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育成

仕事における主体性とは?重要視される理由や高める方法を解説

「部下の主体性を高めたい」
「主体性を高める方法がわからない」

このように悩んでいませんか?主体性とは「周りの意見に頼らず、自分自身で考えて行動する性質」を指します。主体性という言葉の意味は理解していても、部下に主体性を持たせるのはなかなか難しいものです。

そこで本記事では、主体性の意味や重要視される理由、主体性を高める方法についてご紹介します。従業員が主体的に行動するためにはどうすれば良いのか悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

なお社員の主体性を高める方法の1つとして、従業員のエンゲージメントを把握して高めることが挙げられます。従業員エンゲージメントを把握して高める方法を知りたい方は、ぜひ下記からダウンロードできるお役立ち資料をチェックしてください。

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主体性とは?意味を簡単に説明

主体性のあるビジネスパーソン
主体性とは、自分の意志や判断に基づき、責任を持った行動をすることです。主体性がある人は上司や先輩の指示や意見に捉われず、積極的に業務に取り組むことができます。

自主性との違い

「主体性」と似た言葉として表現されるのが「自主性」です。自主性は、あらかじめ決められたやり方やルールに沿って自ら率先して対応することを指します。

たとえば上司に「明日は業務量が多いから、いつもの30分前に出勤してほしい」と言われて、そのとおりに行動することは「自主性」にあたります。

一方で上司に何も言われてはいないものの「明日は業務量を考えると残業になる可能性がある。少しでも早く終わるように始業30分前に出勤しよう」というのが「主体性」になります。

決定権の責任が自分なのか、第三者なのかによって意味合いが変わってくるのです。

当事者意識との違い

主体性と似た言葉の1つに「当事者意識」が挙げられます。どちらも自分から積極的に行動していこうとする姿勢は共通していますが、下記のような違いもあります。
  • 主体性:自分が掲げた目標をもとに行動を起こしていく意欲・能力のこと
  • 当事者意識:自分の責任や役割を果たそうとする意識のこと
細かい違いはありますが、仕事をするうえでは主体性と当事者意識どちらも持っている人材を採用したいところです。

指示待ちとの違い

主体性と反対の意味を持つ言葉に「指示待ち」が挙げられます。

指示待ちとは、上司など他者からの指示がないと行動を起こさない人のことです。主体性のある人とは異なり、指示がないと一切の行動を起こさず、与えられた範囲の仕事しかしない傾向があります。

指示待ちの人が組織にいると社員の活力が失われ、生産性が低下する原因となりかねません。指示待ちの人を採用せず、社員を主体性のある人に育てることが、企業の生産性を高めるうえで重要です。

主体性が重要視される理由

現代において主体性が重要視される理由は次のとおりです。
  • VUCA時代
  • リスクマネジメント
  • 生産性向上
  • イノベーション
  • スキルアップ

VUCA時代

VUCAとは下記の単語の頭文字を取った言葉です。
  • 変動性(Volatility)
  • 不確実性(Uncertainty)
  • 複雑性(Complexty)
  • 曖昧性(Ambiguity)
現代は将来の見通しが立たない状態です。リーマンショックや東日本大震災、新型コロナウイルスなど、あらゆる社会情勢の変化に対応していかなければなりません。この時代を生き抜くには、変化や失敗などを常に受け入れていく必要があります。そのため、主体性の重要性が高まっていると考えられます。

リスクマネジメント

リスクマネジメントとは、起こりうる可能性のあるリスクを事前に把握し、それらが発生しないように対応策を講じたり、損失を最小限に抑えたりすることです。

個人情報やプライバシーなど、あらゆる情報を抱えている企業にとってリスクマネジメントは必要不可欠です。もはや現代において、リスク回避ができていない企業は信頼を損ねる恐れもあります。

従業員が主体的に行動することで「この作業を行う際はこのようなリスクが生じる」と予測し、未然にリスク回避ができるようになるでしょう。会社全体に主体性がない場合、リスクが発生するまで気づかず、のちに大きな問題となってしまう可能性もあるのです。

生産性向上

生産性とは、投下したリソースに対してどれくらいの成果を得られるのかを表す指標です。たとえば従来であれば3人がかりで10日かかった仕事が、1人でも10日で終わらせられれば「生産性が向上した」といえます。

主体性のある人材が多くなれば、他の従業員も業務に対して積極的に取り組むようになりやすいです。業務を効率化させるための工夫や、無駄な業務の削減といった提案もしてくれる可能性が高まるでしょう。

たとえばマニュアルやテンプレートを整備すれば、誰でも高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。また業務効率化ツールの導入を提案してもらい、作業効率が向上するチャンスも増えるはずです。

生産性を向上させるための取り組みについては、下記記事で詳しく解説していますので、ご一読ください。

【関連記事:生産性向上とは?必要とされる背景や具体的な取り組み施策を解説!

イノベーション

イノベーションとは「新しいものを生産する」「既存のものを新しい方法で再生産する」といった意味で使われる言葉です。ビジネスにおいては、新しいアイデアを生み出して新規事業を立てること、といった意味で使用されます。

たとえばスマートフォンやIoT、サブスクリプションといった商品・サービスを生み出すことが、イノベーションの例として挙げられます。

主体性のある人材が社内に増えることで新しいアイデアが生まれやすくなり、上記のような新しいビジネスを生み出せる可能性が高まるのです。またイノベーションとまではいえなくても、意見が活発に飛び交うことで既存の製品・サービスの質向上が期待できます。

イノベーションの詳細については下記記事をご一読ください。

【関連記事:イノベーションとは?種類や成功事例をもとにわかりやすく解説

スキルアップ

主体性のある社員が増えることで、社員の成長が促される可能性が高まります。

主体性をもって業務に取り組んでもらうことで、全体の仕事の質や効率を高める可能性が高いため、自主的にスキルアップへ取り組む人も増えるでしょう。その結果、社員の成長スピードが加速し、組織内も活発化してお互いに高めあえる環境が生まれやすくなります。

結果的に、生産性の向上や会社として社員を教育するコストが低減する効果も期待できるでしょう。

主体性がある人の特徴

主体性があって堂々としているビジネスパーソン
主体性がある人の特徴は、次のとおりです。
  • 自分で考えて行動できる
  • 成長意欲がある
  • 失敗を恐れない
  • 好奇心旺盛である
  • 自責思考である
それぞれの特徴を見ていきましょう。

自分で考えて行動できる

主体性のある人は自ら考えて行動できます。上司から指示される前に「これは別のやり方でやったほうが効率が良さそう」「上司にも提案してみよう」など、仕事の進め方に関するアイデアが浮かびやすいのも特徴です。

成長意欲がある

主体性のある人は成長意欲があります。「このプロジェクトを経て、自分は成長できる気がする」「さまざまな資格を取れば自信につながるし、キャリアも積める」など、普段の業務が自分の成長にどうつながるかを考えながら取り組むことができます。

失敗を恐れない

主体性のある人は失敗を恐れない傾向にあります。失敗に対する恐怖心が弱いため、たとえ失敗したとしても「今後の仕事に生かそう」「これは意味のある失敗だった。今気づいて良かった」など前向きに捉えることができるのです。

また失敗することで「前にも同じようなシチュエーションで失敗したことがあるから、次は入念に準備をしておこう」といった予測も可能になります。

好奇心旺盛である

好奇心旺盛なのも主体性がある人の特徴と言えます。普段からさまざまな物事にアンテナを張っているため、仕事に関するアイデアが浮かびやすくなります。

また人やモノなどに興味があるので、たとえば営業の部署にいた場合「新しい取引先の方と少しずつ距離を深められている気がする。日常的な話を取り入れて、もっと距離を縮めてみよう」といった行動に移すことができるのです。

自責思考である

主体性のある人は自責思考の傾向にあります。自責思考とは、何かを失敗した際に自分の責任だと捉える思考です。

たとえば連携がうまくいかず、お客様に迷惑をかけた場合に「自分がもう少しコミュニケーションを取っておけば良かった」「テキストで伝える際はもっと慎重に対応しよう」など他人のせいにするのではなく、自分の責任であると考えます。

主体性がない人の特徴

主体性がないビジネスパーソン
主体性がない人の特徴は、次のとおりです。
  • 指示されるまでやらない
  • 一人で行動できない
  • マイナス思考である
  • 他責思考である
  • 他人に流されがちである
それぞれの特徴を説明します。

指示されるまでやらない

主体性がない人は、上司や先輩から指示されるまでやらない傾向にあります。「指示されたこと以外をやる=失敗したらどうしよう」という考えに陥りやすく、保身に走ってしまうでしょう。

「誰かが言ってくれるだろう」「私がやらなくても誰かが率先してやるはず」など、周りが動くのを常に待ってしまい、主体性がない人だと思われてしまいます。

一人で行動できない

一人で行動できないのも主体性がない人の特徴です。

何か決断をしなければならない際に自分では決められず、第三者にアドバイスを求める傾向にあります。意見を求めても「わからない」「皆と同じ意見です」など、自分の主張をしようとしないでしょう。

たとえその人に仕事をお願いしても「一人だと不安なので、誰かと一緒に取り組みたい」と他人に頼ってしまい、結果的に自主性を高められない状態になります。

マイナス思考である

主体性がない人の特徴としてマイナス思考が挙げられます。「自分がやるよりも、ほかの人に任せたほうがいい」「なぜ私なんかにお願いするんだろう……」など、何事もネガティブな捉え方をする傾向があります。

仮に失敗した場合は「私に任せたから」「ほかの人にお願いしておけば、こんなことにならなかった」など前向きに捉えられず、一度つまずいてしまうと新しい仕事に抵抗を感じてしまうでしょう。

他責思考である

主体性がない人は他責思考の傾向にあります。

自責思考の反対で、自分の失敗でも決して過ちを認めず、他人の責任にしようとする思考です。「上司の説明が不十分だった」「他部署の連絡が遅かったから」など、自分ではなく他に責任を押し付けようとします。

このような人は自分の責任にされるという恐怖心が強く、この思考を取り除かない限り、主体性を高めるのは難しいと考えられます。

他人に流されがちである

主体性のない人は「自分の意見をいって責任を取りたくない」という発想になりがちなので、その結果として他人に流されやすくなります。

言い換えれば「協調性がある」ともいえますが、自分の意見を述べたり建設的なアイデアを出したりすることがないため、流れが変われば簡単に別の意見に賛成してしまう傾向が強いです。

なぜ自分の意見を述べられないのかというと、主体的に仕事へ取り組んでいないことが大きな要因として挙げられます。まずは真摯に仕事に向き合う姿勢を作ってもらわないと、主体性を高めるのは難しいでしょう。

部下の主体性を高めるにはどうしたらいい?7つの方法を紹介

上司と部下
部下の主体性を高める方法は、次のとおりです。

1.すべてを指示するのではなく考えさせる
2.小さな成功体験を積ませる
3.部下の話を聞く場を設ける
4.クレドを作る
5.コンピテンシー診断を実施する
6.活躍ラーニングを活用する
7.主体性を発揮できない環境になっていないか確認する

それぞれの方法について説明します。

1.すべてを指示するのではなく考えさせる

こと細かく指示するのではなく、部下にも考える時間を与えましょう。上司の立場として、わからないことはすべて教えてあげたくなりますが、かえって部下の思考を止めてしまうリスクがあります。

何かの壁にぶち当たったとしても「上司に聞けば答えてくれるだろう」と周りに頼るようになるかもしれません。

たとえば営業であれば「契約につなげるには、これからどんな対応をすべきだと思う?」と上司から意見を求めてみるのも一つの方法です。上司のやり方をすべて教えるのではなく、部下のやり方を尊重しながら最善策を考えると良いでしょう。

2.小さな成功体験を積ませる

部下に小さな成功体験を積ませることで、主体性が生まれやすくなります。

主体性がない人の特徴として「失敗を恐れる」点が挙げられます。失敗を恐れるということは、成功した経験が少ないとも言えるでしょう。

「Aさんが言ってくれた一言で、場がすごく和んだ」「Bさんは資料をつくるのが本当にうまいよね」など、気づいた良いところを部下に伝えることで少しずつ自信がつき、その人の主体性につながります。

3.部下の話を聞く場を設ける

主体性を高めるために、部下の話を聞く場を設けてあげると良いでしょう。上司は「部下を育てるためにちゃんと教えないと」という気持ちが働きすぎて、部下の話を聞けていない可能性があります。

部下側としても「本当はいろいろ自ら動きたい」と思っているものの、上司が細かく指示しすぎて動けないという本音を抱いているかもしれません。メンター制度や1on1など、定期的に部下の話を聞く場を設けてあげましょう。

メンターや1on1について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:メンターとは?制度の導入で得られる効果やデメリット、成功のポイントを解説
【関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法 

4.クレドを作る

ビジネスにおけるクレドとは「迷ったときの行動指針」といった意味で使われる言葉です。個人の目標とは異なり、従業員全員が心がけるべき指針として組織全体に共有される指標となります。

クレドを作成することで仕事に対する価値観を全社で共有しやすくなり、同じ方向を向いて仕事をするため、前向きに仕事に取り組みやすくなるのです。

クレドの作成方法や注意点などは、下記記事を参考にしてください。

【関連記事:クレドとは?作り方やメリット、注意点、実践方法をわかりやすく解説

5.コンピテンシー診断を実施する

コンピテンシー診断を実施するのも、主体性を高める方法の一つです。コンピテンシー診断とはミイダスが提供する診断ツールで、個人の行動特性や思考性を分析し、仕事における能力の有無や程度を明らかにします。

コンピテンシー診断の結果をもとにすると、下記のような判断が可能です。
  • Aさんは創造的思考力があるから、企画にも携わってもらおうかな
  • Bさんはチームワークに特化しているから、後輩の面倒を任せてみようかな
このように、部下一人ひとりの得意・不得意を把握しながら主体性を高めることができます。

コンピテンシー診断について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説

6.活躍ラーニングを活用する

活躍ラーニングを活用することで、主体性を高められます。研修といえば、対象となる従業員全員が同じ内容に沿って行うのが一般的です。しかしミイダスの活躍ラーニングは、
  • 新人研修講座
  • ロジカルシンキング
  • 営業研修
  • 戦略・マーケティング
など役職や部署別に使える講座が150種類もあり、従業員一人ひとりに合った講座が選択できます。スキマ時間や移動時間に学べるので、主体的に学びを深めるきっかけづくりに最適です。

先述のコンピテンシー診断に対応した講座も用意されており、結果項目別に仕事への活かし方を知ることも可能です。

活躍ラーニングはミイダスの有料契約中はどれだけ受講しても無料です。それぞれのスキルや立場に合った研修を行いたい際は、ぜひご活用ください。

活躍ラーニングの詳細について詳しく見る

7.主体性を高められない環境になっていないか確認する

部下に主体性がないのは、その人のせいではなく社内の環境が原因かもしれません。

「もっと効率が良いやり方があると思うけど、上司に言っても採用してもらえないだろうな……」「自由に発言しにくい」など、社内のなかで意見交換がしにくい状態になっていないでしょうか。今一度、社内の体制に問題がないか確認しましょう。

ミイダスのコンピテンシー診断を活用して主体性を引き出そう

ミイダスで表示される画面の例
従業員の主体性を高めるには主観的な見方だけではなく、客観的なデータを用いるのが効果的です。ミイダスのコンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。
  • パーソナリティの特徴
  • 行動特性
  • ストレス要因
  • 職務適性
  • 上下関係適性
たとえばパーソナリティの特徴に関しては、下記のコンピテンシー項目に沿って分析します。
・ヴァイタリティ
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力
従業員の主体性を高めるには、全員に同じ方法を実施するのではなく、一人ひとりに合ったものを取り入れていく必要があります。

従業員の行動特性やパーソナリティの特徴を把握することで「Aさんはチームワークを大切にする特徴があるから、これを軸に主体性を高めていこう」といった判断ができるようになるでしょう。

従業員一人ひとりに合った方法で主体性を引き出そう

主体性のある部下と上司
今回は、主体性の意味や重要視される理由、部下の主体性を高める方法をご紹介しました。

主体性とは「周りの意見に頼らず、自分自身で考えて行動する性質」を指します。変化が多い時代を生き抜くには、主体性の高い人材が必要です。

主体性という性質は、誰しもが本来持っているものと言われています。そのため、従業員一人ひとりの主体性をどのように引き出すかが鍵となるのです。

ぜひミイダスのコンピテンシー診断で従業員の特徴や行動特性を把握し、一人ひとりに合わせた研修ができる活躍ラーニングも活用して、主体性の引き出してあげましょう。

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