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育成

コーチングとは?意味やメリット・デメリット、導入方法を簡単に解説

近年、ビジネスの世界でも「コーチング」という言葉が使われるようになりました。コーチングとは、相手に気づきを与えて自分で問題を解決するよう促す人材育成方法の1つです。

本記事ではコーチングの概要やビジネスで注目されている理由、メリット・デメリット、コーチングの導入から運用までの流れについてご紹介します。コーチングについて理解を深めたい方はぜひご一読ください。

なお「コーチングを通じて新人をうまく育成したい」とお考えの方には、ミイダスの「活躍ラーニング」の併用もおすすめです。社員一人ひとりのスキルや特性に合った講座を選択できるため、コストや手間を掛けず人材を育成できます。

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コーチングとは?なぜビジネスで使われているのか解説

新人に仕事を教える風景
コーチングとは、目的を達成するために何をすれば良いのか考えて主体的に行動するよう促す人材育成方法です。

たとえば従来型の指導では「このように作業を進めなさい」といったように、答えを教えるやり方が一般的です。一方コーチングでは、ただ答えを教えるのではなく「この仕事を進めるためには何から着手しなければならないのか」といった問いかけを通じて、相手に自発的な行動を促します。

従来型の指導と比較してコーチングを通じたコミュニケーションであれば、相手に自発的な行動を習慣づけるキッカケになるため、いわゆる「指示待ち人間」になってしまうのを防ぐ効果があると言われています。そのためコーチングは「従業員の能力を引き出して仕事のパフォーマンスを高めるための方法」としても近年注目されているのです。

なぜ近年コーチングが注目されはじめたのか?

ビジネスにおいてもコーチングが注目されはじめた背景として、下記の要因が考えられます。
  • 市場での競争が激化し、個人の能力を上げることが必要不可欠になったから
  • ハラスメントが問題になり、一方的に指導をする形でのマネジメントのリスクが顕在化したから
  • 「上層部が決めたことに従って黙々と作業する」といったことが是とされた旧来型のマネジメントより、自律的に動いて個々がより活躍できるよう能力を引き出すマネジメントが求められるようになったから
市場が成熟するにつれて、消費者が求めるサービスのクオリティも高くなっています。またハラスメントに対する意識が向上し、過去にあったような行き過ぎた指導は問題になる可能性が高まっているのです。

たとえば価格の安さを重視した製品を開発しようとすると、販売価格をほぼ市場の最低価格に合わせる必要があり、ほとんど利益がなくなってしまいます。それでも利益を出そうとすると、従業員の給料を抑えつつ長時間働いてもらわざるを得なくなり、組織が疲弊してしまいかねません。
このような状況から脱却する方法のひとつに、製品やサービスの付加価値を高めて利幅を増やすことが挙げられます。しかし付加価値を付けるには、新しいアイデアを出して既存製品やサービスを改良する必要があります。

よって「言われたことを忠実にこなす」だけでなく「自分で考えて行動を起こす」といった能力が従業員に求められるようになりました。そのため自発的な行動を促す「コーチング」というコミュニケーション手法に注目が集まっているのです。

コーチングの三原則とは?

コーチングには三原則と呼ばれる、3つのルールがあります。
【コーチングの三原則】
1. 双方向性(インタラクティブ):指示ではなく対話を通じて相手に気づきを与え、行動を促すこと
2. 継続性(オンゴーイング):数回の関わりで終わらせず、継続的に相手と関わりをもって徐々にパフォーマンスを上げていくこと
3. 個別対応(テーラーメイド):相手の性格や考え方に合わせて関わり方を変えていくこと
コーチングを導入しても、つい対話ではなく指導になってしまったり、効果が分からないからと数回で辞めてしまったりしては意味がありません。また従業員には一人ひとり特徴があるため、相手に合わせた対応が必要になります。

コーチングを導入する際は、上記の三原則を守るよう意識して取り組みましょう。

コーチングの三大スキルとは?

コーチングを実践する際に、対話する側として忘れてはいけないことがあります。これがコーチングの三大スキルと言われるものです。
【コーチングの三大スキル】
1. 相手の話に耳を傾けるスキル
2. 相手のことを認めるスキル
3. 適切に質問するスキル
まずは相手の話をじっくりと聞くことが重要です。相手の意見を受け入れ、共感し、相手の考えを認めて信頼関係を築きます。その後に質問を通じて相手の意見をさらに引き出し、考えを深めるキッカケを与えましょう。

重要なのは、相手のどこが良かったのか具体的な言葉にして伝えることです。また質問する際は「相手に気づきを与えるにはどうしたらよいか」を考え、そこから逆算して質問することが大切です。

従来の「上司からの指導」と何が違う?

従来型の「上司からの指導」と今回ご紹介した「コーチング」には、以下のような違いがあります。
  • 基本的に命令である「上司からの指導」と、問いかけベースで自分の課題に気づくよう働きかける「コーチング」
  • 部下を管理するのが目的の「上司からの指導」と、部下のパフォーマンスを最大化させるのが目的の「コーチング」
  • 短期的な成果を求める「上司からの指導」と、中長期的なパフォーマンス向上を求める「コーチング」
重要なのは、コーチングだけでなく従来型の指導も依然として必要である、という点です。スピード感をもってビジネスを進めていくためには、上司から部下に指示を出して仕事を終わらせる必要があるからです。

しかし一方的な指導だけでは、部下が指示待ち人間になってしまいかねません。指導と並行してコーチングを実施し、社員の成長を促しましょう。

コーチングが「意味ない」と言われる理由は?

たまに「コーチングは実践しても意味がない」といった意見を見聞きします。なぜ「意味がない」といった意見がでてくるのか、主な理由を3つご紹介します。
  • すぐに結果が出てこないため
  • 適切にコーチングが実施されていないため
  • そもそも会社の文化とコーチングがなじまないため
コーチングは数回実践すればすぐに効果が実感できる、というものではありません。継続的な働きかけを通じて、徐々に部下のパフォーマンスを向上させるものです。また、ご紹介した「三原則」「三大スキル」から外れた方法でコーチングを実践していると、効果は出にくくなります。

コーチングを導入する際は「正しい方法で」「無理なく継続させる」仕組みを考えることが大切です。たとえば業務時間内での面談時間の設定や、コーチングに関する講座の受講促進などが挙げられます。
それでもうまくいかない場合は、会社の文化や仕事内容とコーチングの相性が良くない可能性が考えられます。たとえば個人の営業成績を重視するような、個人プレーを重んじる社風の会社でコーチングを実践しても、コーチングを実践する側・される側ともに馴染めず、導入が失敗に終わってしまいかねません。

コーチングと会社の社風がマッチするかについては、導入前に検討しておきましょう。

コーチングを実施するメリット

Win-Win
コーチングを実施するメリットについてご紹介します。
  • 社員のパフォーマンス向上
  • 社内交流の活発化
  • 問題解決能力の向上
1つずつ詳しく見てみましょう。

社員のパフォーマンス向上

コーチングを実施するメリットとして、社員のパフォーマンス向上が挙げられます。

指導を受ける側は、今の自分に何が足りないのか、解決するにはどうすれば良いのか気づくキッカケを得られるため、将来的に成長するチャンスを得られます。指導する側も、教える内容を整理して言葉にする必要があるため、結果として仕事のパフォーマンス向上が期待できるのです。

社内交流の活発化

コーチングを通じて社内交流の活発化も期待できます。

「相手の話を聞く」ことがコーチングのベースとなるため、コーチングを受ける側は社内で悩みを相談しやすくなります。結果として社内でコミュニケーションしやすい雰囲気が生まれ、社内交流が活発化するのです。

また、このように「安心して相談できる環境」のことを心理的安全性が高い、とも表現します。心理的安全性については下記記事で解説しております。心理的安全性が高ければコーチングでも濃い対話も実施しやすくなるため、意識してみましょう。

【関連記事:心理的安全性とは?意味や組織へのメリット・高め方を解説【人事必見】

問題解決能力の向上

社員の問題解決能力の向上にもコーチングは有用です。

一方的に命令する旧来のマネジメントとは異なり、コーチングは「相手に気づきを与えて問題の解決を促す」ことがベースとなります。よってコーチングを受けて育った社員は、コーチングを受ける以前と比較して問題解決能力の向上が期待できるのです。

コーチングのデメリット

悩んでいるマネージャーのイメージ
コーチングにはメリットもある一方で下記のようなデメリットも存在します。
  • 効果測定が難しい
  • 手間と時間がかかる
  • 適切なコーチを選ぶのが難しい
デメリットについて詳しく見てみましょう。

効果測定が難しい

コーチングは「導入したからすぐに会社の業績へ成果が出る」というものではありません。「何をもって効果がでた」とするか、導入前に考える必要があります。

たとえば、社員から活発に意見が出るようになった、業務の改善案がでるようになった、といった指標を設けておくと良いでしょう。

手間と時間がかかる

コーチングの実践には手間と時間がかかります。

通常業務の時間を割いて社員と対話する必要があるため、業務時間が削られてしまいます。コーチを務める社員も、三大原則や三大スキルといったコーチング方法を習得する手間が必要です。

適切なコーチを選ぶのが難しい

不適切なコーチが選ばれると、コーチングによる成果が得にくくなります。

最低限、コーチングの3大スキルや3大原則を実践できる人を選出する必要があります。特に人材が限られている中小企業の場合、コーチ選びに苦戦が予想されます。場合によっては、社長をはじめとするトップがコーチに回る必要もあるでしょう。

コーチングのやり方は?導入から運用の流れを解説

笑顔でノートパソコンを持つビジネスパーソン
コーチングをどう社内で実践するのか、導入から運用までの流れを確認してみましょう。

1. コーチングを導入する目的を明確にする
2. 予算を確保する
3. 関係部署から合意を得る
4. コーチを選出する
5. コーチングのプログラムを作成する
6. コーチングを実施する
7. 改善点を洗い出し次回のコーチングに活かす

各工程の詳細を解説します。

1. コーチングを導入する目的を明確にする

なぜコーチングを導入するのか、事前に目的を明確化することが大切です。

コーチングは成果を測定しにくいものです。なぜ導入するのか、どのような課題を解消したいのか明確にしないと「なんとなく」で終わってしまう恐れがあります。

2. 予算を確保する

コーチングを導入する際には、初期費用や月々の予算をあらかじめ確保しておきましょう。

コーチング導入時にはコーチを選定したり仕組みを整えたりするのに手間と時間がかかります。導入後もコーチングの質を高めるため、書籍購入やセミナー受講、資格取得が必要になる場合もあります。

コーチングをより良いものにするため、導入前にある程度は予算が必要になることを覚えておきましょう。

3. 関係部署から合意を得る

人事をはじめ、コーチングを行う部署に対して実施する意義を説明することが大切です。

「人事から言われたから」という理由で各部署が渋々対応しているだけだと、形だけのコーチングで終わるリスクがあります。コーチングを実施する狙いや目指すべき将来の姿などを、社内で共有しましょう。

4. コーチを選出する

コーチングを導入する際は、各部署でコーチを事前に選出しておきましょう。

三大原則や三大スキルを理解している人をコーチに選出することが大切です。コーチの選出を誤るとコーチングの成果が出にくくなるため、慎重に行いたいところです。

必要に応じてコーチングに関する講習を受けてもらうのも良いでしょう。

5. コーチングのプログラムを作成する

コーチングの運用プログラムを作成することで、円滑に導入がすすみます。

いつ、どこで、だれが、何を、どうやってコーチングを行うのか、導入前にプログラムを考えておきたいところです。運用していく中で、必要に応じてうまくいかない項目は順次修正しても問題ありません。

6. コーチングを実施する

作成したプログラムの内容をもとに、コーチングを実施しましょう。

コーチング中に気になった点や改善点があればメモを残しておくのがおすすめです。PDCAを回し、より良いコーチングを実施できるよう改善を積み重ねていくことが大切です。

7. 改善点を洗い出し次回のコーチングに活かす

コーチングを通じて見えてきた改善点をリストアップして、次回のコーチングにどう活かしていくか考えましょう。

たとえば半年に一回、コーチングのプログラムを見直す場を設けるのも有用です。改善点は何か、次回のコーチングにどう落とし込むべきか討論し、プログラムを修正して次回のコーチングに活かしましょう。

ここまで、コーチングのやり方についてご紹介しました。多くの企業で実践しやすい内容になっているかと思われますので、ぜひ試してみてください。

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コーチングに関するよくある疑問

悩んでいるビジネスパーソン
最後に、コーチングに関する3つの「よくある疑問」についてご紹介します。
  • コーチングとティーチングの違いは?
  • コーチングにはどのような種類がある?
  • コーチングへの理解を深めるのに適した書籍はある?

コーチングとティーチングの違いは?

ティーチングは正解を教えること、コーチングは問いかけを通じて本人に答えを気づいてもらうことです。

どちらも「相手に行動を促す」という部分は共通しています。ただし「自分で考える必要があるか」という点で異なるコミュニケーションの方法です。

コーチングにはどのような種類がある?

コーチングには「〇〇コーチング」など様々な種類があります。ここではビジネス関連のコーチングの種類に絞って紹介します。

【コーチングの主な種類】
  • ビジネスコーチング:従業員の能力開発を目的としたもの
  • エグゼクティブコーチング:経営者や幹部に対して、事業の成長を加速させることを目的としたもの
  • ヘルスコーチング:精神・身体ともに健全な状態を実現することを目的としたもの
本記事で紹介している内容は「ビジネスコーチング」に当てはまります。他にも生き方に重点を置いた「ライフコーチング」やスポーツ選手のパフォーマンスを高める「スポーツコーチング」というものもあります。

コーチングへの理解を深めるのに適した書籍はある?

コーチングに関する書籍を2つご紹介します。

コーチング入門者におすすめなのが「マンガでやさしくわかるコーチング」です。マンガ形式でコーチングについての考え方が描かれているので、コーチングについてあまり理解していない人でも読みやすい内容となっています。

CTIジャパン『マンガでやさしくわかるコーチング

コーチングについて基礎的な内容を理解した方であれば「この1冊ですべてわかる 新版 コーチングの基本」という書籍がおすすめです。数々の事例に基づいて「組織開発の手段としてのコーチング」について重点を置いて解説されています。

コーチ・エィ『この1冊ですべてわかる 新版 コーチングの基本

コーチングをうまく実施して新人を育てよう

本記事ではビジネスにおけるコーチングについて解説しました。コーチングを導入することで問題解決能力の向上や社内交流の活発化といったメリットが期待できます。従来型の指導と併用して、うまく人材を育てていきましょう。

なお新人を育成するのであれば、ミイダスが提供する「活躍ラーニング」の併用もおすすめです。活躍ラーニングは、新人一人ひとりの特徴に合った講座を選択できる、無料のオンライン講座サービスです。

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