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育成

プレゼンティーズムとは?要因や測定方法を紹介

プレゼンティーズム(presenteeism)とは、頭痛や肩こり、PMSなど、従業員が心や身体の調子がよくないまま出勤(present)している状態を指します。プレゼンティーズムを改善せずに放置していると、生産性や従業員エンゲージメントの低下につながってしまうでしょう。

本記事では、プレゼンティーズムの定義や要因、測定方法について解説します。プレゼンティーズムについて理解を深めたい方はぜひお読みください。

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プレゼンティーズムとは?定義を確認

体調不良で作業が進まないビジネスパーソン
プレゼンティーズム(presenteeism)とは、従業員が心や身体の調子がよくないのにもかかわらず出勤(present)することを指します。日本語で「疾病就業」と訳されるケースもあります。

プレゼンティーズムの一例は以下のとおりです。
  • 気圧のせいで頭痛がする
  • 長時間のパソコン操作で眼精疲労や肩こりがひどい
  • PMSでイライラする
上記のような状態が慢性化すると、生産性低下や医療費コスト増加につながる可能性があります。また、プレゼンティーズムは目には見えにくいです。そのため、企業側が気づかずに放置すると、従業員の休職や退職につながってしまう恐れがあるのです。

プレゼンティーズムの要因については別の章で後述します。

アブセンティーズムとの違い

プレゼンティーズムと似た言葉として「アブセンティーズム」が挙げられます。

アブセンティーズム(absenteeism)とは、心や身体の不調により欠勤や休職している状態を指します。つまり、プレゼンティーズムが悪化し休んでいる状態をアブセンティーズムと覚えると理解しやすいでしょう。

プレゼンティーズムが注目されている理由

プレゼンティーズムが注目されている理由として、人手不足による業務負担が増えている点が挙げられます。現代は少子高齢化や労働人口の減少が進んでいます。今後一層、これらの問題は深刻化していくと考えられるでしょう。業務負担が増える場合、企業側の適切なサポートがなければ病気や精神疾患などで働くことができなくなってしまう恐れがあります。企業にとっても人材が減ってしまうことは大きな痛手となるはずです。

プレゼンティーズムの要因

プレゼンティーズムの要因として、以下のようなものが挙げられます。
  • 鼻炎や花粉症などのアレルギー
  • 眼精疲労
  • 片頭痛
  • 生理やPMS
  • 胃腸の不調
  • 首や肩、腰などの痛み
  • メンタルの不調
それぞれの要因を、具体例を提示してくわしく説明します。

鼻炎や花粉症などのアレルギー

鼻炎や花粉症などのアレルギーは、プレゼンティーズムの要因の1つです。

鼻水や目のかゆみ、くしゃみなどは集中力の妨げになり、生産性低下の原因となります。また近年は戦後大量に植えられたスギが開花適齢期を迎えており、さらに地球温暖化が重なってスギ花粉の飛散量が増えています。

そのため、今後ますますアレルギーによるプレゼンティーズムは増加するでしょう。

眼精疲労

眼精疲労もプレゼンティーズムの要因となります。現代ではスマホやパソコンを長時間使用するのが当たり前になりつつあります。かつては目の疲れや老眼は年齢を重ねた人に起きるものと考えられていましたが、今は若者も老眼になるリスクが上がっているのです。

眼精疲労は目の疲れだけではなく、肩こりや頭痛なども引き起こすため、日常生活にも支障をきたす恐れがあるでしょう。

片頭痛

片頭痛もプレゼンティーズムの要因です。片頭痛はストレスや睡眠不足、気圧の変化などさまざまです。片頭痛が慢性化している人はいつもの片頭痛と思って、時間が過ぎるのを待ったり、薬を飲んだりして我慢してしまうケースが多いでしょう。

生理やPMS、PMDD

生理やPMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)などもプレゼンティーズムの要因です。

主な症状として以下のようなものが挙げられます。
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 頭痛
  • むくみ
  • だるさ
  • 情緒不安定
生理やPMS、PMDDなどの症状はおもにホルモンバランスの乱れが原因ですが、月によって変化し、いつ訪れるかもあいまいです。また人に相談しにくい悩みでもあるため我慢して出勤してしまう従業員も多いと考えられます。

胃腸の不調

胃や腸の不調は、プレゼンティーズムに陥りやすいでしょう。胃腸はストレスや自律神経の乱れなどによって便秘や下痢などを引き起こします。

「お腹が痛いのはほぼ毎日だから、休むのは抵抗がある」「昨日食べすぎただけだから、休んでなんていられない」など、胃腸の不調は慢性化しやすいため、よっぽど重症化しない限り我慢する人も多いと考えられます。

首や肩、腰などの痛み

首や肩、腰の痛みもプレゼンティーズムの要因となります。たとえばパソコン作業が多い人であれば首や肩、重労働や立ち仕事の方は腰に負担がかかりやすいでしょう。

整体やマッサージなどに行って、一時的に治ったとしてもまた数週間経てば今までどおり、痛みがぶり返してくることがほとんどです。こちらの要因も慢性化しやすく、我慢して働き続けてしまう従業員が多いと考えられます。

メンタルの不調

メンタルの不調もプレゼンティーズムの要因として考えられます。メンタルが不調となる原因はさまざまで、人間関係や生活、先述したようにホルモンバランスなども関係してきます。

プレゼンティーズムに陥りやすい人の特徴

プレゼンティーズムで仕事が進まないビジネスパーソン
プレゼンティーズムの要因とあわせて、プレゼンティーズムに陥りやすい人の特徴も確認しておきましょう。すべての人が当てはまるわけではないので参考程度にしてください。
  • 完璧主義である
  • 周りに気を遣いすぎてしまう
  • 責任感が強い
  • 自分の健康に鈍感である

完璧主義である

完璧主義な人はプレゼンティーズムに陥りやすいと考えられます。

思っているとおりに進められないと「自分はできない人間だ」「100%の力を発揮できていないから、もう一度やり直したい」など、知らない間に自分へ負担をかけてしまいます。結果的にストレスが溜まり、メンタルや身体に不調をきたす恐れがあるでしょう。

周りに気を遣いすぎてしまう

周りに気を遣いすぎてしまう人も、プレゼンティーズムに陥りやすいでしょう。周りに気を遣いすぎてしまう人は、相手にどのように思われるかに対して過敏に反応してしまいます。

「自分の意見を伝えたら、相手は傷ついてしまうかも」「本当は違うと言いたいけど、嫌われたくないし賛同しよう」など、思っていることを伝えられないとストレスを溜め込んでしまうでしょう。

責任感が強い

責任感が強い人もプレゼンティーズムに陥りやすい人の特徴として挙げられます。「私が仕事を休んでしまったら、仕事が回らなくなる」「決して具合が悪くても、仕事を休むことはしたくない」など、責任感が強い人は無理をしてでも出勤する傾向にあります。

自分の健康に鈍感である

自分の健康に鈍感な人もプレゼンティーズムに陥りやすいでしょう。鈍感な人は自分の心や身体に異変が起きていても気づかず、働き続けてしまいます。また、元気そうに働いているため周りも気づかず、気づいたときはアブセンティーズムの状態になっていたというのも少なくないのです。

プレゼンティーズムが与える影響

体調が悪くて頭を抱えているビジネスパーソン
プレゼンティーズムが与える影響は以下のようなものが挙げられます。
  • 生産性が低下する
  • 従業員エンゲージメントが低下する
  • コストが増加する
  • 人材確保が難しくなる
  • 休職や離職につながる
  • 企業イメージが低下する
それぞれの影響を見ていきましょう。

生産性が低下する

従業員のプレゼンティーズムが蔓延すると、仕事の生産性が低下するでしょう。健康な状態で働くときに比べて従業員はパフォーマンスが発揮できないため、その結果、業務の生産性が下がってしまいます。

従業員エンゲージメントが低下する

プレゼンティーズムは従業員エンゲージメントの低下につながる可能性があります。自社のプレゼンティーズムに対して役員や管理者が対策を行わず、放置し続けると会社に対する信頼を失う恐れがあるでしょう。

従業員エンゲージメントについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介 

医療費コストが増加する

プレゼンティーズムを放置することで、医療費コストを増加させる恐れがあります。プレゼンティーズムを放置した場合、従業員は心身の不調により、うつ病や疾患を引き起こしアブセンティーズムの状態になるかもしれません。

また休職中は通院や入院する頻度も増える可能性があります。つまりプレゼンティーズムを改善しない限り、企業が支払う医療費のコストが増えてしまうのです。

休職や離職につながる

プレゼンティーズムをそのままにしておくと、休職や離職につながるリスクが高まります。プレゼンティーズムは従業員が心や身体に負担をかけながら働き続けている状態です。その状態が長期間続くと、限界を迎え休職、復帰できない場合離職につながってしまうでしょう。

企業イメージが低下する

企業イメージが低下するリスクもあります。プレゼンティーズムからアブセンティーズムの人が増えたり離職者が増えたりすると悪い噂が広まり、「従業員を大切にしない会社なのかな」という印象を抱かれる可能性があるのです。

プレゼンティーズムを測定する3つの方法

ストレスが解消されて楽しく働いているビジネスパーソンたち
自社のプレゼンティーズムを測定する方法は以下のとおりです。
  • 健康経営評価指標を活用する
  • ストレスチェックを実施する
  • 組織サーベイやエンゲージメントサーベイを導入する
それぞれの測定方法を紹介します。

1.健康経営評価指標を活用する

健康経営評価指標を活用し、プレゼンティーズムを測定しましょう。

経済産業省が提示している健康経営評価指標は以下のとおりです。
  • WHO-HPQ
  • 東大1項目版
  • WLQ
  • WFun
  • QQmethod
上記の指標はいくつかの設問が用意されており、それに沿って回答してもらうことで従業員の一人ひとりのプレゼンティーズムを測定できます。経済産業省の「企業の「健康経営ガイドブック」」 にそれぞれの特徴が記載されているので、参考にしてみてください。

参考:経済産業省「企業の「健康経営ガイドブック」」 ~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版:平成28年4月)」P26

2.ストレスチェックを実施する

ストレスチェックを実施するのもよいでしょう。ストレスチェックとは、その名のとおり従業員がどのくらいストレスを抱えているかチェックする検査です。人が抱えているストレスは表には見えにくいものです。

「周りに迷惑をかけてはいけない」と思い、隠し続ける人もいるでしょう。ストレスを我慢し続けると精神疾患を発症するリスクが高まります。2015年の労働安全衛生法改正により、50人以上を超える事業所はストレスチェックが義務化されていますが、50人未満の企業でも積極的に実施したほうがよいでしょう。

ストレスチェックについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:ストレスチェック制度とは?実施の流れや職場改善につなげる活用法を解説

3.組織サーベイやエンゲージメントサーベイを導入する

組織サーベイやエンゲージメントサーベイを導入するのも1つの方法です。プレゼンティーズムは表面化しにくいものです。組織サーベイやエンゲージメントサーベイを導入することで従業員が何に悩んでいるのか、どのようなストレスを抱えているのかなどの把握ができます。また定期的にアンケートを実施するため、従業員に何かしら異変が起きた場合でもスピーディーに対処できるようになります。

組織サーベイやエンゲージメントサーベイについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介
【関連記事:エンゲージメントサーベイとは?効果的に行うポイントを解説 

プレゼンティーズムを測定するならミイダスを活用しよう

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上記のなかでもとくにミイダスの組織サーベイは、プレゼンティーズム改善に効果的です。

組織サーベイ

組織サーベイ
ミイダスの組織サーベイとは、従業員に簡単なアンケートに回答してもらうことで従業員のコンディションを把握できるサービスです。集めたアンケートは自動的にレポート化されるため、一人ひとりのコンディションの変化にいち早く気づくことができます。

ミイダスの組織サーベイは、以下の項目に沿ってアンケートの内容を随時変更可能です。
・やりがい
・ミッション
・健康
・支援
・人間関係
・組織
アンケート結果を見て「人間関係にストレスを抱えているみたい」という従業員がいれば、個別に1on1を実施してみるのも1つの方法です。

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自社に合った方法で、従業員のプレゼンティーズムを測定しよう

プレゼンティーズムを理解している管理者のイメージ
本記事ではプレゼンティーズムの定義や与える影響、測定方法などを解説しました。

プレゼンティーズムは何かしら心や身体に不調がある状態で出勤することを指します。健康経営が徐々に普及しているものの、少子高齢化や労働人口減少により従業員一人ひとりの負担は増える一方です。「皆大変だから」というだけで済ますのではなく、従業員のコンディションを定期的にチェックして、プレゼンティーズムを減らしていきましょう。

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