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ワークアウトとは?ビジネスにおける意味と得られる効果、実施手順を解説

「組織の課題解決が思うように進まない」
「現場からの改善提案が上がってこない」
「部門間の連携が悪い」
こうした悩みを抱える企業に注目されているのが「ワークアウト」という手法です。GEの伝説的経営者ジャック・ウェルチが考案したこの手法は、現場の声を活かしながら迅速な意思決定と実行を実現し、組織を活性化させます。

本記事ではワークアウトの定義と成功のポイントを、くわしく解説します。

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ワークアウトとは?ビジネスにおける意味

辞書
ワークアウトとは、現場の社員が中心となって組織の課題解決に取り組み、そのアイデアを迅速に実践する組織開発手法です。一般的に「ワークアウト」という言葉は、自分の身体を鍛えたり、見た目をよりよくしたりするための運動を指します。

しかしビジネスの文脈では、価値のない仕事(work)をはじき出す(out)という意味で使われるのです。

現場の社員が課題解決策を議論し、そのアイデアをスピーディーに実行に移すー。ワークアウトでは、その一連の取り組みの中で業務改善や組織改革の実現を目指します。

以下の記事では組織開発について、くわしく解説しています。

【関連記事:組織開発とは?基本の流れと目的別フレームワークを解説

ワークアウトの発祥と歴史

アメリカ国旗
ワークアウトは1980年代後半にアメリカの大手企業GE(ゼネラル・エレクトリック)の元CEO、ジャック・ウェルチ氏によって開発されました。当時のアメリカでは、コスト削減を目的とした合理化施策「ダウンサイジング」が行われた結果、深刻な人手不足に陥っていたのです。

さらにGE社内では官僚的な体質が蔓延。社内の風通しの悪さや非効率な業務、意思決定の遅さが問題視されていました。そこでウェルチ氏は、組織の問題点を抜本的に改善すべく、ワークアウトという手法を考案したのです。

ワークアウトでは社員自身が解決策を考案し、その検討をクロスファンクショナルなチームで行います。そして解決策はトップに直接提言され、トップは即断即決で判断を下すという、官僚制とは正反対の施策でした。

この新たな手法の導入により、GEはカルチャー改革に成功。GEは世界有数の革新的な企業の一員となったのです。

ワークアウトと類義語との違い

筆
ワークアウトにはワークショップや研修など、一見類似しているように見える手法がありますが、目的や進め方に大きな違いがあります。

ワークアウトを正しく理解し、効果的に活用するためにも、これらの違いを把握しておきましょう。

ワークアウトとワークショップの違い

ワークショップは、参加者が主体的に関わる体験型の学習形態を指します。グループディスカッションやブレインストーミングがその例です。

ワークショップの目的は、参加者から気づきや新たなアイデアを引き出すこと。ワークショップでは、何らかの意思決定はありません。

一方、ワークアウトは組織の改革や課題解決が目的で、最終的な意思決定を伴います。提案が承認されれば、即座に実行に移されるのがワークアウトの特徴です。

ワークアウトと研修の違い

研修とは業務遂行に必要な知識やスキルの習得を目的とした教育活動です。勉強会や講座、eラーニングなどが研修の代表例として挙げられます。

一方ワークアウトの主眼は課題解決です。参加者が自ら解決策を考え、責任者(スポンサー)に提案します。

研修では学んだことを実践に移すまでに時間を要するケースが多く、ワークアウトでは提案の採用と実行がセットになっている点が特徴的です。

また、ワークアウトには人材育成の側面もありますが、あくまで課題解決を通じた副次的な効果と捉えるべきでしょう。

このようにワークアウト、ワークショップ、研修はそれぞれ異なる目的と特徴を持っています。組織の抱える課題や目指すゴールに合わせた、適切な手法の選択が肝要です。

状況に応じて、これらを使い分けることも有効でしょう。

以下の記事では「集合研修」や「OJT」について、くわしく解説しています。

【関連記事:集合研修とは?オンライン研修と組み合わせるメリットや内容を解説

【関連記事:OJTとは?意味をわかりやすく解説!OFF-JTとの違いや研修の進め方など

このようにワークアウトは他の手法とは異なる独自の特徴を持っています。では、具体的にワークアウトを特徴づける要素とはどのようなものでしょうか。

ワークアウトにおける特徴的な3つの要素

ハート
ワークアウトには以下3つの特徴的な要素があります。
  • タウンミーティング
  • トップの迅速な意思決定
  • チームメンバーへの権限委譲
それぞれ見ていきましょう。

タウンミーティング

一般的に「タウンミーティング」は政治家と地域住民の話し合いの場として知られていますが、ワークアウトにおけるタウンミーティングでは従業員が経営者へアイデアを提案する場となります。

いわばこのタウンミーティングが、従業員と経営陣の架け橋となるのです。

チームメンバーはディスカッションの結果、導き出した改善策を経営陣にプレゼンし、採否を仰ぎます。

トップの迅速な意思決定

ワークアウトではチームメンバーから出された改善案を、責任者(スポンサー)がその場で決断します。もしその場で結論を出せない場合でも、期限を区切って必ず決定を下すのがワークアウトの原則です。

単なる意見交換の場ではなく、具体的なアクションにつなげるため、ワークアウトでは決断のスピード感を重視しています。現場の意見を組織の意思決定に反映させ、迅速に実行に移す。これら一連の流れにより、組織の俊敏性を高められるでしょう。

チームメンバーへの権限委譲

提案が承認されたら、責任者からチームメンバー内の実務担当者に権限が委譲され、実現に向けた具体的な活動が始まります。

マネジメント・ヒエラルキーの中で埋もれがちだった「現場の声」が、ワークアウトを通じて即座に実行に移されるのです。組織の問題解決と変革の実現に向けて、現場主導で取り組みが進められます。

以下の記事では「権限委譲」について、くわしく解説しています。

【関連記事:権限委譲とは?導入の目的やメリット、やり方を解説

これらの特徴を効果的に機能させるため、ワークアウトには明確な役割分担が必要です。続くセクションでは、ワークアウトを成功に導くために必要な参加者とその役割について説明します。

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ワークアウトの参加者

会議室
ワークアウトでは以下の役割の担当者が必要となります。
  • 責任者(スポンサー)
  • 進行役(ファシリテーター)
  • ワークアウト・コンサルタント
  • チームメンバー

責任者(スポンサー)

スポンサーはおもに社長や役員などの経営陣が担い、ワークアウト全体の方向性を定めます。ワークアウトで議論する課題設定もスポンサーの仕事です。

ワークアウトプロジェクトの予算管理を担うとともに、現場から提案されたアイデアについて、組織全体の利益の観点から採否を判断します。

チームメンバーの声に真摯に耳を傾けながら、経営者としての視点で適切な判断を下す努力が求められます。

進行役(ファシリテーター)

進行役(ファシリテーター)は、ワークアウトにおける議論の司会進行役を務めます。チームメンバー間の意見交換が活発に行われるよう、中立的な立場から議論を整理し、話し合いを促進します。

建設的な議論を引き出すファシリテーション・スキルが求められる役割です。

以下の記事では、ファシリテーターの役割や求められるスキルついて、くわしく解説しています。

【関連記事:ファシリテーターとは?役割や求められるスキル、注意点を解説

ワークアウト・コンサルタント

ワークアウト・コンサルタントは、ワークアウトの経験と専門知識を持った外部の助言者です。ワークアウトで議論する課題明確化のサポートや、ワークアウト運営のアドバイスなどを担います。

社内にはないノウハウを提供し、客観的な視点でワークアウトの設計や運営を支援するのがワークアウト・コンサルタントの責務です。

場合によっては、ファシリテーターを兼任することもあります。

チームメンバー

チームメンバーは、基本的に各部署や現場の第一線で働く社員たちで構成されます。日頃の業務で感じている課題や改善案を持ち寄り、ワークアウトの場で議論します。

スポンサーに採用された提案の実行に際しては、自らがリーダーシップを発揮して、改革を推進するのもチームメンバーです。

このように、ワークアウトはさまざまな役割を持つメンバーが協力して進める取り組みです。では、こうした体制で実施するワークアウトは、組織にどのような効果をもたらすのでしょうか。

ワークアウトを実施するメリットや期待される効果

波紋
ワークアウトを導入することで、組織にさまざまなポジティブな変化がもたらされます。
  • 組織風土や企業文化を変革できる
  • 次世代リーダー育成につながる
  • 現場目線の改善策が生まれる
ここでは、ワークアウトに期待される主な効果を3つ紹介しましょう。

組織風土や企業文化変革につながる

ワークアウトを継続的に実施すると、組織全体に改善意識が浸透していきます。GEではかつて蔓延していた官僚主義的な風土を、ワークアウトの定着によって打破することに成功しました。

職位や年齢に関係なく自由に意見交換できる場を設けることで、コミュニケーションが活性化し、風通しの良い組織文化が育まれるでしょう。

また、経営陣は現場の生の声に触れるなかで、課題への理解を深め、迅速な意思決定が可能になります。組織風土の変革には時間を要しますが、ワークアウトを地道に積み重ねることで、着実に企業文化を変えられるでしょう。

次世代リーダー育成につながる

ワークアウトへの参加を通じて、従業員は問題解決力や意思決定力を磨けます。また、経営者の視点に触れる機会にもなるため、経営全般への理解も深まります。

将来のリーダーには、経営的な視座を持ちながら課題にアプローチする姿勢が不可欠です。ワークアウトは、まさにそうした力を育むのに最適な場だと言えるでしょう。

なかには、半年から1年かけて、参加者自身が課題解決策を立案するタイプのワークアウトもあります。上司の巻き込みも図りながら、戦略立案スキルやリーダーシップを実践的に学べる貴重な機会となるのが、ワークアウトです。

組織のリーダー育成に関しては以下の記事でよりくわしく解説しています。

【関連記事:リーダー育成を成功させるには?難しいと言われる理由やポイントを解説

【関連記事:サーバントリーダーシップとは?特徴やビジネスで求められる背景を解説

【関連記事:オーセンティックリーダーシップとは?意味や注目されている理由を解説

【関連記事:シェアド リーダーシップとは?メリットデメリット・実現方法を解説

【関連記事:リーダーシップとは?マネジメントとの違いや求められる資質、見極めに使えるツールも紹介

現場目線の改善策が生まれる

ワークアウトでは、現場目線の生きたアイデアが続々と生まれます。社員同士が経験を共有し、知恵を出し合うなかで、実践的な改善策が生み出されるでしょう。

トップダウン式では現場の実情が反映されにくい面がありますが、ワークアウトは現場とトップの橋渡し役となります。現場の知見を引き出し、トップの理解を得ることで、組織の課題解決力は飛躍的に高まるでしょう。

このように、ワークアウトには組織変革の起爆剤となるさまざまなメリットがあります。企業文化の刷新や人材育成、ボトムアップ型の改善など、その効果は多方面に及ぶのです。

組織の力を最大限に引き出したい経営者にとって、ワークアウトは非常に魅力的なアプローチと言えるでしょう。

以下の記事では「トップダウン」「ボトムアップ」について、くわしく解説しています。

【関連記事:トップダウンとは?メリット・デメリットやボトムアップとの違いを解説

ワークアウトの実施手順

ステップバイステップ
ワークアウトを成功させるには、一定の手順に沿って進めることが重要です。ここでは、ワークアウトの基本的な流れを6つのステップに分けて解説します。

組織の課題解決に取り組む際の参考にしてみてください。
1. 討議する課題を決める
2. ワークアウトの参加者を決める
3. 課題の解決策を議論する
4. スポンサーに改善案を提案する
5. スポンサーが改善案の採否を明言する
6. 改善案を実施する
順にくわしく解説します。

【手順1】 討議する課題を決める

まず経営陣をはじめとするスポンサーが、ワークアウトで取り上げるテーマを決定します。各部署のリーダーにヒアリングし、組織が抱える問題点を洗い出していくわけです。

そのなかから最も大きな効果が期待できる課題を選定しましょう。短期間で改善が見込め、かつ挑戦的な課題が望ましいとされています。

たとえば「残業時間を2割削減する」「接待費の削減方法を検討する」などが挙げられます。課題の選定にあたっては、外部コンサルタントの知見を借りるのも有効です。

以下の記事では組織課題の見つけ方をくわしく解説しています。

【関連記事:組織課題の見つけ方は?具体例や解決手順、フレームワークを紹介

【手順2】 ワークアウトの参加者を決める

設定された課題に取り組むのにふさわしいメンバーを選抜します。ワークアウトでは8〜10人程度のチームを編成するのが一般的です。

部署や職位を超えて多様なメンバーが集まると、革新的なアイデアが生まれやすくなります。ただし、同じチームに直属の上司と部下が入るのは避けたほうが賢明です。

自由闊達な議論の妨げになるおそれがあります。メンバー選びは慎重に行いましょう。

【手順3】課題の解決策を議論する

選ばれたメンバーが一堂に会し、与えられた課題について議論を交わします。実現可能性や効果を吟味しながら、最適な改善策を練り上げていきます。

議論を重ねる中で、スポンサーへ提案する内容を絞り込みましょう。

【手順4】 スポンサーに改善案を提案する(タウンミーティング)

ワークアウトの最終セッションとして「タウンミーティング」を開催します。メンバーが導き出した改善策を経営陣に提案し、その採否を仰ぎます。

最終的にスポンサーへの提案内容を決定し、いよいよ、最終判断の場であるタウンミーティングへと進みます。

【手順5】スポンサーが改善案の採否を明言する

提案を受けたスポンサーは、その場で決断を下します。YES、NO、または判断保留の3ついずれかの回答を示さなければなりません。

その場で結論を出すスピード感こそ、ワークアウトの真髄と言えるでしょう。

NOと判断した場合には、反対の理由をメンバーに明確に説明する必要があります。また、判断を保留する場合は、追加の判断材料をいつまでに提出するよう、メンバーに指示します。

先延ばしは厳禁です。

【手順6】 改善案の実施

スポンサーの承認を得られた改善案は、速やかに実行に移します。チームメンバーがリーダーシップを発揮し、責任を持って改革を推進しましょう。

以上がワークアウトの基本的な進め方です。現場の知恵を引き出し、トップの意思決定を仰ぎながら、組織の課題解決を図りましょう。

ワークアウトを有効に機能させるには、この一連の手順をしっかりと踏襲することが肝要です。しかし、これらの手順を効果的に実施するためには、いくつかの重要なポイントと注意点があります。

次のセクションでは、ワークアウトを成功に導くための具体的なポイントについて解説します。

ワークアウト成功のポイントと注意点

注意
ワークアウトを実施する際は、以下の点に注意して進めましょう。

スポンサーはその場で提案の採否を決める

チームメンバーが立案した改善案に対し、スポンサーはその場で採否を明言することが重要です。明確な判断を下すことで、参加者のモチベーションを維持できます。

またその場で判断を下すことで、議論が長引くことなく、スピーディーに次のアクションに移せます。ワークアウトの目的は、組織の問題点を迅速に改善することにあります。

スポンサーが的確な判断を下すことで、ワークアウトの効果を最大限に発揮できるのです。

建設的な意見の交換を意識する

参加者全員が建設的な議論を心がけましょう。組織の課題を話し合う際は愚痴や批判に終始しがちですが、それでは生産的な意見交換にはなりません。

問題の改善策を見出すことに注力し、アイデアを自由に出し合える雰囲気作りを意識しましょう。ファシリテーターが冒頭で、参加者に建設的な態度を要請するのも効果的です。

以下の記事では心理的安全性について、くわしく解説しています。

【関連記事:心理的安全性とは?意味や組織へのメリット・高め方を解説【人事必見】

以下の記事では、自分も相手も尊重しながら自己表現するコミュニケーション手法「アサーション」について解説しています。

【関連記事:アサーションとは?職場で実践するメリットやトレーニング方法などを解説

外部のコンサルタントを採用する

ワークアウトの導入初期は、外部のコンサルタントの起用を検討しましょう。社内メンバーだけで進行すると、組織のトップを前にして本音を言いづらくなるケースもあります。

ワークアウトの熟練者であるコンサルタントにサポートしてもらえば、円滑に議論を進めやすくなるでしょう。経験豊富な外部専門家の知見は、ワークアウトの質を高めるために有効です。

フォローアップを怠らない

ワークアウトで出された提案は、実行に移してこそ意味があります。しかし、日々の業務に追われるうちに、改善策が形骸化してしまうケースも少なくありません。

ワークアウトの効果を持続させるには、定期的なフォローアップが欠かせません。提案の実施状況を確認し、必要に応じて軌道修正を図ることが重要です。

また、改善策の成果を可視化し、社内に共有することも大切です。ワークアウトの意義が実感できる場を設けることで、社員のモチベーションを維持できるでしょう。

さらに、ワークアウトで得られた知見を、次回以降に活かすことも忘れてはなりません。振り返りを通じて、ワークアウトの進め方自体を改善していくのです。

ここまで、ワークアウトの実施手順とポイントについて説明してきましたが、具体的にどのように企業で活用されているのでしょうか。次は、実際の企業での導入事例を見ていきましょう。

ワークアウトの実施例

ドーナツ
ある外食チェーンA社の事例を通して、実際の企業でワークアウトがどのように実践されているか紹介します。

以前のA社では、トップダウンの意思決定が主流で現場スタッフの意見が反映されにくい風土でした。しかし、2002年に発生した肉まんの無認可添加物使用問題を機に、品質管理強化への意識が高まりました。

問題の論点を明確にし改善し続ける仕組みが必要となったA社は、ワークアウトを導入。

当初は「忙しくて時間がない」「やる意味がない」といった反発の声もありましたが、顧客満足度向上に向けた店舗の取り組みが奏功し、成功事例が共有されるにつれ、徐々に社内に浸透していったそうです。

全従業員参加型の課題解決の仕組みを構築し導入したことで、現場で自らが気づいて意識を変えなくてはという基盤ができました。現在は「新商品の売上不振」など具体的な課題に対し、スタッフ自ら要因分析を行い「お客様へのおいしさ訴求を徹底する」などの目標を立てて改善に取り組んでいます。

A社の事例は、現場主導の課題解決が組織に根付いてきた好例と言えるでしょう。ワークアウトを導入することで、現場の意見を吸い上げ、迅速な改善につなげられます。

企業の変革を推進する上で、ワークアウトは有効な手段の一つと言えます。

はじめてワークアウトを実施する企業へのアドバイス

パソコンに夢中になるビジネスパーソン
ワークアウトを導入するにあたり、経営陣の巻き込みや外部コンサルタントの起用に二の足を踏む企業もあるかもしれません。

また数日に及ぶ本格的なワークアウトの実施にハードルの高さを感じる方もいるでしょう。そこでここでは、スモールステップで効果的に始める方法を2つ紹介します。

エクスプレス・ワークアウトから始めてみる

導入初期は1日で完結できるテーマを選んで「エクスプレス・ワークアウト」から始めるのがおすすめです。

通常は経営トップクラスがワークアウトの意思決定者となりますが、エクスプレス版では各現場の最高責任者がその役割を担います。たとえば工場であれば、社長ではなく工場長が意思決定の采配を振るわけです。

ウェルチと共にワークアウト理論の開発・普及を担ったメンバーが執筆した『GE式ワークアウト』には、実際のGE工場で行われたエクスプレス・ワークアウトの進行表が掲載されています。

まずはそれを参考に、気軽に取り組んでみると良いでしょう。
【GEの工場におけるエクスプレス・ワークアウト】

8:00 A.M.
最新の業務概況(工場長)

8:30 A.M.
ワークアウト概要説明、チームへのイントロダクション、ウォーミングアップ・エクササイズ(ファシリテーター)

10:00 A.M.
ワーキング・セッション(チームはそれぞれの小会議室に集合)

チーム1: タイムカード
タイムカードは必要か。そうでなければ、スケジュール遵守と適正な給与支払いを実現するにはどんな代替案があるか

チーム2: 技術部門工数管理シート
管理シートは必要か。必要なければ、どうしたら技術コストを調査できるだろうか

チーム3: 予算割当要求
予算決定までのプロセス合理化とリードタイム短縮はどうすれば可能か

チーム4: 月次報告
月間の活動を効率よく報告するにはどうすればよいか

チーム5: 会議
どの会議が必要か。どの会議は中止あるいは効率化できるか。すべての会議を効率よく行うためにはどうすればよいか

12:00 P.M.
昼食(全員が、他チームのメンバーと隣り合って座る。そしてアイデアや意見、情報の交換をする)

1:00 P.M.
ワーク・セッション(チームでの話し合いを継続。主な仕事は、プレゼンテーションの準備)

2:30 P.M.
タウンミーティング(各チーム20〜30分以内でプレゼンテーションと議論を行う)

5:00 P.M.
終了

出典:デーブ・ウルリヒ/スティーブ・カー / ロン・アシュケナス (著)『GE式ワークアウト』p89

組織の現状を客観的に把握してから臨もう

ワークアウトの成果を左右するのが「課題設定」です。組織の実情を踏まえた的確な課題は、参加者の意欲を高め、納得感のある結論を導きやすくなります。

適切な課題を設定するには、自社の状態を客観的に把握するのが重要です。その手段としてミイダスの「組織サーベイ」や「バイアス診断ゲーム」の活用をおすすめします。

組織サーベイは、毎月5分程度の簡単なアンケートを通して、社員のモチベーションを可視化し、組織の課題を浮き彫りにするツールです。また、バイアス診断ゲームを通じて、自社の意思決定に影響を与える認知バイアスを特定できます。

これらを用いて組織の現状を多角的に分析しておけば、ワークアウトのテーマ設定も的を射たものになるはずです。自社に合った切り口の課題を投げかけることで、ワークアウトの効果を最大限に引き出せるでしょう。

以下の記事では、ミイダスの組織サーベイやバイアス診断ゲームについて、くわしく解説しています。

【関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介

【関連記事:ミイダスのバイアス診断ゲームとは?活用して優秀な人材を採用する方法を紹介

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ワークアウトで組織変革を実現しよう

談笑中の女性
記事内容を振り返ります。ワークアウトとは、GE社のジャック・ウェルチ氏が考案した組織変革手法です。

現場社員がチームを組んで課題解決策を立案し、経営トップに直接提案・即断を仰ぐことで、風土改革と人材育成の両立を図ります。

成功のカギは組織トップの決断力と、建設的な議論を促す参加者の意識にあります。外部コンサルタントの知見を借りるのも有効です。

導入にあたっては、1日で完結するテーマから始める「エクスプレス・ワークアウト」がおすすめです。またアセスメントツールを用いて自社の状況を可視化しておくと、集中的に議論すべき課題が明確になります。

自律的な問題解決を社内に根付かせ、社員のモチベーション向上や次世代リーダー輩出につなげていくために、ワークアウトを組織変革の起爆剤として活用してみてはいかがでしょうか。

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