人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
育成

バーターとは?ビジネスシーンでの意味や取引を成功させるポイントを解説

バーターとは、物々交換によって取引を行うこと、またはその取引自体を指します。バーター取引を行うことで、コスト削減や新規顧客の開拓、ネットワークの構築など、企業にとって大きなメリットをもたらします。
本記事では、バーターの意味やバーター取引を行うメリット・デメリット、成功させるポイントなどについて解説します。

なお、ミイダスでは採用に役立つ資料を無料で提供しています。ぜひこちらもあわせてご活用ください。

【無料ダウンロード】スタートアップ人事必見! 令和版:採用面接の質問内容とは

バーターとは?基本的な意味と語源

取引のイメージ
バーターとは、物々交換によって取引を行うこと、またはその取引自体を指します。具体的には、現金を使わずに、企業や個人が持つ商品やサービス、スキルなどを相互に交換する経済行為です。

この「バーター」という言葉は、英語の「barter(物々交換する、売り渡す)」に由来しています。歴史的には、貨幣経済が発達する以前から世界中で行われていた、最も原始的な取引形態の1つです。現代のビジネスシーンでも、さまざまな形で活用されています。

バーター取引が行われるシーン

ビジネスシーンでは、さまざまな場面でバーター取引が活用されています。特に、資金が限られているスタートアップ企業や中小企業が、現金を使わずに必要なリソースを獲得したい場合に有効です。

具体的には、以下のような状況でよく見られます。
シーン具体的な例
広告宣伝・プロモーション・メディア同士が広告枠を交換する
・企業がインフルエンサーに商品を提供し、SNSでの紹介を依頼する
サービス・技術の交換・IT企業がシステム開発を行い、代わりにデザイン会社からWebサイト制作を受ける
・コンサルティング会社が経営アドバイスを行い、代わりにクライアントの製品・サービスを受け取る
不動産・スペースの利用・イベントスペース提供と引き換えに、イベント運営協力を得る
製品・在庫の交換・食品メーカー同士が互いの商品を社員向けに提供し合う
このように自社が提供できるリソースと、相手から得たいリソースが合致する場合に、バーター取引は柔軟な解決策となります。特に、現金の支出を抑えつつ、新たなビジネスチャンスを創出したい場合に積極的に検討される取引形態と言えるでしょう。

バーター取引の具体的な活用例

バーター取引の具体的な活用例を3つ見てみましょう。

【具体例①】Webメディア同士が広告枠を相互に提供するケース

Webメディア同士が広告枠を相互に提供するバーターは、特に広告予算が限られるスタートアップや中小企業に有効です。異なる分野のメディアが互いの広告枠を交換することで、新たな読者層にリーチし、集客やブランディングにつながります。現金支出なく広告掲載ができるため、コスト削減にも貢献します。

【具体例②】飲食店が食材を提供し、代わりに内装業者に店舗改装を依頼するケース

飲食店と内装業者のバーターは、食材や食事券提供と引き換えに店舗改装・修繕を依頼するケースです。飲食店は現金支出を抑え、内装業者は現金以外の対価を得られます。開業初期や資金に余裕がない場合に特に有効で、互いの強みを活用し、現金を使わず必要なサービスを得られる具体例です。

【具体例③】SaaS企業がサービスを無償提供し、代わりに利用企業から導入事例やマーケティング協力を得るケース

SaaS(Software as a Service)企業は、自社サービスを無償または割引価格で提供し、その代わりに利用企業から導入事例の掲載許可や、セミナーでの登壇、共同でのマーケティング活動といった協力を得るバーター取引を行うことがあります。特に、立ち上げ期や新しい機能のプロモーションにおいて有効な戦略です。サービス利用のフィードバックを得たり、実績を作ったりすることで、その後の有料顧客獲得につなげられます。

バーター取引のメリット

メリットと書かれた付箋が貼られたノート
バーター取引のメリットは以下のとおりです。
  • コストを削減できる
  • 新規顧客・販路を開拓できる
  • 在庫や余剰リソースを活用できる
  • 互助関係・ネットワークを構築できる
  • 試験的な取り組みがしやすい
それぞれのメリットについて説明します。

コストを削減できる

バーター取引の最も大きなメリットの1つとして、コスト削減が挙げられます。商品やサービスを購入する際には現金による支払いが発生しますが、バーター取引では自社の商品やサービスを提供することで対価とします。これにより、現金の支出を抑えることが可能です。

特に、以下のようなコストの削減が期待できます。
  • 広告宣伝費
  • 仕入コスト
  • 設備投資やサービス利用料
Webメディア同士のバーターであれば、本来外部メディアに広告出稿する際に発生する費用が不要になります。また、飲食店が食材を無償提供することで、通常発生する店舗改装費の一部または全額を削減できるケースも考えられるでしょう。このように、バーター取引は現金の流出を防ぎ、実質的なコスト削減につながります。

新規顧客・販路を開拓できる

バーター取引は、通常とは異なるチャネルを通じて、新たな顧客層や販路を開拓する機会となります。特に、現金での広告費や営業活動に多くのリソースを割けない場合でも、自社の商品やサービスを提供することで、これまでリーチできなかった層にアプローチすることが可能です。

たとえば、以下のようなケースが挙げられます。
  • 特定の業界に特化したサービスを持つ企業が、異業種の企業とバーター取引を行うことで、その異業種の顧客基盤に自社サービスを知ってもらう
  • 地域密着型の店舗が、近隣の別の業種の店舗と相互に顧客を紹介し合う
このように、バーター取引では、お互いの顧客基盤やネットワークを活用し合うことで、効率的に新たな顧客や販路開拓につながります。

在庫や余剰リソースを活用できる

バーター取引は、企業が抱える在庫や余剰リソースを有効活用できるメリットがあります。売れ残った在庫や使い切れていない広告など、通常であればコストになるものを、相手が必要とする商品やサービスと交換することで、新たな価値を生み出せるでしょう。

特に季節性の高い商品やサービス業のオフピーク時間など、一時的に余剰が発生しやすいビジネスにおいては、バーター取引が有効な解決策となり得ます。現金化が難しい状況でも、必要なものを手に入れる手段として活用できます。

互助関係・ネットワークを構築できる

バーター取引は、単なる一時的な交換にとどまらず、企業間の協力関係やネットワーク構築につながるというメリットがあります。特に、以下のような形で関係性が深まる可能性があります。
  • 信頼関係の醸成
  • 継続的なパートナーシップ
  • 情報交換の促進
このように、バーター取引は、金銭的なメリットだけでなく、将来的なビジネスチャンスにつながる強固なネットワークを築くきっかけとなるでしょう。特に、同業種や関連業種の企業間では、互いの強みを活かした相乗効果が期待でき、持続的な成長に貢献する可能性を秘めています。

試験的な取り組みがしやすい

バーター取引は、新たな商品やサービス、あるいはこれまで取引のなかった企業との連携を試す場合に有効な手段となり得ます。特に金銭のやり取りが発生しないため、リスクを抑えて試験的な取り組みを進めやすいというメリットがあります。

たとえば、以下のようなケースが考えられます。
  • 新商品を特定の企業に提供し、フィードバックを得る
  • 新たなプロモーション手法を試すために、別の企業と協力する
金銭的な投資を伴わないため、失敗した場合の損失が限定的です。また、成功すれば本格的な取引へと発展させることも可能です。

ミイダスには取引時の意思決定に関係する
認知バイアスを確認できるツールがあります。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して機能を試してみる

※アカウントの登録及びご登録後のご利用は無料です。

バーター取引のデメリット

デメリット(ミニチュア人形)
バーター取引のデメリットも見ていきましょう。
  • 提供する商品やサービスの価値評価が難しい
  • 相手が提供できる商品やサービスが必要とは限らない
  • 契約不履行やトラブルのリスクがある

提供する商品やサービスの価値評価が難しい

バーター取引の大きなデメリットの1つに、提供し合う商品やサービスの価値をどのように評価するかという難しさがあります。現金での取引であれば価格が明確ですが、物々交換であるバーターでは、互いの価値が釣り合っているかどうかの判断が曖昧になりがちです。

価値評価が不透明なままだと、どちらか一方が損をしていると感じたり、後々のトラブルの原因になったりする可能性があります。事前のすり合わせと、総合的な判断が非常に重要になります。

相手が提供できる商品やサービスが必要とは限らない

バーター取引におけるデメリットの1つに、相手が提供できる商品やサービスが、自社にとって必ずしもニーズがあるとは限らないという点があります。たとえば、自社がWebサイト制作を求めているにもかかわらず、相手が提供できるのが広告枠だけというケースなどが考えられます。

相互のニーズが完全に一致しない場合、取引自体が成立しなかったり、自社にとってメリットの少ない取引になってしまったりする可能性があります。

特に、ニッチな商品・やサービスを提供している場合や、特定の時期に特定のニーズしかない場合などは、相手が提供できるものが自社の要求を満たさないリスクが高まるでしょう。バーター取引を検討する際は、相手が提供できるものを事前に確認し、自社のニーズと照らし合わせることが重要です。

契約不履行やトラブルのリスクがある

バーター取引においては、金銭の授受がないため、通常の売買契約とは異なるリスクがあります。相手が約束した商品やサービスを提供しない「契約不履行」や、提供されたものが期待していた品質と異なるなどのトラブルが発生する可能性があります。

リスクを軽減するためには、事前のすり合わせや、契約内容の明確化が非常に重要となります。特に、提供する内容や品質基準、納期などを具体的に文書化しておくことが不可欠です。万が一のトラブルに備え、対応策についても事前に話し合っておくと良いでしょう。

バーター取引を成功させるためのポイント

ビジネスアイコンとミニチュア
最後に、バーター取引を成功させるためのポイントを紹介します。
  • 交渉前の準備は入念に行う
  • 交渉を進める際はお互いにとってメリットのある条件を設定する
  • 契約書は明確に記載する
  • 価値評価の場面では総合的に判断する

交渉前の準備は入念に行う

バーター取引を成功させるためには、交渉に入る前の準備が非常に重要です。互いにとってメリットのある取引となるよう、以下の点を明確にしておきましょう。

具体的には、以下の3つのステップで準備を進めましょう。

1. 「何を提供できるか」を具体的に洗い出す

自社が提供できる商品やサービス、スキル、リソースをすべてリストアップします。それぞれの価値を客観的に評価してみましょう。市場価格はもちろん、それを相手が利用することで得られるであろうメリットも考慮に入れると、交渉材料になります。加えて、どれくらいの量や期間提供できるかも明確にしておきましょう。

2. 「何を求めているか」を明確にする

バーター取引を通じて、自社が何を必要としているのか、何を得たいのかを具体的に定義しましょう。単に「何か欲しい」ではなく、それが自社のどんな課題を解決し、どんな目標達成に繋がるのかを明確にしておくことが重要です。漠然とした要望では、相手も何を提案すれば良いかわからず困ってしまうでしょう。

3. 取引条件の「希望」を整理する

提供・受領するものの品質、量、期間について、どのような条件を希望するかを整理します。たとえば「〇〇のサービスを△ヶ月間利用したい」「〇〇の商品を△個欲しい」といった具体的な要望を持っておきましょう。

これらの準備をしっかり行うことで、相手との交渉がスムーズに進み、「思っていたものと違った」「損をした気がする」といった後々のトラブルを防ぎやすくなります。双方が納得できるWin-Winの取引を実現するために、準備は決して手抜きせずに行いましょう。

交渉を進める際は互いにとってメリットのある条件を設定する

バーター取引を成功させるためには、交渉の段階で「互いにとってメリットのある条件」を設定することが非常に重要です。片方だけが得をするような条件では、長期的な関係構築は難しく、取引自体が成立しない可能性もあります。

交渉を通じて、双方が納得できるWin-Winの関係を築くことが、スムーズなバーター取引の鍵となります。単に余剰リソースを消化するだけでなく、相手のビジネス成長に貢献できる視点を持つことも大切です。

契約書は明確に記載する

バーター取引を成功させるためには、契約内容を明確に記載することが非常に重要です。口約束だけでは、後々「言った言わない」のトラブルに発展するリスクが高まるでしょう。

特に、提供する商品やサービスの具体的な内容や期間は、誤解が生じやすい部分です。例えば、「広告枠の提供」であれば、掲載場所やサイズ、期間、掲載保証回数などを具体的に記載します。「サービスの無償提供」であれば、利用可能な機能範囲やサポート体制などを明記することが必要です。

書面での契約を交わすことで、お互いの認識のズレを防ぎ、安心して取引できます。弁護士などの専門家に相談することも検討しましょう。

価値評価の場面では総合的に判断する

バーター取引において、提供する商品やサービスの価値評価は非常に重要ですが、金額に換算しづらい場合もあります。そのため、単に市場価格だけではなく、以下の要素を含めて総合的に判断すると良いでしょう。
  • 一般的な取引における価格を参考にする
  • 提供する商品やサービスの具体的な内容
  • 相手の課題解決や目標達成にどれだけ寄与できるか
  • 一度きりか、長期的な関係に発展するか
  • 相手のブランド力や信頼性 など
このように目に見える価値だけではなく、将来的な可能性や非金銭的なメリットも考慮に入れることで、互いに納得のいく公正な価値評価が可能になります。

バーター取引を理解し、ビジネスに活用しよう

若い男女のビジネスマン
バーター取引は、金銭を介さずに商品やサービスを交換する非金銭取引です。ビジネスシーンにおいては、特にコスト削減や新規顧客開拓、余剰リソースの活用などに有効な手段となり得ます。

デメリットとして価値評価の難しさやニーズの不一致、契約不履行のリスクなどもありますが、これらを理解し適切に対応することで、バーター取引は貴社のビジネスに新たな可能性をもたらすでしょう。ぜひ戦略的な選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

なお、ミイダスでは、仕事の意思決定の質を歪める「認知バイアス」を計測できる「バイアス診断ゲーム」を提供しています。経営幹部の意思決定の質が歪んでいると、取引相手の言動やそのときの感情などによって認知バイアスが生まれ、結果的に思いがけない意思決定を下してしまう恐れがあります。経営幹部の1人ひとりの認知バイアスを計測し、質の高いバーター取引を実現させましょう。

ミイダスは自社にフィットする人材を
特定して
アプローチ
できる
「アセスメントリクルーティング」
採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後の「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料