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職場のストレスの原因・対処法は?職場環境・業務内容・人間関係の3つの要因から分析しよう

職場でストレスを感じ、月曜日が憂鬱な人は多いでしょう。ストレスを解消するには、企業と従業員双方でストレスを予防・解消する対策を講じる必要があります。

職場のストレスを完全になくすのは難しいかもしれません。しかし、職場のストレスを放置し続けていると、メンタル不調者が増え、離職へとつながるリスクが高まります。

また生産性の低下や企業イメージの失墜など、企業経営面でもネガティブな結果をもたらす可能性もあるため、適切なストレス対策をして従業員が生き生きと働ける環境の構築が重要です。

本記事では職場のストレス原因や従業員のストレス要因を分析する方法などを紹介します。「離職者が多い」「ストレスを抱えた従業員が多い」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

ミイダスでは無料のお役立ち資料も配布しています。従業員のストレス度合いを把握し、分析する方法については、こちらの資料もぜひご参照ください。

【無料ダウンロード】部下の生産性を向上させるストレス分析とは

記事を動画で解説

職場のストレス原因

職場のストレス原因を把握することで、適切な対処ができます。まずは一般的な傾向をデータから読み取りましょう。

データで見る職場のストレス

令和5年に発表した労働安全衛生調査(実態調査)結果によると「仕事で職業生活で強いストレスで感じる事柄がある」と回答した労働者の割合は「82.7%」でした。令和3年の調査結果では「53.3%」だったため、職場でストレスを感じている人がかなり増加しているのがわかります。

職場のストレスの原因は、以下のとおりです。
  • 仕事の失敗、責任の発生等(39.7%)
  • 仕事の量(39.4%)
  • 対人関係(29.6%)
  • 仕事の質(27.3%)
  • 会社の将来性(22.2%)
参考:厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)

上記のデータをもとに、よくある職場のストレス原因を深掘りしていきます。

1位「仕事の失敗、責任の発生」

責任感の強いビジネスパーソンほど、仕事の失敗を許せず、負担に感じてしまうものです。ミスの内容によっては大きな責任が発生し、同僚や取引先、営業成績などに影響が出るため、さらにプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。

調査結果を見ると、失敗する申し訳なさや、責任の大きさをストレスに感じる人が非常に多いことがわかります。

しかし、責任の大きい仕事をストレスに感じてしまう人がいれば、責任の大きさにやりがいを感じる人もいるものです。企業としては、従業員のタイプを見極めて人材を採用・配置する必要があると言えるでしょう。

2位「仕事の量が多い」

仕事の量が多いと、残業が多くなったり、満足に休憩を取れなかったりして、ストレスが溜まりやすくなります。

人は疲れているとストレスを感じやすくなるものです。就業時間が同じでも、仕事が忙しいときのほうが疲れるため、ストレスを感じやすくなるでしょう。

人によって業務量に偏りがある場合も、「なぜ自分だけこんなに働かなければいけないのか」という不公平感がストレスにつながります。

3位「人間関係」

対人関係に悩み、ストレスを抱える人は男女問わず少なくありません。仕事は1日の大半を占めるものです。だからこそ、苦手な人がいたり、きつい上司がいたりすると、強いストレスを感じてしまうでしょう。

労働政策研究・研修機構の調査(平成30年)によると、就職後1年未満で早期離職した人の離職理由で最も多く挙げられたのが「人間関係が良くなかった」という声でした。

対人関係を円滑にするには、上司が部下に積極的に声をかけたり、従業員同士が交流できるイベントを作ったりするといった工夫が効果的です。上司と部下のコミュニケーション方法については後ほど詳しく解説します。

参考:労働政策研究・研修機構|第5章 早期離職の背景と離職後の就業状況 238ページ

4位「仕事の質」

仕事の性質が従業員に合っていないとストレスにつながります。

「苦手なルーチンワークが多い」「クレーム対応が多い」など、苦手な業務・やりがいを感じられない業務を任されている場合、日々仕事をしているだけでストレスが溜まります。

また、従業員の持っている能力以上の成果を求めている場合もストレスにつながるでしょう。企業には、従業員の得意・不得意に合わせて、仕事内容を適切に調節することが求められます。

5位「会社の将来性」

会社の将来性に対して不安を感じるとストレスにつながります。

「この業界で働き続けていていいのか」「このまま働いていても、給料は上がらなさそう」「リストラされるリスクもゼロではない気がしてきた……」など、漠然とした不安が押し寄せてきます。

会社は従業員に安心してもらえるように定期的に面談を実施し、人事考課の結果を伝える機会を設けるとよいでしょう。

職場のストレス対策は企業経営に必要不可欠

ベンチに座り悩むビジネスマン
従業員の精神的な負荷をコントロールし、適切な対策を講じることは企業経営において必要不可欠です。

従業員のストレスケアをせずにいると、心の病による不調者や休業者増加のリスクが高まります。その結果、企業経営における支障をきたす可能性もあるのです。

起こり得る問題は以下のとおりです。
  • 生産性が低下する
  • 事故やトラブルのリスクが高まる
  • 損害賠償責任を負う恐れもある
それぞれ解説します。

生産性が低下する

ストレスの蓄積によってメンタルヘルスを損なうと、業務の生産性が低下する可能性があります。精神的な不調によって集中力が低下し、作業効率を損なうことも起こり得ます。

普段以上に作業に時間がかかってしまうかもしれません。

企業が社内のストレス対策を講じず、従業員のメンタル不調を放置するのは禁物です。従業員の遅刻や欠勤が増え、やがては離職へとつながる可能性もあるでしょう。

事故やトラブルのリスクが高まる

ストレスに伴うメンタル不調が続くと、事故やトラブルにつながる懸念が生まれます。慢性的な睡眠不足や集中力の低下によって、状況判断に支障をきたす不安もあるでしょう。

とくに機械の操作や運転をするような場合には、取り返しのつかない事故が起きる恐れもあります。不注意による事故だけでなく、自暴自棄になって思わぬ行動に出る可能性も否定できません。

職場のストレスケアは従業員の命を守る上で欠かせない施策です。

損害賠償責任を負う恐れもある

企業が従業員のストレス対策をおろそかにしていると、安全配慮義務違反があったと見なされる恐れがあります。安全配慮義務とは、雇用する従業員について、労働者の安全確保に努める企業が担う義務のことです。

安全配慮義務違反が認められれば、従業員やその家族から、多額の損害賠償を請求される恐れもあるでしょう。

実際、過重労働を原因にうつ病を発症した女性従業員が自殺した事件で、裁判所は使用者責任(民法715条)に基づき、企業側に損害賠償責任があると判決を下しています。

物理的な安全確保はもとより、従業員の心の安全を守るため、企業は従業員のメンタルヘルスを健全に保つ取り組みを講じる必要があるのです。

ストレスの原因を掴むことが重要

企業の人事・総務担当者は、従業員のストレス対処法を検討する前に、ストレスに関する知識を深めることも大切です。

ここでは、ストレスの定義やストレスの原因について解説します。

そもそもストレスとは何か?

ストレスという言葉は、もともと機械工学用語で「物体の歪んだ状態」を意味します。

医学的には、外からの刺激に対する身体や心の反応を「ストレス反応」と呼び、ストレス反応を生じさせる外部刺激・原因を「ストレッサー」と呼びます。

ボールを例に取れば、ボールを押して変形した状態を「ストレス反応」、歪むまでボールを押しているものを「ストレッサー(ストレスの原因)」と説明できるでしょう。

ストレスの原因・ストレッサーは5種類

ストレスの原因であるストレッサーは主に、以下の5つに分けられます。
・物理的ストレッサー
・化学的ストレッサー
・心理的ストレッサー
・社会的ストレッサー
・生理的ストレッサー
それぞれ見ていきましょう。

物理的ストレッサー

物理的ストレッサーとは、温度・音・光などといった物理的な環境刺激を指します。職場における物理的ストレッサーの例は以下のとおりです。
  • 効きすぎる空調
  • 明るさが不適切な照明
  • 激しい騒音 など
仕事に集中できないレベルでこれらが発生している場合、働く人にとって物理的なストレッサーに該当します。

化学的ストレッサー

化学的ストレッサーとは、化学物質による刺激のことです。具体的には公害物質や薬物、食品添加物などがこれにあたります。

職種によっては、化学物質を取り扱うこともあるでしょう。化学物質は目や鼻、喉に刺激を与える可能性があり、従業員にとってストレスの一因になります。

また職場での空気環境も化学的ストレッサーの一つです。人によっては、タバコの煙や臭いがストレッサーになるケースもあるでしょう。

職場内が分煙されていないと受動喫煙などの健康リスクも伴います。喫煙者も非喫煙者も快適に過ごせるよう、分煙を徹底するなどの対策が求められます。

心理的ストレッサー

不安・焦り・苛立ち・怒り・緊張・抑うつなどの感情が伴う問題を心理的ストレッサーと呼びます。心理的ストレッサーは仕事・プライベートなど人間が社会生活を営む上で生じるものです。

自分にとって対処可能な範囲を超える出来事に遭遇した際などに生じます。仕事面における心理的ストレスの例は以下のとおりです。
  • 時間に追われる
  • 課題やノルマが負担となる
  • 身体的な脅威を感じる
  • 自尊心を傷つけられる
心理的ストレッサーは他のストレッサーと密接に関係しているケースもよくあります。

社会的ストレッサー

経済問題や政治問題、職場関係などの周辺環境から受ける刺激を社会的ストレッサーと呼びます。社会的ストレッサーの例は以下のとおりです。
  • 情報過多
  • 過密な都市生活
  • 市場のグローバル化
  • 人工知能の発達 
  • 終身雇用制の崩壊 など
社会や経済状況の変化に伴い、今の業務が将来通用しなくなってしまう不安などがこれにあたります。職場におけるストレスの多くは、社会的ストレッサーや心理的ストレッサーに起因していると言われています。

生理的ストレッサーとは

身体の問題が原因となるものを「生理的ストレッサー」と呼びます。生理的ストレッサーの具体例は以下のとおりです。
  • 空腹
  • 病気
  • 妊娠
  • 怪我
  • 虫歯 
  • 月経 など
体の変調により思うように動けないとき、人はストレスを感じます。


5種類のストレッサーを見ると「これもストレッサーになるの?」と感じるものもあるでしょう。エアコンの温度が26度で「最適だ」と感じる人がいれば、「寒すぎる」とストレスに感じる人もいるように、ストレッサーは人によって異なります。

従業員のストレスに対処するためには、多角的な視点でストレスの原因を見る必要があるでしょう。自分が平気であっても、他の人にとって困る要因があることを心得なければなりません。

そのために「どういうことに悩むのか」「どのようなことがストレッサーになり得るのか」をフラットな視点で見る姿勢が求められます。

ストレッサーについては以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

<関連記事>ストレス耐性とは?ストレッサーを特定して適性を見極めよう

職場のストレスで出る症状

職場のストレスによって出る症状に悩む女性
職場でストレスが多いと、精神的にも肉体的にも不調に陥る可能性が高まります。従業員の変化に気づけるように、日頃から意識して観察しましょう。

精神的に落ち込む

ストレスが溜まると、精神的に落ち込みやすくなります。従業員の笑顔が減ったりイライラしたりしているように見えたら早急な対処が必要です。

具体的には、以下のような症状に気を付けましょう。
  • 感情が不安定
  • イライラしやすい
  • 気分が落ち込む・憂鬱な気分になる
  • 集中しづらい
  • 仕事への意欲がない など
職場のストレスが大きいと従業員の心が不健康になり、生産性の低下やコミュニケーションのすれ違いなどにもつながります。最悪の場合、うつになってしまう可能性もあります。

体調が悪くなる

ストレスが溜まると免疫が下がり、風邪を引きやすくなったり、体がだるくなったりします。そのため、従業員が仕事を休むことが多くなるでしょう。

具体的には、以下のような症状が出やすいです。
  • 疲れやすい・全身がだるい
  • 偏頭痛がする
  • 動悸・息切れがする
  • 食欲がなくなる
  • 肩こりがひどくなる
  • 夜に眠れない など
ストレスは、体にさまざまな不調をもたらします。日頃から従業員の体調を気にかけていると、ストレスに気づきやすいでしょう。

心や身体に不調を抱えているのにもかかわらず、出勤している状態を「プレゼンティーズム」と呼びます。
自社にもプレゼンティーズムの従業員がいるかもしれません。プレゼンティーズムについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事:プレゼンティーズムとは?要因や測定方法を紹介 

個人でできる職場のストレス解消法

職場のストレスが溜まっている女性
職場でストレスを感じているときに、個人でできるストレス解消法をまとめました。
  • 食事・睡眠・運動を意識する
  • 小さな目標を立てる
  • やるべきことを可視化する
  • 人に相談する
従業員がストレスを解消しやすい環境を整えるために、個人だけではなく企業も、ストレス解消法を把握しておきましょう。

食事・睡眠・運動を意識する

生活習慣を整えると、ストレス解消・予防が期待できます。

①食事
ストレスが溜まると、やけ食いしたり拒食になったりするように、食事は体と心の健康に深い関わりを持っています。バランスの良い食事を心がけましょう。
<食事のポイント>
・1日3食、規則正しく食べる
・良質なたんぱく質をしっかり摂る
・ビタミンB群、C、Eを摂る
・カルシウムやマグネシウムなどを摂る
②睡眠
睡眠の質が下がると「いくら寝ても疲れが取れない」「寝付くのに時間がかかる」などの症状が表れます。ストレスが睡眠の質を下げ、さらにストレスが溜まる悪循環になりがちです。
<睡眠のポイント>
・温度が低いお湯で入浴
・寝る30分~1時間前からスマホやパソコンを見ない
・寝室の温度や湿度を調節する
・厚めのカーテンで、寝室の光を調節する
③運動
職場のストレスをいつもより激しく感じる人は、運動不足の可能性があるでしょう。適度な運動を行うと、気分がすっきりし、ネガティブな気持ちを発散させる効果が期待できます。

とくにリモートワークをしている場合は、通勤する機会が減って運動不足になりやすいことが問題になっています。外に出ると気分転換にもなるため、職場のストレスを感じている人は運動を生活に取り入れてみましょう。
<運動のポイント>
・1日20分を目安に運動
・体がポカポカして汗ばむぐらい
・ウォーキングや短距離のジョギングが気軽に始めやすい

小さな目標を立てる

職場でストレスを感じているときは、モチベーションアップのために小さな目標を立ててみるのがおすすめです。1日単位もしくは1週間単位の小さな目標からスタートすると、前に進んでいる実感が得られ、ポジティブな出来事にも目を向けやすくなります。

自己肯定感も上がり、達成感や充足感を得られるでしょう。

やるべきことを可視化する

仕事の量が職場のストレスになっている場合は、ToDoリストなどを活用して、やるべきことを可視化しましょう。

タスクを目に見える形にすることで、頭の整理をしやすくなります。優先順位を付けやすく、締め切りギリギリになって追い込むことも少なくなるでしょう。

また、それぞれのタスクにかかる「時間」を可視化する方法も有効です。もし自分ひとりでは抱えきれないほどの業務量がある場合は、同僚や上司に相談して他の人に仕事を手伝ってもらうことも可能になります。

人に相談する

職場でストレスを感じやすい人は、責任感が強く、人に頼ることが苦手な傾向にあります。ときには他の人に頼ることも意識してみましょう。

たとえば上司に業務内容について相談すれば、部署を異動させてもらえる可能性もあります。企業としても、従業員にはできるだけ職場でのストレスを感じてほしくはありません。人に相談することで、ストレス解消法を一緒に見つけられるでしょう。

企業・組織ができる職場のストレス解消法

企業や組織の施策で職場のストレスが解消できたイメージ
企業や組織は、従業員のストレスを解消・予防する取り組みを積極的に行う必要があります。従業員がストレスを感じている状態が続くと「早期離職」や「生産性の低下」につながる可能性が高まるのです。

企業や組織ができる、従業員のストレス解消に向けた取り組みは以下の8つです。
  • メンター制度・1on1などの実施
  • 日報などの細かい報告の実施
  • 運動イベントの実施
  • 短時間睡眠の導入
  • 部活や社食など福利厚生の充実
  • フレックスタイム制の導入
  • 人材配置の見直し
  • ストレス診断の実施
それぞれ詳しく見ていきます。

メンター制度・1on1などの実施

メンター制度や1on1などを実施し、コミュニケーションを円滑にする環境を作りましょう。メンター制度とは、社歴の近い先輩従業員が相談やサポート役に入る制度、1on1は定期的に上司との面談を設けることです。

職場の不安やストレスについて話すには信頼関係が必要です。そのためには、日頃から深いコミュニケーションを取り、率直に話せる関係性の構築が重要となります。

定期的な1on1面談を通してお互いの性格を把握すると、早期の段階でストレスに気づける可能性も高まります。業務の割り振りなどの参考にもなるでしょう。

1on1を実施すると、毎週30分程度の時間的コストがかかります。しかし、円滑なコミュニケーションのために時間的コストをかけてこそ職場のストレスが軽減され、離職の予防・生産性の向上につながるのです。

メンター制度や1on1について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:メンターとメンティーの違いは?それぞれの意味やメンター制度導入のポイントを紹介
【関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法

日報などの細かい報告の実施

日報などを通して、日頃のコミュニケーションをルーチン化する方法もおすすめです。その日にあった小さい出来事や、ちょっとした不安などを伝える場になります。

職場のストレスは、日々の小さな出来事の積み重ねです。ストレスの種がまだ小さいうちから把握しておくと、対処もしやすくなります。

また、日報を活用して「1日の目標」を立てるとストレス予防につながります。小さな目標を立てることで達成感が得られ、それを日報として共有することで上司への報告・相談もしやすくなるのです。

部活や社食など福利厚生の充実

福利厚生を充実させることで、従業員の運動不足や食事の改善をサポートできます。ジム会員費の割引や社食があれば、健康的な生活習慣を持つ従業員も増えるでしょう。

また、部活動制度の導入もおすすめです。運動部であれば運動不足解消になり、文化部であっても共通の趣味によってコミュニケーションを取りやすくなるメリットがあります。所属部署を越えた、従業員同士の人脈形成に有効です。

フレックスタイム制の導入

ワークライフバランスがストレスの原因となっている場合は、フレックスタイム制の導入を検討すると良いでしょう。従業員自身が働く時間を選ぶことで、体調やプライベートの予定と折り合いを付けやすくなります。

また、有休を時間単位で取得する「時間休制度」も、ワークライフバランスの改善が期待できます。

ただし、従業員のストレス原因がワークライフバランスではなく、仕事の量や質の場合は他の対策が必要です。従業員のストレス原因を調査し、原因に合った対策をすることが重要です。

人材配置の見直し

自分に合わない業務を行うとストレスにつながります。定期的に人材配置の見直しを行い、適材適所の配置を目指しましょう。

たとえば以下のような場合は、アンマッチな人材配置と言えます。
  • 責任が大きいとストレスを感じるのに、リーダー職を任されている
  • ルーチンワークが多いとストレスを感じるのに、事務職に配属されている
本人の希望を聞き、適性を見極めて人材配置を見直す必要があります。ほかのストレス対処法を実施しても、業務内容がストレスの原因となっている場合は根本的な解決になりません。従業員がやりがいを感じ、ストレスなく働ける配置を見つける必要があるのです。

人材配置について詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:人材配置とは?目的や課題、最適化する方法もまとめて紹介
【関連記事:適材適所の採用・人材配置とは?メリットとデメリット、実現方法を解説

ストレス診断の実施

ミイダスのコンピテンシー診断の画面イメージ
何が原因でストレスを感じているのかを把握するのは難しいものです。そこで、従業員が感じているストレスの可視化に役立つのがストレス診断です。

これまで見えてこなかった従業員のストレス原因が分かるので、個人に合わせた対策を打ったり組織全体の職場環境改善につなげたりできるでしょう。

なお、ミイダスのコンピテンシー診断では「ストレス診断」も可能です。

コンピテンシー診断で分析できる内容は以下のとおりです。
・従業員のストレスの原因
・相性の良い上司や部下のタイプ
・従業員に向いている業務
・1on1のようなコミュニケーション施策の土台
各従業員のストレス要因を正しく知ることは非常に重要です。人間関係にストレス要因がある場合はコミュニケーション施策を実施しましょう。業務内容にストレス要因がある場合は、部署の異動を検討するなどの対策が有効です。

ミイダスのコンピテンシー診断では、従業員のストレス要因を分析できます。

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【独自調査】部下が相談しやすい上司の特徴とは?

従業員のストレスを予防・解消するには、部下を持つマネージャー層の意識改革が重要です。上司の接し方次第で部下の働きやすさが大きく変わります。

ミイダスは2023年7月、上司と部下の関係性について、部下206名にアンケート調査を実施しました。

本調査では「弱みを見せるオープン上司の部下」と「弱みを見せないストロング上司の部下」の働きやすさを比較しています。その結果、弱みを見せる上司の部下のほうが、より安心して生き生きと働いている様子が浮き彫りになりました。

上司が部下に弱みを見せる組織のほうが、
  • 上司と部下の関係が良好 
  • 生産性が高い
  • エンゲージメントが高い
  • 心理的安全性が担保されていると実感している
といった結果が出ています。それぞれ見ていきましょう。

なお、本調査の詳細や上司側から見た調査結果は以下よりご確認いただけます。

【前編:部下に弱みを見せている『オープン上司の部下』と、部下に弱みを見せていない『ストロング上司の部下』を対象にした調査結果
【後編:部下に対して積極的に弱みを見せている『オープン上司』と、全く弱みを見せていない『ストロング上司』を対象にした調査結果

結果①上司の弱みを開示されている部下の約9割が「良い関係を構築できている」と回答

ミイダスアンケート結果・上司との関係性
良好な上下関係を築くには、上司が部下に対して自己開示することが重要です。弱みを開示されている部下は、弱みを開示されていない部下よりも高い割合で、上司と良い関係を築けていると回答しています。

その差はなんと53.8ポイントでした。

成功体験や美談ばかりを語る上司よりも、自分の失敗や弱さをさらけ出す上司のほうが部下は安心感を覚えるのかもしれません。

結果②生産性の高さ:弱みを見せている上司の部下のほうが高い

ミイダスアンケート結果・生産性の高さ
上司の部下に対する向き合い方は業務の生産性にも反映されています。上司が弱みを見せてくれていると感じている部下のほうが、弱みを見せない上司の部下よりも34.3%多く、生産性の高さを実感しているといった結果になりました。

上司が部下に弱みを見せるからこそ、部下は安心して相談できるのでしょう。仕事に行き詰まっても相談できる相手がいると、モチベーションの維持につながります。結果的に生産性向上といった効果をもたらすのです。

結果③エンゲージメントの高さ:弱みを見せている上司の部下のほうが高い

ミイダスアンケート結果・エンゲージメントの高さ
エンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着」や「思い入れ」といった、従業員と会社の絆の深さを指します。弱みを見せる上司の部下のほうが、弱みを見せない上司の部下よりも37.8%もエンゲージメントの高さを実感しているという結果が出ています。

直属の上司に対する満足感は、従業員のエンゲージメントを左右する要因になると言われています。部下は弱みを見せてくれる上司に対しては「上司に信頼されている」「愛着が湧く」と感じるようです。

【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介

結果④組織の心理的安全性:弱みを見せている上司の部下のほうが高い

ミイダスアンケート結果・心理的安全性の高さ
心理的安全性とは、組織の中で誰でも安心して意見を言い合える状態のことです。上司自ら本音を吐露するからこそ、部下も率直に意見を言えるのでしょう。

弱みを見せる上司の部下は弱みを見せてくれない上司の部下よりも、38.9ポイント高い割合で、心理的安全性が担保されていると感じているようです。


上司が弱みを見せることで、上司部下の関係性に良い影響をもたらすことが判明しました。上司が本音で話すことによって、部下は以下のようなメリットを感じていると言います。
  • 上司に気軽に相談しやすくなる
  • 上司に信頼されていると感じる
  • 上司に対してより愛着が湧く
  • 上司とのコミュニケーションに積極的になれる
  • 本音で上司とコミュニケーションが取れるようになる など
部下にありのまま本音を話すことが、間接的に部下のストレス対策につながるわけです。「上司たるものこうあるべき!」などと肩肘を張る必要はないと言えるでしょう。

昇進・昇格研修や階層別研修などにおいても、部下に弱みを見せる・等身大で接する重要性を訴えましょう。マネージャー層の意識改革に効果的です。

【関連記事:心理的安全性とは?意味や組織へのメリット・高め方を解説【人事必見】

従業員のストレスは企業がコントロールする

職場におけるストレスの原因や対処法について解説しました。企業が従業員のストレスケアに積極的に取り組めば、企業は下記のような良い効果を得られるでしょう。
  • 従業員の健康を守れる
  • 職場が活気づく
  • ハラスメント防止になる
  • 生産性を維持・向上できる 
一方、従業員のストレスを放置してしまうと、従業員の健康を損なうばかりでなく、生産性の低下や事故・トラブルを誘発するなど企業経営に支障をきたしかねません。

企業の人事担当者や経営者は、社員個人の健康を守るとともに、会社を守るうえでも、従業員のストレスマネジメントに励む必要があると言えるでしょう。

「コンピテンシー診断」でストレス要因を数値化分析!

職場のストレスを分析している書類のイメージ
職場のストレスを抑制・予防するには、ストレスの原因を明確にすることが大切です。原因に合った対策を講じてこそ、職場のストレスを予防・抑制できます。

ミイダスの「コンピテンシー診断」では、その人が感じやすい職場におけるストレス要因を以下3つの視点で分析します。
  • 職場環境要因
  • 業務内容要因
  • 人間関係要因
3分野21項目のストレス要因を10段階で評価。ストレスに感じやすい要因の特定に役立てられます。

職場環境要因

「職場環境要因」では、ストレスに感じやすい環境を数値化して分析します。たとえば以下の項目におけるストレス傾向を確認可能です。
  • 突発事項が多い/計画的に進む仕事
  • スケジュールが常に詰まっている仕事/余裕のあるスケジュール
  • やり方を自由に任される/細かく指示される
診断によってストレスを感じやすい環境を明確にすると、職場環境との適性を判断しやすくなります。
職場環境要因変化と混沌、突発への対処、ハードスケジュール、戦略欠如、上下関係の厳しさ、評価されない、自主的にできない、意思決定に参画できない、ぬるま湯体質

業務内容要因

「業務内容要因」では、業務の特徴別にストレス要因を分析します。例として以下の特徴について分析可能です。
  • 高度な分析を要する業務/あまりスキルがなくてもできる業務
  • ルーチンワークが多い業務/変則的な業務
  • 難しい決断を迫られることが多い業務/言われたことをやれば良い業務
向いている業務・向いていない業務を可視化できます。
<業務内容要因>高度な分析力、知的要素の不足、創造的機会の欠如、ルーチンワーク、難しい局面での決断

人間関係要因

「人間関係要因」では、ストレスに感じやすいコミュニケーションの特徴を可視化します。

分析できる内容例は以下のとおりです。
  • 営業・交渉行為にストレスを感じやすいか
  • 意見の異なる人と仕事をすると葛藤を抱えやすいか
  • チームワークに対してどう感じるタイプか
たとえば、Aさんがストレスを感じる項目が下記の場合を見てみましょう。
  • 孤独な環境で作業をする
  • ビジネスライクな環境
この場合、孤独な環境がストレスとなるため、人とのつながりが多い業務を任せるとストレス軽減が期待できます。営業を任せてみたり、チームワークが重要なプロジェクトに参加してもらったりなど、適材適所の配置が人間関係要因の改善に効果的です。
<人間関係要因>営業/交渉行為、意見交換/調整、人間関係の葛藤、あたたかさの欠如、矢面に立つ、チームワーク、孤独な業務
従業員がストレスに感じやすい要素が分かれば、配置を考える際の検討材料になるでしょう。また、部署ごとにストレス要因の傾向を明確にすることで、職場改善の対策も見えてきます。

従業員のストレスケアにお悩みのご担当者は、ストレス要因の特定に、ミイダスのコンピテンシー診断をご活用ください。

「ミイダス組織サーベイ」で従業員の現状を知る

ミイダス組織サーベイのイメージ画像
ミイダスのストレス診断(コンピテンシー診断)によって従業員のストレスの原因を把握できたら、人材配置の見直しや1on1を実施するなどの対策に結果を活かせます。しかし、ストレス対策の施策を実施するだけでは十分とは言えません。

ストレス対策をより強化していくには、従業員の様子を定期的に把握し、継続的なケアをする必要があります。そこで、おすすめしたいのが、ミイダスが提供する「ミイダス組織サーベイ」です。

ミイダス組織サーベイでは、月1回、簡単なアンケートを実施するだけで、従業員やチームのコンディションをカテゴリー別に可視化できます。アンケートは5分程度で完了するため、従業員の負担もありません。

可視化できるカテゴリーは以下の6つです。知りたい項目だけ選択することもできます。
やりがい能力の発揮、成長実感などやりがいを感じているか
ミッション会社からの評価、難易度などが適切であると捉えているか
健康精神的・肉体的ストレス、十分な休息など、健康的に働けているか
支援上司や同僚から、適切なサポートを受けられているか
人間関係職場の上司や同僚と良好な関係を築けているか
組織経営陣や上司への信頼、事業やミッションへの共感など、会社組織への信頼があるか
アンケートで集めた情報は自動でデータ化されるため、一人ひとりの変化や離職の兆候をリアルタイムで把握可能です。

ミイダスの「コンピテンシー診断」と「ミイダス組織サーベイ」を併用すると、従業員一人ひとりに合ったストレス緩和策を講じられます。従業員に変化があったときにすぐに把握でき「今取るべきアクション」も分かるので、離職予防に効果的です。

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まずは無料の「コンピテンシー診断」を実施し、従業員のストレス耐性を把握しましょう。適材適所の人材配置に活かすことで、職場のストレスを改善する効果を期待できます。ミイダスのアカウント登録後、すぐにコンピテンシー診断を開始できるので、ぜひご活用ください。

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