人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
育成

アファーマティブアクションを解説。注目される背景や事例、取り組み方も

「アファーマティブアクションとは何のこと?」
「アファーマティブアクションを企業内で進めるにあたって、取り組み方や注意点を知りたい」

と思うことはありませんか。

アファーマティブアクションは、特定の集団に対する不平等や差別を改め、正すための取り組みです。約60年前のアメリカで始まり、現在の日本においてもアファーマティブアクションの取り組みがおこなわれています。

本記事では、アファーマティブアクションの概要や海外・日本における事例などを解説します。これからアファーマティブアクションを企業へ導入する際の取り組み方や注意点も紹介するので、ぜひご一読ください。

なお、適切な人材配置に課題のある方に向けた、お役立ち資料もご用意しています。人材配置のステップごとにポイントを掲載しているので、あわせてお役立てください。

【無料ダウンロード】適切な人事異動・配置をするための方法とは

アファーマティブアクションとは?

地球のまわりに集まる人々
アファーマティブアクション(affirmative action)とは、特定の社会的集団に対する不平等や差別を積極的に是正し、公平な機会均等を実現するための措置や政策のことです。

特定の社会的集団には、差別によって不利益を被っている有色人種・女性・障害者・少数民族などのマイノリティー(少数派)が挙げられます。世界中で、これらの人々が「マイノリティーだから」という理由で差別的な扱いを受け、雇用や昇進、教育、政治などにおいて不利な状況に立たされている現状があります。

マイノリティーの人々に対する社会的差別を改め、積極的に登用・選抜することがアファーマティブアクションです。公平に活躍できる機会を提供するために、特定の集団に対する一定の特別枠や優遇措置を設けるなどの取り組みをおこないます。

日本語訳は「積極的差別是正措置」

アファーマティブアクション(affirmative action)は、直訳すれば「積極的な措置」となります。日本のメディアでは言葉を補って「積極的差別是正措置」や「積極的格差是正措置」と訳され、そこに簡単な説明が添えられるケースが一般的です。

その説明には多少の幅があり、例として以下のように説明されています。
・教育や雇用の機会の不平等を是正するために、就職や大学入学の際に黒人やヒスパニックといった人種的少数派や女性を優遇する措置
・少数派の人々に教育や雇用などの機会を積極的に与える取り組み
つまり、アファーマティブアクションとは、歴史的に不利な立場に置かれてきた集団に対して、教育や雇用の機会を提供し、社会的不平等を是正する取り組みなのです。

類義語「ポジティブ・アクション」との違い

ポジティブ・アクションとアファーマティブアクションは、ほぼ同義の言葉として使われています。どちらも、差別によって不利益を被っているマイノリティーに対して、公平な機会を提供し、優遇措置を取る点で同様です。

ポジティブ・アクションは、日本では主に女性の社会参画を進める文脈で用いられます。女性活躍推進協議会では以下のように定義されています。
「ポジティブ・アクション」とは、固定的な性別による役割分担意識や過去の経緯から、男女労働者の間に事実上生じている差があるとき、それを解消しようと、企業が行う自主的かつ積極的な取組のことです。

参考:ポジティブ・アクションのための提言~意欲と能力のある女性が活躍できる職場づくり~|厚生労働省
ポジティブ・アクションの目的は、単に女性を優遇するのではなく、これまでの不平等な状況を改善し、女性がその能力を十分に発揮できる環境を整えることにあるのです。

アファーマティブアクションが生まれた背景

多様な人々のイメージ
アファーマティブアクションの起源は、1961年のアメリカにあります。当時の大統領、ジョン・F・ケネディが大統領令で「アファーマティブアクション」という言葉を使ったのが始まりです。この大統領令では人種差別の撤廃を目指し、公共の雇用における「肯定的行動」を命じました。

その後、1964年の公民権法で人種・肌の色・宗教・性別・国籍などに基づく差別が禁止になりました。差別が認められた場合、裁判所は是正するためのアファーマティブアクションを命じることができるようになったのです。

これを機に、アファーマティブアクションが差別を是正する措置として法的に認められ、大学入試の際に人種を考慮した選考がおこなわれたり、女性を優先的に採用・昇進させたりする取り組みが導入されました。

しかし、法の整備が進む一方、白人や男性などの多数派に対する逆差別にあたるという批判があるのも事実です。アファーマティブアクションの優遇措置について、アメリカでは幾度となく裁判が起こっており、違憲判決が出るたびに内容の見直しを迫られています。

2023年6月には、アファーマティブアクションの是非が争われた訴訟で、合衆国憲法修正14条に違反していると判断が下されました。これは、入試選考で黒人や中南米系などの志願者を優遇し、アジア系や白人が差別されているとして起こした訴訟です。1978年の判決で米国最高裁が容認してから、45年ぶりに判断が覆されたことになります。

差別や不平等を是正するためのアファーマティブアクションですが、すべての人に公平な機会を与えるには課題も多く残されているのです。

海外でのアファーマティブアクションの実施例

広げたノートとボールペン
アファーマティブアクションの事例を確認しましょう。ここでは、アメリカ、韓国、フランスの3国の取り組みを紹介します。

アメリカの大学入試や採用試験におけるクオータ制(割り当て制)

アメリカでは、公立大学の入試選考や採用試験などでアファーマティブアクションが実施されています。代表的な措置として挙げられるのが「クオータ制(割り当て制)」です。

クオータ制は、性別や人種など特定の集団に対して活躍の機会を与える制度です。たとえば、入試試験で定員300名のところ、マイノリティーの方のために一定の割合を割り当てるという取り組みが挙げられます。

社会的に不利な状況に置かれている人々が優先的に入学できるようにすることで、大学への進学率向上や社会的地位の向上につながっています。しかし、前述のとおり逆差別が起こる懸念があるほか、自分の実力で入学したのに「アファーマティブアクションで優遇されたから入れた」などの偏見を受けるケースも出ているようです。

韓国の公務員採用における採用目標制

韓国では、1995年に制定された基本法により、国や地方自治体の公務員採用試験で女性の割合を引き上げる政策が採択されました。当時、女性公務員が極めて少なかったために、女性公務員の採用状況を改善する目的で採択されたのです。

1996年から2000年にかけて、女性の採用目標を段階的に拡大。目標に達しない場合は合格ラインを引き下げて女性を追加合格させました。

しかし、女性への優遇措置は逆差別だと批判されたため、2003年からは性別に中立な制度内容に変更。男女両性を対象とし、どちらかの性の合格者が30%未満の場合に、一定の成績の範囲内でその性別の受験者を追加合格させることになりました。

この制度変更は、性別に関係なく公平な機会を提供するという点では評価できます。一方で、長年の男女不平等の構造的問題を解決するには不十分であるという指摘もあるようです。

真の意味での男女平等を実現するためには、単に数値上の均衡を図るだけでなく、根本的な社会構造の変革が必要不可欠です。韓国の公務員採用における一連の取り組みは、そのための第一歩として位置づけられるでしょう。

参考:韓国とクオータ制|88ページ

フランスの「男女同数制(パリテ法)」

フランスでは、政治分野におけるアファーマティブアクションとして、「男女同数制(パリテ法)」が導入されています。この法律は、選挙候補者名簿における男女の割合を同数にすることを義務付けるものです。

具体的には、選挙の際に「比例候補者名簿の記載順を男女交互にする」「政党からの候補者を男女同数にする」などが定められています。違反した名簿は不受理となり、候補者の男女差が2%を超えた場合などは、国から政党への助成金が減額される罰則も規定されているのが特徴です。

パリテ法の制定以降、国民議会の女性議員の割合は、1997年の10.9%から2017年には38.8%へと大幅に増加。県議会の女性議員の割合は、1998年のわずか4.1%から2015年には50.1%へと急増しました。

法律の力で男女平等を推し進めることにより、20年足らずの間に女性の政治参画は飛躍的に拡大しています。

参考:2.フランスの事例|内閣府男女共同参画局

日本でのアファーマティブアクションの実施例

2人の女性ビジネスパーソン
日本でのアファーマティブアクションは、女性労働者の活躍に焦点を当てたものが多くあります。雇用における男女間の格差改善(男女比・待遇・職務内容)や、女性リーダーの登用などが、その一例です。また昨今では教育格差を是正する取り組みも注目されています。

男女間格差改善の取り組み

日本のアファーマティブアクションは、主に「男女共同参画」の観点から進展しました。2003年に「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるよう期待する」と目標設定されましたが、20年以上経った現在でも達成に至っていない点が多く見られます。

諸外国と比べても、日本の女性議員比率や女性管理職の割合は低い水準にとどまっているのが現状です。

参考:第5次男女共同参画基本計画|内閣府男女共同参画局

女性が活躍しやすい場を提供するには、以下のような取り組みがあります。
  • 女性リーダー向けの研修や育成プログラムを実施する
  • 家庭や育児と両立しやすいフレックスタイム制度やテレワークを推進する
  • 家事代行などの補助を提供する
  • メンタルヘルスケアやワークライフバランスを推進する
  • 採用選考や人事考課の基準を男女平等にする
「女性だから」「子どもを出産したから」という理由で、採用や昇進などで不当な扱いをしてはなりません。これは、男女雇用機会均等法でも定められています。

学生構成の均質化を是正する取り組み

国内の大学では、多様な学生が入学できるように、特別な取り組みがおこなわれています。大都市圏出身者や裕福な家庭の生徒ばかりでは、視野が広がらない懸念があるためです。

たとえば、早稲田大学や慶應義塾大学では、地方出身者のための特別入学枠や奨学金制度を用意しています。また、女子学生のための入学枠を設けたり、東京工業大学では非大卒者の学生向けに奨学金を支給したりと、性別や家庭環境に配慮した取り組みも。

さらに、低所得世帯向けの特別入試を実施したり、留学生枠を増やしたりすることで、経済的・文化的な多様性の確保にも力を注いでいます。

これらの施策も、学生の均質化を防ぐアファーマティブアクションの一つと見なせるでしょう。

企業がアファーマティブアクションに取り組むメリット

手のひらの上に人型のピクトグラム
アファーマティブアクションの実施によって、企業や組織が得られるメリットは以下のとおりです。
  • 多様性の促進
  • 企業イメージの向上
  • 組織の活性化
それぞれ見ていきましょう。

多様性の促進

アファーマティブアクションに取り組むことで、企業や組織の多様性が促進されます。性別、人種、民族、障害の有無などに関わらず、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境が整うため、多様な視点や価値観を取り入れられるのです。

その結果、新たなアイデアやイノベーションが生まれる効果を期待できます。また、多様性のある組織は、社会の変化や顧客のニーズに柔軟に対応できる適応力を備えられるでしょう。

競争が激しい昨今に、企業戦略の一つとして多様性を促進する施策は不可欠と言えます。

企業イメージの向上

アファーマティブアクションに積極的に取り組む企業は、社会的責任を果たす組織として認識されます。顧客や投資家、そして従業員からの好意的な評価につながるでしょう。

特に若い世代の消費者や求職者は、企業の社会的価値観を重視する傾向があります。結果として、企業イメージの向上、優秀な人材の獲得、さらには投資家からの支持獲得などのメリットにつながるでしょう。

組織の活性化

アファーマティブアクションによって多様な人材を雇用することで、組織の活性化が期待できます。単なる数合わせではなく、組織全体の思考や行動様式を変革する力を引き出せるのです。

たとえば、女性の積極的な雇用や昇進は、男女の公平性改善だけでなく、新しい視点を取り入れるきっかけとなります。女性特有の経験や洞察が、製品開発やサービス設計に反映され、より広範な顧客ニーズに応えられるでしょう。また、ワークライフバランスへの関心が高まり、柔軟な働き方の導入など、全従業員にとって有益な変化につながることもあります。

外国人を雇用する場合には、組織に新たな価値観がもたらされ、イノベーション創出やメンバーのモチベーション向上にも有効です。国際市場での競争力が向上するとともに、変化の激しいビジネス環境において、適応力強化へとつながるでしょう。

アファーマティブアクションへの取り組み方

手順を解説するイメージ
企業でアファーマティブアクションに取り組む手順を解説します。手順は以下の4ステップです。
1. 取り組む目的を明確にする
2. 社内へ理解浸透させる
3. 施策を検討する
4. 進捗を確認する
一つずつ解説します。

1. 取り組む目的を明確にする

何のためにアファーマティブアクションに取り組むのかを明確にします。たとえば、社内の多様性促進や女性社員比率の改善などが挙げられます。

目的が定まっていないと社内への理解浸透が進めにくくなったり、施策の内容がブレてしまったりするため、自社が解決したい課題に沿って具体的に決めるようにしましょう。

2. 社内へ理解浸透させる

日本では「アファーマティブアクション」の言葉そのものの認知度が低い状態です。そのため、社内で取り組みをおこなう際には丁寧に説明し、社員から理解を得ることが大切です。
  • アファーマティブアクションとは何なのか
  • なぜ自社が取り組む必要があるのか
  • 具体的な目的や目標
これらの情報を社内で共有し、理解を促しましょう。理解が進まないまま具体的な施策を始めると、途中で頓挫したり、ないがしろになったりするため注意が必要です。

特に経営層や管理職に古い価値観が定着している場合は、格差改善や多様性に関する意識改革から始めるとよいでしょう。

3. 施策を検討する

具体的にどのような施策でアファーマティブアクションをおこなうのかを検討し、決定します。施策の一例は以下のとおりです。
  • 女性の管理職比率を増やす
  • 男女共通の人事評価基準を策定する
  • 育児中の女性や障害者などマイノリティーの方を雇用する
  • 性別にとらわれない採用選考をする など
アファーマティブアクションを実施する代表的な手法には、以下の3つがあります。
クオータ制定員のうち、一定数をマイノリティーに割り当てる手法。
ゴール・アンド・タイムテーブル方式具体的な目標(ゴール)と、その目標を達成する期限(タイムテーブル)を設定する手法。数値目標とスケジュールを明確に定めるため、計画的に進められる。
基盤整備を推進する方式マイノリティーが能力を発揮し、活躍できるように基盤を整備する手法。教育や研修プログラムの実施、働きやすい環境の整備、キャリア支援などがある。
アファーマティブアクションを実施する目的に応じて、複数の手法を組み合わせた施策を講じるのも有効です。

4. 進捗を確認する

施策の開始後は、定期的に進捗を確認します。目標に対する進み具合や成果、達成できていない部分を確認することで、現状の課題点や改善点が見えてきます。

明らかになった点を精査し、改善が必要な箇所は修正しましょう。場合によっては、現行の施策や制度の改定が必要になることもあります。

アファーマティブアクションの課題と注意点

男女のビジネスパーソン5人
アファーマティブアクションに取り組む際、注意しておきたいポイントがあります。施策の内容や程度によっては批判が集まったり、別の差別や格差を招いたりする可能性があるため、以下について留意して取り組むことが大切です。
  • 過度な優遇をしない
  • 多様性を押し付けない
  • 逆差別をしない
  • 個人の能力や適性で評価する

過度な優遇をしない

多様性の推進や格差の改善が求められているからといって、過度に優遇しすぎるのは禁物です。たとえば、女性が有利になるような取り組みばかり推進するのは望ましくありません。特定の集団が優遇されすぎると、別のグループから不公平だと不満が出る可能性があります。

すべての個人が平等な機会を得られるように、公平な基準を設けて取り組むことが大切です。

多様性を押し付けない

「アファーマティブアクションは多様性の押し付けだ」という意見もあります。多様性の受け入れを強制するようなことがあると、組織内で反発する人も出てくるかもしれません。

反発する人がいる場合は、多様性がもたらす利点や意義などを伝え、理解を促す取り組みも求められます。無理に押し付けるのではなく、自然な形で組織に多様性が定着するような働きかけが必要です。

逆差別をしない

アメリカなどで問題になっているように、アファーマティブアクションが逆差別を助長する可能性があります。マイノリティーに対する救済や措置が、多数派への差別につながりかねないのです。

すべての人が公正な視点で評価され、不利益を被ることのないよう、全体のバランスを見ながら施策の計画・実行をしなければなりません。

個人の能力や適性で評価する

アファーマティブアクションで設けた優遇枠の人数を埋めるために、個人の能力や適性を無視して評価されることがあります。それぞれの人材が持つ能力や適性、実力ではなく、マイノリティーであるかどうかが合否の基準になってしまうのは避けなければなりません。

個人の能力や適性を考慮しないと、入学や採用後の環境が合わず、活躍できないといったことも起こり得ます。

「特定の集団に属しているから」という理由だけではなく、個人の能力や適性に着目し、十分に評価することが重要です。公平な視点での評価基準を設定し、それぞれの人が能力を発揮し、活躍できるように環境を整えることが格差の改善につながります。

採用時に求職者の適性を見極めるには、自社で活躍する人材の特徴を分析し、採用基準に反映させるのが重要です。ミイダスのミイダス人材・カルチャー分析を活用すれば、活躍する社員の特徴や組織の特徴を数値化して分析できます。

「入社後のミスマッチを防ぎたい」
「自社で活躍・定着する人材を見極めたい」

このようにお悩みの方はぜひご活用ください。

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録してミイダス人材・カルチャー分析機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後のご利用は無料です。

アファーマティブアクション・日本企業の取り組み事例

最後に企業各社の取り組みを見ていきましょう。取り上げるのは以下の2社です。
  • 日本アイ・ビー・エム株式会社
  • 東京海上日動システムズ株式会社

日本アイ・ビー・エム株式会社の取り組み

日本IBMは1998年、社長直属の「ジャパン・ウィメンズ・カウンシル」を設置し、女性の活躍推進に本格的に取り組み始めました。まず、女性が活躍しにくい原因を明確化。その結果、以下の問題点が明らかになったと言います。
  • ロールモデルの不在
  • 仕事と家庭の両立の難しさ
  • 男性中心の組織文化 など
そこで、女性社員のネットワーク作り、在宅勤務の拡大、メンター制度の導入など、さまざまな施策を次々に実行。

加えて、女性管理職を増やすため、2020年までに部下を持つ管理職の30%を女性にするという高い目標を設定しました。新卒採用でも女性比率30%以上を目指したのです。

社長自身も管理職の人事で「女性の候補者はいないのか」と毎回確認するなど、トップのリーダーシップで女性の登用を後押ししたそう。

その結果、女性管理職比率は1998年の1.8%から2017年には15%に上昇。また職域の拡大につながり、同社の主要事業であるITエンジニア、営業、研究開発分野での女性比率が増大しました。

参考:ポジティブ・アクションの成功の鍵を考えるシンポジウム|厚生労働省
参考:各企業人事担当者等インタビュー調査結果|独立行政法人 労働政策研究・研修機構
参考:日本アイ・ビー・エム株式会社|充実した両立支援制度と多様な働き方の導入により、育児・介護 とキャリアの両立を実現|厚生労働省

東京海上日動システムズ株式会社の取り組み

東京海上日動システムズ株式会社は、2007年に「Happy Work & Life Style Project(通称:ハピプロ)」という女性活躍推進プロジェクトを立ち上げました。

このプロジェクトは、社長直轄のチームとして発足。人事部と連携しながら、女性社員の育成と女性が活躍できる職場風土づくりを目指して活動しています。メンバーは手上げ制で、自主的にテーマや取り組み内容を話し合って決めるそうです。

具体的な取り組み例としては、以下のとおりです。
  • ダイバーシティの重要性を伝えるセミナーの開催
  • 仕事と家庭の両立支援策の提言
  • 女性リーダーの魅力を伝える対談会
  • ワークショップの実施 など
取り組みの結果、女性の退職率は減少し、女性管理職の比率も大きく上昇するなど、着実に成果を上げています。社員一人ひとりが自律的に行動する風土も醸成されてきたそうです。

今後は女性だけでなく、年代などさまざまな多様性に着目して、全社員が生き生きと活躍できる職場づくりを目指していくとのことです。

参考:Ⅶ.ポジティブ・アクションの 取組事例|厚生労働省

アファーマティブアクションで不平等を取り除いた組織づくりを

平等な社会のイメージ
本記事では、アファーマティブアクションの概要や事例、取り組み方などを解説しました。社会全体で特定の集団に対する不平等や差別を改め、公平な機会均等を実現できるよう取り組む必要があります。

積極的にマイノリティーへの措置を実施することで、多様性を促進し、公平な活躍の機会を提供できますが、一方の多数派が不利にならないように配慮しなくてはなりません。公平な視点での基準設定や評価が求められます。

また、アファーマティブアクションを実施する際、個人が持つ能力や適性を十分考慮することも忘れてはなりません。マイノリティーだからという基準ではなく、個人の内面まで見て評価することが重要になります。

個人の適性や能力を可視化するには、中途採用サービス「ミイダス」が提供する「コンピテンシー診断(特性診断)」がおすすめです。個人のパーソナリティの傾向やストレス要因などを明らかにできるため、入社後・配属後の活躍を予測したり客観的な評価をしたりする際に役立ちます。

例えば、コンピテンシー診断(特性診断)で分析できる項目例は、以下のとおりです。
パーソナリティ項目評価指標のスコア解釈(高)評価指標のスコア解釈(低)
活力周囲と競いながらエネルギッシュに業務に取り組むほうが得意である競争は好まず、自分のペースと効率を重視して業務に取り組むほうが得意である
人あたり相手の意見を尊重し、好印象を与えるほうが得意である相手が受ける印象を気にせず自己主張するほうが得意である
チームワークチームに溶け込んで、メンバーと一緒に取り組む方が得意であるチームの一員として働くよりも、単独で取り組む方が得意である
創造性これまでの発想や方法にとらわれず考え、行動するほうが得意であるこれまで通りの発想や方法にならって行動するほうが得意である
問題解決力自ら問題を見つけ、その解決に向けて取り組むほうが得意である問題意識をあまり持たず、目の前の業務に取り組むほうが得意である
対応力臨機応変な対応が必要となる業務のほうが得意である一貫性のある考えや行動を求められる業務のほうが得意である
プレッシャーへの耐性プレッシャーやストレスが多い業務のほうが得意であるプレッシャーやストレスが少ない業務のほうが得意である
調整力周囲との調整が必要となる業務のほうが得意である周囲との調整が少ない業務のほうが得意である
リーダーシップ自分が先頭に立ってメンバーを牽引するほうが得意である自分は先頭に立たず、誰かをフォローするほうが得意である
コンピテンシー診断(特性診断)は、ミイダスの無料アカウント登録後にお試しいただけます。多種多様な人材の採用や配置の際に、ぜひお役立てください。

簡単1分!ミイダスの無料アカウント登録をする

ミイダスは自社にフィットする人材を
特定して
アプローチ
できる
「アセスメントリクルーティング」
採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後の「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料