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人材アセスメント

エンパワーメントとは?ビジネスにおける意味や注意点について紹介

「自信を与える」「権限委譲」という意味合いで使われるエンパワーメント。これからの日本の企業は、従業員一人ひとりの潜在能力を十分に理解し、エンパワーメントによってそれを発揮させていく必要があります。

本記事では、エンパワーメントの意味や重要性、エンパワーメントを取り入れるメリットやデメリットについて解説します。

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エンパワーメントとは?意味を簡単に説明

上司に話しかけられている部下
エンパワーメント(empowerment)とは、「力をつける」「自信を与える」という意味を指します。ビジネスでは、主に個人やチームがもともと持っている能力を十分に引き出せる環境を整えていくという意味合いで浸透しています。

エンパワーメントが注目されている理由

もともと、エンパワーメントは、ブラジルの教育思想家であるパウロ・フロイレが広めた言葉です。現代においてエンパワーメントが注目されている理由を説明します。

VUCA時代における柔軟な対応ができる人材の育成

これからの時代、柔軟な対応ができる人材の需要が高まると考えられます。

VUCA時代とは、いまの仕事の価値観ではもはや通用しない時代を指します。VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」から頭文字を取った言葉です。

2020年に新型コロナウイルスが流行したことで、私たちの働き方や仕事に対する価値観は変化しました。今後も感染症の流行や自然災害などが必ず起きないとは言いきれず、仕事においても常に変化が訪れる前提で向き合っていく必要があります。

そのためにも、リーダーシップを持ち、リスクマネジメントも行える柔軟性がある人材を育成していかねばならないのです。

少子高齢化による人材不足

今後日本はさらなる人手不足が懸念されています。高齢社会白書によれば、1990〜2000年ごろにおいては社会を担う世代である15〜64歳の割合が多いのがわかります。しかし、2005年以降は徐々に15〜64歳の世代が減少し、2065年には高齢者の割合とあまり差がなくなると予測されています。

残念ながら、職場の中心となる若者の減少を止めることは難しいでしょう。したがって、いま企業に在籍する人材をいかに活躍させるかに重きを置く必要があります。

【関連記事:人材育成の課題とは?解決策や育成手法の選び方を解説

【関連記事:人手不足が深刻化する日本|現状と原因、企業が実施したい7つの対策

リーダーの育成

管理職や次期経営者を育成するうえでも、エンパワーメントは役立ちます。若手に対して積極的に権限と裁量を与えることで、リーダーに必要な判断力・問題解決力を養えます。

また、若いうちから責任をともなう権限や裁量を与えることで、仕事に対する強い責任感やリーダーシップを養えるでしょう。部下の管理を任せる場合、マネジメント能力も鍛えられます。

権限や裁量を与えられた場合、自分で考えて行動しなければなりません。そのため、主体的に行動する習慣も若手のうちから育てられます。

【関連記事:リーダー育成を成功させるには?難しいと言われる理由やポイントを解説

中途人材の活用

中途採用した人材をうまく活用するうえでも、エンパワーメントは役立ちます。中途で入ってきた人へ早期に権限を移譲することで、これまでに培ったスキルやノウハウを発揮しやすくなるはずです。

また、裁量を持って仕事ができるため、現場から自社ならではのノウハウや慣習を早期に吸収できます。

エンパワーメントを行う3つのメリット

MERIT
エンパワーメントを行う3つのメリットを紹介します。

意思決定がスピーディーになる

VUCA時代に突入した今、常に状況が変化する中で柔軟な対応を求められます。これからは、部下の意見やアイデアをどんどん聞き入れて、時代についていかなければ会社としての存続が難しくなるでしょう。

エンパワーメントを行うことで、従業員一人ひとりに自信を与え、結果的にスピーディーな意思決定を促します。

従業員のモチベーションにつながる

エンパワーメントは、従業員のモチベーション向上につながります。

「コミュニケーションが得意なあなただからこの仕事を頼んだ」「チームをまとめる力があるから、リーダーをお願いしたい」など、従業員の得意なところを生かせる仕事を任せると、モチベーションが上がるでしょう。

反対に、アフターフォローをしなかったり、それぞれの潜在能力を理解していなかったりすると、「自分がいなくてもよい」と思わせる可能性があり、退職の原因にもなりかねません。

「私がいるから成り立っている」と感じられると、従業員それぞれの自信にもつながります。

主体性のある従業員が増える

主体性のある従業員が増えるのもエンパワーメントの魅力です。

従業員に主体性がない原因として、「スキルに自信がない」「つい周りと比べてしまい行動できない」ことが挙げられます。

エンパワーメントを行うことで、それぞれが自分合った仕事が把握でき、自ら積極的にパフォーマンスしてくれる従業員が増えると考えられます。結果的に一人ひとりの業務効率が上がり、企業の利益にもつながるでしょう。

【関連記事:仕事における主体性とは?重要視される理由や高める方法を解説

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エンパワーメントを行う2つのデメリット

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エンパワーメントにはデメリットもあります。

ミスが増える可能性がある

エンパワーメントを行うことで、従業員がいままで経験してこなかった業務に挑戦する機会が増えるため、自然とミスが増える可能性があります。

たしかにミスが続いてしまうのは企業にとって損失かも知れませんが、長い目で見ていくことが大切です。

「挑戦には失敗や挫折は当たり前」だと上司や経営者が理解しておきましょう。また、大きなミスをした場合の対処法や解決策はあらかじめ考えておく必要があります。

突然任せるのではなく、ある程度ミスしても対応できるよう準備してからエンパワーメントを行いましょう。

個人の力が強くなり、結束力が弱まる可能性がある

エンパワーメントのメリットは、従業員一人ひとりの主体性を引き出すことです。しかし、みんなが主体性を持つことにより、チームとしてまとまりにくくなる可能性があります。

場合によっては、意見が噛み合わず関係がギクシャクしたり「意見が合う企業に転職する」といった原因をつくりかねません。

そのため、採用時点から求職者の潜在能力をしっかり把握し、自社の社風に本当にあっている人材を見つけることが重要です。

企業がエンパワーメントを推進するために行うべき5ステップ

企業がエンパワーメントを推進するために行うべき5つのステップを紹介します。

ステップ1:会社としてエンパワーメントを推進する旨を宣言する

これから企業としてエンパワーメントを推進する場合、まずはエンパワーメント経営に取り組む旨を宣言しましょう。社長もしくは各支店のトップが宣言することで、従業員に向けて強いメッセージを出せます。

社内報で伝えるだけでは、単なる「お知らせ」として受け取られてしまいかねません。会社として本気でエンパワーメントを推進する決意を、従業員の前でトップが宣言しましょう。

ステップ2:エンパワーメントを推進する目的とゴールを明確にする

エンパワーメント推進を宣言できたら、次は取り組みの目的とゴールを明確に伝えましょう。「なぜエンパワーメントを推進するのか」が明らかになっていないと制度が形骸化しかねません。

宣言後は社内で会議を開き、エンパワーメントを推進するに至った経緯や目的を共有しましょう。これにより社内で理解が進み、協力を得やすくなります。従業員の意見を吸い上げられるようにディスカッションの場を設けることも重要です。

ステップ3:従業員に合意を得る

エンパワーメント推進の目的とゴールを伝えただけでは、従業員は「今後どうなるのだろう」といった漫然とした不安を抱えてしまいかねません。

従業員が安心して働けるように、社内でエンパワーメントについての勉強会を開きましょう。

先述したディスカッションの場で、不安に感じている点を会社に伝えたり改善点を要望したりする機会を与えることが重要です。従業員からの合意を得ずにエンパワーメントを推進しても、想定していた成果を得にくくなります。

ステップ4:積極的に会社の情報を公開する

「若手に権限を与える」だけでは、エンパワーメントとして不十分です。

会社の財務状況や今後の経営方針など、会社側の情報もあわせて共有しましょう。これにより、エンパワーされた従業員はより適切な判断を下しやすくなります。

ただし、情報漏えいのリスクも高まるため、入社して日の浅い人や正規雇用でない人には一定程度の情報開示に留める、といった対策も必要です。

ステップ5:従業員のフォローを定期的に行う

エンパワーメントによって、想定していなかったさまざまなトラブルの発生が懸念されます。そのため、上司または会社として継続的にフォローする体制を構築することも重要です。

初めは失敗が続く可能性もありますが、失敗そのものを責めず「なぜ失敗したのか」「次回どのように活かすのか」といった建設的なアドバイスを行いましょう。

従業員のエンパワーメントを推し進める方法

パソコンを持ってこちらを向いているビジネスパーソン
実際に従業員のエンパワーメントを推し進める2つの方法を見ていきましょう。

決裁権を与える

エンパワーメントでは、相手に決定権を与えることが大切です。

今まで権限を持っていなかった人に権限を与えることで、従業員が持っている能力を発揮しやすくなり、会社としてもエンパワーメントが推進されます。

たとえば「〇〇プロジェクトのマネジメントは君に任せようと思う」「次から担当エリアの営業は任せる」といった具合です。もちろん最初は失敗すると思いますが、都度フォローを行って独り立ちできるよう促しましょう。

成功体験を増やす

決定権を与えて仕事を任せたら、次は成功体験を増やすこともエンパワーメントを推進するうえで重要です。権限を移譲して紆余曲折がありながらも仕事がうまくできたとき、「自分でもやればできる」と自己肯定感が高まります。

自分に権限があり、仕事を成功させた体験があれば、次回も従業員は積極的にみずからの能力を活かして活躍していくはずです。また難しい問題に直面しても、経験を積んだあとなら「こうすればうまくいくはず」と考える力も身についているでしょう。

地道な活動になりますが、エンパワーメントを推進すれば部下が活躍できる人材に成長し、組織の活力となります。

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エンパワーメントを行う上での注意点

最後に、エンパワーメントを行う上での注意点を紹介します。

自己決定が苦手な人がいることを認識する

企業がエンパワーメントを導入すると決めたといっても、従業員全員が自己決定が得意とは限りません。

「この人は決定するよりも、リーダーシップがある従業員を支えるほうが向いているかもしれない」「指示されたことを確実にやってくれる人だな」など、常に相手の潜在能力やスキルに合わせた提案をすると良いでしょう。

部下を信用する

部下を信用することは特に徹底しましょう。エンパワーメントは信頼があるからこそ取り入れられるものです。上司が部下を信頼できないまま導入してしまうと、いざ部下がミスをしてしまった際に適切な対処ができない可能性があります。

エンパワーメントは相手の潜在能力や苦手な部分などを詳しく把握したうえで信頼し、行いましょう。

情報共有をこまめに行う

権限を移譲したあとも、こまめに現状を報告してもらいましょう。

「権限を移譲してから、こまかい干渉をしないでほしい」「権限を移譲したから、何も口を出さない」など、このような姿勢では誤った方向に進んでいても誰も指摘できず、結果的に大きな失敗につながってしまいかねません。権限を移譲したあともこまめに報告・連絡・相談を行い、情報共有を徹底しましょう。

従業員のエンパワーメントは維持させることが大切

ミイダスの組織サーベイの画像
エンパワーメントは一時的に行うものではなく、従業員のモチベーションを維持させることに意味があります。ミイダスの「組織サーベイ」は、従業員のモチベーションの状態を毎月把握できます。

また、従業員が抱えるストレスを以下の6つのカテゴリ別にレポート化してくれます。
組織
やりがい
人間関係
ミッション
支援
健康
表面上ではわかりにくい部分のサポートも可能です。エンパワーメントを進め、モチベーション向上したあとも手厚いアフターフォローを実現できます。従業員のエンパワーメントを進めたい企業はぜひミイダスの導入をご検討ください。

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