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パラダイムとは?パラダイムシフトの意味や企業が対応する方法を解説

近年ビジネスシーンにおいて「パラダイム」や「パラダイムシフト」という言葉を耳にする機会が増えてきました。これからの時代、企業経営や人材採用に関わる方は知っておいたほうがよい概念です。

本記事では、パラダイムやパラダイムシフトの意味や具体例、パラダイムシフトの時代に必要な能力などを解説します。

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パラダイムとは?簡単に意味を説明

パラダイムシフトのイメージ
パラダイムとは「ある時代に支配的である物の考え方」を指します。「規範」「典型」などと訳されることもありますが、日本語で全く同じニュアンスを表せる言葉が存在しないため、パラダイムという言葉がよく使われています。

理解しやすいように1つ例を挙げると、「天動説」「地動説」の話がわかりやすいでしょう。ある時代までは「天動説」がパラダイムでしたが、17世紀にガリレオが地動説を定義づけたことで、それ以降は「地動説」がパラダイムになりました。このようなものの考え方の変化をパラダイムシフトと呼びます。パラダイムシフトについては後述します。

パラダイムの歴史

パラダイムの理解を深めるためにパラダイムの歴史を確認しておきましょう。

「パラダイム」という言葉はもともと例や模範、典型の意味を示す英単語として存在していましたが、1962年科学史家のトーマス・クーンが科学史の専門用語としてあらためて提唱しました。その後、想定とは異なった解釈が広がったことや、誤解による非難にさらされたことなどを理由にクーンは後に刊行した改訂版ではパラダイムの使用を取りやめました。

ビジネス書「7つの習慣」でも取り上げられている「パラダイム」

米国の経営コンサルタント、スティーブン・R・コヴィーによるビジネス書「7つの習慣」は米国で1989年に出版され、これまでに全世界で4千万部を売り上げたベストセラーです。このなかで「パラダイム」や「パラダイムシフト」の概念が紹介され、これらの用語がビジネス界で定着するのに拍車をかけたと言われています。

「7つの習慣」では、パラダイムはおもに個人のものに対する見方のことを指しており、そのパラダイムを転換(シフト)することで、現状を打破できるといった内容が説かれています。

パラダイムシフトとは

電球
パラダイムシフトとは、パラダイムが大きく変化することです。つまり、その時代における一般的な考え方や常識が何らかの理由で変わることを指します。これまでの常識を超えた新しい考え方などが生まれ、次第にそれが浸透していく現象とも言えるでしょう。

パラダイムシフトの具体例

パラダイムシフトについて理解を深めるために具体例をご紹介します。ここ数年~10年間で起きたパラダイムシフトをメインに取り上げます。
  • スマートフォン
  • リモートワーク
  • サブスクリプション
  • シェアリングサービス
  • クラウドソーシング
  • クラウドファンディング
  • キャッシュレス決済
それぞれの具体例を見ていきましょう。

スマートフォン

パラダイムシフトの代表例として、スマートフォンの普及が挙げられます。今日ではスマートフォンは「1人1台」が当たり前の時代です。スマートフォンが普及していない時代から見て、デジタルデバイスのパラダイムシフトを遂げたと考えられます。

インターネットの大衆化以降、パソコンが「一家に1台」の時代、インターネット通信機能付きの携帯電話が「1人1台」の時代などを経て現在に至っていますが、その都度パラダイムシフトが起きています。

ビジネス上では戦略を立てる際に、顧客などがスマートフォンを所持しているのが当たり前の時代に「シフト」したことを意識する必要があります。スマートフォンは非常に分かりやすい例なので当たり前のことのように思えますが、見えづらい領域のパラダイムシフトでも同じことが言えます。

リモートワーク

コロナ禍を経て、多くの業種ではリモートワークで働くことは特別なことではなくなりました。新型コロナウイルスが流行する前の2019年ごろを思い返すと、当時からすでにリモートワークを導入する企業はあったものの、まだまだ一般的とは言えない状況でした。

総務省の情報通信白書令和5年版によると、2019年のテレワーク普及率は20.2%だったのに対し、2020年には47.5%、2021年には51.9%にまで増加しています。

このような変化は、ワークスタイルのパラダイムシフトと言えます。また、リモートワークが広まったという「事実」だけにとどまらず、働き方に対する人々の「意識」が変化したことも、パラダイムシフトとして捉える必要があるでしょう。

サブスクリプション

サブスクリプションとは、月額や年額の料金を払うことで、期間中は一定のサービスを受けられるビジネスモデルです。

たとえば下記のようなサブスクリプションが挙げられます。
  • 映画
  • 音楽
  • 電子書籍
  • 洋服
  • アクセサリー
  • 宿泊
  • ラーメン
音楽を例にとると、一昔前は好きなアーティストの新曲を聞く場合、CDショップに行ってCDを購入するのが一般的でした。現在では、月額制のサブスクリプションサービスを契約し、聴きたい曲を聴くという方法を取る人が増えてきています。

さらに、広告を視聴することで無料で音楽を聴けるサブスクリプションサービスもあり、「お金を払って音楽を聴く」という習慣がない人も少なくありません。これらは、エンターテインメントの領域に起きたパラダイムシフトです。

シェアリングサービス

シェアリングサービスが当たり前になったのは、ここ数年の出来事です。以前からレンタカーや賃貸住宅など、所有者が物を貸し出して対価を得るというビジネススタイルは存在しましたが、モノをレンタルするサービスは、車や部屋、衣装など高価なものが中心でした。

最近では、住宅やイベントスペースなどを短期間だけ貸し出すサービスや、カーシェアリング、スマートフォンの充電器のシェアリングサービスなどが普及しています。また大都市ではサイクル(自転車)シェアリングを利用する人もよく見かけます。

このように、シェアリングサービスが一般に受け入れられるようになり、消費者の意識にパラダイムシフトが起きました。

クラウドソーシング(スキルシェアサービス)

エンジニアやデザイナー、ライターなどのスキルを持つ人と、それらの技術を求める人とをマッチングするクラウドソーシングサービス(スキルシェアサービス)は、働き方や仕事の依頼の仕方にパラダイムシフトを生み出しました。

またサラリーマンなどが動画編集やプログラミングなどを「副業」として行うケースも増えています。さらに企業にとっても従来と比べ自社が必要とするスキルを持った人を探しやすくなりました。いずれもこれまでの常識を塗り替えるものであり、パラダイムシフトと言えます。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、特定のプロジェクトに向けた資金調達を目的に、賛同する人々から少額ずつの金銭支援(寄付)を集め、金額達成などの特定の条件を満たした場合には寄付者に対し自社製品などをリターンとして贈与する仕組みです。

日本では2011年の東日本大震災後、これまでの義援金寄付とは一線を画した寄付の仕組みとして広がったといわれています。また2014年の法改正で投資型クラウドファンディングが解禁され、広がりが加速しました。現在では企業に限らず自治体なども活用しており、資金を集める方法として一般的になりつつあります。資金調達におけるパラダイムシフトの1つです。

キャッシュレス決済

消費者の「支払い方法」にも、ここ最近でパラダイムシフトが起きました。

これまで消費者が店舗でモノを購入する場合、現金やクレジットカードでの支払いが一般的でした。2004年にJR東日本がSuicaの電子マネーサービスを駅ナカ店舗で開始し、街のコンビニなどにも徐々に拡大。さらに日本でのスマホ決済の先駆者と言えるPayPayが2018年にサービス提供を開始して以来、同サービスや追随した他社のスマホ決済が一気に広がり、決済に現金以外(キャッシュレス)の手段を選択する人が急増しました。

パラダイムシフト以前からキャッシュレス決済であるクレジットカードは普及していたものの、コンビニやスーパーなどでの少額の買い物で使用する人は多くありませんでした。一方パラダイムシフト後は、これまで現金主義を貫いていた人の一部もキャッシュレス決済を使用するようになったのです。

なぜパラダイムシフトという言葉が広まったのか

クエスチョンマークのブロックと人形
パラダイムシフトという言葉が広まっている理由は以下のとおりです。
  • VUCA時代
  • DXの推進
  • 新型コロナウイルス
  • AIの進化・普及
それぞれの理由を見ていきましょう。

VUCA時代

現代はVUCA(ブーカ)の時代と言われています。

VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉です。さまざまな物事が複雑に絡み合い、目まぐるしく変化する時代を表します。高速で安定したインターネット通信が実現し、グローバル化に拍車がかかったため、VUCAの要素である変動性や不確実性、複雑性などはいずれも高まりました。

このような時代には多くの領域でパラダイムシフトが発生します。それを描写するためにパラダイムシフトという言葉が盛んに使用されるようになりました。

DXの推進

企業や事業者がDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた取り組みを加速させる、いわゆるDX推進が2018年ごろから行われています。

DXとは、単なるデジタル化やIT化ではなく、デジタル技術やITを活用して企業のビジネスモデルを変革し、自社の競争力を高めていくことを意味します。DXが推進されればされるほど、これまで当たり前だった常識が塗り替えられ、いくつものパラダイムシフトが起きるといえます。

新型コロナウイルス

新型コロナウイルスの流行も、多くのパラダイムシフトを起こす原因となりました。コロナ禍初期の11ヶ月で、10年分のデジタル化が進んだと指摘する専門家もいます。

もっとも代表的と言えるのが、リモートワークが普及したことなどで生まれた働き方のパラダイムシフトです。また学校現場ではコロナ禍が「1人1台のタブレット配布」を加速させ、小学校から大学に至るまでリモート授業が行われるようになりました。

さらに人々の衛生に対する意識にも、一種のパラダイムシフトが起きたと言えるでしょう。加えて、消費者が「人生の目的意識」を見直したという調査結果もあり、こちらも人生観や死生観のパラダイムシフトが起きたと考えられます。

AIの進化・普及

パラダイムシフトの加速に拍車をかけているのが、AI(人工知能)の進化と普及です。生産性を高めるAIは各産業で自動化を促進し、多くのパラダイムシフトを生んでいます。

たとえば製造業では、これまで人の目で行っていた異常検知を、AIを搭載した機械が取って代わることが増えています。大量のデータと照らし合わせて異常を判別するため、人間よりも正確に行えるとも言われています。これにより企業は「労働力を確保しなければならない」や「技術を継承しなければいけない」という常識(パラダイム)から解放されるでしょう。

パラダイムシフトの時代に必要な能力

腕を組む人
パラダイムシフトの時代に必要な能力は以下のとおりです。
  • 変化に柔軟に対応できる力
  • トレンドに敏感になること
  • さまざまな人とコミュニケーションをとる力
  • 固定観念に捉われないこと
  • トップダウンに留まらないリーダーシップ 
それぞれの能力を説明します。

変化に柔軟に対応できる力

パラダイムシフトの時代は、変化がめまぐるしい時代です。そのため、既存の考え方や仕事の仕方に強くこだわり、自身が変化に対応できない場合、時代にも対応できなくなってしまうでしょう。

とくに同じ環境で同じことを長く続けている人ほど、変化を恐れがちです。個人の特性として「変化」を苦手と感じる人がいるのはもちろんですが、これからの時代はやはり変化に柔軟に対応できる人が重宝されると考えられます。

トレンドに敏感になること

パラダイムシフトは、何の前触れもなく起きる現象ではありません。新しいパラダイムは、一定の時間をかけて社会に受け入れられていきます。トレンドに敏感な人は、変化の過程に早く気づけるため、パラダイムが完全にシフトされる前から次の時代に向けての準備を進めることができます。

またSNSは新しいトレンドの情報を最も早く手に入れられるツールです。ニュースだけでなくさまざまなメディアやSNSに触れ、新鮮な情報を常に取り入れることがパラダイムシフトに対応する鍵と言えます。

さまざまな人とコミュニケーションをとる力

人は他者とのコミュニケーションを通じて、情報や価値観をアップデートします。自分と似た考えや同じ出身の人とコミュニケーションを取るのはストレスが少ない上に楽しい時間を過ごせます。しかしそればかりでは考えが凝り固まってしまうでしょう。また偏った意見が世の中の多数派であるように錯覚してしまうリスクもあります。

自分と異なる価値観を持つ人や異業界の人、また出身の地域や国が違う人とも積極的にコミュニケーションをとることで、より多くの価値観を自分に取り入れることができ、変化にいち早く気づくことができます。

固定観念に捉われないこと

変化に対応するために非常に重要なのが、固定観念に捉われないようにすることです。

パラダイムシフトが多い現代では、これまででは考えられなかったような変化が起き、消費者の心理も目まぐるしく変わっています。

固定観念に捉われていると、新たな概念や消費者心理などを想像するのが難しく、認識がぼやけてしまいがちです。自分の中での「当たり前」が本当に世の中での当たり前なのかを疑う癖があると、パラダイムシフトの時代にも対応できます。

トップダウンに留まらないリーダーシップ

チームリーダーなど複数のメンバーの上に立つ人には、従来のトップダウン式のリーダーシップではなく、メンバーの意見を引き出し、集約する力が求められます。

リーダーがメンバーにタスクを指示するやり方の場合、部下がパラダイムシフトに対応するよいアイディアを持っていても、リーダーに進言することができずに企業として機会損失につながってしまうおそれがあります。

メンバーに柔軟な考え方をさせ、多くのアイディアを得るためには、リーダーシップの取り方にも工夫が必要です。

【関連記事:オーセンティックリーダーシップとは?意味や注目されている理由を解説

企業がパラダイムシフトの時代を生き抜くためには?6つの対策を紹介

2人のビジネスパーソン
企業がパラダイムシフトの時代を生き抜くためには、以下のような対策を行う必要があります。
1. 雇用スタイルや働き方の見直し
2. 採用方法の見直し
3. 採用基準の見直し
4. 多様性に対応する
5. 業務プロセスの見直し
6. 意思決定を素早くする
それぞれの対策を説明します。

1. 雇用スタイルや働き方の見直し

これまでの雇用形態や働き方のままでいると、変化に対応できる人材を確保できないうえに、優秀な人材を流出させてしまうおそれがあります。

パラダイムシフトに対応できる優秀な人材を確保するためには、魅力ある働き方を提供しなければなりません。リモートワークや副業の許可、フルタイム以外の雇用形態などの導入で、ほかとの差別化を図ることができます。

また、転職してキャリアアップするのが一般的となった現在、高いパフォーマンスを上げる社員をつなぎとめるためには、愛社精神の醸成などでは不十分です。そのため、優秀な人材を適切に評価し、それに見合った報酬を与えることは非常に重要です。

また日本の雇用慣行では、正社員は企業にとって解雇が難しい存在です。経営という面から見ると、正社員はこれからの時代、今まで以上に扱いづらい形態になってしまうとも言えるでしょう。そのため、ほかの雇用形態を模索するのも大切です。

2. 採用方法の見直し

自社にマッチした人材を集めるためには、現状の採用方法が最適なのかどうかを再確認することが大切です。

新卒採用は一から教育し、自社のカラーにあった社員を育てることができる一方で、能力や特性の見極めが難しいうえに、優秀な社員が転職で離れてしまうリスクがあります。加えて、社員教育への投資も必要です。新卒採用と中途採用にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、企業によっては中途採用を主とするほうがよいケースもあります。

また採用手法も時代によって変化しています。前例踏襲主義にならず、担当者はトレンドを追い、時代に合った採用手段を把握する必要があります。

3. 採用基準の見直し

採用基準を定期的に見直すのも、パラダイムシフトの時代に対応するためには必須です。企業戦略や業務内容、プロセスに変化があれば、必要な人材の条件も当然変化します。会社のニーズに合った人材はどのような条件を備えた人物なのか、きちんと把握しましょう。

また採用基準が曖昧な場合、できるだけ詳細に設定することで、採用の制度を上げられます。さらに面接の際に、面接官の主観で判断し、結果として失敗してしまうリスクを軽減することもできます。

現時点で活躍している社員を参考に採用基準を設けることや、現場の社員にヒアリングを行うことも有効な手段の1つです。

現状の採用方法を見直したいとお考えなら、ミイダスをぜひご検討ください。

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4. 多様性(ダイバーシティ)に対応する

多様性の重要さが叫ばれる時代ですが、採用や人事においても多様性に対応することがパラダイムシフト時代に生き残る鍵となります。

性別や年齢、人種、国籍といった表層的な多様性だけではなく、能力や経験、知識、信条などの内面的な面での多様性を意識することで、多様なアイディアが生まれ、経営にも良い影響をもたらします。また社員同士の刺激にもなり、意見交換がより活発になることや、モチベーション維持につながることも考えられるでしょう。

加えて、企業には多様な意見を丁寧に拾い上げる環境整備も求められます。社員の発言を尊重する雰囲気を作らなければ、せっかく多様な人材を採用してもそれを経営に生かせなくなってしまうでしょう。

【関連記事:ダイバーシティとは?企業が取り組むメリットや注意点、推進ポイントを解説

5. 業務プロセスの見直し

パラダイムシフトに対応するためには、業務の始まりから完了までの一連の過程(プロセス)の見直しも効果的です。

業務プロセスを見直すことで得られるメリットはさまざまですが、その1つに各業務の「再現性を高める」という効果があります。

働き方のパラダイムシフトによって社員の入れ替わりが激しくなっている現代では、業務プロセスを見直し、特定の人しか知らない仕事を減らすことがリスク軽減につながります。

業務の属人化やブラックボックス化が進んでいると感じるのであれば、速やかに業務プロセスの再構築を行うことをおすすめします。

また業務プロセスの見直しで業務の「見える化」も進みます。これにより変化が激しい時代で改善すべき部分がより鮮明になり、気づくのが手遅れになってしまうのを防げます。

【関連記事:ブラックボックス化とは?属人化との関係性やリスク、解消方法を解説

6. 意思決定を素早くする

国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表している2023年版「世界競争力年鑑」によると、日本の競争力は調査対象の64か国・地域中35位。

なかでも計20個ある小分類のうち、最も低いものの1つが、企業の意思決定の迅速さや機会・脅威への対応力などを示す指標「経営プラクティス」で、下から2番目の62位でした。日本企業の意思決定のスピードが相対的に遅いことが如実に表れています。

変化の激しいパラダイムシフトの時代に対応するために、意思決定のスピードは必須条件です。意思決定のプロセスを改善するとともに、決裁する立場にある人々が素早く決断できるよう、日頃から社内外の状況に精通し、風通しの良い職場づくりを心掛けることが大切です。

意思決定の質を上げるなら、ミイダスのバイアス診断ゲーム

決裁権のある人々の意思決定の質を上げたいならば、ミイダスの「バイアス診断ゲーム」がおすすめです。

バイアス診断ゲームとは、仕事に関する意思決定の質をゆがめる認知バイアスを計測するゲームです。自分の認知バイアスの強さを客観的に測ることで、コントロールでき、認知のゆがみに気づきやすくなります。結果的に素早い意思決定ができるようになるでしょう。

バイアス診断ゲームや認知バイアスについてくわしく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

【関連記事:採用面接を補うバイアス診断ゲームとは?面接だけで決めない中途採用が重要に!

【関連記事:認知バイアスとは?身近にある認知バイアスの種類や対策について解説

また意思決定力を磨けるバイアス診断ゲーム研修講座も用意しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。

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パラダイムの理解に役立つ書籍

虫眼鏡と辞書
パラダイムについてより深く理解したい方におすすめの書籍をご紹介します。

日本経済新聞出版(編)『日経ムック BCG デジタル・パラダイムシフト』

本書は日本企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に特化して取り上げています。Web3.0やメタバース、AI、量子コンピューターなど、ここ最近で急速に進化を遂げている分野についてのパラダイムシフトについて分かりやすく解説されているほか、企業が取るべき戦略についても言及。

さまざまな産業におけるデジタルやAIの活用法についても、各方面の専門家が寄稿して紹介しています。ムック本なので、専門書のような堅苦しさがないのもおすすめポイントです。

日本経済新聞出版(編)「日経ムック BCG デジタル・パラダイムシフト」

マリアン・ソールツマン(著)『2038年のパラダイムシフト 人生・社会・技術』

電子喫煙具の「アイコス」の製造・販売などをするフィリップモリス社の上級副社長で、米国のトレンドスポッターでもある著者が、綿密な調査の結果、2038年に世界の大変化(パラダイムシフト)が起きると主張し、その解説をしている書籍です。

「政治、社会、テクノロジーのありかただけでなく、我々の価値観さえも一変してしまう」(商品解説より)とする著者。未来を生き抜くために取るべき選択を説きます。

マリアン・ソールツマン(著)「2038年のパラダイムシフト 人生・社会・技術」

スティーブン・R・コヴィー(著)『完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change』

ビジネス界にパラダイムという考えを広めたコヴィー博士の著書。ビジネス書でありながら、人生哲学の定番としても親しまれてきた名著です。

ページ数が多い本ではありますが、たとえ話が豊富に掲載されており、思ったよりスラスラ読めたという感想も少なくありません。経営に携わる人だけでなく、すべての人におすすめの一冊です。
スティーブン・R・コヴィー(著)「完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change」

【参考】パラダイムに関連する言葉

最後に、パラダイムに関連する言葉をいくつかご紹介します。
  • パラダイムロスト
  • 〇〇パラダイム
  • パラダイムトレーダー

パラダイムロスト

パラダイムロストは、パラダイムがロスト(Lost)、つまり失われている状態を指す言葉です。パラダイムシフトが起きる前の段階で、一時的にパラダイムが失われる場合などに生じると考えられています。社会学の研究などで使われることが多いようです。

また、精神保健福祉分野に「パラダイムロスト」というタイトルの専門書があり、ケースによってはこちらの書籍を指して使われることもあります。

〇〇パラダイム

ある分野や領域でのパラダイムを表すとき、パラダイムの前にその分野の名称をつけて「○○パラダイム」や、「○○のパラダイム」のように表現することがあります。
○○パラダイムには、以下のような使用例があります。
  • ビジネスパラダイム
  • 経済パラダイム
  • 災害復興パラダイム
  • 看護パラダイム

パラダイムトレーダー

パラダイムトレーダーは、FX(外国為替証拠金取引)のトレーダー向けに販売されている特定のツールの名称です。FX界で人気を集めるブロガーが開発した商材ということで話題を集めているようです。

パラダイムを理解して、新しいことを柔軟に受け入れるようにしよう

ミーティング
本記事ではパラダイムとパラダイムシフトの意味、具体例、企業が生き抜くための方法を解説しました。

パラダイムシフトが常に起きている現代。これからも新しい考え方が生まれ、知らない間に私たちにとって当たり前の習慣になっていくのです。また現在は求職者が企業を選ぶ市場になりつつあります。

企業側が「昔はこういう時代だった」と固執していると、選ばれない立場になってしまう恐れがあります。パラダイムシフトの時代を十分に理解して、新しいことを柔軟に受け入れていきましょう。

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