人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
採用

看護師を採用するにはどんな方法がおすすめ?応募が集まらないときの解決策

「看護師の応募が全然集まらない」「採用してもすぐに辞めてしまう」

看護師採用において、このような悩みを抱えるケースは少なくないのではないでしょうか。看護師不足は年々深刻化しており、効果的な採用戦略が求められています。

本記事では、看護師採用市場の現状と課題、代表的な採用方法、応募が集まらないときの具体的な解決策を解説します。応募を集め、看護師の採用を成功させたい方や看護師の定着にお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

なお、看護師の採用においては、人材定着にも意識を向けることが重要です。定着する人材についてのお役立ち資料もダウンロードしてご一読ください。

【無料ダウンロード】データでわかる定着人材とは

新卒採用を行っている場合は以下の資料もあわせてお役立てください。

【無料ダウンロード】新卒研修時期向けのコンピテンシー診断の活用ヒント資料

看護師採用の現状

 グラフ
看護師不足は、もはや日本の医療業界全体が抱える喫緊の課題です。厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、看護師の有効求人倍率は1倍後半~2倍程度で推移しており、これは全職種平均の約2倍にあたります。

参考:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|厚生労働省

つまり、看護師は「売り手市場」であり、医療機関は採用に苦戦しているのが現状です。

この背景には以下のような要因が考えられます。
  • 高齢化社会の進行による看護ニーズの増加
  • 法令遵守・施設基準による人員確保の必要性
  • 看護師のキャリアパス多様化
「看護師が不足している」と言われる原因としてよく挙げられるのが高齢化です。高齢者が増えることで老化に伴う病気や症状をもつ人々が増えるため、医療や介護の資源が求められます。

そのなかでも看護師は、医師からの指示のもと日々の生活におけるケアを担う中核的な存在です。医療機関など、医師が常駐する現場ではもちろんのこと、デイサービスや入所施設など、医師のいない現場では職員を指揮する役割を求められることもあります。

とくに健康保険や介護保険のサービスを行う現場では、施設の機能や届出項目に応じ、配置しなければならない専門職の人数が定められています(施設基準・人員配置基準)。基準を満たさなければ保険の算定ができないため、必要な人員を確保し、労働法規を守りながらシフトを組むことは運営上の最低条件でもあります。看護師の場合、患者数・利用者数に応じた配置や管理者としての配置などで求められる場合が多いため、看護師を採用し、勤続してもらうことが開業や経営の維持のために欠かせないことも多いのです。

医療・介護の臨床現場以外で活躍する看護師が増えていることも、看護師の採用難易度が高まっている一因です。臨床でない現場で看護師が活躍する例には、以下が挙げられます。
  • 一般企業内の産業保健担当者
  • 美容・健康系企業の従業員
  • 介護・医療サービスの夜間対応専門のコールセンタースタッフ
  • 治験領域の専門職
  • 看護学生を育てる教員(看護教員) など
いずれも、看護師としての経験を活かしながら働ける、魅力ある仕事です。とくにコロナ禍以降は、リモートワークでも看護師の知識や経験をもとにアドバイスや緊急対応を行うような業務が生まれており、夜間のオンコール対応の手伝いや、へき地医療のサポートなどで活躍する看護師が存在します。

【関連記事:リモートワーク(テレワーク)でサボる人への対処方法は廃止しかない?働き方・マネジメントや求人の工夫を解説

ストレスチェックや復職支援などを専門とする産業保健領域に転じたり、治験の現場で患者さんと臨床研究の橋渡し役となったり、後進を育てる教員となったりする人も少なくありません。

看護師の働く領域が広がり、キャリアの選択肢が増えたことにより、これまで以上に看護師の人材流出が起きやすい状況になっています。このような状況下で、どのように看護師を採用すればよいのでしょうか。次項以降で看護師採用の方法をそれぞれご紹介します。

人材流出についての一般的な対策は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事:人材流出の効果的な対策とは?中小・地方企業にもおすすめの方法を解説

看護師採用の代表的な方法のメリット・デメリット

 聴診器とマスク
看護師の採用方法は多岐にわたりますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

本項では、以下の代表的な看護師採用の方法ごとにメリット・デメリットを見ていきましょう。
  • ハローワーク
  • ナースセンター
  • 自法人サイト
  • リファラル採用
  • アルムナイ採用
  • 学校からの紹介(新卒)
  • 求人検索エンジン(Indeedなど)
  • 求人掲載媒体・求人広告
  • 人材エージェント

ハローワーク

看護師採用にハローワークを活用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 幅広い層の求職者にアプローチできる
  • 無料で利用できる
【デメリット】
  • 求職者の質にばらつきがある
  • 採用担当者の負担が大きい(応募者対応、面接設定など)
ハローワークは求人企業にとっても、求職者にとっても身近な場所のひとつです。企業にとっては、従業員の労務管理のために書類をやりとりしたり窓口を訪れたりすることもあるため、人事担当者にとっては日常業務においても接触頻度が高い機関だといえるでしょう。

求職者にとってハローワークは、失業給付や教育訓練給付の申請窓口、職業訓練に関する相談所などの役割があります。そのため、就職支援やキャリアアップのためのさまざまな制度を利用するために、多くの人が訪れます。よって、求人票も多くの求職者の目に触れることになるでしょう。ハローワークには無料で求人票を出せるため、ぜひとも活用したいところです。

一方で、「誰でも利用できる」点はデメリットにもなり得ます。求職者のキャリアやスキルにばらつきが大きく、採用選考では一からすべて見抜かなければなりません。また、応募から内定までの管理は基本的に採用担当者自身が行うことになるため、マンパワーを割かなければなりません。

【関連記事:採用コストとは?平均相場や増える原因、削減する方法を紹介

ナースセンター

ナースセンターは都道府県の看護協会が運営する無料職業紹介所です。看護師採用にナースセンターを活用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 看護師専門の相談窓口である
  • 基本的に地域内のものに絞られる
  • 無料で利用できる
【デメリット】
  • 求人数が限られている
  • 地域差がある
  • 採用担当者の負担が大きい(応募者対応、面接設定など)
ナースセンターはその名のとおり看護師特化の職業紹介事業であるため、より専門的な目で見極めるための情報を掲載したり、やりとりしたりすることが可能です。また、都道府県単位で運営されているため地域外の求人と比べられることなく、無料で利用できるのは大きなメリットだといえます。

一方で、利用している法人が必ずしも多いとはいえないため、求人数が限られることが弱点です。求人数が少ないと求職者の利用が進まないため、地域や時期によっては活発に求人が動いているとは限りません。コロナ禍を経てオンライン対応がずいぶん進んだとはいえ、他の方法に比べて採用担当者のマンパワーを割きやすい傾向もあるでしょう。

自法人サイト

看護師採用に自法人サイトを活用するメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 自院の情報を自由に発信できる
  • 採用コストを抑えられる
【デメリット】
  • 認知度が低ければ、応募者が集まりにくい
  • サイト制作・更新のノウハウが必要
  • 新着情報が伝わりにくい
他の業界と同じように、自法人サイトを用いて採用活動を行うこともできます。サイト内に求人情報を載せることで、求職者側にとっても情報収集が一度にできるため、双方の理解が進みやすくなるでしょう。また、採用媒体の利用コストがかからないこともメリットです。

一方で、サイトそのものの管理の手間や有効性が関係してきます。自法人が看護師にとって認知されていなければ、応募者が集まりにくくなります。サイト管理のために担当者をおかなければならない可能性もあるでしょう。さらに、Webサイトだけでは新着情報が伝わりにくいため、求人を行っていることを他の求人方法やSNS等とあわせて知らせなければなりません。

単独で用いるというよりも他の方法と併用すると効果的でしょう。

リファラル採用

看護師採用にリファラル採用を取り入れるメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 既存の職員からの紹介であるため、ミスマッチが少ない
  • 採用コストを抑えられる
【デメリット】
  • 紹介できる人数に限りがある
  • 紹介制度の運用に手間がかかる
  • 紹介に失敗すると紹介者である職員との関係に溝が入る可能性がある
リファラル採用とは、職員からの紹介によって人材を獲得する方法です。既存の職員が働き方や職場の雰囲気をリアルに伝えて紹介するため、ミスマッチを減らしやすい方法と考えられます。採用コストはゼロではなく、多くの場合紹介成功時に紹介者に謝礼を支払うなどの方法が採られます。しかし、有料メディアの利用コストや紹介手数料よりは安価になることがほとんどです。

職員の人脈に依存する採用方法であるため、紹介できる人数に限りがあり、スピード感が読めない点が弱みです。また、制度の利用を促すには紹介制度の構築・運用も欠かせません。さらに、紹介を受けても採用できるとは限らず、紹介された人を採用しなかった場合は、紹介者となった職員と職場との関係が変化してしまう可能性があるでしょう。

【関連記事:リファラル採用とは?導入のメリット・デメリットや報酬の注意点

アルムナイ採用

看護師採用にアルムナイ採用を取り入れるメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 過去に勤務していた看護師の再雇用であるため、即戦力になる
  • 教育コストを抑えられる
【デメリット】
  • 退職理由によっては再雇用が難しい場合もある
  • 退職した看護師との関係性が良好である必要がある
アルムナイ採用とは、退職した職員を再度迎え入れる採用方法です。退職して入るものの既に職場の雰囲気やスキルをお互いに理解しているため、即戦力となり職場にも馴染みやすく、教育コストを抑えやすい点がメリットです。

しかし、リファラル採用が成立するには、退職に至る過程や理由がポジティブであり、その後の関係性が良好である必要があります。ネガティブな理由で退職した人や職場風土に合わない人を無理に再雇用すると、他の職員にも悪影響を及ぼしかねません。

【関連記事:アルムナイとは?採用のメリット・デメリット、導入企業の事例を解説

学校からの紹介(新卒)

学校からの紹介を受けて看護師採用を行うメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 新卒看護師を採用できる
  • 長期的な視点で体系的な人材育成ができる
【デメリット】
  • 新卒以外には基本的に用いられない
  • 実習受け入れの必要がある
大学や専門学校などからの紹介を受けて看護師採用を行うこともあります。基本的には新卒採用となり、働く際の心構えやルーティーンを含め、教育ラダーを設定して体系的に看護師を育てられます。

学校経由での採用を行うためには実習受け入れ機関となっておくことも重要です。看護学生は実習に追われるためインターンを行う余裕がなく、実習を通じて職場理解を深め、希望の職場を探すケースが多いといえます。

求人検索エンジン(Indeedなど)

看護師採用に求人検索エンジンを用いるメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 多くの求職者にアプローチできる
  • 応募者管理機能が使える場合がある
【デメリット】
  • 掲載費用が高額になる場合がある
  • 競合が多い
Indeedなどの検索エンジンを用いた求人方法は、看護師採用でも用いられます。多くの求職者が利用する方法であり、ある程度オンラインで応募者管理ができるのも特長です。

しかし、掲載に費用がかさんだり、地域内でも多くの事業所が利用しているため競合が多かったりする点は懸念されます。看護師専門の媒体でなければ、資格証の確認など、応募者管理機能でやりとりできる内容に不足を感じることもあるため、注意が必要です。

求人掲載媒体・求人広告

看護師採用に求人掲載媒体・求人広告を用いるメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • ターゲットを絞ったアプローチができる
  • 専門性の高い媒体を選べる
【デメリット】
  • 掲載費用が高額になる場合がある
  • 効果測定が難しい
近年では看護師専門の求人掲載媒体も増えています。看護師専門の媒体では、経験した診療科や手技、認定などの情報を細かく検索でき、ターゲットを絞って候補者にアプローチしやすい点がメリットです。

一方で媒体に支払う費用や広告費用が膨れ上がるリスクがあります。マンパワーが足りず広告課金を行ってもすぐに採用できないこともあり、時期やエリアによって細かく事情が異なるため、費用対効果の考え方が難しいこともデメリットです。

人材エージェント

看護師採用に求人掲載媒体・求人広告を用いるメリット・デメリットは以下のとおりです。

【メリット】
  • 専門的な知識をもつコンサルタントが採用活動をサポートしてくれる
  • 急を要する場合でも対応しやすい
【デメリット】
  • 紹介手数料が高額になる場合がある
  • エージェントの見る目に依存してしまう
看護師専門の人材エージェントも増えており、看護師の働き方や現場の事情にくわしいコンサルタントが尽力してくれるケースがあります。急ぎの場合などはエージェントに的確に情報を伝えれば、適合する人材をピックアップしてもらえ、スムーズに採用できる可能性があるでしょう。

一方で看護師の場合紹介手数料は非常に高額になりやすく、候補者の選定からエージェントの感覚に依存してしまうこともリスクです。職場の実情や方針をエージェントと相互理解できていなければミスマッチを起こすこともあります。

看護師専門のメディア・エージェントを選ぶべきか

それぞれの採用方法において、看護師に特化しているものを用いるべきかどうかも考えるとよいでしょう。

看護師特化の方法では、看護師特有のスキルや経験を深掘りできる特長があります。一方で看護師以外の求人に対応しているメディアはより広い視点で利用でき、他職種の募集も行いたい場合に便利です。看護師でなくても採用時に確認しておきたい行動特性や性格・価値観などを見抜くツールについては、看護師に特化されていない方法を用いるほうが一般的に充実している傾向があります。

短期間で離職してしまうことが懸念される場合などは、スキル面よりも価値観や特性に焦点をあてることで、ミスマッチを減らす方策を採ることが大切です。

ミイダスは看護師求人でも大切な
候補者のマッチングに強みのあるツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して機能を試してみる

※アカウントの登録及びご登録後のご利用は無料です。

看護師採用が必要になる理由

採血
看護師の採用が必要になる理由はさまざまですが、大きく以下の3つに分類できます。
  • 欠員補充
  • 増員
  • 体制強化
くわしく見ていきましょう。

欠員補充

看護師の退職理由は、ライフスタイルの変化(結婚、出産、育児など)や、他施設への転職など、多岐にわたります。また、定年退職や体調不良による退職も避けられません。

欠員が生じた場合は速やかに補充しなければ、配置要件を満たせなかったり、現場の負担が増大し、医療の質の低下につながったりします。そのため、欠員補充時にはスピード感がある採用に加え、短期間で退職を起こすようなミスマッチを防ぐことを意識していくとよいでしょう。

増員

事業拡大や地域の高齢化による患者数の増加などにより、看護師の負担が増えたり、需要が高まったりすることがあります。

負担が強い状況下で無理に業務をこなしていると事故につながることもあります。定数を満たしていても看護師の負担感が増している場合は、早めに増員の計画を立てましょう。現場の負担をいち早く吸い上げ、対処できる仕組みが必要です。

【関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介

体制強化

新しい診療科目の開設や高度な医療技術の導入などを行う際には、専門的な知識や技術をもつ看護師の確保が不可欠です。また、より質の高い医療を提供するためには、看護師のスキルアップや、看護体制の見直しなども必要になります。

報酬改定にあわせて中長期的な計画の見直しを迫られるケースもあるでしょう。その場合は看護師の人員体制も見直しが図られることになります。スキル面や経験の整理をはじめとして、随時看護師たちのキャリアビジョンや人間関係にも視点を広げ、長く働き続けられる職場づくりを含めた計画を立てましょう。

【関連記事:キャリアデザインとは?必要な理由や支援するメリット・デメリットを解説
【関連記事:採用計画の立て方を7ステップで解説!テンプレートや計画立案後の注意点も

看護師の応募が集まらない原因の解消のヒントは退職理由

落ち込む看護師
看護師の採用には多くの方法がありますが、いくつかの方法を組み合わせても「応募が集まらない」という場合もあるでしょう。

応募が集まらない原因を「待遇の悪さ」(給与の低さ)だと考えるかもしれませんが、待遇よりも重視されている項目があります。厚生労働省の調査によれば、看護師の退職理由で最も多いのは「結婚、出産、育児」であり、次いで「他の医療施設への魅力」となっています。つまり、給与への不満よりも、働きやすさや自分自身の価値観が重視されているのです。

参考:看護職員就業状況等実態調査結果|厚生労働省

看護師は横のつながりを多くもつ職種です。学生時代に築いたつながりだけでなく、研修の場などで職場外にも多くのネットワークをもつ看護師が少なくありません。そのため、自法人の特徴や評判が伝わりやすいのです。評判が悪いと感じる場合は、職場改善だけでなく採用活動でアピールしている内容と求める人物像、採用基準が噛み合わず、ミスマッチを起こしている場合もあります。

ここでは、看護師によくある退職理由から候補者が求めているものを探ります。採用活動で候補者が求めている点をアピールできているか、そして求める人物像にあてはまる人とマッチングできているかどうか見ていきましょう。

よくある退職理由は以下のとおりです。
  • ライフスタイルの変化
  • 人間関係にトラブルや不満がある
  • 給料に不満がある
  • 休日・休暇や残業に不満がある
  • 夜勤の負担・体力的な負担
  • コンプライアンスへの不安
  • キャリアアップ・スキルアップしたい
  • 他業態の事業を経験したい
  • 自らの看護観を大切にしたい

ライフスタイルの変化(結婚・出産など)

結婚や出産、育児など、ライフスタイルの変化に伴って夜勤が難しくなり、勤務時間を短縮したいと考える看護師は少なくありません。

人間関係にトラブルや不満がある

職場の人間関係は、仕事へのモチベーションやパフォーマンスに大きく影響します。看護師は常にチームで働いており、交替勤務・土日祝勤務のある職場も珍しくないため、人間関係の良し悪しが業務の円滑さや事故発生率、患者満足度などに直結しています。

【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介

給料に不満がある

上述のとおり、ライフスタイルやキャリアなどを優先したい声があるのは事実ですが、給与面を理由に退職するケースもあります。看護師同士での情報交換が活発であるからこそ、単に給与の額面だけで不満をもつのではなく、業務量や負担感、人間関係などを他の職場と比べ、「割に合わない」と感じると退職を選ぶこともあり得ます。

休日・休暇や残業に不満がある

緊急対応のために予定どおりに帰宅できなかったり、休みが取りづらかったりすると、身体を休めることや家事をする余裕が取れません。すると、心身の負担を抱えやすくなり、離職につながる可能性があります。

夜勤の負担・体力的な負担

看護師の仕事は体力勝負でもあります。年齢や体調のために夜勤に対する負担が増し、転職を考えるケースが少なくありません。夜勤体制を見直したり、夜勤のない部署に配置転換したりすることで対処できるかどうか、検討してみるとよいでしょう。

コンプライアンスへの不安

医療現場では、コンプライアンス(法令遵守)が厳しく求められます。コンプライアンス違反は、患者さんの安全を脅かすだけでなく、看護師自身の身の安全にもかかわります。夜間や訪問先でのケアなど、さまざまな場で看護師自身が責任ある対処を求められることも多々あります。たとえば針刺し事故が多いのに対策が行われない、危機管理体制が整えられていないなどの事情があれば早急に対処しましょう。

キャリアアップ・スキルアップしたい

看護師は、常に新しい知識や技術を習得し、自己成長を続けることが求められる職業です。キャリアアップやスキルアップの機会が得られなければモチベーションが低下し、離職につながる可能性があります。

他業態の事業を経験したい

看護師のキャリアパスは多様化しており、病院以外の場で活躍したいと考える看護師も増えています。訪問看護や産業看護など、他業態の事業を経験することで、新たなスキルを身につけたり、視野を広げたりしたいという思いが転職の動機になることがあります。法人内の異動でキャリアチェンジを叶えられるチャンスがあれば、示しておくと離職防止に一役買うことでしょう。

自らの看護観を大切にしたい

看護師一人ひとりがもつ看護観は、仕事に対するモチベーションや価値観に大きく影響します。自らの看護観と所属組織の理念や方針が合致しない場合、ミスマッチを感じ、離職につながる可能性があります。

これらの退職理由からわかるように、看護師の採用や勤続には、給与や待遇面だけでなく、職場環境やキャリアパス、看護師一人ひとりの価値観が大きく関係しているのです。採用の段階から候補者と職場の価値観・特性をマッチングさせる視点があることで、ミスマッチを起こしにくく、業界内での評判も向上しやすくなります。結果的に応募者が集まりやすくなるでしょう。

【関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や具体例、人事・採用への影響を解説

看護師採用でミスマッチを回避するコツ

 注射の準備
看護師採用において、応募を集めるためにも「マッチング」の視点が欠かせないことをお伝えしました。ここでミスマッチを回避し、長く活躍する看護師を採用するコツを2つお伝えします。

自法人が求める人物像を明確にする

採用活動を行う前に、自法人が求める看護師の人物像を明確に定義することが重要です。「スキル・経験値」と「看護観」の2つの軸をもちましょう。

必要なスキルや経験値もある程度重要です。専門性の高い部署への配属を検討している場合は、特定の分野での経験年数や資格を重視する必要があります。一方で、ポテンシャル採用を検討している場合は、経験年数よりも人物面や学習意欲を重視するといった判断も可能です。

離職防止に重要なのは、候補者の看護観と職場の風土や現状、方針がマッチしているかどうかです。自法人がどのような看護・ケアの方針を掲げているのか、どのような治療方針で患者さん・利用者さんと向き合っているのかを言語化しましょう。

しかし、言語化して伝えるだけでは認識のズレが起きてしまいます。現在自法人で活躍している看護師の特徴や成果を分析しましょう。また、自法人が今後目指す姿や目標を明確にすることで見通しを伝えることも必要です。

看護師の活躍の仕方は多岐にわたります。手技のうまさ、コミュニケーション能力、チームワーク、問題解決能力など、さまざまな要素が評価対象となります。自法人にとってどのような能力が重要なのかを明確にし、評価ポイントを定めましょう。

自法人の将来を見据え、今後必要となる能力をもつ人材を採用することも重要です。たとえば、高齢者看護の経験をもつ看護師や在宅医療に興味をもつ看護師を採用する、強化したい領域の認定看護師を採用するといった戦略が考えられます。

オンボーディングプロセスを大切にする

採用が決まった後も、看護師がスムーズに職場に馴染み、活躍できるよう、オンボーディングプロセスを丁寧に設計することが重要です。経験者採用の場合「なんとなくわかるでしょう」と現場にすぐ入らせてしまい、混乱を招くことがあります。経験豊かな看護師を採用する場合でも極端にプロセスを省くことがないようにしましょう。

【関連記事:オンボーディングとは?目的や効果、具体例などをまとめて解説

オンボーディングプロセスで意識したいのは以下の3点です。
  • マニュアル・オリエンテーションの整備
  • 教育担当者・メンターなどの配置
  • 経験者であっても、独り立ちまでの計画を立てる
入職時に必要な知識や情報をまとめたマニュアルや、オリエンテーションプログラムを用意しましょう。職場によってものの配置や細かな業務ルーティーンが違うため、経験豊富な看護師を迎え入れる場合でも必要です。独り立ちまでの期間や目標を明確にし、段階的なサポートを行いましょう。

とくに若手看護師の場合には教育担当者やメンターを配置し、マンツーマンで指導やサポートを行いましょう。技術面だけでなく人間関係の構築を促し、チームの一員として活躍できるために伴走が必要です。

同じ領域からの転職であっても、職場が変われば評価基準や求められる役割が変わることもあります。スキルや経験は重要ですが、それだけでは必ずしも活躍できるわけではありません。職場が求める役割や評価基準を伝えることも大切です。

このようにミスマッチを防ぎ、看護師が長く活躍できる環境を整えることが、医療機関の安定的な運営にもつながります。

ミイダスで看護師採用と職場定着を実現しよう

ミイダスの説明
自法人に合った看護師の応募を集め、採用を実現するには「ミイダス」を用いるのがおすすめです。

人事業務を一貫してサポートする「ミイダス」には、「活躍要因診断」という診断機能があります。自法人でどのような人物が定着・活躍できるのかについて定量的な分析が可能です。

活躍要因診断のコア機能・コンピテンシー診断では、自法人で活躍する人物を41の項目から分析し、求める人物像のモデルを簡単に作成できます。

コンピテンシー診断の内容を用いて自法人にフィットしやすい人材を分析し、可視化できる「フィッティング人材分析」の機能もあります。採用だけでなく、異動や配置転換を検討する場合のミスマッチ回避にも重要な機能です。
採用や人材配置に役立つ客観的なデータが得られるため、採用や人材配置を担当する人の感覚や力量による差やブレを防ぎます。

1,733もの項目から自法人が重視する特徴を絞り込んで人材を検索でき、応募者の獲得に頭を悩ませることもありません。フィットする人材に自動でアプローチすることも可能で、採用担当者の工数を削減できるのも嬉しいポイントです。

また、ミイダスご契約企業様のみお使いいただける、コンピテンシーを活用して人事の力を高める「活躍ラーニング」という学習コンテンツも用意しています。活躍ラーニングには「コンピテンシー活用講座」と「バイアス診断ゲーム研修講座」があります。

各講座については以下の紹介動画もぜひご覧ください。


活躍ラーニングについてくわしく見る

ミイダスでは、採用後のマネジメントに役立つ機能「ミイダス組織サーベイ」「はたらきがいサーベイ」も有しています。組織サーベイでは従業員に定期的なアンケートを実施し、組織の現状把握とタイミングを逃さないフォローアップが行えます。どなたでも利用できるはたらきがいサーベイを活用すれば、従業員のエンゲージメントの状態をアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。職場の「はたらきがい」を正確に算定できます。

組織サーベイについてくわしく見る

はたらきがいサーベイについてくわしく見る

求人への応募を集めることはもちろん重要です。しかし、自法人にフィットしない人物を採用してしまうリスクを抱えるよりも、長期的に活躍できる人を採用できる方法を取り入れ、「ミスマッチ採用の負のループ」を断ち切ることも必要ではないでしょうか。

自法人に合う人物像が明らかになり、採用のみならず日頃のマネジメントに至るまでシームレスに人事の活動を支え、適材適所で組織のパフォーマンスを最大化するミイダスを利用してみませんか?

ぜひこの機会にコンピテンシーを取り入れた採用を体感してみてください。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録してフィッティング人材分析機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後のフィッティング人材分析機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料