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バッファーとは?意味とビジネスにおける使い方を解説

「スケジュールにもっとバッファーを持たせたほうがいいですね」
「この2人は少し難しいから、君がバッファーになってほしい」

ビジネスシーンにおいて「余裕」や「緩衝材」といった意味合いで使用される「バッファー(バッファ)」。英単語「buffer」に由来する言葉ですが、業界によっては別の意味で使用される場合もあります。

本記事では「バッファー」の意味について、業界別にわけて紹介します。ビジネスシーンでの使用例やビジネスにおけるバッファーの重要性についても紹介しますので、ぜひご一読ください。

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バッファー(buffer)とは

計画表に書き込んでいる手
「バッファー(バッファ)」とは、スケジュールやリソース(予算、人員、設備など)における「余裕」や「ゆとり」を意味する言葉です。「緩衝材」や「緩衝器」を意味する英語の「buffer」に由来します。

日本のビジネスシーンでは、プロジェクトの調整代や物事の衝突を和らげるクッション役のような意味合いで使用されることが多いでしょう。ビジネスシーンでの使われ方については、別項で詳しく解説します。

バッファーの言い換え・類義語

バッファーの類義語は「緩衝材」や「救助網」などが該当しますが、ビジネスシーンを想定すると以下のような言い換えが適切です。
  • (スケジュールや予算などの)余裕
  • (在庫や部品の)予備
  • (対立する人たちの)クッション役
  • (不測の事態をカバーする)サポート役
いずれも「緩衝材=衝突するモノ同士の間に入ったり、モノを包んだりして、万が一のときに衝撃を吸収する材料」のニュアンスを残した使われ方と言えます。

ビジネスシーンでの「バッファー」の使い方と例文

ビジネスシーンにおける「バッファー」の使い方は、大きく以下の2つにわけられます。
  • バッファーを持たせる・取る=スケジュールやリソースにゆとりや余裕を持たせること、またはサポート役の人員を配置しておくこと
  • バッファーになる=人や会社の間に立って摩擦や衝突を和らげるクッション役になること
それぞれの使い方について、例文を交えて解説します。

「バッファーを持たせる・取る」の例文

バッファーをリソースのゆとりの意味で使用する場合は、「バッファーを持たせる」や「バッファーを取る」といった使い方をします。
<例文>
・年末にかけて在庫切れになる可能性があるため、十分なバッファーを確保しておく必要があります。
・作業スケジュールにはバッファーを持たせていたつもりですが、装置トラブルが長引いて遅れ気味になっています。
・予算には10%のバッファーを含んでいたはずですが、なぜオーバーしてしまったのでしょうか。
・今年は内定辞退が多めにでる可能性があるので、バッファーであと1人内定を出しましょう。

「バッファーになる」の例文

バッファーを、緩衝役や調整役の意味で使用する場合は「バファーになる」といった使い方をします。強国の間に立って衝突を避ける役割を担う「緩衝国」と同じニュアンスだと考えてください。
<例文>
・A社とB社の交渉ではC社がバッファー役を担いました。
・営業部と技術部のミーティングでは、私たちがバッファー役として話を進める必要があります。
・あのチームは個性的なメンバーが多いので、バッファーになれる人を配置したほうが良いのではないでしょうか。
・Dさんはチームのバッファーとして、コミュニケーションの円滑化に貢献していました。

業界別!バッファーの意味

一部の業界では「バッファー」が業界特有の意味を持つ場合もあります。ここでは、以下の5つの業界におけるバッファーの使われ方を紹介します。
  • 金融業界
  • IT業界
  • 美容業界
  • 化学業界
  • ゲーム業界

金融業界

金融業界では「資本保全バッファー(資本保全バッファ)」の意味でバッファーを使うことがあります。資本保全バッファーとは、銀行などの金融機関が、融資や投資活動によって抱える潜在的な損失に対処し、金融機関としての安定性を確保するために積み上げておく資本を意味します。

資本保全バッファーを簡単に言うと、経済的なショックが発生したときに備えて用意しておく余剰資本です。資本保全バッファーが大きい金融機関ほど、緊急時に顧客や取引先に影響を及ぼすリスクが小さくなります。

IT業界

IT業界では、おもにバッファメモリや動画のバッファリングの意味で「バッファー」を使用します。

バッファメモリとは、データの転送や処理速度の違いを調整するために使用するPCや機器内のメモリ領域のことです。たとえばサイズの大きなファイルを読み込む際、一時的にデータをバッファメモリに保存しておくことで、安定してデータを処理できます。

また動画のバッファリングとは、ストリーミング再生で動画を視聴する際に、動画の一部データをダウンロードしてから再生することを指します。インターネットの再生速度が動画再生速度より遅い場合でも、データをバッファリングしてから再生すれば、動画が途切れ途切れにならずに視聴可能です。

美容業界

美容室では、髪に塗布するバッファー剤のことを略して「バッファー」と呼びます。バッファー剤は、パーマやカラーなどでアルカリ性薬剤を使用した後に、髪や頭皮に残留したアルカリ成分を取り除く目的で塗布する薬剤です。

またネイルサロンでは、爪の表面を整える際に使用する目の細かな紙ヤスリを「バッファー」、またバッファーを用いて爪を磨くことをバッファリングと呼びます。ただし、ネイルのバッファーは「研磨する」を意味する英単語「buff」から派生した言葉であり、本記事で解説している「buffer」とは由来が異なります。

生物化学業界

生物化学の世界では、実験におけるpHの変化(酸性やアルカリ性への変化)を和らげる緩衝液を「バッファー」と呼びます。

バッファーの種類は複数あり、実験の内容に応じて適したものが選定されます。

ゲーム業界

RPGなどのゲームでは、ステータス上昇効果を持つ魔法やアイテム、または仲間のサポートを役割としている職業を「バッファー」と呼びます。

ゲーム業界におけるバッファーも「研磨する」のbuffに由来する用語であり、本記事で解説している「バッファー」からは意味が離れた用語になります。

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ビジネスでバッファーを持たせる理由

考えているビジネスパーソン
ビジネスシーンでプロジェクト計画や予算計画を立てる際、バッファー(余裕、ゆとり)を持たせることが重要とされています。その理由は以下の3つです。
  • 予測不能なトラブルに備えられる
  • 従業員のストレス軽減につながる
  • 顧客満足度を向上できる

予測不能なトラブルに備えられる

バッファーを持たせる一番の理由は、万が一の事態への備えです。
  • 工程にバッファーがあれば、プロジェクト進行中に災害や従業員の病気・怪我といった予測不能なトラブルが発生した際に、その時間ロスを吸収できる
  • 在庫のバッファーがあれば、突発的な注文の集中が発生したときなどに、不足分をカバーできる
  • 人員のバッファーがあれば、突然の離職が発生しても、業務の深刻な遅延や停滞を回避できる
バッファーがなければ、小さなトラブルが納期遅れや在庫切れなどの致命的なダメージにつながってしまいます。ビジネスにおいてバッファーを考えることは、最悪の事態を避けるためのリスクマネジメント策でもあるのです。

従業員のストレス軽減につながる

スケジュールや予算のバッファーは、プロジェクトに関わる従業員の精神的な余裕にもなります。ミスやトラブルによってプロジェクトが遅延気味になったとしても、あらかじめ十分なバッファーを設けていれば、焦って無理をする必要はありません。

しかし、もし1日も休めないような厳しいスケジュールを組まれていたらどうでしょうか。わずかなミスも許容できない状態となり、業務に携わる従業員は強いプレッシャーを感じながら働かなくてはなりません。職場の雰囲気悪化や組織への不信感を醸成し、従業員エンゲージメントも低下してしまうでしょう。

バッファーを持たせることは、従業員のストレス緩和にもつながるのです。

なお従業員のエンゲージメントを調べるには、エンゲージメントサーベイがおすすめです。

【関連記事:エンゲージメントサーベイとは?効果的に行うポイントを解説

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【関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介

顧客満足度を向上できる

スケジュールにバッファーがあると、突発的なトラブルにも冷静かつ迅速に対応できる余裕が生まれます。また多少のトラブルが発生しても、あらかじめ計画にバッファーを設けていれば、プロジェクトの最終期日は破らずに済むはずです。

納期遅れや品質低下などで顧客との信頼関係を損なうリスクが小さくでき、結果的に顧客満足度の向上につながります。

プロジェクト成功はバッファー管理が重要

スケジュール表を見るビジネスパーソンたち
どれだけ完璧にプロジェクト計画を立てても、突発的なトラブルの可能性はゼロにできません。プロジェクトを考えるうえで、各タスクにかかる時間や予算にバッファーを持たせておくことは、なかば常識と言えるでしょう。

とはいえ、バッファーの適切な設定・管理は簡単ではありません。バッファーが少なすぎればトラブル発生時の影響を吸収しきれず、バッファーが多すぎればリソースの無駄使いや余計な支出の発生につながってしまいます。

つまり、プロジェクトの成功率を高めるには、適切にバッファーを設定・管理する必要があるのです。そこで生まれたのが「CCPM」というバッファーに焦点を当てたプロジェクト管理手法です。

CCPMとは

CCPM(Critical Chain Project Management)は、プロジェクトの各タスクのスケジュールをギリギリまで短縮し、プロジェクトの最後にまとめてバッファーを設定するプロジェクト管理手法です。

たとえば下図のように、タスクA、B、Cでそれぞれ10日間使うプロジェクトがあるとしましょう。通常、バッファーは各タスクに含まれています。仮に各タスクで1日ずつバッファーを取っている場合、各タスクは9日まで短縮可能です。

全タスクをギリギリまで詰めると、全体で3日間のまとまったバッファーが生まれます。
CCPMの例
CCPMにおいて上記プロジェクトがスムーズに進めば、9日✕3タスクの27日でプロジェクトは完了します。仮にトラブルが発生してタスクCが2日遅れた場合でも、バッファーの3日分のうち2日分を取り崩せば良いので、29日間でプロジェクトは完了可能です。

つまりCCPMは、各タスクに含まれるバッファーを削って1つにまとめ、プロジェクト全体に弾力を持たせてリスク回避に使用する管理手法なのです。

CCPMのメリット

CCPMのメリットは、おもに以下の3つがあげられます。
  • スケジュール管理がしやすくなる
  • リソースを割くべきタスクが把握できる
  • メンバーがプロジェクト全体を意識しやすくなる
人間はあらかじめスケジュールを決められていると、その期間をすべて使って作業する傾向があります。「スケジュールを前倒しでタスクを進めよう」とは、なかなかなりません。

一方、ギリギリの日数でタスクを与えれば、メンバーは集中して目の前のタスクに取り組んでくれます。1日で進められる作業量が明確になるほか、遅延原因になりやすいタスクが把握でき、リソースの配分見直しに役立つでしょう。

また全体の進捗や状況が見えやすくなるため、メンバーそれぞれがプロジェクト全体を俯瞰して作業に取り組めます。

CCPMのデメリット

CCPMには以下のデメリットもあります。
  • もとからバッファーのないプロジェクトには適用できない
  • メンバーに協力する意思がないとうまく機能しない
緊急プロジェクトのように各タスクにもとからバッファーが含まれていない場合、CCPMの前提が成立しないため使用できません。

またCCPMでは、プロジェクト全体のバッファーが可視化されます。よってメンバー内に「バッファーが◯日分あるなら、うちのタスクはゆっくり作業しても構わないだろう」と考える人がいると、逆にプロジェクトが破綻する恐れがあります。

バッファー管理で働きやすい職場環境を構築しよう

笑顔で打ち合わせする2人
バッファーの意味や使い方について解説しました。普段からバッファーという言葉を使用していなくても、「余裕」を意識して作業日数や人員配置を考えた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

仕事においてバッファーを持たせることは、従業員のストレス軽減や職場環境の改善にもつながります。バッファーを適切に管理し、従業員のエンゲージメント向上につなげましょう。

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