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退職防止とは?要因と対策、企業事例もあわせて紹介

企業にとって、従業員の退職はなるべく避けたいもの……。新しい人材を雇うには採用コストや研修に充てる時間が必要になってきます。

2020年の新型コロナウイルス流行以降、仕事に対する価値観や働き方が変化したことで、退職に対するハードルも下がってきています。では、なるべく退職を防止するためにはどうしたら良いのでしょうか。

本記事では、退職を引き起こす要因や退職を防止するための対策、対策防止を行っている企業事例についてご紹介します。また、ミイダスではお役立ち資料を無料で配布しています。ぜひご活用ください。

適切な人事異動・配置をするための方法とは

退職防止とは?

仕事に不満を持っている人のイメージ
退職防止とは、企業が従業員の退職を防ぐために取る施策のことです。

従業員の退職は企業にとって大きなダメージです。既存社員の負担が増えるのに加えて、新しい人材を確保するための採用コストや研修費用などがかかってしまいます。したがって、企業は迅速に退職防止対策を行う必要があります。

日本における退職の現状

現在の日本企業の離職率を確認しておきましょう。

日本では従業員の退職率が高い状況が続いています。 令和2年(2020年)の1年間の入職と離職の推移は、入職者数が7,103.4千人に対し、離職者数は7,272.1千人と離職者数が上回っています。女性の退職率は男性よりも高く、その理由としては育児や介護などの家庭の事情による退職が多いことが挙げられます。

また、新卒で入社後3年以内に離職する割合は高卒が36.9%、大卒が31.2%となっており、令和2年時点では例年に比べ減少しましたが、いまだに高い状況となっています。

離職率について詳しく知りたい方は以下の記事をあわせてご覧ください。

【関連記事:離職率が高い要因とは?デメリットや対策を解説

参考:厚生労働省発表 |1 入職と離職の推移
新規学卒就職者の離職状況を公表します

退職につながる6つの要因

仕事でストレスを抱えている人のイメージ
では、退職の引き金を引く要因を具体的に見ていきましょう。おもな要因としては、個人的な理由や職場環境の問題などが挙げられます。
1. キャリアやスキルを上げられる機会が少ない
2. 給与やボーナスが低い
3. 職場の人間関係が悪い、上司との相性が合わない
4. ワークライフバランスが悪い、残業や休日出勤が多い
5. 業務内容が合わない、自分のスキルや興味に合わない
6. 健康問題や家庭の事情による退職
それぞれの要因を説明します。

1.キャリアやスキルを上げられる機会が少ない

自分のキャリアやスキルを上げられる機会が少ないと感じた場合、退職を考える可能性が高まります。

近年、20代を中心とした若者は、「やりがい」や自分のキャリアアップ、スキルアップを求める傾向にあります。以前に比べて転職のハードルも下がっており、「いま働いている会社より、自分が成長できそう」と感じると、すぐ行動する人も少なくありません。

経営者や採用する側は、働くことに対する価値観の変化に柔軟に対応する必要があるでしょう。

仕事に対する価値観の変化について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

【関連記事:働く人の価値観は変化している?活躍人材を見抜くの特徴や採用方法を紹介

2.給与が低い、給与が上がる見込みがない

給与の低い、もしくは今後も上がる見込みがない場合、退職を促してしまう原因となります。平成30年、国が発表している全年齢平均給与額によると25歳男性は29.9万円、25歳は女性26.5万円という結果が出ています。

この金額は全国平均であり、地域によっては上記の額を下回る企業も多く存在します。このまま日本の物価が上がり続けることにより、生活を考えると給与が低く、給与が上がる見込みのない企業からは退職者が増えていくと考えられるでしょう。

参考:kyuuyo.pdf |厚生労働省

3.人間関係の悪化

職場の人間関係は退職の大きな原因の1つです。仕事と人間関係は切っても切り離せません。また相談できる環境が整っていないと、ストレスを抱えながら働いている従業員は退職を選ばざるを得なくなるでしょう。

退職せずにそのまま人間関係の悪化を放置した場合、健康面の不安も出てきます。

4.業務内容が合わない

日常生活において、仕事の時間は多くを占めます。そのため、自分に合わない業務内容を続けるのは苦痛の原因となります。

上司側としては「我慢も仕事のうち……これを乗り越えれば新しい業務を覚えてもらう予定だ」と育成の一環と考えていても、従業員に伝えていなければ、突然退職してしまう可能性もゼロではありません。もし従業員の将来を鑑みて、その業務を依頼しているならば十分な説明が必要です。

「あなたのキャリアアップにおいて、この業務は必要なステップだと思っています。いまは少し辛いかもしれないけれど、もう少しやってみよう」「もう少し続けてみて、本当に難しいと思ったらすぐに相談してね」などのフォローが大切です。

5.健康上の理由

退職理由として、健康上の理由も挙げられます。たとえば飲食店や宿泊業、建築業など、体力が必要な職種の場合「腰を痛めて働けない」「医者からストップがかかってしまった」といった理由で辞めざるを得ない状況が生まれてしまいます。

また、人間関係や業務が合わない、残業が多いなどの環境はストレスを感じやすく精神的な病気の原因になります。「あんなにニコニコして働いていたのに、突然連絡が取れなくなってしまった」というケースも少なくありません。

6.育児や介護などの家庭の事情

育児や介護などの家庭の事情で退職を選ばざるを得ない人も多くいます。とくに正社員で働いていた場合、週5、8時間というフルタイムでは続けるのは困難です。

そのため正社員を退職して、シフト制や時間に融通のきくパートやアルバイトを選択して働く人も多く見られます。

従業員の退職を防止するためにはどうしたらいい ?

従業員の退職を防止するためには、次のような対策が有効です。
・ボーナスや昇給、キャリアアップの機会を与える
・コミュニケーションの改善を行う
・キャリアアップ支援を充実させる
・福利厚生の充実
・ワークライフバランスの改善
それぞれの対策を紹介します。

ボーナスや昇給、キャリアアップの機会を与える

ボーナスや昇給、キャリアアップの機会を与えると良いでしょう。現在の日本企業が改善すべき点として、年功序列制度の見直しが挙げられます。

「この会社で働きつづけても、年功序列制度が導入されているから、昇給に時間がかかる」「役職が詰まっていて、キャリアアップが見込めない」など、将来に対して不安や不満を覚えさせてしまうと早期退職につながる可能性があります。

時代にあわせて定期的に、自社の体制を見直す必要があるでしょう。

コミュニケーションの改善を行う

従業員のストレスや不満を解消するためには、コミュニケーションの改善が必要です。とくに業務について相談したい上司や先輩とコミュニケーションが取れないと、従業員のストレスは日に日に増し、退職を促してしまう可能性があります。

従業員との定期的な面談や、アンケート調査などを通じて、従業員の意見を収集し、職場環境の改善に取り組みましょう。またアセスメントツールなどを活用し、従業員のストレス要因を客観的に分析すること突き止めてあげるのも大切です。

ミイダスでは、従業員のストレス要因や上司・部下との相性などの分析が可能です。退職防止の対策をお考えの方はミイダスの導入をご検討ください。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

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キャリアアップ支援を行う

従業員がキャリアアップを実現できるように、教育・研修プログラムやキャリアアップ支援のポータルサイトなどを提供しましょう。

また近年はメンター制度を取り入れる企業も増えています。メンター制度とは、先輩社員であるメンターが後輩の相談や悩みを定期的に聞く時間を設けることです。先輩からアドバイスをもらえることで、自社に対する愛着ややりがいにもつながります。

また、従業員の強みを見つけ出し、彼らの能力を引き出せるような、新しい業務やプロジェクトを提供することも大切です。

社内教育制度やメンター制度について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事:OJTとは?意味をわかりやすく解説!OFF-JTとの違いや研修の進め方など
【関連記事:メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説
【関連記事:メンターとメンティーの違いは?それぞれの意味やメンター制度導入のポイントを紹介

福利厚生を充実させる

福利厚生の充実は従業員のモチベーションを高め、働きやすい職場環境を整えることにつながります。有給休暇や育児休暇などの休暇制度の充実、社員旅行、社内イベントなどを提供しましょう。

また、有給休暇を取っても良い雰囲気を促すことも大切です。「上司が取らないのに、部下である私が取っていいものだろうか……」というケースも少なくありません。有給休暇は働くうえでの権利です。上司、部下関係なく十分に有給休暇がとれる環境を整えましょう。

ワークライフバランスを改善する

ワークライフバランスの改善によって、従業員のストレスを軽減し、仕事とプライベートの両立がしやすくなります。

たとえばフレックスタイム制度やテレワークなど、柔軟な働き方を導入し、従業員が自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるようにしましょう。これらの制度を導入することで、「正社員で働きたいけれど、育児や介護で退職を考えている」 という人の退職を防止できます。

従業員の退職防止は、企業の生産性向上やブランド価値の向上など、幅広いメリットがあります。企業は従業員のニーズに合わせた対策を立てることで、優秀な人材を確保ができるでしょう。

退職防止の企業事例

世界的に有名な企業でも退職防止対策に力を入れています。

ここでは、退職防止対策を行った企業の事例を5社紹介します。
・スターバックス・コーヒー
・日本IBM株式会社
・アマゾン・ジャパン合同会社
・グーグル合同会社
・ネットフリックス株式会社

スターバックス・コーヒー

スターバックスというと、常に売上が好調な人気企業のイメージです。しかし、意外にもかつては相次ぐ退職に悩む時期があり、いくつか対策を実施しています。
  • 雇用形態にとらわれず、アルバイトも意見が言いやすい環境を整える
  • マネジメントの考え方をティーチングではなく、コーチングに変更する
  • 正当な評価と成長を重視することで企業にとって対する愛着心を育てる
上記を導入したことで、「仕事=ただの流れ作業」だった従業員の意識が「一人ひとりの接客」へと変化しました。シンプルな解決策ではあるものの、従業員を大切にする姿勢を整えられた成功事例と言えます。

参考:10人に1人が半年で辞める時代に、「スタバ」「マック」の姿勢から学ぶべきことITmediaビジネス

アマゾン・ジャパン合同会社

アマゾン・ジャパン合同会社は、従業員の定着率を高めるために、あらゆる福利厚生や働き方の改革を行っています。

たとえば、子育て支援制度や、有給休暇の取得促進、フレックスタイム制度の導入などが挙げられます。また、従業員のスキルアップのために学習プログラムの提供や自己啓発の支援なども行っています。

参考:福利厚生 - About Amazon
アマゾンで働く魅力 | お客様対応スタッフ採用サイト | アマゾンジャパン公式
子育てを互いに支えるAmazonの社風 - About Amazon | Japan

グーグル合同会社

グーグルの日本法人では、
  • ランチやお菓子の無料提供
  • 子育て支援制度
  • 年次有給休暇の充実
  • メンタルヘルスに特化した社員支援プログラム
など、従業員が働きやすい環境を整備しています。また、従業員のキャリアアップのために、社内異動やスキルアップ研修を行うことで、従業員のモチベーションを高めています。

参考:福利厚生 - Google 人材募集

日本IBM株式会社

日本IBM株式会社は、2020年よりIT基礎知識、専門知識が学べる「SkillsBuild」を国内へ向けて展開しており、約6,000本ものオンライン学習コンテンツが無料で学べます。「ITについて学びたいけれど、ハードルが高い」という方も学びやすいプログラムです。

研修や海外派遣プログラムを提供することで、従業員が自己成長を実感できる環境を整備しています。また、ストレスチェックやメンタルヘルスの支援も行っており、従業員の健康面にも配慮しています。

参考:就労に向けた、ビジネス・ITスキル向上支援「SkillsBuild」でソーシャルインパクトを | Think Blog Japan
テクノロジーとデータはいかにしてメンタルヘルス・ケアの敷居を下げれるか | IBM
人材育成サービス - 日本 | IBM

Netflix(ネットフリックス)

Netflixでは、やりがいや企業への愛着心を持ってもらえるよう以下に力を注いでいます。
  • 社員の意思決定を積極的に促す
  • 情報は広くオープン、かつ丁寧にシェアする
  • 直接的なコミュニケーションを取る
  • 優れた人材でチームを構成し続ける
  • ルールをつくらない
また、ネットフリックスでは育児休暇の方針を「子どもと自分の面倒をしっかり見るべし」と設定しています。男性も育児休暇を取得しやすい環境を整えており、各国や各地域で適切な休暇を取ることが可能です。

参考:Netflix Jobs

退職を防ぐにはミイダスを活用しよう

ミイダス活用マップ
従業員が自分のステップアップのために退職するならば、企業はその背中を押してあげる必要があるでしょう。しかし、職場の同僚や上司・部下と合わない、やりがいを見い出せないという原因で退職者を生み出すのはなるべく避けたいものです。
  • 従業員のパーソナリティの傾向
  • ストレス要因
  • 上司・部下としての傾向
などを事前に把握しておくことで、ネガティブな退職を軽減できます。

ミイダスは、独自の機能で応募時点から入社後にわたって活躍する人材の分析や採用ができ、上記した人材タイプや潜在能力の把握が可能です。

従業員の行動特性やストレス要因をコンピテンシー診断(特性診断)で把握しよう

コンピテンシーとは、仕事で活躍する人材の行動特性のことです。ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)では、退職の要因となるストレス要因や上司・部下との相性、やりがいにつながる行動特性の把握が可能です。

ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)項目の一例は以下のとおりです。
コンピテンシー診断(特性診断)項目コンピテンシー診断(特性診断)定義
(高得点ほど該当項目の傾向が強く、低得点ほど該当項目の傾向が弱い)
活力高:周囲と競いながらエネルギッシュに業務に取り組むほうが得意である。

低:競争は好まず、自分のペースと効率を重視して業務に取り組むほうが得意である。
人あたり高:相手の意見を尊重し、好印象を与えるほうが得意である。

低:相手が受ける印象を気にせず自己主張するほうが得意である。
チームワーク高:チームに溶け込んで、メンバーと一緒に取り組む方が得意である。

低:チームの一員として働くよりも、単独で取り組む方が得意である。
創造性高:これまでの発想や方法にとらわれず考え、行動するほうが得意である。

低:これまで通りの発想や方法にならって行動するほうが得意である。
問題解決力高:自ら問題を見つけ、その解決に向けて取り組むほうが得意である。

低:問題意識をあまり持たず、目の前の業務に取り組むほうが得意である。
対応力高:臨機応変な対応が必要となる業務のほうが得意である。

低:一貫性のある考えや行動を求められる業務のほうが得意である。
プレッシャーへの耐性高:プレッシャーやストレスが多い業務のほうが得意である。

低:プレッシャーやストレスが少ない業務のほうが得意である。
調整力高:周囲との調整が必要となる業務のほうが得意である。

低:周囲との調整が少ない業務のほうが得意である。
リーダーシップ高:自分が先頭に立ってメンバーを牽引するほうが得意である。

低:自分は先頭に立たず、誰かをフォローするほうが得意である。
一見「リーダーに向いてなさそうだ」と感じる従業者でも、働いていくうちに思いがけない能力が垣間見えることがあるでしょう。ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を活用すれば、応募や入社時点で一人ひとりの潜在能力を理解でき、適切な人材配置を行うことができます。

上司と部下のタイプを理解して人間関係を良好に

ミイダスでは、退職の原因となるストレス要因や上司と部下のタイプを把握することができます。たとえば、あなたが仕事の手順や期限、上司から言われたことを守る「従順型」としましょう。

その場合に上司は部下に対してきめ細やかな指示ができる「指示型」の上司と合います。一方「手順やルールはあなたに任せるよ」といった「委任型」とは相性が悪いのがわかります。

頭のなかで合わないとわかっていても、言葉には出しにくいものです。しかしミイダスを活用して客観的なデータとして分析・結果が出れば、人材配置についても説明しやすくなるでしょう。

組織サーベイで退職を防ごう

組織サーベイの図
さらにミイダスでは、コンピテンシー診断(特性診断)のみならず、組織内の社員の状態変化を把握できる「組織サーベイ」というサービスもあります。ミイダスの組織サーベイを活用すれば、定期的に従業員のコンディションや抱えているストレスなどを確認できるため、悩みを抱えた際も迅速なフォローが可能です。

「退職者が続いており、何かしら対策がしたい……」「人間関係を良好にしたい」などお考えならばぜひミイダスの導入をご検討ください。

ミイダスは自社にフィットする人材を
特定して
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