本記事では、これからOJTを導入したい、あるいはすでに導入済みの人事担当者に向けて、OJTの基礎知識と効果的な進め方、うまくいかない原因などをわかりやすく解説します。
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OJT(OJT研修)とは?わかりやすく意味を解説
OJTとは
OJTは、職場で実際に働きながら業務への理解を深め、仕事に必要な知識やスキルを習得させる、新人教育の代表的な手法です。
具体的には、上司や先輩がトレーナーとして新入社員・新規配属の社員につき、計画されたプログラムに沿って指導します。座学では身につけにくい実践的なスキル・知識を習得させられるため、多くの企業が採用している教育手法です。
OJTの歴史
そこで、緊急要因訓練の責任者に任命されたチャールズ・R・アレン氏は、造船所の現場監督を指導者とし、すべて現場で訓練する方法を開発します。
彼の提唱した「4段階職業指導法」の基本ステップは、以下の通りです。
- Show:やってみせる
- Tell:説明する
- Do:やらせてみる
- Check:評価・指導する
それから20数年後の第二次世界大戦中、この4段階職業指導法は企業内研修「TWI(Training Within Industry)」として発展しました。それが高度経済成長期の日本に輸入され、OJTが一気に広まったのです。
その後、時代の変化に伴って少しずつ形を変えつつも、OJTは多くの企業内研修における基本的な手法として定着しています。
OJT実施機関の目安
OJTに必要な期間は企業によって異なり、何をどこまで教え、どのレベルを「独り立ち」とみなすのかによります。加えて、現場で指導にあたるトレーナーの負担も考慮しなければなりません。
近年では人材確保の難しさもあり、教育に力を入れようとOJTの期間を長くする企業もあります。しかし、あまり長期間に及ぶとOJTの効果やモチベーションが低下するため、自社に合った効率的な計画を立てるようにしましょう。
OJT以外に研修は必要?
たとえばOJTでは、先輩独自の営業ノウハウや具体的な仕事の進め方を学べます。しかし、営業マナーや営業活動のコツなど、体系立てた知識は得られにくいです。
OJTに加えて「営業講師を招く」「外部の営業研修を受講してもらう」など研修を実施することで、社員のスキルアップを支援する取り組みが有効といえます。OJTでは伝えきれないビジネススキルについては、OJTに加えて社員向けの研修サービスの利用も選択肢のひとつとなります。
たとえば、ミイダスの「活躍ラーニング」なら、社員一人ひとりの行動特性にもとづいたおすすめ講座がレコメンドされるため、スキルアップに最適です[※1]。
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OJTで研修・教育を行う目的
- 新入社員や新規配属社員の早期戦力化
- 業務の効率化
- 新入社員の不安解消
- 新入社員の離職防止(定着率アップ)
新入社員や新規配属社員の早期戦力化
OJTでは上司や先輩の指導のもと、基本的にマンツーマンで実務を学べます。つまり、座学や自己啓発だけでは身につきにくい実践的なスキルを、個人のレベルに合わせて教育できる手法です。疑問や不明点もその都度確認できるため、新人の早期戦力化に有効といえるでしょう。
業務の効率化
新人ならではの視線や指摘によって、既存プロセスの問題点や非効率な部分に気づける場合もあります。
新入社員の不安解消
また、トレーナーと1対1で密にコミュニケーションが取れるため、慣れない環境での精神的な不安を和らげる効果も期待できます。
とくにコロナ禍以降は、リモートワークを推奨する企業が増え、なにげない雑談や相談の機会も減っています。そのようななかで特定の相談相手がいることは、不安や悩みを解消するために非常に重要です。
新入社員の離職防止(定着率アップ)
入社後早い段階での成功体験は、社内での居場所の確立や、その後のモチベーション維持、定着(離職防止)に役立ちます。
また、トレーナーの存在が精神的な支えになり、そのつながりを通じて社内での人脈を築きやすくもなるでしょう。
OJTのメリット・デメリット
OJTのメリット
- 一人ひとりにきめ細かく指導できる
- トレーナーのスキルアップになる
- 職場のコミュニケーションが活性化する
- 教育コストを抑えられる
一人ひとりにきめ細かく指導できる
一度に大勢に対して実施する集合研修では、プログラムを個別に調整できません。しかしOJTなら、個人に合った研修プログラムを用意し、きめ細かく効率的に指導できます。その結果、トレーニーの早期戦力化が期待できるでしょう。
トレーナーのスキルアップになる
職場のコミュニケーションが活性化する
教育コストを抑えられる
OJTのデメリット
- 現場の負担が増える
- トレーナーの能力や意欲に左右される
現場の負担が増える
また、トレーナーが常に忙しそうにしていれば、トレーニーも声をかけにくいでしょう。OJTの制度はあっても、実際に機能していなければ意味がありません。あらかじめトレーナーの業務負荷を減らし、指導する余裕をもたせるなど、現場に無理させない工夫と配慮が求められます。
トレーナーの能力や意欲に左右される
さらに、トレーナーの指導力に明らかな問題があると、期待するような成果が得られず、トレーニーのモチベーションを著しく低下させる可能性もあります。
OJTとOFF-JTの違い
OFF-JTとは
OFF-JTとは、職場や通常の業務を離れた場所で実施する教育手法です。人事部による新入社員研修や、職種別のスキルアップ研修などが典型例ですが、最近ではeラーニングのようにオンラインで学ぶ手法も存在します。
OJTでは実践的な知識・ノウハウを学びますが、OFF-JTでは通常業務で習得できない知識や情報のインプットが中心です。企業の新人研修では、OFF-JTが導入的な役割を果たすケースが多く見られます。
OJTとOFF-JTの違いとは
<OJTとOFF-JTの違い>
| 観点 | OJT | OFF-JT |
|---|---|---|
| 場所 | 実務を行う現場(職場内) | 研修会場やオンライン(職場外) |
| 内容 | ・業務に直結する知識やノウハウ ・個人の習熟度に合わせた内容 ・アウトプットが中心 | ・汎用的な知識やスキル ・確立された教育プログラム ・インプットが中心 |
| 期間 | 中~長期的 | 短期的 |
| トレーナー | 先輩社員や上司 | 外部講師や人事担当者など |
| コスト | 比較的低い | 比較的高い |
OJTとOFF-JTにはそれぞれ異なる特徴があり、どちらか一方が優れているわけではありません。両方を組み合わせて実施することで、効果的な育成が期待できるでしょう。
関連記事:人材育成の課題とは?5つの解決策と成功事例を解説
OJT導入の具体的な方法
すでにOJTを導入している企業でも、あまり成果が上げられていない場合は、以下を参考にして全体を見直してみましょう。
2. OJT全体の計画書を作る
3. トレーナーを選ぶ
4. OJTを実施する
5. 状況を確認し、改善する
1. OJTの目標を決定する
OJTを成功させるには、現場へのヒアリングが欠かせません。人事担当者だけではなく、必ず各現場と連携しながら進めてください。そして、OJTを実施する部署ごとに細分化して目指すゴールを決定します。
なお、OJTの目標を定める際に役立つのが、すでに自社で活躍している社員のコンピテンシー(行動特性)を把握することです。成果を上げている社員を理想のモデルとして、逆算的に研修内容を決めていくと、もっとも効率のよい人材育成ができます。
コンピテンシーを把握するツールとしては、人材アセスメントサービスの「ミイダス」がおすすめです。独自のオンラインテスト「コンピテンシー診断(特性診断)」なら、自社で活躍している社員の特徴を簡単に可視化できます[※1][※2]。OJTの目標を定める際の指針となってくれるでしょう。
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2. OJT全体の計画書を作る
OJTは中長期的に取り組むため、計画を立てずに始めてしまうと育成が順調に進まず、現場の負担ばかりが増してしまいます。1ヶ月、3ヶ月といった単位で、目標達成に向けてのマイルストーン(中間目標地点)を定めておくことも重要です。
研修内容は、新入社員の独り立ちに必要な基準から、身につけるべき知識やスキルを見越して基本方針を決定します。なお、実際は個人の習熟状況に合わせて進めていくため、このステップで細部まで固める必要はありません。
3. トレーナーを選ぶ
先述したように、OJTの成果はトレーナーの能力や意欲に左右されてしまいます。基本的には部署の先輩社員や上司がトレーナーを務めますが、適性があるかどうかを十分に考慮して決定しましょう。OJTのトレーナーに向いていない人は、後ほどくわしく解説します。
4. OJTを実施する
トレーナーの業務負担を減らす必要があれば、早い段階で調整しておきましょう。
5. 状況を確認し、改善する
人事担当者は、各部署のOJTを総合的にマネジメントする立場にあります。社員の育成をサポートし、現場でのトラブルを防ぐには、こまめな状況把握が重要です。加えて、OJTの進め方も適宜アップデートしていくことが求められます。
【OJTの効果を向上するには】オンラインツールの活用により知識を補完する
社内で研修を実施したり、教えられる人員がいない場合は外部から講師を招いたり、社員研修サービスを活用したりするのもおすすめです。
しかし、講師を招いたり研修サービスを活用したりするのは、手間やお金がかかります。コストをあまりかけず質の高い社員研修を実施するなら、オンラインツールを活用するのもおすすめです。
たとえばミイダスの「活躍ラーニング」なら、講座を動画で視聴できるため、業務のすき間時間で手軽に受講できます[※1]。可能性診断の結果を活用しており、社員一人ひとりの特徴に合った研修がおすすめされます。これにより、社員ごとに合った研修を受けられるため、さらなるスキルアップが期待できるでしょう。
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OJTの進め方(基本の4ステップ)
2. 説明する(Tell)
3. やらせてみる(Do)
4. 評価・指導する(Check)
1. やってみせる(Show)
トレーニーはトレーナーの姿を見て学ぶため、正しく丁寧な仕事ぶりを見せましょう。全体の業務の流れや手順が把握できたら、次のステップに進んでください。
2. 説明する(Tell)
また、トレーナーから一方的に説明するだけでなく、質問の時間も設けましょう。未経験のトレーニーが、いきなりすべてを理解することはできません。相手の理解度を確認しながら進めることが重要であり、OJTの成果にもつながります。
3. やらせてみる(Do)
OJTでは、経験をいかに積めるかが大切です。困った時にはすぐサポートできるよう、とくに最初の頃は常に近くで見てあげましょう。
4. 評価・指導する(Check)
なお、評価・指導の内容はトレーニーの習熟度に合わせて調整しましょう。1〜4のサイクルを回すなかで段階的に成長できるよう、十分なコミュニケーションを取りながら、一緒に進めていくことが重要です。
OJTがうまくいかない理由と注意点
- 当初の計画通りに進まない
- トレーニーによって指導力にバラつきがある
- 現場から不満の声が上がっている
- 新入社員の不安が解消できていない
- 毎回行き当たりばったりで進めている
OJTを活かすためには、うまくいかない理由を想定し、進め方を見直す必要があります。ここでは、以下5つの原因とそれに対する注意点を解説します。
- トレーナーの指導スキルが低い
- トレーナーとトレーニーの相性が悪い
- 仕組み化できていない
- 時間的に余裕がない
- 現場で放置状態になっている
トレーナーの指導スキルが低い
「個人の業績がよい、経験やスキルが豊富だから」といって、指導者に向いているとは限りません。業務を遂行する能力と人を指導する能力は、まったく別物です。後述する「OJTのトレーナーに向いていない人とは」に当てはまる場合には、別の人材を選ぶことも検討するとよいでしょう。
指導者としてのスキルは、トレーナー研修で補完することもできます。現時点で適切な人材が見つからない場合は、トレーナーを育成する研修から始めることも検討しましょう。
また、トレーナーの熱意もOJTの成果に大きく影響します。部下や後輩に対して「愛情をもって育てられるか」という観点での人選も重要です。加えて、OJTの成果を人事考課の項目に加えるなど、トレーナーの熱意を保つための評価制度も有効といえます。
トレーナーとトレーニーの相性が悪い
たとえば、自分で考えて行動したい自律型の部下と、細かくプロセスを管理したい指示型の上司との組み合わせでは、双方にストレスがたまります。縛られたくない部下はますます相談を避け、上司はさらにいら立ちを覚えるようになり、お互いや周りの雰囲気も悪化していくでしょう。
トレーナーを選出する際には、トレーニーとの相性を十分考慮することが重要です。
仕組み化できていない
「OJTは現場の実践スキルを教えるものだから」と、人事が適切に主導せず「丸投げ」しているようでは、なかなかうまくいきません。仮に問題なく見えたとしても、行き当たりばったりのOJTに継続性と再現性は望めないでしょう。
OJTの成果を最大限引き出すためには、目標や計画を立てたうえで、基本の4ステップにしたがって進めることが重要です。はじめの導入時は労力がかかりますが、一度自社ならではのOJTを仕組み化できれば、その後の育成がスムーズになります。現場と人事との連携もしっかり取っていきましょう。
時間的に余裕がない
限られた時間の中でOJTを成功させるには、自社の現状に合わせた無理のない設計が必要です。具体的には、以下のような方法が考えられます。
- OJTの実施期間を見直す(長くする・短くする)
- OFF-JTとうまく組み合わせる
- 仕組み化でOJTの効率を上げる
- 新入社員の採用ペースを見直す
- 人材育成に役立つツールやシステムを活用する
なかでも、今の時代に積極的に活用したいのは、人材育成に役立つツールやシステムです。
たとえば「ミイダス」の「コンピテンシー診断(特性診断)」なら、社員の行動特性を簡単にデータで確認できるうえ、上下関係の相性やストレス要因なども一目でわかります[※1][※2]。トレーナーの選出時にも大いに役立つでしょう。
時間の余裕がない企業こそ、便利な外部ツールを上手に使い、効率よくOJTを進めることがポイントです。
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現場で放置状態になっている
放置されたトレーニーは不安を覚え、仕事のモチベーションが下がってしまいます。当然、OJTの育成効果は期待できず、離職してしまうリスクも高まるでしょう。
そのような事態を防ぐには、トレーナーとトレーニーの両方に対する十分なフォローが重要です。定期的な面談や普段のコミュニケーションから、問題が発生していないかをこまめに把握することが求められます。
OJTのトレーナーに向いていない人とは
ここでは、OJTのトレーナーに向いていない人の特徴を解説します。当てはまる場合は、すぐにトレーナーに選出するのではなく、まずはトレーナーとしての育成を試みたうえで適任かどうか見極めていくとよいでしょう。
- 業務上の経験やスキルが不足している
- コミュニケーション能力が低い
- 目的や方針を理解できていない
業務上の経験やスキルが不足している
とはいえ、トレーニーの身近な相談相手にもなるため、あまりに年齢やキャリア、立場が離れすぎていると望ましくありません。ある程度の経験やスキルがあり、かつ新人の頃の不安や悩みにも共感できる人材が適任でしょう。比較的若手のトレーナーであれば、OJTを通じて本人の成長も期待できます。
コミュニケーション能力が低い
適切なコミュニケーションは「伝える」「受け取る」「読み取る」の3つで成立します。OJTでも一方的に教えるのではなく、相手の成長を親身に考え、双方向にスムーズな意思疎通ができる人材を選びましょう。
関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方
目的や方針を理解できていない
- 新入社員や新規配属社員の早期戦力化
- 業務の効率化
- 新入社員の不安解消
- 新入社員の離職防止(定着率アップ)
これらの目的や育成方針を理解できない、もしくは忘れて場当たり的に進めてしまうタイプはトレーナーに向きません。
OJTは現場での訓練ではありますが、企業として取り組む重要な人材育成プロジェクトです。人事と連携し、目的意識をもって指導できる人材が理想的といえるでしょう。
OJTの成功には人材アセスメントツール「ミイダス」の活躍ラーニングがおすすめ

OJTを効果的に実施するには、人材育成に役立つツールの活用がおすすめです。
人材アセスメントサービス「ミイダス」なら、独自のオンラインテスト「コンピテンシー診断(特性診断)」を用いて、社員の行動特性(コンピテンシー)計52項目を簡単に可視化できます[※1][※2]。OJTでは、以下のような場面で役立つでしょう。感覚に頼る人材育成ではなく、データに裏付けられたOJTを実現できます。
- OJTの目標を定めるとき:すでに自社で活躍している社員の行動特性を知ることで、育成のゴールの目安にできる
- トレーナーの選出をするとき:社員の「上司・部下としての傾向」「ストレス要因」がわかるため、適切な人材を選べる
さらにミイダスなら、コンピテンシー診断(特性診断)で得た結果をもとに、社員ごとに適した研修を受けられる「活躍ラーニング」というサービスも受けられます[※1]。
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[※1]採用機能のみをご利用中の企業さまは、定着ブランディングの基本機能を追加費用なしでご利用いただけます(最大30ID分に限る)。
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OJTに関するよくある質問
- Q
OJTとは?
- A
OJT(オージェーティー)とは「On-the-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」を略した言葉で、「職場内訓練」「実地研修」を意味します。
OJTは、職場で実際に働きながら業務への理解を深め、仕事に必要な知識やスキルを習得させる、新人教育の代表的な手法です。
具体的には、上司や先輩がトレーナーとして新入社員・新規配属の社員につき、計画されたプログラムに沿って指導します。座学では身につけにくい実践的なスキル・知識を習得させられるため、多くの企業が採用している教育手法です。 - Q
OJTとOFF-JTの違いとは?
- A
OFF-JT(オフジェーティー)とは「Off-the-Job Training(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略で、職場や通常の業務を離れた場所で実施する教育手法です。
OJTでは実践的な知識・ノウハウを学びますが、OFF-JTでは通常業務で習得できない知識や情報のインプットが中心です。

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