QMS(品質管理システム)とは、クオリティの高い製品やサービスを消費者に届けるため改善を繰り返し、顧客満足度を向上させるシステムのことを指します。
本記事ではQMS(品質管理システム)の概要や導入する目的、メリット、導入手順を解説します。
なおミイダスでは採用や人材育成に役立つ資料を無料で提供しています。こちらもあわせてご活用ください。
データでわかる定着人材とは本記事ではQMS(品質管理システム)の概要や導入する目的、メリット、導入手順を解説します。
なおミイダスでは採用や人材育成に役立つ資料を無料で提供しています。こちらもあわせてご活用ください。
▼この記事でわかること
QMS(品質管理システム)とは?顧客満足度を向上させる仕組みQMSとは、品質管理システム(Quality Management System)の略称です。システムマネジメントの一種で、クオリティの高い製品やサービスを消費者に届けるため改善を繰り返し、顧客満足度を向上させる仕組みです。あらためてシステムマネジメントの意味も確認しておきましょう。システムマネジメントとは
システムマネジメントとは、複雑なシステムの開発や導入、運用、維持管理などを効果的に行うための一連の活動や方針を指します。
システムマネジメントでは技術の側面だけではなく、- プロジェクト
- リソース
- リスク
- コスト
などの観点からシステム全体を管理します。システムの企画から設計、構築、運用、廃棄までのマネジメントを総合的に行うのです。QMSと関連する言葉QMSに関連する言葉として「ISO」と「EMS」があります。QMSの理解を深めるためにもそれぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。ISO
ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称です。製品やサービスなどあらゆる分野における国際規格を作成し、普及を推進しています。
代表的な規格はISO 9001(品質マネジメントシステム)や、ISO 14001(環境マネジメントシステム)などです。
ISOは180を超える国と地域から構成される会員制の組織で、本部はスイス・ジュネーブにあります。ISOはあくまでも任意の規格ですが、国際的に広く認知されており、製品の品質や安全性、環境保護、情報セキュリティなど幅広い分野で活用されています。
企業はISOを導入することで、国際的な水準を満たす製品・サービスの提供が可能となるのです。EMS
EMSとは環境マネジメントシステム(Environment Management System)の略称です。
環境に与える影響を認識することで、環境を守る対策を自主的に、また継続的に行うための仕組みを指します。
おもな役割として- 大気や土壌汚染などの環境リスクを低減する
- 環境目標を設定し、継続的に環境負荷を減らす
- 省エネルギーによるコストダウンを図る
などがあります。EMSの代表的な国際規格として、ISO 14001(環境マネジメント)が挙げられます。EMSを導入することで、環境リスクを適切に管理しつつ、企業の環境経営を継続的に改善できるのです。QMSに関する規格QMSに関する規格は以下のとおりです。- ISO 9001
- JISQ 9001
- SQF
ISO 9001
ISO 9001とは、製品やサービスのQMS(品質マネジメントシステム)に関する国際規格です。QMSとは切っても切り離せない言葉なので覚えておくとよいでしょう。
ISOの目的として、- 製品やサービスの品質を継続的に向上させること
- 顧客満足度を高い状態にできるQMSを構築すること
などが挙げられます。ISO 9001の認証を取得することで、企業の品質保証体制が国際規格に適合していることを内外にアピールできるというメリットがあるのです。
現在は建設業や製造業を中心に幅広く導入されており、サプライチェーン全体での品質向上が期待できます。ISO 9001は品質保証体制を構築・維持するためのマネジメントシステムとして有効活用されています。JIS Q 9001
JIS Q 9001とは「ISO 9001」に基づいた日本産業規格(Japanese Industrial Standards)です。そのため、ISO 9001と意味は変わりません。
「JIS」と書かれた商品を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。私たちの身近な製品だとマスクやトイレットペーパーなどが挙げられます。SQF
SQFとは、食品安全管理システム(Safe Quality Food)の略称です。食品の安全や品質を保証するための国際的な認証制度です。
このシステムは食品の製造から加工、流通過程までの品質管理と食品安全管理をカバーしており、また、サプライチェーン全体の透明性や追跡性を向上させることを目的としています。
SQF認証は、食品の安全性と品質を確保するための厳格な基準に基づいており、認証を受けた企業はこれらの基準に従って運営することが認められます。
多くの小売業者や食品サービスプロバイダーは、サプライヤーにSQF認証を要求するケースが増えています。
SQF認証はまさに食品業界における重要な基準の1つとなっているのです。QMSを導入する目的QMSを導入する目的は以下のとおりです。- KGIの達成
- 顧客満足度の向上
KGIの達成
QMSを導入することで、KGI(経営目標達成指標)の達成が期待できます。売上高や利益率などがKGIにあたりますが、それらを達成するためには製品やサービスのクオリティがよくなければなりません。新しい商品を販売した場合、はじめは売れたとしてもクオリティがよくなければ評判は下がり、結果的にKGIの達成も難しくなるでしょう。QMSを導入することによって質を担保できるようになり、KGIの達成が実現できるのです。顧客満足度の向上
QMSの導入は製品やサービスのクオリティ向上を実現します。クオリティが高い商品やサービスは同時に顧客満足度も高まります。また、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得が期待できるでしょう。QMSを導入するメリットQMSを導入するメリットは以下のとおりです。- 製品やサービスの品質を保てる
- 業務効率化が期待できる
- ブランドイメージを向上できる
- コスト削減ができる
- リスクを減らせる
- 問題をすぐに見つけられる
それぞれのメリットを見ていきましょう。製品やサービスの品質を保てる
QMSを導入することで、製品やサービスの品質を保てます。QMSを導入する場合、業務内容をマニュアル化し、そのマニュアルに沿って運用を行います。また、その運用がうまくいかなかった場合も「なぜその運用がうまくいかなかったのか」を考えて改善し、よりよい運用ができるよう適宜調整します。マニュアル化することで、製品やサービスの品質にムラなく提供できるのです。業務効率化が期待できる
QMSを導入することで業務の効率化が期待できます。業務内容をマニュアル化して管理するため、従業員は考える手間が省けます。結果的に、1人1人の作業時間が省略され業務効率化につながるのです。ブランドイメージを向上できる
QMSの導入はブランドイメージを向上させるでしょう。QMSに関する規格基準は厳しいものばかりです。そのため、認定を受けている場合、消費者やサプライヤーの信用にもつながるでしょう。また消費者には「JISマークがついているから安心。ここなら信用できるから購入しよう」と思う人もいます。QMSを導入することで、企業のブランドイメージアップにもつながるのです。コスト削減ができる
QMSはコスト削減にもつながります。なかには「管理システムを導入するとお金がかかるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかしQMSを導入することで不良品の削減やマニュアル化によって無駄な工程を省けます。結果的に人件費削減にもつながるでしょう。リスクを減らせる
QMSはさまざまなリスクの削減も見込めます。QMSはJISQ9001が定めたルールに沿って品質管理を行います。そのため、何かしら問題が起きても迅速に対処ができるようになるのです。また、作業をマニュアル化するため、従業員1人1人のミスを減らし、結果的にリスク低減につながるのです。問題をすぐに見つけられる
QMSを導入することで問題の早期発見や是正が期待できます。QMSはPCDAサイクルをもとに実行します。PDCAサイクルで常に対処することで、うまく進まないことがあれば「どのように解決できるか」考え、迅速に処置を行えるようになるでしょう。QMSを導入する方法QMSを導入する方法は以下のとおりです。
1.従業員に導入する旨を伝える
2.QMS推進体制を構築する
3.PDCAサイクルで回す
4.業務内容をマニュアル化する
5.業務内容の分類を行う
6.マニュアルに沿って運用する
7.定期的に内部監査を実施する
8.外部審査と認証を取得する
それぞれの方法を説明します。1.従業員に導入する旨を伝える
まずは従業員にQMSを導入する旨を伝えましょう。突然運用を変えてしまうと、従業員は動揺してしまいます。またQMSの概念や規格は内容が複雑であり、理解するのに時間がかかります。導入する前にQMSに関する研修を実施し、従業員全員の不安をなくしてあげましょう。2.QMS推進体制を構築する
QMSの導入が決まったら、専任の推進チームやQMS責任者を任命し体制を整備します。また、従業員からの質問や疑問に対応できるよう責任者は常にQMSに関する理解を深める研修等を受講しましょう。3.PDCAサイクルで回す
現状の問題把握やマニュアルを作成するためにも、まずはPDCAサイクルで回していきます。
PDCAとは、継続的な改善活動を行う際の4つのステップをあらわす言葉です。- P(Plan)= 計画の現状を分析し問題点を特定。改善目標や方針を立案する。
- D(Do)=改善目標や方針をもとに実行する
- C(Check)= 実行した活動結果を検証し、目標の達成状況を確認する。
- A(Act)= 評価結果を踏まえて次のステップを決める。さらなる改善が必要であれば、計画を立て直す。
P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(処置)を何度も繰り返すことで、徐々に業務や製品・サービスの改善が実現できます。
PDCAサイクルについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:PDCAサイクルとは?基本知識、古いと言われる理由、成功事例などを解説】4.業務内容をマニュアル化する
PDCAサイクルで業務内容を改善できたら、業務内容をマニュアル化していきましょう。マニュアル化する際は「誰でもわかるように」を基準に言葉を噛み砕いていくことが大切です。マニュアル作成時は「このくらいの簡単な作業はみんな理解しているだろう」という主観的な考えは捨てましょう。またマニュアル作成は1人で行わず、複数人で行い、お互いに確認し合うことが重要です。5.業務内容の分類を行う
業務内容のマニュアルが完成したら、業務内容の分類を行います。- 品質マニュアル
- 全社規程・個別規定
- 各部門の業務マニュアル
- 図面
- 仕様書
- 手順書
- 記録類
上記のように分類することで、業務内容を可視化できるのに加えて管理しやすくなるでしょう。6.マニュアルに沿って運用する
業務内容をマニュアル化、分類したら運用してみましょう。マニュアルを作成した際は問題が見つからなかったとしても、実際の運用にしてみると想像できなかった問題が発生するものです。1つ1つの問題を分析し、解決するまでPDCAサイクルを行いましょう。7. 定期的に内部監査を実施する
問題なく運用ができるようになったら、定期的に内部監査を実施します。監査結果を踏まえて、何かしら改善点が見つかれば問題解決に向けて計画し、改善に向けて実行、検証を繰り返しましょう。8. 外部審査と認証取得
最終的に審査機関による外部審査を受けましょう。JISQ 9001の要求事項を満たしていれば認証を取得でき、ブランドイメージの向上やコスト削減につながります。QMSの目的とメリットを理解して導入しよう本記事ではQMS(品質管理システム)の概要や導入する目的・メリット、方法などを紹介しました。QMSとは、クオリティの高い製品やサービスを消費者に届けるため改善を繰り返し、顧客満足度を向上させるシステムを指します。QMSの導入は従業員の理解や細かな作業が必要となりますが、結果的にブランドイメージや売上向上など、多くのメリットをもたらします。「高い顧客満足度を目指したい」「自社ブランドのイメージを一掃したい」と考えているならば、ぜひ認証取得を目指しましょう。
システムマネジメントでは技術の側面だけではなく、
QMSに関連する言葉として「ISO」と「EMS」があります。QMSの理解を深めるためにもそれぞれの言葉の意味を確認しておきましょう。
ISO
ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称です。製品やサービスなどあらゆる分野における国際規格を作成し、普及を推進しています。
代表的な規格はISO 9001(品質マネジメントシステム)や、ISO 14001(環境マネジメントシステム)などです。
ISOは180を超える国と地域から構成される会員制の組織で、本部はスイス・ジュネーブにあります。ISOはあくまでも任意の規格ですが、国際的に広く認知されており、製品の品質や安全性、環境保護、情報セキュリティなど幅広い分野で活用されています。
企業はISOを導入することで、国際的な水準を満たす製品・サービスの提供が可能となるのです。
代表的な規格はISO 9001(品質マネジメントシステム)や、ISO 14001(環境マネジメントシステム)などです。
ISOは180を超える国と地域から構成される会員制の組織で、本部はスイス・ジュネーブにあります。ISOはあくまでも任意の規格ですが、国際的に広く認知されており、製品の品質や安全性、環境保護、情報セキュリティなど幅広い分野で活用されています。
企業はISOを導入することで、国際的な水準を満たす製品・サービスの提供が可能となるのです。
EMS
EMSとは環境マネジメントシステム(Environment Management System)の略称です。
環境に与える影響を認識することで、環境を守る対策を自主的に、また継続的に行うための仕組みを指します。
おもな役割として
環境に与える影響を認識することで、環境を守る対策を自主的に、また継続的に行うための仕組みを指します。
おもな役割として
- 大気や土壌汚染などの環境リスクを低減する
- 環境目標を設定し、継続的に環境負荷を減らす
- 省エネルギーによるコストダウンを図る
などがあります。EMSの代表的な国際規格として、ISO 14001(環境マネジメント)が挙げられます。EMSを導入することで、環境リスクを適切に管理しつつ、企業の環境経営を継続的に改善できるのです。
QMSに関する規格QMSに関する規格は以下のとおりです。- ISO 9001
- JISQ 9001
- SQF
ISO 9001
ISO 9001とは、製品やサービスのQMS(品質マネジメントシステム)に関する国際規格です。QMSとは切っても切り離せない言葉なので覚えておくとよいでしょう。
ISOの目的として、- 製品やサービスの品質を継続的に向上させること
- 顧客満足度を高い状態にできるQMSを構築すること
などが挙げられます。ISO 9001の認証を取得することで、企業の品質保証体制が国際規格に適合していることを内外にアピールできるというメリットがあるのです。
現在は建設業や製造業を中心に幅広く導入されており、サプライチェーン全体での品質向上が期待できます。ISO 9001は品質保証体制を構築・維持するためのマネジメントシステムとして有効活用されています。JIS Q 9001
JIS Q 9001とは「ISO 9001」に基づいた日本産業規格(Japanese Industrial Standards)です。そのため、ISO 9001と意味は変わりません。
「JIS」と書かれた商品を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。私たちの身近な製品だとマスクやトイレットペーパーなどが挙げられます。SQF
SQFとは、食品安全管理システム(Safe Quality Food)の略称です。食品の安全や品質を保証するための国際的な認証制度です。
このシステムは食品の製造から加工、流通過程までの品質管理と食品安全管理をカバーしており、また、サプライチェーン全体の透明性や追跡性を向上させることを目的としています。
SQF認証は、食品の安全性と品質を確保するための厳格な基準に基づいており、認証を受けた企業はこれらの基準に従って運営することが認められます。
多くの小売業者や食品サービスプロバイダーは、サプライヤーにSQF認証を要求するケースが増えています。
SQF認証はまさに食品業界における重要な基準の1つとなっているのです。QMSを導入する目的QMSを導入する目的は以下のとおりです。- KGIの達成
- 顧客満足度の向上
KGIの達成
QMSを導入することで、KGI(経営目標達成指標)の達成が期待できます。売上高や利益率などがKGIにあたりますが、それらを達成するためには製品やサービスのクオリティがよくなければなりません。新しい商品を販売した場合、はじめは売れたとしてもクオリティがよくなければ評判は下がり、結果的にKGIの達成も難しくなるでしょう。QMSを導入することによって質を担保できるようになり、KGIの達成が実現できるのです。顧客満足度の向上
QMSの導入は製品やサービスのクオリティ向上を実現します。クオリティが高い商品やサービスは同時に顧客満足度も高まります。また、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得が期待できるでしょう。QMSを導入するメリットQMSを導入するメリットは以下のとおりです。- 製品やサービスの品質を保てる
- 業務効率化が期待できる
- ブランドイメージを向上できる
- コスト削減ができる
- リスクを減らせる
- 問題をすぐに見つけられる
それぞれのメリットを見ていきましょう。製品やサービスの品質を保てる
QMSを導入することで、製品やサービスの品質を保てます。QMSを導入する場合、業務内容をマニュアル化し、そのマニュアルに沿って運用を行います。また、その運用がうまくいかなかった場合も「なぜその運用がうまくいかなかったのか」を考えて改善し、よりよい運用ができるよう適宜調整します。マニュアル化することで、製品やサービスの品質にムラなく提供できるのです。業務効率化が期待できる
QMSを導入することで業務の効率化が期待できます。業務内容をマニュアル化して管理するため、従業員は考える手間が省けます。結果的に、1人1人の作業時間が省略され業務効率化につながるのです。ブランドイメージを向上できる
QMSの導入はブランドイメージを向上させるでしょう。QMSに関する規格基準は厳しいものばかりです。そのため、認定を受けている場合、消費者やサプライヤーの信用にもつながるでしょう。また消費者には「JISマークがついているから安心。ここなら信用できるから購入しよう」と思う人もいます。QMSを導入することで、企業のブランドイメージアップにもつながるのです。コスト削減ができる
QMSはコスト削減にもつながります。なかには「管理システムを導入するとお金がかかるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかしQMSを導入することで不良品の削減やマニュアル化によって無駄な工程を省けます。結果的に人件費削減にもつながるでしょう。リスクを減らせる
QMSはさまざまなリスクの削減も見込めます。QMSはJISQ9001が定めたルールに沿って品質管理を行います。そのため、何かしら問題が起きても迅速に対処ができるようになるのです。また、作業をマニュアル化するため、従業員1人1人のミスを減らし、結果的にリスク低減につながるのです。問題をすぐに見つけられる
QMSを導入することで問題の早期発見や是正が期待できます。QMSはPCDAサイクルをもとに実行します。PDCAサイクルで常に対処することで、うまく進まないことがあれば「どのように解決できるか」考え、迅速に処置を行えるようになるでしょう。QMSを導入する方法QMSを導入する方法は以下のとおりです。
1.従業員に導入する旨を伝える
2.QMS推進体制を構築する
3.PDCAサイクルで回す
4.業務内容をマニュアル化する
5.業務内容の分類を行う
6.マニュアルに沿って運用する
7.定期的に内部監査を実施する
8.外部審査と認証を取得する
それぞれの方法を説明します。1.従業員に導入する旨を伝える
まずは従業員にQMSを導入する旨を伝えましょう。突然運用を変えてしまうと、従業員は動揺してしまいます。またQMSの概念や規格は内容が複雑であり、理解するのに時間がかかります。導入する前にQMSに関する研修を実施し、従業員全員の不安をなくしてあげましょう。2.QMS推進体制を構築する
QMSの導入が決まったら、専任の推進チームやQMS責任者を任命し体制を整備します。また、従業員からの質問や疑問に対応できるよう責任者は常にQMSに関する理解を深める研修等を受講しましょう。3.PDCAサイクルで回す
現状の問題把握やマニュアルを作成するためにも、まずはPDCAサイクルで回していきます。
PDCAとは、継続的な改善活動を行う際の4つのステップをあらわす言葉です。- P(Plan)= 計画の現状を分析し問題点を特定。改善目標や方針を立案する。
- D(Do)=改善目標や方針をもとに実行する
- C(Check)= 実行した活動結果を検証し、目標の達成状況を確認する。
- A(Act)= 評価結果を踏まえて次のステップを決める。さらなる改善が必要であれば、計画を立て直す。
P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(処置)を何度も繰り返すことで、徐々に業務や製品・サービスの改善が実現できます。
PDCAサイクルについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:PDCAサイクルとは?基本知識、古いと言われる理由、成功事例などを解説】4.業務内容をマニュアル化する
PDCAサイクルで業務内容を改善できたら、業務内容をマニュアル化していきましょう。マニュアル化する際は「誰でもわかるように」を基準に言葉を噛み砕いていくことが大切です。マニュアル作成時は「このくらいの簡単な作業はみんな理解しているだろう」という主観的な考えは捨てましょう。またマニュアル作成は1人で行わず、複数人で行い、お互いに確認し合うことが重要です。5.業務内容の分類を行う
業務内容のマニュアルが完成したら、業務内容の分類を行います。- 品質マニュアル
- 全社規程・個別規定
- 各部門の業務マニュアル
- 図面
- 仕様書
- 手順書
- 記録類
上記のように分類することで、業務内容を可視化できるのに加えて管理しやすくなるでしょう。6.マニュアルに沿って運用する
業務内容をマニュアル化、分類したら運用してみましょう。マニュアルを作成した際は問題が見つからなかったとしても、実際の運用にしてみると想像できなかった問題が発生するものです。1つ1つの問題を分析し、解決するまでPDCAサイクルを行いましょう。7. 定期的に内部監査を実施する
問題なく運用ができるようになったら、定期的に内部監査を実施します。監査結果を踏まえて、何かしら改善点が見つかれば問題解決に向けて計画し、改善に向けて実行、検証を繰り返しましょう。8. 外部審査と認証取得
最終的に審査機関による外部審査を受けましょう。JISQ 9001の要求事項を満たしていれば認証を取得でき、ブランドイメージの向上やコスト削減につながります。QMSの目的とメリットを理解して導入しよう本記事ではQMS(品質管理システム)の概要や導入する目的・メリット、方法などを紹介しました。QMSとは、クオリティの高い製品やサービスを消費者に届けるため改善を繰り返し、顧客満足度を向上させるシステムを指します。QMSの導入は従業員の理解や細かな作業が必要となりますが、結果的にブランドイメージや売上向上など、多くのメリットをもたらします。「高い顧客満足度を目指したい」「自社ブランドのイメージを一掃したい」と考えているならば、ぜひ認証取得を目指しましょう。
ISOの目的として、
現在は建設業や製造業を中心に幅広く導入されており、サプライチェーン全体での品質向上が期待できます。ISO 9001は品質保証体制を構築・維持するためのマネジメントシステムとして有効活用されています。
「JIS」と書かれた商品を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。私たちの身近な製品だとマスクやトイレットペーパーなどが挙げられます。
このシステムは食品の製造から加工、流通過程までの品質管理と食品安全管理をカバーしており、また、サプライチェーン全体の透明性や追跡性を向上させることを目的としています。
SQF認証は、食品の安全性と品質を確保するための厳格な基準に基づいており、認証を受けた企業はこれらの基準に従って運営することが認められます。
多くの小売業者や食品サービスプロバイダーは、サプライヤーにSQF認証を要求するケースが増えています。
SQF認証はまさに食品業界における重要な基準の1つとなっているのです。
QMSを導入する目的は以下のとおりです。
- KGIの達成
- 顧客満足度の向上
KGIの達成
QMSを導入することで、KGI(経営目標達成指標)の達成が期待できます。売上高や利益率などがKGIにあたりますが、それらを達成するためには製品やサービスのクオリティがよくなければなりません。新しい商品を販売した場合、はじめは売れたとしてもクオリティがよくなければ評判は下がり、結果的にKGIの達成も難しくなるでしょう。QMSを導入することによって質を担保できるようになり、KGIの達成が実現できるのです。
顧客満足度の向上
QMSの導入は製品やサービスのクオリティ向上を実現します。クオリティが高い商品やサービスは同時に顧客満足度も高まります。また、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得が期待できるでしょう。
QMSを導入するメリットQMSを導入するメリットは以下のとおりです。- 製品やサービスの品質を保てる
- 業務効率化が期待できる
- ブランドイメージを向上できる
- コスト削減ができる
- リスクを減らせる
- 問題をすぐに見つけられる
それぞれのメリットを見ていきましょう。製品やサービスの品質を保てる
QMSを導入することで、製品やサービスの品質を保てます。QMSを導入する場合、業務内容をマニュアル化し、そのマニュアルに沿って運用を行います。また、その運用がうまくいかなかった場合も「なぜその運用がうまくいかなかったのか」を考えて改善し、よりよい運用ができるよう適宜調整します。マニュアル化することで、製品やサービスの品質にムラなく提供できるのです。業務効率化が期待できる
QMSを導入することで業務の効率化が期待できます。業務内容をマニュアル化して管理するため、従業員は考える手間が省けます。結果的に、1人1人の作業時間が省略され業務効率化につながるのです。ブランドイメージを向上できる
QMSの導入はブランドイメージを向上させるでしょう。QMSに関する規格基準は厳しいものばかりです。そのため、認定を受けている場合、消費者やサプライヤーの信用にもつながるでしょう。また消費者には「JISマークがついているから安心。ここなら信用できるから購入しよう」と思う人もいます。QMSを導入することで、企業のブランドイメージアップにもつながるのです。コスト削減ができる
QMSはコスト削減にもつながります。なかには「管理システムを導入するとお金がかかるのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかしQMSを導入することで不良品の削減やマニュアル化によって無駄な工程を省けます。結果的に人件費削減にもつながるでしょう。リスクを減らせる
QMSはさまざまなリスクの削減も見込めます。QMSはJISQ9001が定めたルールに沿って品質管理を行います。そのため、何かしら問題が起きても迅速に対処ができるようになるのです。また、作業をマニュアル化するため、従業員1人1人のミスを減らし、結果的にリスク低減につながるのです。問題をすぐに見つけられる
QMSを導入することで問題の早期発見や是正が期待できます。QMSはPCDAサイクルをもとに実行します。PDCAサイクルで常に対処することで、うまく進まないことがあれば「どのように解決できるか」考え、迅速に処置を行えるようになるでしょう。QMSを導入する方法QMSを導入する方法は以下のとおりです。
1.従業員に導入する旨を伝える
2.QMS推進体制を構築する
3.PDCAサイクルで回す
4.業務内容をマニュアル化する
5.業務内容の分類を行う
6.マニュアルに沿って運用する
7.定期的に内部監査を実施する
8.外部審査と認証を取得する
それぞれの方法を説明します。1.従業員に導入する旨を伝える
まずは従業員にQMSを導入する旨を伝えましょう。突然運用を変えてしまうと、従業員は動揺してしまいます。またQMSの概念や規格は内容が複雑であり、理解するのに時間がかかります。導入する前にQMSに関する研修を実施し、従業員全員の不安をなくしてあげましょう。2.QMS推進体制を構築する
QMSの導入が決まったら、専任の推進チームやQMS責任者を任命し体制を整備します。また、従業員からの質問や疑問に対応できるよう責任者は常にQMSに関する理解を深める研修等を受講しましょう。3.PDCAサイクルで回す
現状の問題把握やマニュアルを作成するためにも、まずはPDCAサイクルで回していきます。
PDCAとは、継続的な改善活動を行う際の4つのステップをあらわす言葉です。- P(Plan)= 計画の現状を分析し問題点を特定。改善目標や方針を立案する。
- D(Do)=改善目標や方針をもとに実行する
- C(Check)= 実行した活動結果を検証し、目標の達成状況を確認する。
- A(Act)= 評価結果を踏まえて次のステップを決める。さらなる改善が必要であれば、計画を立て直す。
P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(処置)を何度も繰り返すことで、徐々に業務や製品・サービスの改善が実現できます。
PDCAサイクルについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:PDCAサイクルとは?基本知識、古いと言われる理由、成功事例などを解説】4.業務内容をマニュアル化する
PDCAサイクルで業務内容を改善できたら、業務内容をマニュアル化していきましょう。マニュアル化する際は「誰でもわかるように」を基準に言葉を噛み砕いていくことが大切です。マニュアル作成時は「このくらいの簡単な作業はみんな理解しているだろう」という主観的な考えは捨てましょう。またマニュアル作成は1人で行わず、複数人で行い、お互いに確認し合うことが重要です。5.業務内容の分類を行う
業務内容のマニュアルが完成したら、業務内容の分類を行います。- 品質マニュアル
- 全社規程・個別規定
- 各部門の業務マニュアル
- 図面
- 仕様書
- 手順書
- 記録類
上記のように分類することで、業務内容を可視化できるのに加えて管理しやすくなるでしょう。6.マニュアルに沿って運用する
業務内容をマニュアル化、分類したら運用してみましょう。マニュアルを作成した際は問題が見つからなかったとしても、実際の運用にしてみると想像できなかった問題が発生するものです。1つ1つの問題を分析し、解決するまでPDCAサイクルを行いましょう。7. 定期的に内部監査を実施する
問題なく運用ができるようになったら、定期的に内部監査を実施します。監査結果を踏まえて、何かしら改善点が見つかれば問題解決に向けて計画し、改善に向けて実行、検証を繰り返しましょう。8. 外部審査と認証取得
最終的に審査機関による外部審査を受けましょう。JISQ 9001の要求事項を満たしていれば認証を取得でき、ブランドイメージの向上やコスト削減につながります。QMSの目的とメリットを理解して導入しよう本記事ではQMS(品質管理システム)の概要や導入する目的・メリット、方法などを紹介しました。QMSとは、クオリティの高い製品やサービスを消費者に届けるため改善を繰り返し、顧客満足度を向上させるシステムを指します。QMSの導入は従業員の理解や細かな作業が必要となりますが、結果的にブランドイメージや売上向上など、多くのメリットをもたらします。「高い顧客満足度を目指したい」「自社ブランドのイメージを一掃したい」と考えているならば、ぜひ認証取得を目指しましょう。
QMSを導入する方法は以下のとおりです。
1.従業員に導入する旨を伝える
2.QMS推進体制を構築する
3.PDCAサイクルで回す
4.業務内容をマニュアル化する
5.業務内容の分類を行う
6.マニュアルに沿って運用する
7.定期的に内部監査を実施する
8.外部審査と認証を取得する
それぞれの方法を説明します。
1.従業員に導入する旨を伝える
2.QMS推進体制を構築する
3.PDCAサイクルで回す
4.業務内容をマニュアル化する
5.業務内容の分類を行う
6.マニュアルに沿って運用する
7.定期的に内部監査を実施する
8.外部審査と認証を取得する
それぞれの方法を説明します。
1.従業員に導入する旨を伝える
まずは従業員にQMSを導入する旨を伝えましょう。突然運用を変えてしまうと、従業員は動揺してしまいます。またQMSの概念や規格は内容が複雑であり、理解するのに時間がかかります。導入する前にQMSに関する研修を実施し、従業員全員の不安をなくしてあげましょう。
2.QMS推進体制を構築する
QMSの導入が決まったら、専任の推進チームやQMS責任者を任命し体制を整備します。また、従業員からの質問や疑問に対応できるよう責任者は常にQMSに関する理解を深める研修等を受講しましょう。
3.PDCAサイクルで回す
現状の問題把握やマニュアルを作成するためにも、まずはPDCAサイクルで回していきます。
PDCAとは、継続的な改善活動を行う際の4つのステップをあらわす言葉です。
PDCAとは、継続的な改善活動を行う際の4つのステップをあらわす言葉です。
- P(Plan)= 計画の現状を分析し問題点を特定。改善目標や方針を立案する。
- D(Do)=改善目標や方針をもとに実行する
- C(Check)= 実行した活動結果を検証し、目標の達成状況を確認する。
- A(Act)= 評価結果を踏まえて次のステップを決める。さらなる改善が必要であれば、計画を立て直す。
P(計画)→D(実行)→C(評価)→A(処置)を何度も繰り返すことで、徐々に業務や製品・サービスの改善が実現できます。
PDCAサイクルについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:PDCAサイクルとは?基本知識、古いと言われる理由、成功事例などを解説】
PDCAサイクルについてくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:PDCAサイクルとは?基本知識、古いと言われる理由、成功事例などを解説】
4.業務内容をマニュアル化する
PDCAサイクルで業務内容を改善できたら、業務内容をマニュアル化していきましょう。マニュアル化する際は「誰でもわかるように」を基準に言葉を噛み砕いていくことが大切です。マニュアル作成時は「このくらいの簡単な作業はみんな理解しているだろう」という主観的な考えは捨てましょう。またマニュアル作成は1人で行わず、複数人で行い、お互いに確認し合うことが重要です。
5.業務内容の分類を行う
業務内容のマニュアルが完成したら、業務内容の分類を行います。
- 品質マニュアル
- 全社規程・個別規定
- 各部門の業務マニュアル
- 図面
- 仕様書
- 手順書
- 記録類
上記のように分類することで、業務内容を可視化できるのに加えて管理しやすくなるでしょう。
6.マニュアルに沿って運用する
業務内容をマニュアル化、分類したら運用してみましょう。マニュアルを作成した際は問題が見つからなかったとしても、実際の運用にしてみると想像できなかった問題が発生するものです。1つ1つの問題を分析し、解決するまでPDCAサイクルを行いましょう。
7. 定期的に内部監査を実施する
問題なく運用ができるようになったら、定期的に内部監査を実施します。監査結果を踏まえて、何かしら改善点が見つかれば問題解決に向けて計画し、改善に向けて実行、検証を繰り返しましょう。
8. 外部審査と認証取得
最終的に審査機関による外部審査を受けましょう。JISQ 9001の要求事項を満たしていれば認証を取得でき、ブランドイメージの向上やコスト削減につながります。