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論理的思考とは?ビジネスで求められる理由や注意点、鍛え方まで解説

相手を動かすためには説得力が必要で、それを出すには論理的思考(ロジカルシンキング)が求められます。説得力がないと、ビジネスにおいて「営業先と交渉がうまくいきにくい」「コミュニケーションコストが高くて社内でも意思疎通が取れにくくなる」といったデメリットが発生しかねません。

そこで本記事では、論理的思考についての概要やメリット、注意点、論理的思考力の鍛え方などを紹介していきます。論理的思考力を身につけると、問題解決能力や説得力の向上といった効果が期待できます。しかし思い込み(バイアス)が強いと、誤った結論にたどり着いてしまうリスクもあるのです。

また人材採用の場合、自社の社風にマッチしない人を採用すると、たとえ論理的思考力が高い人でも早期離職してしまうリスクもあります。採用面接では、応募者の論理的思考力だけでなく「自社の社風にマッチするか」といった観点からも、人材を見極める必要があります。

社風にマッチする人を採用するなら、コンピテンシーの考え方を採用選考に活かした「コンピテンシー診断」を利用するのもおすすめです。コンピテンシー診断について、詳しくは下記をご一読ください。

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論理的思考(ロジカルシンキング)とは何か簡単に解説

人差し指を立てるビジネスパーソン
論理的思考(ロジカルシンキング)とは、直感的・感覚的に物事を決めるのではなく、論理で物事を理解する考え方です。

物事を「結論」と「根拠」に分けて、どのようにつながるのか(あるいはつながらないのか)、筋道を立てて考えるのが論理的思考です。このとき、多角的な視点から問題を分析することも重要になります。

たとえば「睡眠はしっかりとるべきだ」という結論を主張する場合、根拠としては「睡眠によって健康な状態を保てるため」「十分な睡眠をとると仕事のパフォーマンスを上げられるため」といった点が挙げられます。また「睡眠をとらないとどうなるのか」と視点を変えて考えてみることで、睡眠をしっかりとる重要性を相手に伝えやすくなるでしょう。

論理的思考力が求められる背景

ビジネスでは論理的思考力が求められる理由は下記のとおりです。
  • 日常的に発生する問題を正確に解決するため
  • 的確な順序で問題を解決するため
ビジネスでは常に新しい問題が発生したり市場の環境が移り変わったりするものです。情報通信技術の発達により、環境が変化するスピードは過去と比較して高速化しています。

次々と発生する問題の原因を分析し、解決に導いていくためには論理的思考力が必要です。また「どの問題を優先して解決するか」といった優先順位をつけるうえでも、論理的思考力が必要になります。

このような理由から、ビジネスにおいて論理的思考力を備えた人材が求められているのです。ただし論理的思考力を備えた人材であっても、自社に馴染めず退職してしまうケースもあります。論理的思考力を備えつつ、自社にもマッチしそうな人材を探している方は、コンピテンシー診断の活用をご検討ください。

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ビジネスや日常生活での具体例

論理的思考が役立つ場面を、ビジネスシーンと日常生活に分けてご紹介します。

【ビジネスで論理的思考が役立つシーン】
  • 問題が発生したとき、論理的に原因を分析して解決に導く
  • プレゼンテーションで、主張と根拠を論理的に解説して相手を説得する
  • 生産性を上げるにはどうすれば良いのか論理的に考えて、業務を効率化する
【日常生活で論理的思考が役立つシーン】
  • 時間の使い方を考えて効率化し「やりたいこと」を達成しやすくなる
  • なぜその商品を買う必要があるのか考えやすくなり、浪費を防ぎやすくなる
  • 相手の意図や気持ちを察しやすくなり、人間関係が円滑化する
このように、論理的思考はビジネスだけでなく日常生活においても人生に良い影響を与えやすくなります。ビジネスにおいては自社の業績アップにつながる可能性があるため、社内の人材に論理的思考力を高めるよう促したりトレーニングの機会を提供したりすることを検討してみましょう。

論理的思考力がある人の特徴

論理的思考力がある人の特徴をご紹介します。人材採用を行ううえでの参考にしてください。
  • 説明が分かりやすい:結論と根拠が論理的につながっているため話を理解しやすい
  • 問題解決が得意である:論理的に問題を分析して解決策を出すのが得意で、問題解決能力が高い
  • 分析力がある:原因や結論に対して予想される根拠を多角的な視点からリサーチするのが得意であるため、分析能力が高い
たとえば採用面接の場合、応募者の説明が分かりやすいか、問題解決したエピソードがあるか、どのような方法で問題を解決したのか、詳しく話を聞いてみましょう。応募者の話を聞くだけでも、論理的思考力が高いかどうか判断しやすいです。

ただし、仮に応募者の論理的思考力が高くても、自社の社風にマッチする人材とは限りません。応募者の論理的思考力を見極めるのは大切ですが、それ以上に(たとえばコンピテンシー診断を活用して)応募者が自社にマッチするかどうか判断することも大切です。

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論理的思考力が高いことのメリット

握手をするビジネスパーソン
論理的思考力が高いことのメリットは、上述したとおり「問題解決能力が高くなる」「主張に対する説得力が増す」の2点が挙げられます。

各メリットについて詳しく解説します。

問題解決能力が高くなる

感覚的・直感的な判断をせず論理的思考を実践することで、問題解決能力の向上が期待できます。

論理的思考では、物事を結論と根拠に分け、多角的な視点から分析を行います。結論と根拠に論理的な筋道をつけて物事を判断するため、自然と問題解決能力が高くなるのです。

問題解決能力が高くなることで、不測の事態が発生しやすいビジネスにおいて頼られる存在となるでしょう。たとえば「困ったことがあったら〇〇さんに相談しよう」と思ってもらえれば成果も出しやすくなりますし、昇進のチャンスもめぐってくるでしょう。

主張に対する説得力が増す

論理的思考を行うことで、説得力の向上が期待できます。

たとえばプレゼンを実施する際は「何を主張したいか」を伝える必要があります。しかし「なぜその主張が必要なのか」「他に方法はないのか」など、さまざまな観点からの指摘に耐えられるようでないと、プレゼンを受ける側は納得しにくいものです。

プレゼンに限らず、ビジネスを進めるうえで「相手を説得して物事を進めていく」という能力は非常に重要です。論理的思考力が高くなれば主張の説得力が高くなり、円滑にビジネスが進むことが期待できます。

論理的思考の注意点

頭を抱えるビジネスパーソン
論理的思考にはメリットもありますが、下記のような注意点もあります。
  • 思い込みが意思決定を歪める
  • 結論は状況によって変わることがある
上記2点について、詳しく解説します。

思い込み(バイアス)があると意思決定を誤るリスクがある

論理的思考を心がけても、思い込み(いわゆるバイアス)が強いと誤った結論にたどり着きかねないリスクがあります。

たとえば「最近の若い人は仕事ができない」というバイアスがあると、「若い人以外を優先して採用する」「キャリアがある人以外は採用しない」といった結論に達してしまいかねません。

しかしバイアスを取り除いて「そもそも本当に若い人は仕事ができないのか」という観点で考えてみると、下記のような問題点も浮かんできます。
  • 上司が若手に正確な指示と権限を与えていたのか
  • 採用方法が間違っていたから仕事がうまくできない若手が入ってきたのではないか
  • そもそも入社後に研修を行ったり社内の人とコミュニケーションを取る機会を十分に与えていなかったりしたからパフォーマンスが上がらないのではないか
指示命令の出し方を見直したり採用後のフォロー体制を構築したりすることで、若手だけでなく既存の中堅・ベテラン社員も働きやすくなる可能性があります。

このように、バイアスがあると論理的思考のメリットである「問題解決能力の高さ」を活かしきれません。なおミイダスでは、社員の持っているバイアスを可視化してアドバイスも行う「バイアス診断ゲーム」を提供しております。ミイダスに登録している人は無料で利用可能です。サービスの詳細は下記をご確認ください。

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状況によって結論が変わる可能性がある

論理的思考を行って問題に対する解決策を提示しても、必ずうまくいくとは限りません。なぜなら状況によって最適な解答が変わってくるからです。

たとえば大企業であれば、社内の人員やノウハウ、資金といったリソースに比較的余裕があります。一方、中小企業だとこれらのリソースが十分でないケースも多く、実施できる打ち手も限られやすいものです。また市場環境が変わると、以前出した結論が最適解でなくなるおそれもあります。

「Aだから必ずB」という考え方に陥らないよう、幅広い視野をもって結論を出すこと、状況が変わった場合に随時柔軟な対応を行うことが大切です。

論理的思考力の鍛え方

豆電球がつくイメージ
論理的思考力を鍛える主な方法を7つご紹介します。
1. 書籍を読んで理解を深める
2. バイアスをかけて物事を見ないよう心がける
3. 仮説を立てて検証する
4. 数字をもとに考えを深めていく
5. 常に言語化を意識する
6. 結論と根拠が一貫しているか意識する
7. 他人と討論(ディベート)を行う
詳しく見てみましょう。

書籍を読んで理解を深める

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論理的思考力の考え方を理解して質を上げていくには、本を読んで理解を深めるのがおすすめです。書籍の方が質・量ともに内容が濃いため、「本気で論理的思考力を養いたい」と考えている人に向いています。

では論理的思考力について理解を深めるにはどのような本を読んだ方が良いのか、主な書籍を3つご紹介します。

照屋 華子、岡田 恵子『ロジカル・シンキング
外資系コンサル企業「マッキンゼー」のエディターとして活動する著者が、論理的思考をもとにした「ロジカル・コミュニケーション」について解説しています。話のズレや重複・漏れ、話の飛躍をなくすための技術が語られているため、論理的思考にもとづくコミュニケーションの取り方が分かります。

山崎 康司 『入門 考える技術・書く技術
研修歴20年を超えるキャリアを持つ著者が、ビジネス文書やメールの文面をよくするためのノウハウを語っています。日本人はなぜ論理的思考が苦手なのか、ハンデを乗り越えるためにはどうすれば良いのかが記載されており、ビジネス文書の書き方に悩んでいる人におすすめです。

安宅和人 『イシューからはじめよ
『シン・ニホン』の著者でもある安宅和人さんが執筆した、問題を解決するための考え方や解決法について記載された本です。「いま解決すべき問題=イシュー」を発見してどう解決するかを語った、ロジカルシンキングの本としても有名です。

バイアスをかけて物事を見ないよう心がける

バイアスとは、いわゆる「思い込み」のことです。

バイアスがかかると物事の本質を見誤ったり誤った結論・評価を下してしまったりしがちです。バイアスが強いと論理的思考の妨げになってしまうため、できるだけ思い込みや先入観を排除して考えることが大切です。

なお「バイアスをできるだけ排除して意思決定ができる組織をつくりたい」と考えている人におすすめなのが、ミイダスの提供する「バイアス診断ゲーム」です。どのバイアスを強く持っているのか、どう向き合っていけば良いのか個別のアドバイスを受けられます。

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仮説を立てて検証する

日常生活のちょっとした疑問や気になったことに仮説を立てて、本当かリサーチしてみることも論理的思考力を養うトレーニングになります。

相手のある討論が必要とは限りません。自分の頭の中だけでも良いので、多角的な視点から考えたり主張に対する根拠を掘り下げたりすると、いざという時に論理的に考えやすくなります。

数字をもとに考えを深めていく

数字ベースで物事を考えていくことも、論理的思考力を養ううえで大切です。具体的な数字をもとに考えを深めることで、問題の解像度があがります。

たとえば「たくさん事例がある」と「〇万以上も存在する」だと、説得力が異なるでしょう。また数字ベースで物事を考えることで、感覚的な判断を避けやすくなります。

常に言語化を意識する

頭の中で思っていることを相手に伝えようと思ったとき「意外と言葉がでてこない」という人もいるのではないでしょうか。そこで大切なのが言語化です。

言語化とは、感情や直感など自分自身が考えていることを言葉にして伝えることを意味します。言語化を意識することで、自分の考えや気持ちを相手へ正確に伝えやすくなり、コミュニケーションが円滑に進みやすくなります。

論理的思考を行っても、言語化がうまくできなければ相手に物事を伝えることができません。また言語化することで、自分の論理に矛盾がないか気づきやすくなる効果もあります。

結論と根拠が一貫しているか意識する

普段の会話の中で「自分の会話は主張と根拠が一致しているだろうか」と意識することも、論理的思考力を高めることにつながります。

「何をしたいのか」「そのためにどうする必要があるのか」といった視点をもって会話することで、論理的に考えて話すクセがつきます。

他人と討論(ディベート)を行う

機会があれば、友人・知人と討論を行っても良いでしょう。他人に自分の意見を伝えることで、言語化がすすんだり考えが深まったりすることがあります。

討論というと大げさですが、たとえばランチや休憩中の何気ない会話で自分の考えを話してみることもおすすめです。ただし相手に不快な思いをさせないよう配慮は必要です。

論理的思考の考え方

考え事をしているビジネスパーソン
論理的思考の考え方には、主に「演繹法」と「帰納法」の2つがあります。

具体的にどのような思考法なのか解説します。

演繹法

演繹法とは、前提や周知の事実を積み上げて結論にたどり着く考え方です。「A=B」でかつ「A=C」であれば「B=C」になる、という考え方が演繹法です。

転職を例に、演繹法で考えてみましょう。
  • 私には前職の経歴がある(A)
  • 私は中途で採用された(B)
  • 中途で採用された人は前職の経歴がある(C)
このように考えるのが演繹法です。複雑な問題でも事実を積み重ねて結論を導き出せる、という強みがある一方で、前提そのものが間違っている場合は誤った結論にたどり着いてしまうリスクがあります。

帰納法

帰納法とは、複数存在する事象の中から結論を導く考え方です。帰納法の大きな特徴としては「導き出された結論がどの場面においても絶対に正しいとは限らない」ということです。

中途採用の場合を例に考えてみましょう。
  • 同業種・同職種から転職してきた中途採用Aさん・Bさん・Cさんは仕事ができる
  • だから同業種・同職種から転職してきた中途採用者は全員仕事ができる
論理的には間違っていないように思われますが、実際には同業種・同職種から転職してきた人でも会社に馴染めず仕事ができない場合もあります。帰納法は推論をだす場合に有効な考え方といえるでしょう。

参考:論理的思考と関連がある思考のフレームワーク

「Check」の文字とビジネスパーソン
参考までに、論理的思考を実践するうえで役立つ代表的なフレームワークをご紹介します。
  • MECE:「漏れなくダブりがない状態」を指す言葉です。中途で採用したい人を定義する場合は「年齢」「性別」「求めるスキル」などを、MECEの観点から洗い出す必要があります。
  • ゼロベース思考:先入観や前提条件にとらわれず、どうすれば目的を達成できるのか白紙の状態から考える思考法です。新しい発想を生み出す時に有効です。
  • ロジックツリー:問題に対する原因をツリー状に書き出して解決策を考える思考法です。問題と原因を可視化できるため、視覚的に問題を討論しやすくなります。
これらの考え方を知っておくことで、論理的思考を行う際に役立ちます。論理的思考を行う際は、ぜひ上記のフレームワークを活用できないかご検討ください。

論理的思考力はビジネスを行ううえで必須

笑顔のビジネスパーソンたち
本記事では論理的思考について解説しました。問題の原因を迅速・正確に把握して適切な解決策を実施するには、論理的思考力が欠かせません。本記事で紹介した内容を参考に、ぜひ論理的思考力を養ってみてください。

なお「論理的思考力がある人を採用したものの、すぐに辞めてしまった」とお悩みの方は、この機会にコンピテンシー診断を採用選考に導入してみてはいかがでしょうか。

論理的思考力が高い人であっても、社風にマッチしないと短期で離職してしまうおそれがあります。コンピテンシー診断を活用して、自社にマッチしやすく論理的思考力の高い人材をスカウトしてみましょう。

コンピテンシー診断は人材アセスメントツール「ミイダス」に登録すると利用できます。サービス詳細は下記から確認できますので、ぜひご確認ください。

【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説

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