ファシリテーターとは、会議やワークショップなどを円滑に進行させる役割を担う人のことです。社内でファシリテーターを育成することで、会議の生産性向上や組織の活性化につながります。
とはいえ、どのようにファシリテーターを育成すればよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する方法などを解説します。なおミイダスでは、採用に役立つ資料を無料で配布しております。ぜひあわせてご活用ください。
【無料ダウンロード】スタートアップ人事必見! 令和版:採用面接の質問内容とはとはいえ、どのようにファシリテーターを育成すればよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する方法などを解説します。なおミイダスでは、採用に役立つ資料を無料で配布しております。ぜひあわせてご活用ください。
▼この記事でわかること
ファシリテーターとは?意味を簡単に説明ファシリテーター(facilitator)とは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動が円滑に進むように支援する人を指します。「容易にする」「促進する」などの意味を持つ「facilitate」が語源です。
ファシリテーターはおもに、発言しやすい雰囲気づくりや、議論が脱線しないための軌道修正、参加者全員が発言できる機会の提供などを行います。ファシリテーターの具体的な役割については後ほど詳しく説明します。ファシリテーターと混同しやすい言葉ファシリテーターと混同しやすい言葉として、以下のようなものが挙げられます。- 司会
- ネゴシエーター
- モデレーター
- コーディネーター など
ファシリテーターとそれぞれの役割の違いは以下のとおりです。言葉 意味 司会 式典やイベントなどで、プログラム全体の流れを説明し進行する ネゴシエーター 企業間交渉や紛争解決の場面において、特定の依頼者の代理人として交渉を行う モデレーター 会議や討論などの場で、議論が活性化するように中立的な立場で進行する コーディネーター 複数の人や組織の間に入り、調整や連絡を行う
上記のなかでも特に「モデレーター」は、ファシリテーターと似ており、違いがわかりにくい言葉です。それぞれの意味合いをもう少し深掘りして見ていきましょう。ファシリテーター モデレーター 役割 参加者自身が答えを導き出すことを支援する 議論を円滑に進め、意見を引き出す 専門性 専門知識は必須ではない テーマに関する知識があると議論を円滑に進めやすい 発言内容への責任 発言内容への責任は問わない 中立的な立場を保ちつつ、発言内容に対して一定の責任を負う場合もある
ファシリテーターは、モデレーターのように議論の内容について発言することはありません。あくまでも会議やワークショップなどで、参加者が積極的に意見を出せるような雰囲気づくりや時間管理、合意形成などを行うのが目的です。
一方でモデレーターは、ファシリテーターの役割に加えて、仲裁者として議論に加わる場合もあります。そのため、会議の種類によっては専門性を求められることもあります。ファシリテーターが注目されている理由近年、ビジネス環境は複雑化し、組織は常に変化を求められています。ファシリテーターは、組織の課題解決や目標達成を円滑に進める役割として注目されています。
ファシリテーターが注目されている理由は以下のとおりです。- 多様な意見を引き出す力
- チームワークの向上
- 主体性・創造性の発揮
グローバル化や多様性の推進が求められるなか、異なる意見を持つ人々の合意形成を支援する必要性が高まっています。また、複雑化する業務内容に対し、チームで協力して課題解決に取り組むことが求められています。
さらに、マニュアル化が難しい変化の激しい時代において、メンバーの主体性や創造性を引き出し、組織の活性化を促すことが重要視されています。
このような背景から、企業研修などでファシリテーターの育成に力を入れる企業も増えているのです。ファシリテーターを配置する5つのメリット会議やワークショップなどでファシリテーターを配置するメリットとして、以下の5点が挙げられます。- 1. 会議のゴールが明確になる
- 2. 意見を交わしやすくなる
- 3. 多数の意見を整理できる
- 4. 時間管理がしやすくなる
- 5. 合意形成を図れる
それぞれのメリットを解説します。1. 会議のゴールが明確になる
ファシリテーターを配置することで、会議を行う目的やゴールを明確化できます。ゴールが明瞭になれば、話が脱線しにくくなり、計画的に議論を進めやすくなります。
また、ゴールが明確だと参加者も目的意識を持つようになり、積極的に発言する意欲が高まるのです。2. 意見を交わしやすくなる
ファシリテーターを配置することで、参加者同士が意見を交わしやすい場を提供できます。
参加者の緊張を和らげるために、適宜アイスブレイクを挟んだり、否定的な意見が出た場合でも一度受け止める姿勢を見せたりすることで、発言しやすい雰囲気づくりができます。3. 多数の意見を整理できる
話しやすい雰囲気が生まれると、自然に参加者からも多数の意見が出てくるでしょう。しかし、意見がたくさん出ることで議論が拡散し、結論にたどり着くのが難しくなる場合もあります。
ファシリテーターが参加者から出た意見を内容ごとに分類したり、関連性を明らかにしたりすることで意見を整理することができます。
たとえば、ブレインストーミングを行い、多数の意見が出たとしましょう。その際にファシリテーターが「これらの意見を、緊急性が高いものと低いものに分けてみましょう」と提案します。その提案によって、参加者全員が共通認識を持って意見を整理できるようになります。
ファシリテーターが定期的に意見を整理する場を設けることで、議論の焦点がずれることなく、スムーズに会議を進められるのです。4. 時間管理がしやすくなる
ファシリテーターの存在によって、会議の時間管理がしやすくなります。
ファシリテーターがいない場合、「まだ話がまとまっていないのに残り10分しかない」「1時間の予定が結局2時間もかかっている」など、時間配分がうまくできず会議が延長される事態に陥りがちです。
しかし、ファシリテーターが会議前に議題や時間配分を決めておけば、時間を意識しながら進行できます。5. 合意形成を図れる
ファシリテーターは会議やワークショップにおいて、参加者全員が納得できる結論を導き出すために合意形成を図る役割も担います。
議論が活発になり、さまざまな意見が出るのは良いことですが、場合によっては意見が対立し、結論が出ずに議論が紛糾することもあるでしょう。
ファシリテーターは参加者の意見を丁寧に聞き取り、共通点や相違点を明確化することで、参加者間の理解を深めます。 そのうえで、全員が納得できる妥協点や新しいアイデアを生み出すための議論を促進し、合意形成を図れます。
議論が白熱しすぎている場合は、冷静に議論を整理し、参加者に冷静になるように促すのも、ファシリテーターの大切な役割です。ファシリテーターに求められるスキルファシリテーターを配置することは企業にとって多くのメリットがありますが、ファシリテーターには高いスキルを求められるのも事実です。
ファシリテーターに求められるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。- ゴールや目的の設定力
- 意見を出しやすい雰囲気をつくる力
- コミュニケーション能力
- タイムマネジメント能力
- 論理的思考力
- 中立的な価値観
- 意見をまとめる能力
それぞれのスキルを詳しく説明します。ゴールや目的の設定力
ファシリテーターには、会議やワークショップのゴールを明確に設定するスキルが求められます。なぜなら、ゴールが曖昧なままでは、参加者は何のために議論しているのかわからず、議論が迷走してしまう可能性があるからです。
ファシリテーターは事前に参加者とゴールを共有しておくことで、議論を円滑に進められるようにします。
具体的には以下の要素を明確にします。- 会議の目的
- 解決すべき課題
- 期待される成果 など
上記の要素を明確にすることで、参加者全員が共通認識を持ち、計画的に議論を進められます。意見を出しやすい雰囲気をつくる力
ファシリテーターには、会議に参加する人全員が安心して発言できる雰囲気をつくることが求められます。そのためには参加者同士の関係性を築き、心理的安全性を確保しなければなりません。
たとえば、以下のような配慮が求められます。- 参加者同士の自己紹介やアイスブレイクの時間を設ける
- 発言しやすいように、事前に議題を共有しておく
- 立場や経験にかかわらず発言しやすい雰囲気をつくる
- 全員の意見を尊重し、否定的な発言は控える
- 発言内容を要約したり質問を投げかけたりして議論を促進する
コミュニケーション能力
円滑な議論を進めるためにも、ファシリテーターには高いコミュニケーション能力が求められます。
具体的には、以下のような能力が挙げられます。能力 内容 傾聴力 参加者の意見に耳を傾けて、真意を理解する力 質問力 参加者から意見を引き出し、議論を深掘りするための適切な質問をする力 共感力 参加者の立場や感情を理解し、共感する力 言語化する力 参加者の発言を整理してわかりやすく伝え、議論の論点を明確にする力 非言語コミュニケーション力 表情や視線、ジェスチャーなどを用いて参加者との信頼関係を築く力
このようなコミュニケーション能力を活用することで、積極的に議論に参加できる雰囲気をつくり出し、会議の目的達成を支援します。
コミュニケーション能力について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方】タイムマネジメント能力
ファシリテーターには会議やワークショップなどの場において、時間配分を適切に行い時間内に目的を達成することが求められます。
たとえば、1時間の会議を行う場合、以下のような時間配分で進めることが考えられます。- 議題の説明:10分
- 参加者による意見交換:30分
- 意見のまとめ:10分
- 決定事項の確認:10分 など
あらかじめ時間配分を決めておくことで、時間内に議論をまとめて、合意形成を図ることができます。
また、ファシリテーターには、状況に応じて時間配分を調整する柔軟性も求められます。参加者の意見が活発で、予定よりも時間が押している場合は、ほかの議題にかける時間を短縮するなど、臨機応変な判断が必要になります。論理的思考力
ファシリテーターには議論の内容を論理的に理解し、整理する能力が求められます。
たとえば、参加者から出た意見を整理する際に、それぞれの意見の関連性を見抜き、グループ分けしたり、共通点や相違点を明確にしたりすることが重要です。
また議論が脱線しそうになったときは、もとの議題に戻すための適切な指摘や質問を投げかける必要があります。
論理的思考について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:論理的思考とは?ビジネスで求められる理由や注意点、鍛え方まで解説】中立的な価値観
ファシリテーターは、特定の意見や立場に偏ることなく、中立的な立場で議論を進めることが重要です。議論の参加者は、それぞれ異なる意見や立場を持っているケースがほとんどです。
ファシリテーターが特定の意見に偏った発言や行動をしてしまうと、議論が偏ったり、参加者が萎縮して自由に意見を言えなくなったりする可能性があります。そのため、常に中立的な価値観を保って進行する必要があるのです。意見をまとめる能力
会議で多くのアイデアを出し合ったものの、最終的に企画が決まらないまま終わってしまうこともあります。
そのような状態にならないように、ファシリテーターは参加者から出されたさまざまな意見を共通点や対立点などを整理しながらわかりやすくまとめる必要があります。また、議論の方向性を明確にし、合意形成へと導くことが重要です。
ファシリテーターは、参加者が出したアイデアをカテゴリ別に分類したり、それぞれのメリットやデメリットを比較したりしながら、最終的にどのような企画が最適なのか、参加者の意見を踏まえながらまとめていく役割を担います。ファシリテーターに関する研修を紹介自社の従業員にファシリテーターを任せる場合、十分な研修制度を設ける必要があります。現在ではファシリテーターを育成するための研修制度が多数用意されています。
研修の内容としては、ファシリテーションの基本的なスキルを学べるものから、会議の生産性向上に特化したもの、チームで成果を上げるためのグループワークに焦点を当てたものまで、さまざまなニーズに対応可能です。
ここでは、ファシリテーターに関する研修制度をいくつか紹介します。ファシリテーターを配置したいと考えている企業は、ぜひ参考にしてみてください。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会(FAJ)では、以下のようなファシリテーションの講座を開催しています。・ファシリテーション基礎講座:これからファシリテーターを目指す方向けの講座。ファシリテーションの基礎について、講義・演習を通じて体系的に学べる。
・ファシリテーション実践講座:ファシリテーションを実際に体験してみて、できなかった点、苦手な点を把握。演習を重ねて、現場で実践できる力を身につける。
・アフターミーティング:「ファシリテーション基礎講座」「ファシリテーション実践講座」の参加者を対象に継続的な学びを提供する。
・ファシリテーション特別編:経験可能なFAJのフェローが講師となり、FAJ内外に向けてファシリテーションの公開講座を行う。上記はオンラインでも開催しているため、遠方に住んでいる人でも参加できるのが特徴です。また上記以外にも、ファシリテーションに関するさまざまな事業を展開しています。
参考:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会ユーキャン
人材育成でも有名なユーキャンでは、法人向けのファシリテーション力アップ研修を用意しています。ファシリテーション力アップ研修では、「ミーティング」「プロジェクト」両方のシーンにおけるファシリテーション力を身につけることが可能です。
研修内容として以下のようなものが挙げられます。・ファシリテーターとしての役割:組織におけるファシリテータ―の役割を認識する
・ミーティングのファシリテーション:ミーティングの目的と準備
・ミーティングの運営:ミーティングにおける工夫、思わぬトラブルへの対処方法
・ミーティングのファシリテーション:ブレーンストーミング、意思決定のミーティングのロールプレイ
・プロジェクトのファシリテーション:プロジェクトマネジャーの役割と責任
・プロジェクトのファシリテーション(ケーススタディ):ケースを読んで問題の原因をディスカッションする
・チームビルディングのロールプレイ:ケーススタディで出た問題の原因をもとに解決策を話し合う過程をファシリテーションするロールプレイ上記の総研修時間は1日(6時間程度)で、対面・オンラインどちらでも受講可能です。初めて会社でファシリテーション研修を行う際に適した内容になっています。
参考:法人・企業向けファシリテーション力アップ研修|企業向け人材育成・社員研修サービスのユーキャン従業員にファシリテーターを任せる際の注意点従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員の理解を得たり、制度を整えたりしなければ社内で混乱を招いてしまうでしょう。
ファシリテーターを任せる際の注意点として、以下のようなものが挙げられます。- サポート体制を整える
- ほかの従業員と業務を調整する
- 中立的な立場を確保する
- 継続的にスキルアップできる機会を提供する
- 評価制度を導入する
それぞれの注意点を見ていきましょう。サポート体制を整える
従業員にファシリテーターを任せる場合、周りの従業員の理解を得ることはもちろん、以下のようなサポート体制を整える必要があります。サポートの例 概要 ファシリテーション研修の実施 従業員向けにファシリテーションスキルを学べる研修を行う 経験豊富なファシリテーターによる指導やアドバイスの機会 実務経験豊富なファシリテーターによるOJTやメンタリングを実施し、定期的にスキルを磨く機会を与える ファシリテーションに関する社内資料の整備 わかりやすい資料やツールを共有し、ファシリテーターが円滑に会議を進められるようにする 質の高いファシリテーションを評価する制度の導入 成果に基づいた評価制度を導入し、ファシリテーターのモチベーション向上やスキル向上を促進する
このようなサポート体制を整えることで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念することができます。また、ファシリテーターを行わない従業員にも理解を得られやすくなるでしょう。サポート体制が整うことでファシリテーションのクオリティも向上し、結果的に組織全体でより質の高い議論や意思決定が行われるようになります。ほかの従業員と業務を調整する
従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員と業務量を調整する必要があります。ファシリテーターは会議やワークショップにおいて中立的な立場を保ちながら、参加者全体を支援する役割を担います。そのため、普段の業務に加えてファシリテーターとしての役割を担うことで、業務負担の増加が考えられるからです。
ファシリテーターへの負担を軽減し、円滑に業務を進めるためにも、周りの従業員の協力を得ることが重要になります。
具体的には、以下のような配慮や調整が必要です。- 業務分担を見直す
- 納期を調整する
- 業務の優先順位を見直す
- 定期的にファシリテーターの業務進捗を確認する
これらの調整を行うことで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念でき、ファシリテーションのクオリティ向上にもつながるでしょう。中立的な立場を確保する
従業員にファシリテーターを任せる際は、中立的な立場を確保する必要があります。特定の意見や立場に偏らず、公平性を保つことで、参加者全員が安心して発言できる環境づくりができるでしょう。
ファシリテーターを担当する従業員が中立的な立場を保つために、以下のポイントが挙げられます。- 人事部など、中立的な立場を保ちやすい部署に所属させる
- ファシリテーター自身が会議の議題に関連する部署に所属している場合は、事前に利害関係を明確にしておく
- 特定の意見に賛同したり反対したりするのではなく、議論のプロセスを促進する
上記のポイントを踏まえ、従業員が中立的な立場を保てるようなサポート体制を整えることが大切です。継続的にスキルアップできる機会を提供する
ファシリテーターとしてのスキルは、すぐに身につくものではありません。継続的に学び、実際にファシリテーターの業務を行うことでスキルアップするものです。従業員がファシリテーターとして成長していけるよう、企業は以下のような機会を設けるとよいでしょう。- ファシリテーションスキル向上のための研修を定期的に実施する
- 外部機関が主催するセミナーへの参加を促す
- ファシリテーションに関する書籍の購入を補助する
- 資格取得にかかる費用を補助する
- 社内の会議やプロジェクトで積極的にファシリテーターを任せる
企業がファシリテーターを導入する際は、従業員がファシリテーターとしての知識やスキルを深め、より効果的に会議やワークショップを進行できるようサポートしていくことが大切です。評価制度を導入する
従業員がファシリテーターの役割を担う場合、評価制度を導入することで、モチベーションの向上やスキルアップを促進できます。評価項目としては以下のような点が考えられます。評価項目 具体的な内容 会議の目的達成 設定した目的に対してどの程度達成できたのか 参加者の満足度 会議に参加した人が会議の進め方や成果についてどの程度満足しているか 時間管理 会議が時間内に終了したか、時間配分は適切だったのか コミュニケーション能力 参加者同士のコミュニケーションを円滑に進められたかどうか 中立性の保持 特定の意見に偏ることなく、中立的な立場で会議を進行できたか 問題解決力 会議中に発生した問題に対して、適切な対応を取れたか ファシリテーションスキルの向上 研修への参加や自己学習など、スキル向上に向けて積極的に取り組んでいるか
評価制度を導入する際は、評価基準を明確にしたうえで、従業員にフィードバックを行う必要があります。フィードバックを通して従業員の成長をサポートし、より質の高いファシリテーションの実現を目指しましょう。ファシリテーターに関する本を紹介ファシリテーターに対する注目度が上がるなか、ファシリテーションに関する本も多数販売されています。ここでは、ファシリテーターに関連する本を3冊紹介します。園部 浩司(著)『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』
本書の著者は、プロファシリテーターとして活動している園部浩司氏です。
本書では、おもにファシリテーターとしての基礎が学べる内容が書かれています。- 問題解決の仕方
- メンバーの意見の出し方
- 合意形成の仕方
- 上手なオンライン会議の進め方 など
文章だけではなく図解でわかりやすく解説されているため、初心者の方でも実践的にファシリテーションを学べます。
参考:ゼロから学べる! ファシリテーション超技術 | 園部 浩司 |本 | 通販 | Amazonグロービス(著)『ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』
本書は、グロービス経営大学院で実際に行われている授業をもとにした書籍です。
ファシリテーションの定義や目的、会議における役割といった基礎知識から学べます。また、事前に準備しておくべきことや会議を円滑に進めるための具体的なテクニックなど、会議の準備から実行までの流れもわかりやすく記載されています。
読むことで、参加者の意見を引き出すための質問の仕方や、議論を活性化させるための手法を身につけられるでしょう。
加えて、意見の対立が起こった際の対処法や合意形成をスムーズに進めるためのコツを学ぶことも可能です。
参考:ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ | グロービス安斎 勇樹・ 塩瀬 隆之 (著)『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
本書は、効果的な会議運営や組織開発の手法として注目されている「創造的対話」を実現するための「問い」のデザインに焦点を当てた書籍です。
本書では、創造的な対話を生み出すための「問いの種類」や「問いの組み立て方」「場のデザイン」などを豊富な事例やワークシートなどを交えながら解説しています。
会議やワークショップなど、多様な場面で参加者の思考や対話を促進し、新たな発想や解決策を生み出すための実践的なスキルを習得したいファシリテーターにおすすめの一冊です。
参考:問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション | 安斎 勇樹, 塩瀬 隆之 |本 | 通販 | Amazonファシリテーターの育成にはミイダス「ファシリテーターを任せたいけれど、誰に任せればいいかわからない」とお悩みなら、ミイダスのコンピテンシー診断をご活用ください。
コンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。- パーソナリティの特徴
- 行動特性
- ストレス要因
- 職務適性
- 上下関係適性
たとえば、パーソナリティの特徴は以下のコンピテンシー項目に沿って分析します。・ヴァイタリティ
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力ファシリテーターは誰しもができる仕事とは言えません。求められるスキルは高いため、ファシリテーターを育成する際は、従業員の行動特性を把握したうえで適性のある人材を選んだほうが効率的でしょう。
コンピテンシー診断は会員登録後、30名まで無料で診断できます。ぜひ一度お試しください。
ミイダスのコンピテンシー診断を試してみるファシリテーターを配置して、議論の質を上げよう本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する際の注意点などを解説しました。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。
ファシリテーターはおもに、発言しやすい雰囲気づくりや、議論が脱線しないための軌道修正、参加者全員が発言できる機会の提供などを行います。ファシリテーターの具体的な役割については後ほど詳しく説明します。
ファシリテーターと混同しやすい言葉として、以下のようなものが挙げられます。
- 司会
- ネゴシエーター
- モデレーター
- コーディネーター など
ファシリテーターとそれぞれの役割の違いは以下のとおりです。
言葉 | 意味 |
司会 | 式典やイベントなどで、プログラム全体の流れを説明し進行する |
ネゴシエーター | 企業間交渉や紛争解決の場面において、特定の依頼者の代理人として交渉を行う |
モデレーター | 会議や討論などの場で、議論が活性化するように中立的な立場で進行する |
コーディネーター | 複数の人や組織の間に入り、調整や連絡を行う |
上記のなかでも特に「モデレーター」は、ファシリテーターと似ており、違いがわかりにくい言葉です。それぞれの意味合いをもう少し深掘りして見ていきましょう。
ファシリテーター | モデレーター | |
役割 | 参加者自身が答えを導き出すことを支援する | 議論を円滑に進め、意見を引き出す |
専門性 | 専門知識は必須ではない | テーマに関する知識があると議論を円滑に進めやすい |
発言内容への責任 | 発言内容への責任は問わない | 中立的な立場を保ちつつ、発言内容に対して一定の責任を負う場合もある |
ファシリテーターは、モデレーターのように議論の内容について発言することはありません。あくまでも会議やワークショップなどで、参加者が積極的に意見を出せるような雰囲気づくりや時間管理、合意形成などを行うのが目的です。
一方でモデレーターは、ファシリテーターの役割に加えて、仲裁者として議論に加わる場合もあります。そのため、会議の種類によっては専門性を求められることもあります。
一方でモデレーターは、ファシリテーターの役割に加えて、仲裁者として議論に加わる場合もあります。そのため、会議の種類によっては専門性を求められることもあります。
ファシリテーターが注目されている理由近年、ビジネス環境は複雑化し、組織は常に変化を求められています。ファシリテーターは、組織の課題解決や目標達成を円滑に進める役割として注目されています。
ファシリテーターが注目されている理由は以下のとおりです。- 多様な意見を引き出す力
- チームワークの向上
- 主体性・創造性の発揮
グローバル化や多様性の推進が求められるなか、異なる意見を持つ人々の合意形成を支援する必要性が高まっています。また、複雑化する業務内容に対し、チームで協力して課題解決に取り組むことが求められています。
さらに、マニュアル化が難しい変化の激しい時代において、メンバーの主体性や創造性を引き出し、組織の活性化を促すことが重要視されています。
このような背景から、企業研修などでファシリテーターの育成に力を入れる企業も増えているのです。ファシリテーターを配置する5つのメリット会議やワークショップなどでファシリテーターを配置するメリットとして、以下の5点が挙げられます。- 1. 会議のゴールが明確になる
- 2. 意見を交わしやすくなる
- 3. 多数の意見を整理できる
- 4. 時間管理がしやすくなる
- 5. 合意形成を図れる
それぞれのメリットを解説します。1. 会議のゴールが明確になる
ファシリテーターを配置することで、会議を行う目的やゴールを明確化できます。ゴールが明瞭になれば、話が脱線しにくくなり、計画的に議論を進めやすくなります。
また、ゴールが明確だと参加者も目的意識を持つようになり、積極的に発言する意欲が高まるのです。2. 意見を交わしやすくなる
ファシリテーターを配置することで、参加者同士が意見を交わしやすい場を提供できます。
参加者の緊張を和らげるために、適宜アイスブレイクを挟んだり、否定的な意見が出た場合でも一度受け止める姿勢を見せたりすることで、発言しやすい雰囲気づくりができます。3. 多数の意見を整理できる
話しやすい雰囲気が生まれると、自然に参加者からも多数の意見が出てくるでしょう。しかし、意見がたくさん出ることで議論が拡散し、結論にたどり着くのが難しくなる場合もあります。
ファシリテーターが参加者から出た意見を内容ごとに分類したり、関連性を明らかにしたりすることで意見を整理することができます。
たとえば、ブレインストーミングを行い、多数の意見が出たとしましょう。その際にファシリテーターが「これらの意見を、緊急性が高いものと低いものに分けてみましょう」と提案します。その提案によって、参加者全員が共通認識を持って意見を整理できるようになります。
ファシリテーターが定期的に意見を整理する場を設けることで、議論の焦点がずれることなく、スムーズに会議を進められるのです。4. 時間管理がしやすくなる
ファシリテーターの存在によって、会議の時間管理がしやすくなります。
ファシリテーターがいない場合、「まだ話がまとまっていないのに残り10分しかない」「1時間の予定が結局2時間もかかっている」など、時間配分がうまくできず会議が延長される事態に陥りがちです。
しかし、ファシリテーターが会議前に議題や時間配分を決めておけば、時間を意識しながら進行できます。5. 合意形成を図れる
ファシリテーターは会議やワークショップにおいて、参加者全員が納得できる結論を導き出すために合意形成を図る役割も担います。
議論が活発になり、さまざまな意見が出るのは良いことですが、場合によっては意見が対立し、結論が出ずに議論が紛糾することもあるでしょう。
ファシリテーターは参加者の意見を丁寧に聞き取り、共通点や相違点を明確化することで、参加者間の理解を深めます。 そのうえで、全員が納得できる妥協点や新しいアイデアを生み出すための議論を促進し、合意形成を図れます。
議論が白熱しすぎている場合は、冷静に議論を整理し、参加者に冷静になるように促すのも、ファシリテーターの大切な役割です。ファシリテーターに求められるスキルファシリテーターを配置することは企業にとって多くのメリットがありますが、ファシリテーターには高いスキルを求められるのも事実です。
ファシリテーターに求められるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。- ゴールや目的の設定力
- 意見を出しやすい雰囲気をつくる力
- コミュニケーション能力
- タイムマネジメント能力
- 論理的思考力
- 中立的な価値観
- 意見をまとめる能力
それぞれのスキルを詳しく説明します。ゴールや目的の設定力
ファシリテーターには、会議やワークショップのゴールを明確に設定するスキルが求められます。なぜなら、ゴールが曖昧なままでは、参加者は何のために議論しているのかわからず、議論が迷走してしまう可能性があるからです。
ファシリテーターは事前に参加者とゴールを共有しておくことで、議論を円滑に進められるようにします。
具体的には以下の要素を明確にします。- 会議の目的
- 解決すべき課題
- 期待される成果 など
上記の要素を明確にすることで、参加者全員が共通認識を持ち、計画的に議論を進められます。意見を出しやすい雰囲気をつくる力
ファシリテーターには、会議に参加する人全員が安心して発言できる雰囲気をつくることが求められます。そのためには参加者同士の関係性を築き、心理的安全性を確保しなければなりません。
たとえば、以下のような配慮が求められます。- 参加者同士の自己紹介やアイスブレイクの時間を設ける
- 発言しやすいように、事前に議題を共有しておく
- 立場や経験にかかわらず発言しやすい雰囲気をつくる
- 全員の意見を尊重し、否定的な発言は控える
- 発言内容を要約したり質問を投げかけたりして議論を促進する
コミュニケーション能力
円滑な議論を進めるためにも、ファシリテーターには高いコミュニケーション能力が求められます。
具体的には、以下のような能力が挙げられます。能力 内容 傾聴力 参加者の意見に耳を傾けて、真意を理解する力 質問力 参加者から意見を引き出し、議論を深掘りするための適切な質問をする力 共感力 参加者の立場や感情を理解し、共感する力 言語化する力 参加者の発言を整理してわかりやすく伝え、議論の論点を明確にする力 非言語コミュニケーション力 表情や視線、ジェスチャーなどを用いて参加者との信頼関係を築く力
このようなコミュニケーション能力を活用することで、積極的に議論に参加できる雰囲気をつくり出し、会議の目的達成を支援します。
コミュニケーション能力について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方】タイムマネジメント能力
ファシリテーターには会議やワークショップなどの場において、時間配分を適切に行い時間内に目的を達成することが求められます。
たとえば、1時間の会議を行う場合、以下のような時間配分で進めることが考えられます。- 議題の説明:10分
- 参加者による意見交換:30分
- 意見のまとめ:10分
- 決定事項の確認:10分 など
あらかじめ時間配分を決めておくことで、時間内に議論をまとめて、合意形成を図ることができます。
また、ファシリテーターには、状況に応じて時間配分を調整する柔軟性も求められます。参加者の意見が活発で、予定よりも時間が押している場合は、ほかの議題にかける時間を短縮するなど、臨機応変な判断が必要になります。論理的思考力
ファシリテーターには議論の内容を論理的に理解し、整理する能力が求められます。
たとえば、参加者から出た意見を整理する際に、それぞれの意見の関連性を見抜き、グループ分けしたり、共通点や相違点を明確にしたりすることが重要です。
また議論が脱線しそうになったときは、もとの議題に戻すための適切な指摘や質問を投げかける必要があります。
論理的思考について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:論理的思考とは?ビジネスで求められる理由や注意点、鍛え方まで解説】中立的な価値観
ファシリテーターは、特定の意見や立場に偏ることなく、中立的な立場で議論を進めることが重要です。議論の参加者は、それぞれ異なる意見や立場を持っているケースがほとんどです。
ファシリテーターが特定の意見に偏った発言や行動をしてしまうと、議論が偏ったり、参加者が萎縮して自由に意見を言えなくなったりする可能性があります。そのため、常に中立的な価値観を保って進行する必要があるのです。意見をまとめる能力
会議で多くのアイデアを出し合ったものの、最終的に企画が決まらないまま終わってしまうこともあります。
そのような状態にならないように、ファシリテーターは参加者から出されたさまざまな意見を共通点や対立点などを整理しながらわかりやすくまとめる必要があります。また、議論の方向性を明確にし、合意形成へと導くことが重要です。
ファシリテーターは、参加者が出したアイデアをカテゴリ別に分類したり、それぞれのメリットやデメリットを比較したりしながら、最終的にどのような企画が最適なのか、参加者の意見を踏まえながらまとめていく役割を担います。ファシリテーターに関する研修を紹介自社の従業員にファシリテーターを任せる場合、十分な研修制度を設ける必要があります。現在ではファシリテーターを育成するための研修制度が多数用意されています。
研修の内容としては、ファシリテーションの基本的なスキルを学べるものから、会議の生産性向上に特化したもの、チームで成果を上げるためのグループワークに焦点を当てたものまで、さまざまなニーズに対応可能です。
ここでは、ファシリテーターに関する研修制度をいくつか紹介します。ファシリテーターを配置したいと考えている企業は、ぜひ参考にしてみてください。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会(FAJ)では、以下のようなファシリテーションの講座を開催しています。・ファシリテーション基礎講座:これからファシリテーターを目指す方向けの講座。ファシリテーションの基礎について、講義・演習を通じて体系的に学べる。
・ファシリテーション実践講座:ファシリテーションを実際に体験してみて、できなかった点、苦手な点を把握。演習を重ねて、現場で実践できる力を身につける。
・アフターミーティング:「ファシリテーション基礎講座」「ファシリテーション実践講座」の参加者を対象に継続的な学びを提供する。
・ファシリテーション特別編:経験可能なFAJのフェローが講師となり、FAJ内外に向けてファシリテーションの公開講座を行う。上記はオンラインでも開催しているため、遠方に住んでいる人でも参加できるのが特徴です。また上記以外にも、ファシリテーションに関するさまざまな事業を展開しています。
参考:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会ユーキャン
人材育成でも有名なユーキャンでは、法人向けのファシリテーション力アップ研修を用意しています。ファシリテーション力アップ研修では、「ミーティング」「プロジェクト」両方のシーンにおけるファシリテーション力を身につけることが可能です。
研修内容として以下のようなものが挙げられます。・ファシリテーターとしての役割:組織におけるファシリテータ―の役割を認識する
・ミーティングのファシリテーション:ミーティングの目的と準備
・ミーティングの運営:ミーティングにおける工夫、思わぬトラブルへの対処方法
・ミーティングのファシリテーション:ブレーンストーミング、意思決定のミーティングのロールプレイ
・プロジェクトのファシリテーション:プロジェクトマネジャーの役割と責任
・プロジェクトのファシリテーション(ケーススタディ):ケースを読んで問題の原因をディスカッションする
・チームビルディングのロールプレイ:ケーススタディで出た問題の原因をもとに解決策を話し合う過程をファシリテーションするロールプレイ上記の総研修時間は1日(6時間程度)で、対面・オンラインどちらでも受講可能です。初めて会社でファシリテーション研修を行う際に適した内容になっています。
参考:法人・企業向けファシリテーション力アップ研修|企業向け人材育成・社員研修サービスのユーキャン従業員にファシリテーターを任せる際の注意点従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員の理解を得たり、制度を整えたりしなければ社内で混乱を招いてしまうでしょう。
ファシリテーターを任せる際の注意点として、以下のようなものが挙げられます。- サポート体制を整える
- ほかの従業員と業務を調整する
- 中立的な立場を確保する
- 継続的にスキルアップできる機会を提供する
- 評価制度を導入する
それぞれの注意点を見ていきましょう。サポート体制を整える
従業員にファシリテーターを任せる場合、周りの従業員の理解を得ることはもちろん、以下のようなサポート体制を整える必要があります。サポートの例 概要 ファシリテーション研修の実施 従業員向けにファシリテーションスキルを学べる研修を行う 経験豊富なファシリテーターによる指導やアドバイスの機会 実務経験豊富なファシリテーターによるOJTやメンタリングを実施し、定期的にスキルを磨く機会を与える ファシリテーションに関する社内資料の整備 わかりやすい資料やツールを共有し、ファシリテーターが円滑に会議を進められるようにする 質の高いファシリテーションを評価する制度の導入 成果に基づいた評価制度を導入し、ファシリテーターのモチベーション向上やスキル向上を促進する
このようなサポート体制を整えることで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念することができます。また、ファシリテーターを行わない従業員にも理解を得られやすくなるでしょう。サポート体制が整うことでファシリテーションのクオリティも向上し、結果的に組織全体でより質の高い議論や意思決定が行われるようになります。ほかの従業員と業務を調整する
従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員と業務量を調整する必要があります。ファシリテーターは会議やワークショップにおいて中立的な立場を保ちながら、参加者全体を支援する役割を担います。そのため、普段の業務に加えてファシリテーターとしての役割を担うことで、業務負担の増加が考えられるからです。
ファシリテーターへの負担を軽減し、円滑に業務を進めるためにも、周りの従業員の協力を得ることが重要になります。
具体的には、以下のような配慮や調整が必要です。- 業務分担を見直す
- 納期を調整する
- 業務の優先順位を見直す
- 定期的にファシリテーターの業務進捗を確認する
これらの調整を行うことで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念でき、ファシリテーションのクオリティ向上にもつながるでしょう。中立的な立場を確保する
従業員にファシリテーターを任せる際は、中立的な立場を確保する必要があります。特定の意見や立場に偏らず、公平性を保つことで、参加者全員が安心して発言できる環境づくりができるでしょう。
ファシリテーターを担当する従業員が中立的な立場を保つために、以下のポイントが挙げられます。- 人事部など、中立的な立場を保ちやすい部署に所属させる
- ファシリテーター自身が会議の議題に関連する部署に所属している場合は、事前に利害関係を明確にしておく
- 特定の意見に賛同したり反対したりするのではなく、議論のプロセスを促進する
上記のポイントを踏まえ、従業員が中立的な立場を保てるようなサポート体制を整えることが大切です。継続的にスキルアップできる機会を提供する
ファシリテーターとしてのスキルは、すぐに身につくものではありません。継続的に学び、実際にファシリテーターの業務を行うことでスキルアップするものです。従業員がファシリテーターとして成長していけるよう、企業は以下のような機会を設けるとよいでしょう。- ファシリテーションスキル向上のための研修を定期的に実施する
- 外部機関が主催するセミナーへの参加を促す
- ファシリテーションに関する書籍の購入を補助する
- 資格取得にかかる費用を補助する
- 社内の会議やプロジェクトで積極的にファシリテーターを任せる
企業がファシリテーターを導入する際は、従業員がファシリテーターとしての知識やスキルを深め、より効果的に会議やワークショップを進行できるようサポートしていくことが大切です。評価制度を導入する
従業員がファシリテーターの役割を担う場合、評価制度を導入することで、モチベーションの向上やスキルアップを促進できます。評価項目としては以下のような点が考えられます。評価項目 具体的な内容 会議の目的達成 設定した目的に対してどの程度達成できたのか 参加者の満足度 会議に参加した人が会議の進め方や成果についてどの程度満足しているか 時間管理 会議が時間内に終了したか、時間配分は適切だったのか コミュニケーション能力 参加者同士のコミュニケーションを円滑に進められたかどうか 中立性の保持 特定の意見に偏ることなく、中立的な立場で会議を進行できたか 問題解決力 会議中に発生した問題に対して、適切な対応を取れたか ファシリテーションスキルの向上 研修への参加や自己学習など、スキル向上に向けて積極的に取り組んでいるか
評価制度を導入する際は、評価基準を明確にしたうえで、従業員にフィードバックを行う必要があります。フィードバックを通して従業員の成長をサポートし、より質の高いファシリテーションの実現を目指しましょう。ファシリテーターに関する本を紹介ファシリテーターに対する注目度が上がるなか、ファシリテーションに関する本も多数販売されています。ここでは、ファシリテーターに関連する本を3冊紹介します。園部 浩司(著)『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』
本書の著者は、プロファシリテーターとして活動している園部浩司氏です。
本書では、おもにファシリテーターとしての基礎が学べる内容が書かれています。- 問題解決の仕方
- メンバーの意見の出し方
- 合意形成の仕方
- 上手なオンライン会議の進め方 など
文章だけではなく図解でわかりやすく解説されているため、初心者の方でも実践的にファシリテーションを学べます。
参考:ゼロから学べる! ファシリテーション超技術 | 園部 浩司 |本 | 通販 | Amazonグロービス(著)『ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』
本書は、グロービス経営大学院で実際に行われている授業をもとにした書籍です。
ファシリテーションの定義や目的、会議における役割といった基礎知識から学べます。また、事前に準備しておくべきことや会議を円滑に進めるための具体的なテクニックなど、会議の準備から実行までの流れもわかりやすく記載されています。
読むことで、参加者の意見を引き出すための質問の仕方や、議論を活性化させるための手法を身につけられるでしょう。
加えて、意見の対立が起こった際の対処法や合意形成をスムーズに進めるためのコツを学ぶことも可能です。
参考:ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ | グロービス安斎 勇樹・ 塩瀬 隆之 (著)『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
本書は、効果的な会議運営や組織開発の手法として注目されている「創造的対話」を実現するための「問い」のデザインに焦点を当てた書籍です。
本書では、創造的な対話を生み出すための「問いの種類」や「問いの組み立て方」「場のデザイン」などを豊富な事例やワークシートなどを交えながら解説しています。
会議やワークショップなど、多様な場面で参加者の思考や対話を促進し、新たな発想や解決策を生み出すための実践的なスキルを習得したいファシリテーターにおすすめの一冊です。
参考:問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション | 安斎 勇樹, 塩瀬 隆之 |本 | 通販 | Amazonファシリテーターの育成にはミイダス「ファシリテーターを任せたいけれど、誰に任せればいいかわからない」とお悩みなら、ミイダスのコンピテンシー診断をご活用ください。
コンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。- パーソナリティの特徴
- 行動特性
- ストレス要因
- 職務適性
- 上下関係適性
たとえば、パーソナリティの特徴は以下のコンピテンシー項目に沿って分析します。・ヴァイタリティ
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力ファシリテーターは誰しもができる仕事とは言えません。求められるスキルは高いため、ファシリテーターを育成する際は、従業員の行動特性を把握したうえで適性のある人材を選んだほうが効率的でしょう。
コンピテンシー診断は会員登録後、30名まで無料で診断できます。ぜひ一度お試しください。
ミイダスのコンピテンシー診断を試してみるファシリテーターを配置して、議論の質を上げよう本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する際の注意点などを解説しました。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。
ファシリテーターが注目されている理由は以下のとおりです。
さらに、マニュアル化が難しい変化の激しい時代において、メンバーの主体性や創造性を引き出し、組織の活性化を促すことが重要視されています。
このような背景から、企業研修などでファシリテーターの育成に力を入れる企業も増えているのです。
会議やワークショップなどでファシリテーターを配置するメリットとして、以下の5点が挙げられます。
- 1. 会議のゴールが明確になる
- 2. 意見を交わしやすくなる
- 3. 多数の意見を整理できる
- 4. 時間管理がしやすくなる
- 5. 合意形成を図れる
それぞれのメリットを解説します。
1. 会議のゴールが明確になる
ファシリテーターを配置することで、会議を行う目的やゴールを明確化できます。ゴールが明瞭になれば、話が脱線しにくくなり、計画的に議論を進めやすくなります。
また、ゴールが明確だと参加者も目的意識を持つようになり、積極的に発言する意欲が高まるのです。
また、ゴールが明確だと参加者も目的意識を持つようになり、積極的に発言する意欲が高まるのです。
2. 意見を交わしやすくなる
ファシリテーターを配置することで、参加者同士が意見を交わしやすい場を提供できます。
参加者の緊張を和らげるために、適宜アイスブレイクを挟んだり、否定的な意見が出た場合でも一度受け止める姿勢を見せたりすることで、発言しやすい雰囲気づくりができます。
参加者の緊張を和らげるために、適宜アイスブレイクを挟んだり、否定的な意見が出た場合でも一度受け止める姿勢を見せたりすることで、発言しやすい雰囲気づくりができます。
3. 多数の意見を整理できる
話しやすい雰囲気が生まれると、自然に参加者からも多数の意見が出てくるでしょう。しかし、意見がたくさん出ることで議論が拡散し、結論にたどり着くのが難しくなる場合もあります。
ファシリテーターが参加者から出た意見を内容ごとに分類したり、関連性を明らかにしたりすることで意見を整理することができます。
たとえば、ブレインストーミングを行い、多数の意見が出たとしましょう。その際にファシリテーターが「これらの意見を、緊急性が高いものと低いものに分けてみましょう」と提案します。その提案によって、参加者全員が共通認識を持って意見を整理できるようになります。
ファシリテーターが定期的に意見を整理する場を設けることで、議論の焦点がずれることなく、スムーズに会議を進められるのです。
ファシリテーターが参加者から出た意見を内容ごとに分類したり、関連性を明らかにしたりすることで意見を整理することができます。
たとえば、ブレインストーミングを行い、多数の意見が出たとしましょう。その際にファシリテーターが「これらの意見を、緊急性が高いものと低いものに分けてみましょう」と提案します。その提案によって、参加者全員が共通認識を持って意見を整理できるようになります。
ファシリテーターが定期的に意見を整理する場を設けることで、議論の焦点がずれることなく、スムーズに会議を進められるのです。
4. 時間管理がしやすくなる
ファシリテーターの存在によって、会議の時間管理がしやすくなります。
ファシリテーターがいない場合、「まだ話がまとまっていないのに残り10分しかない」「1時間の予定が結局2時間もかかっている」など、時間配分がうまくできず会議が延長される事態に陥りがちです。
しかし、ファシリテーターが会議前に議題や時間配分を決めておけば、時間を意識しながら進行できます。
ファシリテーターがいない場合、「まだ話がまとまっていないのに残り10分しかない」「1時間の予定が結局2時間もかかっている」など、時間配分がうまくできず会議が延長される事態に陥りがちです。
しかし、ファシリテーターが会議前に議題や時間配分を決めておけば、時間を意識しながら進行できます。
5. 合意形成を図れる
ファシリテーターは会議やワークショップにおいて、参加者全員が納得できる結論を導き出すために合意形成を図る役割も担います。
議論が活発になり、さまざまな意見が出るのは良いことですが、場合によっては意見が対立し、結論が出ずに議論が紛糾することもあるでしょう。
ファシリテーターは参加者の意見を丁寧に聞き取り、共通点や相違点を明確化することで、参加者間の理解を深めます。 そのうえで、全員が納得できる妥協点や新しいアイデアを生み出すための議論を促進し、合意形成を図れます。
議論が白熱しすぎている場合は、冷静に議論を整理し、参加者に冷静になるように促すのも、ファシリテーターの大切な役割です。
議論が活発になり、さまざまな意見が出るのは良いことですが、場合によっては意見が対立し、結論が出ずに議論が紛糾することもあるでしょう。
ファシリテーターは参加者の意見を丁寧に聞き取り、共通点や相違点を明確化することで、参加者間の理解を深めます。 そのうえで、全員が納得できる妥協点や新しいアイデアを生み出すための議論を促進し、合意形成を図れます。
議論が白熱しすぎている場合は、冷静に議論を整理し、参加者に冷静になるように促すのも、ファシリテーターの大切な役割です。
ファシリテーターに求められるスキルファシリテーターを配置することは企業にとって多くのメリットがありますが、ファシリテーターには高いスキルを求められるのも事実です。
ファシリテーターに求められるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。- ゴールや目的の設定力
- 意見を出しやすい雰囲気をつくる力
- コミュニケーション能力
- タイムマネジメント能力
- 論理的思考力
- 中立的な価値観
- 意見をまとめる能力
それぞれのスキルを詳しく説明します。ゴールや目的の設定力
ファシリテーターには、会議やワークショップのゴールを明確に設定するスキルが求められます。なぜなら、ゴールが曖昧なままでは、参加者は何のために議論しているのかわからず、議論が迷走してしまう可能性があるからです。
ファシリテーターは事前に参加者とゴールを共有しておくことで、議論を円滑に進められるようにします。
具体的には以下の要素を明確にします。- 会議の目的
- 解決すべき課題
- 期待される成果 など
上記の要素を明確にすることで、参加者全員が共通認識を持ち、計画的に議論を進められます。意見を出しやすい雰囲気をつくる力
ファシリテーターには、会議に参加する人全員が安心して発言できる雰囲気をつくることが求められます。そのためには参加者同士の関係性を築き、心理的安全性を確保しなければなりません。
たとえば、以下のような配慮が求められます。- 参加者同士の自己紹介やアイスブレイクの時間を設ける
- 発言しやすいように、事前に議題を共有しておく
- 立場や経験にかかわらず発言しやすい雰囲気をつくる
- 全員の意見を尊重し、否定的な発言は控える
- 発言内容を要約したり質問を投げかけたりして議論を促進する
コミュニケーション能力
円滑な議論を進めるためにも、ファシリテーターには高いコミュニケーション能力が求められます。
具体的には、以下のような能力が挙げられます。能力 内容 傾聴力 参加者の意見に耳を傾けて、真意を理解する力 質問力 参加者から意見を引き出し、議論を深掘りするための適切な質問をする力 共感力 参加者の立場や感情を理解し、共感する力 言語化する力 参加者の発言を整理してわかりやすく伝え、議論の論点を明確にする力 非言語コミュニケーション力 表情や視線、ジェスチャーなどを用いて参加者との信頼関係を築く力
このようなコミュニケーション能力を活用することで、積極的に議論に参加できる雰囲気をつくり出し、会議の目的達成を支援します。
コミュニケーション能力について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方】タイムマネジメント能力
ファシリテーターには会議やワークショップなどの場において、時間配分を適切に行い時間内に目的を達成することが求められます。
たとえば、1時間の会議を行う場合、以下のような時間配分で進めることが考えられます。- 議題の説明:10分
- 参加者による意見交換:30分
- 意見のまとめ:10分
- 決定事項の確認:10分 など
あらかじめ時間配分を決めておくことで、時間内に議論をまとめて、合意形成を図ることができます。
また、ファシリテーターには、状況に応じて時間配分を調整する柔軟性も求められます。参加者の意見が活発で、予定よりも時間が押している場合は、ほかの議題にかける時間を短縮するなど、臨機応変な判断が必要になります。論理的思考力
ファシリテーターには議論の内容を論理的に理解し、整理する能力が求められます。
たとえば、参加者から出た意見を整理する際に、それぞれの意見の関連性を見抜き、グループ分けしたり、共通点や相違点を明確にしたりすることが重要です。
また議論が脱線しそうになったときは、もとの議題に戻すための適切な指摘や質問を投げかける必要があります。
論理的思考について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:論理的思考とは?ビジネスで求められる理由や注意点、鍛え方まで解説】中立的な価値観
ファシリテーターは、特定の意見や立場に偏ることなく、中立的な立場で議論を進めることが重要です。議論の参加者は、それぞれ異なる意見や立場を持っているケースがほとんどです。
ファシリテーターが特定の意見に偏った発言や行動をしてしまうと、議論が偏ったり、参加者が萎縮して自由に意見を言えなくなったりする可能性があります。そのため、常に中立的な価値観を保って進行する必要があるのです。意見をまとめる能力
会議で多くのアイデアを出し合ったものの、最終的に企画が決まらないまま終わってしまうこともあります。
そのような状態にならないように、ファシリテーターは参加者から出されたさまざまな意見を共通点や対立点などを整理しながらわかりやすくまとめる必要があります。また、議論の方向性を明確にし、合意形成へと導くことが重要です。
ファシリテーターは、参加者が出したアイデアをカテゴリ別に分類したり、それぞれのメリットやデメリットを比較したりしながら、最終的にどのような企画が最適なのか、参加者の意見を踏まえながらまとめていく役割を担います。ファシリテーターに関する研修を紹介自社の従業員にファシリテーターを任せる場合、十分な研修制度を設ける必要があります。現在ではファシリテーターを育成するための研修制度が多数用意されています。
研修の内容としては、ファシリテーションの基本的なスキルを学べるものから、会議の生産性向上に特化したもの、チームで成果を上げるためのグループワークに焦点を当てたものまで、さまざまなニーズに対応可能です。
ここでは、ファシリテーターに関する研修制度をいくつか紹介します。ファシリテーターを配置したいと考えている企業は、ぜひ参考にしてみてください。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会(FAJ)では、以下のようなファシリテーションの講座を開催しています。・ファシリテーション基礎講座:これからファシリテーターを目指す方向けの講座。ファシリテーションの基礎について、講義・演習を通じて体系的に学べる。
・ファシリテーション実践講座:ファシリテーションを実際に体験してみて、できなかった点、苦手な点を把握。演習を重ねて、現場で実践できる力を身につける。
・アフターミーティング:「ファシリテーション基礎講座」「ファシリテーション実践講座」の参加者を対象に継続的な学びを提供する。
・ファシリテーション特別編:経験可能なFAJのフェローが講師となり、FAJ内外に向けてファシリテーションの公開講座を行う。上記はオンラインでも開催しているため、遠方に住んでいる人でも参加できるのが特徴です。また上記以外にも、ファシリテーションに関するさまざまな事業を展開しています。
参考:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会ユーキャン
人材育成でも有名なユーキャンでは、法人向けのファシリテーション力アップ研修を用意しています。ファシリテーション力アップ研修では、「ミーティング」「プロジェクト」両方のシーンにおけるファシリテーション力を身につけることが可能です。
研修内容として以下のようなものが挙げられます。・ファシリテーターとしての役割:組織におけるファシリテータ―の役割を認識する
・ミーティングのファシリテーション:ミーティングの目的と準備
・ミーティングの運営:ミーティングにおける工夫、思わぬトラブルへの対処方法
・ミーティングのファシリテーション:ブレーンストーミング、意思決定のミーティングのロールプレイ
・プロジェクトのファシリテーション:プロジェクトマネジャーの役割と責任
・プロジェクトのファシリテーション(ケーススタディ):ケースを読んで問題の原因をディスカッションする
・チームビルディングのロールプレイ:ケーススタディで出た問題の原因をもとに解決策を話し合う過程をファシリテーションするロールプレイ上記の総研修時間は1日(6時間程度)で、対面・オンラインどちらでも受講可能です。初めて会社でファシリテーション研修を行う際に適した内容になっています。
参考:法人・企業向けファシリテーション力アップ研修|企業向け人材育成・社員研修サービスのユーキャン従業員にファシリテーターを任せる際の注意点従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員の理解を得たり、制度を整えたりしなければ社内で混乱を招いてしまうでしょう。
ファシリテーターを任せる際の注意点として、以下のようなものが挙げられます。- サポート体制を整える
- ほかの従業員と業務を調整する
- 中立的な立場を確保する
- 継続的にスキルアップできる機会を提供する
- 評価制度を導入する
それぞれの注意点を見ていきましょう。サポート体制を整える
従業員にファシリテーターを任せる場合、周りの従業員の理解を得ることはもちろん、以下のようなサポート体制を整える必要があります。サポートの例 概要 ファシリテーション研修の実施 従業員向けにファシリテーションスキルを学べる研修を行う 経験豊富なファシリテーターによる指導やアドバイスの機会 実務経験豊富なファシリテーターによるOJTやメンタリングを実施し、定期的にスキルを磨く機会を与える ファシリテーションに関する社内資料の整備 わかりやすい資料やツールを共有し、ファシリテーターが円滑に会議を進められるようにする 質の高いファシリテーションを評価する制度の導入 成果に基づいた評価制度を導入し、ファシリテーターのモチベーション向上やスキル向上を促進する
このようなサポート体制を整えることで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念することができます。また、ファシリテーターを行わない従業員にも理解を得られやすくなるでしょう。サポート体制が整うことでファシリテーションのクオリティも向上し、結果的に組織全体でより質の高い議論や意思決定が行われるようになります。ほかの従業員と業務を調整する
従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員と業務量を調整する必要があります。ファシリテーターは会議やワークショップにおいて中立的な立場を保ちながら、参加者全体を支援する役割を担います。そのため、普段の業務に加えてファシリテーターとしての役割を担うことで、業務負担の増加が考えられるからです。
ファシリテーターへの負担を軽減し、円滑に業務を進めるためにも、周りの従業員の協力を得ることが重要になります。
具体的には、以下のような配慮や調整が必要です。- 業務分担を見直す
- 納期を調整する
- 業務の優先順位を見直す
- 定期的にファシリテーターの業務進捗を確認する
これらの調整を行うことで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念でき、ファシリテーションのクオリティ向上にもつながるでしょう。中立的な立場を確保する
従業員にファシリテーターを任せる際は、中立的な立場を確保する必要があります。特定の意見や立場に偏らず、公平性を保つことで、参加者全員が安心して発言できる環境づくりができるでしょう。
ファシリテーターを担当する従業員が中立的な立場を保つために、以下のポイントが挙げられます。- 人事部など、中立的な立場を保ちやすい部署に所属させる
- ファシリテーター自身が会議の議題に関連する部署に所属している場合は、事前に利害関係を明確にしておく
- 特定の意見に賛同したり反対したりするのではなく、議論のプロセスを促進する
上記のポイントを踏まえ、従業員が中立的な立場を保てるようなサポート体制を整えることが大切です。継続的にスキルアップできる機会を提供する
ファシリテーターとしてのスキルは、すぐに身につくものではありません。継続的に学び、実際にファシリテーターの業務を行うことでスキルアップするものです。従業員がファシリテーターとして成長していけるよう、企業は以下のような機会を設けるとよいでしょう。- ファシリテーションスキル向上のための研修を定期的に実施する
- 外部機関が主催するセミナーへの参加を促す
- ファシリテーションに関する書籍の購入を補助する
- 資格取得にかかる費用を補助する
- 社内の会議やプロジェクトで積極的にファシリテーターを任せる
企業がファシリテーターを導入する際は、従業員がファシリテーターとしての知識やスキルを深め、より効果的に会議やワークショップを進行できるようサポートしていくことが大切です。評価制度を導入する
従業員がファシリテーターの役割を担う場合、評価制度を導入することで、モチベーションの向上やスキルアップを促進できます。評価項目としては以下のような点が考えられます。評価項目 具体的な内容 会議の目的達成 設定した目的に対してどの程度達成できたのか 参加者の満足度 会議に参加した人が会議の進め方や成果についてどの程度満足しているか 時間管理 会議が時間内に終了したか、時間配分は適切だったのか コミュニケーション能力 参加者同士のコミュニケーションを円滑に進められたかどうか 中立性の保持 特定の意見に偏ることなく、中立的な立場で会議を進行できたか 問題解決力 会議中に発生した問題に対して、適切な対応を取れたか ファシリテーションスキルの向上 研修への参加や自己学習など、スキル向上に向けて積極的に取り組んでいるか
評価制度を導入する際は、評価基準を明確にしたうえで、従業員にフィードバックを行う必要があります。フィードバックを通して従業員の成長をサポートし、より質の高いファシリテーションの実現を目指しましょう。ファシリテーターに関する本を紹介ファシリテーターに対する注目度が上がるなか、ファシリテーションに関する本も多数販売されています。ここでは、ファシリテーターに関連する本を3冊紹介します。園部 浩司(著)『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』
本書の著者は、プロファシリテーターとして活動している園部浩司氏です。
本書では、おもにファシリテーターとしての基礎が学べる内容が書かれています。- 問題解決の仕方
- メンバーの意見の出し方
- 合意形成の仕方
- 上手なオンライン会議の進め方 など
文章だけではなく図解でわかりやすく解説されているため、初心者の方でも実践的にファシリテーションを学べます。
参考:ゼロから学べる! ファシリテーション超技術 | 園部 浩司 |本 | 通販 | Amazonグロービス(著)『ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』
本書は、グロービス経営大学院で実際に行われている授業をもとにした書籍です。
ファシリテーションの定義や目的、会議における役割といった基礎知識から学べます。また、事前に準備しておくべきことや会議を円滑に進めるための具体的なテクニックなど、会議の準備から実行までの流れもわかりやすく記載されています。
読むことで、参加者の意見を引き出すための質問の仕方や、議論を活性化させるための手法を身につけられるでしょう。
加えて、意見の対立が起こった際の対処法や合意形成をスムーズに進めるためのコツを学ぶことも可能です。
参考:ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ | グロービス安斎 勇樹・ 塩瀬 隆之 (著)『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
本書は、効果的な会議運営や組織開発の手法として注目されている「創造的対話」を実現するための「問い」のデザインに焦点を当てた書籍です。
本書では、創造的な対話を生み出すための「問いの種類」や「問いの組み立て方」「場のデザイン」などを豊富な事例やワークシートなどを交えながら解説しています。
会議やワークショップなど、多様な場面で参加者の思考や対話を促進し、新たな発想や解決策を生み出すための実践的なスキルを習得したいファシリテーターにおすすめの一冊です。
参考:問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション | 安斎 勇樹, 塩瀬 隆之 |本 | 通販 | Amazonファシリテーターの育成にはミイダス「ファシリテーターを任せたいけれど、誰に任せればいいかわからない」とお悩みなら、ミイダスのコンピテンシー診断をご活用ください。
コンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。- パーソナリティの特徴
- 行動特性
- ストレス要因
- 職務適性
- 上下関係適性
たとえば、パーソナリティの特徴は以下のコンピテンシー項目に沿って分析します。・ヴァイタリティ
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力ファシリテーターは誰しもができる仕事とは言えません。求められるスキルは高いため、ファシリテーターを育成する際は、従業員の行動特性を把握したうえで適性のある人材を選んだほうが効率的でしょう。
コンピテンシー診断は会員登録後、30名まで無料で診断できます。ぜひ一度お試しください。
ミイダスのコンピテンシー診断を試してみるファシリテーターを配置して、議論の質を上げよう本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する際の注意点などを解説しました。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。
ファシリテーターに求められるスキルとして、以下のようなものが挙げられます。
ファシリテーターは事前に参加者とゴールを共有しておくことで、議論を円滑に進められるようにします。
具体的には以下の要素を明確にします。
たとえば、以下のような配慮が求められます。
具体的には、以下のような能力が挙げられます。
能力 | 内容 |
傾聴力 | 参加者の意見に耳を傾けて、真意を理解する力 |
質問力 | 参加者から意見を引き出し、議論を深掘りするための適切な質問をする力 |
共感力 | 参加者の立場や感情を理解し、共感する力 |
言語化する力 | 参加者の発言を整理してわかりやすく伝え、議論の論点を明確にする力 |
非言語コミュニケーション力 | 表情や視線、ジェスチャーなどを用いて参加者との信頼関係を築く力 |
コミュニケーション能力について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:コミュニケーション能力とは?高い人の特徴・鍛え方と採用時の見極め方】
たとえば、1時間の会議を行う場合、以下のような時間配分で進めることが考えられます。
また、ファシリテーターには、状況に応じて時間配分を調整する柔軟性も求められます。参加者の意見が活発で、予定よりも時間が押している場合は、ほかの議題にかける時間を短縮するなど、臨機応変な判断が必要になります。
たとえば、参加者から出た意見を整理する際に、それぞれの意見の関連性を見抜き、グループ分けしたり、共通点や相違点を明確にしたりすることが重要です。
また議論が脱線しそうになったときは、もとの議題に戻すための適切な指摘や質問を投げかける必要があります。
論理的思考について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:論理的思考とは?ビジネスで求められる理由や注意点、鍛え方まで解説】
ファシリテーターが特定の意見に偏った発言や行動をしてしまうと、議論が偏ったり、参加者が萎縮して自由に意見を言えなくなったりする可能性があります。そのため、常に中立的な価値観を保って進行する必要があるのです。
そのような状態にならないように、ファシリテーターは参加者から出されたさまざまな意見を共通点や対立点などを整理しながらわかりやすくまとめる必要があります。また、議論の方向性を明確にし、合意形成へと導くことが重要です。
ファシリテーターは、参加者が出したアイデアをカテゴリ別に分類したり、それぞれのメリットやデメリットを比較したりしながら、最終的にどのような企画が最適なのか、参加者の意見を踏まえながらまとめていく役割を担います。
自社の従業員にファシリテーターを任せる場合、十分な研修制度を設ける必要があります。現在ではファシリテーターを育成するための研修制度が多数用意されています。
研修の内容としては、ファシリテーションの基本的なスキルを学べるものから、会議の生産性向上に特化したもの、チームで成果を上げるためのグループワークに焦点を当てたものまで、さまざまなニーズに対応可能です。
ここでは、ファシリテーターに関する研修制度をいくつか紹介します。ファシリテーターを配置したいと考えている企業は、ぜひ参考にしてみてください。
研修の内容としては、ファシリテーションの基本的なスキルを学べるものから、会議の生産性向上に特化したもの、チームで成果を上げるためのグループワークに焦点を当てたものまで、さまざまなニーズに対応可能です。
ここでは、ファシリテーターに関する研修制度をいくつか紹介します。ファシリテーターを配置したいと考えている企業は、ぜひ参考にしてみてください。
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会(FAJ)では、以下のようなファシリテーションの講座を開催しています。
・ファシリテーション基礎講座:これからファシリテーターを目指す方向けの講座。ファシリテーションの基礎について、講義・演習を通じて体系的に学べる。
・ファシリテーション実践講座:ファシリテーションを実際に体験してみて、できなかった点、苦手な点を把握。演習を重ねて、現場で実践できる力を身につける。
・アフターミーティング:「ファシリテーション基礎講座」「ファシリテーション実践講座」の参加者を対象に継続的な学びを提供する。
・ファシリテーション特別編:経験可能なFAJのフェローが講師となり、FAJ内外に向けてファシリテーションの公開講座を行う。
・ファシリテーション実践講座:ファシリテーションを実際に体験してみて、できなかった点、苦手な点を把握。演習を重ねて、現場で実践できる力を身につける。
・アフターミーティング:「ファシリテーション基礎講座」「ファシリテーション実践講座」の参加者を対象に継続的な学びを提供する。
・ファシリテーション特別編:経験可能なFAJのフェローが講師となり、FAJ内外に向けてファシリテーションの公開講座を行う。
上記はオンラインでも開催しているため、遠方に住んでいる人でも参加できるのが特徴です。また上記以外にも、ファシリテーションに関するさまざまな事業を展開しています。
参考:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会
参考:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会
ユーキャン
人材育成でも有名なユーキャンでは、法人向けのファシリテーション力アップ研修を用意しています。ファシリテーション力アップ研修では、「ミーティング」「プロジェクト」両方のシーンにおけるファシリテーション力を身につけることが可能です。
研修内容として以下のようなものが挙げられます。
研修内容として以下のようなものが挙げられます。
・ファシリテーターとしての役割:組織におけるファシリテータ―の役割を認識する
・ミーティングのファシリテーション:ミーティングの目的と準備
・ミーティングの運営:ミーティングにおける工夫、思わぬトラブルへの対処方法
・ミーティングのファシリテーション:ブレーンストーミング、意思決定のミーティングのロールプレイ
・プロジェクトのファシリテーション:プロジェクトマネジャーの役割と責任
・プロジェクトのファシリテーション(ケーススタディ):ケースを読んで問題の原因をディスカッションする
・チームビルディングのロールプレイ:ケーススタディで出た問題の原因をもとに解決策を話し合う過程をファシリテーションするロールプレイ
・ミーティングのファシリテーション:ミーティングの目的と準備
・ミーティングの運営:ミーティングにおける工夫、思わぬトラブルへの対処方法
・ミーティングのファシリテーション:ブレーンストーミング、意思決定のミーティングのロールプレイ
・プロジェクトのファシリテーション:プロジェクトマネジャーの役割と責任
・プロジェクトのファシリテーション(ケーススタディ):ケースを読んで問題の原因をディスカッションする
・チームビルディングのロールプレイ:ケーススタディで出た問題の原因をもとに解決策を話し合う過程をファシリテーションするロールプレイ
上記の総研修時間は1日(6時間程度)で、対面・オンラインどちらでも受講可能です。初めて会社でファシリテーション研修を行う際に適した内容になっています。
参考:法人・企業向けファシリテーション力アップ研修|企業向け人材育成・社員研修サービスのユーキャン
参考:法人・企業向けファシリテーション力アップ研修|企業向け人材育成・社員研修サービスのユーキャン
従業員にファシリテーターを任せる際の注意点従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員の理解を得たり、制度を整えたりしなければ社内で混乱を招いてしまうでしょう。
ファシリテーターを任せる際の注意点として、以下のようなものが挙げられます。- サポート体制を整える
- ほかの従業員と業務を調整する
- 中立的な立場を確保する
- 継続的にスキルアップできる機会を提供する
- 評価制度を導入する
それぞれの注意点を見ていきましょう。サポート体制を整える
従業員にファシリテーターを任せる場合、周りの従業員の理解を得ることはもちろん、以下のようなサポート体制を整える必要があります。サポートの例 概要 ファシリテーション研修の実施 従業員向けにファシリテーションスキルを学べる研修を行う 経験豊富なファシリテーターによる指導やアドバイスの機会 実務経験豊富なファシリテーターによるOJTやメンタリングを実施し、定期的にスキルを磨く機会を与える ファシリテーションに関する社内資料の整備 わかりやすい資料やツールを共有し、ファシリテーターが円滑に会議を進められるようにする 質の高いファシリテーションを評価する制度の導入 成果に基づいた評価制度を導入し、ファシリテーターのモチベーション向上やスキル向上を促進する
このようなサポート体制を整えることで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念することができます。また、ファシリテーターを行わない従業員にも理解を得られやすくなるでしょう。サポート体制が整うことでファシリテーションのクオリティも向上し、結果的に組織全体でより質の高い議論や意思決定が行われるようになります。ほかの従業員と業務を調整する
従業員にファシリテーターを任せる場合、ほかの従業員と業務量を調整する必要があります。ファシリテーターは会議やワークショップにおいて中立的な立場を保ちながら、参加者全体を支援する役割を担います。そのため、普段の業務に加えてファシリテーターとしての役割を担うことで、業務負担の増加が考えられるからです。
ファシリテーターへの負担を軽減し、円滑に業務を進めるためにも、周りの従業員の協力を得ることが重要になります。
具体的には、以下のような配慮や調整が必要です。- 業務分担を見直す
- 納期を調整する
- 業務の優先順位を見直す
- 定期的にファシリテーターの業務進捗を確認する
これらの調整を行うことで、従業員は安心してファシリテーターの役割に専念でき、ファシリテーションのクオリティ向上にもつながるでしょう。中立的な立場を確保する
従業員にファシリテーターを任せる際は、中立的な立場を確保する必要があります。特定の意見や立場に偏らず、公平性を保つことで、参加者全員が安心して発言できる環境づくりができるでしょう。
ファシリテーターを担当する従業員が中立的な立場を保つために、以下のポイントが挙げられます。- 人事部など、中立的な立場を保ちやすい部署に所属させる
- ファシリテーター自身が会議の議題に関連する部署に所属している場合は、事前に利害関係を明確にしておく
- 特定の意見に賛同したり反対したりするのではなく、議論のプロセスを促進する
上記のポイントを踏まえ、従業員が中立的な立場を保てるようなサポート体制を整えることが大切です。継続的にスキルアップできる機会を提供する
ファシリテーターとしてのスキルは、すぐに身につくものではありません。継続的に学び、実際にファシリテーターの業務を行うことでスキルアップするものです。従業員がファシリテーターとして成長していけるよう、企業は以下のような機会を設けるとよいでしょう。- ファシリテーションスキル向上のための研修を定期的に実施する
- 外部機関が主催するセミナーへの参加を促す
- ファシリテーションに関する書籍の購入を補助する
- 資格取得にかかる費用を補助する
- 社内の会議やプロジェクトで積極的にファシリテーターを任せる
企業がファシリテーターを導入する際は、従業員がファシリテーターとしての知識やスキルを深め、より効果的に会議やワークショップを進行できるようサポートしていくことが大切です。評価制度を導入する
従業員がファシリテーターの役割を担う場合、評価制度を導入することで、モチベーションの向上やスキルアップを促進できます。評価項目としては以下のような点が考えられます。評価項目 具体的な内容 会議の目的達成 設定した目的に対してどの程度達成できたのか 参加者の満足度 会議に参加した人が会議の進め方や成果についてどの程度満足しているか 時間管理 会議が時間内に終了したか、時間配分は適切だったのか コミュニケーション能力 参加者同士のコミュニケーションを円滑に進められたかどうか 中立性の保持 特定の意見に偏ることなく、中立的な立場で会議を進行できたか 問題解決力 会議中に発生した問題に対して、適切な対応を取れたか ファシリテーションスキルの向上 研修への参加や自己学習など、スキル向上に向けて積極的に取り組んでいるか
評価制度を導入する際は、評価基準を明確にしたうえで、従業員にフィードバックを行う必要があります。フィードバックを通して従業員の成長をサポートし、より質の高いファシリテーションの実現を目指しましょう。ファシリテーターに関する本を紹介ファシリテーターに対する注目度が上がるなか、ファシリテーションに関する本も多数販売されています。ここでは、ファシリテーターに関連する本を3冊紹介します。園部 浩司(著)『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』
本書の著者は、プロファシリテーターとして活動している園部浩司氏です。
本書では、おもにファシリテーターとしての基礎が学べる内容が書かれています。- 問題解決の仕方
- メンバーの意見の出し方
- 合意形成の仕方
- 上手なオンライン会議の進め方 など
文章だけではなく図解でわかりやすく解説されているため、初心者の方でも実践的にファシリテーションを学べます。
参考:ゼロから学べる! ファシリテーション超技術 | 園部 浩司 |本 | 通販 | Amazonグロービス(著)『ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』
本書は、グロービス経営大学院で実際に行われている授業をもとにした書籍です。
ファシリテーションの定義や目的、会議における役割といった基礎知識から学べます。また、事前に準備しておくべきことや会議を円滑に進めるための具体的なテクニックなど、会議の準備から実行までの流れもわかりやすく記載されています。
読むことで、参加者の意見を引き出すための質問の仕方や、議論を活性化させるための手法を身につけられるでしょう。
加えて、意見の対立が起こった際の対処法や合意形成をスムーズに進めるためのコツを学ぶことも可能です。
参考:ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ | グロービス安斎 勇樹・ 塩瀬 隆之 (著)『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
本書は、効果的な会議運営や組織開発の手法として注目されている「創造的対話」を実現するための「問い」のデザインに焦点を当てた書籍です。
本書では、創造的な対話を生み出すための「問いの種類」や「問いの組み立て方」「場のデザイン」などを豊富な事例やワークシートなどを交えながら解説しています。
会議やワークショップなど、多様な場面で参加者の思考や対話を促進し、新たな発想や解決策を生み出すための実践的なスキルを習得したいファシリテーターにおすすめの一冊です。
参考:問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション | 安斎 勇樹, 塩瀬 隆之 |本 | 通販 | Amazonファシリテーターの育成にはミイダス「ファシリテーターを任せたいけれど、誰に任せればいいかわからない」とお悩みなら、ミイダスのコンピテンシー診断をご活用ください。
コンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。- パーソナリティの特徴
- 行動特性
- ストレス要因
- 職務適性
- 上下関係適性
たとえば、パーソナリティの特徴は以下のコンピテンシー項目に沿って分析します。・ヴァイタリティ
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力ファシリテーターは誰しもができる仕事とは言えません。求められるスキルは高いため、ファシリテーターを育成する際は、従業員の行動特性を把握したうえで適性のある人材を選んだほうが効率的でしょう。
コンピテンシー診断は会員登録後、30名まで無料で診断できます。ぜひ一度お試しください。
ミイダスのコンピテンシー診断を試してみるファシリテーターを配置して、議論の質を上げよう本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する際の注意点などを解説しました。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。
ファシリテーターを任せる際の注意点として、以下のようなものが挙げられます。
サポートの例 | 概要 |
ファシリテーション研修の実施 | 従業員向けにファシリテーションスキルを学べる研修を行う |
経験豊富なファシリテーターによる指導やアドバイスの機会 | 実務経験豊富なファシリテーターによるOJTやメンタリングを実施し、定期的にスキルを磨く機会を与える |
ファシリテーションに関する社内資料の整備 | わかりやすい資料やツールを共有し、ファシリテーターが円滑に会議を進められるようにする |
質の高いファシリテーションを評価する制度の導入 | 成果に基づいた評価制度を導入し、ファシリテーターのモチベーション向上やスキル向上を促進する |
ファシリテーターへの負担を軽減し、円滑に業務を進めるためにも、周りの従業員の協力を得ることが重要になります。
具体的には、以下のような配慮や調整が必要です。
ファシリテーターを担当する従業員が中立的な立場を保つために、以下のポイントが挙げられます。
評価項目 | 具体的な内容 |
会議の目的達成 | 設定した目的に対してどの程度達成できたのか |
参加者の満足度 | 会議に参加した人が会議の進め方や成果についてどの程度満足しているか |
時間管理 | 会議が時間内に終了したか、時間配分は適切だったのか |
コミュニケーション能力 | 参加者同士のコミュニケーションを円滑に進められたかどうか |
中立性の保持 | 特定の意見に偏ることなく、中立的な立場で会議を進行できたか |
問題解決力 | 会議中に発生した問題に対して、適切な対応を取れたか |
ファシリテーションスキルの向上 | 研修への参加や自己学習など、スキル向上に向けて積極的に取り組んでいるか |
ファシリテーターに対する注目度が上がるなか、ファシリテーションに関する本も多数販売されています。ここでは、ファシリテーターに関連する本を3冊紹介します。
園部 浩司(著)『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』
本書の著者は、プロファシリテーターとして活動している園部浩司氏です。
本書では、おもにファシリテーターとしての基礎が学べる内容が書かれています。
本書では、おもにファシリテーターとしての基礎が学べる内容が書かれています。
- 問題解決の仕方
- メンバーの意見の出し方
- 合意形成の仕方
- 上手なオンライン会議の進め方 など
文章だけではなく図解でわかりやすく解説されているため、初心者の方でも実践的にファシリテーションを学べます。
参考:ゼロから学べる! ファシリテーション超技術 | 園部 浩司 |本 | 通販 | Amazon
参考:ゼロから学べる! ファシリテーション超技術 | 園部 浩司 |本 | 通販 | Amazon
グロービス(著)『ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ』
本書は、グロービス経営大学院で実際に行われている授業をもとにした書籍です。
ファシリテーションの定義や目的、会議における役割といった基礎知識から学べます。また、事前に準備しておくべきことや会議を円滑に進めるための具体的なテクニックなど、会議の準備から実行までの流れもわかりやすく記載されています。
読むことで、参加者の意見を引き出すための質問の仕方や、議論を活性化させるための手法を身につけられるでしょう。
加えて、意見の対立が起こった際の対処法や合意形成をスムーズに進めるためのコツを学ぶことも可能です。
参考:ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ | グロービス
ファシリテーションの定義や目的、会議における役割といった基礎知識から学べます。また、事前に準備しておくべきことや会議を円滑に進めるための具体的なテクニックなど、会議の準備から実行までの流れもわかりやすく記載されています。
読むことで、参加者の意見を引き出すための質問の仕方や、議論を活性化させるための手法を身につけられるでしょう。
加えて、意見の対立が起こった際の対処法や合意形成をスムーズに進めるためのコツを学ぶことも可能です。
参考:ファシリテーションの教科書: 組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ | グロービス
安斎 勇樹・ 塩瀬 隆之 (著)『問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション』
本書は、効果的な会議運営や組織開発の手法として注目されている「創造的対話」を実現するための「問い」のデザインに焦点を当てた書籍です。
本書では、創造的な対話を生み出すための「問いの種類」や「問いの組み立て方」「場のデザイン」などを豊富な事例やワークシートなどを交えながら解説しています。
会議やワークショップなど、多様な場面で参加者の思考や対話を促進し、新たな発想や解決策を生み出すための実践的なスキルを習得したいファシリテーターにおすすめの一冊です。
参考:問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション | 安斎 勇樹, 塩瀬 隆之 |本 | 通販 | Amazon
本書では、創造的な対話を生み出すための「問いの種類」や「問いの組み立て方」「場のデザイン」などを豊富な事例やワークシートなどを交えながら解説しています。
会議やワークショップなど、多様な場面で参加者の思考や対話を促進し、新たな発想や解決策を生み出すための実践的なスキルを習得したいファシリテーターにおすすめの一冊です。
参考:問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション | 安斎 勇樹, 塩瀬 隆之 |本 | 通販 | Amazon
ファシリテーターの育成にはミイダス「ファシリテーターを任せたいけれど、誰に任せればいいかわからない」とお悩みなら、ミイダスのコンピテンシー診断をご活用ください。
コンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。- パーソナリティの特徴
- 行動特性
- ストレス要因
- 職務適性
- 上下関係適性
たとえば、パーソナリティの特徴は以下のコンピテンシー項目に沿って分析します。・ヴァイタリティ
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力ファシリテーターは誰しもができる仕事とは言えません。求められるスキルは高いため、ファシリテーターを育成する際は、従業員の行動特性を把握したうえで適性のある人材を選んだほうが効率的でしょう。
コンピテンシー診断は会員登録後、30名まで無料で診断できます。ぜひ一度お試しください。
ミイダスのコンピテンシー診断を試してみるファシリテーターを配置して、議論の質を上げよう本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する際の注意点などを解説しました。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。
コンピテンシー診断では、あらかじめ用意された質問に回答してもらうだけで、従業員一人ひとりの行動特性を把握できます。
・人あたり
・チームワーク
・創造的思考力
・問題的解決力
・状況適応力
・プレッシャーへの耐力
・オーガナイズ能力
・統率力
コンピテンシー診断は会員登録後、30名まで無料で診断できます。ぜひ一度お試しください。
本記事では、ファシリテーターの意味や役割、求められるスキル、育成する際の注意点などを解説しました。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。
ファシリテーターは、会議や研修、ワークショップなどで、参加者同士の議論や活動を円滑に進める役割を担います。ファシリテーターがいなくても会議は進行できますが、配置することで議論の質には大きな差が生まれるでしょう。
従業員のなかでファシリテーターができる人材を育成し、会議をより充実したものにすることで、会社の意思決定のスピードや生産性向上にもつながるはずです。
とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルは高く、適切な人材選定が欠かせません。ファシリテーターの育成に困っている方はぜひ、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して、適性のある人材を見つけることから始めてみてください。