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大企業病とは?言葉の意味や原因、対策を解説

大企業病とは、組織が大きくなるにつれ企業や従業員が安定を求めたり、自分の仕事にしか興味をもたなかったりする状態を指します。また、大企業病は患った気付くのに時間がかかるため、知らない間に重症化しているケースもあるため注意が必要です。

そこで今回は、大企業病の意味や症状の特徴、大企業病にかかった場合の対策などを解説します。

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大企業病とは?意味を簡単に説明

先述のとおり、大企業病は組織が大きくなることで、企業や従業員が安定を求めたり、自分の仕事にしか興味をもたなかったりする状態を指します。

大企業病を患ってしまうと、生産性が下がったり優秀な人材が離れていったりしてしまう弊害があるのです。

また「大企業病」は大企業だけではなく、これから成長していく中小企業も患ってしまう恐れがあります。自社が大企業病予備軍となっていないか、または既にかかっているか確認してみましょう。

大企業病を患っている会社と従業員の特徴8選

大企業のイメージ
大企業病を患っている会社と従業員の特徴は次のとおりです。
  • 自分の仕事だけにしか興味がない
  • チャレンジする意欲がなく、現状維持を求める
  • 臨機応変に対応できない
  • 意思決定のスピードが遅くなる
  • 顧客ニーズより社内ニーズを優先する
  • 責任の所在がわからなくなる
それぞれの特徴を見ていきましょう。

自分の仕事だけにしか興味がない

大企業病を患うと、従業員は自分の仕事だけにしか興味がなくなります。会社の従業員数が増えると必然的に組織や部署も増え、一人ひとりが担当する業務も細分化されます。

細分化されると「自分の仕事にどれだけの人が関わっているか」といった意識が薄れやすくなります。そのため、周りがどのように動いているかも把握せずに黙々と自分の仕事だけをこなすといったルーティンになってしまうのです。

チャレンジする意欲がなく、現状維持を求める

大企業病を患うとチャレンジする意欲がなくなり、現状維持を求めるようになります。「いまのやり方で失敗してる訳じゃないんだから、そのままでいい」「どうせ新しい提案をしても受け入れてもらえないから」など、新しい物事を取り入れることに対して嫌悪感を覚えます。

結果的に、もともとチャレンジ精神があった従業員もその雰囲気に流され行動できなくなるのです。

臨機応変に対応できない

大企業病を患うと、臨機応変を要する際に対応できません。ベンチャーや中小企業の場合、常に臨機応変な対応を求められる傾向にあります。

一方で大企業は臨機応変な対応が必要であっても、役員や管理職のなかで事が解決することが多く従業員は慣れていません。そのため至急対応を任されたときにパニックになる可能性があるでしょう。

意思決定のスピードが遅くなる

意思決定のスピードが遅くなるのも大企業病の症状の一つです。意思決定とは、目的を果たすために自己の責任や判断をもって最適解を見出すことです。

大企業病にかかると従業員一人ひとりの責任感や判断力が鈍くなり、意思決定が遅くなります。

顧客ニーズより社内ニーズを優先する

顧客よりも社内のルールに固執するようになったら、大企業病を患う可能性があるでしょう。

本来企業は顧客の存在があるからこそ、経営が続けられます。そのため、顧客に対するサービス向上やより優れた商品開発に務める必要があります。

しかし「上司からの評価を落としたくない」「言いたいことがあるけど会社にいづらくなるのは避けたい」など、社内ニーズにばかり気を取られてしまうと次第に売上が下がったり、顧客が離れていったりする恐れがあるのです。

責任の所在がわからなくなる

組織が大きくなるにつれて責任の所在がわからなくなるという特徴があります。

たとえば、納期の遅れが発生してしまった場合「あの部署がもっと早く引き継いでくれればこんなことにはならなかった」と責任を他部署に押し付けるようになります。
その状態は社内のコミュニケーションを減らすきっかけとなり、大企業病の症状はますます悪化するのです。

大企業病を患う原因

大企業病に悩むビジネスパーソン
大企業病を患う原因は次のとおりです。
  • 従業員数が多い
  • 業績が安定している
  • 社内の風通しがよくない
  • チャレンジできる環境が整っていない
  • 社員に経営理念やビジョンが浸透していない
それぞれの原因について説明します。

従業員数が多い

従業員数が多いと、大企業病を患いやすいでしょう。たとえば従業員が少ない企業の場合、一人ひとりに対する業務量が増えると同時に、責任感も生まれます。

一方で従業員が増えると、管理しやすいように部署やチームが増えます。さらに業務が細分化されるため、一人ひとりが自分の仕事だけに集中し、自分以外の仕事について興味をもつ機会が減っていくのです。

業績が安定している

企業の業績が安定しているのも大企業病を患う原因となります。業績が不安定な場合「頑張らなければ解雇されるかもしれない」「給料を減らされるかもしれない」などの不安が付きまといます。

しかし業績が安定している場合、現状の仕事をこなしていれば一定の給料が振り込まれます。そのため現状維持を優先し新しいことに挑戦する意欲を持たなくなってしまうのです。

社内の風通しがよくない

社内の風通しがよくないと、大企業病を患うリスクが高まります。従業員の数や部署が増えると中小企業と比べて上司とのコミュニケーションが減ります。そのため、業務に対する不安や不満を抱いていても相談できず、場合によっては離職につながってしまう恐れもあるでしょう。

チャレンジできる環境が整っていない

チャレンジできる環境が整っていないのも、大企業病を患う原因です。挑戦は仕事に対する意欲を促す力があります。しかしチャレンジができる制度が整っていなかったり、挑戦してもそれに対する評価が正当に行われていなかったりすると、徐々にモチベーションは下がっていくでしょう。

従業員に経営理念が浸透していない

従業員に経営理念が浸透していないのも、大企業病を患う原因となります。経営理念は自社の価値観や行動指針を掲げたものです。

これらが浸透していないと、会社の利益や顧客に対するサービス向上などを考えて業務に取り組むことは難しいでしょう。

大企業病が引き起こす3つのリスク

大企業病にかかった企業に勤めているビジネスパーソン
大企業病を患うと、さまざまな弊害が生まれます。
  • 生産性が下がる
  • 優秀な人材が離れていく
  • イノベーションが起こりにくくなる

生産性が下がる

大企業病を患うと、社内全体の生産性が下がる可能性があります。責任の所在がわからなかったり、従業員一人ひとりの意思決定が遅くなると上司に確認するのに時間がかかります。

また従業員に対して上司の数は少ないため、複数の案件について抱えていた場合は指示するのに時間を要するでしょう。結果的に生産性が下がり、こなせる案件も減ってしまう可能性があるのです。

優秀な人材が離れていく

大企業病にかかると、優秀な人材が離れていく可能性があります。優秀な人材はキャリアアップや、やりがいを求める傾向にあります。

そのため、チャレンジできる制度が設けられていなかったり、ルーティンワークだったりすると「別の会社でチャレンジしたい」「自分の能力を必要としてくれる企業に貢献したい」と考えるようになるでしょう。

イノベーションが起こりにくくなる

大企業病を患うと、企業全体でイノベーションが起こりにくくなるでしょう。イノベーションとは新しいモノを生み出したり、既存のモノを新しい方法で生産することです。

大企業病になると、たとえ1人の従業員が新しいアイデアを生み出しても「どうせ提案しても、話なんて聞いてくれないだろう」という思考になってしまい、何かを変えていこうという動きがなくなります。結果的にイノベーションが起こらなくなり、会社としての成長もストップしてしまうでしょう。

イノベーションについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:イノベーションとは?種類や成功事例をもとにわかりやすく解説 

大企業病を乗り越えるためには?5つの対策を紹介

豆電球のイラスト
大企業病を乗り越えるための対策として、次のようなものが挙げられます。

1.人事評価制度や社内ルールを見直す
2.人材配置を検討する
3.社内のコミュニケーションを増やす
4.多様性を理解する
5.外部に診断してもらう

それぞれの対策を見ていきましょう。

1.人事評価制度や社内のルールを見直す

人事評価制度や社内のルールを見直しましょう。せっかく顧客のために新しいアイデアを生み出したり、意見を出したりしてくれる従業員が評価されない会社だと優秀な人材はどんどん離れてしまいます。

従業員一人ひとりに、現在の人事評価制度や社内ルールについて直接ヒアリングするのも一つの方法です。話を聞いてみると想像以上の意見が出てくるかもしれません。

2.人材配置の変更を検討する

人材配置の変更を検討してみましょう。大企業病は部署内の結束が強くなったり、社内のコミュニケーションが減ったりすることで悪化します。そのため定期的な人材配置を行い、部署内の風通しをよくする必要があるでしょう。
 
人材配置について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:人材配置とは?目的や課題、最適化する方法もまとめて紹介

3.経営理念を伝える

従業員に経営理念を伝えましょう。経営理念とは、自社が大切にしている価値観や考え方、行動方針などを指します。経営理念を伝えることで各々の責任感が芽生えます。「顧客がいるからこそ、私たちは日々仕事ができている」ことを改めて理解してもらいましょう。

経営理念やパーパスブランディングについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
【関連記事:経営理念とは?意味や重要性、作り方、有名企業の事例を紹介
【関連記事:パーパスブランディングとは?採用・人材育成に活かすポイントを解説 

4.社内のコミュニケーションを増やす

大企業病を改善したい場合は、コミュニケーション機会の創出に努めましょう。大企業病にかかると従業員は自分の仕事にしか興味が向かなくなるため、自然と社内のコミュニケーションも減ります。

コミュニケーションは社内の人がどのような業務をしているのか知ったり、理解したりするきっかけにもなります。

社内のコミュニケーションについて詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
【関連記事:社内のコミュニケーションストレスの原因は?軽減方法を解説 

5.多様性を理解する

多様性を理解するのも、大企業病の解消につながります。大企業病にいると現状維持を望むため、無意識に新しい風を吹き込んでくれる人材を避けている可能性があります。
 
また時代の変化に伴い、多様性の認知はかなり重要視されつつあります。従業員にも多様性に対する理解を深めるために研修を行ったり、普段から意識させたりする必要があるでしょう。


多様性(ダイバーシティ)について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:ダイバーシティとは?企業が取り組むメリットや注意点、推進ポイントを解説

外部に診断してもらう

「大企業病が進行していて、社内では手に負えない……」という場合は、外部に診断してもらうことも一つの方法です。中にいると、周りの人が大企業病の症状について自覚していなかったり、現状維持を求める従業員の雰囲気にのまれたりしてしまいかねません。

近年は人事コンサルティングのサービスを行う企業も増えているため、一度社内を徹底的に診断してもらうのが効果的です。

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大企業病は社内に対する不満やコミュニケーション不足によって起こります。

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定期的なチェックで大企業病を予防しよう

大企業病を克服した企業のイメージ
今回は大企業病の意味や原因、対策について解説しました。大企業病に一度かかってしまうと改善するには時間を要します。社内ではその症状が当たり前になるので、自覚症状がないまま時間だけが経過してしまう恐れもあるのです。

まずは自社が大企業病にかかっていないか確認し、もし懸念点があれば改善に努めましょう。

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