エンパシーとは、他者の視点から物事を捉える共感力のことです。
ビジネスシーンにおいてエンパシーは、チーム内のコミュニケーションを円滑にする重要なスキルとして注目されています。
本記事ではエンパシーの基本的な意味から、ビジネスにおける重要性、今すぐできるエンパシーを高める方法まで詳しく解説します。エンパシーを理解し、より健全で生産性の高い組織づくりにお役立てください。
ミイダスでは、チームの相互理解を深めるのに役立つ情報をまとめた資料を無料で配布しています。企業の人事担当者の方はご活用ください。
ビジネスシーンにおいてエンパシーは、チーム内のコミュニケーションを円滑にする重要なスキルとして注目されています。
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▼この記事でわかること
エンパシー(empathy)とは|意味と基本的な定義
まずはエンパシーの基本的な意味と似た概念との違いを見ていきましょう。エンパシーの意味・定義
エンパシーとは、相手の立場に立って共感する能力です。辞書では「感情移入。人の気持ちを思いやること」(goo辞書)と定義されています。
同じ意見だから共感するのではなく、異なる意見でも理解しようと想像する他者理解がエンパシーの本質です。作家のプレイディみかこ氏はイギリスの中学に通う息子さんの言葉を借りて、エンパシーは「他者の靴を履く」ことだと表現しています。
ビジネスシーンでエンパシーを発揮すると、表面化していない顧客のニーズを捉えやすくなります。相手の視点に立つからこそ、顧客自身も気づいていない、または言語化できていないニーズを見出せるのです。
またこの理解が「自分をわかってくれている」という安心感を生み、信頼関係の土台となります。組織全体でこの能力を高めれば、深いコミュニケーションが促進され、生産性も向上するでしょう。
参考:ブレイディみかこ(著)『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』文藝春秋エンパシーとシンパシーの違い
相手の立場になって、その人がどんな気持ちなのかを理解しようとする力がエンパシーです。一方シンパシーとは、相手を見て「かわいそうだな」とか「大変だな」「自分も同じような気持ちだ」と感じる同情の気持ちです。これは、自然と生まれてくる感情的な反応です。
たとえば、チームメンバーが失敗したとき、「大変だったね」と声をかけるのはシンパシーにもエンパシーにもあり得る行動ですが、エンパシーでは「あの状況では誰でも難しかっただろうね。次はどうアプローチしたい?」と相手の立場から理解を示しつつ、前に進む道筋も示します。
【エンパシーとシンパシーの比較】エンパシー シンパシー 反応の仕方 相手の気持ちを一緒に感じて理解する 「かわいそう」「大変だ」と感じる
共感を示す 考えるときの視点 相手の気持ちになって考える 自分の気持ちから考える 人との関係 対等な関係になりやすい 上下関係が生まれることがある 感情の種類 嬉しい気持ちも、悲しい気持ちも理解できる 悲しい気持ちなど、ネガティブな感情への反応が多い 仕事で役立つこと 相手の信頼を得やすい 必ずしも良い関係を作るとは限らない
ビジネスシーンでは、シンパシーを持つだけでは表面的な理解にとどまり、真の問題解決には至りません。エンパシーがあれば問題解決のアプローチが変わります。「なぜそう感じるのか」「どう改善できるか」という視点で考えるため、問題の根本解決へと具体的行動を起こせるのです。
日々の対話の中で相手の立場に立つ習慣を身につければ、ビジネスにおいても個人の関係においても、より深い信頼関係を築けるでしょう。ビジネスにおけるエンパシーの重要性
ビジネスシーンにおいてエンパシーの向上が重要視される理由には、大きく三つの側面があります。- 従業員の心の健康を支える
- チームの結束力と仕事への意欲を高める
- サービス品質と顧客満足度向上に直結する
それぞれを詳しく見ていきましょう。従業員の心の健康を支える
組織内でエンパシーが発揮されると、従業員の心の健康を効果的に支えられます。相手の立場で考えるこの力が職場に広がると、「私の気持ちをわかってくれる」という感覚が生まれます。そして本音で話せる場が自然と形成されるのです。
エンパシーが息づく組織ではストレスや孤立感が減少し、社員の定着率が向上します。安心して意見を伝えられる環境では、新しいアイデアも自然と湧き出てきます。職場全体の活気も高まっていくでしょう。
管理職の姿勢はとくに影響力があります。上司が部下の話に真剣に耳を傾けると、チーム全体に安心感が広がるのです。結果として自由な発想や積極的な提案が増えていきます。
人と人のつながりの質が会社の未来を支える基盤となります。エンパシーを育む組織文化は、社員の心の健康だけでなく、組織全体の成長力も高めるのです。
以下の記事では、部下の心の健康を支える方法について、詳しく解説しています。
【関連記事:部下のストレスにどう向き合えばいい?ストレスの原因や対処法を紹介】チームの結束力と仕事への意欲を高める
職場におけるエンパシーは、チーム全体の結束力を高める重要な要素です。メンバーが互いの感情や考えを受け止めることで、深い信頼関係が生まれます。
たとえば、プロジェクトで行き詰まったメンバーが悩みを打ち明けた場面を比較します。【エンパシーが低いチーム】
リーダー:「そんな甘えたことを言うな。期限は変わらないぞ。」
結果:メンバーは二度と弱みを見せず、問題を一人で抱え込みます。【エンパシーが高いチーム】
リーダー:「私も同じ壁にぶつかった経験があります。どこで困っているか一緒に確認しましょう。」
結果:メンバーは安心して課題を共有し、チーム全体で解決策を見いだします。このように、エンパシーを基にしたコミュニケーションは、困難な状況でも協力して問題解決に取り組む意欲を高めます。目標達成に向けたチームの結束力を強化するでしょう。
以下の記事ではチームビルディングのポイントについて詳しく解説しています。
【関連記事:チームビルディングとは?目的・メリット、目的別の実施方法を紹介】サービス品質と顧客満足度向上に直結する
エンパシーは、サービス品質と顧客満足度の向上に直結します。顧客の感情を理解し寄り添う姿勢が、ビジネス成果に良い影響を与えます。
たとえば、商品に不満を持つ顧客に「ご不便をおかけして申し訳ありません」と共感を示すと、顧客の怒りが和らぐでしょう。冷静な話し合いが可能になり、スタッフも精神的負担が減少します。結果として仕事への意欲も高まっていくでしょう。
エンパシーは単なる接客テクニックではなく、顧客とスタッフ双方に価値をもたらす重要なスキルと言えるのです。ビジネスシーンにおけるエンパシーの具体例【会話例付き】
ビジネスの現場では、さまざまな場面でエンパシーが求められます。上司と部下の関係、顧客対応、営業活動など、ビジネスのあらゆる側面でエンパシーは欠かせません。
ではエンパシーの有無によって、具体的にコミュニケーションはどのように変わるのでしょうか。シーン別に具体的な会話例を見ていきましょう。上司から部下へ
【エンパシーが欠如した会話例】
部下:「先日の提案、うまくいきませんでした。」
上司:「結果がすべてだ。次、頑張れ。」この会話では、部下の努力や困難への理解が見られず、一方的な叱咤激励に終始しています。部下は不満を感じ、次の行動への意欲を失いかねません。【エンパシーを意識した会話例】
部下:「先日の提案、うまくいきませんでした。」
上司:「そうか、大変だったね。何か困ったことや、原因は分析できたかな?」この会話ではまず部下の苦労を受け止め、共感しています。さらに、部下自身に考えるきっかけを与え、成長を促す次の行動を示しています。
部下は上司に理解してもらえたという安心感から、次のチャレンジへの意欲が自然と生まれるでしょう。管理職に求められるのは、叱責に先立つ共感の言葉と、部下の自律的な成長を引き出すコミュニケーション能力なのです。顧客対応
顧客と信頼関係を築くうえでも、エンパシーはビジネスパーソンとして不可欠のスキルです。【エンパシーが欠如した会話例】
顧客:「先月買った商品が使いにくくて困っています。説明書を読んでもわかりません。」
担当者:「弊社の製品は十分にテストされており、説明書に沿って使用すれば問題ありません。お客様が正しく操作されていないのだと思います。」この対応では、顧客の不便さや不満に対する共感が全く示されていません。顧客は不満を募らせ、企業のイメージ低下につながる可能性があります。【エンパシーを意識した会話例】
顧客:「先月買った商品が使いにくくて困っています。説明書を読んでもわかりません。」
担当者:「ご不便をおかけして申し訳ございません。説明書だけではわかりにくい部分があったかもしれませんね。どの機能についてお困りでしょうか。具体的にご案内いたします。」この対応では、まず顧客の不快な感情を受け止め、謝罪の言葉を伝えています。そして、状況を詳細に把握しようとする姿勢を示すことで、顧客は「真摯に対応してもらえそうだ」と感じ、安心感を覚えるでしょう。営業活動
営業活動では、顧客のニーズを深く理解し、信頼関係を築く心配りが非常に重要です。エンパシーが高い営業担当者は、顧客の感情や状況に寄り添えるため、 双方向のコミュニケーションを実現できます。【エンパシーが欠如した会話例】
営業担当者:「弊社の新商品は非常に優れています。ぜひ導入をご検討ください。」
顧客:「予算が厳しいので導入は難しいかと……。」
営業担当者:「そうですか。それは仕方ありませんね。」この例では、営業担当者は顧客の「予算が厳しい」という懸念に対して「それは仕方ありませんね」と簡単に諦めてしまっています。顧客の状況への理解や問題解決への意欲が見られません。
このような対応では顧客は自分の課題を理解してもらえていないと感じ、関係構築の機会を逃してしまいます。【エンパシーを意識した会話例】
営業担当者:「弊社の新商品は、〇〇様の 現在の課題解決に貢献できると考えております。 まず第一に、〇〇様の現在の状況や、 どのような目標を優先にされているか、詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」
顧客:「予算が厳しいので導入は難しいかと……。」
営業担当者:「予算についてのご懸念、承知いたしました。 現在のご予算内で、 どのような点を最も重視されますでしょうか。もしかすると、段階的な導入や、一部機能に絞ったご提案も可能です。」この会話では、まず顧客の状況を深く理解しようとする姿勢が見られます。「予算が厳しい」という顧客の言葉に対して単に共感するだけでなく、「段階的な導入」や「一部機能に絞ったご提案」など具体的な解決策を示しています。
顧客は自分の状況を理解してもらえていると感じ、解決策を一緒に考える前向きな関係へと発展するでしょう。
以下の記事では、社内のコミュニケーションストレスの原因について詳しく解説しています。
【関連記事:社内のコミュニケーションストレスの原因は?軽減方法を解説】エンパシーの種類
エンパシーにはいくつかの種類があり、それぞれ相手の感情を捉え、理解するアプローチが異なります。エンパシーの具体的な種類について詳しく見ていきましょう。- エモーショナル・エンパシー(感情的共感)
- コグニティブ・エンパシー(認知的共感)
- コンパッショネイト・エンパシー(同情的共感)
- ソマティック・エンパシー(身体的共感)
エモーショナル・エンパシー(感情的共感)
エモーショナル・エンパシーは、他者の感情を直感的に感じとる能力です。友人の悲しみに自分の心が痛むように、相手の感情に深く寄り添い、共に感情が動きます。
シンパシーに近い感覚と言えるでしょう。
つらさに胸が締め付けられたり、涙がこぼれたりするのはこの働きです。感情を共有することで、より深い人間関係を築けます。コグニティブ・エンパシー(認知的共感)
コグニティブ・エンパシーは、相手の気持ちを頭で理解する力です。仕事で失敗した同僚に対し「つらいだろうな」と想像するように、相手の状況や気持ちを推測します。
相手の立場になって考えることで、より適切な声かけや行動ができるようになります。コンパッショネイト・エンパシー(同情的共感)
コンパッショネイト・エンパシーは、相手の気持ちを理解し共感するだけでなく、助ける行動を起こす能力です。たとえば、苦しむ人に「つらいね」と寄り添うだけでなく、「何かできることはありませんか」と、実際に手助けする姿勢を示すのが特徴です。ソマティック・エンパシー(身体的共感)
ソマティック・エンパシー(身体的共感)は、他者の身体的な状態や感覚を、自分自身の身体で感じる能力を指します。たとえば、誰かが緊張しているのを見て、自分もその緊張を感じたり、痛みを訴える人を見て自分も同様の不快感を覚えたりすることが挙げられます。エンパシーが高い人の特徴と具体例
エンパシーが高い人は、相手の感情を敏感に察知し、共感的な行動を示せます。具体例は以下の通りです。- 友人の悲しみに寄り添い、涙ぐみながら話を聞く。
- 意見が対立する場で、それぞれの言い分を丁寧に聞き、共通点を探す。
- 困っている人に気づき、そっと手を差し伸べる。
相手の立場に立って考えられるため、温かく良好な人間関係を築けます。エンパシーが低い人の特徴と具体例エンパシーが低い人は、相手の感情を理解することが難しく、配慮に欠けた言動をしがちです。たとえば、以下のような対応が挙げられます。- 友人が悩んでいるのに、「そんなこと気にしすぎだよ」と軽く受け流す。
- 会議で多数決になった際、少数派の意見を全く聞こうとしない。
- 体調が悪そうな人に「大丈夫?」と声をかけることなく、自分の仕事に集中する。
自己中心的になりがちなため、人間関係において摩擦を生じやすい傾向があります。
このようなエンパシーの違いは生まれつきの部分もありますが、適切な取り組みによって育てることも可能です。とくに組織の中でエンパシーを高めることは、チームの生産性向上につながる重要な施策と言えるでしょう。ビジネスにおけるエンパシーを育てる5つの方法
「従業員同士が互いに信頼し、尊重し合う組織文化を作りたい。」
このようにお考えの方向けに、組織全体でエンパシーを育む方法を5つ解説します。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
「安心して話せる職場」を作る
共感力を育てるには、従業員が「ここなら本音を言える」と思える場が必要です。心理的安全性が確保されていると、オープンなコミュニケーションが活発になり、共感力を磨く土台となります。
人事施策としては、次のような取り組みが効果的です。- 定期的な1on1面談
- 小規模の意見交換会
- 社内チャットで匿名の意見を募集
- 社内チャットでの「質問箱」やオープンな意見募集制度 など
こうした心理的安全性を高める取り組みは、従業員の信頼感を育むでしょう。セルフケアを推進する
エンパシーを高めるには、心身の健康を整える工夫が欠かせません。心身が疲れていたりストレスを抱えていたりすると、他人の感情に寄り添う余裕がなくなり、エンパシーを発揮しにくくなります。
人事施策として可能な支援の例は以下の通りです。- リフレッシュ休暇の導入
- メンタルヘルス相談窓口の設置
- ワークライフバランスを考えた勤務制度 など
心の余裕が生まれることで、周囲への共感も高まります。多様な価値観に触れる場を用意する
エンパシーは、異なる文化や価値観を持つ人々と交流したり、多様な社会経験を積んだりする中で高まります。視野が広がり、他者の視点を取り入れやすくなるためです。
組織としては、以下のような場を提供するのが効果的でしょう。- 異文化理解研修
- 他部署との交流イベント
- 社外の人との勉強会 など
こうした施策を通じて「相手の立場に立って考える力」が自然に身につきます。従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
人事担当者として従業員のエンパシーを育てるには、まず職場の雰囲気や従業員の心理状態を把握することが重要です。最近では、従業員の気持ちや組織の状態を「見える化」するツールが充実しています。
人事部門が活用できる感情可視化ツールには次のようなものがあります。- パルスサーベイツール(短時間・高頻度で行う意識調査)
- エンゲージメントサーベイ(従業員の帰属意識や満足度の測定)
- 組織診断ツール(組織の健全性を数値化)
- ストレスチェックシステム(法定のチェックを超えた分析機能) など
数値やデータによる「見える化」で、従業員自身も自分たちの状態を客観視でき、互いの感情や状況への理解が深まります。これがチーム内の共感力向上につながるのです。
なおミイダスでは、従業員の健康や人間関係、仕事へのやりがいなどを可視化するツール「組織サーベイ」を提供しています。従業員の胸の内を知れば、人事担当者として適切に寄り添えるでしょう。
このような組織分析ツールを活用し、自社の課題を数値化して具体的な施策に結びつけましょう。組織全体のエンパシー向上への第一歩として、ぜひご検討ください。いろいろな方法を「合わせて続ける」
エンパシーは一度の取り組みでは身につきません。人の気持ちを理解し共感する力は、日々の積み重ねと多様な経験を通して徐々に育まれるものだからです。
紹介した4つのポイントに沿った 多様な施策を組み合わせ、継続する姿勢が重要です。
これらを「会社全体の取り組み」として支える仕組みが求められます。【今日から実践】エンパシーを高めるために個人ができる3つの簡単な方法
エンパシーは日常の小さな習慣から育てられます。忙しい毎日の中でも無理なく続けられる、エンパシーを高める3つの実践法を紹介します。- 傾聴を意識する
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
それぞれ解説します。傾聴を意識する
日常的に傾聴を意識すると、相手の立場や感情を理解する能力が向上します。傾聴とは、相手の話に関心を持ち、真摯な姿勢で耳を傾けるコミュニケーション技法です。
気持ちを想像しながら丁寧に聴くうちに、自然とエンパシーは高まります。日々のコミュニケーションで「そう思ったのですね」「それは大変でしたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉がけを心がけましょう。
肯定的な反応は相手の心を開き、より深い感情や意図の理解につながります。
以下の記事では、傾聴についてさらに詳しく解説しています。
【関連記事:アクティブリスニング(積極的傾聴)とは?すぐ実践できるやり方も紹介】ネット上で共感の文章を書く練習をする
エンパシーは対面でなくても育てられます。たとえば、SNSやインターネット上の掲示板で他人の投稿に対して、肯定的にコメントしてみるのです。
自分の気持ちを交えながら「それはとても勇気がいることですね」などと文字にすると、自分の内面を整理しつつ他人の感情を深く考えられます。
日常的なネット利用の中にも、エンパシーを育てるチャンスが転がっています。日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーを高めるには、会話のあとに相手の気持ちを振り返るのも効果的です。たとえば帰宅後に「同僚はなぜあの発言をしたのか」と振り返り、書き出してみましょう。
思いつくまま書き出すうちに、同僚の感情に納得できるかもしれません。
このような自己内省は、教育や看護などの現場でも活用されており、他者の視点を持つ力を育てる方法として信頼されています。書き出すことで相手の感情を自分の言葉で整理でき、次のやりとりへの意識も高まります。
毎日の小さな振り返りが、エンパシーを育てる土台となるでしょう。エンパシーを高める際の注意点
これまでエンパシーの重要性と高め方について解説してきましたが、エンパシーを発揮しすぎることによる弊害も存在します。以下の点に注意しましょう。- エンパシー疲れに注意する
- 同じレベルの共感をすべての人に求めない
それぞれ解説します。共感疲労(エンパシー疲れ)に注意する
共感疲労とは、相手の痛みに深く共感しすぎるあまり、自分自身が疲弊してしまう状態を指します。とくに他者の悩みに深く関わる仕事をされている方は、共感する力が強いからこそ、意識的に対策を講じましょう。
共感疲労を未然に防ぎ、心の健康を維持するために、以下の予防法を日常生活に取り入れてみると良いでしょう。- 自分だけの時間を意識的に作る
- デジタルデトックスをする
- リラクゼーション効果の高いセルフケアを実践する(たとえば、ヨガ、アロマテラピー、瞑想など)
- 気の置けない友人に話す など
これらの予防法に加えて、自分の趣味に没頭する時間を持つのもおすすめです。気分転換になり、リフレッシュ効果が期待できます。
また、自分のエネルギーレベルを意識するのも大切です。疲労時や精神的余裕がない状況では、意識的に「今は深く共感するのが難しい」と認識し、無理をしないことも健全なエンパシーの一部です。
エンパシーは素晴らしい力ですが、長くその力を発揮するためにも、日頃から自身の心のケアを大切にしましょう。同じレベルの共感をすべての人に求めない
同じレベルの共感をすべての人に求めるべきではありません。エンパシーが高い場合、相手にも同じように共感してほしいと期待しがちです。その期待が同調圧力になることもあります。
たとえば、「私の気持ちをわかってくれるよね」という期待は、相手にとってプレッシャーとなりえます。共感を求める気持ちが重荷となり、相手を追い詰めてしまうかもしれません。
自分への賛同を相手の共感だと勘違いすると、いつの間にか相手に負担をかけてしまいます。このような状況は決して珍しくありません。
エンパシーのバランスを取ることは、個人の心の健康と組織の健全な関係性を両立させるために重要です。過度な要求や期待を避けながらも、必要な場面で適切にエンパシーを発揮できる組織風土を目指しましょう。
【関連記事:同調圧力の具体例とは?日本・海外の事情や生産性との関係を解説】エンパシーを組織に取り入れ、より良い職場環境を作ろう
本記事ではビジネスにおけるエンパシーについて、その重要性や具体的な種類、ビジネスシーンでの活用例を解説しました。エンパシーを発揮するためには、組織と個人の両面からのアプローチが不可欠です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
個人としては、以下の取り組みがエンパシーの向上に役立つでしょう。- 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添う
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な取り組みにより、必ず高められます。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
長期的視点で組織全体のエンパシー向上に取り組むことで、持続可能な企業成長の基盤が築けるのです。チーム内の共感力を可視化し、強化する|ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を今すぐ活用しよう
チーム内のコミュニケーション不足や連携の弱さにお悩みではありませんか。エンパシーは、メンバー間の相互理解を深め、信頼関係を構築することで、チームの結束力を高める不可欠な要素です。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、チームメンバー一人ひとりの「共感力」を可視化します。個々の特性を把握することで、チーム全体のコミュニケーション課題を明確にし、より円滑な連携を促すための具体的な施策を検討できます。
診断項目が52項目に増え、より詳細な分析が可能になったミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を、ぜひチームの結束力強化にお役立てください。
メンバー間の相互理解を深め、より強固なチームを作り上げる第一歩となるでしょう。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。まずはお気軽にお試しください。
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ミイダスサービス概要資料

同じ意見だから共感するのではなく、異なる意見でも理解しようと想像する他者理解がエンパシーの本質です。作家のプレイディみかこ氏はイギリスの中学に通う息子さんの言葉を借りて、エンパシーは「他者の靴を履く」ことだと表現しています。
ビジネスシーンでエンパシーを発揮すると、表面化していない顧客のニーズを捉えやすくなります。相手の視点に立つからこそ、顧客自身も気づいていない、または言語化できていないニーズを見出せるのです。
またこの理解が「自分をわかってくれている」という安心感を生み、信頼関係の土台となります。組織全体でこの能力を高めれば、深いコミュニケーションが促進され、生産性も向上するでしょう。
参考:ブレイディみかこ(著)『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』文藝春秋
たとえば、チームメンバーが失敗したとき、「大変だったね」と声をかけるのはシンパシーにもエンパシーにもあり得る行動ですが、エンパシーでは「あの状況では誰でも難しかっただろうね。次はどうアプローチしたい?」と相手の立場から理解を示しつつ、前に進む道筋も示します。
【エンパシーとシンパシーの比較】
エンパシー | シンパシー | |
---|---|---|
反応の仕方 | 相手の気持ちを一緒に感じて理解する | 「かわいそう」「大変だ」と感じる 共感を示す |
考えるときの視点 | 相手の気持ちになって考える | 自分の気持ちから考える |
人との関係 | 対等な関係になりやすい | 上下関係が生まれることがある |
感情の種類 | 嬉しい気持ちも、悲しい気持ちも理解できる | 悲しい気持ちなど、ネガティブな感情への反応が多い |
仕事で役立つこと | 相手の信頼を得やすい | 必ずしも良い関係を作るとは限らない |
日々の対話の中で相手の立場に立つ習慣を身につければ、ビジネスにおいても個人の関係においても、より深い信頼関係を築けるでしょう。

ビジネスシーンにおいてエンパシーの向上が重要視される理由には、大きく三つの側面があります。
- 従業員の心の健康を支える
- チームの結束力と仕事への意欲を高める
- サービス品質と顧客満足度向上に直結する
それぞれを詳しく見ていきましょう。
従業員の心の健康を支える
組織内でエンパシーが発揮されると、従業員の心の健康を効果的に支えられます。相手の立場で考えるこの力が職場に広がると、「私の気持ちをわかってくれる」という感覚が生まれます。そして本音で話せる場が自然と形成されるのです。
エンパシーが息づく組織ではストレスや孤立感が減少し、社員の定着率が向上します。安心して意見を伝えられる環境では、新しいアイデアも自然と湧き出てきます。職場全体の活気も高まっていくでしょう。
管理職の姿勢はとくに影響力があります。上司が部下の話に真剣に耳を傾けると、チーム全体に安心感が広がるのです。結果として自由な発想や積極的な提案が増えていきます。
人と人のつながりの質が会社の未来を支える基盤となります。エンパシーを育む組織文化は、社員の心の健康だけでなく、組織全体の成長力も高めるのです。
以下の記事では、部下の心の健康を支える方法について、詳しく解説しています。
【関連記事:部下のストレスにどう向き合えばいい?ストレスの原因や対処法を紹介】
エンパシーが息づく組織ではストレスや孤立感が減少し、社員の定着率が向上します。安心して意見を伝えられる環境では、新しいアイデアも自然と湧き出てきます。職場全体の活気も高まっていくでしょう。
管理職の姿勢はとくに影響力があります。上司が部下の話に真剣に耳を傾けると、チーム全体に安心感が広がるのです。結果として自由な発想や積極的な提案が増えていきます。
人と人のつながりの質が会社の未来を支える基盤となります。エンパシーを育む組織文化は、社員の心の健康だけでなく、組織全体の成長力も高めるのです。
以下の記事では、部下の心の健康を支える方法について、詳しく解説しています。
【関連記事:部下のストレスにどう向き合えばいい?ストレスの原因や対処法を紹介】
チームの結束力と仕事への意欲を高める
職場におけるエンパシーは、チーム全体の結束力を高める重要な要素です。メンバーが互いの感情や考えを受け止めることで、深い信頼関係が生まれます。
たとえば、プロジェクトで行き詰まったメンバーが悩みを打ち明けた場面を比較します。
たとえば、プロジェクトで行き詰まったメンバーが悩みを打ち明けた場面を比較します。
【エンパシーが低いチーム】
リーダー:「そんな甘えたことを言うな。期限は変わらないぞ。」
結果:メンバーは二度と弱みを見せず、問題を一人で抱え込みます。
リーダー:「そんな甘えたことを言うな。期限は変わらないぞ。」
結果:メンバーは二度と弱みを見せず、問題を一人で抱え込みます。
【エンパシーが高いチーム】
リーダー:「私も同じ壁にぶつかった経験があります。どこで困っているか一緒に確認しましょう。」
結果:メンバーは安心して課題を共有し、チーム全体で解決策を見いだします。
リーダー:「私も同じ壁にぶつかった経験があります。どこで困っているか一緒に確認しましょう。」
結果:メンバーは安心して課題を共有し、チーム全体で解決策を見いだします。
このように、エンパシーを基にしたコミュニケーションは、困難な状況でも協力して問題解決に取り組む意欲を高めます。目標達成に向けたチームの結束力を強化するでしょう。
以下の記事ではチームビルディングのポイントについて詳しく解説しています。
【関連記事:チームビルディングとは?目的・メリット、目的別の実施方法を紹介】
以下の記事ではチームビルディングのポイントについて詳しく解説しています。
【関連記事:チームビルディングとは?目的・メリット、目的別の実施方法を紹介】
サービス品質と顧客満足度向上に直結する
エンパシーは、サービス品質と顧客満足度の向上に直結します。顧客の感情を理解し寄り添う姿勢が、ビジネス成果に良い影響を与えます。
たとえば、商品に不満を持つ顧客に「ご不便をおかけして申し訳ありません」と共感を示すと、顧客の怒りが和らぐでしょう。冷静な話し合いが可能になり、スタッフも精神的負担が減少します。結果として仕事への意欲も高まっていくでしょう。
エンパシーは単なる接客テクニックではなく、顧客とスタッフ双方に価値をもたらす重要なスキルと言えるのです。
たとえば、商品に不満を持つ顧客に「ご不便をおかけして申し訳ありません」と共感を示すと、顧客の怒りが和らぐでしょう。冷静な話し合いが可能になり、スタッフも精神的負担が減少します。結果として仕事への意欲も高まっていくでしょう。
エンパシーは単なる接客テクニックではなく、顧客とスタッフ双方に価値をもたらす重要なスキルと言えるのです。
ビジネスシーンにおけるエンパシーの具体例【会話例付き】
ビジネスの現場では、さまざまな場面でエンパシーが求められます。上司と部下の関係、顧客対応、営業活動など、ビジネスのあらゆる側面でエンパシーは欠かせません。
ではエンパシーの有無によって、具体的にコミュニケーションはどのように変わるのでしょうか。シーン別に具体的な会話例を見ていきましょう。上司から部下へ
【エンパシーが欠如した会話例】
部下:「先日の提案、うまくいきませんでした。」
上司:「結果がすべてだ。次、頑張れ。」この会話では、部下の努力や困難への理解が見られず、一方的な叱咤激励に終始しています。部下は不満を感じ、次の行動への意欲を失いかねません。【エンパシーを意識した会話例】
部下:「先日の提案、うまくいきませんでした。」
上司:「そうか、大変だったね。何か困ったことや、原因は分析できたかな?」この会話ではまず部下の苦労を受け止め、共感しています。さらに、部下自身に考えるきっかけを与え、成長を促す次の行動を示しています。
部下は上司に理解してもらえたという安心感から、次のチャレンジへの意欲が自然と生まれるでしょう。管理職に求められるのは、叱責に先立つ共感の言葉と、部下の自律的な成長を引き出すコミュニケーション能力なのです。顧客対応
顧客と信頼関係を築くうえでも、エンパシーはビジネスパーソンとして不可欠のスキルです。【エンパシーが欠如した会話例】
顧客:「先月買った商品が使いにくくて困っています。説明書を読んでもわかりません。」
担当者:「弊社の製品は十分にテストされており、説明書に沿って使用すれば問題ありません。お客様が正しく操作されていないのだと思います。」この対応では、顧客の不便さや不満に対する共感が全く示されていません。顧客は不満を募らせ、企業のイメージ低下につながる可能性があります。【エンパシーを意識した会話例】
顧客:「先月買った商品が使いにくくて困っています。説明書を読んでもわかりません。」
担当者:「ご不便をおかけして申し訳ございません。説明書だけではわかりにくい部分があったかもしれませんね。どの機能についてお困りでしょうか。具体的にご案内いたします。」この対応では、まず顧客の不快な感情を受け止め、謝罪の言葉を伝えています。そして、状況を詳細に把握しようとする姿勢を示すことで、顧客は「真摯に対応してもらえそうだ」と感じ、安心感を覚えるでしょう。営業活動
営業活動では、顧客のニーズを深く理解し、信頼関係を築く心配りが非常に重要です。エンパシーが高い営業担当者は、顧客の感情や状況に寄り添えるため、 双方向のコミュニケーションを実現できます。【エンパシーが欠如した会話例】
営業担当者:「弊社の新商品は非常に優れています。ぜひ導入をご検討ください。」
顧客:「予算が厳しいので導入は難しいかと……。」
営業担当者:「そうですか。それは仕方ありませんね。」この例では、営業担当者は顧客の「予算が厳しい」という懸念に対して「それは仕方ありませんね」と簡単に諦めてしまっています。顧客の状況への理解や問題解決への意欲が見られません。
このような対応では顧客は自分の課題を理解してもらえていないと感じ、関係構築の機会を逃してしまいます。【エンパシーを意識した会話例】
営業担当者:「弊社の新商品は、〇〇様の 現在の課題解決に貢献できると考えております。 まず第一に、〇〇様の現在の状況や、 どのような目標を優先にされているか、詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」
顧客:「予算が厳しいので導入は難しいかと……。」
営業担当者:「予算についてのご懸念、承知いたしました。 現在のご予算内で、 どのような点を最も重視されますでしょうか。もしかすると、段階的な導入や、一部機能に絞ったご提案も可能です。」この会話では、まず顧客の状況を深く理解しようとする姿勢が見られます。「予算が厳しい」という顧客の言葉に対して単に共感するだけでなく、「段階的な導入」や「一部機能に絞ったご提案」など具体的な解決策を示しています。
顧客は自分の状況を理解してもらえていると感じ、解決策を一緒に考える前向きな関係へと発展するでしょう。
以下の記事では、社内のコミュニケーションストレスの原因について詳しく解説しています。
【関連記事:社内のコミュニケーションストレスの原因は?軽減方法を解説】エンパシーの種類
エンパシーにはいくつかの種類があり、それぞれ相手の感情を捉え、理解するアプローチが異なります。エンパシーの具体的な種類について詳しく見ていきましょう。- エモーショナル・エンパシー(感情的共感)
- コグニティブ・エンパシー(認知的共感)
- コンパッショネイト・エンパシー(同情的共感)
- ソマティック・エンパシー(身体的共感)
エモーショナル・エンパシー(感情的共感)
エモーショナル・エンパシーは、他者の感情を直感的に感じとる能力です。友人の悲しみに自分の心が痛むように、相手の感情に深く寄り添い、共に感情が動きます。
シンパシーに近い感覚と言えるでしょう。
つらさに胸が締め付けられたり、涙がこぼれたりするのはこの働きです。感情を共有することで、より深い人間関係を築けます。コグニティブ・エンパシー(認知的共感)
コグニティブ・エンパシーは、相手の気持ちを頭で理解する力です。仕事で失敗した同僚に対し「つらいだろうな」と想像するように、相手の状況や気持ちを推測します。
相手の立場になって考えることで、より適切な声かけや行動ができるようになります。コンパッショネイト・エンパシー(同情的共感)
コンパッショネイト・エンパシーは、相手の気持ちを理解し共感するだけでなく、助ける行動を起こす能力です。たとえば、苦しむ人に「つらいね」と寄り添うだけでなく、「何かできることはありませんか」と、実際に手助けする姿勢を示すのが特徴です。ソマティック・エンパシー(身体的共感)
ソマティック・エンパシー(身体的共感)は、他者の身体的な状態や感覚を、自分自身の身体で感じる能力を指します。たとえば、誰かが緊張しているのを見て、自分もその緊張を感じたり、痛みを訴える人を見て自分も同様の不快感を覚えたりすることが挙げられます。エンパシーが高い人の特徴と具体例
エンパシーが高い人は、相手の感情を敏感に察知し、共感的な行動を示せます。具体例は以下の通りです。- 友人の悲しみに寄り添い、涙ぐみながら話を聞く。
- 意見が対立する場で、それぞれの言い分を丁寧に聞き、共通点を探す。
- 困っている人に気づき、そっと手を差し伸べる。
相手の立場に立って考えられるため、温かく良好な人間関係を築けます。エンパシーが低い人の特徴と具体例エンパシーが低い人は、相手の感情を理解することが難しく、配慮に欠けた言動をしがちです。たとえば、以下のような対応が挙げられます。- 友人が悩んでいるのに、「そんなこと気にしすぎだよ」と軽く受け流す。
- 会議で多数決になった際、少数派の意見を全く聞こうとしない。
- 体調が悪そうな人に「大丈夫?」と声をかけることなく、自分の仕事に集中する。
自己中心的になりがちなため、人間関係において摩擦を生じやすい傾向があります。
このようなエンパシーの違いは生まれつきの部分もありますが、適切な取り組みによって育てることも可能です。とくに組織の中でエンパシーを高めることは、チームの生産性向上につながる重要な施策と言えるでしょう。ビジネスにおけるエンパシーを育てる5つの方法
「従業員同士が互いに信頼し、尊重し合う組織文化を作りたい。」
このようにお考えの方向けに、組織全体でエンパシーを育む方法を5つ解説します。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
「安心して話せる職場」を作る
共感力を育てるには、従業員が「ここなら本音を言える」と思える場が必要です。心理的安全性が確保されていると、オープンなコミュニケーションが活発になり、共感力を磨く土台となります。
人事施策としては、次のような取り組みが効果的です。- 定期的な1on1面談
- 小規模の意見交換会
- 社内チャットで匿名の意見を募集
- 社内チャットでの「質問箱」やオープンな意見募集制度 など
こうした心理的安全性を高める取り組みは、従業員の信頼感を育むでしょう。セルフケアを推進する
エンパシーを高めるには、心身の健康を整える工夫が欠かせません。心身が疲れていたりストレスを抱えていたりすると、他人の感情に寄り添う余裕がなくなり、エンパシーを発揮しにくくなります。
人事施策として可能な支援の例は以下の通りです。- リフレッシュ休暇の導入
- メンタルヘルス相談窓口の設置
- ワークライフバランスを考えた勤務制度 など
心の余裕が生まれることで、周囲への共感も高まります。多様な価値観に触れる場を用意する
エンパシーは、異なる文化や価値観を持つ人々と交流したり、多様な社会経験を積んだりする中で高まります。視野が広がり、他者の視点を取り入れやすくなるためです。
組織としては、以下のような場を提供するのが効果的でしょう。- 異文化理解研修
- 他部署との交流イベント
- 社外の人との勉強会 など
こうした施策を通じて「相手の立場に立って考える力」が自然に身につきます。従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
人事担当者として従業員のエンパシーを育てるには、まず職場の雰囲気や従業員の心理状態を把握することが重要です。最近では、従業員の気持ちや組織の状態を「見える化」するツールが充実しています。
人事部門が活用できる感情可視化ツールには次のようなものがあります。- パルスサーベイツール(短時間・高頻度で行う意識調査)
- エンゲージメントサーベイ(従業員の帰属意識や満足度の測定)
- 組織診断ツール(組織の健全性を数値化)
- ストレスチェックシステム(法定のチェックを超えた分析機能) など
数値やデータによる「見える化」で、従業員自身も自分たちの状態を客観視でき、互いの感情や状況への理解が深まります。これがチーム内の共感力向上につながるのです。
なおミイダスでは、従業員の健康や人間関係、仕事へのやりがいなどを可視化するツール「組織サーベイ」を提供しています。従業員の胸の内を知れば、人事担当者として適切に寄り添えるでしょう。
このような組織分析ツールを活用し、自社の課題を数値化して具体的な施策に結びつけましょう。組織全体のエンパシー向上への第一歩として、ぜひご検討ください。いろいろな方法を「合わせて続ける」
エンパシーは一度の取り組みでは身につきません。人の気持ちを理解し共感する力は、日々の積み重ねと多様な経験を通して徐々に育まれるものだからです。
紹介した4つのポイントに沿った 多様な施策を組み合わせ、継続する姿勢が重要です。
これらを「会社全体の取り組み」として支える仕組みが求められます。【今日から実践】エンパシーを高めるために個人ができる3つの簡単な方法
エンパシーは日常の小さな習慣から育てられます。忙しい毎日の中でも無理なく続けられる、エンパシーを高める3つの実践法を紹介します。- 傾聴を意識する
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
それぞれ解説します。傾聴を意識する
日常的に傾聴を意識すると、相手の立場や感情を理解する能力が向上します。傾聴とは、相手の話に関心を持ち、真摯な姿勢で耳を傾けるコミュニケーション技法です。
気持ちを想像しながら丁寧に聴くうちに、自然とエンパシーは高まります。日々のコミュニケーションで「そう思ったのですね」「それは大変でしたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉がけを心がけましょう。
肯定的な反応は相手の心を開き、より深い感情や意図の理解につながります。
以下の記事では、傾聴についてさらに詳しく解説しています。
【関連記事:アクティブリスニング(積極的傾聴)とは?すぐ実践できるやり方も紹介】ネット上で共感の文章を書く練習をする
エンパシーは対面でなくても育てられます。たとえば、SNSやインターネット上の掲示板で他人の投稿に対して、肯定的にコメントしてみるのです。
自分の気持ちを交えながら「それはとても勇気がいることですね」などと文字にすると、自分の内面を整理しつつ他人の感情を深く考えられます。
日常的なネット利用の中にも、エンパシーを育てるチャンスが転がっています。日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーを高めるには、会話のあとに相手の気持ちを振り返るのも効果的です。たとえば帰宅後に「同僚はなぜあの発言をしたのか」と振り返り、書き出してみましょう。
思いつくまま書き出すうちに、同僚の感情に納得できるかもしれません。
このような自己内省は、教育や看護などの現場でも活用されており、他者の視点を持つ力を育てる方法として信頼されています。書き出すことで相手の感情を自分の言葉で整理でき、次のやりとりへの意識も高まります。
毎日の小さな振り返りが、エンパシーを育てる土台となるでしょう。エンパシーを高める際の注意点
これまでエンパシーの重要性と高め方について解説してきましたが、エンパシーを発揮しすぎることによる弊害も存在します。以下の点に注意しましょう。- エンパシー疲れに注意する
- 同じレベルの共感をすべての人に求めない
それぞれ解説します。共感疲労(エンパシー疲れ)に注意する
共感疲労とは、相手の痛みに深く共感しすぎるあまり、自分自身が疲弊してしまう状態を指します。とくに他者の悩みに深く関わる仕事をされている方は、共感する力が強いからこそ、意識的に対策を講じましょう。
共感疲労を未然に防ぎ、心の健康を維持するために、以下の予防法を日常生活に取り入れてみると良いでしょう。- 自分だけの時間を意識的に作る
- デジタルデトックスをする
- リラクゼーション効果の高いセルフケアを実践する(たとえば、ヨガ、アロマテラピー、瞑想など)
- 気の置けない友人に話す など
これらの予防法に加えて、自分の趣味に没頭する時間を持つのもおすすめです。気分転換になり、リフレッシュ効果が期待できます。
また、自分のエネルギーレベルを意識するのも大切です。疲労時や精神的余裕がない状況では、意識的に「今は深く共感するのが難しい」と認識し、無理をしないことも健全なエンパシーの一部です。
エンパシーは素晴らしい力ですが、長くその力を発揮するためにも、日頃から自身の心のケアを大切にしましょう。同じレベルの共感をすべての人に求めない
同じレベルの共感をすべての人に求めるべきではありません。エンパシーが高い場合、相手にも同じように共感してほしいと期待しがちです。その期待が同調圧力になることもあります。
たとえば、「私の気持ちをわかってくれるよね」という期待は、相手にとってプレッシャーとなりえます。共感を求める気持ちが重荷となり、相手を追い詰めてしまうかもしれません。
自分への賛同を相手の共感だと勘違いすると、いつの間にか相手に負担をかけてしまいます。このような状況は決して珍しくありません。
エンパシーのバランスを取ることは、個人の心の健康と組織の健全な関係性を両立させるために重要です。過度な要求や期待を避けながらも、必要な場面で適切にエンパシーを発揮できる組織風土を目指しましょう。
【関連記事:同調圧力の具体例とは?日本・海外の事情や生産性との関係を解説】エンパシーを組織に取り入れ、より良い職場環境を作ろう
本記事ではビジネスにおけるエンパシーについて、その重要性や具体的な種類、ビジネスシーンでの活用例を解説しました。エンパシーを発揮するためには、組織と個人の両面からのアプローチが不可欠です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
個人としては、以下の取り組みがエンパシーの向上に役立つでしょう。- 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添う
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な取り組みにより、必ず高められます。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
長期的視点で組織全体のエンパシー向上に取り組むことで、持続可能な企業成長の基盤が築けるのです。チーム内の共感力を可視化し、強化する|ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を今すぐ活用しよう
チーム内のコミュニケーション不足や連携の弱さにお悩みではありませんか。エンパシーは、メンバー間の相互理解を深め、信頼関係を構築することで、チームの結束力を高める不可欠な要素です。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、チームメンバー一人ひとりの「共感力」を可視化します。個々の特性を把握することで、チーム全体のコミュニケーション課題を明確にし、より円滑な連携を促すための具体的な施策を検討できます。
診断項目が52項目に増え、より詳細な分析が可能になったミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を、ぜひチームの結束力強化にお役立てください。
メンバー間の相互理解を深め、より強固なチームを作り上げる第一歩となるでしょう。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。まずはお気軽にお試しください。
ミイダスを無料でお試し
ミイダスのサービス概要を知りたい方は、以下の資料をダウンロードください。採用から定着まで、ミイダスは貴社の人事施策に寄り添いサポートします。
ミイダスサービス概要資料

ではエンパシーの有無によって、具体的にコミュニケーションはどのように変わるのでしょうか。シーン別に具体的な会話例を見ていきましょう。
部下:「先日の提案、うまくいきませんでした。」
上司:「結果がすべてだ。次、頑張れ。」
部下:「先日の提案、うまくいきませんでした。」
上司:「そうか、大変だったね。何か困ったことや、原因は分析できたかな?」
部下は上司に理解してもらえたという安心感から、次のチャレンジへの意欲が自然と生まれるでしょう。管理職に求められるのは、叱責に先立つ共感の言葉と、部下の自律的な成長を引き出すコミュニケーション能力なのです。
顧客:「先月買った商品が使いにくくて困っています。説明書を読んでもわかりません。」
担当者:「弊社の製品は十分にテストされており、説明書に沿って使用すれば問題ありません。お客様が正しく操作されていないのだと思います。」
顧客:「先月買った商品が使いにくくて困っています。説明書を読んでもわかりません。」
担当者:「ご不便をおかけして申し訳ございません。説明書だけではわかりにくい部分があったかもしれませんね。どの機能についてお困りでしょうか。具体的にご案内いたします。」
営業担当者:「弊社の新商品は非常に優れています。ぜひ導入をご検討ください。」
顧客:「予算が厳しいので導入は難しいかと……。」
営業担当者:「そうですか。それは仕方ありませんね。」
このような対応では顧客は自分の課題を理解してもらえていないと感じ、関係構築の機会を逃してしまいます。
営業担当者:「弊社の新商品は、〇〇様の 現在の課題解決に貢献できると考えております。 まず第一に、〇〇様の現在の状況や、 どのような目標を優先にされているか、詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」
顧客:「予算が厳しいので導入は難しいかと……。」
営業担当者:「予算についてのご懸念、承知いたしました。 現在のご予算内で、 どのような点を最も重視されますでしょうか。もしかすると、段階的な導入や、一部機能に絞ったご提案も可能です。」
顧客は自分の状況を理解してもらえていると感じ、解決策を一緒に考える前向きな関係へと発展するでしょう。
以下の記事では、社内のコミュニケーションストレスの原因について詳しく解説しています。
【関連記事:社内のコミュニケーションストレスの原因は?軽減方法を解説】

エンパシーにはいくつかの種類があり、それぞれ相手の感情を捉え、理解するアプローチが異なります。エンパシーの具体的な種類について詳しく見ていきましょう。
- エモーショナル・エンパシー(感情的共感)
- コグニティブ・エンパシー(認知的共感)
- コンパッショネイト・エンパシー(同情的共感)
- ソマティック・エンパシー(身体的共感)
エモーショナル・エンパシー(感情的共感)
エモーショナル・エンパシーは、他者の感情を直感的に感じとる能力です。友人の悲しみに自分の心が痛むように、相手の感情に深く寄り添い、共に感情が動きます。
シンパシーに近い感覚と言えるでしょう。
つらさに胸が締め付けられたり、涙がこぼれたりするのはこの働きです。感情を共有することで、より深い人間関係を築けます。
シンパシーに近い感覚と言えるでしょう。
つらさに胸が締め付けられたり、涙がこぼれたりするのはこの働きです。感情を共有することで、より深い人間関係を築けます。
コグニティブ・エンパシー(認知的共感)
コグニティブ・エンパシーは、相手の気持ちを頭で理解する力です。仕事で失敗した同僚に対し「つらいだろうな」と想像するように、相手の状況や気持ちを推測します。
相手の立場になって考えることで、より適切な声かけや行動ができるようになります。
相手の立場になって考えることで、より適切な声かけや行動ができるようになります。
コンパッショネイト・エンパシー(同情的共感)
コンパッショネイト・エンパシーは、相手の気持ちを理解し共感するだけでなく、助ける行動を起こす能力です。たとえば、苦しむ人に「つらいね」と寄り添うだけでなく、「何かできることはありませんか」と、実際に手助けする姿勢を示すのが特徴です。
ソマティック・エンパシー(身体的共感)
ソマティック・エンパシー(身体的共感)は、他者の身体的な状態や感覚を、自分自身の身体で感じる能力を指します。たとえば、誰かが緊張しているのを見て、自分もその緊張を感じたり、痛みを訴える人を見て自分も同様の不快感を覚えたりすることが挙げられます。
エンパシーが高い人の特徴と具体例
エンパシーが高い人は、相手の感情を敏感に察知し、共感的な行動を示せます。具体例は以下の通りです。- 友人の悲しみに寄り添い、涙ぐみながら話を聞く。
- 意見が対立する場で、それぞれの言い分を丁寧に聞き、共通点を探す。
- 困っている人に気づき、そっと手を差し伸べる。
相手の立場に立って考えられるため、温かく良好な人間関係を築けます。エンパシーが低い人の特徴と具体例エンパシーが低い人は、相手の感情を理解することが難しく、配慮に欠けた言動をしがちです。たとえば、以下のような対応が挙げられます。- 友人が悩んでいるのに、「そんなこと気にしすぎだよ」と軽く受け流す。
- 会議で多数決になった際、少数派の意見を全く聞こうとしない。
- 体調が悪そうな人に「大丈夫?」と声をかけることなく、自分の仕事に集中する。
自己中心的になりがちなため、人間関係において摩擦を生じやすい傾向があります。
このようなエンパシーの違いは生まれつきの部分もありますが、適切な取り組みによって育てることも可能です。とくに組織の中でエンパシーを高めることは、チームの生産性向上につながる重要な施策と言えるでしょう。ビジネスにおけるエンパシーを育てる5つの方法
「従業員同士が互いに信頼し、尊重し合う組織文化を作りたい。」
このようにお考えの方向けに、組織全体でエンパシーを育む方法を5つ解説します。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
「安心して話せる職場」を作る
共感力を育てるには、従業員が「ここなら本音を言える」と思える場が必要です。心理的安全性が確保されていると、オープンなコミュニケーションが活発になり、共感力を磨く土台となります。
人事施策としては、次のような取り組みが効果的です。- 定期的な1on1面談
- 小規模の意見交換会
- 社内チャットで匿名の意見を募集
- 社内チャットでの「質問箱」やオープンな意見募集制度 など
こうした心理的安全性を高める取り組みは、従業員の信頼感を育むでしょう。セルフケアを推進する
エンパシーを高めるには、心身の健康を整える工夫が欠かせません。心身が疲れていたりストレスを抱えていたりすると、他人の感情に寄り添う余裕がなくなり、エンパシーを発揮しにくくなります。
人事施策として可能な支援の例は以下の通りです。- リフレッシュ休暇の導入
- メンタルヘルス相談窓口の設置
- ワークライフバランスを考えた勤務制度 など
心の余裕が生まれることで、周囲への共感も高まります。多様な価値観に触れる場を用意する
エンパシーは、異なる文化や価値観を持つ人々と交流したり、多様な社会経験を積んだりする中で高まります。視野が広がり、他者の視点を取り入れやすくなるためです。
組織としては、以下のような場を提供するのが効果的でしょう。- 異文化理解研修
- 他部署との交流イベント
- 社外の人との勉強会 など
こうした施策を通じて「相手の立場に立って考える力」が自然に身につきます。従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
人事担当者として従業員のエンパシーを育てるには、まず職場の雰囲気や従業員の心理状態を把握することが重要です。最近では、従業員の気持ちや組織の状態を「見える化」するツールが充実しています。
人事部門が活用できる感情可視化ツールには次のようなものがあります。- パルスサーベイツール(短時間・高頻度で行う意識調査)
- エンゲージメントサーベイ(従業員の帰属意識や満足度の測定)
- 組織診断ツール(組織の健全性を数値化)
- ストレスチェックシステム(法定のチェックを超えた分析機能) など
数値やデータによる「見える化」で、従業員自身も自分たちの状態を客観視でき、互いの感情や状況への理解が深まります。これがチーム内の共感力向上につながるのです。
なおミイダスでは、従業員の健康や人間関係、仕事へのやりがいなどを可視化するツール「組織サーベイ」を提供しています。従業員の胸の内を知れば、人事担当者として適切に寄り添えるでしょう。
このような組織分析ツールを活用し、自社の課題を数値化して具体的な施策に結びつけましょう。組織全体のエンパシー向上への第一歩として、ぜひご検討ください。いろいろな方法を「合わせて続ける」
エンパシーは一度の取り組みでは身につきません。人の気持ちを理解し共感する力は、日々の積み重ねと多様な経験を通して徐々に育まれるものだからです。
紹介した4つのポイントに沿った 多様な施策を組み合わせ、継続する姿勢が重要です。
これらを「会社全体の取り組み」として支える仕組みが求められます。【今日から実践】エンパシーを高めるために個人ができる3つの簡単な方法
エンパシーは日常の小さな習慣から育てられます。忙しい毎日の中でも無理なく続けられる、エンパシーを高める3つの実践法を紹介します。- 傾聴を意識する
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
それぞれ解説します。傾聴を意識する
日常的に傾聴を意識すると、相手の立場や感情を理解する能力が向上します。傾聴とは、相手の話に関心を持ち、真摯な姿勢で耳を傾けるコミュニケーション技法です。
気持ちを想像しながら丁寧に聴くうちに、自然とエンパシーは高まります。日々のコミュニケーションで「そう思ったのですね」「それは大変でしたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉がけを心がけましょう。
肯定的な反応は相手の心を開き、より深い感情や意図の理解につながります。
以下の記事では、傾聴についてさらに詳しく解説しています。
【関連記事:アクティブリスニング(積極的傾聴)とは?すぐ実践できるやり方も紹介】ネット上で共感の文章を書く練習をする
エンパシーは対面でなくても育てられます。たとえば、SNSやインターネット上の掲示板で他人の投稿に対して、肯定的にコメントしてみるのです。
自分の気持ちを交えながら「それはとても勇気がいることですね」などと文字にすると、自分の内面を整理しつつ他人の感情を深く考えられます。
日常的なネット利用の中にも、エンパシーを育てるチャンスが転がっています。日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーを高めるには、会話のあとに相手の気持ちを振り返るのも効果的です。たとえば帰宅後に「同僚はなぜあの発言をしたのか」と振り返り、書き出してみましょう。
思いつくまま書き出すうちに、同僚の感情に納得できるかもしれません。
このような自己内省は、教育や看護などの現場でも活用されており、他者の視点を持つ力を育てる方法として信頼されています。書き出すことで相手の感情を自分の言葉で整理でき、次のやりとりへの意識も高まります。
毎日の小さな振り返りが、エンパシーを育てる土台となるでしょう。エンパシーを高める際の注意点
これまでエンパシーの重要性と高め方について解説してきましたが、エンパシーを発揮しすぎることによる弊害も存在します。以下の点に注意しましょう。- エンパシー疲れに注意する
- 同じレベルの共感をすべての人に求めない
それぞれ解説します。共感疲労(エンパシー疲れ)に注意する
共感疲労とは、相手の痛みに深く共感しすぎるあまり、自分自身が疲弊してしまう状態を指します。とくに他者の悩みに深く関わる仕事をされている方は、共感する力が強いからこそ、意識的に対策を講じましょう。
共感疲労を未然に防ぎ、心の健康を維持するために、以下の予防法を日常生活に取り入れてみると良いでしょう。- 自分だけの時間を意識的に作る
- デジタルデトックスをする
- リラクゼーション効果の高いセルフケアを実践する(たとえば、ヨガ、アロマテラピー、瞑想など)
- 気の置けない友人に話す など
これらの予防法に加えて、自分の趣味に没頭する時間を持つのもおすすめです。気分転換になり、リフレッシュ効果が期待できます。
また、自分のエネルギーレベルを意識するのも大切です。疲労時や精神的余裕がない状況では、意識的に「今は深く共感するのが難しい」と認識し、無理をしないことも健全なエンパシーの一部です。
エンパシーは素晴らしい力ですが、長くその力を発揮するためにも、日頃から自身の心のケアを大切にしましょう。同じレベルの共感をすべての人に求めない
同じレベルの共感をすべての人に求めるべきではありません。エンパシーが高い場合、相手にも同じように共感してほしいと期待しがちです。その期待が同調圧力になることもあります。
たとえば、「私の気持ちをわかってくれるよね」という期待は、相手にとってプレッシャーとなりえます。共感を求める気持ちが重荷となり、相手を追い詰めてしまうかもしれません。
自分への賛同を相手の共感だと勘違いすると、いつの間にか相手に負担をかけてしまいます。このような状況は決して珍しくありません。
エンパシーのバランスを取ることは、個人の心の健康と組織の健全な関係性を両立させるために重要です。過度な要求や期待を避けながらも、必要な場面で適切にエンパシーを発揮できる組織風土を目指しましょう。
【関連記事:同調圧力の具体例とは?日本・海外の事情や生産性との関係を解説】エンパシーを組織に取り入れ、より良い職場環境を作ろう
本記事ではビジネスにおけるエンパシーについて、その重要性や具体的な種類、ビジネスシーンでの活用例を解説しました。エンパシーを発揮するためには、組織と個人の両面からのアプローチが不可欠です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
個人としては、以下の取り組みがエンパシーの向上に役立つでしょう。- 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添う
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エンパシーは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な取り組みにより、必ず高められます。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
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チーム内のコミュニケーション不足や連携の弱さにお悩みではありませんか。エンパシーは、メンバー間の相互理解を深め、信頼関係を構築することで、チームの結束力を高める不可欠な要素です。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、チームメンバー一人ひとりの「共感力」を可視化します。個々の特性を把握することで、チーム全体のコミュニケーション課題を明確にし、より円滑な連携を促すための具体的な施策を検討できます。
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エンパシーが低い人は、相手の感情を理解することが難しく、配慮に欠けた言動をしがちです。たとえば、以下のような対応が挙げられます。
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- 会議で多数決になった際、少数派の意見を全く聞こうとしない。
- 体調が悪そうな人に「大丈夫?」と声をかけることなく、自分の仕事に集中する。
自己中心的になりがちなため、人間関係において摩擦を生じやすい傾向があります。
このようなエンパシーの違いは生まれつきの部分もありますが、適切な取り組みによって育てることも可能です。とくに組織の中でエンパシーを高めることは、チームの生産性向上につながる重要な施策と言えるでしょう。
このようなエンパシーの違いは生まれつきの部分もありますが、適切な取り組みによって育てることも可能です。とくに組織の中でエンパシーを高めることは、チームの生産性向上につながる重要な施策と言えるでしょう。
ビジネスにおけるエンパシーを育てる5つの方法
「従業員同士が互いに信頼し、尊重し合う組織文化を作りたい。」
このようにお考えの方向けに、組織全体でエンパシーを育む方法を5つ解説します。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
「安心して話せる職場」を作る
共感力を育てるには、従業員が「ここなら本音を言える」と思える場が必要です。心理的安全性が確保されていると、オープンなコミュニケーションが活発になり、共感力を磨く土台となります。
人事施策としては、次のような取り組みが効果的です。- 定期的な1on1面談
- 小規模の意見交換会
- 社内チャットで匿名の意見を募集
- 社内チャットでの「質問箱」やオープンな意見募集制度 など
こうした心理的安全性を高める取り組みは、従業員の信頼感を育むでしょう。セルフケアを推進する
エンパシーを高めるには、心身の健康を整える工夫が欠かせません。心身が疲れていたりストレスを抱えていたりすると、他人の感情に寄り添う余裕がなくなり、エンパシーを発揮しにくくなります。
人事施策として可能な支援の例は以下の通りです。- リフレッシュ休暇の導入
- メンタルヘルス相談窓口の設置
- ワークライフバランスを考えた勤務制度 など
心の余裕が生まれることで、周囲への共感も高まります。多様な価値観に触れる場を用意する
エンパシーは、異なる文化や価値観を持つ人々と交流したり、多様な社会経験を積んだりする中で高まります。視野が広がり、他者の視点を取り入れやすくなるためです。
組織としては、以下のような場を提供するのが効果的でしょう。- 異文化理解研修
- 他部署との交流イベント
- 社外の人との勉強会 など
こうした施策を通じて「相手の立場に立って考える力」が自然に身につきます。従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
人事担当者として従業員のエンパシーを育てるには、まず職場の雰囲気や従業員の心理状態を把握することが重要です。最近では、従業員の気持ちや組織の状態を「見える化」するツールが充実しています。
人事部門が活用できる感情可視化ツールには次のようなものがあります。- パルスサーベイツール(短時間・高頻度で行う意識調査)
- エンゲージメントサーベイ(従業員の帰属意識や満足度の測定)
- 組織診断ツール(組織の健全性を数値化)
- ストレスチェックシステム(法定のチェックを超えた分析機能) など
数値やデータによる「見える化」で、従業員自身も自分たちの状態を客観視でき、互いの感情や状況への理解が深まります。これがチーム内の共感力向上につながるのです。
なおミイダスでは、従業員の健康や人間関係、仕事へのやりがいなどを可視化するツール「組織サーベイ」を提供しています。従業員の胸の内を知れば、人事担当者として適切に寄り添えるでしょう。
このような組織分析ツールを活用し、自社の課題を数値化して具体的な施策に結びつけましょう。組織全体のエンパシー向上への第一歩として、ぜひご検討ください。いろいろな方法を「合わせて続ける」
エンパシーは一度の取り組みでは身につきません。人の気持ちを理解し共感する力は、日々の積み重ねと多様な経験を通して徐々に育まれるものだからです。
紹介した4つのポイントに沿った 多様な施策を組み合わせ、継続する姿勢が重要です。
これらを「会社全体の取り組み」として支える仕組みが求められます。【今日から実践】エンパシーを高めるために個人ができる3つの簡単な方法
エンパシーは日常の小さな習慣から育てられます。忙しい毎日の中でも無理なく続けられる、エンパシーを高める3つの実践法を紹介します。- 傾聴を意識する
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
それぞれ解説します。傾聴を意識する
日常的に傾聴を意識すると、相手の立場や感情を理解する能力が向上します。傾聴とは、相手の話に関心を持ち、真摯な姿勢で耳を傾けるコミュニケーション技法です。
気持ちを想像しながら丁寧に聴くうちに、自然とエンパシーは高まります。日々のコミュニケーションで「そう思ったのですね」「それは大変でしたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉がけを心がけましょう。
肯定的な反応は相手の心を開き、より深い感情や意図の理解につながります。
以下の記事では、傾聴についてさらに詳しく解説しています。
【関連記事:アクティブリスニング(積極的傾聴)とは?すぐ実践できるやり方も紹介】ネット上で共感の文章を書く練習をする
エンパシーは対面でなくても育てられます。たとえば、SNSやインターネット上の掲示板で他人の投稿に対して、肯定的にコメントしてみるのです。
自分の気持ちを交えながら「それはとても勇気がいることですね」などと文字にすると、自分の内面を整理しつつ他人の感情を深く考えられます。
日常的なネット利用の中にも、エンパシーを育てるチャンスが転がっています。日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーを高めるには、会話のあとに相手の気持ちを振り返るのも効果的です。たとえば帰宅後に「同僚はなぜあの発言をしたのか」と振り返り、書き出してみましょう。
思いつくまま書き出すうちに、同僚の感情に納得できるかもしれません。
このような自己内省は、教育や看護などの現場でも活用されており、他者の視点を持つ力を育てる方法として信頼されています。書き出すことで相手の感情を自分の言葉で整理でき、次のやりとりへの意識も高まります。
毎日の小さな振り返りが、エンパシーを育てる土台となるでしょう。エンパシーを高める際の注意点
これまでエンパシーの重要性と高め方について解説してきましたが、エンパシーを発揮しすぎることによる弊害も存在します。以下の点に注意しましょう。- エンパシー疲れに注意する
- 同じレベルの共感をすべての人に求めない
それぞれ解説します。共感疲労(エンパシー疲れ)に注意する
共感疲労とは、相手の痛みに深く共感しすぎるあまり、自分自身が疲弊してしまう状態を指します。とくに他者の悩みに深く関わる仕事をされている方は、共感する力が強いからこそ、意識的に対策を講じましょう。
共感疲労を未然に防ぎ、心の健康を維持するために、以下の予防法を日常生活に取り入れてみると良いでしょう。- 自分だけの時間を意識的に作る
- デジタルデトックスをする
- リラクゼーション効果の高いセルフケアを実践する(たとえば、ヨガ、アロマテラピー、瞑想など)
- 気の置けない友人に話す など
これらの予防法に加えて、自分の趣味に没頭する時間を持つのもおすすめです。気分転換になり、リフレッシュ効果が期待できます。
また、自分のエネルギーレベルを意識するのも大切です。疲労時や精神的余裕がない状況では、意識的に「今は深く共感するのが難しい」と認識し、無理をしないことも健全なエンパシーの一部です。
エンパシーは素晴らしい力ですが、長くその力を発揮するためにも、日頃から自身の心のケアを大切にしましょう。同じレベルの共感をすべての人に求めない
同じレベルの共感をすべての人に求めるべきではありません。エンパシーが高い場合、相手にも同じように共感してほしいと期待しがちです。その期待が同調圧力になることもあります。
たとえば、「私の気持ちをわかってくれるよね」という期待は、相手にとってプレッシャーとなりえます。共感を求める気持ちが重荷となり、相手を追い詰めてしまうかもしれません。
自分への賛同を相手の共感だと勘違いすると、いつの間にか相手に負担をかけてしまいます。このような状況は決して珍しくありません。
エンパシーのバランスを取ることは、個人の心の健康と組織の健全な関係性を両立させるために重要です。過度な要求や期待を避けながらも、必要な場面で適切にエンパシーを発揮できる組織風土を目指しましょう。
【関連記事:同調圧力の具体例とは?日本・海外の事情や生産性との関係を解説】エンパシーを組織に取り入れ、より良い職場環境を作ろう
本記事ではビジネスにおけるエンパシーについて、その重要性や具体的な種類、ビジネスシーンでの活用例を解説しました。エンパシーを発揮するためには、組織と個人の両面からのアプローチが不可欠です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
個人としては、以下の取り組みがエンパシーの向上に役立つでしょう。- 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添う
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な取り組みにより、必ず高められます。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
長期的視点で組織全体のエンパシー向上に取り組むことで、持続可能な企業成長の基盤が築けるのです。チーム内の共感力を可視化し、強化する|ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を今すぐ活用しよう
チーム内のコミュニケーション不足や連携の弱さにお悩みではありませんか。エンパシーは、メンバー間の相互理解を深め、信頼関係を構築することで、チームの結束力を高める不可欠な要素です。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、チームメンバー一人ひとりの「共感力」を可視化します。個々の特性を把握することで、チーム全体のコミュニケーション課題を明確にし、より円滑な連携を促すための具体的な施策を検討できます。
診断項目が52項目に増え、より詳細な分析が可能になったミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を、ぜひチームの結束力強化にお役立てください。
メンバー間の相互理解を深め、より強固なチームを作り上げる第一歩となるでしょう。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。まずはお気軽にお試しください。
ミイダスを無料でお試し
ミイダスのサービス概要を知りたい方は、以下の資料をダウンロードください。採用から定着まで、ミイダスは貴社の人事施策に寄り添いサポートします。
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このようにお考えの方向けに、組織全体でエンパシーを育む方法を5つ解説します。
人事施策としては、次のような取り組みが効果的です。
人事施策として可能な支援の例は以下の通りです。
組織としては、以下のような場を提供するのが効果的でしょう。
人事部門が活用できる感情可視化ツールには次のようなものがあります。
なおミイダスでは、従業員の健康や人間関係、仕事へのやりがいなどを可視化するツール「組織サーベイ」を提供しています。従業員の胸の内を知れば、人事担当者として適切に寄り添えるでしょう。
このような組織分析ツールを活用し、自社の課題を数値化して具体的な施策に結びつけましょう。組織全体のエンパシー向上への第一歩として、ぜひご検討ください。
紹介した4つのポイントに沿った 多様な施策を組み合わせ、継続する姿勢が重要です。
これらを「会社全体の取り組み」として支える仕組みが求められます。

エンパシーは日常の小さな習慣から育てられます。忙しい毎日の中でも無理なく続けられる、エンパシーを高める3つの実践法を紹介します。
- 傾聴を意識する
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
それぞれ解説します。
傾聴を意識する
日常的に傾聴を意識すると、相手の立場や感情を理解する能力が向上します。傾聴とは、相手の話に関心を持ち、真摯な姿勢で耳を傾けるコミュニケーション技法です。
気持ちを想像しながら丁寧に聴くうちに、自然とエンパシーは高まります。日々のコミュニケーションで「そう思ったのですね」「それは大変でしたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉がけを心がけましょう。
肯定的な反応は相手の心を開き、より深い感情や意図の理解につながります。
以下の記事では、傾聴についてさらに詳しく解説しています。
【関連記事:アクティブリスニング(積極的傾聴)とは?すぐ実践できるやり方も紹介】
気持ちを想像しながら丁寧に聴くうちに、自然とエンパシーは高まります。日々のコミュニケーションで「そう思ったのですね」「それは大変でしたね」と、相手の気持ちに寄り添う言葉がけを心がけましょう。
肯定的な反応は相手の心を開き、より深い感情や意図の理解につながります。
以下の記事では、傾聴についてさらに詳しく解説しています。
【関連記事:アクティブリスニング(積極的傾聴)とは?すぐ実践できるやり方も紹介】
ネット上で共感の文章を書く練習をする
エンパシーは対面でなくても育てられます。たとえば、SNSやインターネット上の掲示板で他人の投稿に対して、肯定的にコメントしてみるのです。
自分の気持ちを交えながら「それはとても勇気がいることですね」などと文字にすると、自分の内面を整理しつつ他人の感情を深く考えられます。
日常的なネット利用の中にも、エンパシーを育てるチャンスが転がっています。
自分の気持ちを交えながら「それはとても勇気がいることですね」などと文字にすると、自分の内面を整理しつつ他人の感情を深く考えられます。
日常的なネット利用の中にも、エンパシーを育てるチャンスが転がっています。
日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーを高めるには、会話のあとに相手の気持ちを振り返るのも効果的です。たとえば帰宅後に「同僚はなぜあの発言をしたのか」と振り返り、書き出してみましょう。
思いつくまま書き出すうちに、同僚の感情に納得できるかもしれません。
このような自己内省は、教育や看護などの現場でも活用されており、他者の視点を持つ力を育てる方法として信頼されています。書き出すことで相手の感情を自分の言葉で整理でき、次のやりとりへの意識も高まります。
毎日の小さな振り返りが、エンパシーを育てる土台となるでしょう。
思いつくまま書き出すうちに、同僚の感情に納得できるかもしれません。
このような自己内省は、教育や看護などの現場でも活用されており、他者の視点を持つ力を育てる方法として信頼されています。書き出すことで相手の感情を自分の言葉で整理でき、次のやりとりへの意識も高まります。
毎日の小さな振り返りが、エンパシーを育てる土台となるでしょう。
エンパシーを高める際の注意点
これまでエンパシーの重要性と高め方について解説してきましたが、エンパシーを発揮しすぎることによる弊害も存在します。以下の点に注意しましょう。- エンパシー疲れに注意する
- 同じレベルの共感をすべての人に求めない
それぞれ解説します。共感疲労(エンパシー疲れ)に注意する
共感疲労とは、相手の痛みに深く共感しすぎるあまり、自分自身が疲弊してしまう状態を指します。とくに他者の悩みに深く関わる仕事をされている方は、共感する力が強いからこそ、意識的に対策を講じましょう。
共感疲労を未然に防ぎ、心の健康を維持するために、以下の予防法を日常生活に取り入れてみると良いでしょう。- 自分だけの時間を意識的に作る
- デジタルデトックスをする
- リラクゼーション効果の高いセルフケアを実践する(たとえば、ヨガ、アロマテラピー、瞑想など)
- 気の置けない友人に話す など
これらの予防法に加えて、自分の趣味に没頭する時間を持つのもおすすめです。気分転換になり、リフレッシュ効果が期待できます。
また、自分のエネルギーレベルを意識するのも大切です。疲労時や精神的余裕がない状況では、意識的に「今は深く共感するのが難しい」と認識し、無理をしないことも健全なエンパシーの一部です。
エンパシーは素晴らしい力ですが、長くその力を発揮するためにも、日頃から自身の心のケアを大切にしましょう。同じレベルの共感をすべての人に求めない
同じレベルの共感をすべての人に求めるべきではありません。エンパシーが高い場合、相手にも同じように共感してほしいと期待しがちです。その期待が同調圧力になることもあります。
たとえば、「私の気持ちをわかってくれるよね」という期待は、相手にとってプレッシャーとなりえます。共感を求める気持ちが重荷となり、相手を追い詰めてしまうかもしれません。
自分への賛同を相手の共感だと勘違いすると、いつの間にか相手に負担をかけてしまいます。このような状況は決して珍しくありません。
エンパシーのバランスを取ることは、個人の心の健康と組織の健全な関係性を両立させるために重要です。過度な要求や期待を避けながらも、必要な場面で適切にエンパシーを発揮できる組織風土を目指しましょう。
【関連記事:同調圧力の具体例とは?日本・海外の事情や生産性との関係を解説】エンパシーを組織に取り入れ、より良い職場環境を作ろう
本記事ではビジネスにおけるエンパシーについて、その重要性や具体的な種類、ビジネスシーンでの活用例を解説しました。エンパシーを発揮するためには、組織と個人の両面からのアプローチが不可欠です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。- 「安心して話せる職場」を作る
- セルフケアを推進する
- 多様な価値観に触れる場を用意する
- 従業員の感情を可視化する仕組みを導入する
- いろいろな方法を「合わせて続ける」
個人としては、以下の取り組みがエンパシーの向上に役立つでしょう。- 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添う
- ネット上で共感の文章を書く練習をする
- 日記やメモで相手の気持ちを振り返る習慣をつける
エンパシーは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な取り組みにより、必ず高められます。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
長期的視点で組織全体のエンパシー向上に取り組むことで、持続可能な企業成長の基盤が築けるのです。チーム内の共感力を可視化し、強化する|ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を今すぐ活用しよう
チーム内のコミュニケーション不足や連携の弱さにお悩みではありませんか。エンパシーは、メンバー間の相互理解を深め、信頼関係を構築することで、チームの結束力を高める不可欠な要素です。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、チームメンバー一人ひとりの「共感力」を可視化します。個々の特性を把握することで、チーム全体のコミュニケーション課題を明確にし、より円滑な連携を促すための具体的な施策を検討できます。
診断項目が52項目に増え、より詳細な分析が可能になったミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を、ぜひチームの結束力強化にお役立てください。
メンバー間の相互理解を深め、より強固なチームを作り上げる第一歩となるでしょう。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。まずはお気軽にお試しください。
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ミイダスのサービス概要を知りたい方は、以下の資料をダウンロードください。採用から定着まで、ミイダスは貴社の人事施策に寄り添いサポートします。
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共感疲労を未然に防ぎ、心の健康を維持するために、以下の予防法を日常生活に取り入れてみると良いでしょう。
また、自分のエネルギーレベルを意識するのも大切です。疲労時や精神的余裕がない状況では、意識的に「今は深く共感するのが難しい」と認識し、無理をしないことも健全なエンパシーの一部です。
エンパシーは素晴らしい力ですが、長くその力を発揮するためにも、日頃から自身の心のケアを大切にしましょう。
たとえば、「私の気持ちをわかってくれるよね」という期待は、相手にとってプレッシャーとなりえます。共感を求める気持ちが重荷となり、相手を追い詰めてしまうかもしれません。
自分への賛同を相手の共感だと勘違いすると、いつの間にか相手に負担をかけてしまいます。このような状況は決して珍しくありません。
エンパシーのバランスを取ることは、個人の心の健康と組織の健全な関係性を両立させるために重要です。過度な要求や期待を避けながらも、必要な場面で適切にエンパシーを発揮できる組織風土を目指しましょう。
【関連記事:同調圧力の具体例とは?日本・海外の事情や生産性との関係を解説】

本記事ではビジネスにおけるエンパシーについて、その重要性や具体的な種類、ビジネスシーンでの活用例を解説しました。エンパシーを発揮するためには、組織と個人の両面からのアプローチが不可欠です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。
組織としては、以下のポイントを抑えた施策が効果的です。
- 「安心して話せる職場」を作る
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- いろいろな方法を「合わせて続ける」
個人としては、以下の取り組みがエンパシーの向上に役立つでしょう。
- 相手の話を丁寧に聞き、気持ちに寄り添う
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エンパシーは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な取り組みにより、必ず高められます。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
長期的視点で組織全体のエンパシー向上に取り組むことで、持続可能な企業成長の基盤が築けるのです。
エンパシーの文化は一度構築されると、採用活動にも良い影響を与えます。「お互いを理解し合える職場」という評判は、価値観を共有できる優秀な人材を引き寄せる強力な魅力となるでしょう。
長期的視点で組織全体のエンパシー向上に取り組むことで、持続可能な企業成長の基盤が築けるのです。
チーム内の共感力を可視化し、強化する|ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を今すぐ活用しよう
チーム内のコミュニケーション不足や連携の弱さにお悩みではありませんか。エンパシーは、メンバー間の相互理解を深め、信頼関係を構築することで、チームの結束力を高める不可欠な要素です。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は、チームメンバー一人ひとりの「共感力」を可視化します。個々の特性を把握することで、チーム全体のコミュニケーション課題を明確にし、より円滑な連携を促すための具体的な施策を検討できます。
診断項目が52項目に増え、より詳細な分析が可能になったミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を、ぜひチームの結束力強化にお役立てください。
メンバー間の相互理解を深め、より強固なチームを作り上げる第一歩となるでしょう。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。まずはお気軽にお試しください。
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診断項目が52項目に増え、より詳細な分析が可能になったミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)を、ぜひチームの結束力強化にお役立てください。
メンバー間の相互理解を深め、より強固なチームを作り上げる第一歩となるでしょう。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。まずはお気軽にお試しください。
ミイダスのサービス概要を知りたい方は、以下の資料をダウンロードください。採用から定着まで、ミイダスは貴社の人事施策に寄り添いサポートします。