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週休3日制とは?メリット・デメリットや導入のポイント、事例などを解説

働き方改革が進む中、週休3日制を導入する企業が出てきています。しかしデメリットや導入方法などが気になって、導入に踏み切れないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、週休3日制の概要から、企業側のメリット・デメリット、導入した企業の事例などを解説します。記事を読むことで週休3日制に対する理解が深まり、導入するかどうか決めるうえで参考となるはずです。新しい働き方の導入を検討している経営者や企業担当者の方は、ぜひ最後までお読みください。

なお週休3日制は、従業員によっては「かえって仕事の負担が増した」「休みが増えたけれど給与が減ってしまった」と不満を覚える人が発生する恐れもあります。週休3日制を導入するなら、従業員のストレス状態を把握し、早期に適切なアプローチを行いましょう。

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週休3日制とは?

黒板に書かれた「週休3日制」
週休3日制とは、1週間のうち3日を休みとする勤務形態のことです。日本では週休2日制を導入している企業が一般的ですが、ここからさらに休みを1日増やします。週休3日制を導入することで、従業員側には下記のようなメリットがあると言われています。
  • 育児や介護などで週5日の勤務が難しい人を雇用しやすい
  • 会社に拘束されない日が増えるため、大学での学び直しやボランティア活動などを行いやすい
  • 副業(複業)を希望する人が働きやすい など
企業側のメリットは後述します。なお週休3日制は、義務ではなく企業側が任意で選択できる勤務形態です。また現状は、希望した人のみ週休3日制を適用する、という運用を行っている企業が多い印象です。

参考:週休3日制|厚生労働省

日本の一部自治体が試験的に導入

一部の自治体でも週休3日制の導入をしており、話題になっています。

たとえば東京都では、2025年4月から週休3日制を選択できる勤務形態を導入すると発表し、話題になっています。また千葉県では、2024年6月から週休3日も可能なフレックスタイム制を導入しました。ほかにも茨城県や岩手県久慈市などで、週休3日を実現できる勤務形態の導入を進めています。

このように民間企業だけでなく、自治体でも週休3日を実現できる働き方の導入が進んでいます。

週休3日制の義務化はいつから?

2024年12月時点では、週休3日制の導入を企業の義務とする予定はありません。週休3日制を導入するかどうかは、あくまで企業側の自主判断となります。

労働基準法では基本的に、週に1日は休日を与えていれば問題ないと記載されています。
(休日)
第三十五条使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
②前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
引用:労働基準法|e-GOV法令検索

週休3日制の導入パターン

「働き方」とビジネスパーソンの人形
週休3日制は下記3つのパターンに分けられます。
  • 給与維持×労働時間減少パターン
  • 給与減少×労働時間減少パターン
  • 給与維持×労働時間維持パターン
企業側のニーズや従業員からの希望をもとに、どちらのパターンが自社にとって適しているか判断しましょう。それぞれどのような特徴があるのか解説します。

給与維持×労働時間減少パターン

「給与維持×労働時間減少」は、従来の「1日8時間×週5日=週40時間」から「1日8時間×週4日=週32時間」へと移行するパターンです。

従業員側としては、同じ給与を得ながら労働時間が短くなるので嬉しいパターンです。しかし企業側としては、従業員の働く時間が減るのに以前と同じ給与を払い続けなければなりません。このパターンで週休3日制を導入するなら、生産性の向上が必要不可欠です。

たとえばITツールを導入して生産性を向上させたり、業務フローを見直して不要な仕事をカットしたりといった対策が考えられます。

給与減少×労働時間減少パターン

「給与減少×労働時間減少」は、労働時間が減るのに比例して給与も減るパターンです。

たとえば週40時間労働から週32時間労働、つまり労働時間が80%削減される場合、給与も従来から80%減少します。企業側としては労働時間と支払う給与が連動するため、比較的導入しやすい仕組みです。しかし従業員側としては、給与が減ってしまうため不満を覚える人もいるでしょう。

従業員の副業を認めて給与が減少する不満を和らげたり、出勤日が1日少なくなるため業務をカバーできるよう新規人材を採用・育成したりする、といった対策が企業側に求められます。

給与維持×労働時間維持パターン

現在の給与は維持する代わりに、1日の労働時間を延ばすパターンです。たとえば「1日8時間×週5日=週40時間」から「1日10時間×週4日=週40時間」といったイメージです。

労働時間は減少しないため、現行の給与を維持しやすいのが企業側のメリットといえます。しかし従業員が出勤しない日が週に1日できてしまうため、顧客からの問い合わせに対応したり店頭に立ったりする人材の補充または既存人員でのカバーが必要になるでしょう。

従業員も、給与は減らず休みが増えるため喜ぶ人もいます。しかしなかには、1日の労働時間の増加を嫌う人も発生するでしょう。

週休3日制を導入する企業側のメリット

水曜日休みの週休3日制のイメージ
企業にとって週休3日制は、下記のメリットがあると言われています。
  • 採用力が向上する
  • 生産性が向上する
  • 従業員のスキルアップを促しやすい
  • 従業員満足度が高まりやすい

採用力が向上する

週休3日制を導入している企業はまだまだ少数派です。そのため「週に3日も休める」と魅力を感じた人材から応募が集まりやすくなり、人材採用を行いやすくなるはずです。

厚生労働省の資料*によると、令和2年の調査では「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」の企業割合は8.3%、労働者割合は9.8%となっています。ただしこれは「月1回以上の週休3日制」に加えて「3勤3休」「3勤4休」などを含んだ数字です。つまり、週休3日制を導入している企業の割合は全体の1割にも達していません。

就活生や転職希望者に「週休3日制を導入している」とアピールすれば、ワークライフバランスを重視したい人や副業を頑張りたい人など、多様な人材からの応募が期待できます。

なお採用力をさらに強化するなら、面接で応募者を見極めることが重要です。そのためには適切な質問を用意しておくことが大切になります。具体的にどのような質問をすべきかは、下記からダウンロードできるお役立ち資料にまとめておりますので、ぜひチェックしてください。スタートアップの人事をはじめとした、採用に関わる人にとって必見の内容です。

*参考:結果の概要|厚生労働省

【無料ダウンロード】スタートアップ人事必見!令和版:採用面接の質問内容とは

生産性が向上する

週休3日制を導入する場合、限られた時間内に仕事を終わらせて休みを取ろうとするモチベーションが生まれるため、生産性が向上しやすくなります。仮に週休3日制を導入してもうまく仕事が回らない場合、週休2日に戻ってしまうリスクがあるためです。また休みが多いため仕事と休日のメリハリがつきやすく、生産性の向上が期待できます。

ただし人によっては業務の負担が重くなってしまったり、労働時間とともに給与が減少するパターンだと不満を覚えてしまったりする人も発生しやすいです。ITツールを導入したり不要な業務を見直したりして、無理をせず生産性を高めるための仕組みを用意することが企業側には求められます。

人材アセスメントツールを提供する「ミイダス」では、従業員のストレス診断の方法や生産性を向上させるヒントをまとめたお役立ち資料をご用意しています。下記から資料をダウンロードして、部下のストレスを随時正確に把握しつつ、適切なアプローチを行いましょう。

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従業員のスキルアップを促しやすい

休日を増やすことで「学び直したい」「資格を取得したい」「スキルアップしたい」と考えている前向きな従業員を応援できます。増えた休日を活用して資格取得の勉強時間に充てるなど、学ぶ時間を確保しやすくなるためです。

また従業員によっては副業を頑張り、新しいスキルや知見を身につけることが期待できます。社外で得た知識と経験を活かして、自社でのさらなる活躍が見込まれるでしょう。

なお従業員のスキルアップを促す施策の1つとして、人材アセスメントツール「ミイダス」では「活躍ラーニング」というサービスを提供しています。すき間時間で手軽にスキルアップできるうえ、個々のパーソナリティに合った講座が提案されるため効率的に学び直せます。サービスの詳細は下記をご確認ください。

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従業員満足度が高まりやすい

休みの日が増えるため従業員満足度が高まりやすい点も、週休3日制のメリットです。家族と過ごす時間を優先したり趣味を充実させたりと、プライベートを充実させやすいです。これにより、従業員の離職防止や働きがいの向上といった効果が期待できます。

人材アセスメントツール「ミイダス」では、従業員の働きがいを可視化できる「はたらきがいサーベイ」というサービスを提供しています。定期的に簡単なアンケートを通じて従業員の働きがいを可視化できるため、不調に陥っている社員を早期に発見してフォローしやすいです。はたらきがいサーベイの詳細は下記をご確認ください。

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週休3日制を導入する企業側のデメリット

考え事をするビジネスパーソン
週休3日制にはメリットもある一方、下記のようなデメリットも存在します。
  • 人事制度を見直す必要がある
  • 勤怠管理の手間が増える
  • 機会損失が発生するリスクが高まる
  • 人材採用コストが発生する恐れがある

人事制度を見直す必要がある

週休3日制を導入する場合、就業規則や勤務体系、評価制度の見直しが必要になるため、導入時にコストがかかります。

就業規則を変更する場合、労働基準監督署長に届出を提出する必要があるため手間がかかります。また週4日の出勤でも、お客様からの問い合わせに対応したり店舗の営業を今までどおり行ったりする場合、同じ日に従業員が休まないよう勤務体系の見直しも必要です。

人事制度も週5出勤を前提に作られているため、場合によっては大幅な見直しが必要になります。

【関連記事:【事例あり】中小企業の人事評価制度とは?導入率や作り方、人事課題などを紹介

勤怠管理の手間が増える

週休3日制を導入すると勤怠管理が複雑化するリスクがあります。

たとえばAさんは水曜日休み、Bさんは木曜日休み、Cさんは・・・、と人によって休みがバラバラになってしまいやすく、週5出勤よりも勤怠管理の手間は増してしまうでしょう。また「希望者にのみ週休3日制」という勤務形態を導入する場合、週休2日と週休3日の従業員が混在するため、さらに勤怠管理が複雑になります。

週休3日制にも対応した勤怠管理システムを導入するなど、対策を講じないと勤怠管理コストが高くなりやすいです。

機会損失が発生するリスクが高まる

自社で週休3日制を導入しても、取引先は週休2日で働いているケースが多いです。そのため取引先との打ち合わせの日程調整が難しくなったり、問い合わせに対してスピーディに対応するのが難しくなるかもしれません。

飲食店や小売店など一般消費者向けのビジネスであれば、営業日が短くなるリスクもあります。このような機会損失リスクを補うには、追加で人材を採用するか営業日そのものを減らす、もしくはシフトをうまく調整して既存人員でカバーできるよう考えなければなりません。

人材採用コストが発生する恐れがある

上述したとおり、週休3日制を導入すると出勤日が1日減るため、お客様からの問い合わせに対応できず機会損失が発生する恐れがあります。そのため休んだ人の穴を埋められるよう、人材を採用する必要に迫られる場合もあるでしょう。

既存の人員で仕事が回らない場合は、追加で人材を採用して、休んだ人の仕事をカバーできる体制を構築する必要があります。すると採用コストが発生するだけでなく、従業員が増えるため勤怠管理の手間も増えてしまいます。

対策として、人材採用や勤怠管理はツールを活用して効率化するのがおすすめです。「ミイダス」は過去の経験やスキルだけでなく、社風にマッチするかどうかを重視している採用支援サービスです。人材採用コストの低減を考えている方はぜひチェックしてください。

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週休3日制を導入する際のポイント

金曜日休みの週休3日制
週休3日制を成功させるには、導入する際に下記のポイントを注意しましょう。
  • 導入目的を明確にする
  • 運用体制および人事制度、給与体系を整備する
  • 従業員の副業を認めるかどうか決める
  • 利用期間の変更を行うタイミングを決める
なぜ上記のポイントを意識すべきか、詳しく解説していきます。

導入目的を明確にする

まずは、週休3日制を導入する目的を明確にしましょう。目的が明確になっていないと、導入後に効果検証ができません。

たとえば採用力を強化するため週休3日制を導入した場合、週休3日制の導入前後を比較して応募者が増えたか、自社の採用ターゲットとなる人材を採用できたか、といった点を比べられるはずです。もし導入目的が明確にいなければ、そもそも比較のしようがありません。

なぜ自社で週休3日制を導入するのか、目的を明確にすることが導入の可否を分かちます。なお、狙っていた効果が実感できない場合は週休2日制に戻すことも検討すべきです。

運用体制および人事制度、給与体系を整備する

週休3日制に変更しても混乱しないように、職場の勤務体制や人事制度の運用体制、給与体系を整備しましょう。週休3日の従業員をどのように人事評価するか、給与は変更するのかどうか、勤怠管理はどう行うのか、といった検討を行います。

現行の人事制度は、週5日の出勤を前提としている会社が多いはずです。週休3日を導入しても適切に従業員を評価したり労務管理の負担が増加しないよう配慮したりしましょう。

従業員の副業を認めるかどうか決める

週休3日で働く人の中には、休日は「アルバイトをしている」「個人事業主として別会社からの仕事を請け負って働いている」という人もいます。副業は雑誌でも特集を組まれたことがあるほど、世間的に注目されている働き方です。

しかし副業を認める場合、企業側は労務管理が煩雑になったり自社の仕事が疎かになったりする、といったリスクがあります。副業を認める場合はトラブルを避けるため、どこでどのような仕事をするのか事前に申告してもらうなど、対策を講じましょう。

【関連記事:副業禁止を解禁するには?メリット・デメリットや解禁方法、企業の実例を解説

利用期間の変更を行うタイミングを決める

会社によっては「週休2日」か「週休3日」かを半年〜1年に1回、従業員が自由に決められるところもあります。このような仕組みは、従業員がライフステージに合わせて適切な働き方を選択できるため、職場に対する満足度が高まるはずです。

週休3日制を導入する場合は、週休2日に途中から戻すことも選択できるようにするか、その場合はどのように制度を運用するか、週休3日制を導入する際に決めておきましょう。

週休3日制を導入している主な日本企業

笑顔のビジネスパーソン
週休3日制を導入している企業は少ないですが、実際に導入してうまく仕事を回している企業もあります。ここでは、週休3日制を導入している主な日本企業を紹介していきます。

みずほフィナンシャルグループ

株式会社みずほフィナンシャルグループでは、就業しない日を週に1日または2日設定できる勤務形態を採用しています。1日あたり7時間30分が所定労働時間となっており、就業しない日の給与は支給されません。

同社では「社内外で通用する人材バリューを最大化する」を目的に週休3(4)日制を導入。導入から2年が経過した時点では、制度の利用目的を達成して利用を終了した人も多く、好評の声も届いているとのことです。

参考:株式会社みずほフィナンシャルグループ 事由を問わず希望する社員が「週休3日・4日勤務」を選べる制度を導入|厚生労働省

ファーストリテイリング

「ユニクロ」ブランドなどを提供するファーストリテイリングでは、地域限定正社員で週休3日制を採用しています。週40時間労働となり、1日当たり10時間の勤務が求められる制度絵です。

転勤がなく休日を増やす働き方もできるほか、時短勤務や看護休暇(有給)など、子育てしながらでも働きやすい仕組みが整っています。

参考:地域正社員の制度|ユニクロ

リクルート

株式会社リクルートホールディングスでは、有給とは別に自分で自由に取得できる年間休日を増やしており、年間平均で週休2.8日となる、実質的な週休3日制を導入しています。労働時間と給与は導入以前と変わりません。

また同社ではリモートワークの推進など「1人ひとりが自立して働き方を選択できる」取り組みを行っているなど、柔軟性の高い働き方の推進を進めている様子が伺えます。

参考:国内7社統合を機に、1.6万人で新しい働き方を推進 -多様な人材が、より柔軟に、創造性を発揮して働くための人事制度改訂-|リクルート

週休3日制を導入している海外の状況

海外ビジネスパーソン
海外でも週休3日制を導入する動きが見られます。

たとえば中国では、2030年までに全省で週休3日制の導入が提言されています*。またアメリカやカナダなどの諸外国も週休3〜4日もしくは時短勤務を実施しており、新しい働き方が定着しそうか見極めている状態です。**

週休3日制については試験的に導入している動きもあり、今後これが定着するかどうか海外でも注目されています。

*参考:週休3日制を段階的に導入|独立行政法人 労働政策研究・研修機構
*参考:「週休3日」で働く -働くスタンダードはどう変わる?-|リクルートワークス研究所

週休3日制のメリット・デメリットを見極めて導入するか検討しよう

ミーティングの様子
本記事では週休3日制について、制度の概要や企業側のメリット・デメリットについてご紹介しました。「新しい働き方」「多様な働き方」といった文言が様々なメディアで登場するようになるなど、私たちはいま「働く」という概念が大きく変わろうとしている時期を迎えています。

ただし週休3日制を導入するかどうかは、あくまで企業側が自由に判断することです。企業によっては導入が難しい場合もあるでしょう。しかし、週休3日制を導入できないか検討だけでもしてみてはいかがでしょうか。うまくいけば、多様な働き方を求める優秀な人材を採用しやすくなります。

ただし人によっては「週休3日制になってから仕事の負担やストレスが増えた」と感じる場合もあるでしょう。特定の人に負荷がかかりすぎると体調不良や離職の原因となります。下記のお役立ち資料を参考に、部下のストレス状況を把握してパフォーマンスを落とさないよう会社としてフォローしましょう。

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