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現状維持バイアスとは?起こる原因や外し方を解説

現状維持バイアスとは、何か変化が起こっても「今のままで大丈夫だろう」と変化を避ける傾向のことです。現状維持バイアスは誰でも持っているものですが、強いバイアスを持っているとプライベートはもちろん、ビジネスシーンでも悪影響が発生してしまいかねません。

そこで本記事では、現状維持バイアスが起こる原因やバイアスの外し方、バイアスを認知するのにおすすめのサービスを紹介します。現状維持バイアスによるビジネスへの悪影響を避けたい方は、ぜひ最後までお読みください。

なお、現状維持バイアスをはじめとした従業員の抱えているバイアスを効率的に洗い出すなら、ミイダスの「バイアス診断ゲーム」を活用してみませんか?サービスの詳細は下記ページにて解説しております。

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また、ミイダスが行った調査によると、年齢によってバイアスの傾向に差があることが判明しました。年代別のバイアスの傾向を把握して、強いバイアスに悩まされている従業員をサポートするための参考になれば幸いです。

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現状維持バイアスとは認知バイアスの1つ

現状を変えようか悩んでいる女性のイメージ
現状維持バイアス(Status Quo Bias)とは、変化を避けて現状維持を求める、現在の状況よりも好転するとわかっていても行動できない心理傾向を指します。確証バイアスや同調性バイアスなどの認知バイアスの1つです。

たとえば、採用がうまくいっていないにもかかわらず「昔はこの方法で優秀な学生を採用できたから」と、昔のやり方に固執するのも現状維持バイアスの一例といえます。

現状維持バイアスは1988年に経済学者のウィリアム・サミュエルソン氏とリチャード・ゼックハウザー氏の「意思決定による現状維持バイアス」によって提唱されました。

バイアスは誰しもが持つ心理傾向

バイアス(bias)とは「先入観」や「偏見」という意味です。誰しもがこれまでの経験や生活習慣によって、自分が意識していないバイアスを持っています。

バイアスは誰もが持っているものですが、無意識のうちに自分の成長の弊害になっていたり、人を傷つけたりしている可能性があります。そのため、バイアスを認識するのは日常生活やビジネスシーンにおいても重要なのです。

バイアスについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:バイアスとは?ビジネスでの意味や種類・企業に与える影響について解説【図解あり】
さらにバイアスについて理解を深めたい方は、ミイダスが独自に調査した「年代別のバイアスの傾向」についてまとめた資料をご参照ください。実は年代が上がるほど他社に共感・同情しやすくなったり、他人からの評価を気にしなくなったりする、といった興味深いデータが判明しました。

資料は下記から、無料でダウンロードできます。ぜひチェックしてください。

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現状維持バイアスの一例

CASEと書かれたブロック
現状維持バイアスと一口に言っても、イメージが湧きにくいでしょう。日常生活とビジネス領域に分けて、現状維持バイアスの具体例を紹介します。

日常生活で陥りやすい現状維持バイアス

まずは日常生活で陥りやすい現状維持バイアスを見ていきましょう。

ケース①いつも同じメニューを注文する

「平日のランチは毎回同じお店で、同じメニューを注文している」
「自販機やコンビニで毎回同じ飲み物を買う」

このようなパターンに当てはまる場合、現状維持バイアスが強くなっている可能性があります。毎回同じモノを注文すれば、いつもと変わらないサービスを受けられるため安心感があります。

しかし、同じメニューを注文し続けていると、そのお店が持つ他のメニューの良さや、他の商品の素晴らしさに気付く機会を失ってしまいかねません。

ケース②同じ席に座る

「毎回同じ席でお昼ご飯を食べている」
「いつもの席が空いていないと不安になる」

このようなケースに当てはまる場合、現状維持バイアスが強くなっているかもしれません。毎回同じ席に座れば、見える景色は変わらないため安心感はあります。

しかし、別の席から座って見える景色を楽しむ機会を失ってしまうため、もったいないです。

ケース③サブスクリプションを解約しない

「あまり利用していないけれど、サブスクリプション契約していると安心感・満足感があるから」といった理由から、なんとなく不要な契約を放置している人もいるのではないでしょうか。

サブスクリプションすべてを否定するわけではありませんが、不要な契約を残したままにすると無駄な出費につながってしまいます。しかし、無駄になる可能性が高いと理解していても、なかなか現状を変えられないのが現状維持バイアスのやっかいなところです。

ビジネス領域で陥りやすい現状維持バイアス

続いて、ビジネスで陥りやすい現状維持バイアスを紹介します。

パターン①なかなか職場を変えられない

「職場に不満はあるけれど、転職活動をはじめるのは抵抗感がある」
「数社から内定をもらったが、本当に転職しても大丈夫なのか不安になり内定辞退してしまった」

このように、現状に不満を感じながらもなかなか職場を変えられず意思決定できない状況も、現状維持バイアスにとらわれている例といえます。

職場を変えると、生活は大きく変わるものです。現状維持バイアスが強い人は、このようなケースに強いストレスを感じてしまい、結果的に転職せず現状維持を選んでしまいやすいです。

パターン②今までのルールを変えることをためらう

「現状のルールに問題点はあるが、現状はうまくいっているから改善しなくても問題ないだろう」
「新しいルールに変わることが決まったが、今までのやり方が大きく変わってしまうのが面倒でストレスを感じる」

このようなケースも、現状維持バイアスが強い人に見られる特徴です。

改善点があるならルールを変更すべきにもかかわらず先延ばししてしまったり、より良いルールに変わるのにストレスを感じたりするのは「現状を維持したい」という気持ちが働いている証拠です。

このように、プライベート・ビジネスを問わず、現状維持バイアスが強いと「もったいない」と思うケースが多くなります。当てはまると感じた方は、後述する「現状維持バイアスの外し方」を参考にして、バイアスをうまくコントロールしましょう!

なお、バイアスの傾向は年代によっても異なります。ここで紹介した以外の現状維持バイアスに陥る場合や、他のバイアスが強くなっているパターンもあるでしょう。もし興味がある方は、年代別のバイアスの傾向をまとめた資料をチェックしてみてください。

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現状維持バイアスが生じる3つの原因

クエスチョンマークが描かれた虫眼鏡
現状維持バイアスが生じる原因は、以下のとおりです。

1.デフォルトの選択肢に従う
2.損失したくないと考える
3.過去の経験に囚われる

それぞれの原因を見ていきましょう。

1.デフォルトの選択肢に従う

人間はもともと決まっている選択肢に従う心理的傾向があります。わかりやすい有名な例としてはドナーカードの表記内容が挙げられます。

もともとの表記が
臓器提供の意思がある場合は〇で囲んでください
と記載された国(デンマークやドイツなど)では同意率が10%前後でした。

一方で、
臓器提供の意思がない場合は〇で囲んでください
と記載されているケースでは、同意率が90%を超えている国(オーストリアやハンガリー)がほとんどでした。このような傾向を「デフォルト効果」とも呼ばれています。

参考:DefaultsScience.pdf (dangoldstein.com)

2.損したくないと考える

人間は何かを得るより、失いたくないという感情にベクトルを置く傾向があります。
たとえばVODを契約しているとしましょう。
「時間が無くてあんまり見れていないから、解約しようかな……」と考えていても、「もしかしたらもう少ししたら、自分の観たい映画が配信されるかも」と思い解約を延長する
昇進の話が出ても「責任が増える」「自分が果たしてうまくやっていけるのか」と不安なり、結果的に断る
などはわかりやすい例でしょう。このような心理傾向は「損失回避性」とも呼ばれます。

3.過去の経験に囚われる

人間は過去の経験をもとに行動したいと考える傾向にあります。
自分は飲食業でしか働いたことがないから、次転職するとしても飲食業が良い
といった成功経験が現状維持バイアスを強めます。

なおミイダスでは、年代別に生じやすいバイアスの傾向や推測される発生原因についてまとめた資料をご用意しています。年代別のバイアスの傾向や、なぜそれが発生するのか把握したい方はぜひ下記から資料を入手してください。

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現状維持バイアスが引き起こすデメリット

企業は現状維持バイアスによってデメリットを被る可能性があります。とくに経営者や役員の立場にある人物が現状維持バイアスが強い場合、
  • 新しい意見やアイデアが採用されにくく会社の成長を止めてしまう
  • 従業員の意見を受け入れないと、従業員のストレスや不満がたまり離職につながる
などのリスクが高まるでしょう。もし従業員のアイデアが受け入れられない場合、「このままで良い」と伝えずに現状維持が良い理由を客観的な数字やデータで提示すると説得力が増すでしょう。

現状維持バイアスの外し方

バイアス(色眼鏡)に囲まれている人物
現状維持バイアスを外すには3つのポイントがあります。

1.現状維持バイアスを認知する
2.数字で物事を考えてみる
3.第三者からアドバイスをもらう

それぞれのポイントを確認しましょう。

①現状維持バイアスを認知する

まずは自身の現状維持バイアスを認知するのが最善でしょう。バイアスは無意識に感じるため、自ら意識しない限り認知は難しいものです。1つ選択を迫られた際に、「現状維持は自分のためになるのか」と自問自答するようにしましょう。

もし自社の経営者や社員の現状維持バイアスを認知させたいならば、ミイダスの「バイアス診断ゲーム」がおすすめです。ミイダスは15名まで無料で利用できるので、導入を検討されている方はぜひご活用ください。

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②数字にして客観的に捉えてみる

「絶対転職したほうが良いよ」「ルールを変えたほうがいいよ」と伝えても、説得力に欠けます。新しい環境やルールに変えた場合、現状維持と比べてどのくらいのメリットがあるのか数字で提示すると、現状維持バイアスを外せる可能性があります。

③第三者からアドバイスをもらう

第三者からアドバイスを受けるのも1つの方法です。自分で判断すると、なかなか決断できず時間だけが過ぎてしまいます。

友人や家族といった身近な存在だと反発してしまう可能性があるため、転職エージェントやカウンセラーなど、客観的な立場でアドバイスを提供してくれる人物に頼むと良いでしょう。

現状維持バイアス以外にもさまざまなバイアスが存在する

BIASと書かれた木のブロック
ここまで現状維持バイアスについて説明してきましたが、ほかにも多くのバイアスが存在します。
  • 確証バイアス
  • ハロー効果
  • サンクコスト効果
  • 現在志向バイアス
  • 正常性バイアス
現状維持バイアスとあわせて、ほかのバイアスについても把握しておきましょう。

認知バイアスについて詳しく知りたい方は、以下記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:認知バイアスとは?身近にある認知バイアスの種類や対策について解説 

確証バイアス

確証バイアスとは、自分の思考や先入観を肯定したいがために、自分に都合が良い情報を集め、自分の意見に否定的なものは無視してしまう心理傾向を指します。

たとえば、自分が考案したアイデアを発表した際に反対意見を受け入れられないのは確証バイアスが働いています。

「こんな意見もあるんだな」「自分の範囲では想像できなかった意見だな。彼のアイデアも取り入れてみよう」と柔軟に対応する必要があるでしょう。

ハロー効果

ハロー効果とは一部の特徴にばかり目を向けてしまい、ほかの特徴に対して偏った見方をしてしまうバイアスです。

たとえば、採用面接の履歴書を見て「有名な大企業で働いていたから仕事ができそうだな」「有名大学に出ているから活躍できるだろう」などがハロー効果です。

ハロー効果によって採用ミスマッチや離職につながる可能性があります。

サンクコスト効果

サンクコスト効果とは、今まで投資してきた費用や時間に執着し、損をする状況であっても投資を止められない心理傾向です。

たとえば1冊本を購入したものの、読み進めていくと想像以上につまらない内容だったとします。それでも「せっかく買ったのだから、最後まで読もう」という心理傾向がサンクコスト効果です。

経営者の立場の人がサンクコスト効果のバイアスが強いと、企業経営の損失につながる可能性があるでしょう。

現在志向バイアス

現在志向バイアスとは、将来的に得られる利益よりも、目先にある利益を優先してしまう心理傾向を指します。たとえば「今すぐ渡すなら100万円、2年後渡すなら300万円」と言われたとしましょう。

2年後の300万円のほうが利益が多いのにもかかわらず、すぐもらえる100万円を選んでしまう心理傾向は現在志向バイアスと言えます。

正常性バイアス

正常性バイアスとは、危険が迫っている情報を聞き入れず、自分は関係ないと思い込む心理傾向です。

たとえば、地震のニュースを見ても「自分の住むエリアは大丈夫だろう」と災害対策を行わない、生命保険会社に保険を勧められた際に「自分は規則正しい生活を心がけているから、病気にはならない」などが正常性バイアスです。

正常性バイアスについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
【関連記事:正常性バイアスとは?ビジネスシーンでの具体例や対処法を解説 

バイアスに関するおすすめの書籍2選

テーブルに置かれた本

『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』(著)情報文化研究所

『情報を正しく選択するための認知バイアス事典』は、数百以上存在する認知バイアスの中から厳選して紹介。論理学・認知科学・社会心理学、3つの分野にしぼったうえで、全60項目のバイアスを図版やイラストを交えてわかりやすく説明しています。
  • 面接担当
  • 部下の育成担当
  • 経営者や役員
といった方には1冊持っておくと重宝するでしょう。

参考:Amazon.co.jp: 情報を正しく選択するための認知バイアス事典 電子書籍: 情報文化研究所, 高橋昌一郎: Kindleストア

『脳には妙なクセがある』著:池谷 裕二

『脳には妙なクセがある』は、脳の研究を行う池谷裕二氏の著書です。
  • 「他人の不幸」はなぜ蜜の味?
  • 「行きつけの店」にしか行かない理由
  • 「損する」でも「宝くじ」を買う理由
など、私たちの日常生活に身近なトピックからバイアスを認知できます。

参考:Amazon.co.jp: 脳には妙なクセがある (扶桑社BOOKS) eBook : 池谷 裕二: Kindleストア

ミイダスの「バイアス診断ゲーム」でバイアスを認知しよう

書籍でバイアスの種類や意味を学べても「自分はどんなバイアスを持っているのか」までは把握が難しいのが現状です。実際に自分のバイアスを自覚している人は多くありません。
バイアスの認知度
引用:経営者・役職者は一般層より「失敗を気にしない」傾向が判明! 転職求人サービスミイダス「バイアス診断ゲーム」公開|ミイダス株式会社について
ミイダスが調査したアンケートによると「様々な種類のバイアス(認知バイアス)があることを知っていましたか?」という質問に対して71.8%は「知らなかった」と回答しました。

ミイダスの「バイアス診断ゲーム」は、仕事に関わる認知バイアスを計測できる診断サービスです。バイアス診断ゲームを活用することで、いくつかの質問に回答すると自身の認知バイアスを知ることができます。

バイアス診断ゲームで分析できるバイアスは次のとおりです。
バイアス診断の種類特徴
フレーミング効果表現方法によって判断が変わりにくいかどうか
現状維持未知のものや未体験のものを受け入れたくないと思い現状維持をしたいかどうか
サンクコスト効果一度リソースを投資したものの回収できないとわかったとしても投資し続けてしまうかどうか
現在志向将来の利益よりも目の前の利益に価値を置くかどうか
衝動制御自分の衝動をコントロールし集中力を持続させるかどうか
予測態度不確かで見通しが悪い状態でも冷静に規則性や法則性を判断しようとするかどうか
リスク許容度リスクを取ることに対する許容度
協力行動集団内で行動するときの利益の考え方
全体注意多くの情報から必要な情報を選択するときに俯瞰的に考えて意思決定するかどうか
焦点注意多くの情報から必要な情報を選択するときに全体よりも細部の情報にこだわって意思決定するかどうか
否定的感情物事に対するネガティブな感情の抱きやすさ
など、全22項目のバイアスを診断することが可能です。
バイアス診断ゲーム受診後の反応
引用:経営者・役職者は一般層より「失敗を気にしない」傾向が判明! 転職求人サービスミイダス「バイアス診断ゲーム」公開|ミイダス株式会社について
バイアス診断ゲームを受けて、バイアスに対する意識について調査したところ、

「自分のバイアスを理解することで仕事で活かせようと思った」
「バイアスを理解して認識すれば気を付けることができそうだと思った」

という回答が70%を超えました。この結果を通して、バイアスを認知することは、自身のこれからの仕事に活かせるのはもちろん、会社全体にとっても大きなメリットをもたらすでしょう。

またミイダスを利用している企業の従業員様は解説講座を全て無料で受講できます。オリジナルキャラクターの「猫師匠」と視聴者の会話風ストーリーでなかなか理解しにくい認知バイアスをわかりやすく説明しています。1講座15分程度の動画なので気軽にバイアスが学べるのも特徴です。

バイアス診断ゲームに関しては以下の記事や動画で詳しく紹介されているので、ぜひご参照ください。

【参考ページ:意思決定力を磨くバイアス診断ゲーム研修講座 - ミイダス
【関連記事:認知バイアスの分析で人材戦略を変革せよ ── 採用・育成など人材活躍を底上げする「バイアス診断ゲーム」の可能性 | AMP[アンプ] - ビジネスインスピレーションメディア

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