテラン上司にとっても至難の業でしょう。

ストレスチェックを活用する

そのときの状況を把握し、タイミングよく声かけをしたり、マネジメントのあり方を調整したりするために、ストレスチェックがある程度有効です。

ストレスチェックはその時点でのストレスを把握するだけに思われるかもしれませんが、過去分との比較を通じて推移を読み、その人の傾向をおおまかに把握できます。

ストレスチェックについてはこちらの記事も参考にしてください。

【関連記事「ストレスチェック制度とは?実施の流れや職場改善につなげる活用法を解説」】

しかし、一般的なストレスチェックは概ね半年ごとに行われることが多く、モニタリングの頻度としては不十分な面が否めません。
そこで、従業員の状態を切れ目なくモニタリングし、個々人にあったマネジメントを行い、コーピングスキルを引き上げて組織全体の生産性を高めるのに適したツールの導入がおすすめです。

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