会社が成長を続けるには、事業拡大を支える組織づくりと人材の活用、時代に応じた変化が重要です。そのため、状況に応じて社内体制を整えていく必要があります。
社内体制を整えるには通常の人事異動だけではなく、部署の新規立ち上げや統合などの組織変更のタイミングとあわせて社員を動かす必要性もあるでしょう。組織変更に伴う人事異動が適切にできれば、優秀な人材が育ち、組織の活性化も期待できます。
この記事では、組織変更に伴う人事異動の意味や目的、時期、メリットなどをふまえたうえで、成功のポイントについて解説します。組織変更・人事異動への理解を深めたい担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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社内体制を整えるには通常の人事異動だけではなく、部署の新規立ち上げや統合などの組織変更のタイミングとあわせて社員を動かす必要性もあるでしょう。組織変更に伴う人事異動が適切にできれば、優秀な人材が育ち、組織の活性化も期待できます。
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▼この記事でわかること
組織変更に伴う人事異動とは組織変更では、多くの場合、人事異動が同時におこなわれます。まずは組織変更や人事異動の基本的な意味を確認し、各用語が具体的にどういった内容を指すのかを押さえておきましょう。組織変更とは
組織変更とは、会社の目標を達成するために、現状の組織体制を変更することです。会社にとって組織変更は重要な施策であり、中長期的な経営戦略に大きく関わります。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。- 新規部門・部署の立ち上げ
- 部門・部署の統合・分割・解体
- 部署名の変更
社内の身近なところでも取り組まれる組織の変更です。
組織戦略や組織図については、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【人事組織戦略とは?意味と成功事例を解説】
【人事組織図とは?その役割と戦略的な利用方法】会社法上の組織変更とは意味合いが異なる
会社法上の組織変更とは、会社の形態を変更することを指します。
会社の形態には、株式会社と持分会社があります。持分会社は、合同会社・合資会社・合名会社の総称です。
会社法では法人格の同一性を保つことができれば、株式会社から持分会社へ、持分会社から株式会社へ転換できるようになっており、この変更を組織変更と呼んでいます。なお、持分会社間での種類変更は組織変更に該当しません。
このように、会社法上の組織変更と一般的な組織変更は意味合いが異なることを認識しておきましょう。以後、一般的な意味での「組織変更」について解説を進めます。人事異動とは
人事異動とは、社員の配置や地位、勤務形態を変更することです。人事異動は会社から社員へ命じる形で実施されます。
具体的には、以下のようなものが該当します。- 部署異動
- 転勤、転任
- 出向
- 転籍
- 昇進、昇格
- 降格、降職
- 新規採用
- 解雇
会社を経営するうえで、人事異動は必ず発生します。適材適所の人材配置ができれば、社員一人ひとりの力を活かし、事業の成長につながります。会社は「人」で成り立っているため、人事異動の成否が大きな影響をもたらすでしょう。
ただし、人事異動は労働条件や勤務地の変更を伴う可能性があるため、慎重に実施しなくてはなりません。対象の社員は慣れた環境や立場を離れることで、多かれ少なかれストレスを感じるものです。場合によっては離職を招くおそれもあります。組織変更には人事異動が必要
新規部署の立ち上げや部署統合などの組織変更をおこなう際は、同時に新たな人材を配置しなくてはなりません。
たとえば新規事業部を立ち上げる場合、新たに部長やその他リーダー職、社員を複数配置する必要があります。あるいは、少し先の組織変更を見越して、段階的に人事異動をおこなう場合もあります。
簡易的な組織名の変更程度であれば人事異動を伴わないこともありますが、基本的には組織変更と人事異動は切っても切り離せないものです。組織変更をする場合は、具体的な人材配置を計画し、新規採用や解雇を含めて進めます。
とはいえ、人事異動は簡単ではありません。会社にとって重要な施策だからこそ、人事担当者にとっては非常に責任や力量を求められる仕事と言えます。
人材配置については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人材配置とは?目的や課題、最適化する方法もまとめて紹介】組織変更と似た用語「組織改編」「組織再編」との違い組織変更と似た用語に「組織改編」や「組織再編」などがあります。
「組織変更の意味と、どう違うの?」と思う方もいるのではないでしょうか。それぞれの違いを見ていきましょう。組織改編とは
組織改編は「組織変更」と同一の意味で使われている用語です。そのため、一般的な組織変更に該当する新規部署の立ち上げや統合・分割・解体など、組織の構成を変更することを指します。組織再編とは
組織再編は、会社を大きく拡大・縮小するために組織を編成し直すことです。組織再編の方法には以下の4つがあります。- 合併
- 会社分割
- 株式交換
- 株式移転
組織変更のように社内の体制変更ではなく、外部の会社も含めた企業規模でおこなわれる変更です。
たとえば会社分割では、企業内の一部の事業を他の会社に引き継ぎます。会社分割をすることで、メインとなる事業に注力でき、意思決定のスピードを高められるのです。組織編成とは
組織編成には、組織を「変える」だけでなく、新しく組み立てることも含まれます。
社内での職務や責任の割り当て、部門や役割の配置、上下関係の設定など、組織の構造を決定するプロセスや活動を指します。組織変革・組織改革とは
組織変更が組織の「ハード」部分の変更であれば、組織変革・組織改革は「ソフト」部分の変更を指します。組織内の構造、プロセス、文化、戦略などの重要な要素を変更し、組織が外部環境の変化に適応したり、競争力を維持したり、新たな成長を促したりするために行われます。
ここまで、組織変更に関する基礎知識を解説しました。続いて、組織変更をする際に人事異動をする理由と目的を見ていきましょう。組織変更に伴う人事異動をする理由と目的組織変更および人事異動には、必ず理由と目的があります。社員に対しては、その理由や目的をしっかり共有しなくてはなりません。
なぜなら、人事異動は社員にとって負担が大きく、目的もわからず配置転換されるだけではモチベーションが低下してしまうからです。新しい環境で社員が活躍するには、会社の意図を伝え、納得してもらうことが大切です。
ここでは、組織変更に伴う人事異動をする理由と目的について解説します。会社によって事情は異なりますが、基本的には以下3つのいずれかに該当するでしょう。- 会社を発展させるため
- 社員の成長・キャリア開発のため
- 組織活性化のため
会社を発展させるため
会社の発展には、事業の幅を広げて拠点を増加するといったスケールアップが欠かせません。したがって、新規部署の立ち上げや部署の分割など、経営方針に沿った組織体制を整えていく必要があります。
もし組織変更や人事異動がおこなわれず、人材が固定化されてしまうと、仕事に慣れてマンネリ化し、生産性が低下するおそれがあります。意図的に人材の異動を促すことで、そうした状況の予防が可能です。
また、業績不振の会社では、採算が取れない部署を解体したり、複数の拠点を統合して効率化を図ったり、場合によってはリストラの必要も出てきます。ネガティブ要因による組織変更・人事異動ではありますが、企業活動の維持、その先の発展のためには欠かせない理由と言えるでしょう。社員の成長・キャリア開発のため
組織変更に伴う人事異動には、社員の成長・キャリア開発という大きな目的もあります。
人材の成長は会社の成長に直結します。新しい役割を任せて社員のポテンシャルを引き出すことは、人事異動によって期待できる大きな成果の一つです。
組織変更や人事異動は、最初は社員にストレスや戸惑いを与えるかもしれません。それまでの部署やポジションを離れ、新しい環境でまた一からキャリアや関係性を築かなくてはならないからです。
しかし、長期的に見れば大きな成長機会であり、社員のキャリアにとって重要な意味をもたらします。
会社によっては、自ら手を挙げて他部署・他ポジションへ異動できる制度を導入しています。主体的な異動なら、最初から高いモチベーションで業務に取り組めるでしょう。
とはいえ、多くの場合、組織変更に伴う人事異動は基本的に会社主導でおこなわれます。そのため、人事異動で得られる社員側のメリット、会社が期待していることを丁寧に伝える必要があります。組織活性化のため
適切な組織変更や人事異動がおこなわれると、社内に良い刺激を与え、組織が活性化します。
たとえば、部署内に新しいメンバーが増えると、既存の社員も気が引き締まり、良い雰囲気に変わることは多いものです。管理職になって部下をもった社員は、責任感が生まれて「もっと頑張ろう」と気合いが入るでしょう。
あるいは、人間関係の問題(上司と部下の相性が悪い、チーム内で分裂しているなど)が目立つ部署では、組織変更や人事異動によって一気に改善する場合もあります。
また、同じ組織に長い期間所属していると、取引先との癒着やデータ改ざんなどの不正行為が発生するリスクも高まります。定期的な組織変更や人事異動によって、組織腐敗を未然に防ぐことも可能です。
そのほか、人事異動の目的については、以下の解説記事もぜひご一読ください。
【人事異動(転勤)の目的とは?適切な人事異動をおこなうためのポイント】
【人事異動の目的と影響 効果的に行う方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動をする理由と目的を解説しました。では、組織変更および人事異動は、具体的にいつおこなうのが最適なのでしょうか。次の項目で解説していきます。組織変更・人事異動をおこなう時期結論から言えば、特に決まった時期はなく、一年中自由に実施できます。しかし日本企業の傾向としては、決算時期に実施されるケースが多いようです。加えて、以下のようなタイミングが考えられるでしょう。- 決算時期や繁忙期が落ち着いたタイミング
- 新規事業立ち上げや拠点拡大のタイミング
- 組織改善が必要になったタイミング
決算時期や繁忙期が落ち着いたタイミング
多くの企業で、決算時期での実施が多く見られます。日本の決算月は3月・9月が多いため、翌月の4月・10月から着任する形で人事異動がおこなわれています。
決算時期に組織変更や人事異動がおこなわれるのは、年度ごとに経営目標や予算が設定される場合、一つの区切りとなるからです。
ただし、新入社員が入社する時期は受け入れ側の負担が増えるため、少しずらした6月・7月に人事異動がおこなわれる場合もあります。
また、業種・職種によっては、現場の混乱を避けるため、繁忙期が一段落した時期に照準を合わせることもあります。たとえばアパレル業界なら、セール期間が落ち着く2月・8月といったイメージです。新規事業立ち上げや拠点拡大のタイミング
新規事業の立ち上げや拠点拡大のタイミングでは、必然的に組織変更や人事異動が発生します。事業拡大の施策は経営戦略に基づいて進められるため、上述した決算時期におこなわれる場合も多いでしょう。
しかし、スピード感を重視し、臨機応変に組織改革をしていくような会社では、決算時期に関わらず、必要に応じて組織変更および人事異動がおこなわれます。組織改善が必要になったタイミング
事業立ち上げや拠点拡大はポジティブな要因と言えますが、一方でネガティブ要因による組織変更・人事異動も発生します。
たとえば、組織内で以下のような状態が見られたら、組織変更をおこなうべきタイミングかもしれません。- 社員の増加に伴い、情報伝達が複雑になっている
- 利害関係の衝突が発生している
- 各組織の目標が分散している
- 人員不足・人員過剰が顕著である
こうした場合は適切な人材配置をおこない、組織改善に取り組む必要があります。
組織がうまく機能していないまま放置していると、悪循環に陥ってしまいます。時期を待たず、早期に組織変更・人事異動を検討すべきでしょう。
人事異動の時期については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【人事異動の適切な時期と目的、期待できる効果とは?】
【転勤の時期とは?企業にとってのメリットとデメリットを解説】
組織変更および人事異動にはさまざまなメリットがあります。一方、企業にとってデメリットになる部分があるのも事実です。続いて、組織変更に伴う人事異動のメリット・デメリットを見ていきましょう。組織変更に伴う人事異動のメリット組織変更に伴う人事異動をすることによって、派生して得られるメリットがあります。ここでは、以下の5点について見ていきましょう。- 事業の発展
- 組織の最適化
- 社員のモチベーションやエンゲージメントの向上
- リーダー人材の育成
- 社内外のネットワークの強化
事業の発展
まずは、事業の発展が何よりのメリットです。新事業への挑戦を目的とした組織変更・人事異動は、会社の成長に直結します。
あるいは組織改善のための人事異動であっても、良くない状況を打破し、健全な経営に近づけることが可能です。
中長期的な経営戦略に基づく組織変更や人事異動は、会社によって事情は違えど、事業の発展を意図しておこなわれると言って良いでしょう。組織の最適化
社員一人ひとりの力を活かし組織力を最大化するには、時代に合った組織体制や、適切な人材配置がカギを握ります。現状維持にとどまるのではなく、組織のあり方や人員構成などを常にアップデートすることが重要です。
組織運営には「全体最適」が求められます。全体最適とは、組織内の一部や個人がうまくいっている「部分最適」ではなく、組織全体としてのシステムが最適な状態を指します。
組織変更・人事異動によって全体最適が実現できれば、生産性の向上やコスト削減など、好ましい効果が得られるでしょう。社員のモチベーションやエンゲージメントの向上
組織変更に伴う人事異動がうまくいくと、社員のモチベーションを大きく向上させられます。新しい環境に飛び込むことで、仕事のマンネリ化を打破し、新鮮な気持ちを呼び起こせます。
とくに、社員自身が望む部署やポジションに配属できれば効果的です。給与や勤務地などの労働条件がよくなれば、働く意欲もアップするでしょう。
また、エンゲージメント(組織に対する思い入れや愛着心)の向上も期待できます。社員一人ひとりのエンゲージメントが高まれば、より良いチームプレーが生まれ、組織としての生産性・創造性に大きな効果をもたらします。リーダー人材の育成
組織変更・人事異動の目的の一つに「社員の成長・キャリア開発」があることは先述したとおりです。特にリーダー人材の育成は、期待すべきメリットと言えます。
これまで多くの日本企業では、ジョブローテーション(定期的な人事異動)によってさまざまな経験を積み、昇進していくキャリアプランが一般的でした。
ジョブローテーションで社内横断的に経験を積むことで、企業理解が深まり、リーダー人材・幹部候補の育成につながります。企業の規模が大きくなるほど組織も複雑になるため、組織変更や人事異動の頻度は多くなると考えられるでしょう。社内外のネットワークの強化
組織変更に伴う人事異動は、社内外のネットワークを強化するメリットもあります。
新しい組織では新しい人間関係が生まれ、社員同士の結びつきが広がります。その結果、社内の協力を得やすくなったり、部署同士の連携がスムーズになったりと、良い影響がもたらされるのです。
社内だけに限らず、担当者の交代で取引先とも新たな関係性が生まれることになります。人脈の拡大で、思わぬビジネスチャンスに恵まれるかもしれません。組織変更に伴う人事異動のデメリット一方で、組織変更および人事異動のデメリットも把握しておきましょう。
組織変更や人事異動にはとても大きな労力がかかるため、以下のようなマイナス要素をふまえた事前の対策が求められます。- コストの増加
- スキルや熟練度の消失
- トラブルになるリスク
- 意思決定やコミュニケーションの停滞
- 組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
組織変更に伴う人事異動をする際の課題とも言える部分です。それぞれの詳細を見ていきましょう。コストの増加
組織変更や人事異動のデメリットとして、コスト面の増加が挙げられます。
人事異動が発生すると、業務の引き継ぎに時間がかかります。また、新しい配属先では一から知識やスキルを身につける必要があり、戦力になるまでは時間がかかるため、それまでの期間は純粋な人材投資になってしまいます。
新規に部署を立ち上げ、人材を集めた場合は、これまでのノウハウがない状態からのスタートです。人材それぞれにスキルや能力があっても、業務がスムーズにおこなえるチームを構築するには期間を要します。
初めのうちは人材だけではなく、組織面にも投資が必要になるでしょう。
また、既存部署で活躍していた人材が組織変更によって異動になれば、売上や生産性の低下を招くかもしれません。異動する人材が抜けたあとの穴をどう埋めるのかを見越した配置転換が重要です。
人事異動ではなく、新しい人材を入社させる場合は、採用活動にかかるコストも大きな負担となります。さまざまなコストがかかることを見越した、組織変更および人事異動が必要です。スキルや熟練度の消失
同じ部署で長い間働いていると、徐々に業務に慣れ、スキルや効率が向上していきます。また、日頃のコミュニケーションを通じて関係性ができていくため、スムーズに仕事を進められる環境が整っていくものです。
しかし、組織変更や人事異動により、部署・チームとしてのスキルや熟練度をリセットしてしまうおそれがあります。時間をかけて積み上げてきた価値の喪失は、会社にとっても損失です。
このデメリットを超える明確な目的がなければ、人事異動に伴う「痛み」のほうが大きくなるかもしれません。トラブルになるリスク
組織変更に伴う人事異動は、基本的に会社都合でおこなわれます。社員本人にとって望まない人事異動の場合、会社への不満や不信感が募り、トラブルになるケースも少なくありません。
原則として異動命令は拒否できないため、不本意な人事異動を受けた場合、退職や水面下での転職活動につながる可能性は大きいでしょう。会社との関係性は悪くなり、そのまま働き続けるとしても、お互いにわだかまりが生まれてしまいます。
ときには、人事異動がパワハラとみなされる可能性もあります。たとえば、人事異動によって社員が著しい不利益を受ける場合(給与の大幅減、通勤時間の負担増など) は、パワハラ認定されることがあります。
また、妊娠・出産を理由とした不利益な配置転換も禁止されています(男女雇用機会均等法第9条第3項、育児・介護休業法第10条など)。これは「マタハラ」とも呼ばれ、違反した場合は罰則が科されるため、十分に注意しなくてはなりません。意思決定やコミュニケーションの停滞
新規部署を立ち上げたり、既存部署で担当していた業務の一部を分割したりする場合、チームとしてのルールが整備されていない状態です。そのため、以下のようなことが不明確となり、意思決定やコミュニケーションが停滞する場合があります。- 業務の指揮をとるのは誰なのか
- 業務を進めるプロセスはどうなっているのか
社員の役割が明確になっていないことで、誰に確認や相談をしたら良いのか、どう進めていけば良いのかわからず、部署内が混乱する場合があります。なかには同じ作業を複数の社員が進めてしまったり、やり直しの必要が出てきたりして、業務の進捗が遅れることもあるでしょう。
このような意思決定やコミュニケーションの混乱・停滞を避けるために、組織変更前、もしくは組織変更後の早期段階で、ルールやプロセスを明確にすることが重要です。人事異動で新たに集まった社員が混乱しないように、決められたルールを周知していきましょう。組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
社内には総務・経理・営業・マーケティングなど、さまざまな部署があります。しかし、同じ社内と言っても部署によってカラーや雰囲気が異なることは少なくありません。
組織変更による部署の立ち上げ・統合・分割などがあると、そこで働く社員も代わります。もともといた社員が組織変更後に残る場合もありますが、新たにメンバーが加われば雰囲気が変わることもあるでしょう。
そのため、組織変更前に人事異動の決定をするのは難易度が上がります。組織のカラーや雰囲気、どのような人材なら活躍できるのか確立されていないからです。
社員のスキルや経験などをふまえて人材配置をしても、これまで実績を上げていたのに結果を出しにくくなったり、上司との関係がうまくいかずにストレスを抱えたりすることがあります。
また、組織変更後の部署で必要とする人材のニーズが不明確なために、「人事異動をしたけれども、ほしい人材が不足していた」というケースもあるでしょう。
組織変更後に醸成されるものを予測するのは難しく、適切な人材配置の課題となっています。
ここまで、組織変更に伴う人事異動のメリットとデメリットを解説しました。人事異動のデメリットについては、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは?】
【人事異動がきっかけで退職?対処法を紹介】
では、どのようにして組織変更に伴う人事異動の課題・デメリットを解消したら良いのでしょうか。次の項目で、成功に導くポイントをお伝えします。組織変更に伴う人事異動を成功させるポイント組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントを大きく5つに分けて紹介します。社員とのトラブルを避け、デメリットをカバーするために必要なことばかりですので、ぜひ押さえておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
組織内の問題を把握・可視化する
組織変更やそれに伴う人事異動を成功させる最大のポイントは、社内で起きている問題の把握・可視化です。
組織体制を変更し、社員を異動させただけでは成功とは言えません。組織の形ありきで、いわば「机上論」で最適な人材配置ができたとしても、現場で実際に働くのは「人」です。
それぞれが抱える問題や不満を把握し、解決できるよう働きかけることで、組織としての力が最大化されるでしょう。
組織内、組織間の課題をきちんと可視化して整理し、関係者間で共有することで、全体最適の組織変更・人事異動が実現できます。社員の適性や能力を把握する
社員一人ひとりの適性や能力を活かす人材配置ができてこそ、組織変更・人事異動の成功と言えます。全員が100%満足できる人事異動は難しくても、個人を正しく評価し、適性を見極めて、できる限り適材適所の状態に近付けましょう。
社員の適性や能力を把握するには「アセスメント」という手法が有効です。アセスメントとは、客観的な評価・分析を意味する言葉で、人事分野では「人材アセスメント」の導入が広がっています。
人材アセスメントでは、社員が潜在的に持つパーソナリティの特徴や職務適性などを可視化できます。各社員の得意分野や職務適性を把握したうえで業務を任せると、モチベーションが高まるほか、生産性向上につなげることもできるのです。
もともと適性のある業務であれば、新しいことでも習得するスピードが早くなるため、教育コストの減少にも寄与します。
人材アセスメントを使って社員一人ひとりの適性や能力を把握し、人事異動の際に活用することが重要です。配属後のミスマッチや離職防止にもつなげられます。
アセスメントについて詳しく知りたい方は、以下の解説記事をぜひご覧ください。
【アセスメントとは?意味や使われ方を詳しく解説】
【「アセスメント」の使い方を簡単にわかりやすく解説【例文あり・分野別】】上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
人事異動の対象となる社員にとって適性のある業務ができる部署だったとしても、上司となる人と相性が良くなかったり、ストレスを感じやすい職場環境になったりするケースがあります。
そうすると、いくら適性のある業務でも能力を発揮しにくくなる場合もあるのです。
たとえば「指示指導型」で細かく指示を出す上司の場合には、素直に指示やアドバイスを受け入れる「素直従順型」の部下が向いています。
反対に、自分で意思決定して業務を進めたい「自主判断型」の社員を部下にすると、指示指導型の上司の助言が煩わしく感じる可能性があります。「自分でやろうと思っていたことができない」「能力を発揮しきれない」と感じた社員はモチベーションの低下を起こしかねません。
上司・部下の相性を把握できていれば、人事異動後に上下関係によるストレスを感じにくくなり、社員別に接し方を考慮しながら指導・教育していくことも可能です。
また、社員のストレス耐性も考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチ低減につながります。
仮に営業職に適性があっても、変化の多い環境に弱い場合もあるでしょう。組織変更で営業部門が新しくなり、そこで大きな変化を受けることが多くなる場合は、営業に向いていたとしてもストレスを感じやすくなるのです。
このように、上司・部下の相性やストレス耐性も考慮したうえでの人事異動が、企業に求められます。社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
組織変更や人事異動において大切なのは、その理由や目的、背景などをしっかり社員に伝えることです。伝え方しだいで社員が新しい環境において前向きに取り組めるか、もしくは会社に対して不信感を抱くかが決まります。
会社からの一方的な命令にならないように留意しながら、以下のポイントを伝えましょう。- 組織変更をおこなう目的
- その社員が人事異動になる理由
- 組織変更後の部署で得られる経験
- 該当社員に期待していること
誠実に対応し、社員からの反応や意見にも耳を傾ける姿勢が重要です。長期的な視点で計画的に実施する
組織変更に伴う人事異動は、経営戦略に基づいて計画的に実施されます。しかし、何らかのトラブルで組織体制を変更しなくてはならないときなど、急な対応が必要になる場合もあります。
新たに人材を採用するより柔軟に対応できる点が人事異動の強みですが、行き当たりばったりでは社員の信頼を失いかねません。現場は疲弊し、デメリットばかりが浮き彫りになってしまうでしょう。- 今後どのように事業を拡大していきたいのか
- そのためには組織がどうあるべきか
- どんな人員配置であれば実現できるのか
このように、長期的かつ逆算的な視点を持ち、組織変更や人事異動を計画的に実施することが重要です。
また、組織変更によって新たに立ち上がった部署でも、しばらくすると必要な人材や活躍できる人材の傾向が見えてきます。チームとして足りないスキルや能力を持った社員を招き入れ、組織を強化するといったことも、長期的な人事戦略として必要な視点です。
組織変更時の人事異動でメンバーを揃えたから終わりではなく、より良い部署・チームにするためのブラッシュアップも求められるでしょう。
その他、人事異動の決め方や手法については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人事異動の決め方は?適材適所を実現するポイントを解説】
【人事異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
【部署異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントでは、社員の適性や能力、上司・部下の相性、ストレス耐性の可視化が重要です。これらの要素を分析・可視化するには、アセスメントリクルーティングに強みを持つ「ミイダス」の活用がおすすめです。組織変更に伴う人事異動を成功させるならミイダス
会社の規模が大きくなると、組織と人材の数が多くなることによって最適なマッチングは難しくなります。一方、中小企業では組織と人材の数は少ないものの、適材適所の人事異動に十分な時間とコストをかけられないかもしれません。
そういった課題をお持ちの場合は、便利な外部サービスの活用をおすすめします。
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また、認知バイアスの強さを測定できる「バイアス診断ゲーム」では、社員の意思決定のクセを客観的な数値で見ることが可能です。社員自身が認知バイアスの強さを知り、コントロールできれば、意思決定の質を高め、生産性向上につなげることも期待できます。
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組織変更に伴う人事異動の注意点組織変更に伴う人事異動について、注意しておくべき点をお伝えします。組織変更・人事異動は重要な施策だからこそ、できる限り失敗を避けなくてはなりません。
以下の内容をふまえ、責任を持って慎重に準備を進めましょう。- 人事異動を拒否できるケースがある
- 失敗すると大きな損失が発生する
- 内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動を拒否できるケースがある
会社には「人事権」(社員の採用・解雇・昇進・異動などを決定する権利)が与えられています。社員はこれに従う義務があり、基本的には人事異動を拒否できません。
とはいえ、会社が無条件に人事権を行使できるわけではなく、万が一「人事権の濫用」に該当する場合は、人事異動が無効になる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。- 契約範囲外の職務・勤務地への異動を命じられた場合
- 不当な動機で人事異動がおこなわれる場合
- 差別的な取り扱いを受ける場合
- 病気や介護を理由とする場合
- 著しく不利益を受ける場合
人事異動を拒否された場合は、まずは人事権の濫用にあたらないかを確認したうえで、社員の話にしっかり耳を傾けましょう。人事権があるからと言って一方的な態度では、納得・理解は得られません。失敗すると大きな損失が発生する
社員が納得して異動の辞令を受け入れたとしても、適材適所の人材配置になっていなければ、本来の力を発揮できません。モチベーションが下がり、結果的に人材の流出につながるおそれもあるでしょう。
また、組織変更が意図したとおりに進まなければ、現場は大きく混乱します。
その際には、さまざまな業務が滞って生産性が落ちたり、コミュニケーションがうまく取れずに社内の雰囲気が悪化したりするでしょう。
一度変更した組織は、元の状態には簡単に戻せません。新たに動き出した組織をより良くし、企業と社員双方を成功・活躍させる覚悟と責任が必要です。そのうえで、適材適所の人材配置ができるように準備を進めていきましょう。内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動をおこなう際には、社員本人や一部の関係者に対して、事前かつ非公式に異動内容が通知されます。これを「内示」と呼ぶのは、ご存じの方も多いでしょう。
社内公表前に異動の事実を伝えることで、該当の社員は心の準備ができ、引き継ぎの段取りもしやすくなります。
ただし、内示はあくまで非公式の情報であり、秘密にしておかなくてはなりません。内示を受けた後、正式な辞令が出されるまで口外してはならないのです。
たとえば、ある社員が新規事業部長に選ばれたとして、事前にその情報が漏れてしまうと、無用な混乱や人間関係のトラブルにつながるおそれがあります。あるいは、組織解体に伴う降格が発生するときに内示の情報が社外へ漏洩すれば、会社の存続に関わる問題に発展するリスクもあるのです。
このようなトラブルやリスクを避けるためにも、関係する社員に内示情報の取り扱いに関する注意点を周知し、徹底させる必要があります。
人事異動の内示について詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。
【なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?】
【人事異動の内示とは?異動のトラブルを避けるための解決方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動の注意点をお伝えしました。最後に関連する「よくある質問」をまとめていますので、あわせてご覧ください。組織変更に伴う人事異動に関するよくある質問ここでは、次の質問について回答していきます。- 組織変更が多い会社は大丈夫?
- 組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
ひとつずつ見ていきましょう。組織変更が多い会社は大丈夫?
組織変更が多いと社員が疲弊し、社内外から「組織体制は大丈夫なのか」と心配される可能性があります。
前述のとおり、組織変更をすることによって企業にメリットをもたらします。しかし、やたらと組織変更する回数が多く、社員のキャリアプランも思うように叶えられない状況で繰り返し人事異動があると、ストレスや不満が蓄積する原因になるでしょう。最悪の場合、会社全体の組織崩壊を招く可能性もあります。
組織変更は経営層が定めた経営戦略に基づいて実施されますが、部署・チームを構成する社員への配慮も欠かせません。経営戦略と人事戦略のバランスを見ながら、組織変更を実施していくことが重要です。社外への組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
社内周知だけではなく、社外に向けて組織変更と人事異動のお知らせをする場合があります。お知らせを出す時は、自社のホームページにてニュースリリースを出したり、取引先などにメールや手紙を送ったりする方法が一般的です。
お知らせの時期は企業によって異なり、4月1日付の組織変更・人事異動をするケースを見てもさまざまです。- 3月中に出す
- 2月中旬~下旬に出す
4月1日に合わせて3月中に出すところが多いようですが、1ヶ月以上前の2月中旬頃に出している企業もあります。自社の方針や引き継ぎの兼ね合いに合わせて、お知らせを発表するようにしましょう。
組織変更とともに人事異動のお知らせを社外へ出す場合は、代表や取締役、部長以上の管理職に限定するのが一般的です。一般社員を含めた、すべての人事異動の詳細を掲載する必要はありません。
社内向けに一般社員の異動先を周知したあと、必要に応じて取引先などに連絡をすると混乱を防げます。適材適所の人材配置で組織変更・人事異動を成功させようこの記事では、組織変更に伴う人事異動について幅広く解説してきました。組織変更に伴う人事異動は会社にとって非常に重要な施策であり、事業の発展や組織の最適化、社員のモチベーション向上などのメリットをもたらします。
組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
どれも重要な要素ではありますが、組織変更で新たにできた部署へ社員を配置する際には、適材適所が求められます。社員の業務適性や潜在的に持つ能力、上司・部下間の相性、ストレス耐性などを考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチを抑えられるのです。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
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⇒組織内で成果を出している社員のコンピテンシー診断結果から、活躍できる人材の特徴を分析・可視化できる
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具体的には、以下のようなものが挙げられます。
組織戦略や組織図については、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【人事組織戦略とは?意味と成功事例を解説】
【人事組織図とは?その役割と戦略的な利用方法】
会社の形態には、株式会社と持分会社があります。持分会社は、合同会社・合資会社・合名会社の総称です。
会社法では法人格の同一性を保つことができれば、株式会社から持分会社へ、持分会社から株式会社へ転換できるようになっており、この変更を組織変更と呼んでいます。なお、持分会社間での種類変更は組織変更に該当しません。
このように、会社法上の組織変更と一般的な組織変更は意味合いが異なることを認識しておきましょう。以後、一般的な意味での「組織変更」について解説を進めます。
具体的には、以下のようなものが該当します。
ただし、人事異動は労働条件や勤務地の変更を伴う可能性があるため、慎重に実施しなくてはなりません。対象の社員は慣れた環境や立場を離れることで、多かれ少なかれストレスを感じるものです。場合によっては離職を招くおそれもあります。
たとえば新規事業部を立ち上げる場合、新たに部長やその他リーダー職、社員を複数配置する必要があります。あるいは、少し先の組織変更を見越して、段階的に人事異動をおこなう場合もあります。
簡易的な組織名の変更程度であれば人事異動を伴わないこともありますが、基本的には組織変更と人事異動は切っても切り離せないものです。組織変更をする場合は、具体的な人材配置を計画し、新規採用や解雇を含めて進めます。
とはいえ、人事異動は簡単ではありません。会社にとって重要な施策だからこそ、人事担当者にとっては非常に責任や力量を求められる仕事と言えます。
人材配置については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人材配置とは?目的や課題、最適化する方法もまとめて紹介】
組織変更と似た用語に「組織改編」や「組織再編」などがあります。
「組織変更の意味と、どう違うの?」と思う方もいるのではないでしょうか。それぞれの違いを見ていきましょう。
「組織変更の意味と、どう違うの?」と思う方もいるのではないでしょうか。それぞれの違いを見ていきましょう。
組織改編とは
組織改編は「組織変更」と同一の意味で使われている用語です。そのため、一般的な組織変更に該当する新規部署の立ち上げや統合・分割・解体など、組織の構成を変更することを指します。
組織再編とは
組織再編は、会社を大きく拡大・縮小するために組織を編成し直すことです。組織再編の方法には以下の4つがあります。
- 合併
- 会社分割
- 株式交換
- 株式移転
組織変更のように社内の体制変更ではなく、外部の会社も含めた企業規模でおこなわれる変更です。
たとえば会社分割では、企業内の一部の事業を他の会社に引き継ぎます。会社分割をすることで、メインとなる事業に注力でき、意思決定のスピードを高められるのです。
たとえば会社分割では、企業内の一部の事業を他の会社に引き継ぎます。会社分割をすることで、メインとなる事業に注力でき、意思決定のスピードを高められるのです。
組織編成とは
組織編成には、組織を「変える」だけでなく、新しく組み立てることも含まれます。
社内での職務や責任の割り当て、部門や役割の配置、上下関係の設定など、組織の構造を決定するプロセスや活動を指します。
社内での職務や責任の割り当て、部門や役割の配置、上下関係の設定など、組織の構造を決定するプロセスや活動を指します。
組織変革・組織改革とは
組織変更が組織の「ハード」部分の変更であれば、組織変革・組織改革は「ソフト」部分の変更を指します。組織内の構造、プロセス、文化、戦略などの重要な要素を変更し、組織が外部環境の変化に適応したり、競争力を維持したり、新たな成長を促したりするために行われます。
ここまで、組織変更に関する基礎知識を解説しました。続いて、組織変更をする際に人事異動をする理由と目的を見ていきましょう。
ここまで、組織変更に関する基礎知識を解説しました。続いて、組織変更をする際に人事異動をする理由と目的を見ていきましょう。
組織変更に伴う人事異動をする理由と目的組織変更および人事異動には、必ず理由と目的があります。社員に対しては、その理由や目的をしっかり共有しなくてはなりません。
なぜなら、人事異動は社員にとって負担が大きく、目的もわからず配置転換されるだけではモチベーションが低下してしまうからです。新しい環境で社員が活躍するには、会社の意図を伝え、納得してもらうことが大切です。
ここでは、組織変更に伴う人事異動をする理由と目的について解説します。会社によって事情は異なりますが、基本的には以下3つのいずれかに該当するでしょう。- 会社を発展させるため
- 社員の成長・キャリア開発のため
- 組織活性化のため
会社を発展させるため
会社の発展には、事業の幅を広げて拠点を増加するといったスケールアップが欠かせません。したがって、新規部署の立ち上げや部署の分割など、経営方針に沿った組織体制を整えていく必要があります。
もし組織変更や人事異動がおこなわれず、人材が固定化されてしまうと、仕事に慣れてマンネリ化し、生産性が低下するおそれがあります。意図的に人材の異動を促すことで、そうした状況の予防が可能です。
また、業績不振の会社では、採算が取れない部署を解体したり、複数の拠点を統合して効率化を図ったり、場合によってはリストラの必要も出てきます。ネガティブ要因による組織変更・人事異動ではありますが、企業活動の維持、その先の発展のためには欠かせない理由と言えるでしょう。社員の成長・キャリア開発のため
組織変更に伴う人事異動には、社員の成長・キャリア開発という大きな目的もあります。
人材の成長は会社の成長に直結します。新しい役割を任せて社員のポテンシャルを引き出すことは、人事異動によって期待できる大きな成果の一つです。
組織変更や人事異動は、最初は社員にストレスや戸惑いを与えるかもしれません。それまでの部署やポジションを離れ、新しい環境でまた一からキャリアや関係性を築かなくてはならないからです。
しかし、長期的に見れば大きな成長機会であり、社員のキャリアにとって重要な意味をもたらします。
会社によっては、自ら手を挙げて他部署・他ポジションへ異動できる制度を導入しています。主体的な異動なら、最初から高いモチベーションで業務に取り組めるでしょう。
とはいえ、多くの場合、組織変更に伴う人事異動は基本的に会社主導でおこなわれます。そのため、人事異動で得られる社員側のメリット、会社が期待していることを丁寧に伝える必要があります。組織活性化のため
適切な組織変更や人事異動がおこなわれると、社内に良い刺激を与え、組織が活性化します。
たとえば、部署内に新しいメンバーが増えると、既存の社員も気が引き締まり、良い雰囲気に変わることは多いものです。管理職になって部下をもった社員は、責任感が生まれて「もっと頑張ろう」と気合いが入るでしょう。
あるいは、人間関係の問題(上司と部下の相性が悪い、チーム内で分裂しているなど)が目立つ部署では、組織変更や人事異動によって一気に改善する場合もあります。
また、同じ組織に長い期間所属していると、取引先との癒着やデータ改ざんなどの不正行為が発生するリスクも高まります。定期的な組織変更や人事異動によって、組織腐敗を未然に防ぐことも可能です。
そのほか、人事異動の目的については、以下の解説記事もぜひご一読ください。
【人事異動(転勤)の目的とは?適切な人事異動をおこなうためのポイント】
【人事異動の目的と影響 効果的に行う方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動をする理由と目的を解説しました。では、組織変更および人事異動は、具体的にいつおこなうのが最適なのでしょうか。次の項目で解説していきます。組織変更・人事異動をおこなう時期結論から言えば、特に決まった時期はなく、一年中自由に実施できます。しかし日本企業の傾向としては、決算時期に実施されるケースが多いようです。加えて、以下のようなタイミングが考えられるでしょう。- 決算時期や繁忙期が落ち着いたタイミング
- 新規事業立ち上げや拠点拡大のタイミング
- 組織改善が必要になったタイミング
決算時期や繁忙期が落ち着いたタイミング
多くの企業で、決算時期での実施が多く見られます。日本の決算月は3月・9月が多いため、翌月の4月・10月から着任する形で人事異動がおこなわれています。
決算時期に組織変更や人事異動がおこなわれるのは、年度ごとに経営目標や予算が設定される場合、一つの区切りとなるからです。
ただし、新入社員が入社する時期は受け入れ側の負担が増えるため、少しずらした6月・7月に人事異動がおこなわれる場合もあります。
また、業種・職種によっては、現場の混乱を避けるため、繁忙期が一段落した時期に照準を合わせることもあります。たとえばアパレル業界なら、セール期間が落ち着く2月・8月といったイメージです。新規事業立ち上げや拠点拡大のタイミング
新規事業の立ち上げや拠点拡大のタイミングでは、必然的に組織変更や人事異動が発生します。事業拡大の施策は経営戦略に基づいて進められるため、上述した決算時期におこなわれる場合も多いでしょう。
しかし、スピード感を重視し、臨機応変に組織改革をしていくような会社では、決算時期に関わらず、必要に応じて組織変更および人事異動がおこなわれます。組織改善が必要になったタイミング
事業立ち上げや拠点拡大はポジティブな要因と言えますが、一方でネガティブ要因による組織変更・人事異動も発生します。
たとえば、組織内で以下のような状態が見られたら、組織変更をおこなうべきタイミングかもしれません。- 社員の増加に伴い、情報伝達が複雑になっている
- 利害関係の衝突が発生している
- 各組織の目標が分散している
- 人員不足・人員過剰が顕著である
こうした場合は適切な人材配置をおこない、組織改善に取り組む必要があります。
組織がうまく機能していないまま放置していると、悪循環に陥ってしまいます。時期を待たず、早期に組織変更・人事異動を検討すべきでしょう。
人事異動の時期については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【人事異動の適切な時期と目的、期待できる効果とは?】
【転勤の時期とは?企業にとってのメリットとデメリットを解説】
組織変更および人事異動にはさまざまなメリットがあります。一方、企業にとってデメリットになる部分があるのも事実です。続いて、組織変更に伴う人事異動のメリット・デメリットを見ていきましょう。組織変更に伴う人事異動のメリット組織変更に伴う人事異動をすることによって、派生して得られるメリットがあります。ここでは、以下の5点について見ていきましょう。- 事業の発展
- 組織の最適化
- 社員のモチベーションやエンゲージメントの向上
- リーダー人材の育成
- 社内外のネットワークの強化
事業の発展
まずは、事業の発展が何よりのメリットです。新事業への挑戦を目的とした組織変更・人事異動は、会社の成長に直結します。
あるいは組織改善のための人事異動であっても、良くない状況を打破し、健全な経営に近づけることが可能です。
中長期的な経営戦略に基づく組織変更や人事異動は、会社によって事情は違えど、事業の発展を意図しておこなわれると言って良いでしょう。組織の最適化
社員一人ひとりの力を活かし組織力を最大化するには、時代に合った組織体制や、適切な人材配置がカギを握ります。現状維持にとどまるのではなく、組織のあり方や人員構成などを常にアップデートすることが重要です。
組織運営には「全体最適」が求められます。全体最適とは、組織内の一部や個人がうまくいっている「部分最適」ではなく、組織全体としてのシステムが最適な状態を指します。
組織変更・人事異動によって全体最適が実現できれば、生産性の向上やコスト削減など、好ましい効果が得られるでしょう。社員のモチベーションやエンゲージメントの向上
組織変更に伴う人事異動がうまくいくと、社員のモチベーションを大きく向上させられます。新しい環境に飛び込むことで、仕事のマンネリ化を打破し、新鮮な気持ちを呼び起こせます。
とくに、社員自身が望む部署やポジションに配属できれば効果的です。給与や勤務地などの労働条件がよくなれば、働く意欲もアップするでしょう。
また、エンゲージメント(組織に対する思い入れや愛着心)の向上も期待できます。社員一人ひとりのエンゲージメントが高まれば、より良いチームプレーが生まれ、組織としての生産性・創造性に大きな効果をもたらします。リーダー人材の育成
組織変更・人事異動の目的の一つに「社員の成長・キャリア開発」があることは先述したとおりです。特にリーダー人材の育成は、期待すべきメリットと言えます。
これまで多くの日本企業では、ジョブローテーション(定期的な人事異動)によってさまざまな経験を積み、昇進していくキャリアプランが一般的でした。
ジョブローテーションで社内横断的に経験を積むことで、企業理解が深まり、リーダー人材・幹部候補の育成につながります。企業の規模が大きくなるほど組織も複雑になるため、組織変更や人事異動の頻度は多くなると考えられるでしょう。社内外のネットワークの強化
組織変更に伴う人事異動は、社内外のネットワークを強化するメリットもあります。
新しい組織では新しい人間関係が生まれ、社員同士の結びつきが広がります。その結果、社内の協力を得やすくなったり、部署同士の連携がスムーズになったりと、良い影響がもたらされるのです。
社内だけに限らず、担当者の交代で取引先とも新たな関係性が生まれることになります。人脈の拡大で、思わぬビジネスチャンスに恵まれるかもしれません。組織変更に伴う人事異動のデメリット一方で、組織変更および人事異動のデメリットも把握しておきましょう。
組織変更や人事異動にはとても大きな労力がかかるため、以下のようなマイナス要素をふまえた事前の対策が求められます。- コストの増加
- スキルや熟練度の消失
- トラブルになるリスク
- 意思決定やコミュニケーションの停滞
- 組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
組織変更に伴う人事異動をする際の課題とも言える部分です。それぞれの詳細を見ていきましょう。コストの増加
組織変更や人事異動のデメリットとして、コスト面の増加が挙げられます。
人事異動が発生すると、業務の引き継ぎに時間がかかります。また、新しい配属先では一から知識やスキルを身につける必要があり、戦力になるまでは時間がかかるため、それまでの期間は純粋な人材投資になってしまいます。
新規に部署を立ち上げ、人材を集めた場合は、これまでのノウハウがない状態からのスタートです。人材それぞれにスキルや能力があっても、業務がスムーズにおこなえるチームを構築するには期間を要します。
初めのうちは人材だけではなく、組織面にも投資が必要になるでしょう。
また、既存部署で活躍していた人材が組織変更によって異動になれば、売上や生産性の低下を招くかもしれません。異動する人材が抜けたあとの穴をどう埋めるのかを見越した配置転換が重要です。
人事異動ではなく、新しい人材を入社させる場合は、採用活動にかかるコストも大きな負担となります。さまざまなコストがかかることを見越した、組織変更および人事異動が必要です。スキルや熟練度の消失
同じ部署で長い間働いていると、徐々に業務に慣れ、スキルや効率が向上していきます。また、日頃のコミュニケーションを通じて関係性ができていくため、スムーズに仕事を進められる環境が整っていくものです。
しかし、組織変更や人事異動により、部署・チームとしてのスキルや熟練度をリセットしてしまうおそれがあります。時間をかけて積み上げてきた価値の喪失は、会社にとっても損失です。
このデメリットを超える明確な目的がなければ、人事異動に伴う「痛み」のほうが大きくなるかもしれません。トラブルになるリスク
組織変更に伴う人事異動は、基本的に会社都合でおこなわれます。社員本人にとって望まない人事異動の場合、会社への不満や不信感が募り、トラブルになるケースも少なくありません。
原則として異動命令は拒否できないため、不本意な人事異動を受けた場合、退職や水面下での転職活動につながる可能性は大きいでしょう。会社との関係性は悪くなり、そのまま働き続けるとしても、お互いにわだかまりが生まれてしまいます。
ときには、人事異動がパワハラとみなされる可能性もあります。たとえば、人事異動によって社員が著しい不利益を受ける場合(給与の大幅減、通勤時間の負担増など) は、パワハラ認定されることがあります。
また、妊娠・出産を理由とした不利益な配置転換も禁止されています(男女雇用機会均等法第9条第3項、育児・介護休業法第10条など)。これは「マタハラ」とも呼ばれ、違反した場合は罰則が科されるため、十分に注意しなくてはなりません。意思決定やコミュニケーションの停滞
新規部署を立ち上げたり、既存部署で担当していた業務の一部を分割したりする場合、チームとしてのルールが整備されていない状態です。そのため、以下のようなことが不明確となり、意思決定やコミュニケーションが停滞する場合があります。- 業務の指揮をとるのは誰なのか
- 業務を進めるプロセスはどうなっているのか
社員の役割が明確になっていないことで、誰に確認や相談をしたら良いのか、どう進めていけば良いのかわからず、部署内が混乱する場合があります。なかには同じ作業を複数の社員が進めてしまったり、やり直しの必要が出てきたりして、業務の進捗が遅れることもあるでしょう。
このような意思決定やコミュニケーションの混乱・停滞を避けるために、組織変更前、もしくは組織変更後の早期段階で、ルールやプロセスを明確にすることが重要です。人事異動で新たに集まった社員が混乱しないように、決められたルールを周知していきましょう。組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
社内には総務・経理・営業・マーケティングなど、さまざまな部署があります。しかし、同じ社内と言っても部署によってカラーや雰囲気が異なることは少なくありません。
組織変更による部署の立ち上げ・統合・分割などがあると、そこで働く社員も代わります。もともといた社員が組織変更後に残る場合もありますが、新たにメンバーが加われば雰囲気が変わることもあるでしょう。
そのため、組織変更前に人事異動の決定をするのは難易度が上がります。組織のカラーや雰囲気、どのような人材なら活躍できるのか確立されていないからです。
社員のスキルや経験などをふまえて人材配置をしても、これまで実績を上げていたのに結果を出しにくくなったり、上司との関係がうまくいかずにストレスを抱えたりすることがあります。
また、組織変更後の部署で必要とする人材のニーズが不明確なために、「人事異動をしたけれども、ほしい人材が不足していた」というケースもあるでしょう。
組織変更後に醸成されるものを予測するのは難しく、適切な人材配置の課題となっています。
ここまで、組織変更に伴う人事異動のメリットとデメリットを解説しました。人事異動のデメリットについては、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは?】
【人事異動がきっかけで退職?対処法を紹介】
では、どのようにして組織変更に伴う人事異動の課題・デメリットを解消したら良いのでしょうか。次の項目で、成功に導くポイントをお伝えします。組織変更に伴う人事異動を成功させるポイント組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントを大きく5つに分けて紹介します。社員とのトラブルを避け、デメリットをカバーするために必要なことばかりですので、ぜひ押さえておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
組織内の問題を把握・可視化する
組織変更やそれに伴う人事異動を成功させる最大のポイントは、社内で起きている問題の把握・可視化です。
組織体制を変更し、社員を異動させただけでは成功とは言えません。組織の形ありきで、いわば「机上論」で最適な人材配置ができたとしても、現場で実際に働くのは「人」です。
それぞれが抱える問題や不満を把握し、解決できるよう働きかけることで、組織としての力が最大化されるでしょう。
組織内、組織間の課題をきちんと可視化して整理し、関係者間で共有することで、全体最適の組織変更・人事異動が実現できます。社員の適性や能力を把握する
社員一人ひとりの適性や能力を活かす人材配置ができてこそ、組織変更・人事異動の成功と言えます。全員が100%満足できる人事異動は難しくても、個人を正しく評価し、適性を見極めて、できる限り適材適所の状態に近付けましょう。
社員の適性や能力を把握するには「アセスメント」という手法が有効です。アセスメントとは、客観的な評価・分析を意味する言葉で、人事分野では「人材アセスメント」の導入が広がっています。
人材アセスメントでは、社員が潜在的に持つパーソナリティの特徴や職務適性などを可視化できます。各社員の得意分野や職務適性を把握したうえで業務を任せると、モチベーションが高まるほか、生産性向上につなげることもできるのです。
もともと適性のある業務であれば、新しいことでも習得するスピードが早くなるため、教育コストの減少にも寄与します。
人材アセスメントを使って社員一人ひとりの適性や能力を把握し、人事異動の際に活用することが重要です。配属後のミスマッチや離職防止にもつなげられます。
アセスメントについて詳しく知りたい方は、以下の解説記事をぜひご覧ください。
【アセスメントとは?意味や使われ方を詳しく解説】
【「アセスメント」の使い方を簡単にわかりやすく解説【例文あり・分野別】】上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
人事異動の対象となる社員にとって適性のある業務ができる部署だったとしても、上司となる人と相性が良くなかったり、ストレスを感じやすい職場環境になったりするケースがあります。
そうすると、いくら適性のある業務でも能力を発揮しにくくなる場合もあるのです。
たとえば「指示指導型」で細かく指示を出す上司の場合には、素直に指示やアドバイスを受け入れる「素直従順型」の部下が向いています。
反対に、自分で意思決定して業務を進めたい「自主判断型」の社員を部下にすると、指示指導型の上司の助言が煩わしく感じる可能性があります。「自分でやろうと思っていたことができない」「能力を発揮しきれない」と感じた社員はモチベーションの低下を起こしかねません。
上司・部下の相性を把握できていれば、人事異動後に上下関係によるストレスを感じにくくなり、社員別に接し方を考慮しながら指導・教育していくことも可能です。
また、社員のストレス耐性も考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチ低減につながります。
仮に営業職に適性があっても、変化の多い環境に弱い場合もあるでしょう。組織変更で営業部門が新しくなり、そこで大きな変化を受けることが多くなる場合は、営業に向いていたとしてもストレスを感じやすくなるのです。
このように、上司・部下の相性やストレス耐性も考慮したうえでの人事異動が、企業に求められます。社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
組織変更や人事異動において大切なのは、その理由や目的、背景などをしっかり社員に伝えることです。伝え方しだいで社員が新しい環境において前向きに取り組めるか、もしくは会社に対して不信感を抱くかが決まります。
会社からの一方的な命令にならないように留意しながら、以下のポイントを伝えましょう。- 組織変更をおこなう目的
- その社員が人事異動になる理由
- 組織変更後の部署で得られる経験
- 該当社員に期待していること
誠実に対応し、社員からの反応や意見にも耳を傾ける姿勢が重要です。長期的な視点で計画的に実施する
組織変更に伴う人事異動は、経営戦略に基づいて計画的に実施されます。しかし、何らかのトラブルで組織体制を変更しなくてはならないときなど、急な対応が必要になる場合もあります。
新たに人材を採用するより柔軟に対応できる点が人事異動の強みですが、行き当たりばったりでは社員の信頼を失いかねません。現場は疲弊し、デメリットばかりが浮き彫りになってしまうでしょう。- 今後どのように事業を拡大していきたいのか
- そのためには組織がどうあるべきか
- どんな人員配置であれば実現できるのか
このように、長期的かつ逆算的な視点を持ち、組織変更や人事異動を計画的に実施することが重要です。
また、組織変更によって新たに立ち上がった部署でも、しばらくすると必要な人材や活躍できる人材の傾向が見えてきます。チームとして足りないスキルや能力を持った社員を招き入れ、組織を強化するといったことも、長期的な人事戦略として必要な視点です。
組織変更時の人事異動でメンバーを揃えたから終わりではなく、より良い部署・チームにするためのブラッシュアップも求められるでしょう。
その他、人事異動の決め方や手法については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人事異動の決め方は?適材適所を実現するポイントを解説】
【人事異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
【部署異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントでは、社員の適性や能力、上司・部下の相性、ストレス耐性の可視化が重要です。これらの要素を分析・可視化するには、アセスメントリクルーティングに強みを持つ「ミイダス」の活用がおすすめです。組織変更に伴う人事異動を成功させるならミイダス
会社の規模が大きくなると、組織と人材の数が多くなることによって最適なマッチングは難しくなります。一方、中小企業では組織と人材の数は少ないものの、適材適所の人事異動に十分な時間とコストをかけられないかもしれません。
そういった課題をお持ちの場合は、便利な外部サービスの活用をおすすめします。
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また、認知バイアスの強さを測定できる「バイアス診断ゲーム」では、社員の意思決定のクセを客観的な数値で見ることが可能です。社員自身が認知バイアスの強さを知り、コントロールできれば、意思決定の質を高め、生産性向上につなげることも期待できます。
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組織変更に伴う人事異動の注意点組織変更に伴う人事異動について、注意しておくべき点をお伝えします。組織変更・人事異動は重要な施策だからこそ、できる限り失敗を避けなくてはなりません。
以下の内容をふまえ、責任を持って慎重に準備を進めましょう。- 人事異動を拒否できるケースがある
- 失敗すると大きな損失が発生する
- 内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動を拒否できるケースがある
会社には「人事権」(社員の採用・解雇・昇進・異動などを決定する権利)が与えられています。社員はこれに従う義務があり、基本的には人事異動を拒否できません。
とはいえ、会社が無条件に人事権を行使できるわけではなく、万が一「人事権の濫用」に該当する場合は、人事異動が無効になる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。- 契約範囲外の職務・勤務地への異動を命じられた場合
- 不当な動機で人事異動がおこなわれる場合
- 差別的な取り扱いを受ける場合
- 病気や介護を理由とする場合
- 著しく不利益を受ける場合
人事異動を拒否された場合は、まずは人事権の濫用にあたらないかを確認したうえで、社員の話にしっかり耳を傾けましょう。人事権があるからと言って一方的な態度では、納得・理解は得られません。失敗すると大きな損失が発生する
社員が納得して異動の辞令を受け入れたとしても、適材適所の人材配置になっていなければ、本来の力を発揮できません。モチベーションが下がり、結果的に人材の流出につながるおそれもあるでしょう。
また、組織変更が意図したとおりに進まなければ、現場は大きく混乱します。
その際には、さまざまな業務が滞って生産性が落ちたり、コミュニケーションがうまく取れずに社内の雰囲気が悪化したりするでしょう。
一度変更した組織は、元の状態には簡単に戻せません。新たに動き出した組織をより良くし、企業と社員双方を成功・活躍させる覚悟と責任が必要です。そのうえで、適材適所の人材配置ができるように準備を進めていきましょう。内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動をおこなう際には、社員本人や一部の関係者に対して、事前かつ非公式に異動内容が通知されます。これを「内示」と呼ぶのは、ご存じの方も多いでしょう。
社内公表前に異動の事実を伝えることで、該当の社員は心の準備ができ、引き継ぎの段取りもしやすくなります。
ただし、内示はあくまで非公式の情報であり、秘密にしておかなくてはなりません。内示を受けた後、正式な辞令が出されるまで口外してはならないのです。
たとえば、ある社員が新規事業部長に選ばれたとして、事前にその情報が漏れてしまうと、無用な混乱や人間関係のトラブルにつながるおそれがあります。あるいは、組織解体に伴う降格が発生するときに内示の情報が社外へ漏洩すれば、会社の存続に関わる問題に発展するリスクもあるのです。
このようなトラブルやリスクを避けるためにも、関係する社員に内示情報の取り扱いに関する注意点を周知し、徹底させる必要があります。
人事異動の内示について詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。
【なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?】
【人事異動の内示とは?異動のトラブルを避けるための解決方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動の注意点をお伝えしました。最後に関連する「よくある質問」をまとめていますので、あわせてご覧ください。組織変更に伴う人事異動に関するよくある質問ここでは、次の質問について回答していきます。- 組織変更が多い会社は大丈夫?
- 組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
ひとつずつ見ていきましょう。組織変更が多い会社は大丈夫?
組織変更が多いと社員が疲弊し、社内外から「組織体制は大丈夫なのか」と心配される可能性があります。
前述のとおり、組織変更をすることによって企業にメリットをもたらします。しかし、やたらと組織変更する回数が多く、社員のキャリアプランも思うように叶えられない状況で繰り返し人事異動があると、ストレスや不満が蓄積する原因になるでしょう。最悪の場合、会社全体の組織崩壊を招く可能性もあります。
組織変更は経営層が定めた経営戦略に基づいて実施されますが、部署・チームを構成する社員への配慮も欠かせません。経営戦略と人事戦略のバランスを見ながら、組織変更を実施していくことが重要です。社外への組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
社内周知だけではなく、社外に向けて組織変更と人事異動のお知らせをする場合があります。お知らせを出す時は、自社のホームページにてニュースリリースを出したり、取引先などにメールや手紙を送ったりする方法が一般的です。
お知らせの時期は企業によって異なり、4月1日付の組織変更・人事異動をするケースを見てもさまざまです。- 3月中に出す
- 2月中旬~下旬に出す
4月1日に合わせて3月中に出すところが多いようですが、1ヶ月以上前の2月中旬頃に出している企業もあります。自社の方針や引き継ぎの兼ね合いに合わせて、お知らせを発表するようにしましょう。
組織変更とともに人事異動のお知らせを社外へ出す場合は、代表や取締役、部長以上の管理職に限定するのが一般的です。一般社員を含めた、すべての人事異動の詳細を掲載する必要はありません。
社内向けに一般社員の異動先を周知したあと、必要に応じて取引先などに連絡をすると混乱を防げます。適材適所の人材配置で組織変更・人事異動を成功させようこの記事では、組織変更に伴う人事異動について幅広く解説してきました。組織変更に伴う人事異動は会社にとって非常に重要な施策であり、事業の発展や組織の最適化、社員のモチベーション向上などのメリットをもたらします。
組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
どれも重要な要素ではありますが、組織変更で新たにできた部署へ社員を配置する際には、適材適所が求められます。社員の業務適性や潜在的に持つ能力、上司・部下間の相性、ストレス耐性などを考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチを抑えられるのです。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
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⇒社員のパーソナリティや業務適性、ストレス耐性を可視化できる。上司・部下タイプを分析し、お互いにフィットするか確認できる
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⇒組織内で成果を出している社員のコンピテンシー診断結果から、活躍できる人材の特徴を分析・可視化できる
・バイアス診断ゲーム
⇒認知バイアスの強さを可視化し、意思決定の質や生産性向上につなげられるこれらのアセスメントツールを活用することで、適材適所の人材配置のほか、社員育成につなげるヒントを得られます。
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なぜなら、人事異動は社員にとって負担が大きく、目的もわからず配置転換されるだけではモチベーションが低下してしまうからです。新しい環境で社員が活躍するには、会社の意図を伝え、納得してもらうことが大切です。
ここでは、組織変更に伴う人事異動をする理由と目的について解説します。会社によって事情は異なりますが、基本的には以下3つのいずれかに該当するでしょう。
もし組織変更や人事異動がおこなわれず、人材が固定化されてしまうと、仕事に慣れてマンネリ化し、生産性が低下するおそれがあります。意図的に人材の異動を促すことで、そうした状況の予防が可能です。
また、業績不振の会社では、採算が取れない部署を解体したり、複数の拠点を統合して効率化を図ったり、場合によってはリストラの必要も出てきます。ネガティブ要因による組織変更・人事異動ではありますが、企業活動の維持、その先の発展のためには欠かせない理由と言えるでしょう。
人材の成長は会社の成長に直結します。新しい役割を任せて社員のポテンシャルを引き出すことは、人事異動によって期待できる大きな成果の一つです。
組織変更や人事異動は、最初は社員にストレスや戸惑いを与えるかもしれません。それまでの部署やポジションを離れ、新しい環境でまた一からキャリアや関係性を築かなくてはならないからです。
しかし、長期的に見れば大きな成長機会であり、社員のキャリアにとって重要な意味をもたらします。
会社によっては、自ら手を挙げて他部署・他ポジションへ異動できる制度を導入しています。主体的な異動なら、最初から高いモチベーションで業務に取り組めるでしょう。
とはいえ、多くの場合、組織変更に伴う人事異動は基本的に会社主導でおこなわれます。そのため、人事異動で得られる社員側のメリット、会社が期待していることを丁寧に伝える必要があります。
たとえば、部署内に新しいメンバーが増えると、既存の社員も気が引き締まり、良い雰囲気に変わることは多いものです。管理職になって部下をもった社員は、責任感が生まれて「もっと頑張ろう」と気合いが入るでしょう。
あるいは、人間関係の問題(上司と部下の相性が悪い、チーム内で分裂しているなど)が目立つ部署では、組織変更や人事異動によって一気に改善する場合もあります。
また、同じ組織に長い期間所属していると、取引先との癒着やデータ改ざんなどの不正行為が発生するリスクも高まります。定期的な組織変更や人事異動によって、組織腐敗を未然に防ぐことも可能です。
そのほか、人事異動の目的については、以下の解説記事もぜひご一読ください。
【人事異動(転勤)の目的とは?適切な人事異動をおこなうためのポイント】
【人事異動の目的と影響 効果的に行う方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動をする理由と目的を解説しました。では、組織変更および人事異動は、具体的にいつおこなうのが最適なのでしょうか。次の項目で解説していきます。
結論から言えば、特に決まった時期はなく、一年中自由に実施できます。しかし日本企業の傾向としては、決算時期に実施されるケースが多いようです。加えて、以下のようなタイミングが考えられるでしょう。
- 決算時期や繁忙期が落ち着いたタイミング
- 新規事業立ち上げや拠点拡大のタイミング
- 組織改善が必要になったタイミング
決算時期や繁忙期が落ち着いたタイミング
多くの企業で、決算時期での実施が多く見られます。日本の決算月は3月・9月が多いため、翌月の4月・10月から着任する形で人事異動がおこなわれています。
決算時期に組織変更や人事異動がおこなわれるのは、年度ごとに経営目標や予算が設定される場合、一つの区切りとなるからです。
ただし、新入社員が入社する時期は受け入れ側の負担が増えるため、少しずらした6月・7月に人事異動がおこなわれる場合もあります。
また、業種・職種によっては、現場の混乱を避けるため、繁忙期が一段落した時期に照準を合わせることもあります。たとえばアパレル業界なら、セール期間が落ち着く2月・8月といったイメージです。
決算時期に組織変更や人事異動がおこなわれるのは、年度ごとに経営目標や予算が設定される場合、一つの区切りとなるからです。
ただし、新入社員が入社する時期は受け入れ側の負担が増えるため、少しずらした6月・7月に人事異動がおこなわれる場合もあります。
また、業種・職種によっては、現場の混乱を避けるため、繁忙期が一段落した時期に照準を合わせることもあります。たとえばアパレル業界なら、セール期間が落ち着く2月・8月といったイメージです。
新規事業立ち上げや拠点拡大のタイミング
新規事業の立ち上げや拠点拡大のタイミングでは、必然的に組織変更や人事異動が発生します。事業拡大の施策は経営戦略に基づいて進められるため、上述した決算時期におこなわれる場合も多いでしょう。
しかし、スピード感を重視し、臨機応変に組織改革をしていくような会社では、決算時期に関わらず、必要に応じて組織変更および人事異動がおこなわれます。
しかし、スピード感を重視し、臨機応変に組織改革をしていくような会社では、決算時期に関わらず、必要に応じて組織変更および人事異動がおこなわれます。
組織改善が必要になったタイミング
事業立ち上げや拠点拡大はポジティブな要因と言えますが、一方でネガティブ要因による組織変更・人事異動も発生します。
たとえば、組織内で以下のような状態が見られたら、組織変更をおこなうべきタイミングかもしれません。
たとえば、組織内で以下のような状態が見られたら、組織変更をおこなうべきタイミングかもしれません。
- 社員の増加に伴い、情報伝達が複雑になっている
- 利害関係の衝突が発生している
- 各組織の目標が分散している
- 人員不足・人員過剰が顕著である
こうした場合は適切な人材配置をおこない、組織改善に取り組む必要があります。
組織がうまく機能していないまま放置していると、悪循環に陥ってしまいます。時期を待たず、早期に組織変更・人事異動を検討すべきでしょう。
人事異動の時期については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【人事異動の適切な時期と目的、期待できる効果とは?】
【転勤の時期とは?企業にとってのメリットとデメリットを解説】
組織変更および人事異動にはさまざまなメリットがあります。一方、企業にとってデメリットになる部分があるのも事実です。続いて、組織変更に伴う人事異動のメリット・デメリットを見ていきましょう。
組織がうまく機能していないまま放置していると、悪循環に陥ってしまいます。時期を待たず、早期に組織変更・人事異動を検討すべきでしょう。
人事異動の時期については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
【人事異動の適切な時期と目的、期待できる効果とは?】
【転勤の時期とは?企業にとってのメリットとデメリットを解説】
組織変更および人事異動にはさまざまなメリットがあります。一方、企業にとってデメリットになる部分があるのも事実です。続いて、組織変更に伴う人事異動のメリット・デメリットを見ていきましょう。
組織変更に伴う人事異動のメリット組織変更に伴う人事異動をすることによって、派生して得られるメリットがあります。ここでは、以下の5点について見ていきましょう。- 事業の発展
- 組織の最適化
- 社員のモチベーションやエンゲージメントの向上
- リーダー人材の育成
- 社内外のネットワークの強化
事業の発展
まずは、事業の発展が何よりのメリットです。新事業への挑戦を目的とした組織変更・人事異動は、会社の成長に直結します。
あるいは組織改善のための人事異動であっても、良くない状況を打破し、健全な経営に近づけることが可能です。
中長期的な経営戦略に基づく組織変更や人事異動は、会社によって事情は違えど、事業の発展を意図しておこなわれると言って良いでしょう。組織の最適化
社員一人ひとりの力を活かし組織力を最大化するには、時代に合った組織体制や、適切な人材配置がカギを握ります。現状維持にとどまるのではなく、組織のあり方や人員構成などを常にアップデートすることが重要です。
組織運営には「全体最適」が求められます。全体最適とは、組織内の一部や個人がうまくいっている「部分最適」ではなく、組織全体としてのシステムが最適な状態を指します。
組織変更・人事異動によって全体最適が実現できれば、生産性の向上やコスト削減など、好ましい効果が得られるでしょう。社員のモチベーションやエンゲージメントの向上
組織変更に伴う人事異動がうまくいくと、社員のモチベーションを大きく向上させられます。新しい環境に飛び込むことで、仕事のマンネリ化を打破し、新鮮な気持ちを呼び起こせます。
とくに、社員自身が望む部署やポジションに配属できれば効果的です。給与や勤務地などの労働条件がよくなれば、働く意欲もアップするでしょう。
また、エンゲージメント(組織に対する思い入れや愛着心)の向上も期待できます。社員一人ひとりのエンゲージメントが高まれば、より良いチームプレーが生まれ、組織としての生産性・創造性に大きな効果をもたらします。リーダー人材の育成
組織変更・人事異動の目的の一つに「社員の成長・キャリア開発」があることは先述したとおりです。特にリーダー人材の育成は、期待すべきメリットと言えます。
これまで多くの日本企業では、ジョブローテーション(定期的な人事異動)によってさまざまな経験を積み、昇進していくキャリアプランが一般的でした。
ジョブローテーションで社内横断的に経験を積むことで、企業理解が深まり、リーダー人材・幹部候補の育成につながります。企業の規模が大きくなるほど組織も複雑になるため、組織変更や人事異動の頻度は多くなると考えられるでしょう。社内外のネットワークの強化
組織変更に伴う人事異動は、社内外のネットワークを強化するメリットもあります。
新しい組織では新しい人間関係が生まれ、社員同士の結びつきが広がります。その結果、社内の協力を得やすくなったり、部署同士の連携がスムーズになったりと、良い影響がもたらされるのです。
社内だけに限らず、担当者の交代で取引先とも新たな関係性が生まれることになります。人脈の拡大で、思わぬビジネスチャンスに恵まれるかもしれません。組織変更に伴う人事異動のデメリット一方で、組織変更および人事異動のデメリットも把握しておきましょう。
組織変更や人事異動にはとても大きな労力がかかるため、以下のようなマイナス要素をふまえた事前の対策が求められます。- コストの増加
- スキルや熟練度の消失
- トラブルになるリスク
- 意思決定やコミュニケーションの停滞
- 組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
組織変更に伴う人事異動をする際の課題とも言える部分です。それぞれの詳細を見ていきましょう。コストの増加
組織変更や人事異動のデメリットとして、コスト面の増加が挙げられます。
人事異動が発生すると、業務の引き継ぎに時間がかかります。また、新しい配属先では一から知識やスキルを身につける必要があり、戦力になるまでは時間がかかるため、それまでの期間は純粋な人材投資になってしまいます。
新規に部署を立ち上げ、人材を集めた場合は、これまでのノウハウがない状態からのスタートです。人材それぞれにスキルや能力があっても、業務がスムーズにおこなえるチームを構築するには期間を要します。
初めのうちは人材だけではなく、組織面にも投資が必要になるでしょう。
また、既存部署で活躍していた人材が組織変更によって異動になれば、売上や生産性の低下を招くかもしれません。異動する人材が抜けたあとの穴をどう埋めるのかを見越した配置転換が重要です。
人事異動ではなく、新しい人材を入社させる場合は、採用活動にかかるコストも大きな負担となります。さまざまなコストがかかることを見越した、組織変更および人事異動が必要です。スキルや熟練度の消失
同じ部署で長い間働いていると、徐々に業務に慣れ、スキルや効率が向上していきます。また、日頃のコミュニケーションを通じて関係性ができていくため、スムーズに仕事を進められる環境が整っていくものです。
しかし、組織変更や人事異動により、部署・チームとしてのスキルや熟練度をリセットしてしまうおそれがあります。時間をかけて積み上げてきた価値の喪失は、会社にとっても損失です。
このデメリットを超える明確な目的がなければ、人事異動に伴う「痛み」のほうが大きくなるかもしれません。トラブルになるリスク
組織変更に伴う人事異動は、基本的に会社都合でおこなわれます。社員本人にとって望まない人事異動の場合、会社への不満や不信感が募り、トラブルになるケースも少なくありません。
原則として異動命令は拒否できないため、不本意な人事異動を受けた場合、退職や水面下での転職活動につながる可能性は大きいでしょう。会社との関係性は悪くなり、そのまま働き続けるとしても、お互いにわだかまりが生まれてしまいます。
ときには、人事異動がパワハラとみなされる可能性もあります。たとえば、人事異動によって社員が著しい不利益を受ける場合(給与の大幅減、通勤時間の負担増など) は、パワハラ認定されることがあります。
また、妊娠・出産を理由とした不利益な配置転換も禁止されています(男女雇用機会均等法第9条第3項、育児・介護休業法第10条など)。これは「マタハラ」とも呼ばれ、違反した場合は罰則が科されるため、十分に注意しなくてはなりません。意思決定やコミュニケーションの停滞
新規部署を立ち上げたり、既存部署で担当していた業務の一部を分割したりする場合、チームとしてのルールが整備されていない状態です。そのため、以下のようなことが不明確となり、意思決定やコミュニケーションが停滞する場合があります。- 業務の指揮をとるのは誰なのか
- 業務を進めるプロセスはどうなっているのか
社員の役割が明確になっていないことで、誰に確認や相談をしたら良いのか、どう進めていけば良いのかわからず、部署内が混乱する場合があります。なかには同じ作業を複数の社員が進めてしまったり、やり直しの必要が出てきたりして、業務の進捗が遅れることもあるでしょう。
このような意思決定やコミュニケーションの混乱・停滞を避けるために、組織変更前、もしくは組織変更後の早期段階で、ルールやプロセスを明確にすることが重要です。人事異動で新たに集まった社員が混乱しないように、決められたルールを周知していきましょう。組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
社内には総務・経理・営業・マーケティングなど、さまざまな部署があります。しかし、同じ社内と言っても部署によってカラーや雰囲気が異なることは少なくありません。
組織変更による部署の立ち上げ・統合・分割などがあると、そこで働く社員も代わります。もともといた社員が組織変更後に残る場合もありますが、新たにメンバーが加われば雰囲気が変わることもあるでしょう。
そのため、組織変更前に人事異動の決定をするのは難易度が上がります。組織のカラーや雰囲気、どのような人材なら活躍できるのか確立されていないからです。
社員のスキルや経験などをふまえて人材配置をしても、これまで実績を上げていたのに結果を出しにくくなったり、上司との関係がうまくいかずにストレスを抱えたりすることがあります。
また、組織変更後の部署で必要とする人材のニーズが不明確なために、「人事異動をしたけれども、ほしい人材が不足していた」というケースもあるでしょう。
組織変更後に醸成されるものを予測するのは難しく、適切な人材配置の課題となっています。
ここまで、組織変更に伴う人事異動のメリットとデメリットを解説しました。人事異動のデメリットについては、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは?】
【人事異動がきっかけで退職?対処法を紹介】
では、どのようにして組織変更に伴う人事異動の課題・デメリットを解消したら良いのでしょうか。次の項目で、成功に導くポイントをお伝えします。組織変更に伴う人事異動を成功させるポイント組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントを大きく5つに分けて紹介します。社員とのトラブルを避け、デメリットをカバーするために必要なことばかりですので、ぜひ押さえておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
組織内の問題を把握・可視化する
組織変更やそれに伴う人事異動を成功させる最大のポイントは、社内で起きている問題の把握・可視化です。
組織体制を変更し、社員を異動させただけでは成功とは言えません。組織の形ありきで、いわば「机上論」で最適な人材配置ができたとしても、現場で実際に働くのは「人」です。
それぞれが抱える問題や不満を把握し、解決できるよう働きかけることで、組織としての力が最大化されるでしょう。
組織内、組織間の課題をきちんと可視化して整理し、関係者間で共有することで、全体最適の組織変更・人事異動が実現できます。社員の適性や能力を把握する
社員一人ひとりの適性や能力を活かす人材配置ができてこそ、組織変更・人事異動の成功と言えます。全員が100%満足できる人事異動は難しくても、個人を正しく評価し、適性を見極めて、できる限り適材適所の状態に近付けましょう。
社員の適性や能力を把握するには「アセスメント」という手法が有効です。アセスメントとは、客観的な評価・分析を意味する言葉で、人事分野では「人材アセスメント」の導入が広がっています。
人材アセスメントでは、社員が潜在的に持つパーソナリティの特徴や職務適性などを可視化できます。各社員の得意分野や職務適性を把握したうえで業務を任せると、モチベーションが高まるほか、生産性向上につなげることもできるのです。
もともと適性のある業務であれば、新しいことでも習得するスピードが早くなるため、教育コストの減少にも寄与します。
人材アセスメントを使って社員一人ひとりの適性や能力を把握し、人事異動の際に活用することが重要です。配属後のミスマッチや離職防止にもつなげられます。
アセスメントについて詳しく知りたい方は、以下の解説記事をぜひご覧ください。
【アセスメントとは?意味や使われ方を詳しく解説】
【「アセスメント」の使い方を簡単にわかりやすく解説【例文あり・分野別】】上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
人事異動の対象となる社員にとって適性のある業務ができる部署だったとしても、上司となる人と相性が良くなかったり、ストレスを感じやすい職場環境になったりするケースがあります。
そうすると、いくら適性のある業務でも能力を発揮しにくくなる場合もあるのです。
たとえば「指示指導型」で細かく指示を出す上司の場合には、素直に指示やアドバイスを受け入れる「素直従順型」の部下が向いています。
反対に、自分で意思決定して業務を進めたい「自主判断型」の社員を部下にすると、指示指導型の上司の助言が煩わしく感じる可能性があります。「自分でやろうと思っていたことができない」「能力を発揮しきれない」と感じた社員はモチベーションの低下を起こしかねません。
上司・部下の相性を把握できていれば、人事異動後に上下関係によるストレスを感じにくくなり、社員別に接し方を考慮しながら指導・教育していくことも可能です。
また、社員のストレス耐性も考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチ低減につながります。
仮に営業職に適性があっても、変化の多い環境に弱い場合もあるでしょう。組織変更で営業部門が新しくなり、そこで大きな変化を受けることが多くなる場合は、営業に向いていたとしてもストレスを感じやすくなるのです。
このように、上司・部下の相性やストレス耐性も考慮したうえでの人事異動が、企業に求められます。社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
組織変更や人事異動において大切なのは、その理由や目的、背景などをしっかり社員に伝えることです。伝え方しだいで社員が新しい環境において前向きに取り組めるか、もしくは会社に対して不信感を抱くかが決まります。
会社からの一方的な命令にならないように留意しながら、以下のポイントを伝えましょう。- 組織変更をおこなう目的
- その社員が人事異動になる理由
- 組織変更後の部署で得られる経験
- 該当社員に期待していること
誠実に対応し、社員からの反応や意見にも耳を傾ける姿勢が重要です。長期的な視点で計画的に実施する
組織変更に伴う人事異動は、経営戦略に基づいて計画的に実施されます。しかし、何らかのトラブルで組織体制を変更しなくてはならないときなど、急な対応が必要になる場合もあります。
新たに人材を採用するより柔軟に対応できる点が人事異動の強みですが、行き当たりばったりでは社員の信頼を失いかねません。現場は疲弊し、デメリットばかりが浮き彫りになってしまうでしょう。- 今後どのように事業を拡大していきたいのか
- そのためには組織がどうあるべきか
- どんな人員配置であれば実現できるのか
このように、長期的かつ逆算的な視点を持ち、組織変更や人事異動を計画的に実施することが重要です。
また、組織変更によって新たに立ち上がった部署でも、しばらくすると必要な人材や活躍できる人材の傾向が見えてきます。チームとして足りないスキルや能力を持った社員を招き入れ、組織を強化するといったことも、長期的な人事戦略として必要な視点です。
組織変更時の人事異動でメンバーを揃えたから終わりではなく、より良い部署・チームにするためのブラッシュアップも求められるでしょう。
その他、人事異動の決め方や手法については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人事異動の決め方は?適材適所を実現するポイントを解説】
【人事異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
【部署異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントでは、社員の適性や能力、上司・部下の相性、ストレス耐性の可視化が重要です。これらの要素を分析・可視化するには、アセスメントリクルーティングに強みを持つ「ミイダス」の活用がおすすめです。組織変更に伴う人事異動を成功させるならミイダス
会社の規模が大きくなると、組織と人材の数が多くなることによって最適なマッチングは難しくなります。一方、中小企業では組織と人材の数は少ないものの、適材適所の人事異動に十分な時間とコストをかけられないかもしれません。
そういった課題をお持ちの場合は、便利な外部サービスの活用をおすすめします。
アセスメントリクルーティングの「ミイダス」では、社員や組織の特徴を客観的に分析・可視化できるツールをご用意しています。
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組織変更に伴う人事異動を成功させたい方は、これらの診断ツールをぜひご活用ください。どちらもミイダスの無料アカウント登録後、追加料金なしでお試しいただけます。ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。
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組織変更に伴う人事異動の注意点組織変更に伴う人事異動について、注意しておくべき点をお伝えします。組織変更・人事異動は重要な施策だからこそ、できる限り失敗を避けなくてはなりません。
以下の内容をふまえ、責任を持って慎重に準備を進めましょう。- 人事異動を拒否できるケースがある
- 失敗すると大きな損失が発生する
- 内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動を拒否できるケースがある
会社には「人事権」(社員の採用・解雇・昇進・異動などを決定する権利)が与えられています。社員はこれに従う義務があり、基本的には人事異動を拒否できません。
とはいえ、会社が無条件に人事権を行使できるわけではなく、万が一「人事権の濫用」に該当する場合は、人事異動が無効になる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。- 契約範囲外の職務・勤務地への異動を命じられた場合
- 不当な動機で人事異動がおこなわれる場合
- 差別的な取り扱いを受ける場合
- 病気や介護を理由とする場合
- 著しく不利益を受ける場合
人事異動を拒否された場合は、まずは人事権の濫用にあたらないかを確認したうえで、社員の話にしっかり耳を傾けましょう。人事権があるからと言って一方的な態度では、納得・理解は得られません。失敗すると大きな損失が発生する
社員が納得して異動の辞令を受け入れたとしても、適材適所の人材配置になっていなければ、本来の力を発揮できません。モチベーションが下がり、結果的に人材の流出につながるおそれもあるでしょう。
また、組織変更が意図したとおりに進まなければ、現場は大きく混乱します。
その際には、さまざまな業務が滞って生産性が落ちたり、コミュニケーションがうまく取れずに社内の雰囲気が悪化したりするでしょう。
一度変更した組織は、元の状態には簡単に戻せません。新たに動き出した組織をより良くし、企業と社員双方を成功・活躍させる覚悟と責任が必要です。そのうえで、適材適所の人材配置ができるように準備を進めていきましょう。内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動をおこなう際には、社員本人や一部の関係者に対して、事前かつ非公式に異動内容が通知されます。これを「内示」と呼ぶのは、ご存じの方も多いでしょう。
社内公表前に異動の事実を伝えることで、該当の社員は心の準備ができ、引き継ぎの段取りもしやすくなります。
ただし、内示はあくまで非公式の情報であり、秘密にしておかなくてはなりません。内示を受けた後、正式な辞令が出されるまで口外してはならないのです。
たとえば、ある社員が新規事業部長に選ばれたとして、事前にその情報が漏れてしまうと、無用な混乱や人間関係のトラブルにつながるおそれがあります。あるいは、組織解体に伴う降格が発生するときに内示の情報が社外へ漏洩すれば、会社の存続に関わる問題に発展するリスクもあるのです。
このようなトラブルやリスクを避けるためにも、関係する社員に内示情報の取り扱いに関する注意点を周知し、徹底させる必要があります。
人事異動の内示について詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。
【なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?】
【人事異動の内示とは?異動のトラブルを避けるための解決方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動の注意点をお伝えしました。最後に関連する「よくある質問」をまとめていますので、あわせてご覧ください。組織変更に伴う人事異動に関するよくある質問ここでは、次の質問について回答していきます。- 組織変更が多い会社は大丈夫?
- 組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
ひとつずつ見ていきましょう。組織変更が多い会社は大丈夫?
組織変更が多いと社員が疲弊し、社内外から「組織体制は大丈夫なのか」と心配される可能性があります。
前述のとおり、組織変更をすることによって企業にメリットをもたらします。しかし、やたらと組織変更する回数が多く、社員のキャリアプランも思うように叶えられない状況で繰り返し人事異動があると、ストレスや不満が蓄積する原因になるでしょう。最悪の場合、会社全体の組織崩壊を招く可能性もあります。
組織変更は経営層が定めた経営戦略に基づいて実施されますが、部署・チームを構成する社員への配慮も欠かせません。経営戦略と人事戦略のバランスを見ながら、組織変更を実施していくことが重要です。社外への組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
社内周知だけではなく、社外に向けて組織変更と人事異動のお知らせをする場合があります。お知らせを出す時は、自社のホームページにてニュースリリースを出したり、取引先などにメールや手紙を送ったりする方法が一般的です。
お知らせの時期は企業によって異なり、4月1日付の組織変更・人事異動をするケースを見てもさまざまです。- 3月中に出す
- 2月中旬~下旬に出す
4月1日に合わせて3月中に出すところが多いようですが、1ヶ月以上前の2月中旬頃に出している企業もあります。自社の方針や引き継ぎの兼ね合いに合わせて、お知らせを発表するようにしましょう。
組織変更とともに人事異動のお知らせを社外へ出す場合は、代表や取締役、部長以上の管理職に限定するのが一般的です。一般社員を含めた、すべての人事異動の詳細を掲載する必要はありません。
社内向けに一般社員の異動先を周知したあと、必要に応じて取引先などに連絡をすると混乱を防げます。適材適所の人材配置で組織変更・人事異動を成功させようこの記事では、組織変更に伴う人事異動について幅広く解説してきました。組織変更に伴う人事異動は会社にとって非常に重要な施策であり、事業の発展や組織の最適化、社員のモチベーション向上などのメリットをもたらします。
組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
どれも重要な要素ではありますが、組織変更で新たにできた部署へ社員を配置する際には、適材適所が求められます。社員の業務適性や潜在的に持つ能力、上司・部下間の相性、ストレス耐性などを考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチを抑えられるのです。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
そこでおすすめしたいのが、中途採用サービス「ミイダス」が提供するアセスメントツールです。導入コストを最小限に抑えながら、組織と人材を客観的に評価・分析が可能です。ミイダスでは、以下3つのアセスメントツールを提供しています。・コンピテンシー診断
⇒社員のパーソナリティや業務適性、ストレス耐性を可視化できる。上司・部下タイプを分析し、お互いにフィットするか確認できる
・フィッティング人材分析
⇒組織内で成果を出している社員のコンピテンシー診断結果から、活躍できる人材の特徴を分析・可視化できる
・バイアス診断ゲーム
⇒認知バイアスの強さを可視化し、意思決定の質や生産性向上につなげられるこれらのアセスメントツールを活用することで、適材適所の人材配置のほか、社員育成につなげるヒントを得られます。
上記のアセスメントツールは、ミイダスのアカウント登録後、無料でお試しいただけます。まずは各種診断を受けてみて、自社で活かせそうか確かめてみてください。
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社員育成にお役立ていただける講座ですので、各種診断とあわせてご活用ください。
あるいは組織改善のための人事異動であっても、良くない状況を打破し、健全な経営に近づけることが可能です。
中長期的な経営戦略に基づく組織変更や人事異動は、会社によって事情は違えど、事業の発展を意図しておこなわれると言って良いでしょう。
組織運営には「全体最適」が求められます。全体最適とは、組織内の一部や個人がうまくいっている「部分最適」ではなく、組織全体としてのシステムが最適な状態を指します。
組織変更・人事異動によって全体最適が実現できれば、生産性の向上やコスト削減など、好ましい効果が得られるでしょう。
とくに、社員自身が望む部署やポジションに配属できれば効果的です。給与や勤務地などの労働条件がよくなれば、働く意欲もアップするでしょう。
また、エンゲージメント(組織に対する思い入れや愛着心)の向上も期待できます。社員一人ひとりのエンゲージメントが高まれば、より良いチームプレーが生まれ、組織としての生産性・創造性に大きな効果をもたらします。
これまで多くの日本企業では、ジョブローテーション(定期的な人事異動)によってさまざまな経験を積み、昇進していくキャリアプランが一般的でした。
ジョブローテーションで社内横断的に経験を積むことで、企業理解が深まり、リーダー人材・幹部候補の育成につながります。企業の規模が大きくなるほど組織も複雑になるため、組織変更や人事異動の頻度は多くなると考えられるでしょう。
新しい組織では新しい人間関係が生まれ、社員同士の結びつきが広がります。その結果、社内の協力を得やすくなったり、部署同士の連携がスムーズになったりと、良い影響がもたらされるのです。
社内だけに限らず、担当者の交代で取引先とも新たな関係性が生まれることになります。人脈の拡大で、思わぬビジネスチャンスに恵まれるかもしれません。
一方で、組織変更および人事異動のデメリットも把握しておきましょう。
組織変更や人事異動にはとても大きな労力がかかるため、以下のようなマイナス要素をふまえた事前の対策が求められます。
組織変更や人事異動にはとても大きな労力がかかるため、以下のようなマイナス要素をふまえた事前の対策が求められます。
- コストの増加
- スキルや熟練度の消失
- トラブルになるリスク
- 意思決定やコミュニケーションの停滞
- 組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
組織変更に伴う人事異動をする際の課題とも言える部分です。それぞれの詳細を見ていきましょう。
コストの増加
組織変更や人事異動のデメリットとして、コスト面の増加が挙げられます。
人事異動が発生すると、業務の引き継ぎに時間がかかります。また、新しい配属先では一から知識やスキルを身につける必要があり、戦力になるまでは時間がかかるため、それまでの期間は純粋な人材投資になってしまいます。
新規に部署を立ち上げ、人材を集めた場合は、これまでのノウハウがない状態からのスタートです。人材それぞれにスキルや能力があっても、業務がスムーズにおこなえるチームを構築するには期間を要します。
初めのうちは人材だけではなく、組織面にも投資が必要になるでしょう。
また、既存部署で活躍していた人材が組織変更によって異動になれば、売上や生産性の低下を招くかもしれません。異動する人材が抜けたあとの穴をどう埋めるのかを見越した配置転換が重要です。
人事異動ではなく、新しい人材を入社させる場合は、採用活動にかかるコストも大きな負担となります。さまざまなコストがかかることを見越した、組織変更および人事異動が必要です。
人事異動が発生すると、業務の引き継ぎに時間がかかります。また、新しい配属先では一から知識やスキルを身につける必要があり、戦力になるまでは時間がかかるため、それまでの期間は純粋な人材投資になってしまいます。
新規に部署を立ち上げ、人材を集めた場合は、これまでのノウハウがない状態からのスタートです。人材それぞれにスキルや能力があっても、業務がスムーズにおこなえるチームを構築するには期間を要します。
初めのうちは人材だけではなく、組織面にも投資が必要になるでしょう。
また、既存部署で活躍していた人材が組織変更によって異動になれば、売上や生産性の低下を招くかもしれません。異動する人材が抜けたあとの穴をどう埋めるのかを見越した配置転換が重要です。
人事異動ではなく、新しい人材を入社させる場合は、採用活動にかかるコストも大きな負担となります。さまざまなコストがかかることを見越した、組織変更および人事異動が必要です。
スキルや熟練度の消失
同じ部署で長い間働いていると、徐々に業務に慣れ、スキルや効率が向上していきます。また、日頃のコミュニケーションを通じて関係性ができていくため、スムーズに仕事を進められる環境が整っていくものです。
しかし、組織変更や人事異動により、部署・チームとしてのスキルや熟練度をリセットしてしまうおそれがあります。時間をかけて積み上げてきた価値の喪失は、会社にとっても損失です。
このデメリットを超える明確な目的がなければ、人事異動に伴う「痛み」のほうが大きくなるかもしれません。
しかし、組織変更や人事異動により、部署・チームとしてのスキルや熟練度をリセットしてしまうおそれがあります。時間をかけて積み上げてきた価値の喪失は、会社にとっても損失です。
このデメリットを超える明確な目的がなければ、人事異動に伴う「痛み」のほうが大きくなるかもしれません。
トラブルになるリスク
組織変更に伴う人事異動は、基本的に会社都合でおこなわれます。社員本人にとって望まない人事異動の場合、会社への不満や不信感が募り、トラブルになるケースも少なくありません。
原則として異動命令は拒否できないため、不本意な人事異動を受けた場合、退職や水面下での転職活動につながる可能性は大きいでしょう。会社との関係性は悪くなり、そのまま働き続けるとしても、お互いにわだかまりが生まれてしまいます。
ときには、人事異動がパワハラとみなされる可能性もあります。たとえば、人事異動によって社員が著しい不利益を受ける場合(給与の大幅減、通勤時間の負担増など) は、パワハラ認定されることがあります。
また、妊娠・出産を理由とした不利益な配置転換も禁止されています(男女雇用機会均等法第9条第3項、育児・介護休業法第10条など)。これは「マタハラ」とも呼ばれ、違反した場合は罰則が科されるため、十分に注意しなくてはなりません。
原則として異動命令は拒否できないため、不本意な人事異動を受けた場合、退職や水面下での転職活動につながる可能性は大きいでしょう。会社との関係性は悪くなり、そのまま働き続けるとしても、お互いにわだかまりが生まれてしまいます。
ときには、人事異動がパワハラとみなされる可能性もあります。たとえば、人事異動によって社員が著しい不利益を受ける場合(給与の大幅減、通勤時間の負担増など) は、パワハラ認定されることがあります。
また、妊娠・出産を理由とした不利益な配置転換も禁止されています(男女雇用機会均等法第9条第3項、育児・介護休業法第10条など)。これは「マタハラ」とも呼ばれ、違反した場合は罰則が科されるため、十分に注意しなくてはなりません。
意思決定やコミュニケーションの停滞
新規部署を立ち上げたり、既存部署で担当していた業務の一部を分割したりする場合、チームとしてのルールが整備されていない状態です。そのため、以下のようなことが不明確となり、意思決定やコミュニケーションが停滞する場合があります。
- 業務の指揮をとるのは誰なのか
- 業務を進めるプロセスはどうなっているのか
社員の役割が明確になっていないことで、誰に確認や相談をしたら良いのか、どう進めていけば良いのかわからず、部署内が混乱する場合があります。なかには同じ作業を複数の社員が進めてしまったり、やり直しの必要が出てきたりして、業務の進捗が遅れることもあるでしょう。
このような意思決定やコミュニケーションの混乱・停滞を避けるために、組織変更前、もしくは組織変更後の早期段階で、ルールやプロセスを明確にすることが重要です。人事異動で新たに集まった社員が混乱しないように、決められたルールを周知していきましょう。
このような意思決定やコミュニケーションの混乱・停滞を避けるために、組織変更前、もしくは組織変更後の早期段階で、ルールやプロセスを明確にすることが重要です。人事異動で新たに集まった社員が混乱しないように、決められたルールを周知していきましょう。
組織のカラーが確立されていないために、適切な人材配置が難しい
社内には総務・経理・営業・マーケティングなど、さまざまな部署があります。しかし、同じ社内と言っても部署によってカラーや雰囲気が異なることは少なくありません。
組織変更による部署の立ち上げ・統合・分割などがあると、そこで働く社員も代わります。もともといた社員が組織変更後に残る場合もありますが、新たにメンバーが加われば雰囲気が変わることもあるでしょう。
そのため、組織変更前に人事異動の決定をするのは難易度が上がります。組織のカラーや雰囲気、どのような人材なら活躍できるのか確立されていないからです。
社員のスキルや経験などをふまえて人材配置をしても、これまで実績を上げていたのに結果を出しにくくなったり、上司との関係がうまくいかずにストレスを抱えたりすることがあります。
また、組織変更後の部署で必要とする人材のニーズが不明確なために、「人事異動をしたけれども、ほしい人材が不足していた」というケースもあるでしょう。
組織変更後に醸成されるものを予測するのは難しく、適切な人材配置の課題となっています。
ここまで、組織変更に伴う人事異動のメリットとデメリットを解説しました。人事異動のデメリットについては、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは?】
【人事異動がきっかけで退職?対処法を紹介】
では、どのようにして組織変更に伴う人事異動の課題・デメリットを解消したら良いのでしょうか。次の項目で、成功に導くポイントをお伝えします。
組織変更による部署の立ち上げ・統合・分割などがあると、そこで働く社員も代わります。もともといた社員が組織変更後に残る場合もありますが、新たにメンバーが加われば雰囲気が変わることもあるでしょう。
そのため、組織変更前に人事異動の決定をするのは難易度が上がります。組織のカラーや雰囲気、どのような人材なら活躍できるのか確立されていないからです。
社員のスキルや経験などをふまえて人材配置をしても、これまで実績を上げていたのに結果を出しにくくなったり、上司との関係がうまくいかずにストレスを抱えたりすることがあります。
また、組織変更後の部署で必要とする人材のニーズが不明確なために、「人事異動をしたけれども、ほしい人材が不足していた」というケースもあるでしょう。
組織変更後に醸成されるものを予測するのは難しく、適切な人材配置の課題となっています。
ここまで、組織変更に伴う人事異動のメリットとデメリットを解説しました。人事異動のデメリットについては、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
【会社都合の転勤や人事異動で起こりうる問題とは?】
【人事異動がきっかけで退職?対処法を紹介】
では、どのようにして組織変更に伴う人事異動の課題・デメリットを解消したら良いのでしょうか。次の項目で、成功に導くポイントをお伝えします。
組織変更に伴う人事異動を成功させるポイント組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントを大きく5つに分けて紹介します。社員とのトラブルを避け、デメリットをカバーするために必要なことばかりですので、ぜひ押さえておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
組織内の問題を把握・可視化する
組織変更やそれに伴う人事異動を成功させる最大のポイントは、社内で起きている問題の把握・可視化です。
組織体制を変更し、社員を異動させただけでは成功とは言えません。組織の形ありきで、いわば「机上論」で最適な人材配置ができたとしても、現場で実際に働くのは「人」です。
それぞれが抱える問題や不満を把握し、解決できるよう働きかけることで、組織としての力が最大化されるでしょう。
組織内、組織間の課題をきちんと可視化して整理し、関係者間で共有することで、全体最適の組織変更・人事異動が実現できます。社員の適性や能力を把握する
社員一人ひとりの適性や能力を活かす人材配置ができてこそ、組織変更・人事異動の成功と言えます。全員が100%満足できる人事異動は難しくても、個人を正しく評価し、適性を見極めて、できる限り適材適所の状態に近付けましょう。
社員の適性や能力を把握するには「アセスメント」という手法が有効です。アセスメントとは、客観的な評価・分析を意味する言葉で、人事分野では「人材アセスメント」の導入が広がっています。
人材アセスメントでは、社員が潜在的に持つパーソナリティの特徴や職務適性などを可視化できます。各社員の得意分野や職務適性を把握したうえで業務を任せると、モチベーションが高まるほか、生産性向上につなげることもできるのです。
もともと適性のある業務であれば、新しいことでも習得するスピードが早くなるため、教育コストの減少にも寄与します。
人材アセスメントを使って社員一人ひとりの適性や能力を把握し、人事異動の際に活用することが重要です。配属後のミスマッチや離職防止にもつなげられます。
アセスメントについて詳しく知りたい方は、以下の解説記事をぜひご覧ください。
【アセスメントとは?意味や使われ方を詳しく解説】
【「アセスメント」の使い方を簡単にわかりやすく解説【例文あり・分野別】】上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
人事異動の対象となる社員にとって適性のある業務ができる部署だったとしても、上司となる人と相性が良くなかったり、ストレスを感じやすい職場環境になったりするケースがあります。
そうすると、いくら適性のある業務でも能力を発揮しにくくなる場合もあるのです。
たとえば「指示指導型」で細かく指示を出す上司の場合には、素直に指示やアドバイスを受け入れる「素直従順型」の部下が向いています。
反対に、自分で意思決定して業務を進めたい「自主判断型」の社員を部下にすると、指示指導型の上司の助言が煩わしく感じる可能性があります。「自分でやろうと思っていたことができない」「能力を発揮しきれない」と感じた社員はモチベーションの低下を起こしかねません。
上司・部下の相性を把握できていれば、人事異動後に上下関係によるストレスを感じにくくなり、社員別に接し方を考慮しながら指導・教育していくことも可能です。
また、社員のストレス耐性も考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチ低減につながります。
仮に営業職に適性があっても、変化の多い環境に弱い場合もあるでしょう。組織変更で営業部門が新しくなり、そこで大きな変化を受けることが多くなる場合は、営業に向いていたとしてもストレスを感じやすくなるのです。
このように、上司・部下の相性やストレス耐性も考慮したうえでの人事異動が、企業に求められます。社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
組織変更や人事異動において大切なのは、その理由や目的、背景などをしっかり社員に伝えることです。伝え方しだいで社員が新しい環境において前向きに取り組めるか、もしくは会社に対して不信感を抱くかが決まります。
会社からの一方的な命令にならないように留意しながら、以下のポイントを伝えましょう。- 組織変更をおこなう目的
- その社員が人事異動になる理由
- 組織変更後の部署で得られる経験
- 該当社員に期待していること
誠実に対応し、社員からの反応や意見にも耳を傾ける姿勢が重要です。長期的な視点で計画的に実施する
組織変更に伴う人事異動は、経営戦略に基づいて計画的に実施されます。しかし、何らかのトラブルで組織体制を変更しなくてはならないときなど、急な対応が必要になる場合もあります。
新たに人材を採用するより柔軟に対応できる点が人事異動の強みですが、行き当たりばったりでは社員の信頼を失いかねません。現場は疲弊し、デメリットばかりが浮き彫りになってしまうでしょう。- 今後どのように事業を拡大していきたいのか
- そのためには組織がどうあるべきか
- どんな人員配置であれば実現できるのか
このように、長期的かつ逆算的な視点を持ち、組織変更や人事異動を計画的に実施することが重要です。
また、組織変更によって新たに立ち上がった部署でも、しばらくすると必要な人材や活躍できる人材の傾向が見えてきます。チームとして足りないスキルや能力を持った社員を招き入れ、組織を強化するといったことも、長期的な人事戦略として必要な視点です。
組織変更時の人事異動でメンバーを揃えたから終わりではなく、より良い部署・チームにするためのブラッシュアップも求められるでしょう。
その他、人事異動の決め方や手法については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人事異動の決め方は?適材適所を実現するポイントを解説】
【人事異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
【部署異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントでは、社員の適性や能力、上司・部下の相性、ストレス耐性の可視化が重要です。これらの要素を分析・可視化するには、アセスメントリクルーティングに強みを持つ「ミイダス」の活用がおすすめです。組織変更に伴う人事異動を成功させるならミイダス
会社の規模が大きくなると、組織と人材の数が多くなることによって最適なマッチングは難しくなります。一方、中小企業では組織と人材の数は少ないものの、適材適所の人事異動に十分な時間とコストをかけられないかもしれません。
そういった課題をお持ちの場合は、便利な外部サービスの活用をおすすめします。
アセスメントリクルーティングの「ミイダス」では、社員や組織の特徴を客観的に分析・可視化できるツールをご用意しています。
「コンピテンシー診断」では、社員のパーソナリティ、職務適性、ストレス要因、上下関係適性などをデータで可視化できます。社員が潜在的に持っている適性や能力を客観的な視点で確認できるため、適材適所の人事異動に有効活用いただけます。
また、認知バイアスの強さを測定できる「バイアス診断ゲーム」では、社員の意思決定のクセを客観的な数値で見ることが可能です。社員自身が認知バイアスの強さを知り、コントロールできれば、意思決定の質を高め、生産性向上につなげることも期待できます。
組織変更に伴う人事異動を成功させたい方は、これらの診断ツールをぜひご活用ください。どちらもミイダスの無料アカウント登録後、追加料金なしでお試しいただけます。ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
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組織変更に伴う人事異動の注意点組織変更に伴う人事異動について、注意しておくべき点をお伝えします。組織変更・人事異動は重要な施策だからこそ、できる限り失敗を避けなくてはなりません。
以下の内容をふまえ、責任を持って慎重に準備を進めましょう。- 人事異動を拒否できるケースがある
- 失敗すると大きな損失が発生する
- 内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動を拒否できるケースがある
会社には「人事権」(社員の採用・解雇・昇進・異動などを決定する権利)が与えられています。社員はこれに従う義務があり、基本的には人事異動を拒否できません。
とはいえ、会社が無条件に人事権を行使できるわけではなく、万が一「人事権の濫用」に該当する場合は、人事異動が無効になる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。- 契約範囲外の職務・勤務地への異動を命じられた場合
- 不当な動機で人事異動がおこなわれる場合
- 差別的な取り扱いを受ける場合
- 病気や介護を理由とする場合
- 著しく不利益を受ける場合
人事異動を拒否された場合は、まずは人事権の濫用にあたらないかを確認したうえで、社員の話にしっかり耳を傾けましょう。人事権があるからと言って一方的な態度では、納得・理解は得られません。失敗すると大きな損失が発生する
社員が納得して異動の辞令を受け入れたとしても、適材適所の人材配置になっていなければ、本来の力を発揮できません。モチベーションが下がり、結果的に人材の流出につながるおそれもあるでしょう。
また、組織変更が意図したとおりに進まなければ、現場は大きく混乱します。
その際には、さまざまな業務が滞って生産性が落ちたり、コミュニケーションがうまく取れずに社内の雰囲気が悪化したりするでしょう。
一度変更した組織は、元の状態には簡単に戻せません。新たに動き出した組織をより良くし、企業と社員双方を成功・活躍させる覚悟と責任が必要です。そのうえで、適材適所の人材配置ができるように準備を進めていきましょう。内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動をおこなう際には、社員本人や一部の関係者に対して、事前かつ非公式に異動内容が通知されます。これを「内示」と呼ぶのは、ご存じの方も多いでしょう。
社内公表前に異動の事実を伝えることで、該当の社員は心の準備ができ、引き継ぎの段取りもしやすくなります。
ただし、内示はあくまで非公式の情報であり、秘密にしておかなくてはなりません。内示を受けた後、正式な辞令が出されるまで口外してはならないのです。
たとえば、ある社員が新規事業部長に選ばれたとして、事前にその情報が漏れてしまうと、無用な混乱や人間関係のトラブルにつながるおそれがあります。あるいは、組織解体に伴う降格が発生するときに内示の情報が社外へ漏洩すれば、会社の存続に関わる問題に発展するリスクもあるのです。
このようなトラブルやリスクを避けるためにも、関係する社員に内示情報の取り扱いに関する注意点を周知し、徹底させる必要があります。
人事異動の内示について詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。
【なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?】
【人事異動の内示とは?異動のトラブルを避けるための解決方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動の注意点をお伝えしました。最後に関連する「よくある質問」をまとめていますので、あわせてご覧ください。組織変更に伴う人事異動に関するよくある質問ここでは、次の質問について回答していきます。- 組織変更が多い会社は大丈夫?
- 組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
ひとつずつ見ていきましょう。組織変更が多い会社は大丈夫?
組織変更が多いと社員が疲弊し、社内外から「組織体制は大丈夫なのか」と心配される可能性があります。
前述のとおり、組織変更をすることによって企業にメリットをもたらします。しかし、やたらと組織変更する回数が多く、社員のキャリアプランも思うように叶えられない状況で繰り返し人事異動があると、ストレスや不満が蓄積する原因になるでしょう。最悪の場合、会社全体の組織崩壊を招く可能性もあります。
組織変更は経営層が定めた経営戦略に基づいて実施されますが、部署・チームを構成する社員への配慮も欠かせません。経営戦略と人事戦略のバランスを見ながら、組織変更を実施していくことが重要です。社外への組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
社内周知だけではなく、社外に向けて組織変更と人事異動のお知らせをする場合があります。お知らせを出す時は、自社のホームページにてニュースリリースを出したり、取引先などにメールや手紙を送ったりする方法が一般的です。
お知らせの時期は企業によって異なり、4月1日付の組織変更・人事異動をするケースを見てもさまざまです。- 3月中に出す
- 2月中旬~下旬に出す
4月1日に合わせて3月中に出すところが多いようですが、1ヶ月以上前の2月中旬頃に出している企業もあります。自社の方針や引き継ぎの兼ね合いに合わせて、お知らせを発表するようにしましょう。
組織変更とともに人事異動のお知らせを社外へ出す場合は、代表や取締役、部長以上の管理職に限定するのが一般的です。一般社員を含めた、すべての人事異動の詳細を掲載する必要はありません。
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組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
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どれも重要な要素ではありますが、組織変更で新たにできた部署へ社員を配置する際には、適材適所が求められます。社員の業務適性や潜在的に持つ能力、上司・部下間の相性、ストレス耐性などを考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチを抑えられるのです。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
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組織体制を変更し、社員を異動させただけでは成功とは言えません。組織の形ありきで、いわば「机上論」で最適な人材配置ができたとしても、現場で実際に働くのは「人」です。
それぞれが抱える問題や不満を把握し、解決できるよう働きかけることで、組織としての力が最大化されるでしょう。
組織内、組織間の課題をきちんと可視化して整理し、関係者間で共有することで、全体最適の組織変更・人事異動が実現できます。
社員の適性や能力を把握するには「アセスメント」という手法が有効です。アセスメントとは、客観的な評価・分析を意味する言葉で、人事分野では「人材アセスメント」の導入が広がっています。
人材アセスメントでは、社員が潜在的に持つパーソナリティの特徴や職務適性などを可視化できます。各社員の得意分野や職務適性を把握したうえで業務を任せると、モチベーションが高まるほか、生産性向上につなげることもできるのです。
もともと適性のある業務であれば、新しいことでも習得するスピードが早くなるため、教育コストの減少にも寄与します。
人材アセスメントを使って社員一人ひとりの適性や能力を把握し、人事異動の際に活用することが重要です。配属後のミスマッチや離職防止にもつなげられます。
アセスメントについて詳しく知りたい方は、以下の解説記事をぜひご覧ください。
【アセスメントとは?意味や使われ方を詳しく解説】
【「アセスメント」の使い方を簡単にわかりやすく解説【例文あり・分野別】】
そうすると、いくら適性のある業務でも能力を発揮しにくくなる場合もあるのです。
たとえば「指示指導型」で細かく指示を出す上司の場合には、素直に指示やアドバイスを受け入れる「素直従順型」の部下が向いています。
反対に、自分で意思決定して業務を進めたい「自主判断型」の社員を部下にすると、指示指導型の上司の助言が煩わしく感じる可能性があります。「自分でやろうと思っていたことができない」「能力を発揮しきれない」と感じた社員はモチベーションの低下を起こしかねません。
上司・部下の相性を把握できていれば、人事異動後に上下関係によるストレスを感じにくくなり、社員別に接し方を考慮しながら指導・教育していくことも可能です。
また、社員のストレス耐性も考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチ低減につながります。
仮に営業職に適性があっても、変化の多い環境に弱い場合もあるでしょう。組織変更で営業部門が新しくなり、そこで大きな変化を受けることが多くなる場合は、営業に向いていたとしてもストレスを感じやすくなるのです。
このように、上司・部下の相性やストレス耐性も考慮したうえでの人事異動が、企業に求められます。
会社からの一方的な命令にならないように留意しながら、以下のポイントを伝えましょう。
新たに人材を採用するより柔軟に対応できる点が人事異動の強みですが、行き当たりばったりでは社員の信頼を失いかねません。現場は疲弊し、デメリットばかりが浮き彫りになってしまうでしょう。
また、組織変更によって新たに立ち上がった部署でも、しばらくすると必要な人材や活躍できる人材の傾向が見えてきます。チームとして足りないスキルや能力を持った社員を招き入れ、組織を強化するといったことも、長期的な人事戦略として必要な視点です。
組織変更時の人事異動でメンバーを揃えたから終わりではなく、より良い部署・チームにするためのブラッシュアップも求められるでしょう。
その他、人事異動の決め方や手法については、以下の記事でも解説しています。ぜひ参考にしてください。
【人事異動の決め方は?適材適所を実現するポイントを解説】
【人事異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
【部署異動を適切に行うには?意味や手法を解説】
組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントでは、社員の適性や能力、上司・部下の相性、ストレス耐性の可視化が重要です。これらの要素を分析・可視化するには、アセスメントリクルーティングに強みを持つ「ミイダス」の活用がおすすめです。
そういった課題をお持ちの場合は、便利な外部サービスの活用をおすすめします。
アセスメントリクルーティングの「ミイダス」では、社員や組織の特徴を客観的に分析・可視化できるツールをご用意しています。
「コンピテンシー診断」では、社員のパーソナリティ、職務適性、ストレス要因、上下関係適性などをデータで可視化できます。社員が潜在的に持っている適性や能力を客観的な視点で確認できるため、適材適所の人事異動に有効活用いただけます。
また、認知バイアスの強さを測定できる「バイアス診断ゲーム」では、社員の意思決定のクセを客観的な数値で見ることが可能です。社員自身が認知バイアスの強さを知り、コントロールできれば、意思決定の質を高め、生産性向上につなげることも期待できます。
組織変更に伴う人事異動を成功させたい方は、これらの診断ツールをぜひご活用ください。どちらもミイダスの無料アカウント登録後、追加料金なしでお試しいただけます。
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組織変更に伴う人事異動について、注意しておくべき点をお伝えします。組織変更・人事異動は重要な施策だからこそ、できる限り失敗を避けなくてはなりません。
以下の内容をふまえ、責任を持って慎重に準備を進めましょう。
以下の内容をふまえ、責任を持って慎重に準備を進めましょう。
- 人事異動を拒否できるケースがある
- 失敗すると大きな損失が発生する
- 内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動を拒否できるケースがある
会社には「人事権」(社員の採用・解雇・昇進・異動などを決定する権利)が与えられています。社員はこれに従う義務があり、基本的には人事異動を拒否できません。
とはいえ、会社が無条件に人事権を行使できるわけではなく、万が一「人事権の濫用」に該当する場合は、人事異動が無効になる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
とはいえ、会社が無条件に人事権を行使できるわけではなく、万が一「人事権の濫用」に該当する場合は、人事異動が無効になる可能性があります。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- 契約範囲外の職務・勤務地への異動を命じられた場合
- 不当な動機で人事異動がおこなわれる場合
- 差別的な取り扱いを受ける場合
- 病気や介護を理由とする場合
- 著しく不利益を受ける場合
人事異動を拒否された場合は、まずは人事権の濫用にあたらないかを確認したうえで、社員の話にしっかり耳を傾けましょう。人事権があるからと言って一方的な態度では、納得・理解は得られません。
失敗すると大きな損失が発生する
社員が納得して異動の辞令を受け入れたとしても、適材適所の人材配置になっていなければ、本来の力を発揮できません。モチベーションが下がり、結果的に人材の流出につながるおそれもあるでしょう。
また、組織変更が意図したとおりに進まなければ、現場は大きく混乱します。
その際には、さまざまな業務が滞って生産性が落ちたり、コミュニケーションがうまく取れずに社内の雰囲気が悪化したりするでしょう。
一度変更した組織は、元の状態には簡単に戻せません。新たに動き出した組織をより良くし、企業と社員双方を成功・活躍させる覚悟と責任が必要です。そのうえで、適材適所の人材配置ができるように準備を進めていきましょう。
また、組織変更が意図したとおりに進まなければ、現場は大きく混乱します。
その際には、さまざまな業務が滞って生産性が落ちたり、コミュニケーションがうまく取れずに社内の雰囲気が悪化したりするでしょう。
一度変更した組織は、元の状態には簡単に戻せません。新たに動き出した組織をより良くし、企業と社員双方を成功・活躍させる覚悟と責任が必要です。そのうえで、適材適所の人材配置ができるように準備を進めていきましょう。
内示の情報漏洩はトラブルを招く
人事異動をおこなう際には、社員本人や一部の関係者に対して、事前かつ非公式に異動内容が通知されます。これを「内示」と呼ぶのは、ご存じの方も多いでしょう。
社内公表前に異動の事実を伝えることで、該当の社員は心の準備ができ、引き継ぎの段取りもしやすくなります。
ただし、内示はあくまで非公式の情報であり、秘密にしておかなくてはなりません。内示を受けた後、正式な辞令が出されるまで口外してはならないのです。
たとえば、ある社員が新規事業部長に選ばれたとして、事前にその情報が漏れてしまうと、無用な混乱や人間関係のトラブルにつながるおそれがあります。あるいは、組織解体に伴う降格が発生するときに内示の情報が社外へ漏洩すれば、会社の存続に関わる問題に発展するリスクもあるのです。
このようなトラブルやリスクを避けるためにも、関係する社員に内示情報の取り扱いに関する注意点を周知し、徹底させる必要があります。
人事異動の内示について詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。
【なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?】
【人事異動の内示とは?異動のトラブルを避けるための解決方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動の注意点をお伝えしました。最後に関連する「よくある質問」をまとめていますので、あわせてご覧ください。
社内公表前に異動の事実を伝えることで、該当の社員は心の準備ができ、引き継ぎの段取りもしやすくなります。
ただし、内示はあくまで非公式の情報であり、秘密にしておかなくてはなりません。内示を受けた後、正式な辞令が出されるまで口外してはならないのです。
たとえば、ある社員が新規事業部長に選ばれたとして、事前にその情報が漏れてしまうと、無用な混乱や人間関係のトラブルにつながるおそれがあります。あるいは、組織解体に伴う降格が発生するときに内示の情報が社外へ漏洩すれば、会社の存続に関わる問題に発展するリスクもあるのです。
このようなトラブルやリスクを避けるためにも、関係する社員に内示情報の取り扱いに関する注意点を周知し、徹底させる必要があります。
人事異動の内示について詳しく知りたい方は、以下の解説記事もご覧ください。
【なぜ人事異動情報(内示)は秘密にしなければならないのか?ルールや仕組み作りのポイントは?】
【人事異動の内示とは?異動のトラブルを避けるための解決方法】
ここまで、組織変更に伴う人事異動の注意点をお伝えしました。最後に関連する「よくある質問」をまとめていますので、あわせてご覧ください。
組織変更に伴う人事異動に関するよくある質問ここでは、次の質問について回答していきます。- 組織変更が多い会社は大丈夫?
- 組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
ひとつずつ見ていきましょう。組織変更が多い会社は大丈夫?
組織変更が多いと社員が疲弊し、社内外から「組織体制は大丈夫なのか」と心配される可能性があります。
前述のとおり、組織変更をすることによって企業にメリットをもたらします。しかし、やたらと組織変更する回数が多く、社員のキャリアプランも思うように叶えられない状況で繰り返し人事異動があると、ストレスや不満が蓄積する原因になるでしょう。最悪の場合、会社全体の組織崩壊を招く可能性もあります。
組織変更は経営層が定めた経営戦略に基づいて実施されますが、部署・チームを構成する社員への配慮も欠かせません。経営戦略と人事戦略のバランスを見ながら、組織変更を実施していくことが重要です。社外への組織変更と人事異動のお知らせはいつすべき?
社内周知だけではなく、社外に向けて組織変更と人事異動のお知らせをする場合があります。お知らせを出す時は、自社のホームページにてニュースリリースを出したり、取引先などにメールや手紙を送ったりする方法が一般的です。
お知らせの時期は企業によって異なり、4月1日付の組織変更・人事異動をするケースを見てもさまざまです。- 3月中に出す
- 2月中旬~下旬に出す
4月1日に合わせて3月中に出すところが多いようですが、1ヶ月以上前の2月中旬頃に出している企業もあります。自社の方針や引き継ぎの兼ね合いに合わせて、お知らせを発表するようにしましょう。
組織変更とともに人事異動のお知らせを社外へ出す場合は、代表や取締役、部長以上の管理職に限定するのが一般的です。一般社員を含めた、すべての人事異動の詳細を掲載する必要はありません。
社内向けに一般社員の異動先を周知したあと、必要に応じて取引先などに連絡をすると混乱を防げます。適材適所の人材配置で組織変更・人事異動を成功させようこの記事では、組織変更に伴う人事異動について幅広く解説してきました。組織変更に伴う人事異動は会社にとって非常に重要な施策であり、事業の発展や組織の最適化、社員のモチベーション向上などのメリットをもたらします。
組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
どれも重要な要素ではありますが、組織変更で新たにできた部署へ社員を配置する際には、適材適所が求められます。社員の業務適性や潜在的に持つ能力、上司・部下間の相性、ストレス耐性などを考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチを抑えられるのです。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
そこでおすすめしたいのが、中途採用サービス「ミイダス」が提供するアセスメントツールです。導入コストを最小限に抑えながら、組織と人材を客観的に評価・分析が可能です。ミイダスでは、以下3つのアセスメントツールを提供しています。・コンピテンシー診断
⇒社員のパーソナリティや業務適性、ストレス耐性を可視化できる。上司・部下タイプを分析し、お互いにフィットするか確認できる
・フィッティング人材分析
⇒組織内で成果を出している社員のコンピテンシー診断結果から、活躍できる人材の特徴を分析・可視化できる
・バイアス診断ゲーム
⇒認知バイアスの強さを可視化し、意思決定の質や生産性向上につなげられるこれらのアセスメントツールを活用することで、適材適所の人材配置のほか、社員育成につなげるヒントを得られます。
上記のアセスメントツールは、ミイダスのアカウント登録後、無料でお試しいただけます。まずは各種診断を受けてみて、自社で活かせそうか確かめてみてください。
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なお、ミイダスをご契約いただくと「コンピテンシー活用講座」のコンテンツを追加料金なしでご覧いただけます。コンピテンシー診断とバイアス診断ゲームで表示される結果項目ごとに、どう仕事に活かせるか解説したものです。
社員育成にお役立ていただける講座ですので、各種診断とあわせてご活用ください。
前述のとおり、組織変更をすることによって企業にメリットをもたらします。しかし、やたらと組織変更する回数が多く、社員のキャリアプランも思うように叶えられない状況で繰り返し人事異動があると、ストレスや不満が蓄積する原因になるでしょう。最悪の場合、会社全体の組織崩壊を招く可能性もあります。
組織変更は経営層が定めた経営戦略に基づいて実施されますが、部署・チームを構成する社員への配慮も欠かせません。経営戦略と人事戦略のバランスを見ながら、組織変更を実施していくことが重要です。
お知らせの時期は企業によって異なり、4月1日付の組織変更・人事異動をするケースを見てもさまざまです。
組織変更とともに人事異動のお知らせを社外へ出す場合は、代表や取締役、部長以上の管理職に限定するのが一般的です。一般社員を含めた、すべての人事異動の詳細を掲載する必要はありません。
社内向けに一般社員の異動先を周知したあと、必要に応じて取引先などに連絡をすると混乱を防げます。
この記事では、組織変更に伴う人事異動について幅広く解説してきました。組織変更に伴う人事異動は会社にとって非常に重要な施策であり、事業の発展や組織の最適化、社員のモチベーション向上などのメリットをもたらします。
組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。
組織変更・人事異動に着手するからには、会社としてより良い方向へ転換するために最善を尽くし、大きな失敗のないよう手を尽くさなくてはなりません。
ここで再度、組織変更に伴う人事異動を成功させるポイントをおさらいしておきましょう。
- 組織内の問題を把握・可視化する
- 社員の適性や能力を把握する
- 上司・部下の相性やストレス耐性も考慮する
- 社員に組織変更・人事異動の理由を伝える
- 長期的な視点で計画的に実施する
どれも重要な要素ではありますが、組織変更で新たにできた部署へ社員を配置する際には、適材適所が求められます。社員の業務適性や潜在的に持つ能力、上司・部下間の相性、ストレス耐性などを考慮して人材配置をすると、配属後のミスマッチを抑えられるのです。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
そこでおすすめしたいのが、中途採用サービス「ミイダス」が提供するアセスメントツールです。導入コストを最小限に抑えながら、組織と人材を客観的に評価・分析が可能です。
ミスマッチを抑えることができれば社員が組織に定着し、自社で長い間、活躍する可能性が高まります。
とはいえ、「社員の内面まで可視化・分析し、人材配置に活かすのは難しい」と思う方もいるのではないでしょうか。普段の仕事ぶりや定期的な面談などでは、潜在的な部分まで把握しきれません。
そこでおすすめしたいのが、中途採用サービス「ミイダス」が提供するアセスメントツールです。導入コストを最小限に抑えながら、組織と人材を客観的に評価・分析が可能です。
ミイダスでは、以下3つのアセスメントツールを提供しています。
・コンピテンシー診断
⇒社員のパーソナリティや業務適性、ストレス耐性を可視化できる。上司・部下タイプを分析し、お互いにフィットするか確認できる
・フィッティング人材分析
⇒組織内で成果を出している社員のコンピテンシー診断結果から、活躍できる人材の特徴を分析・可視化できる
・バイアス診断ゲーム
⇒認知バイアスの強さを可視化し、意思決定の質や生産性向上につなげられる
⇒社員のパーソナリティや業務適性、ストレス耐性を可視化できる。上司・部下タイプを分析し、お互いにフィットするか確認できる
・フィッティング人材分析
⇒組織内で成果を出している社員のコンピテンシー診断結果から、活躍できる人材の特徴を分析・可視化できる
・バイアス診断ゲーム
⇒認知バイアスの強さを可視化し、意思決定の質や生産性向上につなげられる
これらのアセスメントツールを活用することで、適材適所の人材配置のほか、社員育成につなげるヒントを得られます。
上記のアセスメントツールは、ミイダスのアカウント登録後、無料でお試しいただけます。まずは各種診断を受けてみて、自社で活かせそうか確かめてみてください。
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