人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
育成

【例文あり】報告書とは?種類や書き方、書く際のポイントを解説

「報告書ってどうやって書けばいいの?」
「部下に報告書を書いてもらう際にどのように教えたらいいかわからない」
このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。報告書とは、業務内容や調査結果、活動内容などをまとめて記述した文書のことです。 報告書には出張報告書や調査報告書などたくさんの種類があり、それぞれ書き方も異なります。

本記事では、報告書の意味や種類、作成する流れ、ポイントなどを解説します。なおミイダスでは採用に役立つ資料を無料で提供しています。こちらもぜひあわせてご活用ください。

スタートアップ人事必見! 令和版:採用面接の質問内容とは

報告書とは?意味を簡単に説明

報告書
報告書とは、業務内容や調査結果、活動内容などをまとめて記述した文書のことです。 特定の事柄について事実や状況を客観的に伝え、関係者の間で情報を共有するために作成されます。

報告書は単なる記録ではなく、今後の行動や意思決定の材料となる重要な資料です。そのため、正確でわかりやすい記述が求められます。

日報との違い

報告書と日報はどちらも業務に関する記録を残すためのツールですが、その範囲や目的、頻度が異なります。混同しやすい両者の違いを理解することで、それぞれの文書を適切に作成し、業務の効率化につなげられるでしょう。

報告書は特定の期間やテーマ、プロジェクトなどについて、その結果や課題などをまとめて報告するための文書です。日報よりも広範囲な情報を扱い、分析や考察を含める点が特徴といえます。報告期間は週ごと、月ごと、プロジェクトごとなどさまざまです。

一方で、日報は日々の業務内容を記録するための文書です。その日の業務内容や進捗状況、発生した問題点などを簡潔にまとめます。報告期間は1日単位で、毎日作成するのが一般的です。

レポートとの違い

報告書とレポートどちらも事実や分析結果をまとめた文書ですが、実際にはいくつかの違いがあります。報告書はおもに、業務の進捗状況や結果を関係者に伝えるために作成されます。そのため、客観的な事実を正確に記述することが重要です。

レポートは特定のテーマについて調査・分析を行い、その結果や考察をまとめたものを指します。独自の分析や見解を含めることが求められます。

たとえば営業活動の成果をまとめた「営業報告書」は、売上高や訪問件数といった事実を報告するものです。「市場分析レポート」は市場動向を分析し、今後の戦略を提案する資料です。
このように報告書とレポートは目的や内容、読み手が異なるため、それぞれの特性を理解し適切な文書を作成することが重要といえます。

報告書を作成する目的

グラフを見て話し合うビジネスパーソンたち
報告書を作成する目的として、以下のようなものが挙げられます。

1.状況共有の促進
2.記録の保存
3.説明責任の遂行
4.業務改善の実現
5.意思決定のサポート

それぞれの目的を説明します。

1.情報共有の促進

報告書の大きな目的の1つは情報共有の促進です。組織内における円滑な情報伝達は、業務効率の向上やチームワークの強化に欠かせません。報告書を作成し共有することで、複数の人が同じ情報を把握できるようになり、認識のズレや無駄な作業を減らせます。

たとえば営業担当者が顧客訪問後に作成する報告書は、ほかの営業担当者やマーケティング担当者にとって貴重な情報源です。顧客のニーズや市場の動向を共有することで、営業戦略の改善や新商品の開発につながります。

このように報告書による情報共有は、組織全体の成果向上に大きく貢献すると言えるでしょう。

2.記録の保存

報告書を作成することで、業務の進捗状況や結果、発生した問題点などを記録として保存できます。記録は後から振り返る際の貴重な資料となるものです。組織における知識やノウハウの蓄積にもつながります。

過去の記録を参照することで、以下のようなメリットがあります。
  • 同じような状況に直面した際の対応策を検討できる
  • 成功・失敗事例から業務改善に役立てる
  • 担当者が変更になった場合でも、スムーズに業務を引き継ぐ
また記録を保存することは、法的またはコンプライアンス上の要件を満たすためにも重要です。

たとえば特定の業界では、一定期間の業務記録の保存が義務付けられている場合があります。報告書を適切に作成・保存すれば、これらの要件に対応し組織を守れるのです。

3.説明責任の遂行

報告書は担当業務の進捗状況や結果について、説明責任を果たすための重要なツールです。組織や上司に対して業務の透明性を高め、責任ある行動を示す役割を担います。報告書を作成することで、自身の業務遂行能力を客観的に示すことができ、評価や信頼獲得にもつながるでしょう。

たとえばプロジェクトの進捗が遅延している場合、単に「遅れています」と報告するだけではなく、以下の内容を明確にする必要があります。
  • 遅延の具体的な要因
  • 現状の対策
  • 今後の見通し
このように報告書を通じて説明責任を果たすことは、組織内での信頼関係を構築し円滑な業務遂行を実現するために不可欠です。

4.業務改善の実現

報告書は業務プロセスや成果を振り返り、改善点を発見するためのツールとしても活用できます。以下のように現状の課題や問題点を明確にすることで、具体的な対策を立案し業務効率化や生産性向上につなげられます。
課題改善策報告書での活用例
作業時間が長い作業手順の見直し、ツールの導入各工程の所要時間を記録し、ボトルネックを特定
ミスが多いチェック体制の強化、研修の実施ミスの発生状況を分析し、原因を特定
顧客からのクレームが多い対応マニュアルの作成、顧客対応研修クレームの内容を分類し、傾向を分析
問題点を可視化し共有することで、組織全体で業務改善に取り組めます。継続的に報告書を作成し、分析することで、PDCAサイクルを回しさらなる業務改善を実現できるのです。

5.意思決定のサポート

報告書は経営層や上司が適切な意思決定を行うための重要な材料となります。客観的なデータや分析に基づいた報告書は、現状の課題や将来のリスクを明確にし、進むべき方向性を示唆する役割を果たします。そのため、経営層はよりたしかな情報に基づいて重要な意思決定を行えるのです。

報告書の種類

グラフを眺めているミニチュア
報告書と一口に言っても、さまざまな種類があります。
  • 業務報告書
  • 調査報告書
  • 決算報告書
  • 出張報告書
ここでは一部の報告書について説明します。

業務報告書

業務報告書とは、日常の業務や特定のプロジェクトの進捗状況、成果、課題などを報告するための文書です。上司や関係者への情報共有をおもな目的として業務の透明性を高め、円滑な連携を促進する役割を担います。

業務報告書には日次・週次・月次など、定期的に作成されるものとプロジェクトの節目や特定のタスク完了時に作成されるものがあります。

調査報告書

調査報告書とは、特定のテーマや課題について調査を行い、その結果や考察をまとめた報告書です。市場調査や顧客満足度調査、競合分析など、ビジネスシーンにおける意思決定の重要な根拠となります。客観的なデータに基づいて現状を把握し、今後の対策を検討するために活用されます。

調査報告書を作成する際には調査目的を明確にし、適切な調査方法を選択することが重要です。得られたデータは正確に分析し、論理的に考察する必要があります。また、報告書の読み手が理解しやすいように、図表やグラフなどを用いて視覚的にわかりやすく表現することも大切です。

決算報告書

決算報告書とは、一定期間(通常は1年間)の企業の経営成績と財政状態をまとめた公式な報告書です。 株主や投資家、債権者、取引先など企業の利害関係者に対して、経営の透明性を確保し、今後の投資判断などに役立つ情報を提供する重要な役割を担っています。

決算報告書は、おもに以下の書類で構成されています。
書類名内容
貸借対照表一定時点における企業の資産、負債、純資産の状況を示す
損益計算書一定期間における企業の収益と費用の状況、最終的な利益を示す
キャッシュ・フロー計算書一定期間における企業の現金の出入りの状況を示す
株主資本等変動計算書一定期間における株主資本の変動状況を示す
これらの書類は相互に関連しており、企業の財務状況を多角的に分析するために用いられます。たとえば損益計算書で利益が出ていても、キャッシュ・フロー計算書で現金が減少している場合、資金繰りに問題がある可能性を示唆するものです。

決算報告書の作成にあたっては、企業会計原則や会社法などの法令に基づいて、正確な情報を記載する必要があります。また監査法人による監査を受けることで、報告書の信頼性を高めることが一般的です。

出張報告書

出張報告書とは、出張の内容や成果を報告するための書類です。会社に所属して業務の一環として出張した場合、出張後に作成・提出が必要になります。おもな目的は、出張によって得られた情報を社内で共有し、今後の業務に役立てることです。

出張報告書には、以下のような内容を記載します。
  • 出張の目的
  • 訪問先
  • 面談者
  • 出張期間
  • 出張内容
  • 出張結果
  • 今後の課題 など
出張報告書は、会社によって書式が異なる場合があります。会社の規定に従って作成しましょう。

報告書の基本項目

チェックリスト
報告書には伝えたい内容が正確に伝わるようにいくつかの基本項目が含まれていることが重要です。これらの項目を盛り込むことで、報告書の構成が整い、読み手にわかりやすく情報を伝えられます。

報告書の基本項目は、以下のとおりです。
  • タイトル
  • 宛名
  • 差出人
  • 作成日
  • 概要
  • 目的
  • 背景
  • 方法
  • 結果
  • 考察
  • 結論
  • 提言
  • 添付資料
これらの項目は報告書の種類や目的によって取捨選択したり、順番を入れ替えたりすることが可能です。社内向けの簡単な報告書であれば、背景や方法などを省略する場合もあります。重要なのは、報告書の読み手に必要な情報を過不足なく伝えることです。

報告書を作成する流れ

パソコンを操作するビジネスパーソン
報告書の意味や種類を把握したうえで、実際に報告書を作成する際の一般的な流れを説明します。

1.情報収集
2.構成案作成
3.執筆
4.推敲・修正
5.完成・提出

情報収集

報告書を作成するうえで、まず重要なのが情報収集です。報告書の内容を裏付けるたしかな情報を集めることで、信頼性の高い報告書を作成できます。情報収集の方法は、報告書の目的や種類によって異なりますが、いくつか代表的な方法を紹介します。
方法説明メリットデメリット
聞き取り調査関係者から直接話を聞く最新の情報や生の声を集められる時間と手間がかかる
アンケート調査質問票を用いて多数の意見を集める幅広い意見を効率的に集められる回答者のバイアスがかかりやすい
資料調査既存の資料やデータを参照する客観的なデータに基づいた分析ができる情報が古い可能性がある
インターネット調査ウェブサイトやデータベースから情報を集める幅広い情報にアクセスできる情報の信憑性を見極める必要がある
これらの方法を組み合わせて、多角的に情報を集めることが重要です。たとえば営業報告書を作成する場合、顧客との面談記録や売上データ、市場動向に関するレポートなどを参照することで、現状をより正確に把握できます。

また情報収集を行う際は、以下の点に注意しましょう。
  • 一次情報だけではなく、複数の情報源から情報を集めて情報の信憑性を確認する
  • 報告書の目的に沿った情報を集める
  • 常に最新の情報を入手するように努める
情報収集は報告書作成の土台となる重要なプロセスです。しっかりと情報収集を行うことで、説得力のある報告書を作成できます。

構成案作成

読み手に情報を正しく伝え、理解を促すためには論理的な構成が欠かせません。構成案を作成することで伝えたい内容が明確になり、読みやすい報告書を作成できます。構成案は報告書の種類や目的に応じて、柔軟に調整する必要があります。

一般的には以下の要素を含むことが多いです。
構成要素説明
要約報告書の概要を簡潔にまとめたもの
はじめに報告書の目的や背景
本論調査結果、分析内容、提案事項など
まとめ主要なポイント、今後の展望
参考文献参考にした資料
付録補足資料
まず報告書の冒頭には「要約」を配置します。要約は報告書の概要を簡潔にまとめたもので、忙しい読み手でもすぐに内容を把握できるようにします。次に「はじめに」で報告書の目的や背景を説明し、読み手の理解を促します。

報告書の中心となる「本論」では、調査結果や分析内容、提案事項などを詳細に記述します。事実と意見を明確に区別し、図表やグラフなどを活用して視覚的にわかりやすく説明することが重要です。本論は複数の章に分割することで、内容を整理し読み手の理解を深められます。

最後に「まとめ」で報告書の主要なポイントを再確認し、今後の展望を示します。必要に応じて「参考文献」や「付録」を掲載しましょう。

構成案を作成する際は上記の要素を参考にしながら、報告書の目的や読み手層に合わせて適切な構成を検討しましょう。たとえば社内向けの報告書であれば、簡潔な構成で十分な場合もあります。一方、社外向けの報告書や重要な意思決定に用いる報告書の場合は、より詳細な構成にする必要があります。

執筆

いよいよ報告書の本文を執筆します。構成案に沿って、必要な情報を過不足なく記述することが重要です。執筆段階では、以下の点に注意しましょう。
項目内容
結論ファースト結論を最初に記述することで、読み手に報告書の要点を速やかに伝えることができます。
事実と意見の区別事実と意見を明確に区別することで、報告書の客観性を高めます。「~と考えられる」といった表現を用いて、意見であることを明確に示しましょう。
論理的な展開情報を整理し、論理的につなげることで、読み手の理解を促進します。箇条書きや図表などを活用し、情報を整理しましょう。
簡潔で正確な表現曖昧な表現は避け、簡潔かつ正確な言葉を用いることで、報告書の信頼性を高めます。専門用語は必要に応じて解説を加えましょう。
誤字脱字の確認誤字脱字は報告書の信頼性を損なうため、注意深く確認しましょう。
読みやすさにも配慮しましょう。適切な改行や段落分け、箇条書きなどを用いることで、読みやすい報告書を作成できます。上記を参考に構成案に沿って肉付けを行い、簡潔でわかりやすい文章を心がけながら執筆を進めてください。

推敲・修正

執筆した報告書をそのまま提出するのではなく、必ず推敲・修正を行いましょう。誤字脱字はもちろん、内容の矛盾や不足、表現のわかりにくさなどがないかを確認することで、報告書の質を高めることができます。

推敲・修正を行う際のチェックポイントは以下のとおりです。
  • 誤字・脱字
  • 表現の統一
  • 論理展開
  • 情報の正確性
  • 表現のわかりやすさ
  • 文体
  • 体裁
可能であれば、ほかの人に読んでもらい客観的な意見をもらうのも効果的です。自分では気づかない点や改善点を指摘してもらえる可能性があります。これらのチェックポイントを踏まえ、修正を行いブラッシュアップすることで、完成度の高い報告書を作成できます。

完成・提出

報告書の作成が完了したら、最終確認を行いましょう。提出前に誤字脱字、事実関係の誤り、表現の曖昧さなどを念入りにチェックすることが重要です。また、社内規定に沿った体裁になっているか、必要な添付資料が揃っているかも確認しましょう。

これらの確認を終えたら、上司や関係者へ報告書を提出します。提出方法は社内規定に従い、メール添付・ファイル共有システム・紙媒体など適切な方法を選択しましょう。提出期限が設定されている場合は、必ず期限内に提出します。

提出後、内容について質問や修正依頼を受ける場合があります。質問には丁寧かつ正確に回答し、修正依頼には迅速に対応しましょう。報告書は、提出して終わりではなく、その後のフィードバックも重要なプロセスです。フィードバックを参考に、今後の報告書作成に活かしていくことで、より質の高い報告書を作成できるようになります。

また、提出した報告書は、適切な場所に保管しておきましょう。電子データの場合は、共有フォルダやクラウドストレージなどを活用し、紙媒体の場合は、ファイリングシステムに従って保管することで、後から必要な時に容易に参照できます。

報告書を作成する際のポイント

人差し指をさすビジネスパーソン
報告書を作成する際は以下のポイントを押さえて書くとよいでしょう。
  • 目的を明確に示す
  • 5W2Hを意識する
  • 事実と意見を区別する
  • 論理的な構成にする
  • 簡潔でわかりやすい言葉を使う
  • 具体的な事例を盛り込む
  • 一度読んで違和感がないか確認する
それぞれのポイントを説明します。

目的を明確に示す

説得力のある報告書を作成するためには、まず目的を明確にすることが重要です。報告書の目的が不明確だと読み手に内容が正しく伝わりません。結果として、報告書を作成した意味がなくなってしまう可能性があります。

報告書の目的を明確にすることで、読み手に「なぜこの報告書を読む必要があるのか」を理解してもらえます。また書き手自身も、報告書に含めるべき情報、含める必要のない情報を判断しやすくなるでしょう。

報告書の目的を明確にするためには、以下の点を意識しましょう。
  • 報告書を作成する目的は何か?
  • 誰に伝えたいのか?
  • 伝えたい情報は何か?
  • 読み手にどのような行動を期待するのか?
これらの点を事前に整理することで、読み手に必要な情報を効果的に伝えられる報告書を作成できます。たとえば「営業成績の向上」を目的とした報告書であれば、具体的な数値や改善策を提示することで読み手の行動を促せます。

5W2Hを意識する報告書を作成するうえで、重要なポイントの1つに5W2Hを意識する点が挙げられます。5W2Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくら)の7つの要素のことです。
項目説明報告書での活用例
When(いつ)いつ発生した出来事なのか○月○日○時~○月○日○時
Who(誰が)誰が関与したのか営業部○○課長
What(何を)何が起こったのかシステムトラブル発生
Why(なぜ)なぜその出来事が起こったのかサーバーへの過剰なアクセス集中
How(どのように)どのように対処したのかシステムの再起動、アクセス制限の実施
How much(いくら)費用はどのくらいかかったのか、またはどのくらい売上があったのか復旧費用:○○円
売上高:○○円
これらの要素を明確にすることで、報告書の読み手が内容を正しく理解しやすくなります。5W2Hを意識して報告書を作成することで、事実関係を明確に伝え、誤解を防げます。また、問題点や改善策を具体的に示すことで、より効果的な報告書を作成することが可能になるのです。

事実と意見を区別する

説得力のある報告書を作成するには、事実と意見を明確に区別することが重要です。事実とは実際に起こった出来事やデータであり、客観的に証明できる情報。一方で意見とは、個人の考えや解釈であり、主観的な情報です。

事実と意見を混同すると報告書の信憑性が損なわれ、誤解を招く可能性があります。たとえば「売上が下がっている」というのは事実ですが、「売上が下がっているのは、広告戦略が間違っているからだ」は意見です。

事実と意見を区別するために、以下の表が参考になります。
区分内容
事実実際に起こった出来事やデータ売上高が前年比10%減少した
意見個人の考えや解釈売上高が減少したのは、新製品の発売時期が遅れたためだと考える
報告書ではまず事実を提示し、そのうえで自分の意見を述べるように心がけましょう。たとえば「A社のウェブサイトへのアクセス数が前月比20%増加した(事実)。これは、A社が実施した新しいマーケティングキャンペーンの効果と考えられる(意見)」のように記述することで、読み手に事実と意見を明確に伝えられます。

また意見を述べる際には「~と考えられる」「~と推測される」などの表現を用いることで、断定を避け客観的な印象を与えられます。

事実と意見を明確に区別することで、報告書の信頼性を高め、読み手に正しく情報を伝えることができるでしょう。

論理的な構成にする

報告書は読み手が内容を理解しやすく、納得感を得られるように論理的に構成する必要があります。そのためには、PREP法(結論→理由→根拠→結論)を意識すると、スムーズな流れの報告書を作成しやすいです。PREP法に沿って報告書の構成を組み立てると、相手に伝えたい内容が明確になります。

また結論から詳細な説明へと論理的に展開するピラミッド構造も有効です。ピラミッド構造は結論を頂点として、その下に理由や根拠を配置していく構成です。ピラミッド構造で報告書を作成することで、読み手は結論から詳細へとスムーズに理解を進められます。

これらの構成方法以外にも時系列に沿って記述する方法や、問題点と解決策を対比させて記述する方法など、さまざまな構成方法があります。報告書の目的に合わせて、最適な構成方法を選択することが重要です。

簡潔でわかりやすい言葉を使う

報告書は読み手に正確な情報を伝えることが重要です。そのためには、簡潔でわかりやすい言葉を使うように心がけましょう。専門用語や難解な表現はなるべく避け、誰にでも理解できる言葉で記述することが大切です。
悪い例良い例
当該事案につき鑑み、然るべき処置を講じる所存です。この件について検討し、適切な対応をします。
各種パラメータを鑑みて最適なソリューションを構築します。さまざまな条件を考慮して、最適な解決策を考えます。
インパクト大な施策を推進し、シナジー効果を創出します。効果の大きい施策を進め、相乗効果を生み出します。
簡潔な言葉を使うための具体的なポイントは以下のとおりです。
  • 一文を短くする
  • 主語と述語を明確にする
  • 同じ言葉を繰り返さない
  • 専門用語は必要に応じて解説する
  • ひらがな、カタカナ、漢字のバランスに配慮する
これらのポイントを意識することで、読み手に誤解なく情報を伝えられます。簡潔で明瞭な報告書は内容の理解を深め、迅速な意思決定にもつながります。読み手の立場に立ってわかりやすい表現を心がけましょう。

具体的な事例を盛り込む

説得力のある報告書を作成するには、具体的な事例を盛り込むことが重要です。抽象的な記述だけでは、報告内容の信憑性や重要性が伝わりにくいでしょう。具体的な事例を挙げることで、読み手に状況をイメージしやすくし、報告内容への理解を深めてもらえます。

たとえば「顧客満足度が向上した」と記述するよりも、「新サービス導入後、顧客満足度調査のスコアが前月比15%向上した」と具体的な数値を添えて記述する方が説得力が増します。
また事例を提示する際には、以下の点に注意しましょう。
  • 事実を正確に記述する
  • 必要に応じて数値データや図表を用いる
  • 複数の事例を比較・対照する
  • 結論との関連性を明確にする
具体的な事例を盛り込むことで、報告書の信憑性と説得力を高められます。抽象的な表現だけでなく、具体的な数値や事例を交えて記述することで、読み手に報告内容をより深く理解してもらえるように努めましょう。

一度読んで違和感がないか確認する

報告書を書き終えたら、必ず一度全体を通して読み直し違和感がないか確認しましょう。誤字脱字はもちろんのこと、内容に矛盾がないか、読み手に誤解を与える表現がないかなど多角的な視点からチェックすることが重要です。

確認する際に注目すべきポイントは以下のとおりです。
  • 読みやすさ
  • 客観性
  • 全体の一貫性

読みやすさ

専門用語を多用していないか、簡潔でわかりやすい文章になっているかを確認しましょう。必要に応じて専門用語には注釈をつけたり、複雑な内容はかみ砕いて説明したりする工夫が必要です。

客観性

事実と意見を明確に区別し、客観的な視点で記述されているかを確認しましょう。個人的な感情や主観的な意見は控え、客観的なデータや根拠に基づいて記述することが大切です。

全体の一貫性

報告書の目的と結論が一致しているか、各章の内容が整合性を持っているかを確認しましょう。全体を通して一貫したメッセージが伝わるように、構成や内容を調整する必要があります。

シーン別に報告書の例文を紹介

手のひらを差し出すビジネスパーソン
最後に、シーン別における報告書の例文を紹介します。
  • 出張報告書
  • 業務報告書
  • 調査報告書
  • 営業報告書

出張報告書

出張報告書の例文は以下のとおりです。
出張目的:株式会社B社との既存システム更新に関する商談、およびアップセル提案
面談者:株式会社B社 システム部長 田中花子 氏
出張期間:YYYY年MM月DD日~YYYY年MM月DD日
出張内容:既存システム更新提案と、新機能追加によるアップセル提案、現状のシステム利用状況のヒアリング
出張結果:システム更新については概ね合意。アップセルについては、予算の関係で次期更新での導入を検討
今後の課題:アップセル導入に向けた費用対効果の資料作成、および競合他社製品との比較資料作成
上記はあくまで例文です。実際には、会社で定められた書式に従って作成する必要があります。

業務報告書

業務報告書の例文は以下のとおりです。
件名:〇〇システム開発プロジェクト 週次進捗報告

報告者:開発部 山田 太郎

報告日:YYYY年MM月DD日

対象期間:YYYY年MM月DD日~YYYY年MM月DD日
業務内容進捗状況成果課題今後の予定
要件定義100%システム要件定義書を完成させ、関係者へのレビューを完了なし次フェーズの設計工程に進む
システム設計50%基本設計書を作成中外部システムとの連携部分の設計が複雑設計レビューを実施し、詳細設計に進む
プログラミング20%主要モジュールの開発に着手開発環境の構築に時間を要した開発作業を継続する
テスト0%未着手なしテスト計画を作成する
このように業務内容や進捗状況、課題などを具体的に記述することで、上司や関係者との認識のズレを防ぎ、スムーズな業務遂行につながります。

調査報告書

調査報告書の例文は以下のとおりです。
件名: 新規事業参入に関する市場調査報告書

調査目的: A事業への新規参入の妥当性を判断するため、市場規模、競合状況、顧客ニーズを調査する。

調査対象: A事業の潜在顧客100名

調査方法: インターネットアンケート調査

調査結果:市場規模は年間約100億円と推定される。
競合企業は3社存在し、シェアはそれぞれ30%、25%、15%である。
顧客ニーズとして、価格の安さと品質の高さが重視されている。
考察:市場規模は十分な大きさであり、新規参入の余地は存在する。 しかし、競合他社との差別化戦略が不可欠である。 価格競争に陥ることなく、高品質な製品・サービスを提供することで、顧客獲得が可能であると考えられる。

結論:A事業への新規参入は妥当性が高いと判断する。 高品質戦略を重視したうえで、具体的な事業計画を策定する必要がある。
調査報告書は調査結果を客観的に示し、論理的な考察を加えましょう。

営業報告書

営業報告書の例文は以下のとおりです。
報告期間: YYYY年MM月DD日~YYYY年MM月DD日
担当者::氏名(所属部署)
顧客名: 株式会社〇〇

連絡事項:
・〇〇商談についての打ち合わせを実施。
・先方のニーズをヒアリングし、当社の製品〇〇を提案。
・競合他社の状況について情報収集。

受注状況:
・製品〇〇 10台受注
営業報告書は、企業の業績向上に大きく貢献する重要なツールです。正確な情報を迅速に共有することで、より効果的な営業戦略を立てることが可能になります。

報告書のクオリティを高めて、業務効率化につなげよう

報告書を書くビジネスパーソン
本記事では、報告書の基本的な知識から作成する際のポイント、具体的な例文などを網羅的に解説しました。報告書は、ビジネスシーンにおいて必要不可欠なコミュニケーションツールです。相手に正確に情報を伝え、業務の効率化や改善につなげるためには、報告書の質を高めることが重要です。

本記事で紹介した作成手順やポイントを参考に、目的に応じた効果的な報告書を作成してみてください。また報告書作成を通して、自身の業務遂行能力の向上につなげましょう。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録してフィッティング人材分析機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後のフィッティング人材分析機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料